(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記形成面(32)の表面積は、前記形成ブラダ(40)が前記複合材料のプライ(110)を前記形成面(32)に押し付ける時の、前記形成面(32)と前記形成ブラダ(40)との間の接触面積よりも大きい、請求項1に記載のシステム(20)。
前記形成面(32)の長さ(34)は、前記形成ブラダ(40)の対応する長さ(44)よりも長く、前記形成面(32)の幅(35)は、前記形成ブラダ(40)の対応する幅(45)よりも広い、請求項1又は2に記載のシステム(20)。
前記圧力調整デバイス(50)は、前記形成ブラダ(40)が前記複合材料のプライ(110)を前記形成面(32)に作動的に押し付けている時に、前記形成ブラダ(40)の前記内部空間(42)の中の圧力を前記形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持するよう構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(20)。
前記位置付けデバイス(60)は、前記形成ブラダ(40)を、前記形成マンドレル(30)の長さに沿って、前記形成マンドレル(30)に対して作動的に直進させるよう構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム(20)。
前記形成機(36)は更に、前記形成ブラダ(40)を前記形成面(32)に選択的かつ作動的に係合させるよう構成された係合構造(70)を含み、前記係合構造(70)は前記形成ブラダ(40)を、前記形成マンドレル(30)に対して垂直に、作動的に直進させるよう構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム(20)。
前記係合構造(70)は、前記内部空間(42)の中の圧力を調整するために、前記形成ブラダ(40)が前記複合材料のプライ(110)を前記形成面(32)に作動的に押し付けるレートを選択的に調整するよう構成される、請求項6に記載のシステム(20)。
前記押し付けること(215)は、前記形成ブラダ(40)を前記複合材料のプライ(110)の前記選択された部分の周縁部(116)に作動的に接触させる前に、前記形成ブラダ(40)を前記複合材料のプライ(110)の前記選択された部分の中央部(114)に作動的に接触させることを含む、請求項8に記載の方法(200)。
更に、前記押し付け(215)ている時に、圧力調整デバイス(50)を用いて、前記形成ブラダ(40)の内部空間(42)の中の圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持すること(220)を含む、請求項8又は9に記載の方法(200)。
前記圧力を維持すること(220)は更に、前記形成ブラダ(40)が前記複合材料のプライ(110)を前記形成面(32)に押し付けるレートを調整することを含む、請求項10に記載の方法(200)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から
図19は、本開示によるシステム及び方法を利用して形成されうる一又は複数の複合部品100を含む、航空機700の例、本開示による、複合部品を逐次形成するためのシステム20の例、及び/又は、本開示による、複合部品を逐次形成する方法200の例を、提供している。
図1から
図19の各々において、類似した、又は少なくとも実質的に類似した目的のためにある要素には類似の番号が付されているが、これらの要素は、本書では、
図1から
図19の各々を参照して詳細に説明されないことがある。同様に、
図1から
図19の各々では、全ての要素に番号が付されているわけではないこともあるが、これらの要素に関連付けられた参照番号は、本書で一貫して利用されうる。
図1から
図19のうちの一又は複数を参照して本書で説明している要素、構成要素及び/又は特性は、本開示の範囲から逸脱することなく、
図1から
図19のいずれかに含まれ、かつ/又は、
図1から
図19のいずれかに従って利用されうる。
【0009】
通常、所与の(すなわち特定の)実施形態に含まれる可能性が高い要素は実線で示される一方、所与の実施形態ではオプションである要素は、破線で示される。しかし、実線で示される要素が全ての実施形態に必須というわけではなく、実線で示される要素は、本開示の範囲を逸脱しなければ、所与の実施形態から省略されうる。
【0010】
図1は、本開示によるシステム20及び/又は方法200を利用して少なくとも部分的に構築されうる複合部品100を含みうる複合構造物800を含む、航空機700の一例である。
図2は、航空機700の一部分を形成しうる翼740の一例である。航空機700は、機体710、胴体720、胴体バレル730、翼740、及び/又は安定板750を含む、複数の構成要素を含みうる。
【0011】
航空機700の複合構造物800は、複合部品100を形成することがあり、かつ/又は、航空機700の任意の好適な構成要素の一部分を形成しうる、複合材料の複数のプライ110を含みうる。一例としては、
図1に示しているように、航空機700は、航空機700の任意の好適な部分の外表面を形成し、覆い、かつ/又はそのような外表面となりうる、外板セグメント790、及び/又は、複数のフレーム780と共に外板セグメント790の内表面を支持しうる、複数のストリンガ770を含みうる。別の例としては、
図2に示しているように、翼740は、翼の長さに沿って延びうる複数の翼ストリンガ742を含みうる。翼740は、本書ではスパー744とも称されうる、複数のリブ744も含みうる。翼ストリンガ742及びリブ744は共に、翼740を覆う外板セグメント790の内表面748を支持しうる、翼700のための内部支持構造746の少なくとも一部分を形成及び/又は画定しうる。上記の外板セグメントは、本書では翼外板セグメント790とも称されうる。外板セグメント790(又は翼外板セグメント790)、ストリンガ770、フレーム780、翼ストリンガ742、リブ744、及び/又は内部支持構造746が、少なくとも部分的(或いは全面的であることすらある)に、複合材料のプライ110で形成されうること、及び/又は、本書で開示されているシステム及び/又は方法を利用して形成されうる複合部品100でありうることは、本開示の範囲に含まれる。
【0012】
図3は、複合部品を逐次形成するための、本開示によるシステム20の例の概略図である。
図4は、複合部品100を逐次形成するための、本開示によるシステム20の比較的詳細な外形図である一方、
図5は、
図4のシステム20の比較的詳細な側面図であり、
図6は、
図4のシステム20の比較的詳細な横断面図である。
図4から
図6は、
図3のシステム20のより詳細な表現を含み、かつ/又はより詳細な表現でありうる。そのため、
図3から
図6のうちの1つを参照して本書で説明している任意の構造、要素、構成要素、特性、及び/又は機能は、本開示の範囲から逸脱することなく、
図3から
図6のいずれかに含まれ、かつ/又は、
図3から
図6のいずれかに従って利用されうる。
【0013】
システム20は、少なくとも1つの形成面32を含み、かつ/又は画定する、形成マンドレル30を含む。システム20は、複合材料の一又は複数のプライ110を形成面32に押し付けて、一又は複数のプライ110を変形させ、かつ/又は一又は複数のプライ110を形成面32の表面形状に適合させるよう、適合し、構成され、設計され、かつ/又は構築されうる、形成機36も含む。システム20においては、形成面32は、形成マンドレル30の外表面の部分(複数可)であって、形成機36がプライ110をそこに押し付ける時に、プライ110に作動的に接触し、かつ/又は、プライ110を変形させる部分を、含みうる。
【0014】
形成機36は、内部空間42を画定する形成ブラダ40を含む。
図3の実線で示しているように、形成機36は、内部空間42の中の圧力(例えば、大気圧を上回る圧力)を調整し、制御し、定め、かつ/又は維持するよう構成されている、圧力調整デバイス50も含む。形成機36は、形成マンドレル30の形成面32に対して、又はそれに関連して、形成ブラダ40を選択的に位置付け、かつ/又は配向するよう構成されている、少なくとも1つの位置付けデバイス60も含む。このことは、形成機36の少なくとも一部分、例えばその形成ブラダ40を、複数の選択された又は異なる場所に配向することを含みうる。一例としては、
図3は、第1の選択された場所にあり、プライ110を形成面32に作動的に押し付けていない時の形成機36を、実線で示している。加えて、
図3は、第1の選択された場所とは異なる第2の選択された場所にあり、プライ110を形成面32に作動的に押し付けている時の形成機36を、鎖線で示している。
【0015】
本書において「作動的に押し付ける(operatively press/operatively presses)」及び/又は「作動的に押し付けている(operatively pressing)」という表現、並びに、「押し付ける(press/presses)」及び/又は「押し付けている(pressing)」という語句は、所与のプライ110と形成面32及び/又は形成ブラダ40との間の直接的かつ/又は間接的な接触を指し示しうる。一例としては、所与のプライ110は、形成ブラダ40によって形成面32に押し付けられている時に、形成面32との、形成ブラダ40との、及び/又は形成面32と形成ブラダ40の両方との、直接的で物理的な接触状態にありうる。別の例としては、別のプライ110(或いは別の材料及び/又はフィルムであることすらある)が、形成面32に押し付けられている時に、その所与のプライ110と形成面32及び/又は形成ブラダ40との間に延びうる。より具体的な例としては、中間フィルム120が、所与のプライ110と形成ブラダ40との間に延びうる。
【0016】
システム20の作動中に、形成ブラダ40は、例えば圧力調整デバイス50が内部空間42に流体を提供することによって、形成圧力まで膨張するよう、かつ、複合材料のプライ110を複数の選択された場所の各々で形成面32に選択的かつ作動的に押し付けるよう、構成される。このように、プライ110を形成面32に作動的に押し付けることで、プライ110の対応する部分が形成面32の表面形状に適合し、それによって、複合部品100が少なくとも部分的に画定されうる。形成ブラダ40は概して、
