特許第6892249号(P6892249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6892249カレット分別装置およびカレット分別方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892249
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】カレット分別装置およびカレット分別方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20210614BHJP
   G01N 21/59 20060101ALI20210614BHJP
   G01N 21/958 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   B07C5/342
   G01N21/59 Z
   G01N21/958
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-227413(P2016-227413)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-83153(P2018-83153A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222222
【氏名又は名称】東洋ガラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100110515
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 益男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 康哲
(72)【発明者】
【氏名】丸山 友樹
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3367935(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/342
G01N 21/59
G01N 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カレットを分別するカレット分別装置であって、ピーク波長330nm以上の紫外線をカレットに対して照射した場合の紫外線透過量により透明の結晶化ガラスを分別することを特徴とするカレット分別装置。
【請求項2】
前記紫外線の出力が0.06mW以上の紫外線光源であることを特徴とする請求項1に記載のカレット分別装置。
【請求項3】
前記紫外線のピーク波長が波長330nm〜380nmの紫外線光源であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカレット分別装置。
【請求項4】
前記紫外線の半値幅が、±15nm以内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカレット分別装置。
【請求項5】
カレットを分別するカレット分別方法であって、ピーク波長330nm以上の紫外線をカレットに対して照射した場合の紫外線透過量により透明の結晶化ガラスを分別することを特徴とするカレット分別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明の結晶化ガラスを含むカレットの中から透明の結晶化ガラスを分別するカレット分別装置およびカレット分別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガラス製造工場等においては、ガラス材料としてカレット(リサイクル用ガラス片)を利用しているが、カレットには、有色または透明、非結晶化ガラスまたは結晶化ガラス等の様々な種類のガラスが含まれることから、これらカレットの分別を行う必要がある。
【0003】
このようなカレット分別装置の一例としては、薄茶色或いは紫色の結晶化ガラス(耐熱ガラス)と多色の非結晶化ガラス(ソーダガラス)とを含むカレット中から、薄茶色或いは紫色の結晶化ガラスを分別するカレット分別装置であって、430nm以下の波長を有する光によって、無色透明および薄青色の非結晶化ガラスと、それ以外のガラスとを分別し、630nm〜700nmの波長を有する光によって、薄茶色或いは紫色の結晶化ガラスとそれ以外の色のガラスとを分別するカレット分別装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
