(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装着部は、前記ドアの水平中心線から前記装着部の上端までの長さが前記ドアの水平中心線から前記装着部の下端までの長さより長くなるように形成されることを特徴とする、請求項4に記載の衣類処理装置。
前記ヒンジユニットは、前記本体に備えられる制御部と前記ディスプレイ部とを電気的に接続する電気配線の少なくとも一部を収容するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
前記ドアは、前記ヒンジユニットの第1回転中心を軸として1次回転して第1角度で開放され、その後前記ヒンジユニットの第2回転中心を軸として2次回転して第2角度で開放され、
前記第1回転中心は、前記第2回転中心に対して偏心していることを特徴とする、請求項1〜19の何れか一項に記載の衣類処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明による衣類処理装置についてより詳細に説明する。
【0023】
単数の表現には、特に断らない限り複数の表現が含まれる。
【0024】
異なる実施形態であっても、前の実施形態と同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号を付し、それについての重複する説明は省略する。
【0025】
本明細書に開示された実施形態について説明する上で、関連する公知技術についての具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0026】
添付図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものにすぎず、添付図面により本明細書に開示された技術的思想が限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0027】
図1は本発明の一実施形態による衣類処理装置1を示す斜視図であり、
図2a及び
図2bは
図1に示すドア10がそれぞれ1次及び2次回転して衣類投入口20aが開放された状態を示す概念図である。
【0028】
図示のように、衣類処理装置1は、本体20及びドア10を含む。
【0029】
本体20は、衣類処理装置1の外形を形成し、衣類が投入される衣類投入口20aを備える。本実施形態においては、六面体の形状を有する本体20の前面部に衣類投入口20aが形成されたものを示す。
【0030】
本体20の内部には、衣類投入口20aから洗濯物が収容される衣類収容部が備えられる。
【0031】
一例として、本発明の衣類処理装置1が洗濯物の乾燥のための装置として構成される場合、衣類収容部は、本体20の内部に回転可能に備えられるドラム40から構成される。
【0032】
他の例として、本発明の衣類処理装置1が洗濯物の洗濯と乾燥を共に行える装置として構成される場合、衣類収容部は、本体20の内部に備えられて洗濯水が貯蔵されるタブ(図示せず)と、前記タブの内部に回転可能に備えられて洗濯物が収容されるドラム40とから構成される。
【0033】
本体20には、ドラム40を回転させるように構成される駆動ユニット(図示せず)が備えられる。駆動ユニットは、駆動力を発生するモータと、前記駆動力を利用してドラム40を回転させるベルトとを含む。
【0034】
本体20には、洗剤供給部(図示せず)が引き出し及び引き込み可能に引き出し式に設けられる。洗剤供給部を覆うカバー21は、上下方向に回転可能に構成される。
【0035】
本体20には、電源ボタン22が備えられ、衣類処理装置1の電源をオン/オフにするように構成される。ディスプレイ部12がタッチスクリーンで構成される場合、タッチスクリーン12に対するタッチ入力により、電源をオン/オフにするように構成される[電源ボタン22を備えない]。
【0036】
また、ドア10には、ウィンドウ部11及びディスプレイ部12が備えられる。
【0037】
ドア10の閉状態で、ウィンドウ部11は、衣類投入口20aに対応するように配置され、衣類収容部を覗くことができるように構成される。よって、ユーザはウィンドウ部11により衣類収容部に収容された衣類の状態を確認することができる。
【0038】