図7から
図15のプロセスフロー150、及び
図17の方法200を参照して本書でより詳細に説明しているように、プライ110が形成面32に押し付けられている時に、形成圧力、又はそれに近い圧力に維持されうる。そのため、圧力調整デバイス50は、内部空間42の減少に対応して、流体が形成ブラダ40から出ることを可能にするよう構成されてよく、かつ/又は、内部空間42の増大に対応して、流体を形成ブラダ40に追加しうる。
【0017】
形成マンドレル30は、形成面32を有し、画定し、かつ/又は含みうる任意の好適な構造を含み、かつ/又はそのような構造でありうる。形成面32の表面形状は、複合部品100の表面形状又は所望の表面形状に対応しうる。そのため、形成面32は、形成機36が複合材料の一又は複数のプライ110を形成面32の表面形状に適合させうるように、複合材料の一又は複数のプライ110を受容するよう適合し、構成され、設計され、かつ/又は構築されうる。
【0018】
上述のように、形成機36は、複合部品100を逐次形成するように構成されうる。そのため、形成面32の表面積は、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に押し付ける時の形成面32と形成ブラダ40との間の接触面積を上回りうる。このことは
図3の破線で示されており、形成面32の範囲33は、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に作動的に押し付ける時に、形成ブラダ40が形成面32の全体に接触することにはならないようなものとなっている。範囲33が、形成面32の、形成面32の長さ34又は縦の長さ34、及び/又は幅35といった任意の好適な寸法を含み、かつ/又はそのような寸法でありうることは、本開示の範囲に含まれる。一例としては、
図4から
図5は、形成面32の長さ34が、形成機36及び/又はその形成ブラダ40の対応する長さを上回りうることを、示している。
【0019】
形成面32と形成ブラダ40との間の接触は、
図7から
図15のプロセスフロー150を参照して本書でより詳細に説明する。本書において「接触(contact)」という語句は、直接的及び/又は間接的な接触を含みうる。一例としては、
図3を参照するに、プライ110は形成ブラダ40と形成面32との間に伸びうる。ゆえに、形成ブラダ40は、プライ110を形成面32に押し付ける時に、プライ110に直接的に接触してよく、かつ/又は、形成面32に間接的に接触しうる。しかし、
図3の破線で示しているように、中間フィルム120が形成ブラダ40とプライ110との間に延びることがある。上記の条件のもとでは、形成ブラダ40は、中間フィルム120に直接的に接触してよく、プライ110と形成面32の両方に間接的に接触しうる。中間フィルム120の例は、接触フィルム、剥離フィルム、フッ素ポリマーフィルム、及び/又は、プライ110に接触することが是認されるフィルムを含む。
【0020】
図3を引き続き参照するに、形成面32の長さ34が形成ブラダ40の対応する長さ44よりも長い場合、位置付けデバイス60が、形成ブラダ40を長さ34に沿って選択的に動かすよう構成されうる。追加的又は代替的には、形成面32の幅35が形成ブラダ40の対応する幅45よりも長い場合、位置付けデバイス60は、形成ブラダ40を幅35の端から端まで選択的に動かすよう構成されうる。
【0021】
形成面32が任意の好適な形状を有し、かつ/又は画定しうることは、本開示の範囲に含まれる。一例としては、形成面32は、平面的、又は少なくとも実質的に平面的な形成面32でありうる別の例としては、形成面32は、
図4から
図5に示しているように、少なくとも1つの次元においてアーチ形でありうる。
【0022】
形成ブラダ40は、内部空間42を画定し、かつ/又は取り囲みうる、並びに/又は、形成ブラダ40が形成圧力まで膨張している時にプライ110を形成面32に作動的に押し付けうる、任意の好適な構造を含みうる。一例としては、形成ブラダ40は、内部空間42を画定するエラストマな本体を含みうる。追加の例としては、形成ブラダ40は、流体ブラダ、空気ブラダ、及び/又は弾性形成ブラダを含み、かつ/又は、それらのブラダでありうる。
【0023】
例えば形成圧力までの形成ブラダ40の膨張の後、形成ブラダ40が、プライ110の押圧部分の周縁部を形成面32に作動的に押し付ける前に、押圧部分の中央部を形成面32に作動的に押し付けるよう、形作られ、設計され、かつ/又は構成されうることは、本開示の範囲に含まれる。このことは、
図7から
図15のプロセスフロー150を参照して本書でより詳細に説明する。
【0024】
図3に示しているように、形成面32は、複合材料の複数の重なったプライ110を受容するよう構成されうる。上記の条件のもとでは、複数の重なったプライ110は、層状に(1つのプライが他のプライの上に)されて、複合部品100を形成し、かつ/又は画定しうる。形成面32が複数の重なったプライ110を受容する場合、形成ブラダ40が、複数の重なったプライ110の各々を形成面32に作動的に押し付けるよう構成されうることは、本開示の範囲に含まれる。このことは、複合材料の少なくとも2つ(或いは複数であることすらある)の重なったプライ110を形成面32に同時に押し付けること、及び/又は、複合材料の少なくとも2つの異なる重なったプライ(或いは複数の重なったプライ110の各々であることすらある)を形成面32に、順番に押し付けることを、含みうる。
【0025】
圧力調整デバイス50は、所与のプライ110を形成面32に当てて形成する前に、そのように形成している間に、及び/又はそのように形成した後に、内部空間42の中の圧力を調整するよう、形成ブラダ40を膨張させるよう、かつ/又は、内部空間42の中の圧力を形成圧力、又はそれに近い圧力に維持するよう、適合し、構成され、設計され、かつ/又は構築されうる、任意の好適な構造を含みうる。このことは、内部空間42の変化に反応して、かつ/又は、シュラウド(shroud)80がその内側の形成ブラダ40に反して動作することに反応して、内部空間42に流体を供給すること、及び/又は、流体が内部空間42から流出することを可能にすることを、含みうる。一例としては、圧力調整デバイス50は、形成ブラダ40を形成圧力まで選択的に膨張させるよう構成されている、加圧流体供給源を含み、かつ/又は、そのような加圧流体供給源でありうる。
【0026】
圧力調整デバイス50が更に、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に作動的に押し付けている時に、内部空間42の中の圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持するよう構成されうることは、本開示の範囲に含まれる。閾値圧力差の例は、5キロパスカル(kPa)未満、10kPa未満、15kPa未満、20kPa未満、25kPa未満、30kPa未満、50kPa未満、又は75kPa未満の閾値圧力差を含む。
【0027】
一例としては、圧力調整デバイス50は、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に作動的に押し付けている時に、流体が形成ブラダ40から出ることを可能にするよう、構成されうる。より具体的な例としては、圧力調整デバイス50は容積式(positivedisplacement)圧力調整デバイスを含まないことがあり、かつ/又は、容積式圧力調整デバイスではないことがある。並びに/又は、圧力調整デバイス50は、正変位の前後の所与の圧力差を発生させ、維持するよう構成されてよく、この所与の圧力差は、形成圧力及び/又は圧縮圧力に対応する。追加の、より具体的な例としては、圧力調整デバイス50は、ファン、送風装置、サイクロン、トルネード、ベンチュリポンプ、及び/又は圧力逃しバルブを含み、かつ/又はそれらでありうる。
【0028】
圧力調整デバイス50が更に、形成ブラダ40を、形成圧力を上回る圧縮圧力まで選択的に膨張させるよう構成されうることは、本開示の範囲に含まれる。上記の条件のもとでは、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に作動的に押し付けるために利用された後に、
図3の鎖線で示しているように、内部空間42の中の圧力は、圧縮圧力まで増大して、プライ110を形成面32に当てて圧縮しうる。
【0029】
位置付けデバイス60は、複数の選択された場所に、形成面32に対して形成ブラダ40を選択的に位置付けるよう、適合し、構成され、設計され、かつ/又は構築されうる、任意の好適な構造を含み、かつ/又は、そのような構造でありうる。例としては、形成デバイス60は、自動位置付けデバイス、モータ駆動位置付けデバイス、及び/又は手動作動位置付けデバイスを含みうる。より具体的な例としては、
図4から
図6に示しているように、位置付けデバイス60は、リニアガイド62及び/又はリニアアクチュエータ64を含み、かつ/又は、それらでありうる。
図3の破線で示しているように、位置付けデバイス60は更に、位置付けデバイス60を、複数の選択された場所のうちの選択された1つ(或いは複数の選択された場所の各々であることすらある)に選択的かつ作動的に保持するよう構成されている、ロック機構66を含みうる。
【0030】
位置付けデバイス60が、形成機36及び/又はその形成ブラダ40を、任意の好適な方向に、任意の好適な軸に沿って、かつ/又は、任意の好適な平面の中で、作動的に直進させるよう構成されうることは、本開示の範囲に含まれる。一例としては、位置付けデバイス60は、形成機36及び/又は形成ブラダ40を、形成マンドレル30の長さに沿って、及び/又は、形成マンドレル30の幅の端から端まで、水平平面において、又は少なくとも実質的に水平な平面の中で、水平に、又は少なくとも実質的に水平に、作動的に直進させるよう構成されうる。
【0031】
形成ブラダ40が、形成圧力まで膨張することに反応して、プライ110を形成面32に選択的かつ作動的に押し付けるように、システム20が構成されうることは、本開示の範囲に含まれる。あるいは、
図3の破線及び
図4から
図6の実線で示しているように、システム20は更に、形成ブラダ40をプライ110及び/又は形成面32に選択的かつ作動的に係合させるよう適合し、構成され、設計され、かつ/又は構築されうる、係合構造70(或いは複数の係合構造70であることすらある)を含みうる。このことは、形成ブラダ40が形成圧力まで膨張した後に、形成ブラダ40を、プライ110及び/又は形成面32に選択的かつ作動的に係合させることを含みうる。
