(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、CGMでは、連続して一週間以上もの間グルコースを測定することがある。そのため、皮膚のうち生体情報検出装置が貼付されている部分が痒くなったり、かぶれたりすることがある。
【0006】
上述した特許文献1のようなセンサシステム(生体情報検出装置)では、電子機器ユニットが皮膚に接着されることなく取付けユニットに装着される構成であるため、取付けユニットの接着パッドが比較的大きい。
【0007】
また、前記センサシステムでは、皮膚が痒くなって接着パッドの位置を変更したい場合には、生体から電極を抜去する必要がある。そのため、接着パッドの位置を変更したい場合には、装着中の接着パッドを剥がした後に、電極を経皮的に生体内に再挿入しなければならず、患者への負担(苦痛)が大きい。さらに、前記センサシステムは、電極を生体から抜去すると、新たなセンサ電極への交換が必要な構成となっている。
【0008】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、センサ本体を生体から抜去することなく、センサ本体以外の皮膚に対する貼付位置を変更することができる生体情報検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る生体情報検出装置は、センサ本体が生体内に経皮的に挿入された状態で前記生体の皮膚に貼り付けられる生体情報検出装置において、生体情報に関連した測定信号を取得する前記センサ本体と前記センサ本体を支持するベース部とを有するセンサ部と、前記ベース部に着脱可能なボディと前記ボディを前記皮膚に貼付するための貼付部とを有する検出部と、を備え、前記ボディは、前記ベース部
の周方向に複数の向きで装着可能であ
り、
前記センサ部は、前記センサ本体に導通された第1接続部を有し、前記検出部は、検出制御部と、前記検出制御部に導通された第2接続部を有し、前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記ボディを前記ベース部に装着した状態で互いに導通するように構成され、前記ベース部は、環状凸部を有し、前記ボディには、前記環状凸部の周方向に複数の向きで嵌合可能な凹部が形成され、前記第1接続部は前記環状凸部内に位置していることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、ボディをベース部から取り外すとともにボディ貼付部を皮膚から外した後、ベース部に対するボディの向きを変えた状態でベース部にボディを再装着するとともに貼付部を皮膚に再貼付することができる。これにより、センサ本体を生体から抜去することなく皮膚に対する貼付部の貼付位置を変更することができる。従って、皮膚かぶれを効果的に抑えることができるとともに患者の負担(苦痛)を軽減することができる。また、新たなセンサ本体に交換する必要がない。
さらに、ベース部に対するボディの向きを変えた状態でベース部にボディを再装着したとき、第1接続部と第2接続部とが互いに導通するため、センサ本体によって取得された電気信号を検出制御部に確実に伝達することができる。
また、環状凸部が凹部に嵌合した状態で第1接続部に異物が付着することを抑えることができる。
【0013】
上記の生体情報検出装置において、前記ボディは、前記貼付部における前記皮膚に対する貼付面に交差する方向に前記ベース部に対して着脱可能であってもよい。
【0014】
このような構成によれば、皮膚に対して貼付部を貼付したり剥がしたりし易い方向にボディをベース部に対して着脱することができる。
【0019】
本発明に係る生体情報検出装置
は、
センサ本体が生体内に経皮的に挿入された状態で前記生体の皮膚に貼り付けられる生体情報検出装置において、生体情報に関連した測定信号を取得する前記センサ本体と前記センサ本体を支持するベース部とを有するセンサ部と、前記ベース部に着脱可能なボディと前記ボディを前記皮膚に貼付するための貼付部とを有する検出部と、を備え、前記ボディは、前記ベース部の周方向に複数の向きで装着可能であり、前記センサ部は、前記センサ本体に導通された第1接続部を有し、前記検出部は、検出制御部と、前記検出制御部に導通された第2接続部を有し、前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記ボディを前記ベース部に装着した状態で互いに導通するように構成され、前記第1接続部は、
前記ベース部の周方向に延在した導電パターンを有し、前記第2接続部は、前記ボディを前記ベース部に装着した状態で前記導電パターンに電気的に接触するプローブであ
ることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、簡易な構成により、ボディをベース部の周方向に向きを変えて装着した場合でも、確実に第1接続部と第2接続部とを互いに導通させることができる。
【0021】
本発明に係る生体情報検出装置
は、
センサ本体が生体内に経皮的に挿入された状態で前記生体の皮膚に貼り付けられる生体情報検出装置において、生体情報に関連した測定信号を取得する前記センサ本体と前記センサ本体を支持するベース部とを有するセンサ部と、前記ベース部に着脱可能なボディと前記ボディを前記皮膚に貼付するための貼付部とを有する検出部と、前記ベース部に対する前記ボディの装着位置を検出する装着位置検出部
と、を備え、前記ボディは、前記ベース部に対して複数の向きで装着可能であり、前記センサ部は、前記センサ本体に導通された第1接続部を有し、前記検出部は、検出制御部と、前記検出制御部に導通された第2接続部を有し、前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記ボディを前記ベース部に装着した状態で互いに導通するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、ベース部に対してボディを装着した際に、既に装着された位置であるか否かをユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、皮膚に対する貼付部の貼付位置を効率的に変更することができる。
