特許第6892398号(P6892398)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892398
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】両軸受型リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/015 20060101AFI20210614BHJP
【FI】
   A01K89/015 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-6212(P2018-6212)
(22)【出願日】2018年1月18日
(65)【公開番号】特開2019-122326(P2019-122326A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2020年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】崎山 知明
【審査官】 佐藤 智子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−113366(JP,U)
【文献】 特開2015−126712(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3007519(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0194626(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸巻回用のスプールと、
前記スプールを回転させるためにハンドル軸によって支持されて回転操作されるハンドルと、
握持保持される反ハンドル側であるパーミング側の側板が別体として着脱可能に装着される又は前記側板が一体形成される外周略円形状の第1の環状部と、前記ハンドルが位置されるハンドル側の側板装着される外周略円形状の第2の環状部と、前記第1及び第2の環状部にこれらを互いに連結するように一体形成される支柱とを有するフレーム本体で構成されるリール本体と
備え、
前記ハンドル側の側板の前記第2の環状部の外周との間に生じる径方向外方に膨出する空間がカバー体によって閉塞され、前記パーミング側の側板と前記ハンドル側の側板との間で前記スプールが回転可能に支持される両軸受型リールにおいて、
前記パーミング側の前記第1の環状部の中心軸線が前記ハンドル側の前記第2の環状部の中心軸線よりも前記ハンドル軸の中心軸線の方へ偏位されていることを特徴とする両軸受型リール。
【請求項2】
機能部材を支持するための支持部が、少なくとも前記フレーム本体の前記第1の環状部の外周後部に径方向外方へ向けて部分的に突出形成されていることを特徴とする請求項に記載の両軸受型リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両軸受型リールに関し、特に、リール本体を握ってハンドルを操作する際の操作性を向上させる両軸受型リールに関する。
【背景技術】
【0002】
両軸受型リールは、一般に、釣糸を巻回するスプールがリール本体の左右側板間に回転可能に設けられ、スプールと一体回転するスプール軸の両側が軸受を介してリール本体に支持されて成る(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような両軸受型リールの実釣時における魚釣り操作では、釣糸放出操作および釣糸巻取操作が一連の動作の中で行なわれる。特に、釣糸巻取操作は、反ハンドル側のリール本体の側板(パーミング側の側板)を釣竿と共に一方の手で握持保持しつつ、他方の手でハンドル側の側板から側方に突出するハンドルを操作することにより行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−81883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した釣糸巻取操作時などにおいてリール本体を握持保持する際には、リール本体のパーミング側の側板に掌を当て付けた状態でこの側板の外側の外周部を手の指先の腹部で押し付けて動かないように保持する。このような保持形態は、特に、ベイトキャスティングリールなどにおいてリール全体を手で握り込むパーミング操作などでは、リール全体を安定且つ強固に握持保持するために重要である。そのような安定した握持保持を実現できてこそ、ハンドル操作を安定して行なうことができる。
【0006】
しかしながら、従来の両軸受型リールでは、パーミング側の側板の中心軸線とハンドル側の側板の中心軸線とがほぼ一致した状態で、ハンドル軸(ハンドルの支軸)の中心軸線がパーミング側の側板の中心軸線から前方に離れているため、この離間距離が大きい場合には、ハンドルを操作し辛い。特に、一方の手でパーミング側の側板を握持保持したパーミング状態から、他方の手でハンドルを操作することにより、重い負荷、すなわち、掛かった魚の動きが釣糸を介してリール本体に伝わる大きな負荷に抗して釣糸を巻き取る際(高負荷巻取時)に、手の支点(握っているパーミング側の側板の中心軸線)に対して力点(ハンドル軸の中心軸線)が前方に大きく離れていると、リール本体が左右にぶれてしまい、その振動によりハンドル操作がし辛くなる。また、このようなぶれ(振動)は、仕掛けを動かして魚を誘う釣糸巻取操作時において魚の微妙な当たりをとり辛くする。