【0032】
一例としては、係合構造70は、形成ブラダ40を形成面32に対して作動的に直進させるよう構成されうる。このことは、形成ブラダ40を形成面32向けて作動的に直進させること、形成ブラダ40を形成面32から離れるように作動的に直進させること、形成ブラダ40を垂直に作動的に直進させること、形成ブラダ40を少なくとも実質的に垂直に、作動的に直進させること、形成ブラダ40を垂直方向に作動的に直進させること、及び/又は、形成ブラダ40を少なくとも実質的に垂直方向に作動的に直進させることを、含みうる。追加的又は代替的には、このことは、形成面32と形成ブラダ40との間の距離、又は垂直距離を選択的に変えることも含みうる。
【0033】
係合構造70が、それが存在する場合には、任意の好適な構造を含み、かつ/又は任意の好適な構造でありうることは、本開示の範囲に含まれる。例としては、係合構造70は、位置付けデバイス60から分離され、かつ/又位置付けデバイス60とは別個であってよく、位置付けデバイス60の一部分を形成してよく、並びに/又は、例えば、本書では支持タワー72とも称されうる支持構造72を介して、位置付けデバイス60に作動的に連結されうる。追加の例としては、係合構造70は、自動係合構造70、モータ駆動係合構造70、及び/又は手動作動係合構造70を含み、かつ/又は、それらでありうる。より具体的な例としては、係合構造70は、ネジジャッキ74、リニアアクチュエータ、モータ、電動モータ、及び/又は空気圧モータを含み、かつ/又はそれらでありうる。
【0034】
係合構造70が、
図3から
図6に示しているように、形成ブラダ40及び/又はシュラウド80が枢動軸78の周囲で、形成面32に対して枢動することを可能にするよう構成されている、枢動係合構造70を含み、かつ/又は、そのような枢動係合構造70でありうることは、本開示の範囲に含まれる。枢動軸78は、係合構造70の一部分を形成しうる、かつ/又は、係合構造70を形成ブラダ40に作動的に連結させうる、枢動構造76によって画定されうる。かかかる構成は、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に作動的に押し付ける時、とりわけ、形成面32が非平面であり、アーチ形であり、湾曲しており、かつ/又は入り組んでいる時の、形成ブラダ40とプライ110との間の作動的な接触を改善しうる。枢動構造76の例は、ナックル継手、U字継手、及び/又は定速度継手を含む。
【0035】
枢動軸78が任意の好適な方向に延びうることは、本開示の範囲に含まれる。一例としては、枢動軸78は、形成面32の縦軸及び/又は形成ダイ30の縦軸に沿って延び、そのような縦軸と平行であり、かつ/又は、そのような縦軸と位置合わせされうる。(すなわち、形成面32の長さ及び/又は形成ダイ30の長さに沿って延びうる。)追加的又は代替的には、枢動軸78は、形成面32の横軸及び/又は形成ダイ30の横軸に沿って延び、そのような横軸と平行であり、かつ/又は、そのような横軸と位置合わせされうる。(すなわち、形成面32の長さ及び/又は形成ダイ30の長さに垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に延びうる。)
【0036】
本書でより詳細に説明しているように、システム20及び/又はその係合構造70は、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に作動的に押し付けるレートを選択的に調整及び/又は制御するよう、適合し、構成され、設計され、構築され、かつ/又はプログラムされうる。かかる調整及び/又は制御で、内部空間42の中の圧力が調整及び/又は制御されてよく、かつ/又は、プライが形成機36によって形成面32に適合させられている時に、システム20が内部空間42の中の圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持することが可能になりうる。
【0037】
図3の破線及び
図4から
図6の実線で示しているように、システム20及び/又はその形成機36は更に、シュラウド80を含みうる。シュラウド80は、形成ブラダ40の少なくとも一部分を取り囲むよう、適合し、構成され、設計され、構築され、かつ/又は形作られうる。例としては、シュラウド80は、形成ブラダ40の少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの面を少なくとも部分的に囲んで取り巻き、かつ/又は延びうる。図示しているように、シュラウド80は、U字型、又は少なくとも実質的にU字型の横断面形状を有し、かつ/又は画定しうるが、それが必要なわけではない。
図7から
図15のプロセスフロー150を参照して本書でより詳細に説明しているように、シュラウド80は、形成ブラダ40を形成面32の水平部分と形成面32の垂直部分の両方に押し付けるよう構成されうる。
【0038】
シュラウド80は、任意の好適な一又は複数の材料で形成されてよく、かつ/又は、任意の好適な一又は複数の性質を有しうる。一例としては、シュラウド80は、剛性、又は少なくとも実質的に剛性のシュラウド80を含み、かつ/又はそのようなシュラウド80でありうる。
【0039】
図3の破線で示しているように、システム20は更に、コントローラ90を含みうる。コントローラ90は、システム20の少なくとも一部分の作動を制御するよう、適合し、構成され、かつ/又はプログラムされうる。例としては、コントローラ90は、圧力調整デバイス50、位置付けデバイス60、及び/又は係合構造70が存在する場合には、それらの作動を制御しうる。このことは、
図17を参照して本書でより詳細に説明している方法200の任意の好適な部分を実行するよう、システム20を制御することを含みうる。
【0040】
一例としては、コントローラ90は、例えば、内部空間42の中の圧力を調整するために、形成ブラダ40がプライ110を形成面32に押し付けるレートを調整するよう、プログラムされうる。別の例としては、コントローラ90は、内部空間42の中の圧力を調製するために圧力調整デバイス50の作動を制御するよう、プログラムされうる。更に別の例としては、コントローラ90は、プライ110が形成面32に作動的に押し付けられた後に、内部空間42の中の圧力を圧縮圧力まで増大させるよう、かつ/又は、プライ110を形成面32に当てて圧縮するよう、プログラムされうる。
【0041】
システム20及び/又はその形成機36が更に、圧力検出器92を含みうることは、本開示の範囲に含まれる。圧力検出器92は、内部空間42の中の圧力をモニタするよう、かつ/又は、内部空間42の中の圧力を表示しうる圧力信号94をコントローラ90に伝達するよう、構成されうる。上記の条件のもとでは、コントローラ90は、圧力信号94に少なくとも部分的に基づいてシステム20の作動を制御するよう、プログラムされうる。追加的又は代替的には、圧力検出器92は、圧力信号94を必ずしも生成及び/又は伝達しないこともある、圧力ゲージ92及び/又は機械的圧力ゲージ92を含み、かつ/又はそのようなゲージ92でありうる。
【0042】
システム20及び/又はその形成機36が近接インジケータ97を含みうることも、本開示の範囲に含まれる。近接インジケータ97は、それが存在する場合には、形成機36の少なくとも一部分と形成面32との間の距離をモニタ及び/又は検出するよう、かつ/又は、形成機36のその部分がいつ形成面32の閾値距離の範囲内にあるかをモニタ及び/又は検出するよう、構成されうる。加えて、近接インジケータ97は、近接信号98をコントローラ90に伝達するようにも構成されうる。近接信号98は、形成機36の部分と形成面32との間の距離を表示してよく、かつ/又は、形成機36のその部分が形成面32の閾値距離の範囲内にあるか否かを表示しうる。形成機36の部分の例は、形成ブラダ40及び/又はシュラウド80を含む。近接インジケータ97の例は、距離センサ、力センサ、及び/又は圧力センサを含む。
【0043】
複合部品100は、複合材料の複数のプライ110で形成されうる任意の好適な複合部品100を含み、かつ/又はそのような複合部品でありうる。複合部品100の例は、航空機のストリンガ、航空機のスパー、及び/又は航空機の複合角部品を含む。しかし、システム20は、航空機の一部分を形成するために設計されていない複合部分100を形成するためにも使用されうる。
【0044】
複合部品100の中のプライ110が、形成面32全体にわたって延びうる、単一の連続プライ110でありうることは、本開示の範囲に含まれる。追加的又は代替的には、一又は複数のプライ110が、形成面32全体にわたって一緒に延びる複数のプライセグメント112で形成されうることも、本開示の範囲に含まれる。別の言い方をすれば、複合部品100の中の所与の層又はプライ110は、複合材料の単一の連続シートで形成されてよく、かつ/又は、複合材料の複数のセグメント、区域、又は小片で形成されうる。複合材料のそのような複数のセグメント、区域、及び/又は小片は、本書ではプライセグメント112と称され、互いに当接して所与の層を形成及び/又は画定する。
【0045】
複合材料のプライ110は、任意の好適な一又は複数の構造を含みうる。例としては、プライ110は、複数の炭素繊維、ポリマー繊維、及び/又はガラス繊維のような、複数の繊維を含みうる。追加の例としては、プライ36は、エポキシ樹脂、接着性樹脂、及び/又はポリマー樹脂のような、樹脂材料を含みうる。更なる例としては、プライ110は、複数の繊維と樹脂材料とを含む、予め含侵された材料、又はプリプレグ材料を含みうる。
【0046】
図3の破線で示しているように、システム20は更に、インデックス構造96を含みうる。インデックス構造96は、それが存在する場合には、各プライセグメント112を、形成面32上の所望の、目標の、又は特定された場所に作動的に配置するよう、構成されうる。インデックス構造96の例は、インデックスフェンスのような物理インデックス構造96、及び/又は、光学レイアウトテンプレートなどの光学インデックス構造96を含む。
【0047】
図7から
図12は、本開示によるシステム及び方法を利用して複合部品100を逐次形成するためのプロセスフロー150の概略上面図である一方、
