特許第6892189号(P6892189)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6892189回転可能なカップリングを有するプロセストランスミッタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892189
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】回転可能なカップリングを有するプロセストランスミッタ
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/30 20060101AFI20210614BHJP
【FI】
   G01D11/30 S
【請求項の数】19
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-512036(P2020-512036)
(86)(22)【出願日】2017年8月29日
(65)【公表番号】特表2020-531855(P2020-531855A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】CN2017099429
(87)【国際公開番号】WO2019041122
(87)【国際公開日】20190307
【審査請求日】2020年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】515231553
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ファン
【審査官】 大森 努
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0121301(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0183522(US,A1)
【文献】 特開2007−139689(JP,A)
【文献】 特開2014−170933(JP,A)
【文献】 特表2013−531230(JP,A)
【文献】 特開昭62−159017(JP,A)
【文献】 特開平06−160124(JP,A)
【文献】 特開平10−132638(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0305798(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0359286(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102012221869(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0292195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/00−13/28,
G01F 23/00,23/14−23/296,
G01L 7/00−23/32,27/00−27/02,
G01H 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッタ回路を含み、第1のねじ山付き部分を含む主ハウジングと、
プロセスセンサと、前記第1のねじ山付き部分と係合する第2のねじ山付き部分とを備えるセンサ本体であって、前記第1のねじ山付き部分および前記第2のねじ山付き部分のうちの一方は、ねじ山付きの円筒形の突起を備え、第1のねじ山付き部分および第2のねじ山付き部分のうちの他方は、ねじ山付きの円筒形のボアを備え、前記ボアの軸を中心とする前記センサ本体と前記主ハウジングとの間の相対回転は、前記軸に沿った前記センサ本体と前記主ハウジングとの間の相対移動を生じさせる、センサ本体と、
前記突起の遠位端に位置する溝内に収容されるフランジ部材と、
前記軸の軸方向に前記フランジ部材により圧縮され、前記主ハウジングに対する前記センサ本体の回転に抵抗する圧縮性部材と、を備え、
前記ボアの前記軸に沿った前記主ハウジングに対する前記センサ本体の移動は、前記フランジ部材と、前記ボアを含む前記第1のねじ山付き部分または前記第2のねじ山付き部分との間の係合、および前記主ハウジングと前記センサ本体との間の係合、を介して境界付けられる軸方向距離に制限され、前記軸を中心とする前記主ハウジングに対する前記センサ本体の回転は、前記軸方向距離によって制限される、
工業プロセストランスミッタ。
【請求項2】
前記軸方向距離は、前記主ハウジングに対する前記センサ本体の回転を2回転未満に制限する、請求項1に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項3】
前記ボアを有する前記主ハウジングまたは前記センサ本体は、前記ボアの周縁に肩部を有し、前記圧縮性部材は、前記フランジ部材と前記肩部との間に配置される、請求項1に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項4】
前記圧縮性部材が波形リングを含む、請求項3に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項5】