【0023】
上記の生体情報検出装置において、前記装着位置検出部は、互いに電気的に絶縁するように前記ベース部に設けられた複数の第1位置検出導電部と、前記ベース部に前記ボディが装着された状態で複数の前記第1位置検出導電部の1つに電気的に接触する第2位置検出導電部と、各前記第1位置検出導電部と前記第1接続部とを結び互いに異なる電気抵抗値を有する複数の電気抵抗部と、を含み、生体情報検出装置は、前記ベース部に前記ボディが装着された際に前記第2位置検出導電部が接触している前記第1位置検出導電部と前記第1接続部とを結ぶ前記電気抵抗部の電気抵抗値を検出することにより、前記ベース部に対する前記ボディの装着位置を判定してもよい。
【0024】
このような構成によれば、簡易な構成により、ベース部に対するボディの装着位置を確実に検出することができる。
【0025】
本発明に係る生体情報検出装置
は、
センサ本体が生体内に経皮的に挿入された状態で前記生体の皮膚に貼り付けられる生体情報検出装置において、生体情報に関連した測定信号を取得する前記センサ本体と前記センサ本体を支持するベース部とを有するセンサ部と、前記ベース部に着脱可能なボディと前記ボディを前記皮膚に貼付するための貼付部とを有する検出部と、を備え、前記ボディは、前記ベース部に対して複数の向きで装着可能であり、前記ベース部の少なくとも一部は、平面視で前記ベース部に対して前記ボディが装着された状態で前記ボディの外側に突出してい
ることを特徴とする。
【0026】
このような構成によれば、ベース部のうちボディの外側に突出している部分を押さえながらボディをベース部から容易に取り外すことができる。
【0027】
本発明に係る生体情報検出装置
は、
センサ本体が生体内に経皮的に挿入された状態で前記生体の皮膚に貼り付けられる生体情報検出装置において、生体情報に関連した測定信号を取得する前記センサ本体と前記センサ本体を支持するベース部とを有するセンサ部と、前記ベース部に着脱可能なボディと前記ボディを前記皮膚に貼付するための貼付部とを有する検出部と、を備え、前記ベース部は、前記センサ本体が設けられたベース部本体と、前記ベース部本体に対して回転可能に設けられた回転体と、前記回転体に設けられて前記ボディが着脱可能な装着部と、を有し
、前記ボディは、前記ベース部本体に対して複数の向きで装着可能であることを特徴とする。
【0028】
このような構成によれば、回転体をベース部本体に対して周方向に回転させることにより、装着部に装着されたボディの向きを容易に変更することができる。
【0029】
上記の生体情報検出装置において、
前記センサ部は、前記センサ本体に導通された第1接続部を有し、前記検出部は、検出制御部と、前記検出制御部に導通された第2接続部を有し、前記第1接続部と前記第2接続部とは、前記ボディを前記ベース部に装着した状態で互いに導通するように構成され、前記ベース部は、前記ベース部本体に設けられ、前記センサ本体に導通されて周方向に延在した中間パターンと、前記回転体に設けられ、前記中間パターンと前記第1接続部とを互い導通させる中間プローブと、を有してもよい。
【0030】
このような構成によれば、簡易な構成により、回転体をベース部本体に対して回転させた場合でも、センサ本体と第2接続部とを第1接続部を介して互いに導通させることができる。
【0031】
上記の生体情報検出装置において、前記ベース部は、前記回転体を所定角度回転させる毎にクリック音を発生させる音発生機構を有していてもよい。
【0032】
このような構成によれば、ユーザは、回転体(装着部)がベース部本体の周方向に所定角度だけ回転したことを容易且つ確実に知ることができる。
【0033】
上記の生体情報検出装置において、前記ベース部には、前記ベース部本体に対する前記回転体の周方向の一方側への回転を許容し、前記ベース部本体に対する前記回転体の周方向の他方側への回転を規制する回転規制部が設けられていてもよい。
【0034】
このような構成によれば、ベース部本体に対してボディは回転体の周方向の一方側にずれることになるため、皮膚に対する貼付部の貼付位置を効率的にずらすことができる。
【0035】
本発明に係る生体情報検出装置
は、
センサ本体が生体内に経皮的に挿入された状態で前記生体の皮膚に貼り付けられる生体情報検出装置において、生体情報に関連した測定信号を取得する前記センサ本体と前記センサ本体を支持するベース部とを有するセンサ部と、前記ベース部に着脱可能なボディと前記ボディを前記皮膚に貼付するための貼付部とを有する検出部と、を備え、前記ボディは、前記ベース部に対して複数の向きで装着可能であり、前記ベース部は、前記センサ本体が設けられたベース部本体と、前記ベース部本体に設けられて前記ボディが着脱可能な複数の装着部と、を有
することを特徴とする。
【0036】
このような構成によれば、ユーザは、複数の装着部からボディを装着する装着部を選択することができる。これにより、ベース部に対して複数の向きでボディを装着することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、ボディをベース部から取り外すとともにボディを皮膚に貼付している貼付部を皮膚から外した後、ベース部に対するボディの向きを変えた状態でベース部にボディを再装着するとともに貼付部を皮膚に再貼付することができる。これにより、センサ本体を生体内から抜去することなく皮膚に対する貼付位置を変更することができる
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る生体情報検出装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0040】
本発明に係る生体情報検出装置は、皮下組織の間質液中のグルコース成分を持続的(リアルタイム)に測定する持続血糖測定装置(CGM)として構成されている。ただし、生体情報検出装置は、間質液中のグルコース以外の生体情報を測定するものであってもよい。
【0041】
(第1実施形態)
本実施形態に係る生体情報検出装置10Aは、センサ本体18が生体B内に経皮的に挿入された状態で生体Bの皮膚S1に貼り付けられる(
図3参照)。
図1及び
