(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つ又は複数の作業からなるものを工程とし、当該工程を示す映像を用いて、自機器のメンテナンス作業が行われるときに、表示部に、当該メンテナンス作業における各工程の規定の作業手順を示すガイダンス映像を工程順に連続的に表示させる表示ステップと、
自機器の各部材の操作状態を検知する検知ステップと、
前記検知ステップでの検知結果に基づいて、操作者により行われている作業を特定する作業特定ステップと、
前記作業特定ステップにより特定された各作業の時系列から操作者により実際に行われた作業手順を解析して、前記工程順及び前記規定の作業手順と比較し、前記表示部に表示されているガイダンス映像が示す工程に含まれる作業が操作者により行われたときに、当該工程よりも作業手順が前である工程に含まれる作業が未処理のままスキップされたと判断した場合には、当該スキップされた作業を含む工程に戻ってガイダンス映像を表示させることで、前記戻った工程の作業手順を示すガイダンス映像の再表示を行う再表示ステップと、
更に、前記作業特定ステップで特定された各作業の時系列に基づいて、作業が未処理とされてスキップされることなく、各作業が工程の示す手順通りに行われていると判断し、かつ、この判断の時点で表示中のガイダンス映像に対応する工程であって、含まれる各作業が全て完了している工程よりも後の工程の作業が、当該時点で行われていると判断した場合、当該後の工程までの途中の工程のガイダンス映像を表示させず、当該後の工程のガイダンス映像を表示させる、後の工程表示ステップを備える表示方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置、表示方法及び画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す図である。本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としての画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着部13、給紙部14、記録紙排出部15、原稿搬送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。更に、画像形成装置1は、後処理装置(フィニッシャー)60を備えている。
【0013】
画像形成部12は、給紙部14から給紙される記録紙Pにトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成済の記録紙Pは、排出ローラー194により排出トレイ151へ向けて排出される。
【0014】
搬送路190は、記録紙排出部15に向かう第1搬送路196と、後処理装置60に向かう第2搬送路197とに分岐している。この分岐点195には、分岐点195に向けて搬送されてくる記録紙Pを第1搬送路196又は第2搬送路197のいずれかに振り分けて案内する切換部198が設けられている。切換部198は、記録紙Pの搬送方向上流側に向かって尖った先端部を有し、この先端部が回動して、分岐前の搬送路190から第1搬送路196又は第2搬送路197に向かう搬送路部分の一方を閉じることによって、当該閉じられていない搬送路部分に繋がる第1搬送路196又は第2搬送路197に向けて記録紙Pを搬送させる。
【0015】
画像形成装置1は、更に、後処理装置60を備える。後処理装置60は、原稿台600、パンチ部601、搬送ローラー対602、記録紙受台603、搬送ローラー対620、排出ローラー対607、排出トレイ623、及び搬送分岐ガイド624を備えている。
【0016】
更に、後処理装置60は、ステイプル装置625、受止部材626、及び搬送ローラー対627を備える。
【0017】
原稿台600は、後処理装置60に後処理を行わせる原稿が載置される台である。
【0018】
パンチ部601は、装置本体11の排出ローラー対159又は原稿台600から搬入されてきた複数枚の記録紙(画像形成後の記録紙、及び原稿台600上の原稿のいずれも含む)に対して、後処理の1つとしてパンチ処理を行う。
【0019】
記録紙受台603は、搬送ローラー対602,620により搬送されてきた記録紙又は原稿を記録紙束として一時的にストックする。
【0020】
排出ローラー対607は、当該後処理装置60から記録紙Pが排出される記録紙排出部606に配設され、搬送ローラー対602,620から搬送されてきた記録紙Pと、記録紙受台603から搬送されてきた記録紙束とを、排出トレイ623に排出する。
