(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回動体の第1部位は前記主扉の戸先側に位置し、第2部位は前記主扉の戸尻側に位置し、前記第2部位の見付面の面積は前記第1部位の見付面の面積よりも大きい、請求項6に記載の差圧緩和装置。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、差圧を緩和するための回動体の軸芯が端部から離れている場合であっても、開口部閉鎖時に相じゃくり構造を形成することができる差圧緩和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するべく本発明が採用した技術手段は、
第1空間と第2空間の区画体に設けた開口部と、
前記開口部を閉鎖する閉鎖姿勢から回動することで、第1空間と第2空間を連通して差圧を緩和する回動体とを備え、
前記回動体は、回動軸芯を挟んで第1部位と第2部位とを有し、
前記開口部は、回動軸芯を挟んで第1部位と第2部位とを有し、回動体が閉鎖姿勢にある時には、開口部の第1部位に回動体の第1部位が位置し、開口部の第2部位に回動体の第2部位が位置し、
前記区画体は、前記開口部の第1部位に隣接して、閉鎖姿勢にある回動体の第1部位の見付面に対向する第1周縁部を有し、
前記回動体は、当該回動体が閉鎖姿勢にある時に、前記開口部の第2部位に隣接する区画体の見付面に対向する第2周縁部を有し、
第1周縁部の端部、第2周縁部の端部のいずれか一方の端部は、前記回動体が閉鎖姿勢にある時に、他方の端部の見付面に対向する覆い部を備えている、
差圧緩和装置、である。
1つの態様では、閉鎖姿勢からの回動時には、前記回動体の第1部位と第2部位のいずれか一方が第1空間、他方が第2空間に突出する。
1つの態様では、前記覆い部は、第1周縁部の端部、第2周縁部の端部のいずれか一方の端部の見付面に設けた目板部である。
【0007】
1つの態様では、前記覆い部は、前記回動体が閉鎖姿勢にある時に、回動軸芯近傍において、当該回動体と前記開口部の周面との間に形成された隙間を覆う。
【0008】
1つの態様では、前記回動軸芯は、前記回動体の第1部位の見付面の面積と第2部位の見付面の面積が異なるように回動体の中央から偏倚している。
こうすることで、回動体の見付面の第1部位と第2部位に作用する圧力差を用いて、閉鎖姿勢にある回動体を回動させる。
1つの態様では、回動体は閉鎖方向に付勢されており、この付勢力は想定される圧力差を用いた開放力よりも小さい。
【0009】
1つの態様では、前記回動体は、閉鎖姿勢にある回動体の回動を規制する閉鎖姿勢維持手段と、閉鎖姿勢からの回動体の回動を許容する閉鎖姿勢維持解除手段を備えている。
1つの態様では、閉鎖姿勢維持手段は、係止状態を維持する手段であり、例えば、係止姿勢を維持するように付勢されているラッチである。
1つの態様では、閉鎖姿勢維持解除手段は、係止状態を解除する手段であり、例えば、係止姿勢にあるラッチを退避姿勢に移動させる手段である(機械的手段、電気的手段を問わない)。
【0010】
1つの態様では、前記回動体の回動角度は、回動角度規制手段により制限されている。
1つの態様では、回動角度規制手段は、閉鎖姿勢にある回動体が所定角度回動した時に、当該回動体に当接する当接部である。
1つの態様では、回動角度規制手段は、閉鎖姿勢にある回動体が所定角度回動した時に、当該回動体のさらなる回動を機械的に規制する手段(例えば、アームストッパー)である。
【0011】
1つの態様では、前記区画体は主扉であり、前記開口部は前記主扉に形成された子扉用開口部であり、前記回動体は子扉である。
1つの態様では、前記回動体の第1部位は前記主扉の戸先側に位置し、第2部位は前記主扉の戸尻側に位置し、前記第2部位の見付面の面積は前記第1部位の見付面の面積よりも大きい。
1つの態様では、開口部全閉状態において、主扉のハンドル操作によって、子扉の閉鎖姿勢維持が解除され、子扉の見付面の第1部位と第2部位に作用する圧力の差によって、子扉を回動させる。こうすることで、主扉の開放動作(主扉のハンドルを回す)というワンアクションで子扉を回動させて第1空間と第2空間との差圧を緩和し、主扉を開放することができる。また、主扉の開放動作と独立して閉鎖姿勢にある子扉を開放してもよい。
【0012】
1つの態様では、前記第1周縁部には、閉鎖姿勢にある回動体の第1部位の見付面に密着する第1気密部材が設けられ、前記第2周縁部には、当該回動体が閉鎖姿勢にある時に、前記開口部の第2部位に隣接する区画体の見付面に密着する第2気密部材が設けられ、第1気密部材の端部、第2気密部材の端部のいずれか一方の端部は、前記回動体が閉鎖姿勢にある時に、他方の端部が密着する端部気密要素を備えており、前記端部気密要素は前記覆い部に固定されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、回動体が開口部を閉鎖した状態において、開口部の全周に亘ってオーバーラップ構造が連続形成されるので、第1空間と第2空間との間を直通する隙間が形成されることがなく、防火設備として用いることができる差圧緩和装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[A]ドア装置
本実施形態に係るドア装置は、第1空間と第2空間とを区画する躯体に設けられた建物開口部に設置される。本実施形態では、開口部全閉状態において、排煙設備や加圧防排煙設備等によって第1空間の圧力が第2空間の圧力よりも大きくなる場合があり、第1空間が第2空間に比べて高圧となることを想定している。
図1はドア装置を第1空間側から見た正面図、
図2はドア装置を第2空間側から見た正面図であって、ドア装置は、ドア枠1と、ドア枠1によって形成された建物開口部を開閉するように設けられた第1扉体(親扉ないし主扉)2と、第1扉体2に設けられた第2扉体(子扉)3と、からなる。ドア枠1は、戸先側縦枠10と、戸尻側縦枠11と、上枠12と、下枠13と、から縦長方形状を有している。
【0016】
[A−1]第1扉体2(親扉ないし主扉)
第1扉体2は、回動支軸P1を中心として、開口部全閉姿勢から第1空間側に回動することで、建物開口部を開放する開き戸である(
図22参照)。
図3〜
図5に示すように、第1扉体2は、正面視縦長方形状を有し、第1空間に面する第1見付面20、第2空間に面する第2見付面21、戸先側端面22、戸尻側端面23、上端面24、下端部(図示の態様では、下端は面ではなく開放状となっている)25を備えている。
図3における点線は、第1見付面20と第2見付面21との間に内蔵したフレーム材(断面視コ字状)を示している。第1扉体2の戸尻側部位は、回動支軸P1を中心として、建物開口部(ドア枠1)の戸尻側部位に回動可能に装着されている。典型的には、回動支軸P1は、ヒンジ(ビボットヒンジ、旗丁番等)の要素である。
【0017】