前記溝は、前記突起の遠位端に形成された環状溝であることを特徴とする、請求項1に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項6】
前記フランジ部材がリテーナリングを含む、請求項5に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項7】
前記第1のねじ山付き部分は、前記ボアを含み、前記第2のねじ山付き部分は、前記突起を含む、請求項1に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項8】
前記第1のねじ山付き部分は、前記突起を含み、前記第2のねじ山付き部分は、前記ボアを含む、請求項1に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項9】
前記突起と前記ボアとの間に少なくとも1つのシールをさらに備える、請求項1に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのシールが、Vリング、Oリング、およびスクレーパシールのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項11】
前記プロセスセンサが、レベルセンサ、振動フォークレベルスイッチ、圧力センサ、流量センサ、温度センサからなる群から選択される、請求項1に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項12】
前記ボアおよび前記突起を通って前記センサ本体内に含まれるセンサ回路から前記トランスミッタ回路まで延在する少なくとも1つのワイヤを含む、請求項11に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項13】
円筒形のボアを含む主ハウジングと、
前記主ハウジング内に含まれるトランスミッタ回路と、
工業プロセスを検知するように構成されたプロセスセンサと、前記ボア内に収容された円筒状の突起とを備えるセンサ本体と、
前記突起の遠位端に位置する溝内に収容されたフランジ部材と、
前記ボアの軸に沿った方向に前記フランジ部材により圧縮された圧縮性部材と、を備え、
前記ボアの前記軸に沿った前記主ハウジングに対する前記センサ本体の移動は、軸方向距離に制限され、
前記軸に沿った第1の方向における前記主ハウジングに対する前記センサ本体の移動は、前記主ハウジングと前記フランジ部材との間の係合を介して制限され,
前記軸に沿った第2の方向における前記主ハウジングに対する前記センサ本体の移動は、前記主ハウジングと前記センサ本体との間の係合を介して制限され、
前記主ハウジングに対する前記センサ本体の回転は、前記圧縮性部材によって抵抗される、工業プロセストランスミッタ。
【請求項14】
前記ボアおよび前記突起は、互いにねじ係合するねじ山付き部分を含み、
前記ボアの前記軸を中心とした前記センサ本体と前記主ハウジングとの間の相対回転が、前記軸に沿った前記センサ本体と前記主ハウジングとの間の相対移動を生じさせ、
前記主ハウジングに対する前記センサ本体の回転が、前記軸方向距離によって制限される、請求項13に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項15】
前記軸方向距離は、前記主ハウジングに対する前記センサ本体の回転を2回転未満に制限する、請求項14に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項16】
前記溝は環状溝であり、前記フランジ部材はリテーナリングを含む、請求項13に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項17】
前記圧縮性部材は、前記主ハウジングと前記フランジ部材との間に配置された波形リングを含む、請求項13に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項18】
前記プロセスセンサは、レベルセンサ、振動フォークレベルスイッチ、圧力センサ、流量センサ、温度センサからなる群から選択され、
前記工業プロセストランスミッタは、前記ボアおよび前記突起を通って前記センサ本体に含まれるセンサ回路から前記トランスミッタ回路まで延在する少なくとも1つのワイヤを含む、請求項13に記載の工業プロセストランスミッタ。
【請求項19】
前記突起と前記ボアとの間に少なくとも1つのシールをさらに備える、請求項13に記載の工業プロセストランスミッタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、工業プロセストランスミッタに関し、より詳細には、工業プロセストランスミッタの主ハウジングとセンサ本体との間の回転可能な結合に関する。
【背景技術】
【0002】
工業プロセスは、様々な材料を処理または輸送するために多くの工業で使用されている。工業プロセスは、例えば、製油所、食品製造施設、および紙パルプ製造施設などの処理プラントで実施される。
【0003】
