(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892304
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】パネル体の脱落防止具および該脱落防止具の固定方法
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20210614BHJP
E04B 2/82 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
E04B2/74 511D
E04B2/82 501F
E04B2/74 531N
E04B2/74 501R
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-67539(P2017-67539)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-168616(P2018-168616A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2020年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100206106
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正史
【審査官】
土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−239186(JP,A)
【文献】
特開2013−217071(JP,A)
【文献】
特開2015−132124(JP,A)
【文献】
特開平10−317551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74,2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱正面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、天井面に設けた天井レール正面にパネル体の上端部がオーバーラップする状態で支柱に取付ける構成とするにあたり、該パネル体が上動することでスリットが取付け金具から抜け出てパネル体が脱落するのを防止するための脱落防止具を、パネル体の上端縁に当接する当接部と、該当接部からL字形に折曲されて天井レールとパネル体との間に挿入される挿入部と、パネル体から左右方向外方に抜け出るよう挿入部から延出して天井レールにビスを介して固定される固定部とが備えられた構成にすると共に、前記脱落防止具は、隣接して同じ支柱に取付けられる左右のパネル体に、該左右のパネル体間の隙間を除いてビスも含めて覆蓋され、支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含むものであり、固定部は、支柱の左右方向外側位置で天井レールにビス固定されることを特徴とするパネル体の脱落防止具。
【請求項2】
支柱正面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、天井面に設けた天井レール正面にパネル体の上端部がオーバーラップする状態で支柱に取付ける構成とするにあたり、該パネル体が上動することでスリットが取付け金具から抜け出てパネル体が脱落するのを防止するための脱落防止具を、パネル体の上端縁に当接する当接部と、該当接部からL字形に折曲されて天井レールとパネル体との間に挿入される挿入部と、パネル体から左右方向外方に抜け出るよう挿入部から延出して天井レールにビスを介して固定される固定部とが備えられた構成にすると共に、前記固定部は、支柱に対して左右方向外方に延出し、該延出部位には下方に垂下する垂下部が設けられ、該垂下部は、当接部側端縁が支柱の左右方向外側面に当接するよう折曲されることを特徴とするパネル体の脱落防止具。
【請求項3】
脱落防止具は、隣接して同じ支柱に取付けられる左右のパネル体に、該左右のパネル体間の隙間を除いてビスも含めて覆蓋されていることを特徴とする請求項2記載のパネル体の脱落防止具。
【請求項4】
支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含むものであり、固定部は、支柱の左右方向外側位置で天井レールにビス固定されることを特徴とする請求項3記載のパネル体の脱落防止具。
【請求項5】
支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含むものであり、固定部は、支柱の左右方向内側位置で天井レールにビス固定されることを特徴とする請求項3記載のパネル体の脱落防止具。
【請求項6】
支柱正面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、天井面に設けた天井レール正面にパネル体の上端部がオーバーラップする状態で支柱に取付ける構成とし、該パネル体が上動することでスリットが取付け金具から抜け出てパネル体が脱落するのを防止するためパネル体の上端縁に当接する当接部を備えた脱落防止具を固定するにあたり、隣接するパネル体が支柱に取付けられる前に、当接部からL字形に折曲された挿入部を天井レールとパネル体との間に挿入した後、該挿入部からパネル体の左右方向外方に抜け出るように形成された固定部を、ビスを介して天井レールに固定するようにしたことを特徴とするパネル体の脱落防止具の固定方法。
【請求項7】
