(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧ショベルを駆動する際には、油面の高さが大きく変動する。また、油圧ショベルを傾斜地で駆動したり、旋回を行ったりする際には、作動油の油面が傾いた状態で大きく揺れる。このような場合、特許文献1に記載の発明では、油面が仕切り板の上側にある状態で揺れることとなり、油面における気泡の発生を防ぐことはできないという問題がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液面の高さが変動したり液面が大きく揺れたりする場合においても、液面における気泡の発生を防ぐことができるタンク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るタンク装置は、例えば、液体を貯溜するタンク本体と、前記タンク本体の内部に、前記タンク本体の上面から下方へ突出するように設けられたリターンフィルタであって、液体を濾過する濾材と、内部に前記濾材が設けられたフィルタケースと、を有し、濾過後の液体を前記タンク本体に流入させるリターンフィルタと、前記タンク本体の内部に挿入され、前記タンク本体に貯留されている前記液体の液面の変化に伴い浮動する略板状のフロートと、を備え、前記フロートは、前記フィルタケースの直径より大きい開口部が形成され、平面視において、前記フロートは、前記タンク本体と前記フィルタケースとの間に配置されたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係るタンク装置によれば、タンク本体に貯留されている液体の液面の変化に伴い浮動する略板状のフロートが、タンク本体とフィルタケースとの間に配置される。これにより、液面の高さが変動したり液面が大きく揺れたりする場合においても、フロートが液面の暴れを防ぎ、液面における気泡の発生を防ぐことができる。
【0008】
ここで、前記フロートと前記タンク本体の底面とを連結する索状体を複数備え、前記タンク本体は、平面視略矩形形状であり、前記索状体は、前記タンク本体の四隅近傍に設けられてもよい。これにより、作業機械の旋回等に伴う横揺れ時に液面が斜めにならず、液面における気泡の発生を防ぐことができる。
【0009】
ここで、前記タンク本体の対向する2つの側面を連結する第1の棒状部及び第2の棒状部と、を備えてもよい。これにより、作業機械の旋回等に伴う横揺れ時に液面が斜めにならず、液面における気泡の発生を防ぐことができる。
【0010】
ここで、前記タンク本体は、前記2つの側面である第1の側面及び第2の側面と、前記第1の側面及び前記第2の側面との間に配置された第3の側面と第4の側面と、を有し、前記第3の側面と前記第4の側面は対向し、前記第1の棒状部は、前記第3の側面に隣接して設けられ、前記第2の棒状部は前記第4の側面に隣接して設けられてもよい。これにより、フロートの移動量を小さくし、液面における気泡の発生をより確実に防ぐことができる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るタンク装置は、例えば、液体を貯溜するタンク本体と、前記タンク本体の内部に、前記タンク本体の上面から下方へ突出するように設けられたリターンフィルタであって、液体を濾過する濾材と、内部に前記濾材が設けられたフィルタケースと、を有し、濾過後の液体を前記タンク本体に流入させるリターンフィルタと、を備え、前記タンク本体の側面には、前記フィルタケースの直径より大きい開口部が形成された第1の板状部と第2の板状部とが、前記タンク本体の底面と略平行に設けられ、前記第1の板状部と前記第2の板状部とは、高さ方向に所定の間隔をあけて設けられ、平面視において、前記第1の板状部と前記第2の板状部とは、前記タンク本体と前記フィルタケースとの間に配置されたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るタンク装置によれば、タンク本体の側面には、第1の板状部と第2の板状部とが、タンク本体の底面と略平行に、高さ方向に所定の間隔をあけて設けられる。第1の板状部と第2の板状部とには、フィルタケースの直径より大きい開口部が形成され、第1の板状部と第2の板状部とは、平面視において、タンク本体とフィルタケースとの間に配置される。これにより、液面の高さが変動したり液面が大きく揺れたりする場合においても、第1の板状部と第2の板状部とが液面の暴れを防ぎ、液面における気泡の発生を防ぐことができる。