プロセス制御システムは、工業プロセスおよび化学プロセスなどの在庫を監視および制御するために使用される。典型的には、制御システムは、工業プロセスの重要な場所に分散されたフィールドデバイスまたはプロセストランスミッタを使用してこれらの機能を実行する。「プロセストランスミッタ」という用語は、工業プロセスの測定、制御、および/または監視において使用される、現在知られているか、またはまだ知られていないすべてのデバイスを含む、分散型工業制御またはプロセス監視システムにおいて機能を実行する任意のデバイスを指す。
【0004】
プロセストランスミッタは、典型的には、トランスミッタ回路を収容する主ハウジングを含む。トランスミッタ回路は、プロセストランスミッタが、1つまたは複数のセンサを使用したプロセスパラメータ監視および測定、および/または1つまたは複数の制御要素を使用したプロセス制御動作など、既存のフィールドデバイスタスクを実行することを可能にする。例示的なセンサは、圧力センサ、流量センサ、レベルセンサ、温度センサ、および工業プロセスで使用される他のセンサを含む。例示的な制御要素は、アクチュエータ、ソレノイド、バルブ、および他の制御要素を含む。
【0005】
プロセスセンサは、主ハウジングに取り付けられたセンサ本体内に支持又は収容することができる。センサ本体は、プロセス変数センサと、検知または測定されるプロセスとの間のインターフェースを提供し得る。さらに、センサ本体は、検知されたプロセスパラメータをトランスミッタ回路に伝達するセンサ回路を支持または収容することができる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、工業プロセストランスミッタに関し、より詳細には、工業プロセストランスミッタの主ハウジングとセンサ本体との間の回転可能な結合に関する。プロセストランスミッタの一実施形態は、主ハウジングと、センサ本体と、フランジ部材とを含む。主ハウジングは、トランスミッタ回路を含み、第1のねじ山付き部分けを含む。センサ本体は、プロセスセンサと、第1のねじ山付き部分と係合する第2のねじ山付き部分とを含む。第1及び第2のねじ山付き部分のうち一方は、ねじ山付き円筒形突起を含み、第1及び第2のねじ山付き部分のうち他方は、ねじ山付き円筒形ボアを含む。ボアの軸を中心としたセンサ本体と主ハウジングとの間の相対回転は、軸に沿ったセンサ本体と主ハウジングとの間の相対移動を生じさせる。フランジ部材は、突起の溝内に収容される。ボアの軸に沿ったハウジングに対するセンサ本体の移動は、フランジ部材と、ねじ山付き円筒形ボアを含む第1または第2のねじ山付き部分との間の係合、および主ハウジングとセンサ本体との間の係合を介して境界付けられる軸方向距離に制限される。軸を中心としたハウジングに対するセンサ本体の回転は、軸方向距離によって制限される。
【0007】
プロセストランスミッタの別の実施形態は、円筒形ボアを含む主ハウジングと、主ハウジング内に含まれるトランスミッタ回路と、工業プロセスを検知するように構成されたプロセスセンサを含むセンサ本体と、ボア内に収容される円筒形突起とを含む。フランジ部材は、突起の溝内に収容され、圧縮性部材は、円筒形ボアの軸に沿った方向に圧縮される。ボアの軸に沿った主ハウジングに対するセンサ本体の移動は、軸方向距離に制限される。軸に沿った第1の方向における主ハウジングに対するセンサ本体の動きは、主ハウジングとフランジとの間の係合を介して制限される。軸に沿った第2の方向における主ハウジングに対するセンサ本体の動きは、主ハウジングとセンサ本体との間の係合を介して制限される。主ハウジングに対するセンサ本体の回転は、圧縮性部材によって抵抗される。
【0008】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明する概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、また、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用されることを意図するものでもない。特許請求される主題は、背景技術に記載されたいずれか又は全ての欠点を解決する実装に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に従って形成された例示的なプロセストランスミッタを含む例示的な工業制御システムの簡略図である。
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態に従って形成された例示的なプロセストランスミッタの一部の簡略化された側面図である。
図3A】本開示の例示的な実施形態による、例示的な振動フォークレベルスイッチプロセストランスミッタの分解組立側面図である。
図3B】本開示の例示的な実施形態による、例示的な振動フォークレベルスイッチプロセストランスミッタの分解組立側面図である。
図4】本開示の実施形態による、例示的なリテーナリングの上面図である。
図5】本開示の実施形態による、例示的な波形リングの側面図である。
図6図6は、本開示の実施形態による、例示的なスクレーパシールの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示の実施形態をより完全に説明する。同じまたは類似の参照符号を使用して識別される要素は、同じまたは類似の要素を指す。しかし、本開示の様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0011】