ディスプレイ部12は、衣類処理装置1で処理される情報を表示(出力)する。例えば、ディスプレイ部12は、衣類処理装置1で駆動される行程(洗濯、脱水、乾燥行程など)の実行画面情報、又はその実行画面情報に対応するUI(User Interface)情報やGUI(Graphic User Interface)情報を表示する。
【0039】
一方、ドア10は、ヒンジユニット(又はヒンジ部、ヒンジモジュール)30により本体20に対して回転可能に設けられ、衣類投入口20aを開閉するように構成される。
【0040】
ドア10の一側にヒンジユニット30が装着された構造において、ドア10の他側には、ドア10を本体20に固定又は固定解除するロック装置が備えられる。ロック装置は、押圧式に構成され、ドア10の他側を1回押すとドア10がロックされ、もう1回押すとドア10のロックが解除されるように形成される。
【0041】
図示のように、本体20は、外面から内側に窪んだ窪みが形成され、内部に衣類投入口20aを備えるドア収容部20bを備える。ドア10は、閉状態ではドア収容部20bに収容され、開状態ではドア収容部20bから離れるように配置される。よって、ドア10は、開状態では衣類投入口20aを開放し、閉状態では衣類投入口20aを閉鎖する。
【0042】
このようにドア10がドア収容部20bに収容される構造を有するので、ドア10の開放時にドア10が本体20に引っ掛からないようにするために、例えばヒンジユニット30は異なる2つの回転軸を有する二重ヒンジ構造を有する。この場合、
図2a及び
図2bに示すように、いずれか一方の回転軸に対する1次回転によりドア10がドア収容部20bから離隔し、その後他方の回転軸に対する2次回転によりドア10が回転するように構成される。
【0043】
このような二重ヒンジ構造により、ドアが大きく、前面とドアの外面間に段差のないドアや、ドアの外面が前記ドア収容部から突出していない陥没型ドアであっても、ドアが90度以上回転して衣類投入口を開放させるメカニズムが実現される。
【0044】
以下、このような二重ヒンジ構造を中心に、ドア10の詳細構造について説明する。
【0045】
図3aは
図1に示す衣類処理装置1の分解斜視図であり、
図3bは
図1に示すドアの分解斜視図であり、
図4a及び
図4bはドアとヒンジユニットの結合状態を示す概念図である。
【0046】
ここでは、衣類投入口が円形に形成され、ドア10がそれに対応するように円形(真円形、楕円形を含む)に形成されたものを示す。しかし、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。衣類投入口とドア10は、多角形(四角形、六角形など)に形成されてもよい。
【0047】
図示のように、ドア10は、ドアフレーム110、ドアウィンドウ120及びドアカバー140を含む。
【0048】
ドアフレーム110にはドア10の閉状態で衣類投入口20aに対向する開口部110aが形成され、ドアウィンドウ120は開口部110aに対応するようにドアフレーム110に設けられる。ドアウィンドウ120は、透光性材質(ガラス、合成樹脂材質など)で形成され、ドア10の閉状態で衣類投入口20aに対応するように配置される。
【0049】
図示のように、ドアフレーム110は、アウターフレーム111と、インナーフレーム112とを含む。アウターフレーム111とインナーフレーム112は、合成樹脂材質(例えば、ABS材質、PC材質など)で形成される。
【0050】
ドアフレーム110にはドアウィンドウ120が装着される。ドアウィンドウ120は、透光性材質(ガラス、合成樹脂材質など)で形成され、ドア10の閉状態で衣類投入口20aに対応するように配置される。また、ドアフレーム110には、ドア10の外観を形成するドアカバー140が結合される。ドアカバー140は、透光性を有するガラス材質又は合成樹脂材質で形成される。
【0051】
本実施形態においては、円形のドア10に対応するようにドアフレーム110とドアカバー140が円形に形成されたものを示す。図示のように、ドアフレーム110が本体20に回転可能に結合され、そのためにヒンジユニット30がドアフレーム110と本体20にそれぞれ結合される。この場合、ヒンジユニット30は、前記円形のドア10の中心を基準に上側で本体20に装着される。ヒンジユニット30とドア10は、ドア10の水平中心線C1に対して上下非対称となる連結地点P1、P2で回転可能に連結される。また、ヒンジユニット30は、衣類投入口20aの水平中心線C2に対して偏心した位置に配置される。