【0007】
従来においては、このような中心軸線の位置関係に基づくパーミング状態でのハンドル操作性の影響について考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、パーミング側の側板の中心軸線、ハンドル側の側板が位置される側の中心軸線、及び、ハンドル軸の中心軸線の位置関係を工夫することによりリール本体を握ってハンドルを操作する際(特に高負荷巻取時)の操作性を向上させることができる両軸受型リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明は、釣糸巻回用のスプールと、前記スプールを回転させるためにハンドル軸によって支持されて回転操作されるハンドルと、握持保持されるパーミング側の外周略円形状の側板と前記ハンドルが位置されるハンドル側の側板とが装着される外周略円形状の環状部を有するフレーム本体で構成されるリール本体と備え、前記パーミング側の側板と前記ハンドル側の側板との間で前記スプールが回転可能に支持される両軸受型リールにおいて、前記パーミング側の側板の中心軸線が前記ハンドル側の側板が装着される側の前記フレーム本体の中心軸線よりも前記ハンドル軸の中心軸線の方へ偏位されていることを特徴とする
【0010】
上記構成の両軸受型リールによれば、握持保持するパーミング側の側板の中心軸線が巻き取り操作するハンドルを有するハンドル軸の中心軸線の方へ偏位されているため、パーミング側の側板を手で握持保持する位置(手の支点)がハンドル軸側(力点側)に近づき、ハンドルを用いた釣糸巻取操作を安定して行なうことができる。これにより、特に、一方の手でパーミング側の側板を握持保持したパーミング状態から、他方の手でハンドルを操作することによって、重い負荷、すなわち、掛かった魚の動きが釣糸を介してリール本体に伝わる大きな負荷に抗して釣糸を巻き取る際(高負荷巻取時)に、リール本体が大きく左右にぶれてしまう(振動する)ことを抑制できる(したがって、ハンドル操作を安定して行なえる)。また、このようなぶれ(振動)の抑制は、仕掛けを動かして魚を誘う釣糸巻取操作時において魚の微妙な当たりをとり易くする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、リール本体を握ってハンドルを操作する際(特に高負荷巻取時)の操作性を向上させることができる両軸受型リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明を適用するのにふさわしい一般的な両軸受型リールの一例を示す(ハンドル側で斜め上方から見た)斜視図
図2図1の両軸受型リールを反ハンドル側(パーミング側)で斜め下方から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施態様に係る両軸受型リールの正面図である。
図4図3の両軸受型リールの側面図である。
図5】中心軸線の位置関係を説明するための説明図(図3の両軸受型リールの形状に完全に対応していない)である。
図6】ハンドル側の側板が装着される側のフレーム本体の中心軸線を中心とし、第1象限及び第4象限が位置される側を前記リール本体の後側、第2象限及び第3の象限が位置される側を前記リール本体の前側とする座標系を示し、(a)は、スプールの中心軸線、ハンドル軸の中心軸線、及び、パーミング側の側板の中心軸線の本発明の位置関係を示す分布図、(b)は、スプールの中心軸線、ハンドル軸の中心軸線、及び、パーミング側の側板の中心軸線の従来の位置関係を示す分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る両軸受型リールについて説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明を適用するのにふさわしい一般的な両軸受型リールの一例について説明する。
【0014】
図1及び図2に示される両軸受型リール1のリール本体10は、左右一対の側板2,4(例えば、内側フレームとこれを覆う外側カバーとから成ってもよく、あるいは、一体構造を成してもよい)が釣竿R(図3及び図5参照)に取り付けられるリール取付脚部6により連結されて一体の枠体構造を形成するフレーム本体8を有する。フレーム本体8は、反ハンドル側の左側板2が装着される外周円形の第1の環状部8aと、ハンドル側の右側板4が装着される外周円形の第2の環状部8bと、これらの環状部8a,8bにこれらを互いに連結するように一体形成される支柱8cとによって構成される。なお、リール取付脚部6は、フレーム本体8と一体成形又は別体として形成されて、ネジ締結等により一体的に連結されてもよい。
【0015】
ハンドル軸15aにより支持されるハンドル15が位置する側の右側板(以下、ハンドル側の側板という)4は、側面視で円形または異形(駆動部を収容する部分のみ外方膨出形状)に形成され、一方、反対側の左側板(以下、パーミング側の側板という)2は、側面視で円形または円筒状に形成される(側面視円形状に形成される)。なお、ハンドル側の側板4の円筒状部の一部を径方向外方に膨出させた異形形状に形成した場合は、公知のように、カバー体Kによってフレーム本体8の第2の環状部8bの外周との間に生じる空間が閉塞される。ここで、本明細書中では、左右、上下、前後の方向が、図1に矢印で示される方向として規定されるものとする。
