【実施例1】
【0009】
以下、実施例1の駐車場について説明する。実施例1の駐車場の発明に当たり、以下のことが考慮された。第一にユーザにとっての分かりやすさが考慮された。すなわち、ユーザにとっては降車エリア(自動車を預けるエリア)と乗車エリア(自動車を引き取るエリア)が共通している方が分かりやすいと考えられるため、降車エリアと乗車エリアとを一体にした乗降エリアとした。第二に利用状況に応じた乗降エリアの柔軟な運用が考慮された。すなわち、一体とした乗降エリアを降車および乗車の両方に使用できる構成とした。これにより、降車の利用頻度が高い時間帯には乗降エリアのうち降車エリアとして使用するエリアの割合を多くする一方、乗車の利用頻度が高い時間帯には乗降エリアのうち乗車エリアとして使用するエリアの割合を多くすることを可能にした。
【0010】
以下、
図1を参照して本実施例の駐車場の構成について説明する。
図1に示すように、本実施例の駐車場1は、乗降エリア11(ドット柄による網掛け部分)と、乗降エリア11に隣接する自動運転車エリア12(斜めストライプ柄による網掛け部分)などを含んで構成される。また、駐車場1に隣接し、駐車場外として扱われる、入場車路エリア13(グラフチェック柄による網掛け部分)、同図に図示しない出場車路エリアなどが存在する。以下、各エリアについて説明する。
【0011】
<乗降エリア11>
乗降エリア11には、乗降時に車両を待機させる車両待機スペース111と、乗降時に乗降者を待機させる乗降者スペース112とが交互に一列に配置される。同図の表示範囲では、車両待機スペース111は合計6つ、乗降者スペース112は合計7つ図示されている。車両待機スペース111と乗降者スペース112は、乗降エリア11内の自動運転車エリア12に接する辺に一列に配置されれば好適である。
【0012】
[車両待機スペース111]
車両待機スペース111は少なくとも一つ以上必要となる。各車両待機スペース111には、表示装置113と、入出ゲート114と、人感センサ115が配置される。また、同図に示すように、各車両待機スペース111に識別番号を付与してもよい。同図の表示範囲では、6つの車両待機スペース111に対し、1−6までの識別番号が付与されている。
【0013】
[乗降者スペース112]
乗降者スペース112は、少なくとも一つ以上必要となる。同図に示すように、乗降者スペース112は、車両待機スペース111の両サイドに配置すれば好適である。運転者および同乗者は車両待機スペース111に停車した車両から乗降者スペース112に降りることになる。降車後、運転者および同乗者は乗降者スペース112から駐車場外に移動する。同図には表示していないが、乗降エリア11に歩行者通路や横断歩道を設けてもよい。
【0014】
[表示装置113]
表示装置113は、車両待機スペース111が現在降車のための待機に使用できるものであるか、あるいは他の車両によって乗車のための待機に使用されるものであるかを運転者に表示する機能を有する。すなわち表示装置113は少なくとも1種類の表示方式を備え、運転者に二つの意味を呈示可能であるものとする。
【0015】
例えば表示装置113を回転灯などで実現する場合、車両待機スペース111が現在降車のための待機に使用できるものである場合には、表示装置113は所定の色(例えば青色)に発光して運転者に当該車両待機スペース111に進入することを促す。一方、車両待機スペース111が他の車両によって乗車のための待機に使用されるものである場合には表示装置113は別の色(例えば赤色)に発光するか、あるいは消灯して運転者に当該車両待機スペース111に進入しないように警告する。
【0016】
例えば表示装置113を電光表示板などで実現する場合、車両待機スペース111が現在降車のための待機に使用できるものである場合、表示装置113は例えば、「バレー受付」や「入場」という文字列、あるいは「○」のマーク、あるいはこれらを併用した表示を呈示する。一方、車両待機スペース111が他の車両によって乗車のための待機に使用されるものである場合には、表示装置113は例えば、「出場」という文字列、あるいは「×」のマーク、あるいはこれらを併用した表示を呈示する。また、車両待機スペース111が一次運用停止である場合、工事中である場合に対応させて「使用禁止」「調整中」などの表示を呈示してもよい。従って、表示装置113は、一つ以上の点灯方式を有する灯具、電光表示板、液晶表示板、モニタなどで実現可能である。
