(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6892176
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】ワーク洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 1/04 20060101AFI20210614BHJP
B08B 3/04 20060101ALI20210614BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20210614BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
B08B1/04
B08B3/04 A
H01L21/304 621D
H01L21/304 622Q
H01L21/304 644E
H01L21/304 648A
H01L21/304 651B
H01L21/68 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-192532(P2020-192532)
(22)【出願日】2020年11月19日
【審査請求日】2020年11月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236687
【氏名又は名称】不二越機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小布施 敦史
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 敬二
【審査官】
西村 治郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−167529(JP,A)
【文献】
特開2020−061514(JP,A)
【文献】
特開2020−024137(JP,A)
【文献】
特開2020−004916(JP,A)
【文献】
特表2002−509643(JP,A)
【文献】
特開2009−164346(JP,A)
【文献】
特開平06−005577(JP,A)
【文献】
特開2004−153185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/04
B08B 3/04
H01L 21/304
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状のワークを保持して搬送を行うアームと、
前記アームによる搬送中の前記ワークに対して洗浄を行う洗浄機構と、を備え、
前記洗浄機構は、前記ワークの所定面に散水を行う散水部と、前記所定面に接触して洗浄を行う接触洗浄部と、を有し、
前記接触洗浄部は、回転駆動もしくは振幅駆動された状態で、前記ワークの搬送方向に対して90度もしくは所定角度で交わる方向に往復移動される構成であり、
前記アームとして、並設されてそれぞれ独立して前記ワークの搬送を行う第1アームおよび第2アームを備え、
前記洗浄機構として、前記第1アームによって搬送が行われる前記ワークの洗浄を行う第1洗浄機構、および前記第2アームによって搬送が行われる前記ワークの洗浄を行う第2洗浄機構を備え、
前記ワークが前記第1アームおよび前記第2アームに交互に載置され、搬送および洗浄が並行して行われる構成であり、
前記ワークを収納した複数のマガジンが円弧上に載置される載置部と、
円弧上に載置される前記複数のマガジンの中心位置に配設されて、前記複数のマガジンから前記ワークを順次取出して前記第1アーム上および前記第2アーム上に交互に載置する第1ハンドと、をさらに備えること
を特徴とするワーク洗浄装置。
【請求項2】
前記ワークは円板状のウェハであり、
前記洗浄機構とは別に、前記洗浄を行った前記ワークに付着した水の除去を行う水切機構をさらに備え、
前記水切機構は、前記ワークを載置して回転させるステージと、前記ワークを前記ステージに載置する際に前記ワークの面中心と前記ステージの回転中心とを一致させるセンタリング部と、を有すること
を特徴とする請求項1記載のワーク洗浄装置。
【請求項3】
前記ワークを把持して固定プレート上に搬送する搬送機構をさらに備え、
前記搬送機構は、上下方向移動を行う機構としてサーボモータにより回転駆動されるボールネジに螺合されるスライダに連結されていること