【0016】
パーミング側の側板2とハンドル側の側板4との間には、釣糸が巻回されるスプール12が回転自在に支持される。スプール12は、一対の鍔部12a,12a間に釣糸が巻回される胴部12bを有し、このスプール12を回転駆動する巻き取り駆動機構がハンドル側の側板4の内部空間に収容される。また、この巻き取り駆動機構には、ハンドル15が連結されており、ハンドル15を回転操作することによりハンドル軸15aを含む前記巻き取り駆動機構を介してスプール12を回転させることができるようになっている。
【0017】
なお、ハンドル側の側板4の前記内部空間には、前記巻き取り駆動機構の他、スプール12の胴部12b上に釣糸を均等に巻回するレベルワインド機構Lやドラグ機構等を構成する各種の構成部材も収容される。レベルワインド機構Lは、側板2,4間で延びるとともに前記巻き取り駆動機構と連動して回転する螺軸と、螺軸により案内されつつ筒体21上で左右に往復動するラインガイド22とを有する。
【0018】
スプール12と一体回転するスプール軸60には、ハンドル15により回転駆動される図示しない公知のピニオンが係脱可能に係合できるようになっている。具体的には、リール本体8の第1の環状部8aと第2の環状部8bとの間で上下動可能に配置された機能部材としてのクラッチレバー14を介して図示しないクラッチ機構をON/OFF操作することにより、前記ピニオンは、スプール軸60と係合してスプール軸60と一体的に回転する係合位置と、スプール軸60との係合状態が解除される非係合位置との間で移動できる。
【0019】
なお、クラッチレバー14は、外周形状がパーミング側の側板2と同径で且つ同一形状のフレーム本体8の第1の環状部8aに形成した径方向外方に部分的に突出形成される支持部8a’に支持されている。また、この支持部8a’に対応すべく、パーミング側の側板2にも支持部8a’と同一形状の突出部2aが形成されている。
【0020】
前記非係合位置(クラッチOFF)では、ハンドル15の回転がスプール12に伝わらず、したがって、スプール12がフリー回転状態となって、スプール12から釣糸を放出できる釣糸放出操作を行なうことができる。一方、前記係合位置(クラッチON)では、ハンドル15の回転がスプール12に伝わり、したがって、釣糸をスプール12に巻き取る釣糸巻取操作を行なうことができる。なお、スプール12が自由に回転できるクラッチOFF状態でハンドル15を回転操作することにより自動的にクラッチON状態に戻す公知の自動復帰機構が設けられてもよい。また、本実施形態では、ハンドル側の側板4(具体的には、側板4の膨出部4a)の外側面に設けられた調節ネジ19を介してスプール12と一体化したスプール軸60の端部を押圧し、スプール軸に作用する摩擦力(スプール12の回転に対する制動力)を調整できるようになっている。
【0021】
また、ハンドル15のハンドル軸15a(図2参照)には、前記ドラグ機構と共に前記巻き取り駆動機構の一部を形成するドライブギアが回転可能に装着されており、ハンドル軸15a上でスタードラグ27を回転することにより、ハンドル軸15aに対するドライブギア29の摩擦結合力を変え、所望のドラグ力に調整することができる。これにより、ハンドル15の回転操作による駆動力は、前記ドラグ機構を介してドライブギアに伝達され、このドライブギアから前記ピニオンギアと前記スプール軸とを介してスプール12に伝達される。
【0022】
次に、図3図6を参照して本発明の特徴について説明する。なお、図5は、中心軸線の位置関係を説明するための単なる説明図であり、図3図4の両軸受型リールの形状に完全に対応していない。
【0023】
本発明の一実施態様に係る両軸受型リール(丸型両軸受型リール)1Aは、図3図5に示されるように、パーミング側の側板2の中心軸線O2がハンドル側の側板4が装着される側のフレーム本体8の中心軸線O3よりもハンドル軸15aの中心軸線O1の方へ偏位されていることを特徴とする。図5に示されるように、従来の両軸受型リールでは、一点鎖線のパーミング側の側板2の中心軸線O2’とハンドル側の側板4が装着されるフレーム本体8の第2の環状部8bの中心軸線O3とがほぼ一致しているが、本実施形態に係る両軸受型リール1Aでは、パーミング側の側板2の中心軸線O2がハンドル側の側板4が装着される側のフレーム本体8の中心軸線O3よりも前方へ所定の距離Xだけ偏位してハンドル軸15aの中心軸線O1に近づいている。
【0024】
より具体的には、本実施形態に係る両軸受型リール1Aでは、図6の(a)に示されるように、ハンドル側のフレーム本体の第2の環状部8bの中心軸線O3を中心とし、第1象限I及び第4象限IVが位置される側をリール本体10の後側、第2象限II及び第3の象限IIIが位置される側をリール本体10の前側とする座標系を考えると、この座標系の第1象限Iにスプール12の中心軸線O4が位置され、第3象限IIIにハンドル軸15aの中心軸線O1が位置されるときに、第2象限II又は第3象限IIIにパーミング側の側板2の中心軸線O2が位置されている。これに対し、従来の両軸受型リールでは、図6の(b)に示されるように、第1象限Iにスプール12の中心軸線O4が位置され、第3象限IIIにハンドル軸15aの中心軸線O1が位置されるときに、第1象限II又は第4象限III又は中心O3にパーミング側の側板2の中心軸線O2が位置されている。
