特許第6892277号(P6892277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本マイクロニクスの特許一覧

<>
  • 特許6892277-プローブ及び電気的接続装置 図000002
  • 特許6892277-プローブ及び電気的接続装置 図000003
  • 特許6892277-プローブ及び電気的接続装置 図000004
  • 特許6892277-プローブ及び電気的接続装置 図000005
  • 特許6892277-プローブ及び電気的接続装置 図000006
  • 特許6892277-プローブ及び電気的接続装置 図000007
  • 特許6892277-プローブ及び電気的接続装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892277
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】プローブ及び電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20210614BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20210614BHJP
【FI】
   G01R1/067 C
   G01R31/26 J
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-22792(P2017-22792)
(22)【出願日】2017年2月10日
(65)【公開番号】特開2018-128404(P2018-128404A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153018
【氏名又は名称】株式会社日本マイクロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】那須 美佳
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−19797(JP,A)
【文献】 特開2005−106718(JP,A)
【文献】 特開2016−80657(JP,A)
【文献】 特開2008−275488(JP,A)
【文献】 特開2012−32162(JP,A)
【文献】 実開平3−33375(JP,U)
【文献】 実開昭54−93766(JP,U)
【文献】 特開2013−50436(JP,A)
【文献】 特開2009−109438(JP,A)
【文献】 特開2000−241447(JP,A)
【文献】 特開2010−204082(JP,A)
【文献】 米国特許第5641315(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06−1/073、31/26
H01R 13/10−13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接触対象と第2接触対象とを電気的に接続するプローブであって、
上下方向に延びる筒状のバレル部と、
一部が前記バレル部の一端から挿入され、前記第1接触対象に電気的に接触する第1プランジャー部と、
一部が前記バレル部の他端から挿入され、上記第2接触対象に電気的に接触する第2プランジャー部と、を備え、
前記バレル部は、
所定の内径を有する第1バレル部と、
前記第1バレル部の内側に配置され、前記所定の内径よりも小さい外径を有する第2バレル部と、を備え、
前記第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第1スプリング部を備え、
前記第2バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第2スプリング部を備え、
前記第1プランジャー部は、前記第1バレル部の内径よりも大きい寸法の本体部分を有し、
前記第1スプリング部と前記第2スプリング部とは、共に、前記第1プランジャー部を前記第1接触対象に向けて押圧する
ことを特徴とするプローブ。
【請求項2】
前記第1バレル部の上下方向の長さは、前記第2バレル部の上下方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記第1スプリング部は、上方第1スプリング部と、前記上方第1スプリング部よりも上下方向の下方に配置される下方第1スプリング部とを備えることを特徴とする請求項1または2記載のプローブ。
【請求項4】
前記上方第1スプリング部と前記下方第1スプリング部とは、互いの旋回方向が逆の螺旋形状に形成されることを特徴とする請求項に記載のプローブ。
【請求項5】
前記第1バレル部と前記第2バレル部とは、分離可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のプローブ。
【請求項6】
前記第1バレル部は、
他の内径を有する外側第1バレル部と、
前記外側第1バレル部の内側に配置され、前記他の内径よりも小さい外径を有する内側第1バレル部と、を備え、
前記外側第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する外側第1スプリング部を備え、
