(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態のう蝕治癒支援装置100の機能構成を示すブロック図である。う蝕治癒支援装置100は、う蝕判定部101、飲食物情報取得部102、口腔行動取得部103、予測モデル記憶部104、口腔内状態予測部105、および行動提案部106を含んで構成されている。
【0012】
このう蝕治癒支援装置100は、いわゆる情報処理装置であって、カメラ101aおよび口腔行動センサ103aと無線または有線により通信可能な装置である。このう蝕治癒支援装置100は、カメラ101aおよび口腔行動センサ103aから取得した各種データに基づいた判定処理を行う。以下、各構成について説明する。
【0013】
う蝕判定部101は、カメラ101aにより撮影された口腔内の画像データに基づいて、各歯のう蝕判定を行う部分である。う蝕判定は、画像診断により行われ、予め定められたう蝕レベルごとの画像パターンとのマッチングを行うことにより行われる。う蝕判定部101は、事前に1回だけ判定を行ってもよいし、毎日判定を行ってもよい。う蝕判定部101は、判定結果を歯ごとに記憶する。
【0014】
カメラ101aは、例えば携帯端末のカメラ、または歯ブラシに備えられたカメラであって、口腔内の画像データを取得し、当該画像データをう蝕判定部101に送信する。
【0015】
飲食物情報取得部102は、カメラ101aにより取得された飲食物を含んだ画像データに基づいて、飲食物の判定をし、その飲食物情報を記憶する部分である。なお、飲食物情報取得部102は、カメラ101aからの画像データに限るものではなく、図示しない情報端末(スマートフォンなど)にユーザが飲食物を指定し、飲食物情報取得部102は、その飲食物情報を取得することにより、判定処理を行うようにしてもよい。また、スマートイヤホン(ジャイロセンサを備える情報処理機能付きのイヤホン)により検出された音に基づいて飲食物を推定することもできる。
【0016】
また、そのほか図示しないセンサ(スマートウォッチ等)の動きに基づいて、飲食物情報を取得するようにしてもよい。例えば、スマートウォッチ等を腕の動きを検出することができる場合には、その腕の動きに基づいて、飲食物を推定することが可能である。
【0017】
口腔行動取得部103は、口腔行動センサ103aにより取得された口腔行動を示す行動情報を取得し、その取得した時刻(行動を起こした時刻)とともに当該行動情報を記憶する部分である。この行動情報は、食事、喫煙、または歯磨きをしているか否かを示す情報であるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
例えば、行動情報は、口腔行動センサ103aとして機能するジャイロセンサ付きスマートウォッチ、ジャイロセンサ付きスマートイヤホンまたはジャイロセンサ付き歯ブラシが検出した腕や頭の動きを示す情報(加速度等)に基づいて定められる。また、スマートイヤホン(ジャイロセンサを備える情報処理機能付きのイヤホン)により検出された音に基づいて行動情報を推定することもできる。
【0019】
口腔行動取得部103は、ユーザの腕や頭の動きを示す情報に基づいて行動を推定し、その行動を行動情報として記憶する。これらセンサ以外には、カメラにより検出された口腔行動の情報を取得してもよいし、またユーザが口腔行動の情報を図示しない情報端末に入力し、その情報を取得するようにしてもよい。
【0020】
予測モデル記憶部104は、予測モデルを生成するための、歯の種類に応じたパラメータ、飲食物に対応するパラメータおよび基準となる予測基準モデルを記憶する。なお、予測モデル記憶部104は、ユーザごとに適したパラメータを記憶してもよい。各種パラメータ、予測基準モデルについては後述する。なお、この予測モデル記憶部104は、う蝕治癒支援装置100の外部である外部サーバに含まれるように構成されてもよい。その場合、う蝕治癒支援装置100は、必要に応じて予測モデル記憶部104から情報の取得を行うようにしてもよい。
【0021】
歯の種類には、例えば、切歯、犬歯、小臼歯、および大臼歯がある。この歯の種類ごとに、歯の汚れ方が異なると考えられるため、その歯の種類ごとに予測モデルを生成するためのパラメータを用意しておくことで、歯ごとの予測を可能にする。
【0022】
口腔内状態予測部105は、う蝕判定部101によりう蝕判定された歯以外を予測対象とし、口腔行動取得部103により取得された行動情報に基づいて、その予測対象の自然治癒状態(pH、すなわち再石灰状態)を予測する。具体的には、まず、口腔内状態予測部105は、ユーザ操作に従って、または予め定められた条件または時刻に達したときに、予測モデルの生成のための処理を行う。さらに、口腔内状態予測部105は、飲食から所定時間経過した状態、または歯磨きをした後、飲食していない状態など、予測モデルの生成条件を満たしたか否かを判断する。
【0023】
そして、口腔内状態予測部105は、生成条件を満たした場合には、予測モデル記憶部104に記憶されている各種パラメータおよび基準となる予測基準モデルに基づいて、各歯の予測モデルを生成する。ユーザごとに対応付けたパラメータを用いる場合には予測モデルはユーザに適したものが生成される。これら予測処理の詳細は後述する。
【0024】
なお、上記の例では、口腔内状態予測部105は、予測モデル記憶部104に記憶されている情報に基づいて、予測モデルを生成しているが、これに限らない。予測モデル記憶部104は、予め歯ごとの予測モデルを記憶しておき、口腔内状態予測部105は、歯ごとに予測モデルを選択してもよい。
【0025】
口腔内状態予測部105は、上記の通り予測モデルを生成し、これに基づいた口腔内の治癒状態を予測する。