【0013】
ここで、前記第1の板状部及び前記第2の板状部と、前記フィルタケースとの間には、前記液体の流路が形成されてもよい。これにより、液面が暴れた時に、第1の板状部及び第2の板状部とフィルタケースとの間の流路を介して液体を逃がしつつ、液面を第1の板状部と第2の板状部とに当てることができる。
【0014】
ここで、前記第1の板状部は、第3の板状部と第4の板状部とを有し、前記第2の板状部は、第5の板状部と第6の板状部とを有し、前記タンク本体は、対向する第1の側面及び第2の側面と、対向する第3の側面と第4の側面と、を有し、前記第3の板状部及び前記第5の板状部は、前記第1の側面、前記第2の側面及び前記第3の側面に当接し、前記第4の板状部及び前記第6の板状部は、前記第1の側面、前記第2の側面及び前記第4の側面に当接し、前記第3の板状部と前記第4の板状部との間、及び前記第5の板状部と前記第6の板状部との間には、前記液体の流路が形成されてもよい。したがって、作業機械の旋回等に伴う横揺れ時に液面が斜めにならず、液面における気泡の発生を防ぐことができる。
【0015】
ここで、前記底面と、前記第3の板状部と、前記第5の板状部と、を連結する複数の第1の連結棒と、前記底面と、前記第4の板状部と、前記第6の板状部と、を連結する複数の第2の連結棒と、を備えてもよい。これにより、第3の板状部、第4の板状部、第5の板状部及び第6の板状部の歪みを防ぎ、液体に気泡が発生することをより確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、油面の高さが変動したり油面が大きく揺れたりする場合においても、油面における気泡の発生を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。以下、本発明のタンク装置を、作業機械(例えば、油圧装置)に設置される作動油タンク装置を例に説明するが、本発明は作動油タンク装置以外のタンク装置に適用することができる。また、以下、流体として作動油を例に説明するが、本発明は、作動油以外の様々な流体に適用することができる。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施形態である作動油タンク装置1の概略を示す要部透視図である。作動油タンク装置1は、油圧装置へ供給する作動油の油圧回路内に設けられた、作動油を貯留するタンクである。油圧回路において、作動油は、油圧装置を通って作動油タンク装置1へ導入される。
【0020】
作動油タンク装置1は、主として、箱形のタンク本体10を有する。タンク本体10は、平面視略矩形形状である。タンク本体10は内部が空洞であり、タンク本体10の内部には、主として、リターンフィルタ21と、サクションストレーナ22と、フロート30と、が設けられる。
【0021】
タンク本体10の上面10aには、リターンフィルタ21と、エアブリーザ(図示せず)と、が設けられる。エアブリーザは、油面の上下に伴ってタンク本体10に進入する空気を濾過し、作動油にゴミ等が入らないようにする。
【0022】
リターンフィルタ21は、タンク本体10の内部に、タンク本体10の上面10aから下方へ突出するように設けられる。リターンフィルタ21は、主として、フィルタケース21aと、蓋部材21bと、流入管21cと、濾材21dと、流出管21eと、を有する。
【0023】
フィルタケース21aは、有底略円筒形状の部材であり、金属により形成される。フィルタケース21aは、タンク本体10の上面10aに形成された孔(図示せず)に挿入される。蓋部材21bは、この孔を覆うように上面10aの外側(+z側)に設けられる。フィルタケース21aの側面には、流入管21cが設けられ、フィルタケース21aの底面には、流出管21eが設けられる。
【0024】
流入管21cは、タンク本体10の側面10bを貫通し、作動油は流入管21cを介してフィルタケース21aの内部に流入する。
【0025】
濾材21dは、フィルタケース21aの内部に設けられる。濾材21dは、作動油を濾過する部材であり、径方向に厚みを有する略円筒形状である。濾材21dは、合成樹脂や紙等を用いた濾紙をひだ折りにし、ひだ折りにした濾紙の両端を連結して円筒状に丸めることによって形成される。
【0026】
濾材21dにより濾過された作動油は、流出管21eを通ってタンク本体10の内部に流入する。
【0027】
