(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態における注文管理システム100のシステム構成を示すシステム図である。本発明の一実施形態における注文管理システムのシステム構成は、注文操作端末400及び従業員操作端末300側(情報処理装置(エッジサーバ)200b、情報処理装置(エッジサーバ)200cも含め)において表示面の向いている方向の検知から、入力された注文を受け付ける受付処理、注文を入力した顧客(以降、「注文者」という)の席の特定処理、当該特定された席を示す席情報及び受け付けた注文を含む注文情報とを対応付ける処理、当該対応付けを記憶する処理まで実施する形態である。
【0018】
ここで「注文情報」とは、顧客から注文された飲食物の注文を示す情報である。注文情報は、注文入力日時、注文者の席情報、人数情報、注文対象の飲食物名、注文対象の飲食物ごとの注文数量等を含んで構成されてもよい。また、注文情報は、対応付け部442によって対応付けられた特定された注文者の席(席情報)及び注文者が入力した注文を含んで構成されてもよい。
【0019】
ここで「席情報」とは、飲食店に配置される顧客が着席する席を識別するための情報であり、例えば、店舗内の全ての顧客の席のシーケンスな番号であってもよいし、テーブルごとにシーケンスな番号であっても席が識別できればどのような情報でもよい。ここでは、説明を簡単にするために、アルファベット一文字(例えば、席A、席B、席Cなど)で表して説明する。また、席情報は、席情報を埋め込んだICタグ(例えば、RFID)を各席に配置して、ICタグリーダ等で読み込んで、各席を管理するように用いてもよい。
【0020】
すなわち、注文管理システム100のシステム構成は、エッジコンピューティングを利用した形態である。なお、注文管理システムのシステム構成は、当該形態に限定するものではなく、店舗形態、業種形態、既存の他システムとの連携形態等によっては、クライアントサーバ方式としてもよい。
【0021】
また、エッジコンピューティングを利用した形態を採用することで、エッジ側から、クラウドサーバとしての情報処理装置200aにWANとしてのネットワーク500を介してデータを送信しなくてもよくなり(又は、エッジ側で必要最低限のデータのみとするよう加工処理をして送信すればよくなり)、セキュリティリスクを低減できる。また、通信容量を低減できるうえ、必要な情報だけを選別できるため、当該通信を監視する手間を省ける。このようにエッジ側での構成とすることで、通信の遅延等の通信帯域の問題や個人情報保護の問題も解決することができる。
【0022】
また、一方、注文操作端末400は、エッジサーバとしての情報処理装置200bと垂直分散(垂直負荷分散、垂直機能分散)処理を行うよう構成してもよい。具体的には、例えば、注文者の席の特定処理を注文操作端末400で行い、当該特定された席を示す席情報と入力された注文との対応付け処理を情報処理装置200bで行ってもよい。
【0023】
図1に示すように、注文管理システム100は、情報処理装置200、従業員操作端末300、注文操作端末400を含む。情報処理装置200は、ネットワーク500(IPインターネット等)を隔ててエッジ側とクラウド側でそれぞれ設置して構成してもよいし、エッジ側だけでもよい。
【0024】
以降、クラウド側の情報処理装置(クラウドサーバ)を情報処理装置200aとし、エッジ側の情報処理装置(エッジサーバ)を、情報処理装置200b、200cとする。なお、情報処理装置200a、情報処理装置200b、情報処理装置200cについて特に区別の必要がなければ総称して情報処理装置200とする。
【0025】
注文管理システム100の各装置の役割として、情報処理装置200は、一定期間蓄積された注文情報の履歴(以降、「注文履歴情報」という)のような蓄積データ等の大規模データの保管及び加工処理を行い、一方、注文操作端末400及び従業員操作端末300は、高速処理が要求される注文者の席の特定処理や当該特定された注文者の席と注文との対応付け等を行うよう分担して構成してもよい。
【0026】
情報処理装置200は、ネットワーク500(WANやLAN等のあらゆるIPネットワークを含む)を介して、従業員操作端末300、注文操作端末400と接続される。なお、
図1において、説明を簡単にするために、情報処理装置200は3台、従業員操作端末300、注文操作端末400は2台ずつ示してあるが、これ以下でもこれ以上存在してもよいことは言うまでもない。
【0027】
情報処理装置200は、蓄積処理等の注文情報の管理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。
【0028】