前記内側第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する内側第1スプリング部を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のプローブ。
【請求項7】
前記バレル部に挿入される前記第2プランジャー部の上端部は、前記第2バレル部に備えられる前記第2スプリング部の下端部よりも上下方向の上方に位置することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のプローブ。
【請求項8】
第1接触対象と第2接触対象とを電気的に接続する複数のプローブを備える電気的接続装置であって、
前記プローブは、
上下方向に延びる筒状のバレル部と、
一部が前記バレル部の一端から挿入され、前記第1接触対象に電気的に接触する第1プランジャー部と、
一部が前記バレル部の他端から挿入され、上記第2接触対象に電気的に接触する第2プランジャー部と、を備え、
前記バレル部は、
所定の内径を有する第1バレル部と、
前記第1バレル部の内側に配置され、前記所定の内径よりも小さい外径を有する第2バレル部と、を備え、
前記第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第1スプリング部を備え、
前記第2バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第2スプリング部を備え、
前記第1プランジャー部は、前記第1バレル部の内径よりも大きい寸法の本体部分を有し、
前記第1スプリング部と前記第2スプリング部とは、共に、前記第1プランジャー部を前記第1接触対象に向けて押圧する
することを特徴とする電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の電気的検査などに用いられるプローブ及び電気的接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハに作り込まれた多数の集積回路は、一般的に、該ウエハから切断、分離される前に、仕様書通りの性能を有するか否かの電気的検査を受ける。このような電気的検査に用いられる装置として、複数のプローブを備えた電気的接続装置がある。
【0003】
この種の電気的接続装置を用いて電気的検査を実施する際、複数のプローブの基端部(上端部)を、テスタなどの装置に接続されるプローブ基板の電極に接触させ、プローブの先端部(下端部)を、集積回路などの被検査体の電極に接触させる。
【0004】
このとき、電気的接続装置から上方に延出するプローブの基端部(上端部)は、プローブ基板に所定荷重で圧着した圧着状態(所謂、プリロード状態)を保持することにより、プローブとプローブ基板との電気的な接続が維持される。
【0005】
また、電気的接続装置から下方に延出するプローブの先端部は、被検査体に所定荷重で圧着させた圧着状態(所謂、オーバードライブ状態)とすることにより、プローブと被検査体との電気的な接続が維持される。このようにして、プローブを介して、被検査体とプローブ基板とが電気的に接続されて、電気的検査が実施される。
【0006】
また、電気的接続装置に組み込まれるプローブとしては、上下方向の一部の区間においてスプリング機能(弾性力)を発揮するスプリング部を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
かかるプローブは、被検査体に接触するプランジャーと、円筒形状を有するバレルとを備え、バレルが、上下方向(長手方向)にスプリング部を備える。
【0008】
このように、プローブがスプリング部を有することで、プリロード状態やオーバードライブ状態となった場合に、上下方向に圧縮するとともに、プローブ基板や被検査体に対して適度な押圧力を付与できる。更には、製造誤差に伴うプローブ長さのバラツキもスプリング部の圧縮により吸収できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2016−99337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来技術に係るプローブにおいて、スプリング部には、プリロード状態とオーバードライブ状態とにおいて圧縮するだけの圧縮長さと、製造誤差に伴うプローブ長さのバラツキを吸収するだけの圧縮長さとを設定する必要がある。このため、従来技術に係るプローブでは、複数のスプリング部を上下方向に直列的に配置するなど、上下方向においてスプリング部を長い区間にわたって形成させていた。
【0011】
しかしながら、上下方向においてスプリング部を長い区間にわたって形成させると、プローブの上下方向における長さも長くなってしまうため、プローブが撓みやすくなる。また、各プローブが撓みやすくなると、電気的検査を実施する際に、隣接するプローブに接触して短絡(ショート)するおそれがある。