サクションストレーナ22は、油圧ポンプへの異物の進入を防ぐ部材であり、タンク本体10の下端部近傍に設けられる。本実施の形態では、タンク本体10内の作動油を油圧ポンプ(図示せず)へ流出させる流出口10dが底面10cに設けられ、サクションストレーナ22は流出口10dの上側(+z側)に設けられる。
【0028】
サクションストレーナ22は、略円筒形状の濾材を有する。濾材は、例えば多数の孔が形成された金属製の板状部材であり、両端を連結して円筒状に丸めることによって略円筒形状に形成される。サクションストレーナ22の中空部に流出口10dが嵌入されることで、サクションストレーナ22がタンク本体10に位置決めされて固定される。
【0029】
タンク本体10の内部に貯留された作動油は、サクションストレーナ22を介して油圧ポンプ(図示せず)に吸引されて、再度油圧装置へ供給される。
【0030】
フロート30は、タンク本体10の内部に挿入された略板状の部材である。フロート30は、作動油に浮くように形成され、タンク本体10に貯留されている作動油の油面Lの変化に伴い浮動する。本実施の形態では、フロート30を、作動油より比重の小さい材料を用いて形成したが、作動油より比重の大きい材料を用い、内部に空洞等を形成することで作動油より比重を小さくしてもよい。
【0031】
図2は、
図1のA−A断面図である。説明のため、フロート30にハッチングを入れて図示している。フロート30は、略中央に、フィルタケース21aの直径より大きい開口部30aが形成される。フロート30は、平面視(+z方向から見た場合)において、タンク本体10とフィルタケース21aとの間に配置される。
【0032】
次に、このように構成された作動油タンク装置1の機能について説明する。
図1の矢印は、作動油の流れを示す。
【0033】
油圧装置の動作中は、作動油が油圧回路内を流れている。
図1に示すように、作動油は、流入管21cを介してリターンフィルタ21に流入する。リターンフィルタ21で濾過された作動油は、流出管21eを通ってタンク本体10へと流出する。
【0034】
タンク本体10へと流出した作動油は、タンク本体10の内部に貯留される。油面Lにフロート30が浮いていない場合には、作業機械の振動等に伴ってタンク本体10が振動し、油面Lが暴れることで、作動油に気泡が発生する(油面Lが細かく揺れることで気泡を噛み込む)おそれがある。それに対し、作動油タンク装置1では、油面Lにフロート30が浮いているため、油面Lの暴れを防ぎ、気泡の発生を防ぐことができる。
【0035】
また、作業機械に設けられた油圧ショベル等の駆動を開始するとき等は、油面Lの高さが急激に変化する。フロート30は作動油に浮かぶため、油面Lが変動したとしても、フロート30が油面Lに追従して移動する。したがって、油面Lの変化とともに油面Lが暴れたとしても、油面Lの暴れを押さえ、気泡の発生を防ぐことができる。
【0036】
タンク本体10に貯留された作動油は、サクションストレーナ22、流出口10dを通ってタンク本体10の外部へ流出する。作動油タンク装置1においては、フロート30により油面Lでの気泡の発生を防ぐため、タンク本体10に貯留された作動油に含まれる気泡及びタンク本体10の外部へ流出する気泡も減り、ポンプ等が空気を吸い込むこと等による不具合が防止される。
【0037】
本実施の形態によれば、油面Lの高さが変動したり油面Lが大きく揺れたりする場合においても、油面Lにおける気泡の発生を防ぐことができる。
【0038】
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、フロート30を用いて油面Lにおける気泡の発生を防いだが、油面Lにおける気泡の発生を防ぐ方法はこれに限られない。
【0039】
本発明の第2の実施の形態は、複数の板状部を用いて油面Lにおける気泡の発生を防ぐ形態である。以下、第2の実施の形態にかかる作動油タンク装置2について説明する。以下、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
作動油タンク装置2は、主として、箱形のタンク本体10Aを有する。タンク本体10Aは、平面視略矩形形状である。タンク本体10Aは内部が空洞であり、タンク本体10Aの内部には、主として、リターンフィルタ21と、サクションストレーナ22と、が設けられる。
【0041】