【0021】
ステイプル装置625は、記録紙受台603に搬入された記録紙に後処理としてのステイプル処理を施す。
【0022】
受止部材626は、記録紙受台603に搬入された記録紙の下部端を受け止めて保持する。搬送ローラー対627は、記録紙受台603から下向に向かって記録紙又は記録紙束を搬送する。
【0023】
記録紙受台603は、受止部材626を記録紙束の搬出方向に移動させる駆動部(図略)を備える。そして、駆動制御部(
図2)からの制御信号に応じて駆動部が駆動することにより、受止部材626で保持された記録紙束は、排出ローラー対607まで搬送され、排出ローラー対607によって記録紙排出部606から排出トレイ623に排出される。
【0024】
ステイプル装置625は、駆動制御部からの制御信号により駆動する図示しない駆動部により移動可能に構成され、記録紙受台603に搬入された記録紙に通常のステイプル処理を行う場合は記録紙の端付近の位置に移動させられると共に記録紙の端付近にステイプル処理を施し、ブック綴じを行う場合には記録紙の中央付近に移動させられると共に記録紙の中央付近にステイプル処理を施して中綴じを行う。
【0025】
また、画像形成装置1においては、記録紙に対する後処理の設定、及び画像転写後の記録紙にブック綴じ処理を行う設定等は、操作者が画像形成装置1の操作部47から操作指示を入力することによって可能とされている。
【0026】
装置本体11及び後処理装置60の各所に図示しない開閉式のカバーやレバー等が設けられている。例えば、装置本体11の前面には前カバーが、右側面及び左側面には右カバー及び左カバーがそれぞれ設けられている。装置本体11の内部には図示しない補給トナーボトルや廃棄トナーボトルを固定するための固定レバーが設けられている。また、後処理装置60の前面には前カバーが設けられている。
【0027】
操作者は画像形成装置1のメンテナンス作業を行うときに装置本体11及び後処理装置60のカバーやレバーを操作する。例えば、記録紙ジャムが発生した場合には、操作者は後処理装置60を装置本体11から切り離し、装置本体11の右カバー又は左カバーを開けて装置本体11の内部が見える状態にして搬送路190や画像形成部12や定着部13等に詰まった紙片を取り除く。トナーボトルを交換する場合には、操作者は前カバーを開け、更に固定レバーを解除して空のトナーボトルを取り出す。また、後処理装置60内で記録紙ジャムが発生した場合には、操作者は後処理装置60の前カバーを開けて後処理装置60の内部が見える状態にしてパンチ部601や記録紙受台603や搬送分岐ガイド624等に詰まった紙片を取り除く。
【0028】
装置本体11及び後処理装置60のカバーやレバー等の各部材には操作状態を検知するセンサー(
図2)が設けられている。例えば、カバーに設けられたセンサーは当該カバーの開閉状態を検知する。給紙部14における給紙カセット142,143,144にもセンサーが設けられており、当該センサーはこれら給紙カセットが引き出し/押し込み状態を検知する。
【0029】
次に、後処理装置60を備える画像形成装置1の電気的構成を説明する。
図2は画像形成装置1の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0030】
原稿読取部5は、図示しない画像照射ランプにより原稿を照射し、その反射光を図示しないCCDセンサーで受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0031】
記録紙搬送部411は、
図1に示した給紙ローラー145及び搬送ローラー対192等から構成され、手差しトレイ141,給紙カセット142,143,144に収納されている記録紙Pを画像形成部12、及び後処理装置60に通じる排出ローラー対607及び記録紙排出部606まで搬送する。なお、排出ローラー対607及び記録紙排出部606も記録紙搬送部411を構成する。
【0032】
操作部47は、
図2に加えて
図1にも示すように、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者からの指示を受け付ける。操作部47は、タッチパネル機能を備えた(タッチパネル式の)表示部473を備えている。表示部473は、特許請求の範囲に記載の表示部に相当する。
【0033】
センサー91〜93は、上述したように、装置本体11における図示しないカバーやレバー等の各部材に設けられ、各部材の操作状態を検知する。センサー91〜93は、機械式、光学式、磁気式のいずれでもよい。
