特許第6892511号(P6892511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892511
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】同時可視および蛍光内視鏡イメージング
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20210614BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20210614BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20210614BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   A61B1/00 511
   A61B1/00 520
   A61B1/045 610
   G02B23/24 B
   G02B23/26 B
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-534283(P2019-534283)
(86)(22)【出願日】2018年1月4日
(65)【公表番号】特表2020-505088(P2020-505088A)
(43)【公表日】2020年2月20日
(86)【国際出願番号】US2018012388
(87)【国際公開番号】WO2018136238
(87)【国際公開日】20180726
【審査請求日】2019年8月15日
(31)【優先権主張番号】15/411,221
(32)【優先日】2017年1月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516035068
【氏名又は名称】ヴェリリー ライフ サイエンシズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ガナパティ,ヴィドヤ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエリ,エデン
(72)【発明者】
【氏名】ピポニ,ダニエル
【審査官】 山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−279169(JP,A)
【文献】 特開2010−068924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
A61B 1/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端および前記近位端と反対の遠位端を有する光ファイバ・ケーブルと、
前記遠位端からの出力のために前記光ファイバ・ケーブル内に可視光および励起光を放つために前記光ファイバ・ケーブルの前記近位端に光学的に結合された光源であって、前記光源は、前記可視光と前記励起光との両方を同時に放つように構成され、前記励起光の波長は、前記可視光の波長スペクトルの外にある、光源と、
反射された可視光として前記可視光の反射と、前記反射された可視光と同時に蛍光とを受信する画像センサであって、前記蛍光は前記光源が前記励起光を放つことに応答して生成される、画像センサと、
前記画像センサから組み合わされた画像データを受信するために前記画像センサに結合されたプロセッサと
を含み、前記組み合わされた画像データは、前記反射された可視光および前記蛍光を表し、前記プロセッサは、前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに、
前記組み合わされた画像データを、赤光電荷に対応する赤画像データ、緑光電荷に対応する緑画像データ、および、青光電荷に対応する青画像データを含む、可視画像データと、蛍光光電荷に対応する蛍光画像データとに分離する動作であって、正規化逆解析を使用して前記蛍光画像データおよび前記可視画像データの強度値を判定することを含む、分離する動作、
を含む動作を実行させる論理を含む、内視鏡装置。
【請求項2】
前記画像センサの上に配置されたフィルタをさらに含み、前記フィルタは、前記反射された可視光の大部分を前記画像センサに通過させながら、前記励起光の大部分が前記画像センサに達するのを阻止する、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