図13から
図15は、プロセスフロー150の概略断面図である。
図7に示しているように、形成機36は、最初に形成機30の長さに沿った第1の選択された場所に配置されてよく、複合材料のプライ110の第1部分を、形成マンドレル30によって画定されている形成面32に作動的に押し付けうる。
【0048】
プライ110を形成面32に作動的に押し付けるために利用されうるプロセスの一例が、
図13から
図15に示されている。
図13に示しているように、形成機36は、プライ110の周縁部116を形成面32に作動的に押し付ける前に、最初に中央部114を形成面32に作動的に押し付けうる、形成ブラダ40を含みうる。
【0049】
その後、
図14に示しているように、形成ブラダ40は、プライ110の露出した、上部の、又はブラダに面した表面の全体に、又は少なくとも実質的に全体に、作動的に接触してよく、プライ110を、形成面32に向けて押し、形成面32に押し付け、かつ/又は、形成面32と接触させうる。このことは、図示しているように、プライ110を、形成面32の一又は複数の表面輪郭を囲んで曲がるよう方向付けること、及び/又は、プライ110を押して、形成面32の水平部分と垂直部分の両方と接触させることを含みうる。
図15に示しているように、形成ブラダ40は、形成マンドレル30により一層押し当てられ、それによって、プライ110全体を形成面32に押し付けうる。シュラウド80は、形成ブラダ40がプライ110全体を形成面32に押し付けるように、形成ブラダ40を圧迫しうる。その後、前述のように、形成ブラダ40の内部空間42の中の圧力が増大して、プライ110を形成面32に当てて圧縮しうる。
【0050】
図7から
図12を再度参照するに、
図8から
図9に示しているように、形成機36は、形成面32に沿って、及び/又は形成面32の端から端まで漸次移動して、プライ110を複数の選択された場所の各々で形成面32に作動的に押し付け、それによって、プライ110全体を形成面32に適合させうる。
図7から
図10の例では、所与のプライ110は、複数のプライセグメント112で形成されているが、それが必要なわけではない。一例としては、
図11に示しているように、複合材料の単一の連続シートが、所与のプライ110を形成及び/又は画定しうる。追加的又は代替的には、
図12は、所与のプライ110が複数のプライセグメント112を含む場合に、プライセグメント112が、任意の好適な相対配向で配置されてよく、かつ/又は、任意の好適なサイズを有しうることを、示している。
【0051】
プロセスフロー150は、複合材料の任意の好適な数のプライ110を形成マンドレル30の形成面32上に配置し、かつ/又は積み上げるため、かつ、それによって、複合部品100を形成及び/又は画定するために、任意の好適な回数反復されうる。このことは、本開示によるシステム及び方法を利用して形成マンドレル30上で形成された、複合部品100の概略断面図である
図16に示している。図示しているように、複合部品100は、前述のように、形成面32上に順番に配置され、かつ/又は積み上げられうる、複合材料の複数の重なった及び/又は層状のプライ110を含む。
【0052】
図17は、本開示による、複合部品を逐次形成する方法200を示すフローチャートである。方法200は、205において複合材料のプライを置くことを含み、210において形成ブラダの内部空間を膨張させることを含みうる。方法200は更に、215において形成ブラダを複合材料のプライに押し付けることを含み、220において圧力を維持すること、225において形成ブラダを圧迫すること、230において複合材料のプライを圧縮すること、235において形成ブラダを複合材料のプライから離すこと、及び/又は、240において形成ブラダを移動させることを、含みうる。方法200は更に、245において方法の少なくとも一部分を反復することを含み、250において複合構造物を硬化することを含みうる。
【0053】
205で複合材料のプライを置くことは、複合材料のプライを形成マンドレルの形成面上に置くことを含みうる。形成面、形成マンドレル、及び複合材料のプライの例は、本書で開示されている。205における置くことが、複合材料のプライが形成面によって少なくとも部分的に支持されるように、複合材料のプライの少なくとも一部分を形成面と直接的及び/又は間接的な接触状態にすることを含みうることは、本開示の範囲に含まれる。
【0054】
205における置くことが、複合材料のプライを形成面上の所望の、目標の、又は特定された場所に、置くことを支援するため、及び/又は作動的に配置するために、インデックス構造を利用することを含みうることも、本開示の範囲に含まれる。インデックス構造の例は本書で開示されている。
【0055】
本書でより詳細に説明しているように、205における置くことは、形成面全体にわたって延びる、複合材料の単一の連続したプライを置くことを含みうるか、又はそのような置くことから成りうる。上記の条件のもとでは、215における押し付けることは、複合材料の単一の連続したプライの選択された部分を形成面に押し付けるが、複合材料のプライの残部は形成面に押し付けられないことを、含みうる。追加的又は代替的には、205における置くことは、少なくとも2つのディスクリートな、かつ/又は分離したプライセグメントであって、共に複合材料のプライを画定するプライセグメントを置くことも含みうる。上記の条件のもとでは、215における押し付けることは、所与のプライセグメントの全体か、所与のプライセグメントの全体には至らない部分のいずれかを、形成面に押し付けることを含みうる。
【0056】
210で形成ブラダの内部空間を膨張させることは、内部空間を形成圧力まで膨張させることを含みうる。このことは、任意の好適な様態で、かつ/又は、任意の好適な圧力調整デバイスを利用して、膨張させることを含みうる。任意の好適な圧力調整デバイスの例は本書で開示されている。210における膨張させることが、215における押し付けることの前に実行されうること、及び/又は、215における押し付けることが、210における膨張させることの結果又は反応でありうることは、本開示の範囲に含まれる。
【0057】
215で形成ブラダを複合材料のプライに押し付けることは、複合材料のプライの選択された部分を形成面に押し付けるため、及び/又は、複合材料のプライのその選択された部分を形成面の表面形状に適合させるために、1つの選択された場所で押しつけることを含みうる。215における押し付けることは、任意の好適な様態で達成されうる。一例としては、215における押し付けることは、前述のように、210における膨張させることの結果又は反応でありうる。別の例としては、215における押し付けることは、形成ブラダと形成面との間で複合材料のプライの選択された部分を変形させるため、及び/又は、複合材料のプライの選択された部分を形成面の表面形状に適合させるために、形成ブラダを下降させて複合材料のプライの選択された部分と接触させること、及び/又は、形成ブラダを、例えば係合構造の利用を介して、垂直方向に移動させることを、含みうる。
【0058】
通常、本書で開示されているシステム及び方法は、複合材料のプライを形成面に適合させるため、及び/又は、複合部品を形成するために、逐次形成を利用する。そのため、
図7から
図15のプロセスフロー150を参照して本書で説明しているように、形成面及び複合材料のプライは概して、形成ブラダよりも大きい。ゆえに、245の反復することが、複合材料の所与のプライ全体を形成するために利用される。
【0059】
一例としては、形成面の表面積は、215で押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積を上回りうる。別の例としては、複合材料のプライの表面積、露出した表面積、及び/又は上面の面積は、複合材料のプライの選択された部分の表面積、露出した表面積、及び/又は上面の面積を上回り、かつ/又は、215で押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積を上回りうる。
【0060】
215における押し付けることは更に、形成ブラダの表面形状が形成面の表面形状に対応するように、形成ブラダを形成面に適合させることを含みうる。本書で説明しているように、215における押し付けることは、形成ブラダを複合材料のプライの選択された部分の周縁部又は側部に作動的に接触させる前に、形成ブラダを複合材料のプライの選択された部分の中央部又は上部に作動的に接触させることを、含みうる。かかかる方法は、215で押し付けている時に複合材料のプライを形成面上に保持し、かつ/又は、215で押し付けている時に複合材料のプライにしわがよる可能性を減少させうる。
【0061】
本書で説明しているように、複合材料のプライは、複数のプライセグメントを含み、かつ/又は、複数のプライセグメントによって画定されうる。上記の条件のもとでは、215における押し付けることは、複数のプライセグメントのうちの所与のプライセグメントを押し付けることを含みうる。所与のプライセグメントの表面積、露出した表面積、又は上面の面積は、215で押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積を下回りうる。ゆえに、215における押し付けることは、所与のプライセグメント全体を一度に押し付けることを含みうる。追加的又は代替的には、所与のプライセグメントの表面積、露出した表面積、及び/又は上面の面積は、215で押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積を上回りうる。ゆえに、245における反復することは、所与のプライセグメント全体を押し付けることを反復することを、含みうる。
【0062】
同じく本書で説明しているように、近接インジケータは、形成機の少なくとも一部分と形成面との間の距離をモニタ及び/又は検出するため、及び/又は、形成機のその部分がいつ形成面の閾値距離の範囲内にあるかをモニタ及び/又は検出するために、利用されうる。上記の条件のもとでは、方法200は更に、形成機の部分が形成面の閾値距離の範囲内にあることを近接インジケータが検出することに反応して、215における押しつけることを止めることを含みうる。
【0063】