図4a及び
図4bに示すように、ドア10と衣類投入口20aはどちらも円形であるが、ドア10の一側にディスプレイ部12が配置されるので、ドア10は衣類投入口20aとは中心が異なる円形で形成される。このような非対称構造において、ドアの開放構造を実現するために、ヒンジユニット30は、衣類投入口20aの水平中心線C2の上側に偏心した位置に配置され、特異な構造を有する。
【0052】
図示のように、ヒンジユニット30とドア10は、ドア10の水平中心線C1に対して上下非対称となる連結地点P1、P2で連結部33により回転可能に連結される。
【0053】
連結部33は、ドア10の水平中心線C1を基準に、上側に配置される上側連結部33aと、下側に配置される下側連結部33bとを備える。ここで、上側連結部33a及び下側連結部33bは、それぞれ少なくとも1つの連結部を備える。図示のように、上側連結部33a及び下側連結部33bは、ドア10の水平中心線C1を基準に非対称となるように配置される。
【0054】
ここで、連結地点P1、P2は、上側連結部33aの上端地点と、下側連結部33bの下端地点と定義されてもよい。例えば、後述する上側連結部33aの上端のブッシング334(
図5a参照)の位置と、下側連結部33bの下端のブッシングの位置が連結地点P1、P2となる。
【0055】
他の例として、連結地点P1、P2は、上側連結部33aの中間地点(中心)と、下側連結部33bの中間地点(中心)と定義されてもよい。この場合、後述する上側連結部33aのブッシングの中間地点の位置と、下側連結部33bのブッシングの中間地点の位置が連結地点P1、P2となる。
【0056】
より具体的には、ドア10の水平中心線C1から上側連結部33aまでの距離L1が水平中心線C1から下側連結部33bまでの距離L2より大きくなるように形成される。ここで、上側連結部33aと下側連結部33b間の中間地点C3は、ドア10の水平中心線C1より上側に位置する。
【0057】
このように、本発明は、ヒンジユニット30がドア10に対して偏心した位置に配置され、円形のドアと衣類投入口の各中心が異なる位置にあり、ドアにディスプレイ部が備えられた場合に適したドアの開閉構造を提供する。
【0058】
この場合、ヒンジユニット30の中心は衣類投入口20aの水平中心線C2の上側に偏心して配置される。そうすると、ヒンジユニット30は、ヒンジユニット30の図心や重心がドア10の水平中心線C1や衣類投入口20aの水平中心線C2に対して偏心した構造となる。
【0059】
また、ドア収容部20bには貫通孔23が形成され、ヒンジユニット30はドア収容部20bにより遮蔽され、前記ヒンジユニットの連結部は貫通孔23を貫通してドア収容部20bに露出する。連結部33と同様に、ドア収容部20bに形成される貫通孔23は、ドア10の水平中心線C1に対して上下非対称に形成される。よって、ヒンジユニット30において、貫通孔23を貫通してドア収容部20bに露出する部分は衣類投入口20aの水平中心線C2に対して非対称となるか、前記露出する部分の中心は衣類投入口20aの水平中心線C2の上側に配置される。
【0060】
前述した本発明の偏心構造により、衣類投入口とは中心が異なり、上側の重量の方が重い円形ドアを支持する際の動作信頼性を確保できるヒンジユニットが実現される。
【0061】
なお、前記偏心したヒンジユニットの構造は、単一ヒンジだけでなく、本発明の一実施形態として前述した二重ヒンジ構造にも適用することができ、このようなヒンジユニット30の詳細構造については後述する。
【0062】
より具体的な例として、本体20の前面には前面カバー21が装着され、ヒンジユニット30は本体20の内部に装着され、前面カバー21を貫通してドア10に連結される。
【0063】
図示のように、前面カバー21には、衣類投入口20aと共に、
図1及び
図2を参照して前述したドア収容部20bが形成される。ドア10の閉状態で、ドア10はドア収容部20bに収容され、ドア10の外面縁部はそれに隣接する本体20の外面と同一平面をなすように配置される。
【0064】