第1見付面20及び第2見付面21の戸先側部位には、高さ方向の中間部位に位置してハンドルHが設けてある。第1扉体2の戸尻側端部の上下には、回動支軸P1を提供するピボットヒンジ14が設けてあり、上下のピボットヒンジ14によってドア枠1の戸尻側縦枠11及び上枠12、下枠13に回動可能に支持されている。図示の態様では、ピボットヒンジ14は、第1見付面20の戸尻側部位に設けてあるが、第1扉体2の厚さ内に設けてもよく、この場合、上枠12、下枠13に回動可能に支持される。また、丁番が用いられる場合には、戸先側建枠11に回動可能に支持される。第1扉体2の第2見付面21の上端とドア枠1の上枠12との間には第1扉体2の閉鎖手段としてのドアクローザ15が設けてあり、ドアクローザ15は第1扉体2を閉鎖方向に付勢している。第1扉体2の戸先側部位にはラッチL1が内蔵されており、ラッチL1は戸先側端面22から突出した係止姿勢と、戸先側端面22内に退避した退避姿勢との間で移動可能である。ラッチL1は係止姿勢を保つように付勢されており、第1扉体2の閉鎖姿勢時には、ドア枠1の戸先側縦枠10の見込面100に形成されたラッチ受け1000にラッチL1が係止することで、第1扉体2の閉鎖姿勢が維持される(
図21参照)。ハンドルHの操作によって、係止姿勢にあるラッチL1を退避姿勢とすることで、第1扉体2の戸先側の係止状態が解除され、第1扉体2の開放が可能となる。
【0018】
ドア枠1は、閉鎖姿勢にある第1扉体2が当接する戸当たり部を備えている。図示の態様では、第1扉体2の第2見付面21の三方(幅方向両側と上側)の周縁部位が戸当たり部に当接するようになっている。より具体的には、
図18に示すように、戸先側縦枠10において、閉鎖姿勢にある第1扉体2の戸先側端面22が近接対向する見込面100の第2空間側には、第1空間に向かって開口する溝部101が形成されており、溝部101には戸先側気密部材(気密ゴム)102が設けてある。同様に、戸尻側縦枠11において、閉鎖姿勢にある第1扉体2の戸尻側端面23が近接対向する見込面110の第2空間側には、第1空間に向かって開口する溝部111が形成されており、溝部111には戸尻側気密部材(気密ゴム)112が設けてある。
図17(A)に示すように、上枠12において、閉鎖姿勢にある第1扉体2の上端面24が近接対向する下面120の第2空間側には、第1空間に向かって開口する溝部121が形成されており、溝部121には上側気密部材(気密ゴム)122が設けてある。開口部閉鎖時において、第1扉体2の第2見付面21の三方(戸先側、戸尻側、上側)の周縁が、戸先側気密ゴム102、戸尻側気密ゴム112、上側気密ゴム122に密着する。第1扉体2の下方部位には、第1扉体2が全閉姿勢となった時に、下端部25を越えて下方に突出する気密部材250が設けてあり、開口部閉鎖時において、第1扉体2の下端から下方に突出する気密部材250が、下枠13の上面130に密着するようになっている(
図15参照)。
【0019】
第1扉体2の面部には、第1見付面20及び第2見付面21を貫通するように縦長方形状の子扉用開口部Oが形成されており、子扉用開口部Oは第1扉体2の戸先側寄りの第1側面26、第1扉体2の戸尻側寄りの第2側面27、上面28、下面29によって囲まれており、子扉用開口部Oの四周は、第1扉体2の戸先側寄りの第1側面26、第1扉体2の戸尻側寄りの第2側面27、上面28、下面29から形成されている(
図3、
図4、
図5)。
【0020】
[A−2]第2扉体3(子扉)
第1扉体2には、子扉用開口部Oを閉鎖するように第2扉体3が設けてあり、第2扉体3は全閉姿勢から回動して、子扉用開口部Oを開放するようになっている。第2扉体3は、扉幅内に位置する回動支軸P2を中心として、開口部全閉姿勢から幅方向一側の第1部位が第1空間側、他側の第2部位が第2空間側に回動することで、子扉用開口部Oを開放する回転戸である(
図22参照)。
図6〜
図8に示すように、第2扉体3は、正面視縦長方形状を有し、第1空間に面する第1見付面30、第2空間に面する第2見付面31、子扉用開口部Oの第1側面26側の第1端面32、子扉用開口部Oの第2側面27側の第2端面33、上端面34、下端部(図示の態様では、下端は面ではなく開放状となっている)35を備えている。
図6における点線は、第1見付面30と第2見付面31との間に内蔵したフレーム材(断面視コ字状)を示している。本実施形態では、第2扉体3の見込寸法(扉厚)は、第1扉体2の見込寸法(扉厚)よりも小さく、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時には、第1扉体2の第2見付面21と第2扉体3の第2見付面31が同一垂直面上にあり(面一である)、第2扉体3の第1見付面30は第1扉体2の第1見付面20に対して凹んだ位置にある(
図16〜
図18参照)。
【0021】
第2扉体3は、回動支軸P2を中心として、第1扉体2の子扉用開口部Oに回動可能に装着されている。回動支軸P2を通る鉛直線(回動軸芯)は、第2扉体3の幅の中央に対して偏倚している。図示の態様では、第2扉体3の回動支軸P2は、平面視において第2扉体3の厚さ内にあり、回動支軸P2は、第1扉体2と第2扉体3に亘って垂直に延びている。典型的には、回動支軸P2は、ヒンジ(ビボットヒンジ、オートヒンジ等)の要素である。第2扉体3の回動部の構成は限定されないが、本実施形態では第2扉体3の幅方向の中央部位から第1端面32側へ偏倚した位置にオートヒンジ16が設けてあり、第2扉体3は、オートヒンジ16の軸(回動支軸P2)を中心に回転する。
図9に示すように、第1扉体2の子扉用開口部Oの上面28と第2扉体3の上端面34とに亘ってオートヒンジ16の上側要素(第1扉体側要素160と第2扉体側要素161からなる)が設けられ、第1扉体2の子扉用開口部Oの下面29と第2扉体3の下端部35とに亘ってオートヒンジ16の下側要素(第1扉体側要素162と第2扉体側要素163からなる)が設けられている。オートヒンジ16は、第2扉体3を閉鎖方向に付勢しており、第2扉体3の閉鎖手段としても機能する。より具体的には、オートヒンジ16の下側要素の第2扉体側要素163の円筒部内には付勢手段としてのスプリングが内蔵されており、第2扉体3が閉鎖姿勢から回動した時に蓄積されるスプリングの付勢力によって第2扉体3を閉鎖方向へ回動させる。本実施形態では、第2扉体3の閉鎖手段はオートヒンジ16に内蔵されているが、第2扉体3の回動部(ヒンジ)とは独立して閉鎖手段を設けてもよい。
【0022】
第2扉体3は、閉鎖姿勢を保持するための手段を備えている。例えば、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時には、第2扉体3の周面(第1端面32、第2端面33、上端面34、下端部35)と子扉用開口部Oの周面(第1側面26、第2側面27、上面28、下面29)は近接対向しており、一方の周面から突出する1つあるいは複数の係止部を、他方の周面に設けた1つあるいは複数の被係止部に係止させることで、閉鎖姿勢にある第2扉体3が回動することを規制する。
【0023】
1つの態様では、第2扉体3において、第1端面32、第2端面33、上端面34、下端面35の少なくとも1つの面に対して出没可能なラッチを設け、第1扉体2の子扉用開口部Oの第1側面26、第2側面27、上面28、下面29の少なくとも1つの面に突出したラッチが係止するラッチ受けを設ける。ラッチは突出姿勢(係止姿勢)を保つように付勢されており、第2扉体3の閉鎖姿勢時には、第1扉体2の子扉用開口部Oの周面に形成されたラッチ受けにラッチが係止することで、第2扉体3の閉鎖姿勢が維持される。閉鎖姿勢維持解除手段であるラッチ係止解除手段(ハンドル操作や押しボタン等の機械的解除、スイッチや無線信号に基づく電気的解除を含む)によって、係止姿勢にあるラッチを退避姿勢とすることで、第2扉体3の係止状態が解除され、第2扉体3の開放が可能となる。