【0012】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、プローブの撓みに起因したプローブ間の接触を防止することが可能なプローブ及び電気的接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るプローブの第1の特徴は、第1接触対象と第2接触対象とを電気的に接続するプローブであって、上下方向に延びる筒状のバレル部と、一部が前記バレル部の一端から挿入され、前記第1接触対象に電気的に接触する第1プランジャー部と、一部が前記バレル部の他端から挿入され、上記第2接触対象に電気的に接触する第2プランジャー部と、を備え、前記バレル部は、所定の内径を有する第1バレル部と、前記第1バレル部の内側に配置され、前記所定の内径よりも小さい外径を有する第2バレル部と、を備え、前記第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第1スプリング部を備え、前記第2バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第2スプリング部を備え、前記第1プランジャー部は、前記第1バレル部の内径よりも大きい寸法の本体部分を有することにある。
【0014】
本発明に係るプローブの第2の特徴は、上記特徴に係り、前記第1スプリング部と前記第2スプリング部とは、共に、前記第1プランジャー部を前記第1接触対象に向けて押圧することにある。
【0015】
本発明に係るプローブの第3の特徴は、上記特徴に係り、前記第1バレル部の上下方向の長さは、前記第2バレル部の上下方向の長さよりも短いことにある。
【0016】
本発明に係るプローブの第4の特徴は、上記特徴に係り、前記第1スプリング部は、上方第1スプリング部と、前記上方第1スプリング部よりも上下方向の下方に配置される下方第1スプリング部とを備えることにある。
【0017】
本発明に係るプローブの第5の特徴は、上記特徴に係り、前記上方第1スプリング部と前記下方第1スプリング部とは、互いの旋回方向が逆の螺旋形状に形成されることにある。
【0018】
本発明に係るプローブの第6の特徴は、上記特徴に係り、前記第1バレル部と前記第2バレル部とは、分離可能に構成されることにある。
【0019】
本発明に係るプローブの第7の特徴は、上記特徴に係り、前記第1バレル部は、他の内径を有する外側第1バレル部と、前記外側第1バレル部の内側に配置され、前記他の内径よりも小さい外径を有する内側第1バレル部と、を備え、前記外側第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する外側第1スプリング部を備え、前記内側第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する内側第1スプリング部を備えることにある。
【0020】
本発明に係るプローブの第8の特徴は、上記特徴に係り、前記バレル部に挿入される前記第2プランジャー部の上端部は、前記第2バレル部に備えられる前記第2スプリング部の下端部よりも上下方向の上方に位置することにある。
【0021】
本発明に係る電気的接続装置の特徴は、第1接触対象と第2接触対象とを電気的に接続する複数のプローブを備える電気的接続装置であって、前記プローブは、上下方向に延びる筒状のバレル部と、一部が前記バレル部の一端から挿入され、前記第1接触対象に電気的に接触する第1プランジャー部と、一部が前記バレル部の他端から挿入され、上記第2接触対象に電気的に接触する第2プランジャー部と、を備え、前記バレル部は、所定の内径を有する第1バレル部と、前記第1バレル部の内側に配置され、前記所定の内径よりも小さい外径を有する第2バレル部と、を備え、前記第1バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第1スプリング部を備え、前記第2バレル部は、上下方向においてスプリング機能を発揮する第2スプリング部を備え、前記第1プランジャー部は、前記第1バレル部の内径よりも大きい寸法の本体部分を有することにある。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プローブの撓みに起因したプローブ間の接触を防止することが可能なプローブ及び電気的接続装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係る電気的接続装置を含む検査装置を概略的に示す側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る電気的接続装置(プローブ支持体)を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るプローブを概略的に示す側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るプローブを概略的に示す断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るプローブを概略的に示す断面図である。
図6】本発明の第1実施形態の変形例に係るプローブを概略的に示す側面図である。
図7】本発明の第1実施形態の変形例に係るプローブを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る電気的接続装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0025】
[第1実施形態]
<検査装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るプローブ20を備えた電気的接続装置を含む検査装置1を概略的に示す側面図である。なお、説明のため、図面において、上下方向Zと、上下方向Zに直交する左右方向Xと、上下方向Z及び左右方向Xに直交する前後方向Yを規定する。また、上下方向Zは、プローブ20の長手方向とも言い換えられる。