【0017】
同図に示す例では、識別番号1−4を付した車両待機スペース111に対応する表示装置113は運転者に当該スペースへの進入を促す表示を実行し、識別番号5、6を付した車両待機スペース111に対応する表示装置113は運転者に当該スペースへの進入を禁止する表示を実行している。
【0018】
[入出ゲート114]
同図に示すように、入出ゲート114は各車両待機スペース111内に、乗降エリア11と自動運転車エリア12の境界線に沿って配置されれば好適である。入出ゲート114は、主に乗降エリア11から自動運転車エリア12への進入を制限するために配置される。入出ゲート114は、バー方式としてもよいし、シャッター方式としてもよい。また、スクリーンドア方式としてもよい。入出ゲート114における車両検知の方式としては、例えばループコイルを用いることができる。なお、入出ゲート114は物理的なバーやシャッターなどを含んでいなくてもよい。物理的なバーやシャッターなどを含まずに入出ゲート114を構成した場合、乗降エリア11から自動運転車エリア12に進入しようとする手動運転車に対しては、進入禁止を意味する制御信号を送信してもよい。これに加え、表示装置113に警告表示を呈示したり、図示しないスピーカなどから警告音などを呈示したりすることで、該当エリアが手動運転車の進入禁止エリアであることを報知してもよい。
【0019】
[人感センサ115]
人感センサ115は、電波、赤外線、超音波、レーザー、画像などの方式により、該当する車両待機スペース111内に歩行者などが入り込んでいないかチェックするために配置される。例えば人感センサ115と表示装置113を連動させるようにシステムを構成してもよい。また、人感センサ115によるセンシング結果を場内の車両に逐次送信する構成をとってもよい。ただし、自動運転車は独立した安全制御機構を持っているため、人感センサ115は必要に応じて配置すればよく、適宜省略できる。人感センサ115は、同図の位置に限らず駐車場1内の任意の箇所に設置できる。
【0020】
<自動運転車エリア12>
自動運転車エリア12は、自動運転車専用のエリアである。従って手動運転車はメンテナンス時や緊急時などの例外を除き、このエリア内で走行することは出来ない。自動運転車エリアには、図示しない車室が複数設けられており、自動運転制御により、車室への入庫、車室からの出庫が自動で行われる。自動運転車エリア12には前述の入出ゲート114と関連する位置に、入出ゲート114を自動運転車に識別させる識別表示121が配置される。また、入出ゲート114を挟んで各車両待機スペース111と対向する位置に、第1スペース122が配置される。乗降者スペース112を設けた関係上、隣り合う第1スペース122の間には第2スペース123が生じる。自動運転車エリア12全体の満空状態や、自動運転車エリア12内を走行中の車両の数などを把握するために、場内カメラ124が設置されている。
【0021】
[識別表示121]
もっとも簡単には、識別表示121は路面に描かれた白線や文字などであってもよい。あるいは識別表示121は自動運転車が認識可能なコードであってもよい。あるいは、識別表示121は自動運転車が認識可能な信号の発信源などであってもよい。また、識別表示121は実施例2において説明するサーバ装置21の制御情報生成部215が生成したゲート識別情報などであってもよい。
【0022】
[第1スペース122]
第1スペース122は、自動運転車の入出ゲート114通過のための経路、自動運転車エリア12外への退出待ちなどに使用される。
【0023】
[第2スペース123]
第2スペース123には他の用途が無いため、十分に広い場合には車室として活用してよい。また出庫予約時の退出待ちスペースとして活用してもよい。
【0024】
[場内カメラ124]
同図では、場内カメラ124を一つのみ表示しているが、場内カメラ124は複数であってもよい。例えば場内カメラ124を各車室の上方に一つずつ設置する構成をとってもよい。場内カメラ124の代替として、各車室に車室センサを設けてもよい。また、自動運転車エリア12の車路分岐部など、必要な場所にループコイルや赤外線センサなどを設けてもよい(図示略)。