220で圧力を維持することは、215で押し付けている時に内部空間の中の圧力を維持することを含みうる。このことは、圧力を形成圧力、又はそれに近い圧力に維持すること、及び/又は、圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持することを含みうる。追加的又は代替的には、220における維持することは、圧力調整デバイスを用いて又は利用して、維持することも含みうる。閾値圧力差及び圧力調整デバイスの例は、本書で開示されている。
【0064】
220における維持することは、215で押し付けている時に、空気のような流体が形成ブラダから出ることを可能にすることを、含みうる。このことは、流体が、圧力調整デバイスを通って、又はそれを介して出ることを可能にすることを、含みうる。追加的又は代替的には、220における維持することは、例えば215で押し付けている時の、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に押し付けるレートを調整することも、含みうる。
【0065】
前述のように、形成ブラダの内部空間の中の圧力をモニタするために、圧力検出器が利用されうる。上記の条件のもとでは、方法200は更に、圧力検出器を用いて内部空間の中の圧力を測定することを含んでよく、220における維持することは、測定された圧力に少なくとも部分的に基づいて維持することを含みうる。
【0066】
225で形成ブラダを圧迫することは、少なくとも1つの方向において、形成ブラダの変形及び/又は拡張に制約を加えることを含みうる。一例としては、225における圧迫することは、シュラウド(その例は本書で開示されている)を用いて圧迫することを含みうる。225における圧迫することが、形成面の表面形状全体にわたって、及び/又は、複合材料のプライ全体にわたって、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に押し付けることを可能にするために、圧迫することを含みうることは、本開示の範囲に含まれる。225における圧迫することは、形成ブラダの1つ、2つ、3つ、又は3を上回る数の面での形成ブラダの拡張、移動、及び/又は変形を制限することを、含みうる。
【0067】
230で複合材料のプライを圧縮することは、複合材料のプライを形成面に当てて圧縮することを含んでよく、任意の好適な様態で達成されうる。一例としては、230における圧縮することは、形成ブラダの内部空間の中の圧力を、形成圧力を上回りうる圧縮圧力まで増大させることを含みうる。上記の条件のもとでは、圧力は、215における押し付けることの後に、及び/又は215における押し付けることが完了した後に、増大しうる。追加の例としては、230における圧縮することは、例えば、複合材料のプライを真空バッグで覆うこと、及び、複合材料のプライと真空バッグとの間の空間を排気することを介して、複合材料のプライを真空圧縮することを含みうる。
【0068】
235で形成ブラダを複合材料のプライから離すことは、形成ブラダと複合材料のプライとの間に離間関係を確立することを含んでよく、205における置くことの後、210における膨張させることの後、及び/又は215における押し付けることの後に、実行されうる。235における離すことは、複数の選択された場所の各々において離すこと、240における移動させることを可能にかつ/又は容易にするために離すこと、及び/又は、245における反復することを可能にかつ/又は容易にするために離すことを、含みうる。235における離すことは、任意の好適な様態で実行されうる。例としては、235における離すことは、形成ブラダを垂直方向に直進させること、及び/又は、係合構造を用いて形成ブラダを直進させることを含みうる。
【0069】
240で形成ブラダを移動させることは、形成ブラダを複数の選択された場所の各場所で複合材料のプライに押し付ける前に、各場所へと形成ブラダを移動させることを含みうる。240における移動させることは、任意の好適な様態で達成されうる。一例としては、240における移動させることは、形成マンドレルの長さに沿って形成ブラダを直進させること、形成マンドレルの幅の端から端まで形成ブラダを直進させること、形成ブラダを水平に直進させること、及び/又は、位置付けデバイス(その例は本書で開示されている)を用いて形成ブラダを直進させることを、含みうる。
【0070】
245で方法の少なくとも部分を反復することは、複合材料のプライを複数の選択された場所の各々で形成面に選択的かつ作動的に押し付けることを、複数回及び/又は複数の選択された場所において反復することを含みうる。このことは、複合材料のプライの対応する部分を形成面の表面形状に適合させて、複合部品を少なくとも部分的に確定することを含みうる。
【0071】
前述のように、複合材料のプライは、複数のディスクリートなプライセグメントによって画定されうる。上記の条件のもとでは、245における反復することは、複数のディスクリートなプライセグメントのうちのディスクリートなプライセグメントの各々について、205における置くことを反復すること、及びその後に、形成ブラダを各プライセグメントに押し付けるために、215における押し付けることを反復することも、含みうる。このプロセスは、複合材料のプライを画定し、かつ/又は、複合材料のプライを形成面の表面形状に適合させうる。
【0072】
追加的又は代替的には、同じく前述のように、複合材料のプライは、複合材料の単一の連続したプライから成りうる。上記の条件のもとでは、245における反復することは、複数回、及び/又は、複合材料の単一の連続したプライ上の複数の異なる場所において、215における押し付けることを反復することを、含みうる。
【0073】
前述のように、複合材料のプライは、複合材料の第1プライであってよく、複合部品は、順々に重ねられて複合材料の層状スタックを画定しうる、複合材料の複数のプライを含みうる。上記の条件のもとでは、245における反復することは、追加的又は代替的には、複合材料の第1プライ上に複合材料の第2プライを置くこと、及びその後に、形成ブラダを複合材料の第2プライに押し付けて複合材料の層状スタックを形成することを、含みうる。
【0074】
250で複合構造物を硬化することは、複合部品を生成し、形成し、固化し、強化し、かつ/又は画定するために硬化すること含んでよく、任意の好適な様態で、かつ/又は、方法200における任意の好適なタイミング及び/又はシーケンスで、達成されうる。一例としては、250における硬化することは、245における反復することの後に実行されうる。別の例としては、250における硬化することは、複合材料のプライ及び/又は複合材料の複数の重なったプライを加熱することを含みうる。
【0075】
ここで
図18から19を参照するに、本開示の実施形態は、
図18に示す航空機の製造及び保守方法900、及び/又は、
図19に示す航空機700に関連して説明されうる。製造前段階では、例示的な方法900は、航空機700の仕様及び設計905と、材料の調達910とを含みうる。製造段階では、航空機700の、構成要素及びサブアセンブリの製造915と、システムインテグレーション920とが行われる。その後、航空機700は、認可及び納品925を経て運航930に供されうる。顧客によって運航される期間に、航空機700には定期的な整備および保守935、(改変、再構成、改修なども含みうる)が予定される。
【0076】
方法900のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実行又は実施されうる。この明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0077】
図19に示しているように、例示的な方法900によって製造された航空機700は、複数のシステム712及び内装714を備えた機体710を含みうる。高レベルシステム712の例は、推進システム715、電気システム716、油圧システム717、及び環境システム718のうちの一又は複数を含む。任意の数の他のシステムも含まれうる。航空宇宙産業の例を示しているが、本発明の原理は、自動車産業などの他の産業にも適用されうる。
【0078】
本書で具現化されているシステム及び方法は、製造及び保守方法900の一又は複数の任意の段階において用いられうる。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造プロセス915に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機700の運航期間中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の様態で作製又は製造されうる。また、システムの実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせのうちの一又は複数は、例えば、著しく、航空機700の組立を効率化すること、又は航空機700のコストを削減することにより、製造段階915及び920において利用されうる。同様に、システムの実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせのうちの一又は複数は、航空機700の運航期間中に、限定しないが例としては整備及び保守935に、利用されうる。
【0079】
本開示による発明対象の例が、以下に列挙される段落に記載される。
【0080】
A1.複合部品を逐次形成するためのシステムであって、
形成面を含む形成マンドレルであって、形成面の表面形状は複合部品の表面形状に対応しており、更に、形成面は複合材料のプライを受容するよう構成される、形成マンドレルと、
形成機であって、
(i)内部空間を画定する形成ブラダ、
(ii)内部空間の中の圧力を調整するよう構成された圧力調整デバイス、及び、
(iii)形成ブラダを複数の選択された場所に、形成面に対して選択的に位置付けるよう構成された、位置付けデバイスを含む、形成機とを備え、
形成ブラダは、形成圧力まで膨張するよう、かつ、複合材料のプライを複数の選択された場所の各々で形成面に選択的かつ作動的に押し付けて、複合材料のプライの対応する部分を形成面の表面形状に適合させ、複合部品を少なくとも部分的に画定するよう構成される、システム。
【0081】
A2.形成面の表面積は、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に押し付ける時の、形成面と形成ブラダとの間の接触面積よりも大きい、段落A1に記載のシステム。