1つまたは複数のレーザー源は、前記可視光および前記励起光を放ち、前記励起光の前記波長は、前記可視光の前記波長スペクトルより長い、請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記画像センサ上のカラー・フィルタは、前記反射された可視光と同時に蛍光を前記画像センサに通過させるように構成され、前記蛍光は、前記励起光より長い波長を有する、請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記励起光は、805nm光を含み、前記蛍光は、830nm光を含む、請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに、
前記赤画像データ、前記緑画像データ、前記青画像データ、および前記蛍光画像データを用いて合成画像を形成する動作
を含む動作を実行させる論理をさらに含む、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
光ファイバ・ケーブルと、光源と、画像センサと、プロセッサとを含む、医用イメージングのシステムの作動方法であって、
前記光源が、内視鏡の前記光ファイバ・ケーブルの遠位端から可視光および励起光を同時に発することであって、前記励起光の波長は、前記可視光の波長スペクトルの外にある、発することと、
前記画像センサが、前記可視光を含む反射された可視光を受信することと、
前記画像センサが、複数の染料分子から放たれた蛍光を受信することであって、前記蛍光は、前記複数の染料分子が前記励起光を吸収することに応答して放たれ、前記蛍光は、前記反射された可視光と同時に前記画像センサによって受信され、前記反射された可視光および前記蛍光は、前記画像センサ内で組み合わされた画像データを形成する、受信することと、
前記プロセッサが、前記組み合わされた画像データを、赤光電荷に対応する赤画像データ、緑光電荷に対応する緑画像データ、および、青光電荷に対応する青画像データを含む、可視画像データと、蛍光光電荷に対応する蛍光画像データとに分離することであって、正規化逆解析を使用して前記蛍光画像データおよび前記可視画像データの強度値を判定することを含む分離することと、
を含む医用イメージングのシステムの作動方法。
【請求項8】
前記医用イメージングのシステムは、フィルタをさらに含み、
前記フィルタが、前記励起光の大部分が前記画像センサによって吸収されるのを阻止することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記可視画像データおよび前記蛍光画像データを用いて合成画像を形成することをさらに含み、前記可視画像データおよび前記蛍光画像データは、前記合成画像を作るために同時に表示される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記合成画像は、前記可視画像データを含む可視画像および前記蛍光画像データを含む蛍光画像を含み、前記蛍光画像は、前記可視画像にオーバーレイされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記励起光の前記波長は、前記可視光の前記波長スペクトルより長く、前記蛍光の波長は、前記励起光の前記波長より長い、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数のレーザー源、前記光ファイバ・ケーブルの前記遠位端と反対の前記光ファイバ・ケーブルの近位端で前記可視光および前記励起光を生成することをさらに含み、前記可視光および前記励起光は、前記遠位端から放たれる、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
医用イメージングのシステムであって、
遠位端および前記遠位端と反対の近位端を有する光ファイバ・ケーブルと、
前記遠位端からの出力のために前記光ファイバ・ケーブル内に可視光および励起光を放つために前記光ファイバ・ケーブルの前記近位端に光学的に結合された光源と、
反射された可視光および蛍光を受信する画像センサであって、前記蛍光は前記光源が前記励起光を放つことに応答して生成される、画像センサと、
前記システム内に配置され、前記光源および前記画像センサに電気的に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに、
前記可視光と前記励起光との両方を同時に放つように前記光源に命令する動作であって、前記励起光の波長は、前記可視光の波長スペクトルの外にある、命令する動作と、