タンク本体10Aの側面10bには、板状部12、13、14が設けられる。板状部12、13、14は、底面10cと略平行であり、z方向(高さ方向)に所定の間隔hをあけて設けられる。板状部12、13、14は平面視略同一形状であるため、以下、板状部13についてのみ説明し、板状部12、14については説明を省略する。
【0042】
図4は、
図3のB−B断面図である。説明のため、板状部13にハッチングを入れて図示している。板状部13は、略中央に、フィルタケース21aの直径より大きい開口部13aが形成される。開口部13aには、フィルタケース21aが挿入される。したがって、板状部13は、平面視において、タンク本体10Aとフィルタケース21aとの間に配置される。
【0043】
開口部13aとフィルタケース21aとの間には、作動油の流路となる隙間が形成される。また、板状部13には、作動油の流路となる孔13bが複数形成される。ただし、孔13bは必須ではない。
【0044】
次に、このように構成された作動油タンク装置2の機能について説明する。
図3の矢印は、作動油の流れを示す。作動油は、流入管21cを介してリターンフィルタ21に流入する。リターンフィルタ21で濾過された作動油は、流出管21eを通ってタンク本体10Aへと流出する。
【0045】
タンク本体10Aへと流出した作動油は、タンク本体10Aの内部に貯留される。作業機械の振動等に伴ってタンク本体10Aが振動すると、油面Lが板状部12、13、14のいずれかに当たる。
【0046】
例えば、油面Lが低い場合(
図3実線参照)は、油面Lが板状部14に当たる。油面Lが上昇すると(
図3二点鎖線参照)、油面Lは板状部12又は板状部13に当たる。それとともに、板状部12、13、14とフィルタケース21aとの間の流路を介して作動油を逃がす。
【0047】
本実施の形態によれば、油面Lの高さに関わらず、油面Lが暴れたときに油面Lを板状部12、13、14のいずれかに当てることで、油面Lにおける気泡の発生を防ぐことができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、3枚の板状部12、13、14を設けたが、板状部の数は複数であればよく、3枚に限定されない。また、板状部12、13、14間の間隔hは、図示した形態に限られず、油面Lの変動の大きさに応じて任意に設定することができる。
【0049】
<第3の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、フロート30を用いて油面Lにおける気泡の発生を防いだが、本発明の第3の実施の形態は、フロート30を用いて、作業機械の旋回等に伴う横揺れ時においても油面Lにおける気泡の発生を防ぐ形態である。以下、第3の実施の形態にかかる作動油タンク装置3について説明する。以下、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
図5は、作動油タンク装置3の概略を示す要部透視図である。作動油タンク装置3は、平面視略矩形形状のタンク本体10Cを有し、タンク本体10Cの内部には、主として、リターンフィルタ21と、サクションストレーナ22と、フロート30と、索状体31と、が設けられる。
【0051】
索状体31は、フロート30と、タンク本体10Cの底面10cとを連結する部材である。索状体31は、一端がフロート30に設けられ、他端が底面10cに形成された固定部10eに設けられる。索状体31としては、例えば、チェーン、ワイヤー、ロープ等を用いることができる。
【0052】
図6は
図5のC−C断面図である。説明のため、フロート30にハッチングを入れて図示している。
図6に示すように、索状体31は、タンク本体10の四隅近傍に設けられる。
【0053】
次に、このように構成された作動油タンク装置3の機能について説明する。タンク本体10Cへと流出した作動油は、タンク本体10Cの内部に貯留される。
【0054】
油面Lにフロート30が浮いていない場合には、作業機械の旋回等による作動油タンク装置3の横揺れに伴い、遠心力により油面Lが斜めになり(
図3二点鎖線参照)、油面Lが波立つことで作動油に気泡が発生する(油面Lが細かく揺れることで気泡を噛み込む)おそれがある。
【0055】
作動油タンク装置3では、油面Lにフロート30が浮いており、フロート30が索状体31により底面10cと連結されているため、フロート30の上下方向(z方向)の移動が制限される。また、フロート30は作動油に浮くため、油面Lはフロート30に追従して移動する。したがって、作動油タンク装置3が横揺れしても、油面Lの移動がフロート30に遮られることで、油面Lが斜めにならない。これにより、油面Lにおける気泡の発生を防ぐことができる。
