(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する。
【0009】
また、本明細書中、便宜上「上」、又は、「下」という用語を用いる場合がある。「上」、又は、「下」とはあくまで図面内での相対的位置関係を示す用語であり、重力に対する位置関係を規定する用語ではない。
【0010】
以下、実施形態の半導体装置を、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、第1の表面と第1の裏面を有し、第1の表面の側に第1のメモリ回路が設けられた第1のメモリチップと、第2の表面と、第1の表面と向かい合う第2の裏面を有し、第2の表面の側に第2のメモリ回路が設けられ、第1のメモリチップと電気的に接続された第2のメモリチップと、第2のメモリチップとの間に第1のメモリチップが設けられ、第3の表面と第3の裏面を有し、第3の表面の側にロジック回路が設けられ、第1のメモリチップと電気的に接続されたロジックチップと、を備える。
【0012】
図1は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の半導体装置は、半導体メモリ100である。
【0013】
半導体メモリ100は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14、ロジックチップ15、再配線層(RDL:Redistribution Layer)20(配線体)、封止樹脂22(第1の樹脂)、スペーサ樹脂24(第2の樹脂)、TSV(Through Silicon Via)26、マイクロバンプ28、接続端子30、外部端子32を備える。
【0014】
半導体メモリ100は、半導体製造プロセスを用いて製造された再配線層20で、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を外部端子32に接続するFO−WLP(Fan Out Wafer Level Package)である。
【0015】
第1のメモリチップ11は、表面11a(第1の表面)、裏面11b(第1の裏面)、メモリ回路11c(第1のメモリ回路)を有する。裏面11bは、表面11aの反対側に位置する。第1のメモリチップ11は、例えば、単結晶シリコンを用いて製造されている。
【0016】
メモリ回路11cは、第1のメモリチップ11の表面11a側に設けられる。メモリ回路11cには、例えば、トランジスタ、メモリセル、金属配線が含まれる。
【0017】
第2のメモリチップ12は、第1のメモリチップ11の上に設けられる。第2のメモリチップ12は、表面12a(第2の表面)、裏面12b(第2の裏面)、メモリ回路12c(第2のメモリ回路)を有する。第2のメモリチップ12の裏面12bは、第2のメモリチップ12の表面12aの反対側に位置する。第2のメモリチップ12の裏面12bは、第1のメモリチップ11の表面11aと向かい合う。第2のメモリチップ12は、例えば、単結晶シリコンを用いて製造されている。
【0018】
メモリ回路12c(第2のメモリ回路)は、第2のメモリチップ12の表面12a側に設けられる。メモリ回路12cには、例えば、トランジスタ、メモリセル、金属配線が含まれる。第2のメモリチップ12は、第1のメモリチップ11と同一の構成を有する。
【0019】
第3のメモリチップ13は、第2のメモリチップ12の上に設けられる。第4のメモリチップ14は、第3のメモリチップ13の上に設けられる。第3のメモリチップ13及び第4のメモリチップ14は、第1のメモリチップ11と同一の構成を有する。
【0020】
第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14は、データを記憶する機能を有する。第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。
【0021】
第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14は内部に、TSV26を有する。また、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14のそれぞれの間には、マイクロバンプ28が設けられる。
【0022】
第1のメモリチップ11と第2のメモリチップ12、第2のメモリチップ12と第3のメモリチップ13、第3のメモリチップ13と第4のメモリチップ14は、TSV26とマイクロバンプ28を用いて、電気的に接続される。
【0023】
ロジックチップ15は、第1のメモリチップ11の下に設けられる。ロジックチップ15と第2のメモリチップ12との間に第1のメモリチップ11が設けられる。ロジックチップ15は、第1のメモリチップ11の裏面11bと向かい合う。
【0024】
ロジックチップ15は、表面15a(第3の表面)、裏面15b(第3の裏面)、ロジック回路15cを有する。ロジックチップ15の裏面15bは、表面15aの反対側に位置する。ロジックチップ15は、例えば、単結晶シリコンを用いて製造されている。
【0025】
ロジック回路15cは、ロジックチップ15の表面15a側に設けられる。ロジック回路15cには、例えば、トランジスタ、金属配線が含まれる。
【0026】
ロジックチップ15は、演算機能を備える。ロジックチップ15は、例えば、インターフェースチップである。
【0027】
再配線層20は、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11の間に設けられる。再配線層20は、表面20a(第4の表面)、裏面20b(第4の裏面)、第1の金属配線20c、第2の金属配線20d(配線)、樹脂層20eを有する。再配線層20の裏面20bとロジックチップ15が向き合う。
【0028】
第1の金属配線20cと第2の金属配線20dは、樹脂層20eの中に設けられる。樹脂層20eは、例えば、ポリイミドである。
【0029】