を特徴とする請求項1または請求項2記載のワーク洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状のワークの洗浄を行うワーク洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置等を製造する工程の一つとして、ウェハ(シリコンウェハ等)の研磨を行う工程がある。一例として、ウェハを固定プレートに接着した状態で定盤に圧着させながら回転させることによって、当該ウェハの研磨を行う方法が知られている。
【0003】
上記のような方法でウェハの研磨を行う場合、固定プレートに接着するウェハの面に塵埃が付着していると、その部分が定盤に強く圧着されることとなって周囲よりも多く削れてしまうため、所定の平面度が得られないという不具合が生じ得る。したがって、研磨を行う前にウェハの洗浄を行って塵埃の除去を行うことが重要となる。ウェハの洗浄を行う装置の一例として、特許文献1(特開平7−263393号公報参照)に記載の洗浄装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−263393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に例示される洗浄装置においては、ウェハを回転させた状態とし、その上面に純水を供給しながら、ブラシ部をウェハの中央位置から周縁位置まで移動させて洗浄を行い、洗浄後にウェハの回転速度を上昇させて水切(スピンドライ)を行う構成となっている。しかしながら、この洗浄および水切を行う工程は処理時間(タクトタイム)が長く、律速段階となってしまい、製造効率を向上できない大きな要因となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者が鋭意研究を行った結果、特許文献1に例示されるような従来の洗浄装置においては、洗浄および水切を一つの回転装置で実施する構成であることが、処理時間(タクトタイム)が長くなる主要因となっていることを究明した。本発明は、これらの知見を踏まえてなされたものであって、ウェハに例示される平板状のワークの洗浄および水切を行う工程における処理時間を短縮して、製造効率の向上を図ることが可能なワーク洗浄装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0008】
本発明に係るワーク洗浄装置は、平板状のワークを保持して搬送を行うアームと、前記アームによる搬送中の前記ワークに対して洗浄を行う洗浄機構と、を備え、前記洗浄機構は、前記ワークの所定面に散水を行う散水部と、前記所定面に接触して洗浄を行う接触洗浄部と、を有し、前記接触洗浄部は、回転駆動もしくは振幅駆動された状態で、前記ワークの搬送方向に対して90度もしくは所定角度で交わる方向に往復移動される構成であ
り、前記アームとして、並設されてそれぞれ独立して前記ワークの搬送を行う第1アームおよび第2アームを備え、前記洗浄機構として、前記第1アームによって搬送が行われる前記ワークの洗浄を行う第1洗浄機構、および前記第2アームによって搬送が行われる前記ワークの洗浄を行う第2洗浄機構を備え、前記ワークが前記第1アームおよび前記第2アームに交互に載置され、搬送および洗浄が並行して行われる構成であり、前記ワークを収納した複数のマガジンが円弧上に載置される載置部と、円弧上に載置される前記複数のマガジンの中心位置に配設されて、前記複数のマガジンから前記ワークを順次取出して前記第1アーム上および前記第2アーム上に交互に載置する第1ハンドと、をさらに備えることを要件とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、平板状のワークの洗浄および水切を行う工程における処理時間を短縮すること可能となる。したがって、例えば、当該ワークが半導体装置の製造に用いられるシリコンウェハである場合には、半導体装置の製造工程において、タクトタイムの短縮による製造効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るワーク洗浄装置の例を示す側面図である。
【
図2】
図1に示すワーク洗浄装置のII−II線断面図である。
【
図3】
図2に示すワーク洗浄装置のIII−III線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るワーク洗浄装置100の例を示す概略図(側面図)である。また、
図2は、
図1におけるII−II線断面図であり、
図3は、