この特許文献1のカレット分別装置では、薄茶色或いは紫色の結晶化ガラスを分別して排除することにより、通常のびん等を構成する非結晶化ガラスに、結晶化ガラスが混入することを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3367935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、近年、透明色のガラスを利用して成形されたリサイクル製品において、リサイクル製品への内容物の充填時やリサイクル製品の搬送時に、リサイクル製品が破損する事例が若干ではあるものの発生している。
【0007】
そこで、本出願人が原因を調査したところ、リサイクル用に回収されたカレット内に、以前は含まれていなかった透明の結晶化ガラスが含まれており、このような透明の結晶化ガラスは、透明の非結晶化ガラスと膨張率が異なるため、リサイクル製品に破損が生じ易くなっていることを突き止めた。リサイクル用に回収されるカレットの中に透明の結晶化ガラスが含まれるようになってきたのは、近年、耐熱性を備えた透明色のガラスから形成された鍋等の調理器具や食器等が普及してきており、これら製品がリサイクル用に回収されるようになってきたためだと推測される。
【0008】
そして、この場合、特許文献1に記載のカレット分別装置では、430nm以下の波長を有する光を照射した時に、透明の非結晶化ガラスおよび透明の結晶化ガラスの両方が、透明のガラスとして判別されてしまうため、透明の結晶化ガラスがリサイクル用のガラスとして取り扱われてしまう。
【0009】
そこで、本発明の目的は、簡素かつ安価な構成で、透明の結晶化ガラスを分別することが可能なカレット分別装置およびカレット分別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカレット分別装置は、カレットを分別するカレット分別装置であって、ピーク波長330nm以上の紫外線をカレットに対して照射した場合の紫外線透過量により透明の結晶化ガラスを分別することにより、前記課題を解決するものである。
本発明のカレット分別方法は、カレットを分別するカレット分別方法であって、ピーク波長330nm以上の紫外線をカレットに対して照射した場合の紫外線透過量により透明の結晶化ガラスを分別することにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、透明の結晶化ガラスを含む各種カレットに対して紫外線を照射した時の紫外線透過量(紫外線透過率)の違いを利用して、簡素かつ安価な構成で、透明の結晶化ガラスを分別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るカレット分別装置を概略的に示す説明図。
図2】各種カレットにおいて光の波長と透過率との関係を示すグラフ。
図3】実験例の構成を概略的に示す説明図。
図4】紫外線センサーで測定した受光電圧の変化を示すグラフ。
図5】紫外線光源の電流値と光度との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態に係るカレット分別装置10について、図面に基づいて説明する。
【0014】
まず、カレット分別装置10は、有色(黒色)の非結晶化ガラス、有色(茶色)の結晶化ガラス、透明の非結晶化ガラス、および、透明の結晶化ガラスを含むカレットWの中から、透明の結晶化ガラスを分別するものである。
【0015】
なお、一般的には、有色の非結晶化ガラスや透明の非結晶化ガラスは、リサイクル用途で使用され、有色の結晶化ガラスや透明の結晶化ガラスは、廃棄されることになる。
【0016】
カレット分別装置10は、図1に示すように、振動フィーダ等から成るカレット供給部20と、カレット通過経路を挟んで配置される紫外線光源30および紫外線センサー40と、カレット通過経路を挟んで配置されるLED等から成る可視光源50およびカラーカメラ等から成る可視光センサー60と、エアーを噴出して特定のカレットWを吹き飛ばすエアーノズル70と、リサイクル用途のカレットWを収容する回収ボックス80と、排除するカレットWを収容する排除ボックス90と、紫外線センサー40や可視光センサー60やエアーノズル70等の各部を制御する制御部(図示しない)とを備えている。
【0017】
本実施形態では、紫外線光源30が紫外線LEDとして構成され、紫外線センサー40が、シリコンUVセンサー(シリコンフォトダイオードを有した紫外線量を測定可能なセンサー)として構成されている。
【0018】
次に、カレット分別装置10を用いた透明の結晶化ガラスのカレット分別方法について、以下に説明する。
【0019】
まず、本実施形態のカレット分別方法は、各種カレットWに対して紫外線を照射した時の紫外線透過量(紫外線透過率)の違いを利用して、透明の結晶化ガラスとそれ以外のガラスとを分別するものである。
【0020】
具体的に説明すると、図2のグラフに示すように、ピーク波長330〜380nmの紫外線を各種カレットWに対して照射した場合、透明の非結晶化ガラスでは、ピーク波長330nmの紫外線では約20〜55%程度の透過率を計測し、ピーク波長380nmの紫外線では約80〜90%程度の透過率を計測する。