【0025】
<入場車路エリア13>
入場車路エリア13は、本駐車場に入場する前に手動運転車が走行するエリアである。入場車路エリア13の突き当りには、メインゲート131が設置される。入場車路エリア13には、入場待ちの車両の数を把握するために場外カメラ132、ループコイルなどが設置される。また運転者に、場内の状況を知らせるための表示装置133を設置してもよい。
【0026】
[メインゲート131]
必要に応じて、メインゲート131近傍に駐車券発行装置、ナンバー読取装置、車両サイズ計測装置、DSRC装置などが設置される。同図では図示を略したが、出場車路エリアにも同様のメインゲートが設置され、その近傍に必要に応じて駐車料金精算装置、ナンバー読取装置、DSRC装置などが設置される。
【0027】
[場外カメラ132]
同図では、場外カメラ132を一つのみ表示しているが、場外カメラ132は複数であってもよい。同図では図示を略したが、出場車路エリアにも同様の場外カメラを設置してもよい。
【0028】
[表示装置133]
表示装置133は、電光表示板、液晶表示板、モニタなどで実現可能である。例えば表示装置133は、現在降車のための待機に使用できる車両待機スペース111の識別番号や、入場までの待ち時間(目安)等を表示してもよい。また必要に応じて、車両サイズの判定結果や、予約有無による入場許可/不許可の判定結果などを表示してもよい。
【0029】
[車両90−99]
駐車場1内外で走行、待機している車両は何れも自動運転制御機能を有する車両であってその機能構成は同じである。本明細書では便宜上、車両の状態に応じて呼び名を変更するものとする。具体的には、車両が駐車場1外にあり、入場前であって手動運転されている場合、この車両を入場前手動運転車両90と呼ぶ。また車両が駐車場1内にあり、入庫前であって手動運転されている場合、この車両を入庫前手動運転車両91と呼ぶ。また車両が入庫前に車両待機スペース111内で待機している場合、この車両を入庫前待機車両92と呼ぶ。また車両が自動運転車エリア12内にあり、入庫前に自動運転されている場合、この車両を入庫前自動運転車両93と呼ぶ。また車両が車室に駐車された状態にある場合、この車両を駐車車両94と呼ぶ。また車両が自動運転車エリア12内にあり、出庫後に自動運転されている場合、この車両を出庫後自動運転車両95と呼ぶ。また車両が出庫後に第1スペース122内で待機している場合、この車両を出庫後待機車両96と呼ぶ。また車両が車両待機スペース111内に停止中であって運転者の乗車待ち状態にある場合、この車両を乗車待ち車両97と呼ぶ。また車両が駐車場1内にあり、出庫後であって手動運転されている場合、この車両を出庫後手動運転車両98と呼ぶ。また車両が駐車場1外にあり、出場後であって手動運転されている場合、この車両を出場後手動運転車両99と呼ぶ。なお、車両93、94、98、99の図示は省略した。
【実施例2】
【0030】
以下、実施例1の駐車場1を用いた実施例2の自動バレーパーキングシステムの概要について、
図2を参照して説明する。同図に示すように、本実施例の自動バレーパーキングシステム2は、サーバ装置21、ユーザの携帯端末23、車両90−99、表示装置113、入出ゲート114、人感センサ115、場内カメラ124、メインゲート131、場外カメラ132、表示装置133などを含んで構成される。
【0031】
以下、
図3を参照してサーバ装置21の構成例について説明する。同図に示すように、サーバ装置21は、データ受信部211と、入庫状況判断部212と、出庫状況判断部213と、ゲート決定部214と、制御情報生成部215と、データ送信部216を含んで構成されていてもよい。なお、データ受信部211はネットワーク8を介して他の機器からデータを受信することができるものとし、データ送信部216はネットワーク8を介して他の機器にデータを送信することができるものとする。
【0032】
以下、