【0026】
図1に示すように、検査装置1は、主に、カード状接続装置2と、チャック12とを備える。
【0027】
カード状接続装置2(プローブカードとも称される場合がある)が、昇降可能なチャック12の上方でフレーム(不図示)に保持される。チャック12上には、被検査体の一例として半導体ウエハ14が保持されている。半導体ウエハ14には多数の集積回路が組み込まれている。
【0028】
半導体ウエハ14は、集積回路の電的検査のために、該集積回路の多数の電極パッド14aを上方に向けて、チャック12上に配置されている。
【0029】
カード状接続装置2は、プローブ基板16と、プローブ支持体18とを備える。
【0030】
プローブ基板16は、例えば円形のリジッド配線基板からなる。プローブ基板16は、プローブ20の基端部20b(上端部)に電気的に接続される。
【0031】
プローブ基板16の一方の面(図1に示す上面)の周縁部には、テスタ(不図示)への接続端となる多数のテスタランド16bが設けられている。各テスタランド16bは、プローブ基板16に設けられた配線16aに接続されている。
【0032】
また、プローブ基板16の一方の面(図1に示す上面)には、プローブ基板16を補強する例えば金属製の補強板5が設けられている。該補強板5は、プローブ基板16のテスタランド16bが設けられた周縁分を除く中央部に配置されている。また、プローブ基板16の他方の面(図1に示す下面)には、プローブ支持体18が配置されている。
【0033】
プローブ支持体18は、所定の保持部材によりプローブ基板16に保持されている。プローブ支持体18は、複数のプローブ20を備える。プローブ支持体18は、プローブ20の先端部20a(下端部)が半導体ウエハ14に押圧されたときに、プローブ20の相互間の干渉を防止する。なお、プローブ20を備えたプローブ支持体18が、特許請求の範囲に記載の電気的接続装置を構成する。
【0034】
プローブ20は、先端部20aと基端部20bとを有する。プローブ20の先端部20aは、半導体ウエハ14に対応して設けられている電極パッド14aに対向するように配置される。
【0035】
プローブ20の基端部20bは、プローブ基板16の接続パット(不図示)に圧着された圧着状態、すなわちプリロード状態で当接している。これにより、プローブ20の基端部20bは、プローブ基板16と電気的に接続されている。
【0036】
なお、本実施形態において、プローブ基板16の接続パット(不図示)が、特許請求の範囲に記載の第1接触対象を構成し、半導体ウエハ14の電極パッド14aが、特許請求の範囲に記載の第2接触対象を構成する。
【0037】
<プローブ支持体の構成>
次に、図2を参照して、プローブ支持体18の構成について詳細に説明する。図2は、プローブ支持体18の概略構成を説明するための断面図である。ここで、図2では、説明の簡単化のために9本のプローブ20を示しているが、9本に限定されるものではない。また、図2には、複数のプローブ20の配列が、1列の場合を例示しているが、これ限定されず、上下方向Zから見てマトリックス状の配置など、任意に配置されていても良い。なお、図2では、プローブ20の概略構成を示しており、プローブ20の詳細な構成についは後述する(図3参照)。
【0038】
プローブ支持体18は、上方ガイド板31と、下方ガイド板32と、中間ガイド板33と、固定ネジ36と、プローブ20とを有する。
【0039】
上方ガイド板31は、各プローブ20の上部を位置決めして保持し、プローブ20の摺動を許すための支持部材である。すなわち、上方ガイド板31は、各プローブ20の上部の位置保持ガイドである。上方ガイド板31は、中央に上方に向かう凹部31xを有する平板状に形成されている。凹部31xには、プローブ20の上部が貫通されて支持されるガイド穴31aが設けられている。ガイド穴31aの直径は、下方ガイド板32のガイド穴32aの直径よりも大きく、かつ、中間ガイド板33のガイド穴33aの直径よりも大きい。
【0040】
ガイド穴31aは、中間ガイド板33の各ガイド穴33aに整合するように配置されるとともに、プローブ基板16の図示しない各電極と整合する位置にそれぞれ対応するように設けられている。これにより、各ガイド穴31aに各プローブ20の上部が嵌り込むことで、各プローブ20の基端部20bがプローブ基板16の各接続パッドと接触するようになっている。各プローブ20の後述するスプリング機能により、各プローブ20の上部は、プローブ20の伸縮に伴って、各ガイド穴31aを貫通している状態で摺動するようになっている。
【0041】
なお、上方ガイド板31は、例えば、セラミックで成形されていて絶縁性を有する。また、上方ガイド板31に代えて、円環や矩形環等に形成されているスペーサを適用するものであっても良い。
【0042】
下方ガイド板32は、各プローブ20の下部を位置決めして保持し、プローブ20の摺動を許すための支持部材である。すなわち、下方ガイド板32は、各プローブ20の下部の位置保持ガイドである。下方ガイド板32は、中央に下方に向かう凹部32xを有する平板状に形成されている。凹部32xには、プローブ20の下部が貫通されて支持されるガイド穴32aが設けられている。ガイド穴32aの直径は、上方ガイド板31のガイド穴31aの直径よりも小さく、かつ、中間ガイド板33のガイド穴33aの直径よりも小さい。
【0043】