貫通孔23はドア収容部20bの側壁に形成され、ヒンジユニット30は本体20に備えられたヒンジブラケット(図示せず)に装着され、ヒンジユニット30の少なくとも一部が貫通孔23からドア収容部20bに露出する。前記ヒンジブラケットは、衣類処理装置の本体とヒンジユニット30を連結する役割を果たす。この場合、前記ヒンジブラケットは衣類投入口20aの中心を基準に上側に配置されるので、ヒンジユニット30は衣類投入口20aに対して偏心した位置に配置される。
図1及び
図2を参照して前述したように、ヒンジユニット30の一実施形態として、2つの異なる回転軸を有する二重ヒンジ構造を有するので、ドア10が90度以上回転してドア収容部20bから離れる。以下、このようなヒンジユニット30の構造について、
図1及び
図2と共に、
図5、
図6a、
図6b、
図6c及び
図6dを参照して、より詳細に説明する。
【0065】
図5aは
図3aのヒンジユニットの分解斜視図であり、
図5bは
図3aのヒンジユニットの側面図であり、
図5cは
図3aのヒンジユニットの斜視図であり、
図6a、
図6b、
図6c及び
図6dは
図5aのヒンジユニットによりドアが開放される動作を示す動作図である。
【0066】
図示のように、ヒンジユニット30は前記本体に装着される装着部311を備え、装着部311は下端部の幅(BW)が上端部の幅(TW)より狭くなるように形成される。この場合、前記幅は、前記ドアを正面から見たときの左右方向の幅の距離である。ここで、装着部311は、ドア10の水平中心線C1を基準に、下側の面積が上側の面積より小さくなるように形成される。よって、装着部311の図心又は重心は、ドア10の水平中心線C1より上側に位置する。
【0067】
また、装着部311は、ドア10の水平中心線C1から装着部311の上端までの長さがドア10の水平中心線C1から装着部311の下端までの長さより長くなるように形成される。すなわち、装着部311はドア10の水平中心線C1に対して偏心した位置に配置される。
【0068】
なお、装着部311の構造は、前述したドア10の水平中心線C1に対して偏心したヒンジユニットに関する特徴であるが、後述する二重ヒンジ構造にも適用される。
【0069】
具体的な例として、ヒンジユニット30は、装着部311を有するベース部材310を備える。
【0070】
ベース部材310は、ドアを支持する強度と、ドアの開閉によっても変形しない耐久性とを有する金属材質で形成される。より具体的には、前記ベース部材は、装着部311から突出する突出部312を備える。例えば、装着部311から前記ドアの水平中心線C1に対して上下非対称となるように複数の突出部313、314が突出する。
【0071】
装着部311は、衣類処理装置の本体に装着される部分であり、例えばヒンジブラケットに装着される。この場合、ヒンジユニット30が衣類投入口20aに対して偏心した位置に配置されるので、ベース部材310は、ドア10の水平中心線C1を基準に上側に偏って前記本体、具体的にはヒンジブラケットに装着される。この場合、ベース部材310の複数の突出部313、314間の中心は、衣類投入口20aの水平中心線C2を基準に上側に偏って前記本体に装着される。
【0072】
また、装着部311は、板状部材からなり、一辺が衣類投入口20aの形状に対応するように円弧を形成する。ここで、ベース部材310が前記円形の衣類投入口20aの中心を基準に上側に位置するので、前記一辺は、前記円形の衣類投入口20aの左上側に位置する円弧に沿って形成される。
【0073】
突出部312は、装着部311から突出する片持ち梁状に形成される。この場合、突出部312は、装着部311と鈍角をなす方向に突出する。例えば、突出部312は、前記衣類投入口の直径方向に延びると共に本体20の前面方向に延び、すなわち突出部312は、装着部311に対して傾斜して前記本体の前面方向に延び、前面カバー21の貫通孔23を貫通してドア収容部20bに突出するように形成される。
【0074】
より具体的には、突出部312は、互いに離隔して配置される第1突出部分313及び第2突出部分314を備える。図示のように、第1突出部分313は前記ドアの水平中心線C1を基準に上側に配置され、第2突出部分314は下側に配置される。この場合、第1突出部分313と第2突出部分314は、後述する第1連結部331に結合される。
【0075】