図2におけるIII−III線断面図である。なお、説明の便宜上、図中において矢印によりワーク洗浄装置100における前後、左右、上下の方向を説明する場合がある。また、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰返しの説明は省略する場合がある。
【0012】
本実施形態に係るワーク洗浄装置100は、平板状のワークWの洗浄を行う装置である。当該ワークWとして、円板状のウェハ(シリコンウェハ等)を例に挙げて説明するが、その他の平板状(特に円板状)のワークWにも好適に適用できることはもちろんである。
【0013】
図1、
図2に示すように、ワーク洗浄装置100は、ワークWを供給する供給ユニット100A、ワークWを洗浄する洗浄ユニット100B、洗浄後のワークWに対して必要に応じて後処理を行いつつ搬出する後処理ユニット100Cを主要構成として備えている。これらの概略構成から説明する。
【0014】
先ず、供給ユニット100Aは、ワークWを収納した複数のマガジン62が載置される載置部60と、ワークWの取出しおよび後続ユニットへの搬送を行う第1ハンド64とを備えている(なお、破線により変位位置を示す)。これによれば、第1ハンド64によりワークWがマガジン62から順次取出されて、後続の洗浄ユニット100Bへ搬送される。
【0015】
次に、洗浄ユニット100Bは、供給ユニット100Aから供給されたワークWを搬送するアーム10を備えている(なお、破線により変位位置を示す)。また、ワークWの洗浄を行う洗浄機構20、および、洗浄を行ったワークWに付着した水の除去(水切)を行う水切機構40を備えている。さらに、ワークWの後続ユニットへの搬送を行う第2ハンド66を備えている(なお、破線により変位位置を示す)。これによれば、ワークWの搬送、洗浄、および水切が行われて、後続の後処理ユニット100Cへ搬送される。
【0016】
次に、後処理ユニット100Cは、洗浄後のワークWに対して、必要となる後処理を行う構成を備えている。例えば、ワークWとしてウェハを用いて半導体装置を製造する場合には、後工程として、ウェハを固定プレート(不図示)に接着する工程や、固定プレートに接着したウェハを定盤に圧着させながら回転させて研磨を行う工程等が実施される。そのため、後処理ユニット100Cには、ワークW(ここでは、ウェハ)の裏面に接着剤を塗布する塗布機構70や、ワークWに設けられたノッチを検出する検出機構(不図示)や、ワークWを把持して固定プレート上に搬送する搬送機構(不図示)等を備える構成例が考えられる。ただし、これらの構成に限定されるものではない。
【0017】
続いて、ワーク洗浄装置100の洗浄ユニット100Bの構成について詳しく説明する。
【0018】
先ず、洗浄ユニット100Bは、
図2、
図3に示すように、供給ユニット100Aの第1ハンド64によって搬送されたワークWが載置されて搬送を行うアーム10を備えている。アーム10は、直動アクチュエータ12に連結されて、装置の前後方向に直線移動する構成となっている。このアーム10の上面には、ワークWを保持する保持溝と、保持溝内に真空を発生させて真空吸着を行う吸着孔とが設けられている。これによって、ワークWがずれることなく保持されて、確実に搬送される作用が得られる。なお、保持機構は、これに限定されるものではなく、ワークWの外周部を挟持する構成等としてもよい(不図示)。
【0019】
次に、洗浄ユニット100Bは、アーム10による搬送中すなわち所定速度で直線移動中のワークWに対して洗浄を行う洗浄機構20を備えている。この洗浄機構20には、ワークWの所定面(ここでは、上面)に散水を行う散水部21と、ワークWの所定面(上面)に先端部(下端部)を接触させて洗浄を行う接触洗浄部22とが設けられている。例えば、接触洗浄部22は、ブラシ毛の先端を接触させてブラッシング(洗浄)を行うブラシを備えて構成されている。一例として、接触洗浄部22は、駆動源(一例として、電気モータ)23に連結されてワークWとの接触部(ここでは、ブラシ)が回転駆動されると共に、全体が直動アクチュエータ14によって装置の左右方向に直線移動される構成となっている。一例として、接触洗浄部22は、全体の直径が40mmであって、樹脂製のブラシ毛が複数本植毛された構成となっている。なお、接触洗浄部22は、上記の構成に限定されるものではなく、他の例として、ワークWとの接触部に、PVA(ポリビニルアルコール)等を材料とするスポンジを備える構成や布状物(不織布を含む)を備える構成等としてもよい。