【0025】
なお、図6の(a)では、それぞれの中心軸線O1,O2,O4が各象限の所定の位置にあるが、本実施形態における各中心軸線O1,O2,O4の位置はこれらの所定の位置に限定されず、第1象限I内の任意の位置にスプール12の中心軸線O4が位置され、第3象限III内の任意の位置にハンドル軸15aの中心軸線O1が位置されるときに、第2象限内又は第3象限内の任意の位置にパーミング側の側板2の中心軸線O2が位置されていればよい。
【0026】
このように、本実施形態で代表される本発明は、パーミング側の側板2に掌を当て付けた状態で、リール全体を手で握持保持してハンドル操作を行なう小型両軸受型リールを主に対象としており、側板2,4間のレベルワインド装置やクラッチ切換部材の有無、スプール12及び側板2,4等の大きさ等を考慮して、パーミング側の側板2の前方への偏位量Xが設定されることになる。その好ましい条件設定の一例として、本実施形態では、例えば、スプール12の一対の鍔部12aの外径が28mm〜52mm(例えば、34mm又は36mm)、パーミング側の側板2の外径が40mm〜65mm(例えば、56mm)、ハンドル側の側板4が装着される側のフレーム本体8の第2の環状部8bの外径が45mm〜70mm(例えば、60mm)に設定される場合、ハンドル側の側板4が装着される側のフレーム本体8の第2の環状部8bの中心軸線O3に対するパーミング側の側板2の中心軸線O2の前方への偏位量Xは、0.5mm〜5mm(例えば、1.2mm)に設定される。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の両軸受型リール1Aによれば、パーミング側の側板2の中心軸線O2がハンドル側のフレーム本体の第2の環状部8bの中心軸線O3よりもハンドル軸15aの中心軸線O1の方へ偏位されている。すなわち、パーミング側の側板2の中心軸線O2とハンドル側のフレーム本体の第2の環状部8bの中心軸線O3とがずれた状態で(左右非対称な側板配置関係を成して)、パーミング側の側板2の中心軸線O2がハンドル軸15aの中心軸線O1へ近づいている。そのため、パーミング側の側板2を手で握持保持する位置(手の支点)がハンドル軸15a側(力点側)に近づき、ハンドル15を用いた釣糸巻取操作を安定して行なうことができる。これにより、特に、一方の手でパーミング側の側板2を握持保持したパーミング状態から、他方の手でハンドル15を操作することによって、重い負荷、すなわち、掛かった魚の動きが釣糸を介してリール本体10に伝わる大きな負荷に抗して釣糸を巻き取る際(高負荷巻取時)に、リール本体10が大きく左右にぶれてしまう(振動する)ことを抑制できる(したがって、ハンドル操作を安定して行なえる)。また、このようなぶれ(振動)の抑制は、仕掛けを動かして魚を誘う釣糸巻取操作時において魚の微妙な当たりをとり易くする。
【0028】
また、本実施形態では、ハンドル側のフレーム本体の第2の環状部8bの中心軸線O3を中心とする前述した座標系の第1象限Iにスプール12の中心軸線O4が位置され、第3象限IIIにハンドル軸15aの中心軸線O1が位置されるときに、第2象限又は第3象限にパーミング側の側板2の中心軸線O2が位置されている。このような中心軸線の位置関係によれば、実用的観点から、パーミング側の側板2の中心軸線O2をハンドル側のフレーム本体の第2の環状部8bの中心軸線O3よりもハンドル軸15aの中心軸線O1の方へ効果的且つ効率的に偏位させることができる。
【0029】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態では、本発明が丸型の両軸受型リールに適用されているが、本発明は、機能部材を支持するための一部が径方向外方に突出する部分突出部を含めた略円形部を有するパーミング側の側板外周形状及びハンドル側の側板が装着される側のフレーム本体の外周形状を含む様々な形態の両軸受型リールに適用できる。また、パーミング側の側板は、フレーム本体の環状部と一体形成されてもよく、また、フレーム本体の環状部に着脱可能に別体として構成されてもよい。更にまた、中心軸線の位置関係の設定は、多種多様な加工技術、組み立て技術等を駆使してどのような形態で実現されても構わない。また、前述した機能部材としては、クラッチレバー以外に、第1及び第2の環状部同士を螺合状態で連結するセットスクリューや、レベルワインド機構に関連する部材等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0030】
1A 両軸受型リール
2 パーミング側の側板
4 ハンドル側の側板
10 リール本体
12 スプール
14 クラッチレバー(機能部材)
15 ハンドル
15a ハンドル軸
O1 ハンドル軸の中心軸線
O2 パーミング側の側板の中心軸線
O3 ハンドル側の側板の中心軸線
O4 スプールの中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6