【0056】
<第4の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、フロート30を用いて油面Lにおける気泡の発生を防いだが、本発明の第4の実施の形態は、フロート30を用いて、作業機械の旋回等に伴う横揺れ時においても油面Lにおける気泡の発生を防ぐ形態である。以下、第4の実施の形態にかかる作動油タンク装置4について説明する。以下、第1〜3の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0057】
図7は、作動油タンク装置4の概略を示す要部透視図である。作動油タンク装置4は、平面視略矩形形状のタンク本体10Dを有し、タンク本体10Dの内部には、主として、リターンフィルタ21と、サクションストレーナ22と、フロート30と、が設けられる。
【0058】
タンク本体10Dには、2本の棒状部15、16が設けられる。棒状部15、16は、例えば中実丸棒であり、フロート30の上側(+z側)に設けられる。
【0059】
図8は
図7のD−D断面図である。説明のため、フロート30にハッチングを入れて図示している。
図8に示すように、棒状部15、16は、それぞれ、タンク本体10Dの対向する2つの側面10f、10gを連結する。
【0060】
側面10f、10gの間には、側面10h、10iが配置される。側面10hと側面10iとは対向する。棒状部15は、側面10hに隣接して設けられ、棒状部16は、側面10iに隣接して設けられる。このように、棒状部15、16は、タンク本体10Dのx方向における両端近傍に設けられる。
【0061】
なお、本実施の形態では、棒状部15、16は、タンク本体10Dのx方向における両端近傍に設けられたが、棒状部15、16は、タンク本体10Dのy方向における両端近傍に設けられてもよい。また、4本の棒状部を略井桁状に組んでもよい。
【0062】
次に、このように構成された作動油タンク装置4の機能について説明する。タンク本体10Dへと流出した作動油は、タンク本体10Dの内部に貯留される。
【0063】
作動油タンク装置4では、棒状部15、16によりフロート30の上下方向(z方向)の移動が制限される。したがって、作動油タンク装置4が横揺れしても、油面Lの移動がフロート30、すなわち棒状部15、16に遮られることで、油面Lが斜めにならない。これにより、油面Lにおける気泡の発生を防ぐことができる。特に、棒状部15、16をx方向における両端近傍に設けることで、フロート30の移動量を小さくし、油面Lにおける気泡の発生をより確実に防ぐことができる。
【0064】
<第5の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態では、複数の板状部12、13、14を用いて油面Lにおける気泡の発生を防いだが、本発明の第5の実施の形態は、複数の板状部を用いる場合において、作業機械の旋回等に伴う横揺れ時においても油面Lにおける気泡の発生を防ぐ形態である。以下、第5の実施の形態にかかる作動油タンク装置5について説明する。以下、第2の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0065】
図9は、作動油タンク装置5の概略を示す要部透視図である。作動油タンク装置5は、平面視略矩形形状のタンク本体10Eを有し、タンク本体10Eの内部には、主として、リターンフィルタ21と、サクションストレーナ22と、が設けられる。
【0066】
タンク本体10Eの側面には、板状部41、42、43、44、45、46が設けられる。板状部41、42、43、44、45、46は、底面10cと略平行であり、z方向(高さ方向)に所定の間隔hをあけて設けられる。
【0067】
板状部41と板状部44とは高さ方向(z方向)における位置が略同一であり、板状部42と板状部45とは高さ方向(z方向)における位置が略同一であり、板状部43と板状部46とは高さ方向(z方向)における位置が略同一である。また、板状部41と板状部44とは隙間をあけて設けられ、板状部42と板状部45とは隙間をあけて設けられ、板状部43と板状部46とは隙間をあけて設けられる。
【0068】