【0020】
この構成によれば、散水部21によりワークWの所定面(上面)に散水が行われながら、接触洗浄部22が回転駆動された状態で装置の左右方向すなわちワークWの搬送方向(装置の前後方向)に対して90度で交わる方向に往復移動される。これによって、ワークWの搬送中に、所定面(上面)の洗浄を行うことができる。一例として、ワークWが直径200mmのウェハである場合、ワークWをアーム10に保持して所定速度で移動させながら、接触洗浄部22を数回〜10回程度、往復移動させることによって、所定面(上面)の洗浄を完了させることができる。
【0021】
従来の洗浄装置においては、回転駆動されるワークへの静止状態(もしくは回転状態)のブラシ部の半径移動によって洗浄を行っていたのに対し、上記の構成によれば、直線移動されるワークWへの回転状態の接触洗浄部22の直径往復移動によって、搬送中に洗浄を行うことが可能となる。したがって、搬送と洗浄とを合わせた処理時間(タクトタイム)の大幅短縮が可能なり、ワークWを用いた製造工程における製造効率を大きく向上させることが可能となる。
【0022】
なお、洗浄機構20の変形例として、接触洗浄部22は、ワークWの搬送方向に対して左右方向(90度をなす方向)に往復移動させる構成に代えて、所定角度(例えば、90度に近い角度等)をなす方向に往復移動させる構成としてもよい(不図示)。さらに、他の変形例として、接触洗浄部22は、回転駆動される構成に代えて、所定の幅で振幅駆動される構成としてもよい(不図示)。これらの変形例によっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0023】
次に、洗浄ユニット100Bは、上記の洗浄機構20とは別に(洗浄機構20と隣接する配置で)、洗浄を行ったワークWに付着した水の除去を行う水切機構40を備えている。この水切機構40には、ワークWを載置して回転させるステージ41と、ワークWをステージ41に載置する際にワークWの面中心とステージ41の回転中心とを一致させるセンタリング部42と、ステージ41上に載置されたワークWに対して散水する散水部44とが設けられている。ここで、ステージ41は、駆動源(一例として、電気モータ)43に連結されて速度可変に回転駆動される構成となっている。一例として、ステージ41の回転速度は、最初の所定時間(一例として、3秒間)は1000rpm以下程度、続く所定時間(一例として、20秒間)は1000rpm〜5000rpm程度に設定されている。
【0024】
この構成によれば、散水部44によりワークWの所定面(上面)に散水が行われながら、回転による乾燥(スピンドライ)が行われる。これによって、ワークWの所定面(上面)の汚れを水と共に飛ばしながら、水切(乾燥)を行うことができる。また、このとき、センタリング部42によってワークWの面中心とステージ41の回転中心とを一致させることができ、ワークWの回転速度を従来の洗浄装置よりも高速化することが可能となる。したがって、ワークW上から水の除去を行う時間の短縮を図ることができ、水切工程におけるタクトタイムの短縮が可能となる。また、ステージ41が段階的に速度を速める構成を備えることによって、装置内で激しい水しぶきが生じることを抑制し、水しぶきの跳ね返りによってワークW上に塵埃が再付着してしまうことの防止が可能となる。
【0025】
前述の通り、特許文献1に例示される従来の洗浄装置においては、洗浄工程および水切工程を一つの回転装置で実施する構成であることによって、処理時間(タクトタイム)が長く、律速段階となって、製造効率を向上できない主要因となっていた。これに対して、本実施形態に係る洗浄機構20および水切機構40の構成によれば、洗浄機構20および水切機構40を別機構として設ける構成とし、且つ、洗浄工程および水切工程を並列処理(並行処理)によって実施する構成によって、従来装置と比較して、処理時間(タクトタイム)の大幅な短縮が可能となり、製造効率を大きく向上させることが可能となる。
【0026】