図1は、本開示の実施形態による、制御システム102の例示的なプロセストランスミッタ100の簡略図である。一実施形態では、トランスミッタ100は、1つまたは複数のセンサを使用するプロセスパラメータ監視および測定、1つまたは複数の制御要素を使用するプロセス制御動作、電子通信、および/または別の既存のプロセストランスミッタタスクなど、既存のプロセストランスミッタタスクの実行を可能にする回路を表すトランスミッタ回路104を含む。
【0012】
一実施形態では、プロセストランスミッタ回路104は、例えば、制御室内に遠隔配置され得るコントローラ106と通信するように構成される。このような通信は、既存の2線式プロセス制御ループ108(例えば、4〜20ミリアンペア制御ループ)を介して行われ、プロセストランスミッタ100に電力を供給することもできる。2線式ループ108を介した通信は、アナログおよび/またはデジタル通信を含むことができる。例示的なアナログ通信は、ループを流れる電流の制御を含み、それは、例えば、プロセス変数値を表すことができる。例示的なデジタル通信は、HART(登録商標)通信規格のような、2線式プロセス制御ループ108のアナログ電流レベルに変調されるデジタル信号を含む。また、FoundAtion(登録商標)、FieldBusおよびProfiBus通信プロトコルを含む、他の純粋なデジタル技術もまた、使用され得る。一実施形態では、プロセストランスミッタ100は、例えば、既存の無線周波数(RF)通信技法を使用して、コントローラ106と無線で通信することができる。
【0013】
プロセストランスミッタ100は、プロセス材料を収容する、パイプ、タンク、または別の工業プロセス容器などの工業プロセス容器110に結合することができる。プロセストランスミッタ100は、容器110に含まれるプロセス材料111のパラメータを検知または測定するために使用され得るプロセスセンサ112を含み得る。上述のように、例示的なプロセスパラメータは、材料の温度、タンク容器内の材料のレベル、容器内の圧力、容器を通る材料の流量、またはプロセスの別のパラメータを含む。例示的なセンサ112は、圧力センサ、温度センサ、レベルセンサ(例えば、音叉レベルスイッチ、またはレーダレベルセンサ)、流量センサ、および/またはプロセスパラメータを検知または測定するために使用される他のセンサを含む。
【0014】
センサ回路114は、検知または測定されたプロセスパラメータを表すセンサ112からの出力信号116を処理する回路を表す。センサ回路は、既存の技法を使用して、所望に応じて出力信号116を処理(例えば、増幅、補償、デジタル化など)することができる。一実施形態では、センサ回路114は、信号116によって示される検知または測定されたパラメータを、1つまたは複数のワイヤ118を介して、または無線通信プロトコルを介して、トランスミッタ回路104に通信する。次いで、トランスミッタ回路104は、上述したようなアナログ又はデジタル通信プロトコルに従って、測定されたパラメータをコントローラ106に通信することができる。
【0015】
プロセストランスミッタ100はまた、プロセスを制御するためにフィールドデバイスで使用されるアクチュエータ、ソレノイド、バルブ、および/または別の既存のプロセス制御要素などの1つまたは複数の制御要素を使用して、プロセスの態様を制御するように構成され得る。図を簡略化するために、トランスミッタ100のこれらの制御要素の実施形態は、センサ112および/または回路114によって表される。したがって、一実施形態では、トランスミッタ回路104は、コントローラ106から制御要素を調整するための命令を受信することができる。次いで、トランスミッタ回路106は、例えば、弁位置への調整などの調整を行うために、制御要素に信号を伝達する。
【0016】
一実施形態では、図1に示すように、トランスミッタ回路104は、主ハウジング120内に含まれ、センサ112および/またはセンサ回路114は、センサ本体122内に支持または含まれる。回転可能なカップリング124は、センサ本体122がハウジング120に対して軸126の周りを回転することを可能にしながら、センサ本体122をハウジング120に接合するように動作する。一実施形態では、主ハウジング120、センサ本体122、および回転可能なカップリング124は、プロセストランスミッタ内で生成された火花が工業プロセスの可燃性ガスまたは液体に点火しないという要件など、工業プロセストランスミッタのための既存の防爆要件を満たす。
【0017】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従って形成された例示的なプロセストランスミッタ100の一部の簡略化された側面図である。図2は、主ハウジング120とセンサ本体122との間の回転可能なカップリング124に焦点を当てている。一実施形態では、回転可能なカップリング124は、部分134内に形成された円筒形ボア132内に収容される円筒形突起または部材130を含む。突起130又はボア132を有する部分134のうち一方は、主ハウジング120の一部として形成され、突起130及びボア132を有する部分134のうち他方は、センサ本体122の一部として形成される。従って、突起130が主ハウジング120の一部として形成される場合、円筒形ボア132を有する部分134は、センサ本体122の一部として形成される。同様に、円筒ボア132を有する部分134が主ハウジング120の一部として形成される場合、突起130はセンサ本体122の一部として形成される。