情報処理装置200は、具体的には、プロセッサによって装置全体が制御されている処理装置であってもよい。当該プロセッサには、バスを介して、RAM及びハードディスクドライブ等の記憶装置(記憶部230)、入出力インタフェース、通信インタフェース等が接続されて構成されている。当該記憶装置は、制御部210における各種処理に必要となる各種処理データやプログラムを記憶する機能を有している。当該入出力インタフェースには、ディスプレイ、キーボード、マウス、外付け記憶媒体等の入出力装置が接続されている。当該通信インタフェースには、ネットワーク500が接続されている。
【0029】
また、情報処理装置200aは、注文管理システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS、Paas、IaaSを適宜用いてもよい。
【0030】
従業員操作端末300a、300bは、飲食店においてフロアや厨房にいる従業員に対して各種情報を出力(画面表示、音声出力、バイブレーション等)又は従業員が操作入力できる電子機器であればよく、例えば、キッチンプリンタ、キッチンディスプレイ端末、ハンディターミナル、タブレット端末、スマートフォン等、その他端末機器であってもよい。なお、以下においては、特に区別の必要がない場合に、従業員操作端末300a、300bを総称して、従業員操作端末300と記載する。
【0031】
注文操作端末400は、顧客が飲食物の注文を入力する操作端末である。注文操作端末400は、具体的には、顧客が着席して飲食を行うテーブル(以降「飲食用テーブル」という)800に設置されて、顧客が着席後に表示されたメニューを見ながらセルフで飲食物を注文するための端末である。顧客に対してメニュー表示を出力でき、注文を操作入力できる電子機器であれば、どの様な機器でもよく、タブレット型の端末、その他の端末機器であってもよい。また、注文操作端末400は、注文操作端末400を回転可能に支持するよう回転軸を有するスタンドを備えて設けてもよい。
【0032】
注文操作端末400は、一例として、
図3及び
図4に示すとおり、顧客が着席するテーブルの上面(天板)に対して垂直な軸を回転軸として水平方向に回転可能に設置されてもよい。また、注文操作端末400は、
図3、
図4及び
図5に示すとおり、注文操作端末400を回転可能に支持するよう回転軸を有するスタンドを備えてもよい。
【0033】
ここで、注文操作端末400の実施例について
図3、
図4及び
図5を用いて説明する。
図3及び
図4は、注文操作端末400の実施例を示す模式図であり、
図5は注文操作端末400の概観の一例を示す模式図である。
【0034】
注文操作端末400は、
図3及び
図4に示すとおり、飲食用テーブル800の上面(天板)に対して垂直な軸を回転軸として水平方向に回転可能に設置されてもよい。
【0035】
注文操作端末400は、
図3(a)に示すとおり、飲食用テーブル800をはさんで対向する二つの席を配置するテーブル形態、かつ、注文操作端末400が飲食用テーブル800の一端に設置されている場合、例えば、席Aに着席した顧客が注文する際、席Aの方に注文操作端末400の表示部450の表示面を向かせるようにスタンド410を反時計周りに15°回転させる。注文操作端末400は、顧客が注文入力する際の注文操作端末400の表示面の向いている方向を検知して、注文を入力した顧客の席が席Aであることを特定する。このような構成により、当該テーブル形態において相席だったとしても顔写真等の撮影技術によらず、注文した顧客の席を簡易的に特定することができ、ひいては簡易的に注文者を識別することができる。
【0036】
また、注文操作端末400は、別の一例として、
図3(b)に示すとおり、カウンタータイプの飲食用テーブル800に席が配置され席と席の間に注文操作端末400を配置したテーブル形態の場合、例えば、席Aに着席した顧客が注文する際、席Aの方に注文操作端末400の表示部450の表示面を向かせるようにスタンド410を反時計周りに15°回転させる。注文操作端末400は、顧客が注文入力する際の注文操作端末400の表示面の向いている方向を検知して、注文を入力した顧客の席が席Aであることを特定する。このような構成により、当該テーブル形態においてカウンタータイプかつ各席に注文操作端末400を設置しなくとも顔写真等の撮影技術によらず、注文した顧客の席を簡易的に特定することができ、ひいては簡易的に注文者を識別することができる。また、注文操作端末400の設置数を減らすことができ、コスト削減をすることもできる。
【0037】
また、注文操作端末400は、別の一例として、