再配線層20は、第1の金属配線20cと第2の金属配線20dの2層の配線層を有する多層配線構造である。再配線層20は、配線層が1層の単層配線構造であっても、配線層が3層以上の多層配線構造であってもかまわない。
【0030】
再配線層20の幅(
図1中のw1)は、第1のメモリチップ11の幅(
図1中のw2)よりも広い。再配線層20の面積は、第1のメモリチップの面積よりも広い。
【0031】
再配線層20は、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11を電気的に接続する。また、再配線層20は、第1のメモリチップ11と外部端子32を電気的に接続する。
【0032】
接続端子30は、ロジックチップ15と再配線層20を電気的に接続する。接続端子30は、第2の金属配線20dに電気的に接続される。接続端子30は、例えば、マイクロバンプである。
【0033】
外部端子32は、再配線層20の裏面20b側に設けられる。外部端子32は、第2の金属配線20dに電気的に接続される。外部端子32は、例えば、はんだボールである。
【0034】
外部端子32と接続端子30は、第2の金属配線20dによって電気的に接続される。外部端子32と接続端子30は、例えば、第2の金属配線20dよりも再配線層20の表面20a側にある導体を経由せずに電気的に接続される。例えば、外部端子32と接続端子30は、第1の金属配線20cを経由せずに接続されている。外部端子32と接続端子30は、例えば、再配線層20の中で、最も再配線層20の裏面20bに近い金属配線のみで接続される。外部端子32と接続端子30は、例えば、再配線層20の中で、最もロジックチップ15に近い金属配線のみで接続される。
【0035】
封止樹脂22は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を覆う。封止樹脂22は、再配線層20と第1のメモリチップ11との間にも設けられる。また、封止樹脂22は、第1のメモリチップ11と第2のメモリチップ12との間、第2のメモリチップ12と第3のメモリチップ13との間、第3のメモリチップ13と第4のメモリチップ14との間にも設けられる。
【0036】
封止樹脂22は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を保護する機能を有する。封止樹脂22は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする。封止樹脂22には、例えば、フィラ―として含まれる。フィラ―は、例えば、シリカ粒子である。
【0037】
スペーサ樹脂24は、再配線層20と第1のメモリチップ11との間に複数設けられる。スペーサ樹脂24は、第1のメモリチップ11と第2のメモリチップ12との間、第2のメモリチップ12と第3のメモリチップ13との間、第3のメモリチップ13と第4のメモリチップ14との間にも複数設けられる。スペーサ樹脂24は、封止樹脂22と異なる。スペーサ樹脂24は、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BCB(ベンゾシクロブテン)樹脂等で形成されることが好ましい。
スペーサ樹脂24には、例えば、フィラ―が含まれない。
【0038】
スペーサ樹脂24は、半導体メモリ100を製造過程において、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を、再配線層20の上に順に積層する際に、チップ間の距離を確保するためのスペーサとして機能する。また、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14のそれぞれを接着する接着剤として機能する。
【0039】
スペーサ樹脂24を間に挟んで、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を積層した後に、封止樹脂22を用いて第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を、封止する。スペーサ樹脂24を用いることで、半導体メモリ100の製造プロセスが簡略化される。
【0040】
次に、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
【0041】
図2は、比較例の半導体装置の模式断面図である。比較例の半導体装置は、半導体メモリ900である。
【0042】
半導体メモリ900は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14、ロジックチップ15、シリコンインターポーザー21、封止樹脂22、アンダーフィル樹脂25、TSV26、マイクロバンプ28、バンプ29、接続端子30、外部端子32を備える。
【0043】
半導体メモリ900は、シリコンインターポーザー21を用いて、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を外部端子32に接続するパッケージである。例えば、バンプ29、シリコンインターポーザー21内のTSV21aを用いて、第1のメモリチップ11は、外部端子32に電気的に接続される。
【0044】
第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14、ロジックチップ15の個々の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0045】
半導体メモリ900では、第1の実施形態の半導体メモリ100と異なり、ロジックチップ15は、第1のメモリチップ11の表面11aと向かい合う。ロジックチップ15のロジック回路15cは、第1のメモリチップ11のメモリ回路11cと向かい合う。
【0046】
また、第1の実施形態と異なり、第2のメモリチップ12の表面12aが、第1のメモリチップ11の裏面11bと向かい合うように、第1のメモリチップ11と、第2のメモリチップ12が積層される。このため、第2のメモリチップ12のメモリ回路12cが、第2のメモリチップ12のロジックチップ15に近い側に存在することになる。