【0082】
A3.形成面の長さは、形成ブラダの対応する長さよりも長い、段落A1又はA2に記載のシステム。
【0083】
A4.複合材料のプライの縦の長さは、形成ブラダの対応する長さよりも長い、段落A3に記載のシステム。
【0084】
A5.位置付けデバイスは、形成面の長さに沿って形成ブラダを選択的に移動させるよう構成される、段落A3又はA4に記載のシステム。
【0085】
A6.形成面の幅は、形成ブラダの対応する幅よりも広い、段落A1からA5のいずれか1つに記載のシステム。
【0086】
A7.複合材料のプライの幅は、形成ブラダの対応する幅よりも広い、段落A6に記載のシステム。
【0087】
A8.位置付けデバイスは、形成面の幅の端から端まで形成ブラダを選択的に移動させるよう構成される、段落A6又はA7に記載のシステム。
【0088】
A9.形成面は平面的、又は少なくとも実質的に平面的な形成面である、段落A1からA8のいずれか1つに記載のシステム。
【0089】
A10.形成面は少なくとも1つの次元においてアーチ状である、段落A1からA9のいずれか1つに記載のシステム。
【0090】
A11.形成ブラダは流体ブラダと空気ブラダの少なくとも一方を含む、段落A1からA10のいずれか1つに記載のシステム。
【0091】
A12.形成ブラダは内部空間を画定するエラストマな本体を含む、段落A1からA11のいずれか1つに記載のシステム。
【0092】
A13.形成ブラダは弾性形成ブラダである、段落A1からA12のいずれか1つに記載のシステム。
【0093】
A14.形成ブラダは、形成ブラダが形成圧力まで膨張している時に、複合材料のプライを形成面に選択的かつ作動的に押し付けるよう構成される、段落A1からA13のいずれか1つに記載のシステム。
【0094】
A15.形成ブラダの膨張の後、形成ブラダは、複合材料のプライの押圧部分の周縁部を形成面に作動的に押し付ける前に、複合材料のプライの押圧部分の中央部を形成面に作動的に押し付けるよう形作られる、段落A1からA14のいずれか1つに記載のシステム。
【0095】
A16.圧力調整デバイスは、形成ブラダを形成圧力まで選択的に膨張させるよう構成された、加圧流体供給源を含む、段落A1からA15のいずれか1つに記載のシステム。
【0096】
A17.圧力調整デバイスは、形成ブラダを、複合材料のプライを形成面に押し付けた後に、形成圧力より大きな圧縮圧力まで選択的に膨張させるよう構成される、段落A1からA16のいずれか1つに記載のシステム。
【0097】
A18.圧力調整デバイスは、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に作動的に押し付けている時に、形成ブラダの内部空間の中の圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持するよう構成される、段落A1からA17のいずれか1つに記載のシステム。
【0098】
A19.閾値圧力差は、5キロパスカル(kPa)未満、10kPa未満、15kPa未満、20kPa未満、25kPa未満、30kPa未満、50kPa未満、50kPa未満、又は75kPa未満である、段落A18に記載のシステム。
【0099】
A20.圧力調整デバイスは、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に作動的に押し付けている時に、流体及び/又は気体が形成ブラダから出ることを可能にするよう構成される、段落A18又はA19に記載のシステム。
【0100】
A21.圧力調整デバイスは、ファン、送風装置、サイクロン、トルネード、ベンチュリポンプ、及び圧力逃しバルブのうちの少なくとも1つを含む、段落A1からA20のいずれか1つに記載のシステム。
【0101】
A22.圧力調整デバイスは容積式デバイスではない、段落A1からA21のいずれか1つに記載のシステム。
【0102】
A23.位置付けデバイスは自動位置付けデバイスである、段落A1からA22のいずれか1つに記載のシステム。
【0103】
A24.位置付けデバイスは、モータ駆動位置付けデバイスと手動作動位置付けデバイスの少なくとも一方である、段落A1からA23のいずれか1つに記載のシステム。
【0104】
A25.位置付けデバイスは、リニアガイドとリニアアクチュエータの少なくとも一方を含む、段落A1からA24のいずれか1つに記載のシステム。
【0105】
A26.位置付けデバイスは、位置付けデバイスを、複数の選択された場所のうちの選択された1つに選択的かつ作動的に保持するよう構成された、位置付けデバイスロック機構を含む、段落A1からA25のいずれか1つに記載のシステム。
【0106】
A27.位置付けデバイスは、形成ブラダを、形成マンドレルに対して水平に、又は少なくとも実質的に水平に、かつ/又は、形成マンドレルの長さに沿って、作動的に直進させるよう構成される、段落A1からA26のいずれか1つに記載のシステム。
【0107】
A28.形成機は更に、オプションでは形成ブラダが形成圧力まで膨張した後に、形成ブラダを形成面に選択的かつ作動的に係合させるよう構成された係合構造を含む、段落A1からA27のいずれか1つに記載のシステム。
【0108】
A29.係合構造は、形成ブラダを、形成マンドレルに対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に、作動的に直進させるよう構成される、段落A28に記載のシステム。
【0109】
A30.係合構造は、形成面と形成ブラダとの間の距離、オプションでは垂直距離を選択的に変えるよう構成される、段落A28又はA29に記載のシステム。
【0110】
A31.係合構造は自動係合構造である、段落A28からA30のいずれか1つに記載のシステム。
【0111】
A32.係合構造はモータ駆動係合構造である、段落A28からA31のいずれか1つに記載のシステム。
【0112】
A33.係合構造は、内部空間の中の圧力を調整するために、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に作動的に押し付けるレートを選択的に調整するよう構成される、段落A28からA32のいずれか1つに記載のシステム。
【0113】
A34.係合構造は、形成ブラダが枢動軸の周囲で形成面に対して枢動することを可能にするために枢動し、オプションでは、係合構造は枢動軸を画定する枢動構造を含む、段落A28からA33のいずれか1つに記載のシステム。
【0114】
A35.枢動軸は、形成面の縦軸に平行であるか、又は少なくとも実質的に平行である、段落A34に記載のシステム。
【0115】
A36.枢動軸は、形成面の横軸に平行であるか、又は少なくとも実質的に平行である、段落A34又はA35に記載のシステム。
【0116】
A37.形成機は複数の係合構造を含む、段落A28からA36のいずれか1つに記載のシステム。
【0117】
A38.係合構造はネジジャッキを含む、段落A28からA37のいずれか1つに記載のシステム。
【0118】
A39.形成機は更に、係合構造を位置付けデバイスに作動的に繋げる支持構造を含む、段落A28からA38のいずれか1つに記載のシステム。
【0119】
A40.支持構造は支持タワーを含む、段落A39に記載のシステム。
【0120】
A41.形成機は更に、形成ブラダの少なくとも一部分を取り囲むシュラウドを含む、段落A1からA40のいずれか1つに記載のシステム。
【0121】
A42.シュラウドは形成ブラダの少なくとも3つの面を取り囲む、段落A41に記載のシステム。
【0122】
A43.シュラウドはU字型の横断面形状を有する、段落A41又はA42に記載のシステム。
【0123】
A44.シュラウドは、形成ブラダを、形成面の水平部分に、かつ形成面の垂直部分にも、押し付けるよう構成される、段落A41からA43のいずれか1つに記載のシステム。
【0124】
A45.シュラウドは剛性、又は少なくとも実質的に剛性のシュラウドである、段落A41からA43のいずれか1つに記載のシステム。
【0125】
A46.形成機は更に、システムの少なくとも一部分の作動を制御するようプログラムされたコントローラを含む、段落A1からA45のいずれか1つに記載のシステム。
【0126】
A47.コントローラは、
(i)圧力調整デバイス
(ii)位置付けデバイス、及び、
(iii)係合構造のうちの少なくとも1つの作動を制御するようプログラムされる、段落A46に記載のシステム。
【0127】
A48.コントローラは、段落B1からB36のいずれか1つに記載の方法を実行するようプログラムされる、段落A46又はA47に記載のシステム。
【0128】
A49.コントローラは、形成ブラダの内部空間の中の圧力を調整するために、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に作動的に押し付けるレートを調整するようプログラムされる、段落A46からA48のいずれか1つに記載のシステム。
【0129】
A50.コントローラは、形成ブラダの内部空間の中の圧力を調整するために、圧力調整デバイスの作動を制御するようプログラムされる、段落A46からA49のいずれか1つに記載のシステム。
【0130】
A51.形成機は更に、形成ブラダの内部空間の中の圧力をモニタし、圧力信号をコントローラに伝達するよう構成された、圧力検出器を含む、段落A46からA50のいずれか1つに記載のシステム。
【0131】
A52.コントローラは、複合材料のプライが形成ブラダによって形成面に作動的に押し付けられた後に、形成ブラダの内部空間の中の圧力を増大させて、複合材料のプライを形成面に当てて圧縮するようプログラムされる、段落A46からA51のいずれか1つに記載のシステム。
【0132】
A53.システムは更に、形成ブラダと複合材料のプライとの間に延びる中間フィルムを含む、段落A1からA52のいずれか1つに記載のシステム。
【0133】
A54.中間フィルムは、接触フィルム、剥離フィルム、及びフッ素ポリマーフィルムのうちの少なくとも1つを含む、段落A53に記載のシステム。
【0134】
A55.システムは複合材料のプライを含む、段落A1からA54のいずれか1つに記載のシステム。
【0135】
A56.複合材料のプライは、形成ブラダによって形成面に押し付けられる、段落A55に記載のシステム。
【0136】