支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含み、固定部は、支柱に対して左右方向外方に延出するものであり、該延出部位には下方に垂下する垂下部が設けられ、該垂下部は、固定部がビス固定される前に、支柱の左右方向外側面方向に向けて折曲され、該折曲部位の当接部側端縁が支柱の左右方向外側面に当接されることを特徴とする請求項6記載のパネル体の脱落防止具の固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切りパネル等のパネル体の脱落防止具および該脱落防止具の固定方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、間仕切りパネル等に用いられるパネル体を、天井から床面のあいだに立設した支柱に取付けるようにするものがあり、この場合に、支柱に上下方向複数設けた係止孔に取付け金具を係止し、該取付け金具に、パネル体に設けたスリットを嵌合せしめた状態でパネル体を降ろすことで係止させ、これによりパネル体の支柱取付けをするようにしたものが提唱されている(例えば特許文献1参照。)。ところがこのものは、スリットを単に取付け金具に嵌合係止するだけであるから、パネル体を持上げた状態で手前側に引くと、簡単にスリットを取付け金具から外すことができ、例えば地震の縦揺れでパネル体が持上げられたような場合に、パネル体が不意に支柱から外れて脱落してしまうような不具合発生が想定される。
そこでパネル体が持上げられないようパネル体上端縁に当接する当接部を備えた脱落防止具を設けるようにしたものが知られている(例えば特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−132124号公報
【特許文献2】実公平7−40005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記従来の脱落防止具はT字形をし、上片が当接部となってパネル体の上端縁に当接する状態で縦片を隣接パネル体間の隙間に嵌入し、ビスを介して支柱に固定するものであったため、脱落防止具の全体が直接外観されることになって視認性が損なわれるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、支柱正面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、天井面に設けた天井レール正面にパネル体の上端部がオーバーラップする状態で支柱に取付ける構成とするにあたり、該パネル体が上動することでスリットが取付け金具から抜け出てパネル体が脱落するのを防止するための脱落防止具を、パネル体の上端縁に当接する当接部と、該当接部からL字形に折曲されて天井レールとパネル体との間に挿入される挿入部と、パネル体から左右方向外方に抜け出るよう挿入部から延出して天井レールにビスを介して固定される固定部とが備えられ
た構成にすると共に、前記脱落防止具は、隣接して同じ支柱に取付けられる左右のパネル体に、該左右のパネル体間の隙間を除いてビスも含めて覆蓋され、支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含むものであり、固定部は、支柱の左右方向外側位置で天井レールにビス固定されることを特徴とするパネル体の脱落防止具である。
請求項2の発明は、
支柱正面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、天井面に設けた天井レール正面にパネル体の上端部がオーバーラップする状態で支柱に取付ける構成とするにあたり、該パネル体が上動することでスリットが取付け金具から抜け出てパネル体が脱落するのを防止するための脱落防止具を、パネル体の上端縁に当接する当接部と、該当接部からL字形に折曲されて天井レールとパネル体との間に挿入される挿入部と、パネル体から左右方向外方に抜け出るよう挿入部から延出して天井レールにビスを介して固定される固定部とが備えられた構成にすると共に、前記固定部は、支柱に対して左右方向外方に延出し、該延出部位には下方に垂下する垂下部が設けられ、該垂下部は、当接部側端縁が支柱の左右方向外側面に当接するよう折曲されることを特徴とするパネル体の脱落防止具である。
請求項3の発明は、脱落防止具は、隣接して同じ支柱に取付けられる左右のパネル体に、該左右のパネル体間の隙間を除いてビスも含めて覆蓋されていることを特徴とする請求項
2記載のパネル体の脱落防止具である。
請求項4の発明は、支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含むものであり、固定部は、支柱の左右方向外側位置で天井レールにビス固定されることを特徴とする請求項
3記載のパネル体の脱落防止具である。
請求項5の発明は、支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含むものであり、固定部は、支柱の左右方向内側位置で天井レールにビス固定されることを特徴とする請求項
3記載のパネル体の脱落防止具である。
請求項6の発明は、支柱正面に上下方向複数穿設した係止孔に係止された取付け金具に、パネル体裏面に設けたスリットを係合させることで該パネル体を、天井面に設けた天井レール正面にパネル体の上端部がオーバーラップする状態で支柱に取付ける構成とし、該パネル体が上動することでスリットが取付け金具から抜け出てパネル体が脱落するのを防止するためパネル体の上端縁に当接する当接部を備えた脱落防止具を固定するにあたり、隣接するパネル体が支柱に取付けられる前に、当接部からL字形に折曲された挿入部を天井レールとパネル体との間に挿入した後、該挿入部からパネル体の左右方向外方に抜け出るように形成された固定部を、ビスを介して天井レールに固定するようにしたことを特徴とするパネル体の脱落防止具の固定方法である。