【0018】
トランスミッタ回路104およびセンサ回路114またはセンサ112はそれぞれ、回路136Aまたは回路136Bによって表される。回路136Aは、破線138Aで示すように、円筒形ボア132を有する部分134を含むハウジング120またはセンサ本体122内に支持または収容され、一方、回路136Bは、破線138Bで示すように、突起130を含むハウジング120またはセンサ本体122内に支持または収容される。
【0019】
一実施形態では、円筒形突起130は、図1および図2に示すように、センサ回路114に接続された1つまたは複数のワイヤ118が貫通して延びることができる、円筒形ボアなどの内部空洞140を含む。センサ本体122を回転可能なカップリング124を介して主ハウジング120に固定した後、1つ以上のワイヤ118をトランスミッタ回路104に接続することができ、主ハウジングを封止してプロセストランスミッタの設置を完了することができる。
【0020】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、本開示の例示的な実施形態による例示的なプロセストランスミッタ100の簡略化された分解図および組み立てられた側面図である。図3Aおよび図3Bの例示的なプロセストランスミッタ100は、振動フォークレベルスイッチの形態のセンサ112を含む。振動フォークレベルスイッチ112は、突起130によって支えられており、振動フォークレベルスイッチ112のセンサ回路114をも支えている可能性がある。トランスミッタハウジング120は、ボア132を有する部分134を含む。一実施形態では、トランスミッタ100は、図3Bに概略的に示すように、突起130をボア132に挿入またはねじ込み、ワイヤ118をトランスミッタ回路104に接続することによって組み立てられる。この設置プロセス中のトランスミッタ回路104へのアクセスは、ハウジング120のカバーを取り外すことによって達成することができる。
【0021】
場合によっては、ワイヤ118をトランスミッタ回路104に接続した後に、ハウジング120に対してセンサ本体122を回転させることが必要な場合がある。例えば、センサ112が振動フォークレベルスイッチ(図3Aおよび図3B)を含む場合、プロセス材料111および/または容器110(図1)に対する振動フォークレベルスイッチの向きは、そのレベル読み取り値に影響を及ぼし得る。その結果、プロセストランスミッタ100の設置は、回転可能なカップリング124を使用して主ハウジング120に対してセンサ本体122を回転させることによって、材料111および/または容器110に対してセンサ112を回転させることを必要とし得る。
【0022】
既存の回転可能なカップリングは、センサ本体と主ハウジングとの間のねじ付きカップリングと、回転可能なカップリングを固定し、センサ本体を主ハウジングに対して所望の角度位置に設定するための止めねじとに依存する。止めねじが引き抜かれ、止めねじが適切に取り付けられていないとき、振動によって緩められているとき、または意図的に引き抜かれているときなど、主ハウジングに対するセンサ本体の位置を完全に固定しないとき、センサ本体は、主ハウジングに対して回転することができる。次いで、センサ本体は、センサ本体を主ハウジングから切り離すか、又はねじ山付きカップリングに対する回転限界に達する前に、主ハウジングに対して過度に回転させることができる。既存の回転カップリングによって許容されるこの過剰な回転は、センサ本体と主ハウジングとの間に延びるワイヤに損傷を与え、トランスミッタの誤動作を引き起こしていた。
【0023】
回転可能なカップリング124の一実施形態は、センサ本体122と主ハウジング120との間に延在するワイヤ118、回路104または114へのワイヤ118の接続部、および/またはトランスミッタ100の他の構成要素など、トランスミッタ100の構成要素を損傷する可能性がある過度の回転を防止しながら、主ハウジング120に対するセンサ本体122、センサ112、および/またはセンサ回路114の角度位置の調整を可能にするために、主ハウジング120に対するセンサ本体122の制限された回転を可能にするように動作する。回転可能な結合の一実施形態は、ハウジング120に対するセンサ本体122の回転によって、センサ本体122と主ハウジング120との望ましくない分離を防止する。
【0024】
一実施形態では、ボア132に対する矢印142によって示される方向の軸126に沿った突起130の移動は、主ハウジング120とセンサ本体122との間の係合(すなわち、直接接触または中間部材を介した間接接触)によって制限される。例えば、突起130は、図2に示すように、部分134の肩部146と接触して、部分134及びボア132に対する方向142への突起130の移動を制限する肩部144を含むことができる。