前述したように、装着部311は、下端部の幅が上端部の幅より狭くなるように形成される。前記上端部は、装着部311の上端に近い部分であり、本例示では第1突出部分313と装着部311の上端との間となる。また、前記下端部は、装着部311の下端に近い部分であり、本例示では第2突出部分314と装着部311の下端との間となる。
【0076】
この場合、第1突出部分313と第2突出部分314は、どちらも衣類投入口20aの中心より上側に配置される。この場合、第1突出部分313と第2突出部分314はそれぞれ装着部311に互いに離隔して配置され、装着部311は第1突出部分313から第2突出部分314へ行くほど幅が狭くなるように形成される。例えば、第1突出部分313の装着部311の幅は、第2突出部分314の装着部311の幅より広くなるように形成される。具体的には、第1突出部分313の周辺の装着部311の幅は、第2突出部分314の周辺の装着部311の幅より広くなるように形成される。
【0077】
装着部311の一辺が円弧を形成するので、装着部311の幅が変化するように、装着部311の他辺は上下方向の直線からなる。よって、衣類投入口20aの中心の上側から前記中心に向かうほど装着部311の幅が狭くなる。
【0078】
また、装着部311は、前記本体に装着される面が傾斜するように形成される。例えば、装着部311の上端部より下端部の方が前記連結部に近くなるように、装着部311は、少なくとも一部が連結部33の回転軸に対して傾斜して形成される。すなわち、連結部33は垂直方向に配置され、装着部311は前記垂直方向に対して予め設定された角度θで傾斜するように形成される。図示のように、前記上端部と下端部と共に、前記第1突出部分と前記第2突出部分との間に位置する部分が全て傾斜した形態で形成される。また、それに対応するように、前記本体において前記装着部が装着される部分も傾斜した形態で形成される。
【0079】
第1突出部分313と第2突出部分314の各端部には、ヒンジ軸が挿入される挿入孔315が形成される。前記ヒンジ軸は、本体20に対して固定された位置に配置され、二重ヒンジ構造のいずれかの回転軸を形成するので、第1回転軸321という。
【0080】
図示のように、ヒンジユニット30は、連結部材330を備え、連結部材330が突出部312に連結される。この場合、ドアの回転中心を移動させるように、連結部材330は、前記突出部に回転可能に連結される。
【0081】
この場合、第1回転軸321は、連結部材330が回転可能に連結される固定軸となる。連結部材330は、ドア10の閉状態と開状態との間でドア10の回転中心を移動させるように形成される。例えば、ベース部材310には連結部材330の第1連結部331が連結され、前記ドアが前記連結部材の第2連結部332に回転可能に連結される。
【0082】
偏心ヒンジ構造の例示において、前述した連結部33は第2連結部332となる。ここで、突出部312の一端に前記ドアが回転可能に結合されることにより、突出部312が連結部材330となる。この場合、ヒンジユニット30において、貫通孔23を貫通して前記ドア収容部に露出する部分は突出部の一部と前記突出部の端部に備えられる連結部となり、前記突出部の一部と前記連結部は前記ドアの水平中心線を基準に非対称となるように配置される。
【0083】
二重ヒンジ構造において、連結部材330の一端には第1連結部331が形成され、第1連結部331は、第1回転軸321を介してベース部材310に回転可能に連結される。他の例として、第1連結部331は、連結部材330をベース部材310に摺動移動可能に連結するように形成されてもよい。この場合、前記第1回転軸を代替して連結部材330がベース部材310の突出部に摺動可能に結合される。このように、第1連結部331は、ベース部材310に移動可能に結合される。
【0084】
ドア10の閉状態と開状態との間でドア10の回転中心が移動するように、連結部材330の他端には第2連結部332が形成され、第2連結部332にはドア10が回転可能に連結される。
【0085】
図示のように、第2連結部332には第2回転軸322が装着され、ドア10の回転によりドア10の回転中心は前記第1連結部(又は第1回転軸)から前記第2連結部(又は第2回転軸)に移動する。
【0086】
