特許第6892561号(P6892561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892561
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】交差するワイヤを含む照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/90 20160101AFI20210614BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20210614BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20210614BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20210614BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20210614BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20210614BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20210614BHJP
   B60Q 3/60 20170101ALI20210614BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20210614BHJP
   F21W 103/60 20180101ALN20210614BHJP
   F21W 106/00 20180101ALN20210614BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210614BHJP
【FI】
   F21K9/90
   H01L33/00 L
   H01L33/00 H
   F21S43/14
   F21S43/15
   F21S43/19
   F21V19/00 170
   F21V23/00 160
   B60Q3/60
   F21W103:00
   F21W103:60
   F21W106:00
   F21Y115:10
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-530316(P2020-530316)
(86)(22)【出願日】2019年10月15日
(65)【公表番号】特表2021-506060(P2021-506060A)
(43)【公表日】2021年2月18日
(86)【国際出願番号】EP2019077928
(87)【国際公開番号】WO2020083708
(87)【国際公開日】20200430
【審査請求日】2020年6月2日
(31)【優先権主張番号】18202223.6
(32)【優先日】2018年10月24日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】モネステ,フロラン
(72)【発明者】
【氏名】クライネン,クリスティアン
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−093594(JP,A)
【文献】 特開平05−072978(JP,A)
【文献】 特開2014−017249(JP,A)
【文献】 特開2008−193133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/90
F21V 19/00
H01L 33/00
B60Q 3/60
F21S 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置であって、当該照明装置は、
複数の第1のワイヤであって、第1の長手方向軸線及び1つ又は複数の屈曲部分(12)を有する複数の第1のワイヤと、
複数の第2のワイヤであって、該複数の第2のワイヤは、第2の長手方向軸線及び1つ又は複数の屈曲部分(16)を有しており前記第1の長手方向軸線及び前記第2の長手方向軸線は実質的に同じ面内に配置されており、前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤは、交差領域内で交差し、前記第1のワイヤの前記屈曲部分(12)は前記交差領域に配置され、前記第2のワイヤの前記屈曲部分(16)は前記交差領域外に配置され、それによって、前記交差領域において前記第1のワイヤの前記屈曲部分(12)と前記第2のワイヤの前記第2の長手方向軸線との間に所定の最小距離(14)が提供される、第2のワイヤと、
複数の発光素子であって、該複数の発光素子のうちの1つの発光素子が前記交差領域のうちの1つの交差領域に配置され、且つ前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤに電気的に接触している、複数の発光素子と、を有する
照明装置。
【請求項2】
前記複数の第1のワイヤ及び前記複数の第2のワイヤに電気的に接触している制御ユニットをさらに含み、該制御ユニットは、前記複数の発光素子の一部を残りの発光素子から独立して作動させるように構成される請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2のワイヤは、前記第1のワイヤの前記屈曲部分(12)の略中央で前記第1のワイヤと交差する、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記所定の最小距離、前記第1のワイヤの材料、前記第2のワイヤの材料、前記第1のワイヤの断面、及び前記第2のワイヤの断面の少なくとも1つは、前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤが当該照明装置の所定の変形応力下での接触を回避するように選択される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記発光素子は、前記第1の長手方向軸線に沿って延びる前記第1のワイヤの接触部分に電気的に接触しており、及
記発光素子は、前記第2の長手方向軸線に沿って延びる前記第2のワイヤの接触部分に電気的に接触している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記発光素子は、コンタクトパッドを含み、
該コンタクトパッドは、第1のワイヤと第2のワイヤとの間の前記所定の最小距離に対応して、互いに対して配置され、及び/又は
前記コンタクトパッドは、前記第1の長手方向軸線と前記第2の長手方向軸線との間の角度に対応する角度で配置される細長い形状を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記発光素子、前記第1のワイヤ、及び/又は前記第2のワイヤは、絶縁材料で少なくとも部分的に覆われている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
少なくとも1つのキャビティを有するフレーム要素をさらに含み、前記少なくとも1つのキャビティは、少なくとも1つの発光素子を取り囲むように配置される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置を製造する製造方法であって、当該製造方法は、
前記第1の長手方向軸線を有する前記第1のワイヤに屈曲部分を設けるステップと、
前記第2の長手方向軸線を有する前記第2のワイヤを提供するステップと、
前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤを前記交差領域内で交差するように配置するステップであって、前記第1のワイヤの前記屈曲部分が、前記交差領域において前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとの間に所定の最小距離が提供されるように、前記交差領域に配置される、配置するステップと、
前記発光素子を前記交差領域に配置するステップと、