【0024】
他の態様では、第1扉体2において、子扉用開口部Oの第1側面26、第2側面27、上面28、下面29の少なくとも1つの面に対して出没可能なラッチを設け、第2扉体3の第1端面32、第2端面33、上端面34、下端面35の少なくとも1つの面に突出したラッチが係止するラッチ受けを設ける。ラッチは突出姿勢(係止姿勢)を保つように付勢されており、第2扉体3の閉鎖姿勢時には、第2扉体3の周面に形成されたラッチ受けにラッチが係止することで、第2扉体3の閉鎖姿勢が維持される。ラッチ係止解除手段(ハンドル操作や押しボタン等の機械的解除、スイッチや無線信号に基づく電気的解除を含む)によって、係止姿勢にあるラッチを退避姿勢とすることで、第2扉体3の係止状態が解除され、第2扉体3の開放が可能となる。
【0025】
より具体的な態様例では、第1扉体2の戸先側部位にはラッチL2が内蔵されており、ラッチL2は第1側面26から突出した係止姿勢と、第1側面26内に退避した退避姿勢との間で移動可能であり、第2扉体3の閉鎖姿勢時には、第2扉体3の第1端面32に形成されたラッチ受け320にラッチL2が係止することで、第2扉体3の閉鎖姿勢が維持される(
図21参照)。すなわち、ラッチL2が第2扉体3の閉鎖姿勢維持手段となっている。ハンドルHの操作によって、係止姿勢にあるラッチL2を退避姿勢とすることで、第2扉体3の係止状態が解除され、第2扉体3の開放が可能となる。
【0026】
第2扉体3の回動支軸P2は、第2扉体3の幅方向の中央部位から偏倚して位置する。こうすることで、全閉姿勢にある第2扉体3の第1見付面30に圧力が作用している状態で、第2扉体3の第1部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで、第1端面32側の部位)の第1見付面30の面積と第2部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで、第2端面33側の部位)の第1見付面30の面積が不均衡となるため、第2扉体3の全閉姿勢の保持を解除することで、圧力差によって第2扉体3を回転させるようにしている。第2扉体3の閉鎖方向の付勢力は、想定される圧力差による回動力よりも小さく、閉鎖姿勢にある第2扉体3は圧力差によって回動し、圧力差がなくなると閉鎖手段の付勢力で閉鎖姿勢に復帰する。
【0027】
開口部全閉状態において、排煙設備や加圧防排煙設備等によって第1空間の圧力が第2空間の圧力よりも大きくなる場合があり、この内外差圧が、第1扉体2の開放の抵抗となり得る。すなわち、全閉姿勢において、第1扉体2の第1見付面20、第2扉体3の第1見付面30が加圧面側となり、第1扉体2の第2見付面21、第2扉体3の第2見付面31が非加圧面側となる。
図22に示すように、本実施形態では、開口部全閉状態で第1空間と第2空間との間に所定の大きな圧力差が生じ、第1扉体2、第2扉体3に閉鎖姿勢を維持するように圧力が作用している時に、第2扉体3の閉鎖姿勢保持を解除することで、第2扉体3が第1部位と第2部位に作用する圧力差によって、回動支軸P2を中心に回転する。開口部全閉状態から第2扉体3が所定角度開放されると、第1空間と第2空間が連通して圧力差が緩和される。このように、本実施形態では、開口部全閉状態において内外差圧が作用した場合において、第1扉体2の子扉用開口部Oに設けた第2扉体3を差圧を利用して開放させることで、内外気圧差を解消して、第1扉体2の開放力を軽減し、もって、より軽い開放力で第1扉体2を全開できるようにしている。
【0028】
第2扉体3は、第2扉体3の回動範囲(角度)を規制する回動角度規制手段を備えている。本実施形態では、第2扉体3は、幅方向一側の第1部位が第1空間側、他側の第2部位が第2空間側にそれぞれ突出するように回動するので、第2扉体3の回動角度を回転角度規制手段で規制することで、第1扉体2及び第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に第2扉体3の近くに位置する人や物に突出した第2扉体3が当たることを可及的に防止している。回動規制手段としては、第2扉体3が所定角度まで回動した時に、第2扉体3の部分が当接する当接部(後述する目板部8や別に設けた当接部)、第2扉体3の回動角度を規制するアームストッパー17を例示することができる。
図10に示すように、アームストッパー17は、第1アーム170と第2アーム171からなり、第1アーム170の第1端部は第2扉体3の第1見付面30の上方部位(上端面34に隣接する部位)に回動可能に連結され、第2アーム171の第1端部は第1扉体2の第1見付面20(上面28に隣接する部位)に回動可能に連結され、第1アーム170の第2端部と第2アーム171の第2端部が回動可能に連結されている。アームストッパー17の取付位置を選択することで、第2扉体3の回動範囲を設定することができる。
【0029】
[A−3]ドア装置の開放動作
図22を参照しつつ、本実施形態に係るドア装置の回動操作について説明する。
図22(A)は、閉鎖姿勢にあるドア装置の平面図であり、第1扉体2及び第2扉体3は共に閉鎖姿勢にある。第1扉体2の戸先側端面22から突出するラッチL1がドア枠1の戸先側縦枠10のラッチ受け1000に係止しており、第1扉体2の子扉用開口部Oの第1側面26から突出するラッチL2が第2扉体3の第1端面32に形成したラッチ受け320に係止することで、第1扉体2及び第2扉体3は閉鎖姿勢が固定されている(
図21参照)。第1空間は第2空間に比べて高圧となっており、第1扉体2の第1見付面20及び第2扉体3の第1見付面30に圧力(矢印で示す)が作用しており、この圧力は、第1扉体2の開放動作(第1空間側へ回動することで建物開口部を開放する)の抵抗となる。
【0030】
この状態において、第1扉体2のハンドルHを回すと、ハンドルHの動作に連動して、突出したラッチL1が戸先側端面22内に退避し、第1扉体2の戸先側端面22のドア枠1の戸先側縦枠10に対する係止状態を解除し、突出したラッチL2が第1側面26内に退避し、第2扉体3の第1端面32の第1扉体2の第1側面26に対する係止状態を解除する。1つの態様では、ハンドルHの回動動作に連動して、ラッチL1とラッチL2が同時に突出姿勢から退避姿勢となる。他の態様では、同時では無く、ハンドルHの回動動作に連動して、ラッチL1よりも先にラッチL2が突出姿勢から退避姿勢となる。
【0031】
この時、第2扉体3の第1見付面30の第2部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで第2端面33側の部位)の面積は第1部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで第1端面32側の部位)の面積よりも大きいため、第2扉体3の第1見付面30の第1部位と第2部位に作用する圧力差によって、第2扉体3は、第2部位が第2空間側、第1部位が第1空間側に移動するように回動して、第1扉体2の子扉用開口部Oが部分的に開放され、第1空間から第2空間へ空気が流れることで第1空間と第2空間との圧力差が小さくなり、第1扉体2の第1見付面20に作用する圧力が緩和される(