図4を参照して自動バレーパーキングシステム2の動作例について説明する。同図に示すように、場外カメラ132は所定の時間間隔毎に、入場車路エリア13の映像をサーバ装置21に送信する(S132)。場内カメラ124は所定の時間間隔毎に、自動運転車エリア12の映像をサーバ装置21に送信する(S124)。車両90−99は所定の時間間隔毎に、車両90−99の現在の状況(ステータス)を示すデータをサーバ装置21に送信する(S90a−S99a)。また、ユーザの携帯端末23はユーザからの入力に従って、入庫要求、出庫要求をサーバ装置21に送信する。入庫要求、出庫要求に関しては、入庫、出庫の時間を予め指定することができる(予約入庫、予約出庫という)。なお、ユーザは入庫要求、出庫要求を送信する際、携帯端末23以外の機器を使用することもできる。人感センサ115は、所定の時間間隔毎に、センシング結果をサーバ装置21に送信する。
【0033】
サーバ装置21のデータ受信部211は、これらのデータを受信する(S211)。受信したデータは、駐車場1への車両入庫の状況を表すデータ(入庫状況)、駐車場1からの車両出庫の状況を表すデータ(出庫状況)として取り扱われる。
【0034】
入庫状況判断部212は、受信したデータのうち、所定のデータに基づいて駐車場1の現在の入庫状況を判断する(S212)。例えば入庫状況判断部212は、入場前手動運転車両90と入庫前手動運転車両91の合計台数を入庫状況と判断してもよい。
図1の例では、入庫状況は合計2台となる。
【0035】
入庫状況判断部212は、自動運転車エリア12の空き状況に応じて異なる制御を行ってもよい。例えば、総車室台数とバッファ台数の合計を自動運転車エリア12内に同時に入れてもよい上限台数とする。バッファ台数とは、予め設定される車両の台数であって、自動運転車エリア12内の車室以外の場所で、車両の通行に支障がない程度において待機可能な台数の上限として設定される台数のことである。このとき、入庫前手動運転車両91と入庫前待機車両92と入庫前自動運転車両93と駐車車両94と出庫後自動運転車両95と出庫後待機車両96の合計台数が上限台数に達している場合、サーバ装置21はメインゲート131を一旦閉鎖する。この場合、入庫状況判断部212は、入場前手動運転車両90をノーカウントとし、入庫前手動運転車両91の台数のみを入庫状況と判断してもよい。メインゲート131が閉鎖されている場合、
図1の例では、入庫状況は合計1台となる。
【0036】
出庫状況判断部213は、受信したデータのうち、所定のデータに基づいて駐車場1の現在の出庫状況を判断する(S213)。例えば出庫状況判断部213は、出庫後自動運転車両95と出庫後待機車両96の合計台数を出庫状況と判断してもよい。
図1の例では、出庫状況は合計2台となる。
【0037】
ゲート決定部214は、現在の入庫状況と出庫状況に応じて入出ゲート114のうち何れの入出ゲート114を自動運転車エリア12からの退出に用いるゲートとするかを決定する(S214)。
【0038】
例えばゲート決定部214は、入庫状況と出庫状況の比率に応じてゲートを二つの集合に分割(ゾーニング)し、入庫状況の比率に応じて割り当てられたゲートを、自動運転車エリア12への進入に用いるゲートと決定し、出庫状況の比率に応じて割り当てられたゲートを、自動運転車エリア12からの退出に用いるゲートと決定してもよい。例えば
図1の例(メインゲート131開放時)の場合、入庫状況は合計2台、出庫状況も合計2台となるため、ゲートを均等に二つの集合に分け、識別番号が若いゲートの集合を進入に用いるゲートの集合と決定し、残ったゲートの集合を退出に用いるゲートの集合と決定してもよい。
【0039】
このとき入庫前待機車両92、乗車待ち車両97は、ゲート前を占有しているため、これに対応するゲートを除外して、残りのゲートを二つの集合に分割してもよい。
図1の例では、占有された3つのゲート(識別番号2、4、6に対応するゲート)を差し引いた残りのゲート(識別番号1、3、5、…に対応するゲート)を均等に二つの集合に分け、対応する識別番号が若いゲートの集合を進入に用いるゲートの集合と決定し、残ったゲートの集合を退出に用いるゲートの集合と決定してもよい。
【0040】
制御情報生成部215は、ステップS214で決定したゲートなどに基づいて、車両90−99と、表示装置113と、入出ゲート114と、メインゲート131と、表示装置133に対する制御情報を生成する(S215)。