【0034】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成される。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、ASIC等である。制御ユニット10は、制御部101、表示制御部102、及び作業特定部103を備えている。制御ユニット10は、例えば、HDD81に記憶されている制御プログラムに従って動作することにより、制御部101、表示制御部102、及び作業特定部103として機能する。
【0035】
制御部101は、原稿読取部5、記録紙搬送部411、画像形成部12、操作部47、センサー91〜93等と接続されている。制御部101は、接続されている上記各機構の制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0036】
また、制御部101は、操作者から操作部47等を通じて受け付けられるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。特に、制御部101は、表示部473の表示を制御する。表示部473のタッチパネル機能は、表示部473に対する操作者のタッチ操作を受け付ける。
【0037】
また、制御部101は、後処理装置60に接続されている。後処理装置60は、制御ユニット610と、昇降部605と、ローラー駆動装置652と、センサー691〜693とを備えている。センサー691〜693は、上述したように、後処理装置60における図示しないカバーやレバー等の各部材に設けられ、各部材の操作状態を検知する。センサー691〜693は、機械式、光学式、磁気式のいずれでもよい。なお、後処理装置60は、上述した各機構を有するが、ここでは、排出トレイ623の昇降制御に関係する各部を示すものとする。
【0038】
制御ユニット610は、CPU、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成される。制御ユニット610は、駆動制御部611と、メモリー612とを備える。
【0039】
駆動制御部611は、後処理装置60の全体的な制御を司る。駆動制御部611は、装置本体11側の制御部101と通信により連携し、後処理装置60の各機構の動作を制御し、或いは、装置本体11側の表示部473等の動作機構を制御する。
【0040】
ローラー駆動装置652は、排出ローラー対607に回転駆動力を付与するモーター等の動力発生装置である。ローラー駆動装置652は、制御部101及び駆動制御部611により駆動制御される。ローラー駆動装置652は、他のローラー、例えば搬送ローラー対602,620等にも回転駆動力を付与する。
【0041】
制御ユニット10について更に説明する。表示制御部102は、画像形成装置1のメンテナンス作業が行われるときに、表示部473に、メンテナンス作業における各工程の作業手順を示すガイダンス映像を表示させる。すなわち、表示制御部102は、表示部473による表示動作のうち、ガイダンス映像を表示する動作についての制御を担当する。
【0042】
ガイダンス映像のデータは、例えば、制御ユニット10における図略の不揮発性メモリー又はHDD81の記憶領域に保存されている。表示制御部102は、当該記憶領域から適切なガイダンス映像のデータを読み出して表示部473に表示させる。ガイダンス映像はメンテナンス作業における各工程の映像から構成される。表示制御部102は、最初の工程から順に連続的に各工程のガイダンス映像を表示させる。ガイダンス映像は、アニメーションや動画であってもよく、或いは静止画が連続表示されるものであってもよい。
【0043】
図3は、ガイダンス映像の構成例を示す図である。
図3に例示したガイダンス映像は、記録紙ジャムの解消作業における各工程の作業手順を示すガイダンス映像である。例えば、記録紙ジャムの解消作業は3つの工程からなる。最初の工程Aはフィニッシャー(後処理装置60)の処理工程である。工程Aのガイダンス映像は、更に、フィニッシャーを本体(装置本体11)から取り外す作業を示す映像A1、フィニッシャーと本体との接続口の用紙を取り除く作業を示す映像A2、フィニッシャーカバー(後処理装置60の前カバー)を開けて用紙を取り除く作業を示す映像A3、及びフィニッシャーカバーを閉じる作業を示す映像A4の4つに細分化されている。
【0044】
次の工程Bは本体左側内部の処理工程である。工程Bのガイダンス映像は、更に、本体の左カバーを開ける作業を示す映像B1、左カバー内の用紙を取り除く作業を示す映像B2、及び左カバーを閉じる作業を示す映像B3の3つに細分化されている。