板状部41、42、43は平面視略同一形状であり、板状部44、45、46は平面視略同一形状であるため、以下、板状部42、45についてのみ説明し、板状部41、43、44、46については説明を省略する。
【0069】
棒状部47は、板状部41と、板状部42と、板状部43と底面10cと連結する。また、棒状部47は、板状部44と、板状部45と、板状部46と、底面10cとを連結する。
【0070】
図10は、
図9のE−E断面図である。説明のため、板状部42、45にハッチングを入れて図示している。板状部42は、側面10f、10g、10hに当接する。また、板状部45は、側面10f、10g、10iに当接する。板状部42、45は、平面視略矩形形状の部材であり、略中央にフィルタケース21aが挿入される凹部42a、45aが形成される。言い換えれば、板状部42、45は、平面視において、タンク本体10Eとフィルタケース21aとの間に配置される。
【0071】
凹部42a、45aとフィルタケース21aとの間には、作動油の流路となる隙間が形成される。また、板状部42と板状部45との間には、作動油の流路となる隙間が形成される。
【0072】
棒状部47は、例えば中実丸棒であり、平面視において板状部42、45の四隅近傍に設けられる。これにより、板状部42、45の上下方向への歪み等が防止される。
【0073】
次に、このように構成された作動油タンク装置5の機能について説明する。タンク本体10Eへと流出した作動油は、タンク本体10Eの内部に貯留される。
【0074】
作動油タンク装置5では、作業機械の旋回等による作動油タンク装置3の横揺れに伴い、遠心力により油面Lが斜めになろうとしても、油面Lが板状部41、42、43、44、45、46に当たり、油面Lがz方向に移動できない。
【0075】
特に、板状部41、42、43は側面10f、10g、10hに当接し、板状部44、45、46は側面10f、10g、10iに当接し、板状部41、42、43、44、45、46には孔が形成されていないため、側面10f、10g、10h、10iの近傍には作動油の流路となる隙間が存在しない。したがって、油面Lが斜めにならず、油面Lにおける気泡の発生を防ぐことができる。
【0076】
また、板状部41、42、43及び板状部44、45、46は棒状部47により底面10cと連結されているため、流路となる隙間を作動油が通過することで板状部41、42、43、44、45、46に力が加わったとしても、板状部41、42、43、44、45、46は変形しない。したがって、板状部41、42、43、44、45、46の振動により、作動油に気泡が発生することを防ぐことができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、板状部41、42、43、44、45、46は、平面視略矩形形状の部材であり、略中央にフィルタケース21aが挿入される凹部が形成されたが、板状部41、42、43、44、45、46の形状はこれに限られない。
【0078】
図11は、変形例にかかる作動油タンク装置5Aを模式的に示す図である。説明のため、板状部42A、45Aにハッチングを入れて図示している。板状部42Aは、側面10f、10g、10hに当接する。また、板状部45Aは、側面10f、10g、10iに当接する。板状部42A、45Aは、平面視略矩形形状の部材であり、板状部42Aと板状部45Aとの間には、作動油の流路となる隙間が形成される。棒状部47は、平面視において板状部42A、45Aの四隅近傍に設けられる。
【0079】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成の追加、削除、置換等をすることが可能である。
【0080】
また、本発明において「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、「略直交」とは、厳密に直交の場合には限られず、例えば数度程度の誤差を含む概念である。また、例えば、単に直交、平行、一致等と表現する場合において、厳密に直交、平行、一致等の場合のみでなく、略平行、略直交、略一致等の場合を含むものとする。
【0081】
また、本発明において「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、端近傍という場合に、端の近くのある範囲の領域であって、端を含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。