図4(a)に示すとおり、飲食用テーブル800をはさんで対向する四つの席を配置するテーブル形態、かつ、注文操作端末400が飲食用テーブル800の両端に設置されている場合、例えば、席Aに着席した顧客が注文する際、席Aの方に注文操作端末400aの表示部450aの表示面を向かせるようにスタンド410aを反時計周りに15°回転させる。注文操作端末400aは、顧客が注文入力する際の注文操作端末400aの表示部450aの表示面の向いている方向を検知して、注文を入力した顧客の席が席Aであることを特定する。また、席Dに着席した顧客が注文する際、席Dの方に注文操作端末400の表示部450の表示面を向かせるようにスタンド410bを時計周りに15°回転させる。注文操作端末400bは、顧客が注文入力する際の注文操作端末400bの表示部450bの表示面の向いている方向を検知して、注文を入力した顧客の席が席Dであることを特定する。この時、相席だった場合、席Bと席Cが席Aと席Dの注文者のどちらの注文者と同じグループだったか判別する際に、注文操作端末400にグループの人数を入力させてもよい。例えば、席Aから注文する際に「3名」と人数を入力され、席Dから注文する際に「1名」と人数を入力されれば、席Bと席Cが席Aの注文者と同じグループであることが判別できる。
【0038】
また、注文操作端末400は、別の一例として、
図4(b)に示すとおり、飲食用テーブル800をはさんで対向する二つの席を配置するテーブル形態、かつ、注文操作端末400が飲食用テーブル800の中央に設置されている場合、例えば、席Aに着席した顧客が注文する際、席Aの方に注文操作端末400aの表示部450aの表示面を向かせるようにスタンド410aを180°回転させる。逆に、席Bに着席した顧客が注文する際、席Bの方に注文操作端末400aの表示部450aの表示面を向かせるようにスタンド410aを180°回転させて、席A席Bそれぞれにおいて顧客が注文入力する際の注文操作端末400aの表示部450aの表示面の向いている方向を検知する。
【0039】
また、注文操作端末400は、別の一例として、
図4(c)に示すとおり、飲食用テーブル800をはさんで対向する四つの席を配置するテーブル形態、かつ、注文操作端末400が飲食用テーブル800の中央に設置されている場合のケースも上記と同様である。
【0040】
さらに、注文操作端末400は、
図5に示すとおり、表示部450としてタブレット型の端末用いて、方向検知部410として、タブレット型の端末を支持するスタンド用いてもよい。
図5(a)は注文操作端末400の正面(表示面側)から見た正面図であり、
図5(b)は注文操作端末400の裏面(表示面側とは反対側)から見た背面図であり、図(c)は、注文操作端末400の斜視図である。注文操作端末400は、
図5に示すとおり、表示部450としてタブレット型の端末用いて、方向検知部410として、タブレット型の端末を支持するスタンド用いて、タブレット型の端末をスタンドから取り外し可能とすることで、使い勝手のよい注文操作端末400を提供することができる。また、タブレット型の端末は既製品を流用すればいいため、構築も容易にできる。
【0041】
ネットワーク500は、IPネットワークであれば無線でも有線であってもよく、WANやLANなどのあらゆるIPネットワークを含む。ネットワーク500は、例えば、無線による通信であれば、従業員操作端末300、注文操作端末400又は情報処理装置200b(エッジサーバ)、200c(エッジサーバ)は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスして、情報処理装置200a(クラウドサーバ等)と通信してもよい。
【0042】
(機能構成)
図2は、注文管理システム100の機能構成例を示す図である。
図2に示すように、注文管理システム100は、情報処理装置200と、従業員操作端末300と、注文操作端末400とを含む。また、注文管理システム100は、
図2に示すとおり、ネットワーク500を介して、飲食サービスに係る他システム600を接続されてもよい。ここでいう「飲食サービスに係る他システム」とは、注文管理システム100と連携するフロアサービス用ロボット若しくは調理用ロボット等を含む飲食サービスに関する配膳用若しくは調理用システム又はPOSシステム等をいう。
【0043】
(情報処理装置200)
情報処理装置200は、
図2に示すように、制御部210、通信部220、記憶部230を含んで構成される。
【0044】
制御部210は、情報処理装置200の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部210は、一例として、従業員操作端末300若しくは注文操作端末400又は情報処理装置200の各機能部からの処理要求に基づいて、記憶部230に記憶されているメニュー情報、注文履歴情報等の各種情報を参照、更新又は削除処理をし、当該処理結果を従業員操作端末300において出力するための出力情報を生成してもよい。この場合、生成した出力情報は、通信部220及びネットワーク500を介して従業員操作端末300に送信される。
【0045】