請求項7の発明は、支柱は、下端部が支柱上端部に上下方向調節自在に内嵌し、ビスを介して天井レールに固定される支持金具を含み、固定部は、支柱に対して左右方向外方に延出するものであり、該延出部位には下方に垂下する垂下部が設けられ、該垂下部は、固定部がビス固定される前に、支柱の左右方向外側面方向に向けて折曲され、該折曲部位の当接部側端縁が支柱の左右方向外側面に当接されることを特徴とする請求項6記載のパネル体の脱落防止具の固定方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、脱落防止具によりパネル体の不用意な脱落を防止できるものでありながら、該脱落防止具はパネル体に覆蓋されて視認できない部位があることになって外観性が向上する
と共に、脱落防止具は、隣接するパネル体の間の隙間を除いてこれらパネル体にビスも含めて覆蓋されることになって外部から殆どが視認できず、外観性が向上し、さらに脱落防止具のビス固定が確実になされることになる。
請求項2の発明とすることにより、脱落防止具によりパネル体の不用意な脱落を防止できるものでありながら、該脱落防止具はパネル体に覆蓋されて視認できない部位があることになって外観性が向上する
と共に、パネル体が持上がろうとするときに脱落防止具に働く負荷は、折曲された垂下部の挿入部側端縁が当接する支柱に受けられることになって分散されてビスに集中することがなく、パネル体の上動を強度のある状態で防止できることになる。
請求項3の発明とすることにより、脱落防止具は、隣接するパネル体の間の隙間を除いてこれらパネル体にビスも含めて覆蓋されることになって外部から殆どが視認できず、外観性が向上する。
請求項
4、5の発明とすることにより、脱落防止具のビス固定が確実になされることになる。
請求項6の発明とすることにより、脱落防止具によりパネル体の不用意な脱落を防止できるものでありながら、該脱落防止具はパネル体に覆蓋されて視認できない部位があることになって外観性が向上する。
請求項
7の発明とすることにより、パネル体が持上がろうとするときに脱落防止具に働く負荷は、折曲された垂下部の挿入部側端縁が当接する支柱に受けられることになって分散されてビスに集中することがなく、パネル体の上動を強度のある状態で防止できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(A)(B)はパネル体の正面図、側面図である。
【
図2】(A)(B)(C)はパネル体上端部の拡大正面図、拡大側面断面図、取付け金具の正面図である。
【
図3】パネル体の支柱への取付け手順を示す斜視図である。
【
図4】(A)(B)(C)は脱落防止具の組み込み手順を示す斜視図である。
【
図5】(A)(B)は隣接パネル体が取付けられていない状態の脱落防止具部位の拡大正面図、拡大側面断面図である。
【
図6】(A)(B)(C)は脱落防止具の正面図、平面図、側面図である。
【
図7】(A)(B)(C)は支持金具の正面図、平面図、側面図である。
【
図8】第2の実施の形態を示す脱落防止具部位の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は間仕切り用のパネル体、2は該パネル体1を取付けるための支柱であって、該支柱2は、床面Fに設けられた凵字形をした床レール3とパネル体1の下端部とのあいだに設けられたアジャスタ金具4によって上下移動調整自在に設けられている。一方、支柱2は、支柱本体2aと、該支柱本体2aの上端部に上下方向調節移動自在に嵌入した支持金具5とにより構成されるが、該支持金具5の上端部を、天井板Cの下面に設けた冂字形の天井レール6に内嵌し、支持金具5の跨部上端に設けた舌片5aを天井レール6の跨部6aに当接せしめた状態で舌片5aから螺入したビス5bを介して固定するようになっている。尚、支持金具5には、前記ビス5bを介して固定する前の段階で支持金具5が支柱本体2a内に没入してしまうのを防止するための突起5cが設けられている。またパネル体1は、本実施の形態では上下二枚から構成されたものになっているが、一枚のもの、三枚以上のもの等、必要に応じて枚数設定できることは言うまでもない。また天井レール6は、天井板Cを貫通する図示しないビスにより天井板Cの上面に設けた天井下地Xに固定されている。
【0009】
支柱2の表裏面(正面)には、上下方向に適間隔を存して係止孔2bが穿設されており、該係止孔2bには、略H字形をした取付け金具7の一片7aが支柱本体2a内に嵌入し、他片7bが支柱本体2aの表裏面から突出し、跨部7cの下端縁が係止孔2bの下端縁に係止する状態で取付け金具7が支柱本体2aに組み込まれている。
【0010】
一方、パネル体1の左右両端部のパネル裏面には、前記係止孔2bに対応するスリット1aが設けられている。そしてパネル体1は、取付け位置よりも少し持上げた状態にして取付け金具7の他片7bに嵌合した状態で降ろすことにより他片7bがパネル体1内に嵌入し、跨部7cの上端縁がスリット1aの上端に係止する状態となり、これによってパネル体1は、上下端部が天井レール6と床レール3とにオーバーラップする状態で支柱2(支柱本体2a)に取り付けられるようになっている。また隣接する支柱2間には必要に応じて横材2cを支架することができる。
【0011】