ガイド穴32aは、半導体ウエハ14の各電極パッド14aと整合する位置に、各電極パッド14aにそれぞれ対応するように設けられている。これにより、各ガイド穴32aに各プローブ20の下部が嵌り込むことで、各プローブ20の先端部20aが半導体ウエハ14の各電極パッド14aと接触するようになっている。各プローブ20の後述するスプリング機能により、各プローブ20の下部は、プローブ20の伸縮に伴って、各ガイド穴32aを貫通している状態で摺動するようになっている。
【0044】
なお、下方ガイド板32は、例えば、セラミックで成形されていて絶縁性を有する。下方ガイド板32に代えて、円環や矩形環等に形成されているスペーサを適用するものであっても良い。
【0045】
中間ガイド板33は、隣接するプローブ20間でのショートを防止すると共に各プローブ20の垂直性を保持するための部材である。中間ガイド板33は、その周縁部が、上方ガイド板31と下方ガイド板32とで挟まれて支持されている。
【0046】
中間ガイド板33には、上方ガイド板31の各ガイド穴31aと、下方ガイド板32の各ガイド穴32aとに整合する位置に、それぞれ対応するガイド穴33aが設けられている。中間ガイド板33のガイド穴33aの直径は、上方ガイド板31のガイド穴31aの直径よりも小さく、かつ、下方ガイド板32のガイド穴32aの直径よりも大きい。
【0047】
なお、中間ガイド板33は、耐摩耗性及び耐熱性に優れた合成樹脂製フィルム、例えばポリイミドフィルム等で薄く構成されている。中間ガイド板33は、セラミック等により構成されていてもよい。
【0048】
固定ネジ36は、プローブ支持体18全体を一体的に固定するためにネジである。上方ガイド板31、下方ガイド板32、及び中間ガイド板33は、固定ネジ36によって一体的に固定され、かつ着脱自在に構成されている。
【0049】
<プローブの構成>
次に、図3〜5を参照して、第1実施形態に係るプローブ20の構成について詳細に説明する。図3は、プローブ20の側面図であり、図4は、プローブ支持体18に組み付けたプローブ20の中心軸に沿った断面図であり、図5は、プローブ20をプローブ支持体18への組み付け状況を示す断面図である。
【0050】
図3〜4に示すように、プローブ20は、上下方向Zに延びる筒状のバレル部50と、第1プランジャー部60と、第2プランジャー部70と、を備える。なお、バレル部50と第1プランジャー部60と第2プランジャー部70とは、いずれも導電性の材質で形成されている。
【0051】
バレル部50は、筒状の第1バレル部51と、筒状の第2バレル部52とを備える。第1バレル部51は、内径φ1iと外径φ1oとを有する円筒形状である。第1バレル部51の外径φ1oは、上方ガイド板31のガイド穴31aの直径よりも小さいが、中間ガイド板33のガイド穴33aの直径よりも大きい。よって、第1バレル部51の下端部51aは、プローブ支持体18に組み込まれた際に、中間ガイド板33の上面33bに当接する。また、第1バレル部51の上端部51bは、後述する第1プランジャー部60の本体部分61の下面61aに当接する。
【0052】
第1バレル部51は、上下方向Zにおいてスプリング機能を発揮する第1スプリング部151を備える。具体的に、第1スプリング部151は、上下方向Zに伸縮するとともに、上下方向Zへの弾性力を発揮する。
【0053】
例えば、プローブ20の基端部20bがプローブ基板16に圧着されるプリロード状態において、第1バレル部51に対して上下方向Zに圧縮力が付与される。これにより、第1スプリング部151は、上下方向Zに沿って圧縮するとともに、プローブ基板16に対して弾性力(押圧力)を付与する。
【0054】
なお、第1バレル部51は、第1スプリング部151の上方と下方とのそれぞれにおいて、弾性力を発揮しない非スプリング部(不図示)を備える。
【0055】
第2バレル部52は、第1バレル部51の内側に配置される。第2バレル部52は、第1バレル部51の内径φ1iよりも小さい外径φ2oを有する円筒形状である。このような第2バレル部52が第1バレル部51の内側に配置されることにより、第1バレル部51と第2バレル部52とは、中心軸CLを中心とした同心円状に配置される。第2バレル部52の外径φ2oは、中間ガイド板33のガイド穴33aの直径よりも小さいが、下方ガイド板32のガイド穴32aの直径よりも大きい。
【0056】
また、第2バレル部52は、上下方向Zにおいてスプリング機能を発揮する第2スプリング部152を備える。具体的に、第2スプリング部152は、上下方向Zに伸縮するとともに、上下方向Zへの弾性力を発揮するものである。
【0057】
また、本実施形態では、図4に示すように、第2スプリング部152は、上方第2スプリング部152xと、下方第2スプリング部152yとを有する。
【0058】
例えば、プローブ20の先端部20aが半導体ウエハ14に圧着されるオーバードライブ状態において、第2バレル部52に対して上下方向Zに圧縮力が付与されると、第2スプリング部152は、上下方向Zに沿って圧縮するとともに、半導体ウエハ14に対して弾性力(押圧力)を付与する。すなわち、上方第2スプリング部152xと下方第2スプリング部152yとの両方が、上下方向Zに沿って圧縮するとともに、弾性力(押圧力)を付与する。
【0059】
なお、第2バレル部52は、上方第2スプリング部152xの上方と、上方第2スプリング部152xと下方第2スプリング部152yとの間と、下方第2スプリング部152yの下方との3つの部位において、弾性力を発揮しない非スプリング部(いずれも不図示)を備える。