【0045】
最後の工程Cは再びフィニッシャーの処理工程である。工程Cのガイダンス映像は、フィニッシャーを元の位置に戻す作業を示す映像C1のみからなる。
【0046】
表示制御部102は、記録紙ジャムの発生時に、上記の映像A1、映像A2、・・・、映像C1の順にガイダンス映像を表示部473に表示させる。また、表示制御部102は、映像C1まで表示部473に表示させると、映像A1に戻ってガイダンス映像を始めから再表示させる。
【0047】
図2へ戻り、作業特定部103は、センサー91〜93,691〜693の検知結果に基づいて操作者により作業が行われた箇所を特定する。例えば、装置本体11と後処理装置60との接続状態を検知するセンサー91が後処理装置60と装置本体11との切断を検知した場合、作業特定部103は、操作者により後処理装置60が装置本体11から取り外されたと特定する。また、例えば、装置本体11の左カバーの開閉を検知するセンサー92が当該左カバーのオープンを検知した場合、作業特定部103は、操作者により左カバーが開けられて左カバー内の用紙が取り除かれたと特定する。
【0048】
表示制御部102は、更に、作業特定部103により特定された作業の時系列から操作者の作業手順を認識し、操作者の作業手順と正しい作業手順とのずれに応じてガイダンス映像の表示を制御する。具体的には、表示制御部102は、作業特定部103により特定された作業の時系列と正しい作業手順とを比較することで操作者の作業手順と正しい作業手順とのずれを検知する。正しい作業手順を示したデータは、例えば、制御ユニット10における図略の不揮発性メモリー又はHDD81等の記憶領域に保存されている。表示制御部102は、当該記憶領域に保存された正しい作業手順を示したデータを適宜参照して、操作者の作業手順と正しい作業手順とのずれを検知する。
【0049】
例えば、表示制御部102は、作業特定部103により特定された各作業の時系列から操作者の作業手順を解析し、この解析した作業手順を、問題解決のために行われるメンテナンス作業をなす各工程が実行される順番(すなわち工程順)、及び当該各工程に含まれる全ての作業における作業の順番(すなわち規定の作業手順)と比較し、操作者により行われている作業が当該工程順及び規定の作業手順に行われていないと判断した場合に、操作者の作業手順と正しい作業手順とにずれが生じていると判定する。
【0050】
このように、表示制御部102は、作業特定部103により特定された作業の時系列と正しい作業手順とを比較することにより、操作者の作業手順と正しい作業手順とのずれを簡易かつ素早く検知することができる。
【0051】
ガイダンス映像の表示制御の一例として、表示制御部102は、必要な作業がスキップされたと判断した場合、当該スキップされた作業を含む工程に戻ってガイダンス映像を再表示させる。
【0052】
例えば、表示制御部102は、作業特定部103により特定された各作業の時系列から操作者の作業手順を解析し、この解析した作業手順を、上記工程順及び上記規定の作業手順と比較し、操作者により行われている作業が当該工程順及び規定の作業手順通りに行われておらず、未処理とされている作業があり、当該未処理の作業よりも作業手順が後の作業が先に行われていると判断した場合に、必要な作業がスキップされているものとする。
【0053】
例えば、
図3のガイダンス映像が表示される記録紙ジャムの解消作業において、工程Bのガイダンス映像の表示中に、装置本体11と後処理装置60との接続状態を検知するセンサー91により後処理装置60と装置本体11との切断が検知されることなく、装置本体11の左カバーの開閉を検知するセンサー92により当該左カバーのオープンが検知された場合、表示制御部102は、工程Aにおけるフィニッシャーカバーを開けて用紙を取り除く作業がスキップされたと判断して、工程Bのガイダンス映像の表示を中止して工程Aの最初の映像A1からガイダンス映像を再表示させる。
【0054】
このように、表示制御部102が、スキップされた作業を含む工程に戻ってガイダンス映像を再表示させることにより、必要な作業をスキップしたことと、更にスキップした作業の内容とを操作者に気付かせることができ、この結果、正しい作業手順でメンテナンス作業を円滑に進行させることができる。
【0055】
また、ガイダンス映像の表示制御の別例として、表示制御部102は、作業がスキップされることなく、工程が示す手順通りに作業が行われていると判断し、かつ、この時点で表示中のガイダンス映像に対応する工程よりも後の工程の作業が行われていると判断した場合、操作者がこの時点で作業を行っている現工程までの途中の工程のガイダンス映像を飛ばして当該現工程のガイダンス映像を表示させる。