図2に示すように、生体情報検出装置10Aは、生体情報を取得するセンサ部12aと、センサ部12aに着脱可能な検出部14aと、レシーバ16(
図2参照)とを備える。
【0042】
図1において、センサ部12aは、使い捨てのディスポーサブル部材である。生体B内に経皮的に挿入されて生体情報に関連した測定信号を取得するセンサ本体18と、センサ本体18を支持するベース部20aと、ベース部20aに固定された穿刺針22と、ベース部20aを皮膚S1に貼付するための第1貼付部24と、センサ本体18に導通された第1接続部26aとを有する。
【0043】
センサ本体18は、生体内のグルコース成分を検出するセンサである。センサ本体18が、電気化学方式によってグルコース成分を検出するセンサの場合、作用電極としての第1電極28と、参照電極としての第2電極30とを有する。
【0044】
第1電極28には、グルコース成分と反応するセンサ試薬(例えば、グルコースオキシターゼ酵素及びその変異体、フェニルボロン酸化合物、レクチン)がコーティング等によって設けられている。第1電極28及び第2電極30のそれぞれは、白金、白金−イリジウム、パラジウム、グラファイト、金、カーボン、導電性ポリマー等の導電性材料によって構成される。
【0045】
センサ本体18は、3つ以上の電極を有していてもよい。また、センサ本体18は、光学方式によってグルコース成分を検出する蛍光センサであってもよく、光学信号を電気信号に変換することで測定信号とすることができる。
【0046】
穿刺針22は、金属材料によって中空状に構成されている。穿刺針22の内腔には、第1電極28と第2電極30とが穿刺針22の長手方向に沿って延在するとともに互いに離間した状態で配設されている。第1電極28の先端及び第2電極30の先端は、穿刺針22の内腔に位置している。
【0047】
ベース部20aは、第1貼付部24が設けられた支持板32と、支持板32に設けられた環状凸部34とを有している。支持板32は、絶縁性を有する樹脂材料によって平面視で円形状に形成されている。支持板32の底面には、第1貼付部24が設けられている。第1貼付部24は、両面に接着面を持つ、いわゆる両面テープとして構成されている。支持板32の底面の略中央には、穿刺針22の基端部が固定されている。
【0048】
環状凸部34は、円環状に構成されており、支持板32の上面から突出している。環状凸部34の外周面には、シール部材36を装着する環状溝38が形成されている。
【0049】
第1接続部26aは、穿刺針22及び環状凸部34と同軸に設けられている。第1接続部26aは、環状凸部34内に位置し、穿刺針22の延在方向に沿って環状凸部34の突出長よりも長く棒状に延在している。第1接続部26aは、支持板32の上面の略中央から突出するように設けられた第1導体部40aと、第1導体部40aの突出端部に絶縁部42を介して設けられた第2導体部44aとを含む。
【0050】
第1導体部40aは、導電性部材によって円筒状に構成されている。第1導体部40aの内周面には、第1電極28が導通している。絶縁部42は、樹脂材料によって円環状に構成されている。第2導体部44aは、導電性部材によって円筒状に構成されている。第2導体部44aの内周面には、第2電極30が導通している。第1導体部40aと第2導体部44aとは、絶縁部42によって互いに絶縁されている。第1導体部40a及び第2導体部44aのそれぞれを構成する導電性材料としては、例えばニッケル等でめっきされた、高い導電率を有する黄銅等の金属が用いられる。
【0051】
検出部14aは、繰り返し利用することが可能なリユース部材で、皮膚S1の上に貼付される。検出部14aは、ベース部20aに着脱可能なボディ46aと、ボディ46aを皮膚S1に貼付するための第2貼付部48と、ボディ46aに設けられ、ボディ46aがベース部20aに装着された状態で第1接続部26aに導通する第2接続部50aと、バッテリ52と、第2接続部50aに導通された検出制御部54とを有する。
【0052】
ボディ46aは、例えば、直方体形状に構成された筐体(ハウジング)である。ボディ46aの底面の少なくとも一部には、第2貼付部48が設けられている。第2貼付部48は、いわゆる両面テープとして構成されており、皮膚S1に対して着脱可能である。
【0053】
ボディ46aの底面には、環状凸部34が嵌合可能な円形状の凹部56が形成されている。すなわち、ボディ46aは、第2貼付部48の皮膚S1に対する貼付面に直交(交差)する方向からからベース部20aに対して装着可能である。環状凸部34が凹部56に嵌入された状態で、環状凸部34の外周面と凹部56を構成する内周面との間は、シール部材36によって液密及び気密にシールされる。
【0054】
第2接続部50aは、凹部56を構成する底面の中央に設けられている。第2接続部50aは、絶縁性を有する樹脂材料によって円筒状に構成された筒体58の内周面に設けられた第3導体部60aと第4導体部62aとを有する。筒体58は、検出制御部54に設けられている。筒体58の内腔には、第1接続部26aが挿入可能である。
【0055】
第3導体部60aは、金属等の導電性材料によって構成されており、筒体58の内腔に第1接続部26aが挿入された状態で第1導体部40aに導通する(
図3参照)。第3導体部60aは、筒体58の壁部内を通って検出制御部54に導通されている。本実施形態において、第3導体部60aは筒体58の内周面に部分的に露出する構成としているが、筒体58の内腔に第1接続部26aが挿入された状態で第1導体部40aに導通可能であれば任意の形状を採用し得る。
【0056】
第4導体部62aは、金属等の導電性材料によって構成されており、筒体58の内腔に第1接続部26aが挿入された状態で第2導体部44aに導通する(
図3参照)。第4導体部62aは、筒体58の壁部内を通って制御部に導通されている。本実施形態において、第4導体部62aは筒体58の内周面に部分的に露出する構成としているが、筒体58の内腔に第1接続部26aが挿入された状態で第2導体部44aに導通可能であれば任意の形状を採用し得る。第3導体部60aと第4導体部62aとは、互いに絶縁されている。
【0057】
つまり、第1接続部26aと第2接続部50aとは、環状凸部34の周方向に対するボディ46aの位置に関係なく、互いに導通する。換言すれば、第1接続部26aと第2接続部50aとは、ベース部20aに対するボディ46aの位置を周方向にずらしても互いに導通する。