また、制御部230は、注文管理部(不図示)を備えてもよく、当該注文管理部は、具体的には、例えば、注文操作端末400が、所定の方向を検知した際に注文入力手段を表示して注文入力を有効化する機能を有してもよい。注文管理部は、エッジ側のエッジサーバである情報処理装置200b又は注文操作端末400のいずれかに備えられればよい。
【0046】
ここで当該有効化について
図6を用いて説明する。
図6は、注文操作端末400の表示部450の画面例を示す模式図である。注文管理部は、通信部320及びネットワーク500を介して、具体的には、
図6に示すとおり、方向検知部410が所定の方向を検知するまでは注文者に回転を促すメッセージを表示する画面を注文端末操作400の表示出力部451に表示させる。注文者が所定の方向まで表示部450を回転させ、それを方向検知部410が検知すると
図6(b)に示すとおり、注文入力を受け付ける注文入力手段を注文端末操作400の表示出力部451に表示させてもよい。このような構成とすることで、注文入力時には必ず所定の方向を向いている状態となり、より精度よく注文者の席を特定することができる。
【0047】
ここでいう「所定の方向」は、顧客が着席状態で注文操作端末400の表示面を操作する際に操作しやすい方向であればよく、表示面の基準とする方向から0°より大きければどの様な方向でもよい。所定の方向は、具体的には、テーブル形態が「カウンター」の場合は、表示面の基準とする表示の方向から5°以上50°以下それぞれの座席側に傾いた方向が好ましく、より好ましくは10°以上30°以下であり、誤作動やテーブル上に置かれた物品への衝突を加味すると、さらに望ましくは15°以上30°以下それぞれの座席側に傾いた方向である。また、テーブル形態が「2人掛けのテーブル」や「4人掛けのテーブル」等であり、かつ、注文操作端末400がテーブル中央に配置された場合は、所定の方向は、略0°又は略180°それぞれの座席側に傾いた方向が好ましい。
【0048】
通信部220は、制御部210の制御によって、ネットワーク500を介して従業員操作端末300又は注文操作端末400との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部220は、具体的には、例えば、注文操作端末400から注文情報を受信したり、従業員操作端末300へ注文情報を送信したりしてもよい。
【0049】
記憶部230は、制御部210の制御によって、情報処理装置200が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部230は、具体的には、席情報、個人情報、注文情報、注文履歴情報、テーブル形態情報等を記憶する。また、記憶部230は、例えば、席情報、個人情報、注文情報、注文履歴情報等の少なくともいずれか二つを紐付けて記憶してもよい。個人情報は来店時に個人情報の識別子(例えば、ICチップ)が組み込まれたカードを持参した場合、当該識別子をカードリーダ等の読み取り装置で読み取り、注文情報等と紐付けてもよい。
【0050】
ここで「テーブル形態情報」とは、テーブルごとの席の形態を示す情報であり、例えば、テーブルに対する席の配置、席の個数、配置された各席の席情報を示す情報である。また、テーブル形態情報は、テーブル形態の分類を示す「カウンター」「2人掛けのテーブル」「4人掛けのテーブル」等といった分類を含んで構成してもよい。
【0051】
記憶部230は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0052】
(従業員操作端末300)
従業員操作端末300は、
図2に示すように、制御部310、通信部320、記憶部330、出力部340を含んで構成される。
【0053】
制御部310は、従業員操作端末300の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部310は、具体的には、例えば、情報処理装置200又は注文操作端末400から送信された出力情報を記憶部330に記憶させたり、出力部340に出力させたりする。
【0054】
通信部320は、制御部310の制御によって、ネットワーク500を介して情報処理装置200又は注文操作端末400との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部320は、具体的には、例えば、情報処理装置200又は注文操作端末400から注文情報等を受信してもよい。
【0055】
記憶部330は、制御部310の制御によって、従業員操作端末300が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部330は、具体的には、例えば、注文情報等を記憶する。
【0056】
記憶部330は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD、SSD、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0057】