【0025】
一実施形態では、回転可能なカップリング124は、図2に示されるように、突起130の溝152内に収容されるフランジ部材150を含む。溝152は、図3Aに示すように、環状溝であってもよい。一実施形態では、溝152は、突起130の遠位端154に位置する。フランジ部材150は、突起130がボア132の軸線126に沿って矢印142で示す方向にボア132内に挿入された後、仮想線138Aで示すように、遠位端154を主ハウジング120又はセンサ本体122のいずれかの内部に配置するように取り付けることができる。
【0026】
フランジ部材150は、溝152内に設置されると、ボア132を形成する部分134を有する主ハウジング120またはセンサ本体122との直接係合(すなわち、接触)または間接係合(中間部材を介した接触)によって、矢印156によって示される方向における軸126に沿った突起130の移動を制限する。例えば、軸線126に沿った矢印156で示す方向への突起130の移動は、フランジ部材150と、主ハウジング120の肩部158又は部分134を有するセンサ本体122との間の係合を介して制限することができる。
【0027】
フランジ部材150は、リテーナリングまたは他の適切な構成要素の形成であってもよい。例示的なリテーナリング150の上面図を図4に示す。他の適切なフランジ部材150を使用して、部分134に対する方向156への突起130の移動を制限することもできる。
【0028】
一実施形態では、圧縮性部材160は、主ハウジング120とセンサ本体122との間の軸126に平行な軸に沿って圧縮される。例えば、圧縮性部材160は、フランジ部材150と、図2に示すような肩部158のような部分134を有する主ハウジング120又はセンサ本体122の部分との間で圧縮することができる。圧縮性部材の実施形態は、波形リング、Oリング、または他の適切な圧縮性部材を含む。
【0029】
図2に示す圧縮性部材160は、例示的な波形リングの形成であり、図5は、例示的な波形リング160の側面図である。波形リング160は、その円周の周りに交互に配置された上側部分163及び下側部分165を含む。上側部分163および下側部分165は、それぞれ、波形リング160がハウジング120とセンサ本体122との間に設置されたときに軸126にほぼ垂直である水平面167の上下に延在する。従って、波形リング160の有効厚さ169は、図5に示すように、上部163の上面と下部165の底面との間の距離に対応する。波形リング160のこの厚さは、図2に示すように、フランジ部材150と部分134との間に加わる圧力によって軸線126に沿って圧縮することができる。波形リング160は、波形リング160を形成するために使用される材料および材料の厚さに基づいて、軸方向の圧縮に対する所望の抵抗を提供するように構成されてもよい。波形リング160を形成するのに適した材料の例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスチック、または他の適切な材料が挙げられる。
【0030】
圧縮性部材160は、フランジ部材150を溝152の上面162に対して駆動するように動作する。一実施形態では、これはまた、突起を部分134に対して方向142に駆動し、例えば、肩部144および146などの、部分134に対する方向156の突起130の移動を制限する、主ハウジング120の部分とセンサ本体122の部分との間の係合を維持する。したがって、圧縮性部材160の一実施形態は、軸126に沿った突起130と部分134との間の緩い動きを可能にするギャップを排除するように動作する。
【0031】
一実施形態では、圧縮性部材160は、部材160の軸方向圧縮による摩擦抵抗によって、軸126を中心としたハウジング120に対するセンサ本体122の回転運動を制限する。例えば、部材160とフランジ150と肩部158との間の摩擦抵抗は、部分134に対する突起130の回転に抵抗する。これにより、センサ本体122を、主ハウジング120に対して軸126を中心とする所望の角度位置に設定することができる。一実施形態では、止めねじ161を使用して、図2に示すように、主ハウジング120に対する軸126の周りのセンサ本体122の設定角度位置をさらに固定することができる。
【0032】
一実施形態では、突起130およびボア132は、それぞれ、図2に示されるように、ねじ山付き部分162および164を含む。ねじ山付き部分162は突起130の外壁166に形成され、ねじ部164はボア132の内壁168に形成される。これにより、センサ本体122及び主ハウジング120は、突起130の部分162及び164と部分134との間の係合によって互いにねじ止めされることができる。したがって、一実施形態では、ボア132(すなわち、部分134)に対する突起130の一方向への回転は、軸126に沿った突起130の、矢印142によって示される方向への部分134に向かう移動を駆動し、反対方向へのボア132に対する突起130の回転は、軸126に沿った突起130の、部分134から離れる矢印156によって示される方向への移動を駆動する。軸126に沿った突起130の位置、および部分134に対する軸126の周りの突起130の角度位置は、止めねじ161によって設定することができる。