【0058】
バッテリ52は、ボディ46a内に図示しない支持部材によって支持されている。バッテリ52は、一次電池又は二次電池として構成されている。検出制御部54は、制御基板として構成されており、ボディ46a内に固定部材64によって固定されている。
【0059】
図2に示すように、検出制御部54は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリ66であるROM(リードオンメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、A/D変換器、第1送受信部68等を有しており、CPUがROMに記憶されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、例えば、演算部及び処理部等として機能する。具体的には、検出制御部54は、センサ本体18が取得した測定信号検出し、グルコース成分を測定する成分測定部70を有する。第1送受信部68は、レシーバ16の第2送受信部84との間で無線通信する。つまり、第1送受信部68は、成分測定部70によって測定された成分測定情報を第2送受信部84に無線送信する。
【0060】
レシーバ16は、レシーバ制御部72、表示部74、入力部76、スピーカ78、レシーババッテリ80等を備える。レシーバ制御部72は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリ82であるROM(リードオンメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、第2送受信部84等を有しており、CPUがROMに記憶されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、例えば、演算部及び処理部等として機能する。具体的には、レシーバ制御部72は、第2送受信部84が受信した成分測定情報に基づいて血糖値を演算する血糖値演算部86を有する。また、これらと同等の機能を発揮できれば、レシーバ16として、携帯電話やスマートフォン等の端末を用いることができる。レシーバ16を用いない場合、検出部14は、表示部74、入力部76、スピーカ78等を有してもよい。この場合、検出制御部54は、血糖値演算部86等をさらに有する。
【0061】
表示部74は、血糖値演算部86によって演算された血糖値を表示する。入力部76は、ユーザが手指で操作可能なボタン等として構成される。スピーカ78は、例えば、血糖値演算部86によって演算された血糖値が予め設定された値より高かったり低かったりした場合にアラーム音を出力する。レシーババッテリ80は、一次電池又は二次電池として構成される。
【0062】
本実施形態に係る生体情報検出装置10Aは、基本的には以上のように構成されるものであって、次に、その使用方法について説明する。
【0063】
生体情報検出装置10Aを使用する場合、
図1に示すように、検出部14aが取り外された状態のセンサ部12aの穿刺針22を経皮的に上腕や腹部等の取り付け対象部位である皮膚S1に挿入し、第1貼付部24を皮膚S1に貼付させる。これにより、穿刺針22とセンサ本体18が皮下組織S2内に留置されることとなる。つまり、センサ本体18が皮下組織S2内の間質液に接触する。
【0064】
その後、
図3に示すように、検出部14aをセンサ部12aに対して装着する。具体的には、ベース部20aの環状凸部34にボディ46aの凹部56を嵌入させ、第2貼付部48を皮膚S1に貼付させる。これにより、第1導体部40aと第3導体部60aとが互いに接触することにより導通され、第2導体部44aと第4導体部62aとが互いに接触することにより導通される。
【0065】
間質液中のグルコースは、第1電極28に設けられたセンサ試薬と反応する。成分測定部70は、第1電極28及び第2電極30に電圧を印加してグルコース濃度に応じた電子量(電流量)を計測し、成分測定情報としてメモリ66に記憶する。また、検出制御部54は、定期的又はレシーバ16からの要求を受けた際にメモリ66の成分測定情報をレシーバ16に無線送信する。レシーバ16では、血糖値演算部86が受信した成分測定情報に基づいて血糖値を演算し、レシーバ制御部72が演算された血糖値を表示部74に表示させる。
【0066】
次に、本実施形態の作用効果について以下に説明する。
【0067】
ところで、このような生体情報検出装置10Aを用いて、比較的長期間(例えば、一週間)、センサ部12a及び検出部14aを皮膚S1に対して取り付けた状態で血糖値を持続的に測定する場合、例えば、皮膚S1のうち第2貼付部48が貼付している部分が痒くなることがある。
【0068】
ボディ46aは、ベース部20aに対して複数の向きで装着可能であり、第1接続部26aと第2接続部50aとは、ボディ46aをベース部20aに装着した状態で互いに導通するように構成されている。そのため、ボディ46aをベース部20aから取り外すとともに第2貼付部48を皮膚S1から外した後、ベース部20aに対するボディ46aの向きを変えた状態でベース部20aにボディ46aを再装着するとともに第2貼付部48を皮膚S1に再貼付することができる。すなわち、
図4に示すように、ベース部20aから取り外したボディ46aを環状凸部34の周方向に所定角度(例えば、90°)回転させた状態でベース部20aに再装着することができる。
【0069】
この際、
図3に示すように、第1接続部26aと第2接続部50aとが互いに導通するため、センサ本体18によって取得された電気信号を検出制御部54に確実に伝達することができる。これにより、センサ本体18を生体Bから抜去することなく皮膚S1に対する第2貼付部48の貼付位置を変更することができる。従って、皮膚かぶれを効果的に抑えることができるとともに患者の負担(苦痛)を軽減することができる。また、新たなセンサ本体18に交換する必要がない。さらに、センサ部12aと、検出部14aと、をそれぞれ別々に皮膚S1に固定する構成となっているので、第1貼付部24の面積を第2貼付部48の面積よりも小さくすることができる。すなわち、長期間に渡って皮膚に貼付されるのが好ましい第1貼付部24の面積を小さくできる。