【0047】
また、第1の実施形態と異なり、ロジックチップ15は、配線体であるシリコンインターポーザー21と第1のメモリチップ11との間に設けられる。ロジックチップ15とシリコンインターポーザー21との間には、アンダーフィル樹脂25が設けられる。
【0048】
また、第1の実施形態と異なり、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11との間、第1のメモリチップ11と第2のメモリチップ12との間、第2のメモリチップ12と第3のメモリチップ13との間、第3のメモリチップ13と第4のメモリチップ14との間に設けられる樹脂は、封止樹脂22のみである。スペーサ樹脂24は用いられない。
【0049】
半導体メモリ900では、複数のメモリチップ、すなわち、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を一つのパッケージ内に納めることで、半導体メモリ900の大容量化、高速化、低消費電力化が実現される。そして、ロジックチップ15を同じパッケージ内に納めることで、半導体メモリ900の高機能化が実現される。
【0050】
しかし、ロジックチップ15は動作時の発熱量がメモリチップと比較して大きい。このため、ロジックチップ15の発熱により、メモリチップが誤動作したり、メモリチップの信頼性が低下したりするおそれがある。半導体メモリ900では、特に、ロジックチップ15に近接する第1のメモリチップ11や第2のメモリチップ12に対する影響が問題となる。
【0051】
第1の実施形態の半導体メモリ100では、半導体メモリ900と異なり、ロジックチップ15は、第1のメモリチップ11の裏面11bと向かい合う。言い換えれば、ロジックチップ15は、第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとは向かい合わない。したがって、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離を、半導体メモリ900よりも長くすることが可能である。
【0052】
また、第1の実施形態の半導体メモリ100では、半導体メモリ900と異なり、第2のメモリチップ12の裏面12bが、第1のメモリチップ11の表面11aと向かい合うように、第1のメモリチップ11と、第2のメモリチップ12が積層される。このため、第2のメモリチップ12のメモリ回路12cが、第2のメモリチップ12のロジックチップ15から遠い側に存在することになる。
【0053】
したがって、第1の実施形態の半導体メモリ100では、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離、及び、ロジックチップ15と第2のメモリチップ12のメモリ回路12cとの距離を、長くすることができる。よって、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を抑制できる。
【0054】
第1の実施形態の半導体メモリ100では、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11との間に、再配線層20が設けられる。したがって、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離、及び、ロジックチップ15と第2のメモリチップ12のメモリ回路12cとの距離を、更に長くすることができる。よって、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を、更に抑制できる。
【0055】
特に、配線体として、シリコン等の半導体に比べ、熱伝導率の低い樹脂層20eを含む再配線層20を用いることで、ロジックチップ15と、第1のメモリチップ11及び第2のメモリチップ12との間の断熱性が向上する。したがって、ロジックチップ15から、第1のメモリチップ11及び第2のメモリチップ12に伝達される熱量を低減させることができる。
【0056】
また、第1の実施形態の半導体メモリ100において、外部端子32とロジックチップ15を接続する接続端子30は、第2の金属配線20dよりも再配線層20の表面20a側にある導体を経由せずに電気的に接続されることが好ましい。外部端子32と接続端子30は、再配線層20の中で、最も再配線層20の裏面20bに近い金属配線のみで接続されることが好ましい。この構成により、ロジックチップ15の熱が、熱伝導率の高い金属配線を用いて短い経路で外部端子32に伝達される。したがって、ロジックチップ15から、第1のメモリチップ11及び第2のメモリチップ12に伝達される熱量が低減する。よって、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を、更に抑制できる。
【0057】
また、第1の実施形態の半導体メモリ100において、封止樹脂22に含まれるフィラ―の体積割合が、スペーサ樹脂24に含まれるフィラ―の体積割合よりも大きいことが好ましい。また、封止樹脂22がフィラ―を含み、スペーサ樹脂24がフィラ―を含まないことがより好ましい。封止樹脂22がフィラ―を含むことで、封止樹脂22の強度が向上する一方、熱伝導率の高いフィラ―により封止樹脂22全体の熱伝導率が高くなる。
【0058】
ロジックチップ15と第1のメモリチップ11との間、及び、第1のメモリチップ11と第2のメモリチップ12との間に、部分的にフィラ―を含まないスペーサ樹脂24を設けることで、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11との間、及び、第1のメモリチップ11と第2のメモリチップ12との間の断熱性が向上する。したがって、ロジックチップ15から、第1のメモリチップ11及び第2のメモリチップ12に伝達される熱量が低減する。よって、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を、更に抑制できる。
【0059】