前記画像センサから組み合わされた画像データを受信し、前記組み合わされた画像データを、赤光電荷に対応する赤画像データ、緑光電荷に対応する緑画像データ、および、青光電荷に対応する青画像データを含む、可視画像データと、蛍光光電荷に対応する蛍光画像データとに分離する動作であって、正規化逆解析を使用して前記蛍光画像データおよび前記可視画像データの強度値を判定することを含む、分離する動作と
を含む動作を実行させる論理を含む、プロセッサと
を含むシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに、
前記可視光および前記励起光を同時に放つように前記光源内の1つまたは複数のレーザー源を制御する動作と、
前記可視光および前記励起光の強度を独立に制御するために前記1つまたは複数のレーザー源に供給される電力を調整する動作と
を含む動作を実行させる論理をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記画像センサと前記反射された可視光との間に配置された光学フィルタをさらに含み、前記光学フィルタは、ノッチ・フィルタであり、前記励起光の大部分が前記画像センサによって吸収されるのを阻止する、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、全般的に内視鏡イメージングに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 内視鏡検査は、内科医が、挿入可能な器具を使用して患者の内部の器官および腔を見ることを可能にする。これは、推測または診査手術(exploratory surgery)の実行の必要なしに診断を行うための貴重なツールである。時に内視鏡またはボアスコープと呼ばれる挿入可能な器具は、患者に挿入され、関心を持たれている器官または腔の近くに位置決めされる、チューブなどの部分を有する。
【0003】
[0003] 内視鏡は、まず、1800年代初期に誕生し、主に身体の暗い部分を照明するのに使用された(光学イメージングが未成熟であったので)。1950年代後半に、画像を取り込むことのできる最初の光ファイバ内視鏡が開発された。ガラス・ファイバの束が、内視鏡の遠位端からカメラに画像光をコヒーレントに透過させるのに使用された。しかし、この将来性のあるイメージング内視鏡が取り込むことができる画像品質に対する物理的限界があった、すなわち、ファイバの本数が画像の解像度を制限し、ファイバは壊れやすかった。
【0004】
[0004] 今や、内視鏡は、できる限り自然な眺めを内科医に提供するために様々な現代の画像処理技法を使用するので、高解像度画像を取り込むことができる。しかし、時々、イメージングされる器官の間のコントラストを見ることが望ましい場合がある。たとえば、一部の癌は、周囲の健康な組織に非常に似て見える。
【0005】
[0005] 本発明の非限定的で非網羅的な実施形態が、以下の図面を参照して説明され、図面では、そうではないと指定されない限り、同様の符号が、様々な図の全体を通じて同様の部分を指す。適当な場合に図面を混乱させないために、要素のすべての実例が必ずしもラベルを付けられてはいない。図面は、必ずしも原寸通りではなく、その代わりに、説明される原理を示すことに重きが置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】[0006]本開示の実施形態による、内視鏡システムを示す図である。
図1B】[0007]本開示の実施形態による、内視鏡発光スペクトルおよび対応する蛍光発光スペクトルを示す図である。
図1C】[0008]本開示の実施形態による、可視光および励起光を放ち、蛍光発光スペクトルを受信し、スクリーン上に合成画像を形成する内視鏡を示す図である。
図2】[0009]本開示の実施形態による、内視鏡発光体を示す図である。
図3A】[0010]本開示の実施形態による、可視画像および蛍光画像を計算する方法を示す図である。
図3B】[0010]本開示の実施形態による、可視画像および蛍光画像を計算する方法を示す図である。
図3C】[0010]本開示の実施形態による、可視画像および蛍光画像を計算する方法を示す図である。
図3D】[0010]本開示の実施形態による、可視画像および蛍光画像を計算する方法を示す図である。