【0070】
ボディ46aは、第2貼付部48における皮膚S1に対する貼付面に交差する方向にベース部20aに対して着脱可能である。これにより、皮膚S1に対して第2貼付部48を着脱し易い方向にボディ46aをベース部20aに対して着脱することができる。
【0071】
ボディ46aは、ベース部20aの周方向に複数の向きで装着可能であるため、皮膚S1に対する第2貼付部48の貼付位置を効率的に変更することができる。
【0072】
ベース部20aの環状凸部34がボディ46aの凹部56に嵌合し、第1接続部26aが環状凸部34内に位置しているため、環状凸部34が凹部56に嵌合した状態で第1接続部26aに異物が付着することを抑えることができる。
【0073】
ベース部20aの少なくとも一部は、平面視でベース部20aに対してボディ46aが装着された状態でボディ46aの外側に突出している(
図4参照)。そのため、ベース部20aのうちボディ46aの外側に突出している部分を押さえながらボディ46aをベース部20aから容易に取り外すことができる。
【0074】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る生体情報検出装置10Bについて説明する。なお、第2実施形態に係る生体情報検出装置10Bにおいて、上述した実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。後述する第3及び第4実施形態についても同様である。
【0075】
図5及び
図6に示すように、生体情報検出装置10Bは、センサ部12b、検出部14b及びレシーバ16(
図2参照)を備える。センサ部12bは、センサ本体18、ベース部20a、穿刺針22、第1貼付部24及び第1接続部26bを有する。第1接続部26bは、支持板32の上面に設けられた第1導電パターン40b及び第2導電パターン44bを含む。
【0076】
第1導電パターン40bは、環状凸部34内に円形状に形成され、第2導電パターン44bは、第1導電パターン40bの外周側に同心円形状に形成されている。第1導電パターン40bと第2導電パターン44bとは、周方向に延在しており、互いに離間することにより電気的に絶縁されている。
【0077】
第1導電パターン40bには、支持板32の壁部内を延在する第1電極28が導通されている。第2導電パターン44bには、支持板32の壁部内を延在する第2電極30が導通されている。
【0078】
図5において、検出部14bは、ボディ46a、第2貼付部48、第2接続部50b、バッテリ52及び検出制御部54を有する。第2接続部50bは、ボディ46aをベース部20aに装着した状態で第1導電パターン40bに電気的に接触する第1プローブ60bと、ボディ46aをベース部20aに装着した状態で第2導電パターン44bに電気的に接触する第2プローブ62bと、を含む。
【0079】
第1プローブ60bは、検出制御部54からボディ46aの凹部56内に突出するように設けられている。第1プローブ60bは、支持板32の厚み方向に伸縮可能なスプリングプローブとして構成されており、ボディ46aがベース部20aに装着された状態で第1導電パターン40bを第1貼付部24側に押圧(付勢)するスプリング96を有する。第1プローブ60bのうち第1導電パターン40bに接触する端面は、湾曲面になっている。
【0080】
第2プローブ62bは、検出制御部54からボディ46aの凹部56内に突出するように設けられ、第1プローブ60bに対して離間している。第2プローブ62bは、支持板32の厚み方向に伸縮可能なスプリングプローブとして構成されており、ボディ46aがベース部20aに装着された状態で第2導電パターン44bを第1貼付部24側に押圧(付勢)するスプリング98を有する。第2プローブ62bのうち第2導電パターン44bに接触する端面は、湾曲面になっている。
【0081】
次に、本実施形態の作用効果について以下に説明する。
【0082】
ベース部20aから取り外したボディ46aを環状凸部34の周方向に所定角度(例えば、90°)回転させた状態でベース部20aに再装着することができる。この際、
図7に示すように、第1導電パターン40bと第1プローブ60bとが互いに導通するとともに第2導電パターン44bと第2プローブ62bとが互いに導通するため、センサ本体18によって取得された電気信号を検出制御部54に確実に伝達することができる。よって、センサ本体18を生体Bから抜去することなく皮膚S1に対する第2貼付部48の貼付位置を変更することができる。
【0083】
第1プローブ60b及び第2プローブ62bのそれぞれは、ボディ46aが支持板32に装着された状態で第1導電パターン40b及び第2導電パターン44bをそれぞれ押圧するスプリングプローブとして構成されている。そのため、ボディ46aをベース部20aに装着した状態で、第1プローブ60bを第1導電パターン40bに確実に接触させることができるとともに第2プローブ62bを第2導電パターン44bに確実に接触させることができる。
【0084】
図6に示すように、第1導電パターン40bは、円形状に形成され、第2導電パターン44bは、第1導電パターン40bの外周側に同心円形状に形成されている。そのため、ボディ46aをベース部20aに対して環状凸部34の軸線回りの任意の位置に回転させた場合であっても、確実に、第1導電パターン40bと第1プローブ60bとを互いに導通させることができるとともに第2導電パターン44bと第2プローブ62bとを互いに導通させることができる。
【0085】
(変形例)
次に、本実施形態に係る生体情報検出装置10Bの変形例について説明する。
図8及び
図9に示すように、変形例に係る生体情報検出装置10Bは、ベース部20aに対するボディ46aの装着位置を検出する装着位置検出部100aを備えてもよい。装着位置検出部100aは、支持板32における第1導電パターン40bの内側に設けられた複数(
図9では4つ)の第1位置検出導電部102aと、各第1位置検出導電部102aと第1導電パターン40bとを結ぶ4つの電気抵抗部104aと、ボディ46aがベース部20aに装着された状態で複数の第1位置検出導電部102aの1つに電気的に接触する第2位置検出導電部106aとを有する。