これに対して、透明の結晶化ガラスでは、ピーク波長330nmの紫外線では約0%の透過率を計測し、ピーク波長380nmの紫外線では約40〜60%程度の透過率を計測し、また、有色の非結晶化ガラスおよび有色の結晶化ガラスでは、ピーク波長330〜380nmの紫外線で、約0%の透過率となる。
【0021】
このように、対象となるガラスの厚みに関わらず、ピーク波長330〜380nmの紫外線を照射することにより、少なくとも透明の非結晶化ガラスと透明の結晶化ガラスとを良好に判別することができる。なお、図2に示す3、5、6、8mmとは、カレットWの厚みのことを意味している。
【0022】
また、ピーク波長約330〜350nmの紫外線では、図2のグラフに示すように、透明の結晶化ガラスと有色の非結晶化ガラスと有色の結晶化ガラスとの間で、紫外線の透過率に殆ど差が見られないため、これらガラスを分別することは難しいが、特許文献1に記載されるように、これらガラスに可視光源50によって可視光を照射し、可視光センサー60によって可視光の透過率を測定することにより、これらガラスを分別することができる。なお、可視光を利用した分別の工程については、紫外線を利用した分別の工程の前後に任意に実施すればよい。
【0023】
次に、紫外線透過量の違いを利用して、透明の非結晶化ガラスと透明の結晶化ガラスとを判別可能であるかを確認するために行った実験について、図3および図4に基いて説明する。
【0024】
まず、本実験の条件については、以下の通りである。
紫外線光源30:ナイトライドセミコンダクタ社製の紫外線LED、品番:NS365L−5CFA(ピーク波長:365nm)
紫外線センサー40:京セミ社製のシリコンUVセンサー、品番:KPDU400W−2
ガラス:3×30×60mmの、透明の非結晶化ガラスおよび透明の結晶化ガラス
紫外線光源30と紫外線センサー40との間隔:約8mm
【0025】
上記の実験では、図4のグラフに示すように、紫外線センサー40の計測値(紫外線透過量)が1.35Vであるところ、透明の結晶化ガラスの通過時には、紫外線センサー40の計測値(紫外線透過量)が約0.75Vに減少し、また、透明の非結晶化ガラスの通過時には、紫外線センサー40の計測値(紫外線透過量)が約1.46Vに増加した。
このことから、紫外線透過量によって、透明の非結晶化ガラスと透明の結晶化ガラスとが判別可能であることが分かった。
【0026】
また、紫外線光源30としての紫外線LEDに、20mAの電流が流れた時に、紫外線LEDの出力が1.2〜1.8mWであり、紫外線LEDに1mAの電流が流れた時に、紫外線センサー40によって、透明の非結晶化ガラスと透明の結晶化ガラスとが分別可能であった。このことから、図5のグラフを基に、分別に必要とされる紫外線光源30の出力は、0.06mW以上であることが推測される。
【0027】
このようにして得られた本実施形態では、透明の結晶化ガラスを含む各種カレットWに対して紫外線を照射した時の紫外線透過量の違いを利用して、簡素かつ安価な構成で、透明の結晶化ガラスを分別することができる。
また、特許文献1に記載されるような、可視光の透過率の測定によってガラスを分別する装置との間で、カレット供給部20やエアーノズル70等の設備について共通化することができる。これにより、紫外線の透過率を利用して透明の結晶化ガラスを分別する機能を付加する場合に、追加で必要とされる設備が、紫外線光源30および紫外線センサー40で済むため、装置コストを低廉に抑えることができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0029】
例えば、上述した実施形態では、紫外線光源30が紫外線LEDとして構成されているものとして説明したが、紫外線光源30の具体的態様については、ピーク波長330nm〜380nmの紫外線を照射可能なものであれば、ブラックライト等の如何なるものでもよい。
なお、紫外線光源30は、近年、半値幅が狭い光源についても安価に供給されていることから、紫外線光源30の半値幅は、±15nm以内であることが望ましい。この場合、外乱要因によって判別結果が乱れることを回避することができる。
【0030】
上述した実施形態では、紫外線センサー40がシリコンUVセンサー(シリコンフォトダイオードを有した紫外線量を測定可能なセンサー)として構成されているものとして説明したが、紫外線センサー40の具体的態様については、紫外線量を計測可能なものであれば、CCDカメラ等の如何なるものでもよい。
【符号の説明】
【0031】
10 ・・・ カレット分別装置
20 ・・・ カレット供給部
30 ・・・ 紫外線光源
40 ・・・ 紫外線センサー
50 ・・・ 可視光源
60 ・・・ 可視光センサー
70 ・・・ エアーノズル
80 ・・・ 回収ボックス
90 ・・・ 排除ボックス
W ・・・ カレット
図1
図2
図3
図4
図5