【0026】
行動提案部106は、口腔内状態予測部105により予測された内容に基づいて、ユーザに対して行動提案を行う部分である。このユーザは、一般的なユーザ以外の医師を含む。行動提案部106は、口腔内状態予測部105により生成された予測モデル、飲食等をした時間、現在時間ごとに基づいて、再石灰化の時間を計算する。
【0027】
すなわち、行動提案部106は、飲食により脱灰した口腔内状態が、再石灰化に適した臨界pHを上回ったときを、食事等の行動タイミングとして提案する。例えば、「つぎに飲食するまで再石灰化が起きています。間食は控えましょう」などのメッセージを出力する。また、行動提案部106は、飲食後の脱灰状態において予測モデルが生成されたときに、「あと、○○時間で再石灰化が始まる」などのメッセージを出力するようにしてもよい。
【0028】
なお、行動提案部106は、再石灰化時間のみを計算するに限るものではなく、口腔のpHが元の状態に戻る時間を計算してもよい。その場合には、事前にユーザの平常時における口腔のpHを測定しておく必要がある。
【0029】
ここで予測モデルの具体例について説明する。以下の式(1)および式(2)は、予測基準モデルの一例である。
【数1】
ただし、0≦t<t‘とする。
【0031】
f(t):pHの予測値
t:飲食を行った時間からの経過時間
t’:飲食を行ってからpHの予測値が極小になるまでの時間
a:二次関数における係数
b:シグモイド関数における係数
c:飲食物、料理毎に決定されるバイアス
d:シグモイド関数における係数
a、b、c、t’は、飲食物情報取得部102により取得された飲食物または料理の情報に基づいて定められる。飲食物によって、pHが再石灰状態から極小状態になる時間が異なり、また極小状態から再石灰状態になる時間が異なり、またpH自体が異なるためである。dは、歯毎または歯の種類ごとに予め異なる値が与えるものとする。
【0032】
例えば、炭酸飲料のpHは相対的に小さいため、式(1)の係数の値であるaは相対的に大きい値に設定されている。一方、カレー、お茶などは、pHが相対的に大きいため、その係数の値であるaは、pHが小さい飲食物で設定したaより小さい値に設定される。このaは、予め定められた飲食物、料理によって定められており、その飲食物のpHに応じた値が設定されている。
【0033】
したがって、炭酸飲料、オレンジ、ジャガイモ、肉、カレー、お茶の順にpHが段々と大きくなるため、その係数の値であるaは、その飲食物、料理に応じて小さくなるように設定される。なお、係数の値aは、喫煙によっても定まる値としてもよく、飲食物とは異なる値が設定されてもよい。
【0034】
また、炭酸飲料のpHは相対的に小さいため、その係数の値であるbは相対的に大きい値に設定されている。一方、カレー、お茶などは、pHが相対的に大きいため、その係数の値であるbは、pHが小さい飲食物で設定されたbより小さい値に設定される。このbは、予め定められた飲食物、料理によって定められており、その飲食物のpHに応じた値が設定されている。
【0035】
例えば、炭酸飲料、オレンジ、ジャガイモ、肉、カレー、お茶の順にpHが段々と大きくなるため、その係数の値であるbは、その飲食物、料理に応じて小さくなるように設定される。なお、係数の値bは、喫煙によっても定まる値としてもよく、飲食物とは異なる値が設定されてもよい。
【0036】
また、例えば、炭酸飲料のpHは相対的に小さいため、そのバイアス値であるcは相対的に小さい値に設定されている。一方、カレー、お茶などは、pHが相対的に大きため、そのバイアス値であるcは、pHが小さい飲食物で設定されたcより大きい値に設定される。このcは、予め定められた飲食物、料理によって定められており、その飲食物のpHに応じた値が設定されている。
【0037】
例えば、炭酸飲料、オレンジ、ジャガイモ、肉、カレー、お茶の順にpHが段々と大きくなるため、そのバイアス値であるcは、その飲食物、料理に応じて大きくなるように設定される。なお、バイアス値cは、喫煙によっても定まる値としてもよく、飲食物とは異なる値が設定されてもよい。
【0038】
これら係数a、b、dおよびバイアス値cは、ユーザごとに設定されてもよい。その設定方法としては、ユーザの唾液量に基づき予め与えられた値を選択するというものが考えられる。その場合には、事前にユーザの唾液量を取得する必要がある。唾液量が多いほど中和効果が高いため、係数b、dおよびバイアス値cは、唾液量が多いほど高い数値が設定される。同様に、係数aは、唾液量が多いほど小さい値が設定される。
【0039】
図2は、歯の種類を示す図である。図に示されるとおり、切歯H1、犬歯H2、小臼歯H3、大臼歯H4は、その順番に従って口の奥に形成されている。奥に行くほど、歯の汚れは残りやすいと考えられるため、上記式(2)の係数dは、奥に行くほど小さい値に設定されることが好ましい。例えば、以下の設定が好ましいものとして考えられる。
【0040】
切歯:d>1
犬歯、小臼歯:d=1
大臼歯:d<1 予測モデル記憶部104は、上述数式および各種係数を記憶している。口腔内状態予測部105は、上記予測モデルに従って、歯ごとの治癒状態(pH)の予測を行う。
【0041】
口腔内状態予測部105は、飲食物または喫煙に応じた係数a、b飲食物または喫煙に応じたバイアス値c、歯ごとまたは歯の種類ごとの係数d、および時間t’を基準モデルに適用して歯ごとまたは歯の種類ごとの予測モデルを生成する。
【0042】
図4は、その予測モデルの一例を示す図である。
図4に示される通り、tが0であるとき、すなわち飲食直後である場合には、口腔は再石灰状態であり、時間が経過するにつれて、脱灰状態となる。tがt’であるときには、pHが極小値を示す脱灰状態となる。その後、pHが極小値を示す脱灰状態から臨界pH状態を経て、再石灰状態に移行する。以降、再石灰状態となり、pHが7に近似するように収束する。