【0086】
4つの第1位置検出導電部102aは、環状凸部34の周方向に等間隔に設けられた導電パターンであって、互いに離間することにより電気的に絶縁されている。各第1位置検出導電部102aは、環状凸部34の周方向に沿って円弧状に延在している。複数(
図9では4つ)の電気抵抗部104aは、互いに異なる電気抵抗値を有している。第2位置検出導電部106aは、検出制御部54に導通されたスプリングプローブであって、第1プローブ60bと同様に構成されている。つまり、第2位置検出導電部106aは、スプリング108を有する。
【0087】
検出制御部54は、ベース部20aにボディ46aが装着された際に、位置検出プローブが接触している第1位置検出導電部102aと第1導電パターン40bとを結ぶ電気抵抗部104aの電気抵抗値を検出することにより、ベース部20aに対するボディ46aの装着位置を判定する。そして、ボディ46aの装着位置情報は、検出制御部54からレシーバ制御部72に無線送信され、レシーバ制御部72は、レシーバ16の表示部74にボディ46aの位置情報を表示させる。この際、レシーバ制御部72は、今回のボディ46aの装着位置が以前に装着したことがある装着位置であった場合、その旨を表示部74に表示したりスピーカ78から音を出したりすることによりユーザに注意喚起してもよい。
【0088】
次に、本変形例の作用効果について以下に説明する。
【0089】
本変形例によれば、装着位置検出部100aを備えるため、ベース部20aに対してボディ46aを装着した際に、既に装着された位置であるか否かをユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、皮膚S1に対する第2貼付部48の貼付位置を効率的に変更することができる。
【0090】
生体情報検出装置10Bは、ベース部20aにボディ46aが装着された際に第2位置検出導電部106aが接触している第1位置検出導電部102aと第1導電パターン40bとを結ぶ電気抵抗部104aの電気抵抗値を検出することにより、ベース部20aに対するボディ46aの装着位置を判定している。そのため、ユーザは、簡易な構成により、ベース部20aに対するボディ46aの装着位置を確実に検出することができる。
【0091】
本変形例は、上述した形態に限定されない。例えば、検出制御部54は、ベース部20aにボディ46aが装着された際に第2位置検出導電部106aが接触している第1位置検出導電部102aと第1導電パターン40bとの間の電気抵抗部104aの電気抵抗値を検出し、その検出結果をレシーバ制御部72に無線送信し、レシーバ制御部72がベース部20aに対するボディ46aの装着位置を判定してもよい。
【0092】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る生体情報検出装置10Cについて説明する。
図10及び
図11に示すように、本実施形態に係る生体情報検出装置10Cは、センサ部12c、検出部14c及びレシーバ16(
図2参照)を備える。センサ部12cは、センサ本体18、ベース部20b、穿刺針22、第1貼付部24及び第1接続部26cを有する。ベース部20bは、ベース部本体110aと、ベース部本体110aに回転可能に装着された回転体112と、回転体112に設けられた装着部114aとを含む。ベース部本体110aは、支持板32と、支持板32の外縁部から第1貼付部24とは反対側に突出した複数(
図11では4個)の突出部116と、各突出部116の突出端部に設けられた複数(
図11では4個)の装着爪118と、を有する。
【0093】
複数の突出部116及び装着爪118は、周方向に等間隔に配置されている。回転体112は、支持板32、突出部116及び装着爪118を覆うように横断面が略U字状に形成されている。回転体112の内周面には、装着爪118に係合する円環状の内方凸部120が設けられている。装着爪118と内方凸部120との係合によって、回転体112のベース部20bに対する支持板32の厚み方向の移動が規制される。
【0094】
装着部114aは、回転体112の外周部から径方向外方に突出した外方延出部122aと、外方延出部122aの突出端部から上方に延出した装着凸部124とを含む。外方延出部122aは、幅広の板状部である。装着凸部124は、外方延出部122aの全幅に亘って延在している。装着凸部124の外面には、装着凸部124を周回するようにシール部材142が装着されている。
【0095】
第1接続部26cは、装着部114aに設けられた第1導体部40cと第2導体部44cとを有する。ベース部20bは、第1電極28に導通された第1中間パターン126と、第1中間パターン126と第1導体部40cとを互いに導通させる第1中間プローブ128と、第2電極30に導通された第2中間パターン132と、第2中間パターン132と第2導体部44cとを互いに導通させる第2中間プローブ134とを含む。
【0096】
第1中間パターン126は上述した第1導電パターン40bと同様に構成され、第2中間パターン132は上述した第2導電パターン44bと同様に構成されている。第1中間プローブ128及び第2中間プローブ134のそれぞれは、上述した第1プローブ60b及び第2プローブ62bと同様に構成されたスプリングプローブであって、回転体112の内面に固定された支持部138によって支持されている。第1中間プローブ128は、第1中間パターン126を周方向にスライド可能に第1貼付部24側に押圧し、第2中間プローブ134は、第2中間パターン132を周方向にスライド可能に第1貼付部24側に押圧している。
【0097】
第1導体部40c及び第2導体部44cは、回転体112及び装着部114aの壁部内を通り、その端部が装着凸部124のうち回転体112に対向する面に露出している。第1導体部40c及び第2導体部44cのそれぞれの露出部分は、シール部材142よりも上方に位置している。
【0098】
検出部14cは、ボディ46b、第2貼付部48、第2接続部50c、バッテリ52及び検出制御部54を有する。ボディ46bの底面には、装着凸部124が嵌入可能な装着凹部140が形成されている。すなわち、ボディ46bは、第2貼付部48の皮膚S1に対する貼付面に直交する方向に装着部114aに対して着脱可能である。装着凸部124が装着凹部140に嵌入された状態で、装着凸部124の外面と装着凹部140の内面との間は、シール部材142によって液密及び気密にシールされる。