第2回転軸322にはブッシング334が装着され、ブッシング334にドア10との結合のためのヒンジホルダ351(
図3a参照)が結合される。ヒンジホルダ351はドア10に結合され、ヒンジホルダ351を遮蔽するために、前記ドアにはホルダカバー352がヒンジホルダ351を覆うように装着される。
【0087】
連結部材330は、一方向に延びる第1部材335と、前記第1部材の端部から突出して前記一方向とは異なる方向に延びる第2部材336とを含む。この場合、第1部材335の一端に第1回転軸321が連結され、第1部材335の他端から折り曲げられて前記異なる方向に第2部材336が延びる。また、第2部材336の端部に第2回転軸322が装着され、第2回転軸322に前記ドアが回転可能に結合される。
【0088】
この場合、第1部材335は直線のバー状に形成され、第2部材336は曲線のバー状に形成される。より具体的には、第2部材336は、第1連結部331を中心とする円弧を形成する。よって、第2部材336は、第1連結部331を中心とする円周方向に延びる。
【0089】
一方、ヒンジユニット30は、前記本体に備えられる制御部(メイン回路基板)とディスプレイ部12(
図1参照)とを電気的に接続する電気配線の少なくとも一部を収容するように形成される。例えば、前記ヒンジユニットの少なくとも一部には、前記電気配線を収容する収容溝337が形成される。具体的には、第2部材336には電気配線を収容する収容溝337が形成され、収容溝337を覆うカバー338がヒンジユニット30に装着される。収容溝337は第1部材335まで延びるので、前記電気配線は第1連結部331を経由して衣類処理装置の内部につながる。前記電気配線は、ドアを衣類処理装置の内部の制御部と電気的に接続する経路として備えられる。
【0090】
ここで、連結部材330は、前記ドアの水平中心線を基準に非対称となるように配置される下側連結部材330a及び上側連結部材330bを備え、前記電気配線は、上側連結部材330bを介して前記本体につながる。すなわち、前記電気配線を収容する収容溝337は、上側連結部材330bに形成される。より具体的には、第2部材336が前記ドアの水平中心線を基準に上下にそれぞれ配置される上側部材及び下側部材を備え、収容溝337は前記上側部材に形成される。よって、衣類処理装置の内外部を接続する電気配線の経路を容易に確保することができる。
【0091】
二重ヒンジ構造についてさらに説明すると、第1部材335は、ドアの閉状態で第1連結部331からドア10の背面に近づく方向に突出するように形成される。それに対して、第2部材336は、前記閉状態で第1部材335の端部から前記ドアの前面に近づく方向に突出する。
【0092】
第1部材335と第2部材336は、それらの間の角が鋭角をなすように配置される。ここで、第2部材336は、前記突出部と交差するように形成されるので、前記ドアにおいて第1連結部331に近い一側が第1連結部331の右側に配置される。
【0093】
上記構造を有する連結部材330は、前記ドアが閉状態(
図6a)から回転することにより、第1連結部331を中心に予め設定された範囲で回転するように形成される。この場合、第1連結部331は、第1回転軸321を中心に前記連結部材が予め設定された角度まで回転するように形成される。
【0094】
一方、
図6a、
図6b及び
図6cに示すように、連結部材330の少なくとも一部は、前記ドアの回転により、前記予め設定された範囲内で前記ベース部材の少なくとも一部を通過するように形成される。例えば、第2部材336と第1部材335が順次前記突出部を通過して回転する。
【0095】
このように、第2部材336と第1部材335が順次突出部312を通過して回転すると、それは前記予め設定された範囲の境界(本例示では75度)まで開いた状態(
図6c,以下では中間開状態という)になる。ここで、第1連結部331には、前記境界で前記連結部材が前記ドアを開放する方向に回転することを制限するストッパ(図示せず)が備えられる。図示のように、前記中間開状態は、正面から見てドア10が衣類投入口20aを一部遮蔽する状態になる。
【0096】
ここで、第2回転軸322は、ドア10が前記中間開状態に回転することにより、前記予め設定された角度まで第1回転軸321を中心に回転して衣類投入口20aから遠ざかる方向に移動する。
【0097】