図4】[0011]本開示の実施形態による、医用イメージングの方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0012] 同時可視および蛍光内視鏡イメージングのシステムおよび方法の実施形態を、本明細書で説明する。以下の説明では、多数の特定の詳細が、実施形態の完全な理解をもたらすために示される。しかし、当業者は、本明細書で説明される技法を、特定の詳細のうちの1つまたは複数なしで、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実践できることを理解しよう。他の場合には、ある種の態様を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造、材料、または動作は、図示されず、詳細には説明されない。
【0008】
[0013] 本明細書全体を通じて、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での句「一実施形態では」または「実施形態では」の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態を参照しているのではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を、1つまたは複数の実施形態で任意の適切な形で組み合わせることができる。
【0009】
[0014] 内視鏡は、診査手術を実行する必要なしに患者の内部を見るのに内科医が使用するデバイスである。一般に、内視鏡は、小さい切り口を介して患者に挿入される挿入チューブを有するイメージング・デバイスである。イメージング・デバイスは、挿入チューブの先端(「遠位端」)からの眺めを提供し、たとえば内科医のモニタ上にその眺めを表示する。遠位端は、内視鏡の手持ち部分(「近位端」)の反対とすることができる。イメージング・システムは、関心を持たれている区域の眺めを見る人に提供することができる。イメージングされる物体の色は、照明光源のスペクトルならびに物体自体のスペクトル反射率に依存する。
【0010】
[0015] インドシアニン・グリーン(ICG)は、血漿内のタンパクに結合する染料である。805nm光を注入される時に、ICGは、830nmのピーク波長を伴う蛍光を発する。ICGは、血流内に注射され得、手術中に、ICG蛍光は、血液灌流および脈管構造を示すためにイメージングされ得る。内視鏡手術では、外科医が、関心を持たれている外科領域をリアルタイムでイメージングするために内視鏡(内視鏡の遠位端にカメラおよび照明源を有する)を挿入する。本開示は、リアルタイムで、通常の可視反射率画像を入手するのと同時に、ICGの空間分布を示すために蛍光画像を入手するという問題を解決するのを助けることができる。ICG画像は、外科医がさまざまな身体構造の間の差をよりよく知るのに使用できるコントラスト情報を提供することができる。
【0011】
[0016] 本開示は、近位端に2つの別個のレーザー源、および遠位端(外科領域に挿入される端)にカメラを有することのできる内視鏡の実施形態を提供する。光ファイバ・ケーブルは、近位端の別個の源から遠位端に光を光学的に透過させることができる。本開示は、内視鏡からコンピュータ(内視鏡の内部または外部のいずれか)への接続をも含むことができ、内視鏡システムは、内視鏡画像センサから出力されるデータを処理し、そのデータをコンピュータ・モニタ・ディスプレイに送るソフトウェアを含む。内視鏡画像センサは、各画素が赤、緑、または青の光に対応する撮像電荷(image charge)を記録するように、従来のベイヤ・フィルタ・パターンを使用することができる。ベイヤ・フィルタの上に、ノッチ・フィルタを設けることができる。
【0012】
[0017] 2つの別個のレーザー源は、805nmレーザーおよび可視波長レーザーとすることができる。ノッチ・フィルタは、805nm波長のほぼすべての光を阻止するが、他の波長の光を通すことができる。805nmレーザー(「励起」レーザー)と可視波長レーザーとの両方が、同時に動作する。805nmレーザーは、関心を持たれている外科領域内のICG染料に、約830nmで蛍光を放たせ、可視波長レーザーは、外科領域内の器官によって反射される。3つの波長範囲(可視、805nm、および830nm)の光子が、カメラに衝突する可能性があるが、ほぼすべての805nm光子は、ノッチ・フィルタによって阻止される。3つの色画素、赤、緑、および青のそれぞれは、3つの異なる波長範囲に関して異なる量子効率を有する。したがって、赤画素、緑画素、および青画素による応答は、光の3つの波長のそれぞれでの光子数の独立の線形結合になる可能性がある。