図22(B))。第2扉体3は圧力差によって所定角度回動すると回動規制手段によってそれ以上の回動が規制される。第2扉体3において、圧力の小さい空間(第2空間)へ突出する部位(第2部位)の面積が大きくなっている。そして、図示の態様では、面積の大きい第2部位は、第1扉体2の戸尻側に位置し、第1扉体2の戸先側には面積の小さい(幅寸法がより小さい)第1部位が位置するので、第1扉体2の戸先側において、第1空間への突出量を小さくすることができ、より安全性を確保することができる。また、本実施形態では、
図1、
図2に示すように、第2扉体3は第1扉体2の幅方向中央に位置させて設けてあるが、第2扉体3を第1扉体2の幅方向戸尻側に偏倚させて設けることで、第1扉体2の開放操作時に、第1空間側へ突出する第2扉体3が操作者に当たらないようにしてもよい。
【0032】
第1空間と第2空間との圧力差が小さくなることで、第1扉体2の第1空間側への回動が容易になり、また、第1空間と第2空間との圧力差が小さくなることで、第2扉体3が閉鎖方向の付勢力によって第1扉体2の子扉用開口部Oを閉鎖する方向に回動する(
図22(C))。第1空間と第2空間との圧力差が実質的に無くなると、第2扉体3は閉鎖方向への付勢力によって閉鎖姿勢となって、第1扉体2と第2扉体3は一体として回動する(
図22(D))。開放した第1扉体2のハンドルHから手を離して自由にすると、第1扉体2は、ドアクローザ15の閉鎖力によって、第2扉体3と一体で閉鎖方向に回動して閉鎖姿勢となる。なお、開口部全閉状態において、通常時(第1空間と第2空間との圧力差が実質的に無い場合)には、第2扉体3は閉鎖方向への付勢力によって閉鎖姿勢を維持するため、第1扉体2と第2扉体3は一体として開放される。
【0033】
[B]気密構造及び防火構造
[B−1]第1扉体の周縁部(第1周縁部)
子扉用開口部Oは、回動支軸P2を通る垂直線(回動軸芯)を挟んで、第1部位と第2部位とからなる。本実施形態では、第1部位は、幅方向において第1側面26側の部位であり、第2部位は、幅方向において第2側面27側の部位である。
図2、
図3に示すように、第1扉体2には、子扉用開口部Oの第1部位の周縁に沿って周縁部4が設けてある。周縁部4は、第1側面26に沿って垂直に延びる垂直部40と、上面28の第1部位に沿って水平に延びる上側水平部41と、下面29の第1部位に沿って水平に延びる下側水平部42と、から平面視コ字形状に形成されている。周縁部4は、幅方向の第1部分(外側部分)において第1扉体2の第2見付面21に固定されており、幅方向の第2部分(内側部分)が子扉用開口部Oに突出している。
図2では周縁部4の見付面401、411、421が示され、
図3では周縁部4の第2部分のみが示されている。
図4、
図5に示すように、周縁部4(垂直部40、上側水平部41、下側水平部42)は、第1扉体2の第2見付面21に凸設されている。
【0034】
周縁部4は第2部分(内側部分)において気密部材としての気密ゴム6を支持している。周縁部4の垂直部40、上側水平部41、下側水平部42の第2部分(内側部分)には長さ方向に沿って気密ゴム6が装着される気密ゴム装着部としての溝状のポケット400、410、420が形成されている。ポケット400、410、420は正面視コ字状に延びており、溝は第1空間に向かって開口している。気密ゴム6は、垂直部60、上側水平部61、下側水平部62から正面視コ字形状に形成されており、第1扉体2の子扉用開口部Oの第1部位の周縁に沿って設けられている。気密ゴム6の垂直部60はポケット400に装着されており、上側水平部61はポケット410に装着されており、下側水平部62はポケット420に装着されている。
【0035】
図5に示すように、周縁部4の垂直部40は第1部分(外側部分)が第1扉体2の第2見付面21(第1側面26に隣接する部位)に固定されており、第2部分(内側部分)が子扉用開口部Oに面する溝状のポケット400となっている。したがって、ポケット400は、閉鎖姿勢にある第2扉体3の第1部位の第2見付面31の幅方向一端部位(第1端面32に隣接する部位)に対向し、ポケット400に装着された気密ゴム6の垂直部60は、閉鎖姿勢にある第2扉体3の第1部位の第2見付面31の第1端面32に隣接する部位に密着する(
図18参照)。
【0036】
図4に示すように、上側水平部41は第1部分(外側部分)が第1扉体2の第2見付面21(上面28に隣接する部位)に固定されており、第2部分(内側部分)が子扉用開口部Oに面する溝状のポケット410となっている。したがって、ポケット410は、閉鎖姿勢にある第2扉体3の第1部位の第2見付面31の上端部位(上端面34に隣接する部位)に対向し、ポケット410に装着された気密ゴム6の上側水平部61は、閉鎖姿勢にある第2扉体3の第1部位の第2見付面31の上端面34に隣接する部位に密着する(
図17(A)参照)。
【0037】
図4に示すように、下側水平部42は第1部分(外側部分)が第1扉体2の第2見付面21(下面29に隣接する部位)に固定されており、第2部分(内側部分)が子扉用開口部Oに面する溝状のポケット420となっている。すなわち、ポケット420は、閉鎖姿勢にある第2扉体3の第1部位の第2見付面31の下端部位(下端部35に隣接する部位)に対向し、ポケット420に装着された気密ゴム6の下側水平部62は、閉鎖姿勢にある第2扉体3の第1部位の第2見付面31の下端部35に隣接する部位に密着する(
図17(A)参照)。
【0038】
[B−2]第2扉体の周縁部(第2周縁部)
第2扉体3は、回動支軸P2を通る垂直線(回動軸芯)を挟んで、第1部位と第2部位とからなる。本実施形態では、第1部位は、幅方向において第1端面32側の部位であり(第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に子扉用開口部Oの第1部位を塞ぐ)、第2部位は、幅方向において第2端面33側の部位(第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に子扉用開口部Oの第2部位を塞ぐ)である。
図2、
図6に示すように、第2扉体3には、第2扉体3の第2部位の周縁に沿って周縁部5が設けてある。周縁部5は、第2端面32に沿って垂直に延びる垂直部50と、上端面34に沿って水平に延びる上側水平部51と、下端部35に沿って水平に延びる下側水平部52と、から平面視コ字形状に形成されている。周縁部5は、幅方向の第1部分(内側部分)において第2扉体3の第2見付面31に固定されており、幅方向の第2部分(外側部分)が第2扉体3の周縁から突出している。
図2では周縁部5の見付面501、511、521が示され、
図6では周縁部5の第2部分のみが示されている。
図7、
図8に示すように、周縁部5は、第2扉体3の第2見付面31に凸設されている。
【0039】