【0099】
第2接続部50cの第3導体部60cと第4導体部62cのそれぞれは、装着凹部140の内面に露出している。
図11及
図12に示すように、第3導体部60cは、装着凹部140に装着凸部124が挿入された状態で第1導体部40cに導通する。第4導体部62cは、装着凹部140に装着凸部124が挿入された状態で第2導体部44cに導通する。第3導体部60c及び第4導体部62cのそれぞれは、ボディ46bの壁部内を通って検出制御部54に導通されている。
【0100】
次に、本実施形態の作用効果について以下に説明する。
【0101】
ベース部20bの装着部114aからボディ46bを取り外し、回転体112をベース部本体110aに対して所定角度(例えば、90°)回転させた状態で装着部114aにボディ46bを再装着することができる(
図13参照)。この際、
図12に示すように、第1導体部40cと第3導体部60cとが互いに導通するとともに第2導体部44cと第4導体部62cとが互いに導通するため、センサ本体18によって取得された電気信号を検出制御部54に確実に伝達することができる。よって、センサ本体18を生体Bから抜去することなく皮膚S1に対する第2貼付部48の貼付位置を変更することができる。
【0102】
ベース部20bは、ベース部本体110aに対して回転可能に設けられた回転体112と、回転体112に設けられてボディ46bが着脱可能な装着部114aとを有している。そのため、回転体112をベース部本体110aに対して周方向に回転させることにより、ボディ46bの貼付位置を容易に変更して装着部114aに装着することができる。
【0103】
ベース部20bは、ベース部本体110aに設けられてセンサ本体18に導通されて周方向に延在した第1中間パターン126及び第2中間パターン132と、回転体112に設けられて第1中間パターン126と第1導体部40cとを互いに導通させる第1中間プローブ128と、回転体112に設けられて第2中間パターン132と第2導体部44cとを互いに導通させる第2中間プローブ134とを有している。これにより、簡易な構成により、回転体112をベース部本体110aに対して回転させた場合でも、ボディ46bを装着部114aに装着したときに第1接続部26cと第2接続部50cとを互いに導通させることができる。
【0104】
(変形例)
次に、生体情報検出装置10Cの変形例について説明する。
図14に示すように、回転体112の内周面には、装着爪118が配置される複数の(
図14では8個)の凹状の配置部144と、隣接する配置部144の間に設けられた複数(
図14では8個)の案内凸部146とが設けられている。
【0105】
複数の配置部144は、回転体112の周方向に等間隔に設けられている。各配置部144は、装着爪118の形状に対応した形状を有する。案内凸部146には、配置部144を構成する壁面144sから周方向の一方側(
図14の反時計回り)に向かって径方向内方に傾斜した平坦な傾斜面146s1と、傾斜面146s1から径方向外方に向かって配置部144の壁面144sまで延びた平坦なストッパ面146s2とが設けられている。ストッパ面146s2は、配置部144に位置する装着爪118部の周方向の一方側への回転を許容し、配置部144に位置する装着爪118部に接触して装着爪118部の周方向の他方側への回転を規制する回転規制部として機能する。
【0106】
このような変形例では、
図14において、回転体112をベース部本体110aに対して時計回りに回転させると、各装着爪118は、傾斜面146s1によって径方向内方に押されて弾性変形し、周方向に45°回転した位置で元の形状に復帰して隣接する配置部144内に配置される。この際、装着爪118は、配置部144の壁面144sに当たることによりクリック音が発生する。すなわち、ベース部20bは、回転体112を所定角度回転させる毎にクリック音を発生させる音発生機構147を有している。
【0107】
次に、本実施形態の作用効果について以下に説明する。
【0108】
本実施形態によれば、装着爪118は、ベース部本体110aに対して回転体112を回転させることにより、案内凸部146によって径方向内方に弾性変形し、案内凸部146を乗り越えたときに元の形状に復帰して配置部144の壁面144sに当たり音が発生する。そのため、ユーザは、装着爪118が配置部144の壁面144sに当たった際のクリック音により回転体112(装着部114a)がベース部本体110aの周方向に所定角度だけ回転したことを容易且つ確実に知ることができる。
【0109】
また、案内凸部146には、配置部144に位置する装着爪118の周方向の一方側への回転を許容し、配置部144に位置する装着爪118の周方向の他方側への回転を規制するストッパ面146s2が形成されている。これにより、ベース部本体110aに対して回転体112や装着部114aは一方向のみに回転することとなるため、皮膚S1に対するボディ46bの第2貼付部48の貼付位置を効率的にずらすことができる。
【0110】
本変形例において、装着爪118、配置部144、案内凸部146のそれぞれの数は、任意に設定可能である。
【0111】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る生体情報検出装置10Dについて説明する。なお、
図15において、第1電極28と第2電極30とを明確に区別するために、便宜上、第2電極30を破線で示す。
図15及び
図16に示すように、生体情報検出装置10Dは、センサ部12d、検出部14c及びレシーバ16(
図2参照)を備える。センサ部12dは、センサ本体18、ベース部20c、穿刺針22、第1貼付部24及び第1接続部26dを有する。ベース部20cは、ベース部本体110bと、ベース部本体110bに装着された蓋部113と、ベース部本体110bに設けられた複数(
図16では4つ)の装着部114bと、装着部114bに着脱可能なカバー部150とを含む。複数の装着部114bは、ベース部本体110bの支持板32の周方向に等間隔(周方向に90°の間隔)に設けられている。なお、蓋部113は、ベース部本体110bに対して回転しない。