赤画素、緑画素、および青画素によって記録された値は、プロセッサに送られ、プロセッサ/コンピュータ上のソフトウェア・パッケージは、どの強度値が蛍光光子および可視の反射された光子に関するのかを計算的に判定する(隣接する赤画素値、緑画素値、および青画素値から)ために、正規化逆解析(regularized inversion)を使用する。ソフトウェアは、可視レーザー波長の知識を使用して、記録された赤画素強度値、緑画素強度値、および青画素強度値を、可能な最大の信号対雑音比を有する画像データに変換することができる。蛍光光子および可視の反射された光子の強度値は、ディスプレイに送られ、このディスプレイは、可視反射率強度値の白黒画像(ディスプレイの赤画素、緑画素、および青画素は、可視反射率強度によって均等にスケーリングされる)および蛍光強度値の緑オーバーレイ(蛍光強度に比例する値が、緑ディスプレイ画素の値に加算され得る)を表示することができる。しかし、他の実施形態では、人間の身体内で一般には出会わない色(たとえば、蛍光オレンジ)の蛍光オーバーレイを有するフル・カラー画像を形成することができる。
【0013】
[0018] 本開示の1つの利点は、2つの異なる波長で画像を記録するために、追加のハードウェア(余分なカメラ、ビームスプリッタ、または画像センサなど)が不要であることである。ベイヤ・フィルタを有するカメラおよび画像センサを使用することができる。カメラのフレーム・レートは維持され、2つの異なる波長で記録される画像は、お互いに対して自動的に見当合わせされる。
【0014】
[0019] 異なる蛍光レーザー波長および励起レーザー波長を使用できることに留意する価値がある。さらに、ソフトウェア・アルゴリズム内に4つの式を生じるが、同一の正規化逆解析の行列を生じる第4の色画素(近赤外画素など)を有する画像センサを使用することができる。さらに、内視鏡内に複数のカメラを設けることができる(たとえば、ステレオ・イメージングのために)が、各カメラは、同時蛍光および可視イメージングの機能性を別々に有することができる。
【0015】
[0020] 図1Aは、本開示の実施形態による、内視鏡システム100の図である。内視鏡システム100は、本体102、光ファイバ・ケーブル104、光源112、コントローラ108、コンピュータ・システム114(プロセッサ110、データ入出力116、および電力入力118を含む)、および画像センサ121を含む。
【0016】
[0021] 内視鏡システム100は、近位端(手持ち)および遠位端(近位端と反対の光ファイバ・ケーブル104の端)を含む。光源112は、遠位端からの出力のために可視光125および励起光127を光ファイバ・ケーブル104内に放つために光ファイバ・ケーブル104の近位端に光学的に結合される。光源112は、可視光125と励起光127との両方を同時に放つように構成され、励起光127の波長は、可視光125の波長スペクトルの外にある(たとえば、図1B参照)。画像センサ121は、光ファイバ・ケーブル104の遠位端に結合され、可視光125の反射を反射された可視光として受信するように位置決めされる。フィルタが、画像センサ121の上に配置され、このフィルタは、反射された可視光125および蛍光の大部分を画像センサ121に通過させながら、励起光127の大部分が画像センサ121に達するのを阻止する。
【0017】
[0022]図1Bは、本開示の実施形態による、可視光内視鏡発光スペクトル125、励起光発光スペクトル127、および対応する蛍光発光スペクトル129を示す。図示の実施形態では、可視スペクトル125は、単一波長スペクトル(または狭い範囲の波長)として図示されているが、他の実施形態では、可視スペクトル125は、他の発光プロファイルを有することができる。図示されているように、内視鏡は、〜805nmまたは別の波長とすることのできる励起光スペクトル127を放つ。一実施形態では、励起光127は、蛍光スペクトルを作成するのに使用される染料に依存して、紫外光など、可視光125より高いエネルギを有することができる。いくつかの実施形態では、励起光127の波長は、可視光125の波長スペクトルの外にある。図示されているように、光源を用いて励起光127を放つことに応答して、画像センサ121は、反射された可視光と同時に蛍光129を受信する。蛍光129は、励起光127より長い波長を有する。一実施形態では、蛍光129は、〜830nmの光を含むが、他の実施形態では、蛍光129は、励起光127より低いエネルギを有する任意の光とすることができる。図示の実施形態では、励起光127および蛍光129が、相対的に単色性であるが、他の実施形態では、これらの光源の発光プロファイルをより幅広くすることができ、その結果、これらが、複数の波長の光を含む(複数の発光ピークを含むことさえできる)ようになることに留意する価値がある。