【0041】
例えば制御情報生成部215は、入庫前待機車両92に対する自動運転車エリア12内への進入指令および同エリア内での入庫指令を生成する。また制御情報生成部215は、出庫要求を受けた駐車車両94に対する出庫指令および自動運転車エリア12外への退出指令を生成する。当該退出指令は、ステップS214で決定された退出に用いるゲートの何れかを用いて自動運転車エリア12から退出するという制限を含むものとする。また制御情報生成部215は、出庫後待機車両96に対する自動運転車エリア12からの退出指令および車両待機スペース111での待機指令を生成する。その他の状況にある車両に対しても適宜様々な制御指令が生成される。
【0042】
例えば制御情報生成部215は、上記ステップS214で進入に用いるゲートと決定されたゲートに対応する表示装置113に対し、運転者に進入を促す表示を実行する表示指令を生成する。また、上記ステップS214で退出に用いるゲートと決定されたゲートに対応する表示装置113に対し、運転者に進入を禁止する表示を実行する表示指令を生成する。
【0043】
例えば制御情報生成部215は、入庫前待機車両92、出庫後待機車両96に対応する入出ゲート114の開放指令を生成する。また制御情報生成部215は、車両91〜車両96の合計台数が予め設定した上限台数に達している場合、メインゲート131に対する閉鎖指令を生成する。
【0044】
例えば制御情報生成部215は、表示装置131に対し、運転者に向けた各種表示を実行させる表示指令を生成する。なお運転者に向けた各種表示は、WEBサイトなどに併せて表示してもよい。
【0045】
データ送信部216は、制御情報生成部215が生成した各種の制御情報をネットワーク8を介して対応する各機器に送信する(S216)。
【0046】
制御情報を受信した車両90−99は、制御情報に基づいて各種指令を実行する(S90b−S99b)。制御情報を受信した表示装置113は、制御情報に基づいて表示指令を実行する(S113)。制御情報を受信した入出ゲート114は、制御情報に基づいて開放指令、閉鎖指令を実行する(S114)。制御情報を受信したメインゲート131は、制御情報に基づいて開放指令、閉鎖指令を実行する(S114)。制御情報を受信した表示装置131は、制御情報に基づいて表示指令を実行する(S131)。
【0047】
なお、上述の実施例には記載していないが、本発明には入出ゲート114がないパターン、車両待機スペース111と乗降者スペース112が交互に配置されない場合なども含まれるものとする。例えば
図5に示すように入出ゲート114などを省略し、車両待機スペース111を乗車スペース111aと、降車スペース111bに二分割した簡易な構成とし、入庫状況と出庫状況に応じて、乗車スペース111aと降車スペース111bの面積(あるいは長手方向の辺)の比率を変更するように構成してもよい。
【0048】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD−ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0049】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0050】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0051】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0052】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0053】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0054】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0055】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0056】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。