8は前記取付けられたパネル体1の脱落防止をするための脱落防止具であって、該脱落防止具8は、左右方向に長い縦板状の本体部8aと、該本体部8aの左右方向一端側上端から水平板状(逆L字形)に折曲された当接部8bと、本体部8aの左右方向他端側から下方に垂下される垂下部8cとを備えて構成される。そして脱落防止具8は、左右方向他端側のパネル体1が支柱2に取付けられる前の段階で取付けられたパネル体1の脱落防止をすべく取付けられることになるが、その取付け手順例としては、当接部8bがパネル体1の上端に摺接するか上側に位置する状態で本体部8aの一端側半部(本発明の「挿入部」に相当する。)8dを、天井レール6とパネル体1との間に、他端側半部(本発明の「固定部」に相当する。)8eに至る少し前位置まで、つまり垂下部8cの当接部8b側(挿入部側)端縁が支柱本体2aの左右方向外側面2dに至る少し前の段階まで挿入し、この状態で該垂下部8cを、天井レール6の下端に当接するか該下端よりも下側位置で支柱本体2側(当接部8bとは反対側)に折曲して折曲部8gを形成し、該折曲部8gの当接部8b側の端縁(一端側半部8d側端縁)8iが支柱本体2aの外側面2dまたは支持金具5の外側面5dに当接する(本実施の形態では支持金具5の外側面5dに当接している。)ようセットする。しかる後、パネル体1から左右方向外方に延出している本体部8aの他端側半部8eを、支柱本体2aよりも左右方向外側位置において螺入したビス8hを介して天井レール6に固定することで脱落防止具8が天井レール6に固定され、これによって前記支柱本体2aに取付けられたパネル体1に地震の縦揺れ等により上動する方向の負荷が働いた場合に、該負荷は、ビス8hと折曲部8gの当接部8b側(挿入部側)端縁8iが支持金具5の外側面5dに当接することとによって分散した状態で受け止められることになり、これによってパネル体1の上動が規制され脱落防止がなされるようになっている。
因みに、脱落防止具8の折曲部8gの形成は、脱落防止具8をビス8hを介して天井レール6に固定する前であれば、本体部8aを天井レール6とパネル体1との隙間に挿入する前の段階で行ってもよく、また一旦、本体部8aを天井レール6とパネル体1との間に仮挿入し、折曲位置を確認した後、脱落防止具8を引き抜いて折曲してもよいことは言うまでもない。
【0012】
このように脱落防止具8が天井レール6に取付けられてパネル体1の脱落防止がなされた後、隣接するパネル体1を同じ支柱本体2aに取付けることで、パネル体1は左右方向一連状に取付けられるようになっており、これによって、脱落防止具8は、ビス8hを含めて本体部8aの他端側半部8eの殆どが隣接パネル1に覆蓋されることになって、隣接パネル1間の隙間部分のみが目視されるように設定されている。
【0013】
叙述の如く構成された本実施の形態において、支柱本体2aの表裏面に上下方向複数穿設した係止孔2bに係止された取付け金具7の他片7bに、パネル体1の表裏面に設けたスリット1aを係合させることにより、該パネル体1は、天井面Cに設けた天井レール6の正面にパネル体の上端部がオーバーラップする状態で支柱本体2aに取付けられることになる。そして該取付けられたパネル体が、地震の縦揺れ等の動きを受けて上動し、スリット1aが取付け金具7から抜け出てパネル体1が脱落するのを、前記固定された脱落防止具8により防止されることになるが、該脱落防止具8は、本体部8aの一端側半部8dを天井レール6とパネル体1との間に挿入すると共に、当接部8bをパネル体1の上端縁に当接し、かつ垂下部8cに折曲形成した折曲部8gの当接部8b側の端縁8iを支持金具5の外側面5dに当接した状態にセットした後、他端側半部8eをビス8hを介して天井レール6に固定される。このため脱落防止具8は、一端側半部8dがパネル体1に覆蓋されることになって外部から視認されることがなく、外観性が向上する。
【0014】
しかもこのものでは、脱落防止具8の他端側半部8eが、ビス8hも含めて殆どが隣接するパネル体1に覆蓋されることになって、脱落防止具8の外部から視認される部位は、左右に隣接するパネル体1間の隙間にあるものだけとなって外観性が向上する。
【0015】
しかもこの場合に、脱落防止具8は、前記支柱本体2aに取り付けられたパネル体1に上動する方向の負荷が働いた場合に、該負荷は、ビス8hと折曲部8gの当接部8b側の端縁8iが支持金具5の外側面5dに当接することとによって二箇所に分散した状態で受け止められることになり、これによってパネル体1の上動が確実に規制され脱落防止がなされることになる。
【0016】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものでないことは勿論であって、脱落防止具8の天井レール6への固定手段としては、他端側半部8eを複数本(例えば2本)のビス8hを用いて天井レール6に固定するようにしてもよい。
【0017】
また脱落防止具8の天井レール6側へのビス固定位置を、
図8の第2の実施の形態に示すように、支持金具(支柱2に含まれる。)5の左右方向内側位置で、隣接パネル1に覆蓋される位置としてもよく、このようにした場合には、脱落防止具8は、天井レール6だけでなく、支持金具5(支柱2)にも固定されることになって固定強度のアップが図れる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、間仕切り等に用いられるパネル体の脱落防止具として利用することができる。
【符号の説明】
【0019】
1 パネル体
1a スリット
2 支柱
2a 支柱本体
2b 係止孔
2d 外側面
5 支持金具
6 天井レール
7 取付け金具
8 脱落防止具
8a 本体部
8b 当接部
8c 垂下部
8d 一端側半部
8e 他端側半部
8g 折曲部
8h ビス
8i 当接部側端縁
C 天井板