周縁部5は第2部分(外側部分)において気密部材としての気密ゴム7を支持している。周縁部5の垂直部50、上側水平部51、下側水平部52の第2部分(外側部分)には長さ方向に沿って気密ゴム7が装着される気密ゴム装着部としてのポケット500、510、520が形成されている。ポケット500、510、520は正面視コ字状に延びている。気密ゴム7は、垂直部70、上側水平部71、下側水平部72から正面視コ字形状に形成されており、第2扉体3の第2部位の周縁に沿って設けられている。気密ゴム7の垂直部70はポケット500に装着されており、上側水平部71はポケット510に装着されており、下側水平部72はポケット520に装着されている。
【0040】
図8に示すように、垂直部50は第1部分(内側部分)が第2扉体3の第2見付面31(第2端面33に隣接する部位)に固定されており、第2部分(外側部分)が、第2端面33から突出する溝状のポケット500となっている。すなわち、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、ポケット500は、第1扉体2の第2部位の第2見付面21の第2側面27に隣接する部位に対向し、ポケット500に装着された気密ゴム7の垂直部70は、第1扉体2の第2部位の第2見付面21の第2側面27に隣接する部位に密着する(
図18参照)。
【0041】
図7に示すように、上側水平部51は第1部分(内側部分)が第2扉体3の第2見付面31(上端面34に隣接する部位)に固定されており、第2部分(外側部分)が、上端面34から上方に突出する溝状のポケット510となっている。すなわち、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、ポケット510は、第1扉体2の第2部位の第2見付面21の上面28に隣接する部位に対向し、ポケット510に装着された気密ゴム7の上側水平部71は、第1扉体2の第2部位の第2見付面21の上面28に隣接する部位に密着する(
図17(B)参照)。
【0042】
図7に示すように、下側水平部52は第1部分(内側部分)が第1扉体2の第2見付面31(下端部35に隣接する部位)に固定されており、第2部分(外側部分)が、下端部35から下方に突出する溝状のポケット520となっている。すなわち、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、ポケット520は、第1扉体2の第2部位の第2見付面21の下面29に隣接する部位に対向し、ポケット520に装着された気密ゴム7の下側水平部72は、第1扉体2の第2部位の第2見付面21の下面29に隣接する部位に密着する(
図17(B)参照)。
【0043】
[B−3]目板部
ここで、周縁部4、5が回動支軸P2を中心とした第2扉体3の回動の妨げとならないように、周縁部4の上側水平部41(ポケット410)の端部と周縁部5の上側水平部51(ポケット510)の端部は離間し、気密ゴム6の上側水平部61の端部と気密ゴム7の上側水平部71は離間しており、同様に、周縁部4の下側水平部42(ポケット420)の端部と周縁部5の下側水平部52(ポケット520)の端部は離間し、気密ゴム6の下側水平部62の端部と気密ゴム7の下側水平部72は離間している。この離間する部分は目板部8によって覆われる。
【0044】
第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、周縁部4の上側水平部41の先端と周縁部5の上側水平部51の先端に跨るように上側の目板部8が設けられ、周縁部4の下側水平部42の先端と周縁部5の下側水平部52の先端に跨るように下側の目板部8が設けられる。本実施形態では、上側の目板部8は周縁部4の上側水平部41の先端に設けられ、下側の目板部8は下側水平部42の先端に設けられる。本実施形態では、上側の目板部8と下側の目板部8の構成は同じである。
【0045】
図12〜
図14に示すように、目板部8の幅方向中間部位には、気密部材としての気密ゴム9が設けてあり、気密ゴム9を挟んで一方が第1部分8A、他方が第2部分8Bとなっている。第1部分8Aは、周縁部4の上側水平部41の先端、下側水平部42の先端に固定される固定部であり、第2部分8Bは、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、周縁部5の上側水平部51の先端、下側水平部52の先端を覆うオーバーラップ部である。気密ゴム6の上側水平部61の端部と気密ゴム7の上側水平部71の端部間の隙間、及び、気密ゴム6の下側水平部62の端部と気密ゴム7の下側水平部72の端部間の隙間は、気密ゴム9によって塞がれる。
【0046】
気密ゴム9は前面90、左右の側面91、92、後面93を備えている。周縁部4の上側水平部41の端部及び気密ゴム6の上側水平部61の端部は、上側の目板部8の気密ゴム9の側面91に当接しており、気密ゴム7の上側水平部71の端部は、上側の目板部8の気密ゴム9の側面92に当接しており、周縁部5の上側水平部51の端部は、上側の目板部8の気密ゴム9の側面92から離間している。なお、周縁部4の上側水平部41の端部は気密ゴム9の側面91から離間してもよい。周縁部4の下側水平部42の端部及び気密ゴム6の上側水平部62の端部は、下側の目板部8の気密ゴム9の側面91に当接しており、気密ゴム7の下側水平部72の端部は、下側の目板部8の気密ゴム9の側面92に当接しており、周縁部5の下側水平部52の端部は、下側の目板部8の気密ゴム9の側面92から離間している。なお、周縁部4の下側水平部42の端部は気密ゴム9の側面91から離間してもよい。
【0047】
本実施形態では、目板部8は、第1部材80と第2部材81とから構成されている。第1部材80は方形の板状部800を備え、板状部800の幅方向一端側は垂直に折曲して側片801が形成され、幅方向他端側部位802は密着状に折り返されている。第2部材81は、正面部810と、正面部810の幅方向一端側を折り曲げてなる第1側片811と、正面部810の幅方向他端側を垂直に折り曲げてなる第2側片812と、第2側片812の先端から第1側片811から離間する方向に幅方向に延びる底片813と、からなる。第2部材81の第1側片811を第1部材80の側片801に当接させ、第2部材81の底片813を第1部材80の板状部800に当接させて連結することで目板部8が形成されている。
【0048】
気密ゴム9の後方部位(側面91の後方部位及び後面93)を底片813及び第2側片812に当接させるようにして、気密ゴム9が目板部8に固定されている。目板部8及び気密ゴム9の高さ寸法は、周縁部4、周縁部5の幅寸法よりも大きくなっている。
気密ゴム9の奥行寸法(前面90と後面93間の寸法)は、気密ゴム6、7の上側水平部61、71、下側水平部62、72の厚さ寸法よりも大きい。上述のように、目板部8において、気密ゴム9の側面91側に位置する部位が第1部分8Aであり、側面92側に位置する部位が第2部分8Bである。より具体的には、板状部800の一端側部位、正面部810、第1側片811、第2側片812で形成される部位が第1部分(固定部)8Aとなっており、板状部800の他端側部位802を含む部位が第2部分(オーバーラップ部)8Bとなっている。板状部800の一端側部位、正面部810には、それぞれ、目板部8を周縁部4の上側水平部41、下側水平部42に固定するための螺子Sを挿通させる螺子孔800a、810aが形成されている。目板部8は、第1部分(固定部)8A(正面部810)を上側水平部41の見付面411、下側水平部42の見付面421に当接させて、螺子Sで固定されている(