【0060】
また、図4に示すように、バレル部50において、第1バレル部51の上下方向Zにおける長さL1と第2バレル部52の上下方向Zにおける長さL2とは、異なる。具体的に、第1バレル部51の上下方向Zの長さL1は、第2バレル部52の上下方向Zの長さL2よりも短い。なお、長さL1と長さL2との差ΔLは、下方ガイド板32の上面32bと中間ガイド板33の上面33bとの上下方向Zにおける長さLDよりも長さαだけ短い。よって、第2バレル部52の下端部52aは、下方ガイド板32の上面32bから上下方向Zの上方に長さαだけ離間する。
【0061】
第1プランジャー部60は、一部がバレル部50の上端部(一端)から挿入され、プローブ基板16に電気的に接触するものである。具体的に、第1プランジャー部60は、幅広の本体部分61と、幅狭の挿入部分62とを有する。
【0062】
本体部分61の左右方向Xにおける幅(直径φ61)は、第1バレル部51の内径φ1iよりも大きい。そして、本体部分61の下面61aは、バレル部50の上端部に当接する。具体的に、本体部分61の下面61aは、第1バレル部51の上端部51bと第2バレル部52の上端部52bとに当接する。
【0063】
ここで、第1プランジャー部60は、本体部分61が第1バレル部51に当接するものの、第1バレル部51とは固定されていない。これにより、図5に示すように、第1バレル部51と第2バレル部52とは、分離可能に構成されている。
【0064】
挿入部分62は、バレル部50の第2バレル部52に挿入される。また、挿入部分62は、所定位置CTにおいて、バレル部50の第2バレル部52と接合により固定されている。なお、接合方法は、例えば、抵抗溶接(スポット溶接)、レーザ溶接又はカシメによって接合する方法などが挙げられる。
【0065】
また、挿入部分62の下端部62aは、第1プランジャー部60の下端部60aとなる。挿入部分62の下端部62aは、上方第2スプリング部152xの上端部152xbよりも、上下方向Zの上方に位置する。
【0066】
第2プランジャー部70は、概ね円柱形状を有する。第2プランジャー部70は、一部がバレル部50の下端部(他端)から挿入され、半導体ウエハ14に電気的に接触するものである。
【0067】
第2プランジャー部70は、所定位置CBにおいて、第2バレル部52と固定されている。具体的に、第2プランジャー部70は、下方第2スプリング部152yの下方に配置される非スプリング部(不図示)に位置する所定位置CBにおいて、第2バレル部52と接合により固定されている。なお、接合方法は、上述した第1プランジャー部60の挿入部分62における接合方法と同様である。
【0068】
なお、第2プランジャー部70の上端部70bは、第2バレル部52に備えられる第2スプリング部152の下端部よりも上下方向Zの上方に位置する。具体的に、本実施形態では、第2プランジャー部70の上端部70bは、第2スプリング部152の上方第2スプリング部152xの上端部152xbよりも、上下方向Zの上方に位置する。
【0069】
<作用及び効果>
以上のように、本発明の第1実施形態に係るプローブ20では、バレル部50と、第1プランジャー部60と、第2プランジャー部70とを備える。バレル部50は、内径φ1i(所定の内径)を有する第1バレル部51と、第1バレル部51の内側(中心軸CL側)に配置され、内径φ1iよりも小さい外径φ2oを有する第2バレル部52とを備える。すなわち、第1バレル部51と第2バレル部52とは、互いに同心円状に配置される。そして、第1バレル部51は、第1スプリング部151を備え、第2バレル部52は、第2スプリング部152を備える。また、第1プランジャー部60は、第1バレル部51の内径φ1iよりも大きい寸法(幅、又は径)の本体部分61を有する。
【0070】
これにより、第1スプリング部151と第2スプリング部152とが、上下方向Zに向けて並列に配置した状態で、例えば、第1プランジャー部60(又は第2プランジャー部70)にスプリング機能を発揮できるため、上下方向Zに直列に配置される場合に比べて、第1スプリング部151と第2スプリング部152との上下方向Zにおける長さを短くできる。よって、プローブ20の上下方向Zにおける長さも短くすることが可能になるため、プローブ20が撓み難くなり、プローブ20の撓みに起因したプローブ20間の接触を防止することができる。
【0071】
更に、プローブ20の撓みに起因したプローブ20間の接触を防止できるため、プローブ支持体18には、プローブ20を狭い間隔(狭ピッチ)で配置させることができる。
【0072】
また、第1実施形態に係るプローブ20では、第2バレル部52の下端部52aは、下方ガイド板32の上面32bから上下方向Zの上方に長さαだけ離間する構成であったが(図4参照)、この長さαを適宜変更することも可能である。
【0073】