以上、第1の実施形態の半導体メモリ100によれば、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を抑制できる。
【0060】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、第1のメモリチップの第1の裏面と、ロジックチップの第3の裏面とが向かい合う点で、第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
【0061】
図3は、第2の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第2の実施形態の半導体装置は、半導体メモリ200である。
【0062】
半導体メモリ200は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14、ロジックチップ15、TSV16(貫通電極)、再配線層20(配線体)、封止樹脂22(第1の樹脂)、スペーサ樹脂24(第2の樹脂)、TSV26、マイクロバンプ28、接続端子30、外部端子32を備える。
【0063】
半導体メモリ200は、半導体製造プロセスを用いて製造された再配線層20で、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を外部端子32に接続するFO−WLPである。
【0064】
第1のメモリチップ11は、表面11a(第1の表面)、裏面11b(第1の裏面)、メモリ回路11cを有する。ロジックチップ15は、表面15a(第3の表面)、裏面15b(第3の裏面)、ロジック回路15cを有する。
【0065】
第1のメモリチップ11の裏面11bと、ロジックチップ15の裏面15bが向かい合う。言い換えれば、再配線層20の裏面20bとロジックチップ15の裏面15bが向かい合う。
【0066】
ロジックチップ15内に、TSV16が設けられる。TSV16、接続端子30、再配線層20、マイクロバンプ28を用いて、ロジックチップ15のロジック回路15cと第1のメモリチップ11が電気的に接続される。
【0067】
第2の実施形態の半導体メモリ200では、ロジックチップ15のロジック回路15cと第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離を、第1の実施形態の半導体メモリ100に比べ、長くすることが可能である。よって、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を、更に抑制できる。
【0068】
以上、第2の実施形態の半導体メモリ200によれば、第1の実施形態の半導体メモリ100と比較して、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を、更に抑制できる。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置は、第1のメモリチップの第1の表面と、第2のメモリチップの第2の表面とが向かい合う点で、第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
【0070】
図4は、第3の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第3の実施形態の半導体装置は、半導体メモリ300である。
【0071】
半導体メモリ300は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14、ロジックチップ15、再配線層20(配線体)、封止樹脂22(第1の樹脂)、スペーサ樹脂24(第2の樹脂)、TSV26、マイクロバンプ28、接続端子30、外部端子32を備える。
【0072】
半導体メモリ300は、半導体製造プロセスを用いて製造された再配線層20で、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を外部端子32に接続するFO−WLPである。
【0073】
第1のメモリチップ11は、表面11a(第1の表面)、裏面11b(第1の裏面)、メモリ回路11c(第1のメモリ回路)を有する。第2のメモリチップ12は、表面12a(第2の表面)、裏面12b(第2の裏面)、メモリ回路12c(第2のメモリ回路)を有する。
【0074】
第1のメモリチップ11の表面11aと、第2のメモリチップ12の表面12aが向かい合って接合される。言い換えれば、第1のメモリチップ11のメモリ回路11cと、第2のメモリチップ12のメモリ回路12cとが向かい合って接合される。
【0075】
半導体メモリの高速化や低消費電力化の観点から、メモリチップの厚さを薄くしTSVの寄生容量を低減させることが好ましい。しかし、TSVをウェハレベルで形成する際に、ウェハが薄くなりすぎるとハンドリングが困難になる。
【0076】
半導体メモリ300では、TSV製造時に第1のメモリチップ11を含むウェハと、第2のメモリチップ12を含むウェハを貼り合わせて製造する。したがって、TSV形成の際のウェハ強度は保ちつつ、第1のメモリチップ11と第2のメモリチップ12の厚さを薄くすることができる。したがって、TSVの寄生容量が低減し、半導体メモリ300の高速化及び低消費電力化が実現できる。
【0077】
以上、第3の実施形態の半導体メモリ300によれば、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を抑制できる。更に、高速化及び低消費電力化が実現できる。
【0078】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の半導体装置は、第1のメモリチップの第1の表面と、第2のメモリチップの第2の裏面とが向かい合う点で、比較例と異なっている。以下、比較例及び第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
【0079】
図5は、第4の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第4の実施形態の半導体装置は、半導体メモリ400である。