A57.複合材料のプライは、形成面と形成ブラダの両方と直接的な作動的接触状態になる、段落A55又はA56に記載のシステム。
【0137】
A58.複合材料のプライは、形成面と形成ブラダの両方と間接的な作動的接触状態になる、段落A55からA57のいずれか1つに記載のシステム。
【0138】
A59.複合材料のプライの表面形状は、形成面の表面形状に対応する、段落A55からA58のいずれか1つに記載のシステム。
【0139】
A60.複合材料のプライは、形成面全体にわたって延びる複合材料の単一の連続したプライである、段落A1からA59のいずれか1つに記載のシステム。
【0140】
A61.複合材料のプライは、形成面全体にわたって一緒に延びる複数のディスクリートなプライセグメントを含む、段落A1からA60のいずれか1つに記載のシステム。
【0141】
A62.システムは更に、複数のディスクリートなプライセグメントのうちのディスクリートなプライセグメントの各々を、形成面上の所望の場所に作動的に配置するよう構成された、インデックス構造を含む、段落A1からA61のいずれか1つに記載のシステム。
【0142】
A63.インデックス構造は、光学レイアウトテンプレートとインデックスフェンスの少なくとも一方を含む、段落A62に記載のシステム。
【0143】
A64.形成面は、複合材料の複数の重なったプライを受容して、複合部品を画定するよう構成される、段落A1からA63のいずれか1つに記載のシステム。
【0144】
A65.複合材料の複数の重なったプライは、形成面上に受容される、段落A64に記載のシステム。
【0145】
A66.形成ブラダは、複合材料の複数の重なったプライの各々を、形成面に順番に押し付けるよう構成される、段落A64又はA65に記載のシステム。
【0146】
A67.形成ブラダは、複合材料の少なくとも2つの複数の重なったプライを、形成面に同時に押し付けるよう構成される、段落A64からA66のいずれか1つに記載のシステム。
【0147】
A68.複合部品は、航空機のストリンガ、航空機のスパー、及び/又は航空機の複合角部品のうちの少なくとも1つを含む、段落A1からA67のいずれか1つに記載のシステム。
【0148】
B1.複合部品を逐次形成する方法であって、
複合材料のプライを形成マンドレルの形成面上に置くことと、
複合材料のプライの選択された部分を形成面に押し付け、かつ、複合材料のプライのその選択された部分を形成面の表面形状に適合させるために、形成ブラダを1つの選択された場所で複合材料のプライに押し付けることと、
複合材料のプライを複数の選択された場所の各々で形成面に選択的かつ作動的に押し付けて、複合材料のプライの対応する部分を形成面の表面形状に適合させ、複合部品を少なくとも部分的に画定するために、押し付けることを、複数の選択された場所において複数回反復することとを含む、方法。
【0149】
B2.置くことは、複合材料のプライを形成面上の所望の場所に作動的に配置するために、インデックス構造を利用することを含む、段落B1に記載の方法。
【0150】
B3.置くことは、複合材料の単一の連続したプライを置くことから成る、段落B1又はB2に記載の方法。
【0151】
B4.置くことは、少なくとも2つのディスクリートなプライセグメントであって、共に複合材料のプライを画定するプライセグメントを置くことを含む、段落B1からB3のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
B5.押し付けることは、形成ブラダと形成面との間で複合材料のプライの選択された部分を変形させるために、形成ブラダを下降させて複合材料のプライの選択された部分と接触させることを含む、段落B1からB4のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
B6.形成面の表面積は、押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積よりも大きい、段落B1からB5のいずれか1つに記載の方法。
【0154】
B7.複合材料のプライの表面積は、複合材料のプライの選択された部分の表面積よりも大きい、段落B1からB6のいずれか1つに記載の方法。
【0155】
B8.複合材料のプライの表面積は、押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積よりも大きい、段落B1からB7のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
B9.押し付けることは、形成ブラダの表面形状が形成面の表面形状に対応するように、形成ブラダを変形させることを含む、段落B1からB8のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
B10.押し付けることは、形成ブラダを複合材料のプライの選択された部分の周縁部に作動的に接触させる前に、形成ブラダを複合材料のプライの選択された部分の中央部に作動的に接触させることを含む、段落B1からB9のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
B11.押し付けることは、複数のディスクリートなプライセグメントであって、共に複合材料のプライを画定するプライセグメントのうちの、所与の一プライセグメントを押し付けることを含む、段落B1からB10のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
B12.所与のプライセグメントの表面積は、押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積よりも小さい、段落B11に記載の方法。
【0160】
B13.所与のプライセグメントの表面積は、押し付けている時の形成面と形成ブラダとの間の接触面積よりも大きい、段落B11又はB12に記載の方法。
【0161】
B14.反復することは更に、複数のディスクリートなプライセグメントのうちの各プライセグメントについて、形成面上に置くことを反復すること、及びその後に、形成ブラダをディスクリートなプライセグメントの各々に押し付けて複合材料のプライを画定し、かつ、複合材料のプライを形成面の表面形状に適合させるために、押し付けることを反復することを含む、段落B1からB13のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
B15.反復することは、複合材料の単一の連続したプライ上で、押し付けることを複数回反復することを含む、段落B1からB14のいずれか1つに記載の方法。
【0163】
B16.複合材料のプライは複合材料の第1プライであり、反復することは更に、複合材料の層状スタックを形成するために、複合材料の第1プライ上に複合材料の第2プライを置くこと、及びその後に、形成ブラダを複合材料の第2プライに押し付けることを含む、段落B1からB15のいずれか1つに記載の方法。
【0164】
B17.反復することは更に、形成ブラダを複数の選択された場所の各場所で複合材料のプライに押し付ける前に、複数の選択された場所の各場所へと形成ブラダを移動させることを含む、段落B1からB16のいずれか1つに記載の方法。
【0165】
B18.移動させることは、形成マンドレルの長さに沿って形成ブラダを直進させることを含む、段落B17に記載の方法。
【0166】
B19.移動させることは、形成マンドレルの幅の端から端まで形成ブラダを直進させることを含む、段落B17又はB18に記載の方法。
【0167】
B20.押し付けることの前に、方法は更に、形成ブラダの内部空間を形成圧力まで膨張させることを含む、段落B1からB19のいずれか1つに記載の方法。
【0168】
B21.押し付けている時に、方法は更に、圧力調整デバイスを用いて、内部空間の中の圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持することを含む、段落B1からB20のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
B22.閾値圧力差は、5キロパスカル(kPa)未満、10kPa未満、15kPa未満、20kPa未満、25kPa未満、30kPa未満、50kPa未満、又は75kPa未満である、段落B21に記載の方法。
【0170】
B23.圧力を維持することは、押し付けている時に、圧力調整デバイスを介して、流体及び/又は気体が形成ブラダから出ることを可能にすることを含む、段落B21又はB22に記載の方法。
【0171】
B24.圧力を維持することは更に、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に押し付けるレートを調整することを含む、段落B21からB23のいずれか1つに記載の方法。
【0172】
B25.反復することは更に、形成ブラダを複数の選択された場所の各々で複合材料のプライから離すことを含む、段落B1からB24のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
B26.離すことは、複数の選択された場所のうちの別の場所において、押し付けることを反復することを可能にするために、離すことを含む、段落B25に記載の方法。
【0174】
B27.反復することの後に、方法は更に、複合部品を生成するために、複合材料のプライ、オプションでは複合材料の複数のプライを硬化することを含む、段落B1からB26のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
B28.硬化することは、複合材料のプライ、オプションでは複合材料の複数のプライを加熱することを含む、段落B27に記載の方法。
【0176】
B29.押し付けている時に、方法は更に、シュラウドで形成ブラダを圧迫することを含む、段落B1からB28のいずれか1つに記載の方法。
【0177】
B30.圧迫することは、形成ブラダが複合材料のプライを形成面の表面形状全体にわたって形成面に押し付けることを可能にするために、圧迫することを含む、段落B29に記載の方法。
【0178】
B31.圧迫することは、形成ブラダの1つ、オプションでは2つ、オプションでは3つ、更にオプションでは3を上回る数の面での形成ブラダの拡張を制限することを含む、段落B29又はB30に記載の方法。
【0179】