この効果をさらに高めるために、本実施形態においては、以下の特徴的な構成を備えている。具体的には、アーム10として、それぞれ独立してワークWの搬送を行う第1アーム10Aと、第2アーム10Bとが並設される構成となっている。また、洗浄機構20として、第1アーム10Aによって搬送が行われるワークWの洗浄を行う第1洗浄機構20Aと、第2アーム10Bによって搬送が行われるワークWの洗浄を行う第2洗浄機構20Bとが並設される構成となっている。さらに、水切機構40として、第1洗浄機構20Aによって洗浄が行われるワークWの水切を行う第1水切機構40Aと、第2洗浄機構20Bによって洗浄が行われるワークWの水切を行う第2水切機構40Bとが並設される構成となっている。これによれば、ワークWの洗浄を搬送中に行う構成が実現されると共に、当該構成を二系統並設する構成が実現され、且つ、それぞれの系統において洗浄工程と水切工程とを並列処理(並行処理)する構成が実現されるため、搬送、洗浄、および水切を合わせた工程の処理時間(タクトタイム)を飛躍的に短縮することが可能となり、製造効率を大きく向上させることが可能となる。
【0027】
このように、洗浄ユニット100Bにおいては、ワークWの搬送中に洗浄を行うと共に水切を並列(並行)して行う機構を二系統並設する構成が実現されている。その一方で、供給ユニット100Aにおいては、一つの搬送機構(第1ハンド64)のみによって、二系統の上記機構を有する洗浄ユニット100BにワークWの供給を行う構成が実現されている。具体的には、ワークWを収納した複数のマガジン62が円弧上に載置される載置部60と、円弧上に載置される複数のマガジン62の中心位置(当該円弧の中心となる位置)に配設されて、当該マガジン62からワークWを取出して第1アーム10A上および第2アーム10B上に交互に載置する第1ハンド64とを備えて構成されている。これによれば、供給ユニット100Aにおいて搬送機構(ハンド等)を複数設けることなく、簡素な機構によりワークWの供給を行うことができるため、装置コストの抑制が可能となる。さらに、二系統の洗浄機構20A、20BへのワークWの供給を、均等に、且つ、素早く行うことができるため、タクトタイムを長くすることなく、工程時間の短縮が可能となる。
【0028】
続いて、ワーク洗浄装置100の後処理ユニット100Cの構成について詳しく説明する。
【0029】
前述の通り、後処理ユニット100Cは、ワークWを把持して固定プレート上に搬送する搬送機構を備えている(不図示)。この搬送機構は、上下方向移動を行う機構としてサーボモータにより回転駆動されるボールネジに螺合されるスライダに連結されている。これによれば、従来の洗浄装置における搬送機構が、エアシリンダにより上下方向移動を行う機構でることに起因して、移動時間(タクトタイム)が長くなるという課題があったのに対して、本実施形態においては、電動化、すなわち、サーボモータ、ボールネジ、スライダを用いた機構により、移動時間(タクトタイム)の短縮が可能なり、製造効率の向上が可能となる。
【0030】
以上、説明した通り、本発明に係るワーク洗浄装置100によれば、平板状のワークの搬送、洗浄、および水切を行う工程におけるトータルでの処理時間の短縮を図ることが可能となる。したがって、例えば、当該ワークが半導体装置の製造に用いられるシリコンウェハである場合には、半導体装置の製造工程において、タクトタイムの短縮による製造効率の向上を図ることが可能となる。
【0031】
なお、本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。特に、ワークとしてウェハを例に挙げて説明を行ったが、これに限定されるものではなく、他の平板状(特に円板状)のワークに対しても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
10、10A、10B アーム
12、14 直動アクチュエータ
20、20A、20B 洗浄機構
21 散水部
22 接触洗浄部
40、40A、40B 水切機構
41 ステージ
42 センタリング部
60 載置部
62 マガジン
64 第1ハンド
100 ワーク洗浄装置
100A 供給ユニット
100B 洗浄ユニット
100C 後処理ユニット
W ワーク
【要約】
【課題】ウェハに例示される平板状のワークの洗浄および水切を行う工程における処理時間を短縮して、製造効率の向上を図ることが可能なワーク洗浄装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るワーク洗浄装置100は、平板状のワークWを保持して搬送を行うアーム10と、アーム10による搬送中のワークWに対して洗浄を行う洗浄機構20とを備え、洗浄機構20は、ワークWの所定面に散水を行う散水部21と、前記所定面に接触して洗浄を行う接触洗浄部22とを有し、接触洗浄部部22は、回転駆動もしくは振幅駆動された状態で、ワークWの搬送方向に対して90度もしくは所定角度で交わる方向に往復移動される構成である。
【選択図】
図2