出力部340は、表示部341、音声出力部342、印刷部343を備え、制御部310の制御によって、従業員操作端末300に注文情報を始めとした各種情報を出力する機能を有する。
【0058】
表示部341は、注文情報等の各種情報を表示する機能を有する。表示部341は、具体的には、例えば、厨房に設置するキッチンディスプレイ等として、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いればよい。
【0059】
音声出力部342は、制御部310の制御によって、注文情報等の各種情報を音声出力する機能を有する。音声出力部342は、具体的には、例えば、内臓スピーカーによって実現し直接音声を出力してもよいし、ヘッドフォン又はイヤフォンを接続して有線又は無線で音声信号を外部媒体に出力してもよい。音声出力部342は、具体的には、例えば、厨房やフロアにいる従業員に対して注文情報を音声出力させてもよい。
【0060】
印刷部346は、制御部310の制御によって、厨房に設置するキッチンプリンタ等として、注文情報を紙媒体に印字出力する機能を有する。
【0061】
(注文操作端末400)
注文操作端末400は、
図2に示すように、方向検知部410、通信部420、記憶部430、制御部440、表示部450を含んで構成される。
【0062】
方向検知部410は、注文者の注文入力時の注文操作端末400の表示面の向いている方向を検知する機能を有する。
【0063】
注文操作端末400は、一例として、
図3及び
図4に示すとおり、顧客が着席するテーブルの上面(天板)に対して垂直な軸を回転軸として水平方向に回転可能に設置されてもよい。このとき方向検知部410は、注文操作端末400を回転可能に支持するよう回転軸を有するスタンドを備え、回転軸にそって方向基準情報が示す表示面の基準とする方向からの所定の角度ごとに段階的に固定されたことを検出して、注文入力時の注文操作端末400の表示面の向いている方向を検知してもよい。このように、回転軸を有するスタンドが、所定の角度ごとに段階的に固定する構成とし、当該段階的に固定されたことを検知する構成とすることで、注文入力時に当該段階における角度にしか表示面が向かない(固定されない)ようコントロールできるため、精度よく、かつ、簡易に表示面の向いている方向を検知することができる。
【0064】
また、方向検知部410は、当該固定の位置において、電気回路の接点を設けて、当該固定位置にきたときに電気信号を送るようにして固定されたことを検出してもよい。この「所定の角度」は顧客が着席状態で注文操作端末400の表示面を操作する際に操作しやすい角度であればよく、表示面の基準とする方向からの0°より大きければどの様な角度でもよい。所定の角度は、具体的には、テーブル形態が「カウンター」の場合は、5°以上50°以下が好ましく、より好ましくは10°以上30°以下であり、誤作動やテーブル上に置かれた物品への衝突を加味すると、さらに望ましくは15°以上30°以下である。また、テーブル形態が「2人掛けのテーブル」や「4人掛けのテーブル」等であり、かつ、注文操作端末400がテーブル中央に配置された場合は、所定の角度は、略0°又は略180°が好ましい。
【0065】
方向検知部410は、上記のような構成とすることで、例えば、注文操作端末400から右側の席から注文を入力された場合、時計回りと反対周りに15°回転させて固定したことを検出して右側の席を注文者の席と特定することができ、簡易的に注文者の席を特定することができる。また、方向検知部410は、上記のように所定の角度ごとに段階的に固定される機構を設けることで、それ以外の位置では(所定の角度以外では)固定されないため、注文操作端末400の表示面の向いている方向の検知も容易にすることができる。
【0066】
ここで「方向基準情報」とは、注文操作端末400の表示面の基準とする方向を表す情報であり、例えば、注文操作端末400の表示面が0°の状態を表す基準である。注文操作端末400の起動時の表示面の方向を当該基準としてもよいし、注文操作端末400を支持するスタンドが有する所定の方向を基準としてもよい。このような構成とすることで、注文操作端末400の一部(例えば、表示部(タブレット型端末部分))を充電のために取り外して再びスタンドに設置したときに、注文者の席と特定するにあたって正しく表示面の方向を検知することができる。
【0067】
また、方向検知部410は、注文操作端末400を回転可能に支持するよう回転軸を有するスタンドを備え、当該回転軸に設けられた回転角度センサが検出する向基準情報が示す基準とする方向からの回転量に基づいて、注文入力時の操作端末400の表示面の向いている方向を検知してもよい。方向検知部410は、このような構成とすることで、例えば、注文操作端末400から右側の席から注文を入力された場合、時計回りと反対周りに15°回転させて固定したことを検出して右側の席を注文者の席と特定することができ、簡易的に注文者の席を特定することができる。