図12(B)、
図16、
図19(A)参照)。第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bは、周縁部5の上側水平部51の見付面511の先端、下側水平部52の見付面521の先端に対向する。本実施形態では、
図19(A)に示すように、目板部8の気密ゴム9は回動軸芯(回動支軸P2)よりも第1部位側に位置しており、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bの先端は回動軸芯(回動支軸P2)よりも第2部位側に位置している。これらの位置関係は1つの実施態様に過ぎず、本発明はこの位置関係に限定されない。
【0049】
図19(A)に示すように、本実施形態では、周縁部4の上側水平部41、下側水平部42(ポケット410、420)の端部と気密ゴム6の上側水平部61、下側水平部62の端部は一致しており、気密ゴム6の上側水平部61、下側水平部62の端部は気密ゴム9の側面91に接触している。なお、周縁部4の上側水平部41、下側水平部42の端部と気密ゴム6の上側水平部61、下側水平部62の端部は一致せずに、上側水平部41、下側水平部42の端部の気密ゴム9の側面91から離間してもよい。一方、気密ゴム7の上側水平部71、下側水平部72の端部は、周縁部5の上側水平部51、下側水平部52(ポケット510、520)の端部より突出しており、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、気密ゴム7の上側水平部71、下側水平部72の端部は気密ゴム9の側面92に接触している。
【0050】
上側の目板部8の気密ゴム9の前面90の上半部は第1扉体2の第2見付面21に密着しており、下側の目板部8の気密ゴム9の前面90の下半部は第1扉体2の第2見付面21に密着している。第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、上側の目板部8の気密ゴム9の前面90の下半部は第2扉体3の第2見付面31に密着しており、下側の目板部8の気密ゴム9の前面90の上半部は第2扉体3の第2見付面31に密着している(
図16参照)。
【0051】
本実施形態では、
図19(B)に示すように、周縁部5の上側水平部51、下側水平部52(少なくともポケット510、520)の端部は平面視傾斜状(第2扉体3の第2見付面31から上側水平部51、下側水平部52の見付面511、521に向かって気密ゴム9側に延びる)の傾斜縁512、522となっている。この傾斜縁512、522は、必要に応じて、第2扉体3の回動時に、上側水平部51、下側水平部52のポケット510、520が第1扉体2の第2見付面21に噛むように接触することを防止するように設けられる。周縁部5の上側水平部51、下側水平部52の見付面511、521の端部には、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bに対向するようにプレート513、523が固定されている(
図19(B)参照)。プレート513、523は、必要に応じて、周縁部5の上側水平部51、下側水平部52と目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bとの隙間を狭めるために設けられる。
【0052】
[B−4]気密構造
第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第2扉体3の第2見付面31の第1部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで、第1端面32側の部位)の三方の周縁部位には周縁部4の第2部分(内側部分)が対向し、気密ゴム6が密着する。具体的には、
図11に示すように、第2見付面31の第1端面32に隣接する部位には、垂直部40の第2部分(内側部分)が対向すると共に垂直部60が密着し、第2見付面31の上端面34に隣接する部位には、上側水平部41の第2部分(内側部分)が対向すると共に上側水平部61が密着し、第2見付面31の下端部35に隣接する部位には、下側水平部42の第2部分(内側部分)が対向すると共に下側水平部62が密着する。
【0053】
第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第1扉体2の第2見付面21の第2部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで、第2側面27側の部位)の三方の周縁部位には周縁部5の第2部分(外側部分)が対向し、気密ゴム7が密着する。具体的には、
図11に示すように、第2見付面21の第2側面27に隣接する部位には、垂直部50の第2部分(外側部分)が対向すると共に垂直部70が密着し、第2見付面21の上面28に隣接する部位には、上側水平部51の第2部分(外側部分)が対向すると共に上側水平部71が密着し、第2見付面21の下面29に隣接する部位には、下側水平部52の第2部分(外側部分)が対向すると共に下側水平部72が密着する。
【0054】
第1扉体2の周縁部4に設けた気密ゴム6の上側水平部61及び下側水平部62の端部は、それぞれ、周縁部4の上側水平部41及び下側水平部42の先端に設けた目板部8の気密ゴム9の側面91に密着しており、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第2扉体3の周縁部5に設けた気密ゴム7の上側水平部71及び下側水平部72の端部は、それぞれ、周縁部5の上側水平部71及び下側水平部72の先端に設けた目板部8の気密ゴム9の側面92に密着する。
【0055】
上側の目板部8の気密ゴム9の前面90の上半部は第1扉体2の第2見付面21に密着し、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、上側の目板部8の気密ゴム9の前面90の下半部は第2扉体3の第2見付面31に密着することで、気密ゴム6の上側水平部61の端部と気密ゴム7の上側水平部71の端部との隙間に位置する気密ゴム9の前面90は、第1扉体2の子扉用開口部Oの上面28と第2扉体3の上端面34の間の隙間を塞ぐように、第1扉体2の第2見付面21と第2扉体3の第2見付面31に亘ってこれらに密着する。下側の目板部8の気密ゴム9の前面90の下半部は第1扉体2の第2見付面21に密着し、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、下側の目板部8の気密ゴム9の前面90の上半部は第2扉体3の第2見付面31に密着することで、気密ゴム6の下側水平部62の端部と気密ゴム7の下側水平部72の端部との隙間に位置する気密ゴム9の前面90は、第1扉体2の子扉用開口部Oの下面29と第2扉体3の下端部35の間の隙間を塞ぐように、第1扉体2の第2見付面21と第2扉体3の第2見付面31に亘ってこれらに密着する。
【0056】