【0112】
各装着部114bは、支持板32の外周部から径方向外方に突出した外方延出部122bと、外方延出部122bの突出端部から上方に延出した装着凸部124とを含む。装着凸部124には、シール部材142が設けられている。
【0113】
第1接続部26dの第1導体部40dは、ベース部本体110b及び装着部114bの壁部内に配設された配線により第1電極28に導通された状態で各装着部114bの装着凸部124における蓋部113に対向する面に露出している。第1接続部26dの第2導体部44dは、ベース部本体110b及び装着部114bの壁部内に配設された配線により第2電極30に導通された状態で各装着部114bの装着凸部124における蓋部113に対向する面に露出している。
【0114】
第2接続部50cの第3導体部60cと第4導体部62cのそれぞれは、装着凹部140の内面に露出しており、装着凹部140に装着凸部124が挿入された状態で、第3導体部60cは第1導体部40dに、第4導体部62cは第2導体部44dにそれぞれ導通する。第3導体部60c及び第4導体部62cのそれぞれは、ボディ46bの壁部内を通って検出制御部54に導通されている。
【0115】
カバー部150は、ボディ46bが装着されていない残余の3つの装着部114bの装着凸部124に被せられる。カバー部150は、平面視で略C字状に形成されており、1つの部材により、3つの装着部114bの装着凸部124を覆うことが可能になっている(
図17参照)。ただし、カバー部150は、各装着部114bに別々に設けてもよい。
【0116】
次に、本実施形態の作用効果について以下に説明する。
【0117】
ベース部20cの装着部114bから取り外したボディ46bを別の装着部114bに装着することができる。この際、ボディ46bが装着された装着部114bに露出している第1導体部40dと第3導体部60cとが互いに連通するとともに当該装着部114bに露出している第2導体部44dと第4導体部62cとが互いに導通するため、センサ本体18によって取得された電気信号を検出制御部54に確実に伝達させることができる。よって、センサ本体18を生体Bから抜去することなく皮膚S1に対する第2貼付部48の貼付位置を変更することができる。
【0118】
ベース部20cは、ベース部本体110bに設けられてボディ46bが装着可能な複数の装着部114bを有している。そのため、ユーザは、複数の装着部114bからボディ46bを装着する装着部114bを選択することができる。これにより、ベース部20cに対して複数の向きでボディ46bを装着することができる。
【0119】
(第1変形例)
次に、本実施形態に係る生体情報検出装置10Dの第1変形例について説明する。
図18に示すように、生体情報検出装置10Dは、ベース部20cに対するボディ46bの装着位置を検出する装着位置検出部100bを備える。装着位置検出部100bは、各装着部114bの装着凸部124に設けられた複数(
図18では4つ)の第1位置検出導電部102bと、各第1位置検出導電部102bと第2導体部44dとを結ぶ複数の電気抵抗部104bと、ボディ46bの装着凹部140が装着凸部124に挿入された状態で複数の第1位置検出導電部102bの1つに電気的に接触する第2位置検出導電部106bとを有する。複数の電気抵抗部104bは、互いに異なる電気抵抗値を有している。
【0120】
検出制御部54は、ボディ46bの装着凹部140が装着凸部124に挿入された際に、第2位置検出導電部106bが接触している第1位置検出導電部102bと第2導体部44dとを結ぶ電気抵抗部104bの電気抵抗値を検出することにより、ベース部20cに対するボディ46bの装着位置(複数の装着部114bのうちのどの装着部114bにボディ46bが装着されたのか)を判定する。そして、ボディ46bの装着位置情報は、検出制御部54からレシーバ制御部72に無線送信され、レシーバ制御部72は、レシーバ16の表示部74にボディ46bの位置情報を表示させる。この際、レシーバ制御部72は、今回のボディ46bの装着位置が以前に装着したことがある装着位置であった場合、その旨を表示部74に表示したりスピーカ78から音を出したりすることによりユーザに注意喚起してもよい。
【0121】
本変形例によれば、ユーザは、ベース部20cに対してボディ46bの向きを変えて装着した際に、既に装着された位置であるか否かをユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、皮膚S1に対する第2貼付部48の貼付位置を効率的に変更することができる。
【0122】
(第2変形例)
次に、本実施形態に係る生体情報検出装置10Dの第2変形例について説明する。
図19A及び
図19Bに示すように、生体情報検出装置10Dの各装着部114bは、ベース部本体110bに対して径方向にスライド可能に構成されている。この場合、使用していない複数の装着部114bは、蓋部113内に収納することができるため、第1接続部26dのうち各装着部114bに露出している部分に異物が付着することを抑えることができる。本変形例では、第1変形例で示した装着位置検出部100bを備えていてもよい。
【0123】
本実施形態において、装着部114bの数は、2以上であれば任意に変更可能である。
【0124】
なお、上述の生体情報検出装置においては、ボディをベース部に装着した状態で、第1接続部と第2接続部とが互いに導通する構成としたが、RFIDタグ等を用いた近接無線通信手段によって、センサ本体によって取得された測定信号を検出制御部に伝達する構成としてもよい。この場合、第1接続部及び第2接続部は省略してもよく、例えば、センサ本体に電圧を印加する電圧印加部をセンサ部に設け、前記近接無線通信手段によって検出制御部が前記電圧印加部を制御することによって、センサ本体に電圧を印加させることができる。このような構成によれば、第1接続部及び第2接続部について、防水性や異物付着に対する耐性を向上させることができる。
【0125】
本発明に係る生体情報検出装置は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。