【0033】
一実施形態では、ねじ山付き部分162および164の係合による、部分134に対する軸126に沿った突起130のこの回転駆動運動は、図2に示されるように、センサ本体122の部分と、部分134に対する突起130の方向142への運動を制限する主ハウジングとが係合されるとき、フランジ部材150と部分134の肩部158との間に形成されるギャップ172に関連する軸方向距離170に制限される。軸方向距離170は、突起130の部分と部分134(例えば、肩部144及び146)との間の係合を介して方向142に制限され、軸方向距離170は、フランジ部材150又は圧縮性部材160(存在する場合)と肩部158との間の係合を介して方向156に制限される。したがって、軸方向距離170は、圧縮性部材160が存在しないときのギャップ172に対応する。圧縮性部材が存在するとき、軸方向距離170は、完全に圧縮された状態にあるときの圧縮性部材160の厚さよりも小さい間隙172である。したがって、軸方向距離170は、突起130を部分134に対して軸126の周りに回転させる能力を制限し、したがって、センサ本体122を主ハウジング120に対して軸126の周りに回転させる能力を制限する。
【0034】
部分134に対する突起130の可能な回転の総数は、突起130を軸126の周りに一方向に回転させて、突起130を軸126に沿って軸方向距離170の境界の1つまで、例えば図2に示すように肩部144及び146の係合まで方向142に駆動することによって決定することができる。次いで、部分134に対する軸126の周りの突起130の制限された回転数は、圧縮性部材160が完全に圧縮された状態にあるときの圧縮性部材160と肩部158との間の係合など、第2の境界に達するまで突起130を反対方向に回転させることによって決定することができる。
【0035】
一実施形態では、軸126に沿った突起130の一意の位置に対応する可能な回転の総数は、部分134に対して軸126の周りで、ゼロより大きいが、これに限定されないが、約(例えば、±15°)6回転未満、5回転未満、4回転未満、3回転未満、2回転未満、1回転、および/または1回転未満である。したがって、部分134に対する突起130の単一方向の総回転数は、これらの実施形態に限定される。その結果、1つまたは複数のワイヤ118と、センサ回路114および送信回路104へのそれらの接続とは、ハウジング120に対するセンサ本体122の回転によって損傷を受ける可能性が低くなる。
【0036】
一実施形態では、回転可能なカップリング124は、プロセストランスミッタ100が防爆要件を満たすことを可能にすることができる1つまたは複数のシールを含む。例えば、回転可能なカップリングは、突起130と部分134との間にシール174を含むことができる。シール174は、図2に示すように、突起130又は突起130に形成された環状溝176のような部分134のいずれかの戻り止め又は溝内に収容されるOリング175を使用して形成することができる。回転連結124は、また、図2に示されるようなVリング182、スクレーパシール、Oリング、または別の適当なシール要素を用いて形成される可能性のある突起130の近位端部180でのシール178を含むことができる。例示的な環状スクレーパシール184の側断面図が図6に示されており、Vリング182の代わりとして使用することができる。回転可能なカップリング124はまた、図2に示されたシールに加えて、またはその代わりに、他の適切なシールを含んでもよい。
【0037】
具体的な詳細は、実施形態の完全な理解を提供するために、上記の説明で与えられる。しかし、当業者であれば、これらの具体的な詳細なしに実施形態を実施できることを理解されたい。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、フレーム、サポート、コネクタ、モータ、プロセッサ、および他の構成要素は、不必要な詳細において実施形態を不明瞭にしないために、図示されないか、またはブロック図形式で示されてもよい。
【0038】
当然のことながら、要素が別の要素に「接続される」、「結合される」、または「取り付けられる」と呼ばれる場合、要素は、他の要素に直接接続される、結合される、または取り付けられることが可能であり、または、介在要素または中間要素が存在し得る他の要素に間接的に接続される、結合される、または取り付けられることが可能である。要素間の直接接続、結合、または取り付けを示す図面は、要素が、互いに結合または取り付けられた1つまたは複数の中間構成要素を介して間接的に接続される実施形態も含む。
【0039】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別個に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0040】
本開示の実施形態は、好ましい実施形態を参照して説明されたが、当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更がなされ得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6