例えば、長さαは、零(ゼロ)にしてもよい。すなわち、長さαを設けなくてもよい。この場合、プローブ支持体18にプローブ20を組み付けた際に、第1バレル部51の下端部51aが中間ガイド板33の上面33bに当接するとともに、第2バレル部52の下端部52aが、下方ガイド板32の上面32bに当接することになる。そして、プリロード状態において、第1スプリング部151と第2スプリング部152とは、共に、第1プランジャー部60をプローブ基板16に向けて押圧する。これにより、第1スプリング部151と第2スプリング部152との両方の弾性力(押圧力)によって、第1プランジャー部60をプローブ基板16に押圧できるため、より強く押圧できる。また、第1スプリング部151と第2スプリング部152とのいずれか一方が劣化(例えば、へたりの発生による劣化)しても、他方により押圧できるため、第1プランジャー部60とプローブ基板16との電気的な接続関係をより長い期間にわたって維持できる。
【0074】
更に、長さαは、第1バレル部51の第1スプリング部151がプリロード状態において圧縮する圧縮長さβ以上に構成してもよい。この場合、プリロード状態においても、第2バレル部52の下端部52aが下方ガイド板32の上面32bと当接せずに、離間する。これにより、プリロード状態とオーバードライブ状態とで、スプリング機能を分離できる。具体的に、プリロード状態において、第1バレル部51の第1スプリング部151のみで第1プランジャー部60をプローブ基板16に向けて押圧する。一方、オーバードライブ状態において、第2バレル部52の第2スプリング部152のみで第2プランジャー部70を半導体ウエハ14に向けて押圧する。これにより、第1バレル部51の第1スプリング部151のバネ定数と、第2バレル部52の第2スプリング部152のバネ定数とを調整することで、プリロード状態の押圧力とオーバードライブ状態の押圧力とをより柔軟に調整できる。
【0075】
更に、長さαは、第1バレル部51の第1スプリング部151がプリロード状態で圧縮する圧縮長さβの所定割合(例えば、β/2)となるように構成してもよい。この場合、プリロード状態とするために、プローブ20の基端部20bをプローブ基板16に圧着する途中で、第2バレル部52の下端部52aが下方ガイド板32の上面32bと当接する。これにより、第1スプリング部151の圧縮長さが所定割合未満の範囲(例えば、β/2未満)では、第1バレル部51の第1スプリング部151のみで第1プランジャー部60をプローブ基板16に向けて押圧し、第1スプリング部151の圧縮長さが所定割合以上(例えば、β/2以上)の範囲では、第1スプリング部151と第2スプリング部152とは、共に、第1プランジャー部60をプローブ基板16に向けて押圧する。これにより、圧縮長さに応じて押圧力(弾性力)を段階的に増加できる。
【0076】
本発明の第1実施形態に係るプローブ20では、第1バレル部51の上下方向Zの長さL1は、第2バレル部52の上下方向Zの長さL2よりも短い。これにより、第1バレル部51の材料費を抑制できるためプローブ20の製造コストを抑制できる。
【0077】
また、第1実施形態に係るプローブ20では、第1バレル部51と第2バレル部52とは、分離可能に構成される。これにより、第1バレル部51と第2バレル部52とを別々に交換することが可能になる。例えば、第1バレル部51と第2バレル部52とのいずれか一方が故障した場合に、故障した一方のみを交換できるため、利便性に優れる。
【0078】
また、第1実施形態に係るプローブ20では、第2スプリング部152は、上方第2スプリング部152xと下方第2スプリング部152yとを備える。これにより、例えば、上方第2スプリング部152xと下方第2スプリング部152yとのバネ定数を相違させることも可能になる。よって、上方第2スプリング部152xと下方第2スプリング部152yとの組合せにより、オーバードライブ状態における半導体ウエハ14への押圧力をより柔軟に調整することができる。
【0079】
第1実施形態に係るプローブ20では、バレル部50に挿入される第2プランジャー部70の上端部70bは、第2バレル部52に備えられる第2スプリング部152の下方第2スプリング部152yの下端部152yaよりも上下方向Zの上方に位置する。具体的に、第2プランジャー部70の上端部70bは、上方第2スプリング部152xの上端部152xb(第2スプリング部152の上端部)よりも上下方向Zの上方に位置する。これにより、第2プランジャー部70が第2スプリング部152の内部に配置されるため、プローブ20は、第2スプリング部152において折れにくくなる。
【0080】
[変形例1]
次いで、本発明の第1実施形態に係るプローブ20の変形例1について説明する。図6は、本変形例に係るプローブ20を示す側面図である。
【0081】
図6に示すように、本変形例に係るプローブ20では、第1バレル部51に備えられる第1スプリング部151は、上方第1スプリング部151xと、上方第1スプリング部151xよりも上下方向Zの下方に配置される下方第1スプリング部151yとを備える。
【0082】
なお、第1バレル部51は、上方第1スプリング部151xの上方と、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとの間と、下方第1スプリング部151yの下方との3つの部位において、弾性力を発揮しない非スプリング部(いずれも不図示)を備える。
【0083】
また、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとは、互いの旋回方向が逆の螺旋形状に形成される。具体的に、図6に示すように、上方第1スプリング部151xは、左下がりに旋回する螺旋形状に形成されており、下方第1スプリング部151yは、右下がりに旋回する螺旋形状に形成されている。
【0084】