【0080】
半導体メモリ400は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14、ロジックチップ15、シリコンインターポーザー21、封止樹脂22(第1の樹脂)、スペーサ樹脂24(第2の樹脂)、TSV26、マイクロバンプ28、バンプ29、接続端子30、外部端子32を備える。
【0081】
半導体メモリ400は、シリコンインターポーザー21を用いて、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を外部端子32に接続するパッケージである。例えば、バンプ29、シリコンインターポーザー21内のTSV21aを用いて、第1のメモリチップ11は、外部端子32に電気的に接続される。
【0082】
半導体メモリ400では、比較例の半導体メモリ900と異なり、ロジックチップ15は、第1のメモリチップ11の裏面11bと向かい合う。言い換えれば、ロジックチップ15は、第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとは向かい合わない。したがって、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離を、半導体メモリ900よりも長くすることが可能である。
【0083】
また、第4の実施形態の半導体メモリ400では、半導体メモリ900と異なり、第2のメモリチップ12の裏面12bが、第1のメモリチップ11の表面11aと向かい合うように、第1のメモリチップ11と、第2のメモリチップ12が積層される。このため、第2のメモリチップ12のメモリ回路12cが、第2のメモリチップ12のロジックチップ15から遠い側に存在することになる。
【0084】
したがって、第4の実施形態の半導体メモリ400では、ロジックチップ15と第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離、及び、ロジックチップ15と第2のメモリチップ12のメモリ回路12cとの距離を、長くすることができる。よって、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を抑制できる。
【0085】
以上、第4の実施形態の半導体メモリ400によれば、比較例の半導体メモり900と比較して、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を抑制できる。
【0086】
(第5の実施形態)
第5の実施形態の半導体装置は、ロジックチップの第3の裏面と第1のメモリチップとが向かい合う点で、第4の実施形態と異なっている。以下、第4の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
【0087】
図6は、第5の実施形態の半導体装置の模式断面図である。第5の実施形態の半導体装置は、半導体メモリ500である。
【0088】
半導体メモリ500は、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14、ロジックチップ15、TSV16,シリコンインターポーザー21、封止樹脂22(第1の樹脂)、スペーサ樹脂24(第2の樹脂)、TSV26、マイクロバンプ28、バンプ29、接続端子30、外部端子32を備える。
【0089】
半導体メモリ500は、シリコンインターポーザー21を用いて、第1のメモリチップ11、第2のメモリチップ12、第3のメモリチップ13、第4のメモリチップ14を外部端子32に接続するパッケージである。例えば、バンプ29、シリコンインターポーザー21内のTSV21aを用いて、第1のメモリチップ11は、外部端子32に電気的に接続される。
【0090】
ロジックチップ15内に、TSV16が設けられる。TSV16、接続端子30を用いて、ロジックチップ15のロジック回路15cと第1のメモリチップ11が電気的に接続される。
【0091】
半導体メモリ500では、第4の実施形態の半導体メモリ400と異なり、ロジックチップ15の裏面15bと第1のメモリチップ11とが向かい合う。ロジックチップ15のロジック回路15cは、第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとは向かい合わない。したがって、ロジックチップ15のロジック回路15cと第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離を、半導体メモリ400よりも長くすることが可能である。同様に、ロジックチップ15のロジック回路15cと第2のメモリチップ12のメモリ回路12cとの距離を、半導体メモリ400よりも長くすることが可能である。
【0092】
第5の実施形態の半導体メモリ500では、ロジックチップ15のロジック回路15cと第1のメモリチップ11のメモリ回路11cとの距離、及び、ロジックチップ15のロジック回路15cと第2のメモリチップ12のメモリ回路12cとの距離を、長くすることができる。よって、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を抑制できる。
【0093】
以上、第5の実施形態の半導体メモリ500によれば、ロジックチップ15の発熱に伴うメモリチップの誤動作及び信頼性の低下を抑制できる。
【0094】
第1乃至第5の実施形態では、配線体として、再配線層20及びシリコンインターポーザー21を例に説明したが、配線体はこの2つの例に限定されるものではない。配線体として、例えば、ガラスエポキシ樹脂を用いたパッケージ基板を適用することも可能である。
【0095】
第1乃至第5の実施形態では、4個のメモリチップが積層される場合を例に説明したが、積層されるメモリチップの数は、2個又は3個、あるいは、5個以上であってもかまわない。
【0096】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。