第2扉体3が第1扉体2の子扉用開口部Oを閉鎖した状態において、第1扉体2の周縁部4の三方の気密ゴム6が第2扉体3の第1部位の第2見付面31に密着し、第2扉体3の周縁部5の三方の気密ゴム7が第1扉体2の第2部位の第2見付面21に密着し、第1扉体2の周縁部4に設けた気密ゴム6の上側水平部61及び下側水平部62の端部は目板部8の気密ゴム9の側面91に密着し、第2扉体3の周縁部5に設けた気密ゴム7の上側水平部71及び下側水平部72の端部は目板部8の気密ゴム9の側面92に密着し、気密ゴム9は第1扉体2の子扉用開口部Oと第2扉体3の隙間を覆うように第1扉体2の第2見付面21と第2扉体3の第2見付面31に密着することで、子扉用開口部Oの全周に気密構造を形成する。
【0057】
[B−5]オーバーラップ構造
第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第2扉体3の第2見付面31の第1部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで、第1端面32側の部位)の三方の周縁部位には周縁部4の第2部分(内側部分)が対向する。具体的には、
図11に示すように、第2見付面31の第1端面32に隣接する部位には、垂直部40の第2部分(内側部分)が対向し、第2見付面31の上端面34に隣接する部位には、上側水平部41の第2部分(内側部分)が対向し、第2見付面31の下端部35に隣接する部位には、下側水平部42の第2部分(内側部分)が対向する。
【0058】
第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第1扉体2の第2見付面21の第2部位(回動支軸P2を通る垂直線を挟んで、第2側面27側の部位)の三方の周縁部位には周縁部5の第2部分(外側部分)が対向する。具体的には、
図11に示すように、第2見付面21の第2側面27に隣接する部位には、垂直部50の第2部分(外側部分)が対向し、第2見付面21の上面28に隣接する部位には、上側水平部51の第2部分(外側部分)が対向し、第2見付面21の下面29に隣接する部位には、下側水平部52の第2部分(外側部分)が対向する。
【0059】
第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第1扉体2の周縁部4の上側水平部41及び下側水平部42の先端に設けた目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bは、第2扉体3の周縁部5の上側水平部51及び下側水平部52の先端に対向する。開口部全閉状態において、
図19(A)、
図20Aに示すように、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bと周縁部5の上側水平部51及び下側水平部52の先端(プレート513、523)の隙間から進入する光線において、第1扉体2及び第2扉体3の第2見付面21、31に対して最大角度で入射する光線は、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bの先端Aと、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bに対向する面の端部(プレート513、523の見付面の気密ゴム側の端部)Bとを結ぶ光線αである。図示の態様では、光線αは平面視において、第1扉体2の第1見付面20と第1側面26とで形成する角部Cを通っている。角部Cにおいては、第1扉体2の第1見付面20が第1扉体2の全高に亘って延びているため光線αよりも鋭角(より平行に近い)で入射する光線は、第2扉体2の第1側面26に遮られて第1空間側へ直進することがない。また、
図20Bに示すように、目板部8は第1扉体2と第2扉体3の上下の隙間を覆うような高さ寸法を備えている。よって、回動軸芯(回動支軸P2)の近傍において(気密ゴム9が火災時の熱で溶解した場合であっても)、第2扉体3の周縁と第1扉体2の子扉用開口部Oの周縁との間に第1空間と第2空間を直接貫通する隙間が生じることが防止される。仮に、プレート513、523を設けない場合には、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bと周縁部5の上側水平部51及び下側水平部52の先端の隙間から進入する光線において、第1扉体2及び第2扉体3の第2見付面21、31に対して最大角度で入射する光線は、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bの先端Aと、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bに対向する面の端部(周縁部5の上側水平部51及び下側水平部52の見付面の端部)B´とを結ぶ光線βである。
図20Aに示すように、光線βは平面視において、第2扉体3の見付面30側を通ることになり、第2扉体3の見付面30の上端、下端においては、見付面31側と異なりオーバーラップ部を形成する周縁部が無いので、第2扉体3の上端面34と第1扉体2の上面28との間の隙間、第2扉体3の下端面35と第1扉体2の下面29との間の隙間から光線βが第1空間側へ直進することになる。光線βよりも鋭角(より平行に近い)で入射する光線γも、第2扉体3の上端面34と第1扉体2の上面28との間の隙間、第2扉体3の下端面35と第1扉体2の下面29との間の隙間から第1空間側へ直進することになる。
【0060】
第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第1扉体2の周縁部4の上側水平部41の先端に設けた目板部8は、第1扉体2の子扉用開口部Oの上面28と第2扉体3の上端面34の間の隙間を塞ぐように、第1扉体2の第2見付面21と第2扉体3の第2見付面31に亘ってこれらに対向し、第1扉体2の周縁部4の下側水平部42の先端に設けた目板部8は、第1扉体2の子扉用開口部Oの下面29と第2扉体3の下端部35の間の隙間を塞ぐように、第1扉体2の第2見付面21と第2扉体3の第2見付面31に亘ってこれらに対向する。
【0061】
第2扉体3が第1扉体2の子扉用開口部Oを閉鎖した状態において、第1扉体2の周縁部4の三方の第2部分(内側部分)が第2扉体3の第1部位の第2見付面31に対向し、第2扉体3の周縁部5の三方の第2部分(外側部分)が第1扉体2の第2部位の第2見付面21に対向し、第1扉体2の周縁部4の上側水平部41及び下側水平部42の先端に設けた目板部8が第2扉体3の周縁部5の上側水平部51及び下側水平部52の先端に対向し、目板部8は、第1扉体2の子扉用開口部Oと第2扉体3の隙間を覆うように第1扉体2の第2見付面21と第2扉体3の第2見付面31に亘ってこれらに対向することで、子扉用開口部Oの略全周にオーバーラップ構造を形成する。したがって、火災時に、第2扉体3の周縁と第1扉体2の子扉用開口部Oの周縁との間に第1空間と第2空間を直接連通する隙間が生じることが防止される。また、周縁部4、5、目板部8が気密ゴム6、7、9を備えた態様において、仮に火災時の熱で気密ゴム6、7が溶解した場合であっても、第2扉体3の周縁と第1扉体2の子扉用開口部Oの周縁との間に第1空間と第2空間を直接連通する隙間が生じることが防止される。
【0062】
[C]他の実施形態
[C−1]第2実施形態
図23〜