【0056】
すなわち、表示制御部102は、作業特定部103により特定された各作業の時系列に基づいて、作業が未処理とされてスキップされることなく、各作業が工程の示す手順通りに行われていると判断し、かつ、この時点で表示部473に表示中のガイダンス映像に対応する工程よりも後の工程の作業が、当該時点で行われていると判断した場合、当該時点で操作者により作業が行われている工程までの途中の工程のガイダンス映像を表示部473に表示させず、当該作業が行われている工程のガイダンス映像を表示させる。
【0057】
例えば、
図3のガイダンス映像が表示される記録紙ジャムの解消作業において、工程Aのガイダンス映像の表示中に、装置本体11の左カバーの開閉を検知するセンサー92により当該左カバーのオープンが検知された場合(ただし、装置本体11と後処理装置60との接続状態を検知するセンサー91により後処理装置60と装置本体11とが切断がされ、その後接続されたことが検知されている。すなわち、工程Aの作業は終了している)、表示制御部102は、現在表示中のガイダンス映像に対応する工程よりも後の工程の作業が行われていると判断して、工程Aの残りのガイダンス映像を飛ばして工程Bのガイダンス映像を表示させる。
【0058】
このように、表示制御部102が、操作者が現在作業を行っている現工程までの途中の工程のガイダンス映像を飛ばして当該現工程のガイダンス映像を表示させることにより、ガイダンス映像から目を離して作業を行って、工程順に作業を完了させてから、作業者がガイダンス映像に目を戻したときに、操作者が現在行っている作業と、ガイダンス映像で示されている作業(既に完了した作業)とが、大きく乖離して操作者が混乱することをなくすことができる。
【0059】
また、ガイダンス映像の表示制御の更に別例として、表示制御部102は、最終工程のガイダンス映像の表示が終了した後、操作者による作業がまだ完了していない工程に戻ってガイダンス映像を再表示させるようにしてもよい。例えば、
図3のガイダンス映像が表示される記録紙ジャムの解消作業において、映像C1の表示が終わった時点で、装置本体11の左カバーの開閉を検知するセンサー92により当該左カバーのオープンが検知されていない場合(ただし、装置本体11と後処理装置60との接続状態を検知するセンサー91により後処理装置60と装置本体11とが切断がされ、その後接続されたことが検知されている。すなわち、工程Aの作業は終了している)、表示制御部102は、工程Aの作業は完了したが工程Bの作業はまだ完了していないと判断して、工程Aの映像A1からではなく工程Bの映像B1(すなわち、未完了の作業のうち最も早い作業手順の作業が属する工程における最も早い作業手順の映像)からガイダンス映像を再表示させる。
【0060】
このように、ガイダンス映像を繰り返し表示する場合において操作者が作業し終えた工程のガイダンス映像を再表示させずに操作者による作業がまだ完了していない工程に戻ってガイダンス映像を再表示させることにより、操作者は不要なガイダンス映像を繰り返し見なくて済み、操作者の利便性を向上させることができる。
【0061】
次に、画像形成装置1におけるガイダンス映像の表示処理について説明する。
図4は、画像形成装置1におけるガイダンス映像の表示処理を示すフローチャートである。
【0062】
画像形成装置1においてメンテナンス作業が行われるとき、表示制御部102は、当該メンテナンス作業における各工程の作業を示すガイダンス映像を表示部473に表示させる(S1)。
【0063】
続いて、作業特定部103は、センサー91〜93,691〜693(
図2)の検知結果に基づいて、操作者により行われている作業を特定する(S2)。例えば、装置本体11と後処理装置60との接続状態を検知するセンサー91が後処理装置60と装置本体11との切断を検知した場合、作業特定部103は、操作者により後処理装置60が装置本体11から取り外されたと特定する。また、例えば、装置本体11の左カバーの開閉を検知するセンサー92が当該左カバーのオープンを検知した場合、作業特定部103は、操作者により左カバーが開けられて左カバー内の用紙が取り除かれたと特定する。
【0064】
続いて、表示制御部102は、作業特定部103により特定された作業の時系列と正しい作業手順とを比較して操作者の作業手順と正しい作業手順とのずれを特定する(S3)。表示制御部102は、必要な作業がスキップされたと判断した場合(S4でYES)、当該スキップされた作業を含む工程に戻ってガイダンス映像を再表示させる(S5)。その後、処理フローはステップS2へ戻り、作業特定部103が、引き続きセンサー91〜93,691〜693(