【0068】
また、方向検知部410は、注文操作端末400に内蔵された加速度センサ、ジャイロセンサ又は地磁気センサであってもよい。例えば、表示部450に加速度センサ及び地磁気センサ、又は、ジャイロセンサを内蔵させ、加速度センサで表示部450の傾きの変化を、ジャイロセンサ又は地磁気センサで表示部450の表示面の向きの変化を検知し、注文操作端末400の表示面の向いている方向を検知することができる。加速度センサ、ジャイロセンサ又は地磁気センサは注文操作端末400が備えるスタンドに設けて、注文操作端末400の表示面の向いている方向を検知してもよい。
【0069】
通信部420は、制御部440の制御によって、ネットワーク500を介して従業員操作端末300又は情報処理装置200との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部420は、具体的には、例えば、従業員操作端末300へ注文情報を送信したりしてもよい。
【0070】
記憶部430は、制御部440の制御によって、注文操作端末400が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部430は、具体的には、例えば、方向基準情報、席情報、個人情報、注文情報、注文履歴情報等を記憶する。
【0071】
記憶部430は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0072】
制御部440は、注文席特定部441、対応付け部442を備え、注文操作端末400の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。
【0073】
制御部440は、一例として、従業員操作端末300、情報処理装置200又は注文操作端末400の各機能部からの処理要求に基づいて、記憶部430に記憶されている各種情報を参照、算出、更新又は削除処理をし、当該処理結果を表示部450又は従業員操作端末300に出力するための出力情報を生成してもよい。生成した出力情報は、通信部420及びネットワーク500を介して情報処理装置200又は従業員操作端末300に送信される。
【0074】
注文席特定部441は、方向検知部410によって検知された方向を表す方向情報に基づいて、注文を入力した顧客の席を特定する機能を有する。注文席特定部441は、具体的には、例えば、基準とする表示面の方向から反時計周りに15°回転した方向を検知した場合は、注文操作端末400をはさんで右側の席を、注文を入力した顧客の席と特定してもよい。このような構成とすることで、簡易的かつ正確に注文者の席を特定することができる。
【0075】
対応付け部442は、特定された顧客の席と当該顧客が入力した注文とを対応付ける機能を有する。対応付け部442は、当該対応付けた情報を記憶部430に注文情報として記憶する。このような構成とすることで、特定された顧客の席と紐づけた注文情報を記憶し管理することができるため、注文された飲食物の配膳の際や注文伝票の受け渡しの際等において、注文入力した席が把握できるため、使い勝手のよい注文管理システムを提供することができる。
【0076】
また、対応付け部442は、一例として、操作入力部452から入力された人数及びテーブル形態情報に基づいて、特定された顧客の席をグルーピングして、当該グルーピングと顧客が入力した注文とを対応付けてもよい。
【0077】
ここで当該グルーピングについて
図8を用いて説明する。
図8は、注文操作端末400の顧客のグルーピングの例を示す平面図である。対応付け部442は、
図8(a)に示すとおり、注文入力をした席を席A及び席Cと特定し、また、席Aでは注文入力時に人数を「3名」、席Cでは注文入力時に人数を「1名」と入力した場合は、席B及び席Dが席Aと同じグループであることが判別できる。別の例として、対応付け部442は、
図8(b)に示すとおり、注文入力をした席を席A及び席Bと特定し、また、席Aでは注文入力時に人数を「2名」、席Bでは注文入力時に人数を「2名」と入力した場合は、席Cが席Aと同じグループで、席Dが席Bと同じグループであることが判別できる。対応付け部442の機能において、このように構成することで、多様なテーブル形態にも対応できる柔軟性のある注文管理システムを提供することができる。
【0078】
また、制御部440は、注文管理部(不図示)を備えてもよく、当該注文管理部は、具体的には、例えば、方向検知部410が、所定の方向を検知した際に注文入力手段を表示して注文入力を有効化する機能を有してもよい。
【0079】
ここで当該有効化について
図6を用いて説明する。
図6は、注文操作端末400の表示部450の画面例を示す模式図である。注文管理部は、具体的には、