【0043】
行動提案部106は、口腔内状態予測部105が生成した予測モデル、現在の時間、飲食等をした時間に基づいて、再石灰化する時間を計算し、初期う蝕治癒のためのメッセージをユーザに提供する。
【0044】
つぎに、本実施形態のう蝕治癒支援装置100の動作について説明する。
図3は、う蝕治癒支援装置100の動作を示すフローチャートである。う蝕判定部101により、事前に、各歯におけるう蝕が判定され、記憶される(S101)。また、口腔行動取得部103により、事前、事後またはリアルタイムに、食事が摂取されたか否かの行動情報がその摂取した時刻とともに取得される(S102)。また、飲食物情報取得部102により、事前または事後に飲食物情報である食事内容が取得される(S103)。 また、口腔行動取得部103により、歯磨きをしたか否かの情報がその時刻とともに取得される(S104)。これらステップS102〜ステップS104においては、各種情報の取得処理Aが繰り返し行われる。
【0045】
ユーザの操作に従って、または予め定められた条件または時刻に達すると、歯磨きがなされたことを示す歯磨き情報が取得されたか、または食事摂取を行ってから所定時間経過したか、のいずれかの予測モデル生成のための条件を満たすかが、口腔内状態予測部105により、判断される。そして、予測モデル生成のための条件が満たされると判断されると、食事内容(飲食物情報)に基づいて、口腔内状態予測部105により、口腔内のpHの予測のための予測モデルが生成される(S105)。
【0046】
そして、行動提案部106により、食事、喫煙、または歯磨き(行動情報)の時間および予測モデルに基づいて、食事摂取タイミングが計算される(S106)。すなわち、食事等をとった時間と現在の時間とから、飲食からの経過時間が分かり、それを予測モデルに適用することで予測が行われる。そして、行動提案部107により、食事摂取タイミングがユーザに通知される(S107)。行動提案は、例えば食事摂取タイミングに達したときに、食事可の旨の通知をしてもよいし、事前に、食事可能な時間を通知してもよい。
【0047】
つぎに、本実施形態のう蝕治癒支援装置100の作用効果について説明する。
【0048】
本実施形態のう蝕治癒支援装置100は、予測対象であるユーザの口腔の動きを示す行動情報を取得する口腔行動取得部103と、口腔に含まれた飲食物を示す飲食物情報を取得する飲食物情報取得部102と、口腔行動取得部103により取得された行動情報および飲食物情報取得部102により取得された飲食物情報に基づいて口腔の治癒状態を予測する口腔内状態予測部105と、を備える。
【0049】
この実施形態によれば、飲食物情報に基づいて口腔内の治癒状態を予測することができる。一般的に飲食物によって、pHが異なることから、う蝕になりやすいか否かが定まる。したがって、飲食物によっては再石灰化などの治癒状態に移行する時間が異なる。本発明によれば、飲食物に基づいて口腔内の治癒状態を適切に予測することができる。
【0050】
また、本実施形態のう蝕治癒支援装置100において、口腔内状態予測部105は、所定の歯ごとに設けられた、飲食後の時間経過に応じた治癒状態を示した予測モデルを適用することで、当該所定の歯ごとの治癒状態を予測する。
【0051】
この実施形態によれば、歯ごとに予測モデルが設けられており、歯ごとにその治癒状態を予測するため、きめ細かな予測を可能にする。
【0052】
また、本実施形態のう蝕治癒支援装置100は、予測モデルを生成するための、飲食物に対応するパラメータ(バイアス値b)および基準となる予測基準モデル(例えば、上記式(1))を記憶する予測モデル記憶部104をさらに備え、口腔内状態予測部105は、予測モデル記憶部104に記憶されているパラメータおよび予測基準モデル、並びに飲食物情報取得部102により取得された飲食物情報に基づいて、予測モデルを生成し、当該予測モデルに基づいて予測を行う。
【0053】
この実施形態によれば、摂取した飲食物に対応した予測モデルを生成することができ、飲食物に応じた適切な予測を行うことができる。
【0054】
また、本実施形態のう蝕治癒支援装置100は、各歯のう蝕レベル判定を行うう蝕判定部101をさらに備え、口腔内状態予測部105は、う蝕判定部101により判定された所定レベルの歯以外の歯に対して、予測を行う。
【0055】
この実施形態によれば、う蝕のレベルが所定レベルに達しているはについては、予測は行わない。例えば、う蝕の進行レベルが高い歯については、初期う蝕の治癒を目的とした本実施形態にそぐわないものであるため、除外することが好ましい。なお、当然に全部の歯に対して予測を行ってもよい。
【0056】
また、本実施形態のう蝕治癒支援装置100は、口腔内状態予測部105により予測された治癒状態に基づいて、ユーザに対して行動提案を行う行動提案部106をさらに備える。
【0057】
この実施形態によれば、ユーザに対して初期う蝕治癒のための適切なアドバイスを提案することができる。
【0058】
また、本実施形態のう蝕治癒支援装置100は、口腔行動取得部103は、行動情報に加えて口腔の動きをした時間情報を取得し、行動提案部106は、時間情報に基づいて、治癒支援のためのメッセージを出力する。
【0059】
これにより、行動提案部106は、飲食等をした時間に基づいた治癒支援のためのメッセージを出力することができ、ユーザに対して適切なアドバイスをすることができる。
【0060】
また、本実施形態のう蝕治癒支援装置100において、口腔内状態予測部105は、歯の種類ごとに生成または設けられた予測モデルを適用して、歯の種類ごとの治癒状態を予測する。
【0061】
この実施形態によれば、歯の種類ごとに歯の汚れ方が違うため、それに応じて予測モデルを用いて治癒状態を予測することが好ましいと考えられる。本実施形態においては、このような予測モデルを用いることで適切な予測を行うことができる。
【0062】
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0063】
例えば、本発明の一実施の形態におけるう蝕治癒支援装置100は、本実施形態のう蝕治癒支援装置100の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図5は、本実施形態に係るう蝕治癒支援装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のう蝕治癒支援装置100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0064】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。う蝕治癒支援装置100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0065】
う蝕治癒支援装置100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0066】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、口腔内状態予測部105は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0067】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、う蝕治癒支援装置100の口腔内状態予測部105は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0068】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0069】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0070】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述のう蝕判定部101、飲食物情報取得部102、口腔行動取得部103などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0071】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0072】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0073】
また、う蝕治癒支援装置100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0074】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0075】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0076】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0077】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0078】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0079】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0080】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0081】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0082】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0083】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0084】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0085】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0086】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0087】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0088】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0089】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0090】
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0091】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0092】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0093】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。