【0018】
[0023] 図1Cは、本開示の実施形態による、可視光および励起光を放ち、蛍光発光スペクトルを受信し、スクリーン上に合成画像151を形成する内視鏡システム100を示す。図示の実施形態では、内視鏡100は、光ファイバ・ケーブル104の遠位端から可視光と励起光との両方を同時に放っている。可視光および励起光は、器官(ここでは肺として図示)に当たる。肺は、蛍光染料(たとえば、分子、半導体粒子など)を注射されまたはコーティングされている。励起光が肺に達する時に、染料は、蛍光を放つ。反射された可視光および蛍光は、画像センサ121によって同時に受信され、ノッチ・フィルタは、励起スペクトルがいかなる有意な量においても画像センサ121によって吸収されるのを阻止するのに使用され得る。
【0019】
[0024] 図示の実施形態では、反射された可視光および蛍光は、画像センサ121内で組み合わされた画像データを形成する。組み合わされた画像データは、処理ユニット(ここでは内視鏡100内に配置される)によって、リアルタイムで可視画像データおよび蛍光画像データに分離され得る。図示の実施形態では、可視画像データは、画像センサ121によって受信された反射された可視光と同等であり(たとえば、おおむね比例する)、蛍光画像データは、画像センサ121によって受信された蛍光と同等である。一実施形態では、組み合わされた画像データを可視画像データおよび蛍光画像データに分離することは、組み合わされた画像データを、画像センサ121によって受信された赤光電荷に対応する赤画像データ、画像センサ121によって受信された緑光電荷に対応する緑画像データ、画像センサ121によって受信された青光電荷に対応する青画像データ、および画像センサ121によって受信された蛍光光電荷に対応する蛍光画像データに分離することを含む。赤画像データ、緑画像データ、および青画像データは、可視画像データを構成する。
【0020】
[0025] 合成画像151への可視画像データおよび蛍光画像データの変換も図示されている。図示されているように、可視画像データおよび蛍光画像データは、合成画像151を作るために同時に表示される。合成画像151は、可視画像153(破線の背景)および蛍光画像155(実線の前景)を含み、蛍光画像は、可視画像153にオーバーレイされる。前に説明したように、可視画像153は、白黒またはカラーとすることができ、蛍光画像155は、可視画像153にオーバーレイされる緑(または類似物)とすることができる。
【0021】
[0026] 図2は、本開示の実施形態による、内視鏡発光体200(光源212を含む)を示す。図示されているように、可視光が、1つまたは複数の可視レーザー源231から放たれ、励起光が、1つまたは複数の励起レーザー源239から放たれる。励起光の波長は、可視光の波長スペクトルより長い。1つまたは複数の可視レーザー源231および1つまたは複数の励起レーザー源239は、複数の波長を放つことのできる単一のレーザー・ダイオードとすることができ、あるいは、異なる波長の光をそれぞれが放つ複数の独立のレーザー源とすることができる。図示されているように、光源212は、可視光および励起光を光ファイバ・ケーブル204の近位端に向けるために、光ファイバ・ケーブル204に光学的に結合され得る。したがって、光は、光ファイバ・ケーブル204内に送られ、光は、遠位端に達するまで光ファイバ・ケーブル204内で内部的に全反射され、遠位端で放たれる。
【0022】
[0027] 図示されているように、コントローラ208が、光源212に結合されて、光源212の出力を調整する。たとえば、コントローラ208は、プロセッサ・システムの一部とすることができ、あるいは、光源212の出力を制御する独立型のコントローラとすることができる。一実施形態では、コントローラ208は、放たれる励起光の量と可視光の量とのバランスをとるために、個々のレーザー源の強度を独立に制御することができる。一実施形態では、光源212は、レーザーおよび/または発光ダイオードを含む任意の個数の光源を有することができる。さらに、図2に示されたレーザーは、相対的に単色性の光(たとえば、1nm未満の帯域幅を有する光)を放つが、他の実施形態では、光源212の帯域幅(1つまたは複数)をより大きくする(たとえば、5nm程度またはそれ以上にする)ことができる。いくつかの実施形態では、光ファイバ・ケーブル204は、内部全反射を促進するためにクラッディングを含む(たとえば、クラッディングは、反射材料または、光ファイバ・ケーブル204の大半より低い屈折率を有する材料を含むことができる)か、複数のファイバを含むことができる。