図6に示すとおり、方向検知部410が所定の方向を検知するまでは注文者に回転を促すメッセージを表示する画面を表示出力部451に表示させる。注文者が所定の方向まで表示部450を回転させてそれを方向検知部410が検知すると
図6(b)に示すとおり、注文入力を受け付ける注文入力手段を、表示出力部451に表示させてもよい。このような構成とすることで、注文入力時には必ず所定の方向を向いている状態となり、より精度よく注文者の席を特定することができる。
【0080】
表示部450は、顧客が注文するためのメニュー情報を表示し、注文入力を受け付ける機能を有する。表示部450は、例えば、飲食サービスにおいて注文メニューに記載されているような商品の一覧と、当該商品への注文を指定する入力を受け付ける操作入力手段等を備える。
【0081】
表示出力部451は、顧客が注文するためのメニュー情報を表示し、注文入力のための入力手段を表示する機能を有する。
【0082】
操作入力部452は、制御部440の制御によって、顧客からの注文入力等の操作入力を受け付ける機能を有する。操作入力部452は、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。操作入力部452は、具体的には、例えば、制御部440の制御によって、方向検知部410が、所定の方向を検知した際に注文入力を有効にしてもよい。当該有効化については、上記表示出力部451の例と同様である。このような構成とすることで、注文入力時には必ず所定の方向を向いている状態となり、より精度よく注文者の席を特定することができる。
【0083】
また、操作入力部452は、一例として、顧客の注文入力時に人数の入力を受け付けてもよい。
【0084】
操作入力部452は、制御部440の制御によって、注文入力の結果を注文情報として生成し、当該注文情報を、通信部420を介して、従業員操作端末300又は情報処理装置200へ送信する。
【0085】
(動作例)
図7は、本発明の一実施形態における注文管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【0086】
注文操作端末400の方向検知部410は、顧客の注文入力時の操作端末の表示面の向いている方向を検知する(S10)。方向検知部410は、検知した方向を表す方向情報を生成し、注文席特定部441に伝達する。
【0087】
注文席特定部441は、伝達された方向情報に基づいて、注文を入力した顧客の席を特定する(S11)。注文席特定部441は、特定した顧客の席を示す席情報を生成し、操作入力部452が注文入力を受け付けて生成した注文情報と共に対応付け部442に伝達する。
【0088】
対応付け部442は、席情報及び注文情報に基づいて、特定された顧客の席と顧客が入力した注文とを対応付けて、当該対応付け(対応付けられた顧客の席及び注文)を注文情報に含めて記憶部430に記憶する(S12)。記憶された注文情報は、制御部440の制御によって、従業員操作端末300に通信部420を介して送信される。
【0089】
従業員操作端末300は通信部320を介して注文情報を受信すると、出力部340が当該注文情報を出力する(S13)。
【0090】
情報処理装置200及び従業員操作端末300の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。なお、ここで「回路」は、コンピュータによるデジタル処理、すなわち、ソフトウェアによる機能的処理としての意味合いを含んでもよい。また、当該回路は、再構築可能な回路(例えば、FPGA:Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。
【0091】
情報処理装置200及び従業員操作端末300の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、情報処理装置200及び従業員操作端末300は、各機能を実現するソフトウェアである表示情報生成プログラムの命令を実行するCPU、上記検索プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記検索プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記検索プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記検索プログラムは、当該検索プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記検索プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0092】
なお、上記検索プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。