図25を参照しつつ、第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態と第2実施形態との差異は、主として、第2扉体3の幅方向における回動支軸P2の位置、目板部8(含む気密ゴム9)の形状・構成である。第2実施形態では、第2扉体3の回動支軸P2は、第1端面32に寄った側に設けてあり、子扉用開口部O及び第2扉体3において、回動支軸P2を通る垂直線(回動軸芯)を挟む左右の第1部位、第2部位の面積比率が、上述の実施形態と異なる。目板部8は、気密ゴム9を挟んで一方が第1部分(固定部)8A、他方が第2部分(オーバーラップ部)8Bとなっているが、気密ゴム9の奥行寸法は、気密ゴム6、7の上側水平部61、71、下側水平部62、72の厚さ寸法と同じである。また、周縁部5の上側水平部51、下側水平部52の端部は、気密ゴム9の側面92まで達しており、傾斜縁(512、522)やプレート(513、523)を有しない。その他の構成については、第1実施形態に係る説明を援用することができる。目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bと周縁部5の下側水平部52の先端の隙間から進入する光線において、第1扉体2及び第2扉体3の第2見付面21、31に対して最大角度で入射する光線は、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bの先端Aと、目板部8の第2部分(オーバーラップ部)8Bに対向する面の端部(下側水平部52の見付面の端部)Bとを結ぶ光線αである。図示の態様では、光線αは平面視において、第1扉体2の第1見付面20と第1側面26とで形成する角部Cを通っている。角部Cにおいては、第1扉体2の第1見付面20が第1扉体2の全高に亘って延びているため光線αよりも鋭角(より平行に近い)で入射する光線は、第2扉体2の第1側面26に遮られて第1空間側へ直進することがない。
【0063】
[C−2]第3実施形態
図26を参照しつつ、第3実施形態について説明する。上述の第1実施形態と第3実施形態との差異は、第1実施形態では、周縁部4、5及び目板部8(含む気密ゴム9)が第1扉体2及び第2扉体3の第2見付面21、第2見付面31側に設けてあるのに対して、第3実施形態では、周縁部4、5及び目板部8(含む気密ゴム9)が、第1扉体2及び第2扉体3の第1見付面20、第2見付面30側に設けてある点である。
図26に示すように、周縁部4の下側水平部42´は、第1扉体2の第1見付面20に設けてあり、閉鎖姿勢にある第2扉体3の第1見付面30に対向する(気密ゴム6の下側水平部62が第2扉体3の第1見付面30に密着する)。下側水平部42´の先端には目板部8が設けてある。周縁部5の下側水平部52´は、第2扉体3の第1見付面30に設けてあり、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に、第1扉体2の第1見付面20に対向する(気密ゴム7の下側水平部72が第1扉体2の第1見付面20に密着する)。周縁部4、5が設けられる側を第1扉体2及び第2扉体3の第2見付面21、第2見付面31から第1見付面20、第1見付面30に置き換えることによって、第1実施形態に係る説明を援用することができる。
【0064】
[C−3]第4実施形態
図27を参照しつつ、第4施形態について説明する。上述の第1実施形態と第4実施形態との差異は、第1実施形態では、目板部8(含む気密ゴム9)が第1扉体2の周縁部4の上側水平部41の先端、下側水平部42の先端に設けてあるのに対して、第4実施形態では、目板部8(含む気密ゴム9)が第2扉体3の周縁部5(
図27では、下側水平部52´´を示す)に設けてある点である。
図27に示すように、第2扉体3の周縁部5の下側水平部52´´の端部には目板部8(含む気密ゴム9)が設けてあり、第2扉体3が閉鎖姿勢にある時に目板部8が第1扉体2の周縁部4の下側水平部42´´の端部に対向している。目板部(含む気密ゴム9)が設けられる側を第1扉体2の周縁部4から第2扉体3の周縁部5に置き換えることによって、第1実施形態に係る説明を援用することができる。
【0065】
[C−4]第5実施形態
図28を参照しつつ、第5施形態について説明する。上述の第1実施形態と第5実施形態との差異は、第1実施形態では、第2扉体3の回動支軸P2を通る線(回動軸芯)が垂直線であるのに対して、第5実施形態では、第2扉体3の回動支軸P2を通る線(回動軸芯)が水平線である点である。回動支軸P2は、第2扉体3の高さの中央に対して偏倚した位置にある。
図28に示すように、第1扉体2の周縁部4は、水平部40a、左右の垂直部40b、40cからなり、第2扉体3の周縁部5は、水平部50a、左右の垂直部50b、50cからなる。回動支軸P2を通る線(回動軸芯)が垂直線から水平線となり、それに伴う各要素の構成を置き換えることによって、第1実施形態に係る説明を援用することができる。
【0066】
[C−5]第6実施形態
図29を参照しつつ、第6実施形態について説明する。上述の第1実施形態と第6実施形態との差異は、第1実施形態では、第2扉体3が可動区画体である第1扉体2に形成された子扉用開口部Oを開閉するのに対して、第6実施形態では、第2扉体3´は、第1空間と第2空間を区画する不動区画体(壁や固定パネルを含む)18に設けた開口部を開閉するものである点である。第2扉体3´は、閉鎖姿勢維持手段(ラッチによる係止等)によって閉鎖姿勢が維持され、閉鎖姿勢維持解除手段、例えばラッチ係止解除手段(ハンドル操作や押しボタン等の機械的解除、スイッチや無線信号に基づく電気的解除を含む)によって閉鎖姿勢維持を解除することで、第2扉体3´が差圧によって回動して、第1空間と第2空間の差圧を解消する。第1実施形態における子扉用開口部Oを当該開口部に置き換えることによって、第1実施形態に係る説明を援用することができる。
【0067】
[C−6]付記
上述の実施形態では、目板部8は、周縁部4ないし周縁部5とは別体で用意されて、周縁部4ないし周縁部5に固定されているが、目板部8を周縁部4ないし周縁部5と一体形成してもよい。例えば、周縁部4の上側水平部41の先端、下側水平部42の先端に目板部8を一体形成してもよい。この場合、気密ゴム6の上側水平部61、下側水平部62と目板部8の気密ゴム9を一体形成してもよい。また、上述の説明において、「第1扉体2には、子扉用開口部Oの第1部位(回動軸芯を挟んで一側の部位)の周縁に沿って周縁部4が設けてり、第2扉体3には、第2扉体3の第2部位(回動軸芯を挟んで他側の部位)の周縁に沿って周縁部5が設けてある。」と記載しているが、周縁部4(気密ゴム6)の端部が第2部位まで延びたり、周縁部5(気密ゴム7)の端部が第1部位まで延びたりすることを排除するものではない。実際、本実施形態では、目板部8の気密ゴム9の位置は回動軸芯(回動支軸P2)からずれており、周縁部5の上側水平部51、下側水平部52の端部、気密ゴム7の上側水平部71、下側水平部72の端部は、回動軸芯(回動支軸P2)を越えて第1部位まで延びている。また、上述の実施形態において、第2扉体3は第1空間と第2空間を連通して差圧を緩和する回動体として記載しており、避難時等に人が通過する潜り戸として用いられることを意図していないが、第2扉体3が潜り戸として用いられることを排除するものではない。