【0023】
[0028] 図3A図3Dは、本開示の実施形態による、可視画像および蛍光画像を計算する方法を示す。当業者は、図示の方法のすべての部分が、内視鏡に結合されまたは内視鏡に含まれるプロセッサ/コントローラ内で発生し得ることを了解しよう。さらに、内視鏡は、無線通信または有線通信を介してローカル・プロセッサまたはリモート・プロセッサと通信することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ/コントローラを、分散システムとすることができる(たとえば、大量のデータを処理する必要がある実施形態、たとえば高解像度ビデオで)。図示の実施形態が、励起光が805nmであり、蛍光が830nmである状況を示すが、他の実施形態では、他の波長/染料が使用され得ることを了解されたい。
【0024】
[0029] は、内視鏡からの可視画像および蛍光画像を計算する方法の一部を示す。図示されているように、画像センサは、可視光(赤光、緑光、および青光)、蛍光、および相対的に少量の励起光の受信に応答して、その画素内に光電荷を生成する。その後、画像センサに結合されたプロセッサが、生成された光電荷を可視信号および蛍光信号に分離する。これは、画像センサ/内視鏡システムの既知のパラメータを使用して連立代数方程式を解くことによって達成される。たとえば、赤光電荷を構成する様々な構成要素が、既知であり、X(830nmで吸収される光子)にQE830(830nmすなわち蛍光発光波長での画像センサの量子効率)およびT830,notch(ノッチ・フィルタを介する830nm光の透過)を乗じたものを含む。その後、この項は、Y(吸収される可視光子)にQEvisible(可視波長での画像センサの量子効率)およびTvisible,notch(ノッチ・フィルタを介する可視光の透過)を乗じたものに加算される。その後、この項は、Z(吸収される励起光子)にQE805(励起波長での画像センサの量子効率)およびT805,notch(ノッチ・フィルタを介する励起光の透過)を乗じたものに加算される。当業者は、ほとんどすべての励起光がノッチ・フィルタを通過しないので、この励起項が〜0であることを了解しよう。これらの項は、その後、画像センサの雑音(N)に加算される。図示のように、同様の方程式が、緑光電荷(P)および青光電荷(P)に関してセット・アップされる。図示の連立方程式は、可視(Y)画像信号および蛍光(X)画像信号を可視画像および蛍光画像について解くことを可能にし、可視画像および蛍光画像を生じる。
【0025】
[0030] 図3Bは、可視信号および蛍光信号を入手するための連立方程式の解決を示す。図3Bは、行列と、最終的に生成される可視画像および蛍光画像との両方を安定化するための正規化の概念をも導入する。一般に、可視画像および蛍光画像について解くために必要な数学演算は、ある種の状況で不安定な条件を導入する可能性がある(たとえば、画像センサの読み出しグリッチまたは類似物の結果としての、0による除算または他の非常に小さい分母)。これが、画像のひずみを引き起こす場合がある。したがって、システムは、X、Y、およびZの値を推定することによって、出力を正規化することができる。図示の実施形態では、Γ=αIであり、Iは、単位行列であり、αは、正規化定数である。X、Y、およびZは、Q=(QQ+ΓΓ)−1になるようにL2正規化を用いて推定され、したがって、
【数1】


である。
【0026】
[0031] 図3Cは、画像センサの光電荷の分散(Pr、Pg、Pbの分散)を、結果として可視(Y)画像信号、蛍光(X)画像信号、および励起(Z)画像信号内の分散を計算するための数学演算を示す(図3Aに関連して上で議論したものに類似する代数行列演算を介する)。分散が計算された状態で、X、Y、およびZの信号対雑音比(SNR)を判定することができる。理想的には、システムは、X信号、Y信号、およびZ信号のSNRを最大化することを試みている。
【0027】
[0032] 図3Dは、内視鏡画像センサから出力される可視画像および蛍光画像を安定化する方法を示す。ブロック301は、画像センサからRGB光電荷を受信することを示す。ブロック303は、出力される画像を安定化するために正規化定数(α)の値を初期化することを示す。ブロック305は、
【数2】

を計算することを示す。ブロック307は、
【数3】

であると仮定して、SNRおよびSNRを最大にするαの値を計算することを示す。ブロック309は、αの値が収束するまでαの計算を繰り返すことを示す。その後、最終的な