B32.方法は更に、複合材料のプライを形成面に当てて圧縮することを含む、段落B1からB31のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
B33.圧縮することは、押し付けることの後に、形成ブラダの内部空間の中の圧力を増大させることを含む、段落B32に記載の方法。
【0181】
B34.増大させることは、形成圧力より大きな圧縮圧力まで増大させることを含む、段落B33に記載の方法。
【0182】
B35.圧縮することは、複合材料のプライを真空圧縮することを含む、段落B34に記載の方法。
【0183】
B36.方法は、段落A1からA68のいずれか1つに記載のシステムの、任意の好適な構成要素及び/又は構造を利用して実行される、段落B1からB35のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
C1.複合部品を逐次形成するためのシステムであって、形成面を含む形成マンドレルであって、形成面の表面形状は複合部品の表面形状に対応しており、更に、形成面は複合材料のプライを受容するよう構成される、形成マンドレルと、形成機であって、
(i)内部空間を画定する形成ブラダ、
(ii)内部空間の中の圧力を調整するよう構成された圧力調整デバイス、及び、
(iii)形成ブラダを複数の選択された場所に、形成面に対して選択的に位置付けるよう構成された、位置付けデバイスを含み、形成ブラダが、形成圧力まで膨張するよう、かつ、複合材料のプライを複数の選択された場所の各々で形成面に選択的かつ作動的に押し付けて、複合材料のプライの対応する部分を形成面の表面形状に適合させ、複合部品を少なくとも部分的に画定するよう構成される、形成機とを備える、システム。
【0185】
C2.形成面の表面積は、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に押し付ける時の、形成面と形成ブラダとの間の接触面積よりも大きい、C1に記載のシステム。
【0186】
C3.形成面の長さは、形成ブラダの対応する長さよりも長い、C1又はC2に記載のシステム。
【0187】
C4.形成面の幅は、形成ブラダの対応する幅よりも広い、C1からC3のいずれか1つに記載のシステム。
【0188】
C5.圧力調整デバイスは、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に作動的に押し付けている時に、形成ブラダの内部空間の中の圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持するよう構成される、C1からC4のいずれか1つに記載のシステム。
【0189】
C6.圧力調整デバイスは、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に作動的に押し付けている時に、気体が形成ブラダから出ることを可能にするよう構成される、C1からC5のいずれか1つに記載のシステム。
【0190】
C7.位置付けデバイスは、形成ブラダを、形成マンドレルの長さに沿って、形成マンドレルに対して作動的に直進させるよう構成される、C1からC6のいずれか1つに記載のシステム。
【0191】
C8.形成機は更に、形成ブラダを形成面に選択的かつ作動的に係合させるよう構成された係合構造を含み、係合構造は形成ブラダを、形成マンドレルに対して垂直に、作動的に直進させるよう構成される、C1からC7のいずれか1つに記載のシステム。
【0192】
C9.係合構造は、内部空間の中の圧力を調整するために、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に作動的に押し付けるレートを選択的に調整するよう構成される、段落C8に記載のシステム。
【0193】
C10.係合構造は、形成ブラダが枢動軸の周囲で、形成面に対して枢動することを可能にするために枢動する、段落C8又はC9に記載のシステム。
【0194】
C11.形成機は更に、形成ブラダの少なくとも一部分を取り囲むシュラウドを含む、C1からC10のいずれか1つに記載のシステム。
【0195】
C12.シュラウドは、形成ブラダの少なくとも3つの面を取り囲むU字型の横断面形状を有する、段落C11に記載のシステム。
【0196】
C13.複合部品を逐次形成する方法であって、複合材料のプライを形成マンドレルの形成面上に置くことと、複合材料のプライの選択された部分を形成面に押し付け、かつ、複合材料のプライのその選択された部分を形成面の表面形状に適合させるために、形成ブラダを1つの選択された場所で複合材料のプライに押し付けることと、複合材料のプライを複数の選択された場所の各々で形成面に選択的かつ作動的に押し付けて、複合材料のプライの対応する部分を形成面の表面形状に適合させ、複合部品を少なくとも部分的に画定するために、押し付けることを、複数の選択された場所において複数回反復することとを含む、方法。
【0197】
C14.押し付けることは、形成ブラダを複合材料のプライの選択された部分の周縁部に作動的に接触させる前に、形成ブラダを複合材料のプライの選択された部分の中央部に作動的に接触させることを含む、段落C13に記載の方法。
【0198】
C15.反復することは更に、複数のディスクリートなプライセグメントのうちの各プライセグメントについて、形成面上に置くことを反復すること、及びその後に、形成ブラダをディスクリートなプライセグメントの各々に押し付けて複合材料のプライを画定し、かつ、複合材料のプライを形成面の表面形状に適合させるために、押し付けることを反復することを含む、段落C13又はC14に記載の方法。
【0199】
C16.複合材料のプライは複合材料の第1プライであり、反復することは更に、複合材料の層状スタックを形成するために、複合材料の第1プライ上に複合材料の第2プライを置くこと、及びその後に、形成ブラダを複合材料の第2プライに押し付けることを含む、段落C13からC15のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
C17.押し付けている時に、方法は更に、圧力調整デバイスを用いて、形成ブラダの内部空間の中の圧力を形成圧力の閾値圧力差の範囲内に維持することを含む、C13からC16のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
C18.圧力を維持することは、押し付けている時に、圧力調整デバイスを介して、気体が形成ブラダから出ることを可能にすることを含む、段落C17に記載の方法。
【0202】
C19.圧力を維持することは更に、形成ブラダが複合材料のプライを形成面に押し付けるレートを調整することを含む、段落C17又はC18に記載の方法。
【0203】
C20.押し付けている時に、方法は更に、シュラウドで形成ブラダを圧迫することを含む、段落C13からC19のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
本書において、装置の一又は複数の構成要素或いは特性の動作、動き、構成、又は他の作用を改変する場合の「選択的な(selective)」及び「選択的に(selectively)」という用語は、その特定の動作、動き、構成又は他の作用が、装置の一態様或いは一又は複数の構成要素をユーザが操作した直接的又は間接的な結果であることを意味する。
【0205】
本書において、「適合し(adapted)」及び「構成され(configured)」という語句は、要素、構成要素、又は他の対象が、所与の機能を実行するよう設計され、かつ/又は所与の機能を実行することが意図されていることを意味する。ゆえに、「適合し」及び「構成され」という語句の使用は、所与の要素、構成要素、又は他の対象が、単に所与の機能を実行することが「可能である(capable of)」ことを意味すると解釈すべきではなく、要素、構成要素、及び/又は他の対象が、その機能を実行するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/又は設計されていることを意味すると、解釈すべきである。特定の機能を実行するよう適合していると記載されている要素、構成要素、及び/又は他の記載対象が、追加的又は代替的に、その機能を実行するよう構成されていると表現されうること、及びその逆も、本開示の範囲に含まれる。同様に、特定の機能を実行するよう構成されていると記載される対象は、追加的又は代替的に、その機能を実行するよう動作可能であるとも表現されうる。
【0206】
装置及びシステムの様々な開示されている要素、並びに本書で開示されている方法のステップは、本開示による装置、システム、及び方法の全てに必要というわけではなく、本開示は、本書で開示されている様々な要素及びステップの、新規かつ進歩性のある全ての組み合わせ及び部分組み合わせを含む。更に、本書で開示されている様々な要素及びステップのうちの一又は複数は、開示された装置、システム、又は方法の全体とは分けられた別個の、独立した発明対象を規定しうる。従って、かかる発明対象は、本書で明示的に開示されている特定の装置、システム、及び方法と関連付けられる必要はなく、かかる発明対象は、本書で明示的に開示されていない装置、システム、及び/又は方法の有用性を見い出しうる。
【0207】
本書において、「例えば、(for example,)」という表現、「一例としては、(as an example,)」という表現、及び/又は、単なる「例(example,)」という用語は、本開示による一又は複数の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法に関連して使用される場合、前述の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法の例示的で非限定的な例であることを、伝えることを意図している。ゆえに、前述の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法は、限定されること、必要とされること、又は限定的/網羅的であることは意図されない。構造的及び/又は機能的に類似した、かつ/又は同等の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法を含む他の構成要素、特徴、詳細事項、構造、実施形態、及び/又は方法も、本開示の範囲に含まれる。