図2)の検知結果に基づいて、操作者により行われている作業を特定する。
【0065】
なお、S5においては、表示制御部102は、上記スキップされた作業を含む工程に戻ってガイダンス映像を再表示させるとき、(a)スキップされた作業を示すガイダンス映像の表示時間をデフォルトの表示時間よりも短くして再表示させるようにしてもよい。
【0066】
また、S5の他の実施形態として、(b)表示制御部102は、上記S5で示した処理に代えて、上記スキップされた作業よりも予め定められた作業分だけ前となる作業順の作業を示すガイダンス映像から再表示させるようにしてもよい。この場合、表示制御部102は、上記予め定められた作業分だけ前となる作業順の作業が、スキップされた作業を含む工程を超えて更に前の工程に含まれる場合であっても、当該前の工程に含まれる、上記予め定められた作業分だけ前となる作業順の作業を示すガイダンス映像から再表示させる。
【0067】
更に、表示制御部102は、操作部47に受け付けられた指示の内容に従って、上記(a)又は(b)の処理のいずれかを選択的に行うようにしてもよい。
【0068】
或いは、表示制御部102は、作業がスキップされることなく、工程が示す手順通りに作業が行われていると判断し、かつ、この時点で表示部473に表示中のガイダンス映像に対応する工程よりも後の工程の作業が行われていると判断した場合(S4でNO、S6でYES)、操作者が現在作業を行っている現工程までの途中の工程のガイダンス映像を飛ばして当該現工程のガイダンス映像を表示させる(S7)。その後、処理フローはステップS2へ戻り、作業特定部103が、引き続きセンサー91〜93,691〜693(
図2)の検知結果に基づいて、操作者により行われている作業を特定する。
【0069】
上記S7の他の実施形態として、表示制御部102は、操作者が現在作業を行っている現工程までの途中の工程のガイダンス映像を飛ばさず、当該途中の工程の表示時間をデフォルトの表示時間よりも短くして表示させた後に、当該現工程のガイダンス映像を表示させるようにしてもよい。
【0070】
表示制御部102は、ガイダンス映像を最後まで表示していなければ(S8でNO)、処理フローはステップS2へ戻り、ガイダンス映像の表示を続ける。作業特定部103は、引き続きセンサー91〜93,691〜693(
図2)の検知結果に基づいて、操作者により行われている作業を特定する。
【0071】
一方、ガイダンス映像が最後まで表示された場合(S8でYES)、表示制御部102は、センサー91〜93,691〜693(
図2)の検知結果に基づいて操作者によるメンテナンス作業が完了したか否かを判断し、メンテナンス作業が完了していないと判断すれば(S9でNO)、操作者による作業がまだ完了していない工程に戻ってガイダンス映像を再表示させる(S10)。そして、処理フローはステップS2へ戻り、作業特定部103が、引き続きセンサー91〜93,691〜693(
図2)の検知結果に基づいて、操作者により行われている作業を特定する。表示制御部102は、操作者によりメンテナンス作業が完了したと判断すれば(S9でYES)、ガイダンス映像の表示を終了する。
【0072】
以上、説明したように、本実施形態によると、画像形成装置1のメンテナンス作業を行う場合に操作者の作業手順を認識して、操作者による作業の進行状況に合わせて適切なガイダンス映像を表示することができる。
【0073】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、表示部473にガイダンス映像を表示するものとしたが、タブレット端末等の外部デバイスにガイダンス映像を表示するようにすることができる。また、メンテナンス作業の例として記録紙ジャムの解消作業を挙げたが、メンテナンス作業はそれ以外に、トナーボトルの交換作業、記録紙の補充作業、画像形成装置1の初期セットアップ作業等を含み得る。
【0074】
また、上記実施形態では、本発明に係る表示装置の一例として、画像形成装置を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、本発明に係る表示装置は、モバイル機器、医療機器、券売機等といった機器でもよい。
【0075】
また、
図1乃至
図4を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。