【数4】

および
【数5】


の値を出力し、監視する。最後に、ブロック311で、αの値を置換する。ブロック305〜311は、それら自体を永久に繰り返す。
【0028】
[0033] 図4は、本開示の実施形態による、医用イメージングの方法400を示す。プロセス・ブロック401〜409の一部またはすべてが方法400内に現れる順序を、限定的と考えてはならない。そうではなく、本開示の利益を有する当業者は、方法400の一部が、図示されていない様々な順序でまたは並列にさえ実行され得ることを理解しよう。
【0029】
[0034] プロセス・ブロック401は、内視鏡の光ファイバ・ケーブルの遠位端から可視光および励起光を同時に放つことを示す。一実施形態では、励起光の波長は、可視光の波長スペクトルの外にある(たとえば、励起光は、可視光より長い波長を有する)。
【0030】
[0035] プロセス・ブロック403は、反射された可視光(可視光を含む)を画像センサを用いて受信することを示す。一実施形態では、励起光の大部分は、フィルタによって、画像センサによる吸収を阻止される。いくつかの実施形態では、これを、ノッチ・フィルタまたは任意の他の波長選択的フィルタリングとすることができる。
【0031】
[0036] プロセス・ブロック405は、画像センサを用いて、複数の染料分子から放たれた蛍光を受信することを示し、蛍光は、複数の染料分子が励起光を吸収することに応答して放たれる。蛍光は、可視光または励起光より長い波長を有することができる。蛍光は、反射された可視光と同時に画像センサによって受信される。反射された可視光および蛍光は、画像センサ内で組み合わされた画像データを同時に形成する。
【0032】
[0037] プロセス・ブロック407は、組み合わされた画像データを可視画像データに分離することを示し、可視画像データは、画像センサによって受信された反射された可視光と同等である。
【0033】
[0038] プロセス・ブロック409は、組み合わされた画像データを蛍光画像データに分離することを示し、蛍光画像データは、画像センサによって受信された蛍光と同等である。一実施形態では、組み合わされた画像データを可視画像データおよび蛍光画像データに分離することは、組み合わされた画像データを、画像センサによって吸収された赤光電荷に対応する赤画像データ、画像センサによって吸収された緑光電荷に対応する緑画像データ、画像センサによって吸収された青光電荷に対応する青画像データ、および画像センサによって吸収された蛍光光電荷に対応する蛍光画像データに分離することを含む。いくつかの実施形態では、赤緑、青、および蛍光の光電荷を入手するために、ベイヤ・カラー・フィルタ・パターンが使用されるが、このベイヤ・フィルタは、蛍光スペクトルを阻止しない。
【0034】
[0039] 他所に図示されているが、来る実施形態では、合成画像が、可視画像データおよび蛍光画像データを用いて形成され得る。可視画像データおよび蛍光画像データは、合成画像を作るために同時に表示され得る。これは、医師が手術中に身体の異なる領域を明瞭に識別することを可能にする。合成画像は、可視画像(可視画像データを含む)および蛍光画像(蛍光画像データを含む)を含むことができる。蛍光画像は、可視画像にオーバーレイされる。たとえば、腫瘍が、開花しているが、周囲の組織がそうではない場合には、医師は、腫瘍をより簡単に除去することができる。
【0035】
[0040] 要約で説明されるものを含む、本発明の図示の実施形態の上の説明は、網羅的であることまたは開示された正確な形態に本発明を限定することを意図されたものではない。本発明の特定の実施形態および本発明の例が、本明細書で例示のために説明されるが、当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な変更が可能である。
【0036】
[0041] これらの変更は、上の詳細な説明に鑑みて、本発明に対して行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語が、本発明を本明細書で開示される特定の実施形態に限定すると解釈してはならない。そうではなく、本発明の範囲は、専ら以下の特許請求の範囲によって判定されるべきであり、以下の特許請求の範囲は、請求項解釈の確立された原則に従って解釈されなければならない。
【0037】
排他的な特性または特権が主張される本発明の実施形態は、以下のように定義される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4