前記中間開状態から第1回転軸321を中心にドア10が続けて回転すると、前面カバー21とドア10の外面との間に段差がないので、前記ドアの一側が前面カバー21に係止される。本例示の二重ヒンジ構造は、ドア10の回転中心が前記中間開状態で第1連結部331から第2連結部332に移動するように形成される。
【0098】
例えば、前記中間開状態で第1回転軸321を中心にドア10の回転が制限されるので、ドア10に外力が加えられると、
図6dのように、前記ドアは第2回転軸322を中心に回転する。例えば、第2回転軸322を中心とするドア10の回転が特定角度(本例示では45度)だけ可能であれば、ドア10は前記中間開状態から前記特定角度だけさらに回転し、正面から見て前記衣類投入口を遮蔽しない状態(開状態)まで開放させる。
【0099】
以上、ドア10を開く動作を中心に二重ヒンジ構造について説明したが、ドア10を閉じる動作は上記説明とは逆になる。例えば、開状態でドア10を閉じる方向に前記ドアに外力が加えられると、前記中間開状態まではドア10が第2回転軸322を中心に回転する。前記外力が続けて加えられると、前記中間開状態から前記閉状態までは、連結部材330がドア10と共に第1回転軸321を中心に回転してドア収容部20bに収容される。
【0100】
上記構造及び動作により、本体から突出しない陥没型ドアであるにもかかわらず、衣類投入口を開閉できる衣類処理装置が実現される。
【0101】
なお、前述したヒンジユニットの構造は様々な形態に変形することができる。以下、図面を参照して、その変形例についてより詳細に説明する。
【0102】
図7は本発明の他の実施形態を示すヒンジユニットの分解斜視図であり、
図8a、
図8b、
図8c及び
図8dは
図7のヒンジユニットによりドアが開放される動作を示す動作図である。
【0103】
本例示のヒンジユニットは、
図5を参照して前述したヒンジユニットと同様に、ベース部材310と、連結部材330と、第1回転軸321と、第2回転軸322とを備え、それらの構造についての説明は前述したとおりである。例えば、ベース部材310は装着部311と突出部312aとを備え、連結部材330は第1部材335と第2部材336とを備え、第1回転軸321が第1連結部331を形成し、第2回転軸322が第2連結部332を形成する。突出部312aは、第1突出部分313及び第2突出部分314aを備える。また、閉状態から開状態にドアが回転することにより、回転中心が第1回転軸321から第2回転軸322に移動する。
【0104】
図示のように、前記ヒンジユニットは、回転ガイド部340をさらに含む。前記連結部材は、第1部材335と第2部材336がそれぞれバー状に延びる構造であるので、ドアの重量により第1連結部331で大きな曲げモーメントが発生することがある。よって、回転ガイド部340は、第1連結部331の強度を補強する構造に形成される。
【0105】
例えば、突出部312a、具体的には第2突出部分314aには、ガイド溝341が形成される。そのために、第2突出部分314aは、
図5を参照して説明したベース部材310の第2突出部314より広い面積を有するように形成される。図示のように、第1部材335と第2部材336が連結される部分には、ガイド溝341に挿入されるガイド突起342が配置される。ガイド溝341は、第1回転軸321を中心とする円弧状に形成される。この場合、連結部材330は、ガイド突起342がガイド溝341の端部に位置するまで回転する。よって、ガイド溝341がストッパの役割を果たし、連結部材330の回転量を決定する。
【0106】
よって、
図8a〜
図8dに示すように、ガイド突起342は、ガイド溝341に沿って移動しながら第1回転軸321を中心に回転する。
【0107】
上記構造によれば、前記ドアが閉状態から中間開状態まで回転する場合に、回転ガイド部340により前記ドアの回転がガイドされるだけでなく、第1連結部331に加えられる曲げモーメントが分散するという効果をもたらす。よって、本例示によれば、よりコンパクトなヒンジ構造であると共に陥没型ドアの開閉信頼性が向上した衣類処理装置が実現される。
【0108】
前述した衣類処理装置は、上記実施形態の構成や方法に限定されるものではなく、上記実施形態に様々な変形が行われるように、各実施形態の全部又は一部を選択的に組み合わせて構成してもよい。