以上のように、変形例1に係るプローブ20では、第1スプリング部151が、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとを備える。これにより、例えば、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとのバネ定数を相違させることも可能である。よって、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとの組合せにより、プリロード状態におけるプローブ基板16への押圧力をより柔軟に調整することができる。
【0085】
また、変形例1に係るプローブ20では、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとは、互いの旋回方向が逆の螺旋形状に形成される。これにより、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとの圧縮により生じる旋回方向への付勢力は、互いに打ち消し合い、旋回方向が同一の2つの螺旋状のスプリング部を連結した場合に比べて、折れ曲がりにくくまた捻じれ難くなる。
【0086】
[変形例2]
次いで、本発明の第1実施形態に係るプローブ20の変形例2について説明する。図7は、本変形例に係るプローブ20を示す断面図である。
【0087】
図7に示すように、本変形例に係るプローブ20では、第1バレル部51が、直径の異なる複数のバレル部により構成される。具体的に、第1バレル部51は、外側第1バレル部51oと、外側第1バレル部51oの内側に配置される内側第1バレル部51iと、を備える。なお、外側第1バレル部51oは、内径φ3i(他の内径)を有し、内側第1バレル部51iは、内径φ3iよりも小さい外径φ1oを有する。
【0088】
また、外側第1バレル部51oは、上下方向Zにおいてスプリング機能を発揮する外側第1スプリング部151oを備え、内側第1バレル部51iは、上下方向Zにおいてスプリング機能を発揮する内側第1スプリング部151iを備える。
【0089】
以上のように、変形例2に係るプローブ20によれば、第1バレル部51は、外側第1バレル部51oと内側第1バレル部51iとを備え、外側第1バレル部51oは、外側第1スプリング部151oを備え、内側第1バレル部51iは、内側第1スプリング部151iを備える。これにより、例えば、外側第1スプリング部151oと内側第1スプリング部151iとのバネ定数を相違させることも可能になる。よって、外側第1スプリング部151oと内側第1スプリング部151iとの組合せにより、プリロード状態におけるプローブ基板16への押圧力をより柔軟に調整することができる。
【0090】
[本発明のその他の実施形態]
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。
【0091】
例えば、上述した実施形態では、第1プランジャー部60は、第1バレル部51とは固定されていない場合を例に挙げて説明したが、第1バレル部51と固定されていてもよい。すなわち、第1バレル部51と第2バレル部52とは、第1プランジャー部60により連結されていてもよい。
【0092】
また、例えば、プローブ支持体18は、上述した実施形態に示したプローブ20を少なくとも一つ備えていればよい。
【0093】
また、上述した実施形態では、第2プランジャー部70の上端部70bは、上方第2スプリング部152xの上端部152xbよりも上方に位置していたが、これに限定されない。例えば、第2プランジャー部70の上端部70bは、下方第2スプリング部152yの上端部152ybと、上方第2スプリング部152xの下端部152xaとの間に配置してもよい。この場合、第1プランジャー部60の下端部60a、すなわち、第1プランジャー部60の挿入部分62の下端部62aは、上方第2スプリング部152xの下端部152xaと、下方第2スプリング部152yの上端部152ybとの間に配置する。これにより、第1プランジャー部60が上方第2スプリング部152xの内部に配置され、第2プランジャー部70が下方第2スプリング部152yの内部に配置されるため、プローブ20は、第2スプリング部152において折れにくくなる。
【0094】
また、上述した変形例1では、上方第1スプリング部151xと下方第1スプリング部151yとの形状に着目して、それぞれの旋回方向が逆の螺旋形状に形成される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、第2バレル部52において、上方第2スプリング部152xと下方第2スプリング部152yとは、互いの旋回方向が逆の螺旋形状に形成されてもよい。
【0095】
このように、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…検査装置
2…カード状接続装置
12…チャック
14…半導体ウエハ
14a…電極パッド
16…プローブ基板
18…プローブ支持体
20…プローブ
20a…先端部
20b…基端部
31…上方ガイド板
32…下方ガイド板
33…中間ガイド板
50…バレル部
51…第1バレル部
52…第2バレル部
60…第1プランジャー部
70…第2プランジャー部
151…第1スプリング部
152…第2スプリング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7