前記発光素子と前記第1のワイヤとの間、及び前記発光素子と前記第2のワイヤとの間に電気的接触を確立するステップと、を含む、
製造方法。
【請求項10】
前記第1のワイヤの少なくとも1つの接触部分及び/又は前記第2のワイヤの少なくとも1つの接触部分に対応するキャビティを含む接触材料ステンシルを使用して、接触材料を塗布し前記電気的接触を確立するステップをさらに含む、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記照明装置の支持体の形状に一致するように前記照明装置を変形させるステップをさらに含む、請求項9又は10に記載の製造方法。
【請求項12】
自動車の照明における、特にコミュニケーション・ライト、表示灯、信号灯、及び/又は室内灯としての、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特に自動車の照明の分野における、ワイヤ上に配置された発光素子に基づく照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の照明は、車両とその環境との間、例えば歩行者や他の道路利用者との間のコミュニケーションを改善又は強化するために使用できる。特に自動化された自律型車両のコミュニケーション・ライト(communication lights)を使用することにより、より包括的な情報を環境に提供するための開発が行われている。例えば、車両の意図又は車両の状態に関する情報を提供することが望ましい場合がある。照明装置を使用して、例えば、意図した停止位置、軌道、加速又はブレーキ動作を知らせることができる。さらに、車両は、道路利用者を認識したことを知らせ、車両が道を譲ることができる。車両の状態(それが活性化状態であるか非活性化状態であるかに関係なく)、自動運転モードの活性化、バッテリ又はセンサの状態等に関する情報も与えることができる。対応する照明装置は、特に自動化された自律型車両に関して、道路の安全性と、車両に関連する他の道路利用者の信頼を高めることができる。
【0003】
照明装置によって通信を提供する簡素な方法は、発光素子のアレイを含む表示モジュールに画像を表示することである。電子表示モジュールは、自動車用途に適した高い視認性の画像を提供するために、高い応答時間及び高いコントラストを実現するのに適している場合がある。しかしながら、従来の液晶ディスプレイ(LCD)に基づく表示モジュールでは、光の内部吸収のために、全体的なエネルギー効率が制限され得る。さらに、LCDは製造するのにコストがかかり得る。代替として、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを使用して、表示モジュールを提供することができる。しかしながら、OLEDは、輝度の低下、つまり自動車用途に必要な高輝度、例えば視界が悪い状況での運転に十分な輝度で動作させると、急速な劣化及び寿命の制限に悩まされ得る。
【0004】
発光ダイオード(LED)を使用するディスプレイは、高いエネルギー効率及び輝度を提供し得る。しかしながら、LEDは、複数のLEDダイ又はLEDパッケージのアレイに配置する必要があり、各LEDには、他のLEDから独立して電気エネルギーを供給する必要がある。従って、LEDの個々のアドレス指定には、多数の電気接続が必要であり、例えば、導電体のパターンを含むプリント回路基板等の共通基板上のリードフレームのアレイにLEDを配置する場合がある。
【0005】
しかしながら、共通基板上にLEDアレイを配置することは、照明装置の形状を略平坦な形状に制限する。いくつかの用途では、特に技術上又は設計上の考慮事項により、照明装置が様々な形状を想定できることが必要になる場合があり、つまり、照明装置は、照明装置の支持体として機能する様々なオブジェクトの形状に一致させる必要がある。例えば、照明装置が車のボディの形状又は車のインテリアパネルの形状に一致することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、製造が簡素で費用効果が高く、特に様々な形状に適合可能であり、発光素子の様々な配置を提供できる照明装置を提供することである。本発明は、前述した目的に基づく、そのような照明装置の製造方法及びそのような照明装置の使用にさらに関する。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、照明装置が提供される。この照明装置は、第1の長手方向軸線を有する第1のワイヤと;第2の長手方向軸線を有する第2のワイヤであって、第1のワイヤ及び第2のワイヤは交差領域内で交差する、第2のワイヤと;交差領域に配置され、且つ第1のワイヤ及び第2のワイヤに電気的に接触している発光素子と;を有しており、第1のワイヤは、交差領域において第1のワイヤと第2のワイヤとの間に所定の最小距離が提供されるように、交差領域に配置された屈曲部分を含む。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、照明装置、特に第1の態様による照明装置を製造する製造方法が提供される。この方法は、第1の長手方向軸線を有する第1のワイヤに屈曲部分を設けるステップと;第2の長手方向軸線を有する第2のワイヤを提供するステップと;第1のワイヤ及び第2のワイヤを交差領域内で交差するように配置するステップであって、第1のワイヤの屈曲部分は、交差領域において第1のワイヤと第2のワイヤとの間に所定の最小距離が提供されるように、交差領域に配置される、配置するステップと;発光素子を交差領域に配置するステップと;発光素子と第1のワイヤとの間、及び発光素子と第2のワイヤとの間に電気的接触を確立するステップと;を含む。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、自動車の照明における第1の態様による照明装置の使用が、特にコミュニケーション・ライト、表示灯、信号灯、及び/又は室内灯として説明される。
【0010】
本発明の第1、第2、及び第3の態様の例示的な実施形態は、以下に説明する1つ又は複数の特性を有することができる。
【0011】
照明装置は、少なくとも1つの第1のワイヤ及び少なくとも1つの第2のワイヤを含む。第1のワイヤは、第1の長手方向軸線を有しており、この長手方向軸線は、第1のワイヤの主伸長方向、すなわち、ワイヤの最長寸法に対応し得る。特に、第1のワイヤは少なくとも1つの直線部分を含むことができ、直線部分の伸長方向は第1の長手方向軸線に対応する。同様に、第2のワイヤは、第2の長手方向軸線を有しており、この長手方向軸線は、第2のワイヤの主伸長方向に対応し得る。第2のワイヤは、一部直線状、又はいくつかの実施形態では、その全長に沿って略直線状であり得、直線部分の伸長方向は、第2の長手方向軸線に対応する。第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤは、規則的な断面を有し得る。例えば、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤは、円形、特に断面が円形であり得る。例えば、長方形、正方形、又は他の多角形の形状等、他の断面も適切であり得る。
【0012】
第1のワイヤ及び第2のワイヤは、電流、特に少なくとも1つの発光素子を動作させるのに適した電流を伝えるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤは、Cu又はCu合金、CuFeP及び/又はCuNiSiを含むか、或いはそれらから構成される。発光素子は、例えば、第1のワイヤ及び第2のワイヤに電気的に接触しており、例えば第1及び第2のワイヤは、電圧を発光素子に供給するのに異なる極性を表す。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの発光素子は、発光ダイオード(LED)であってもよい。LEDは、p−n接合、ダイオード、及び/又はトランジスタ等の少なくとも1つの半導体素子を含んでもよい。LEDは、例えばリードフレーム及び/又はワイヤボンドと組み合わせて、LEDパッケージとして提供してもよい。発光素子、特にLEDは、発光面及び側面を有してもよく、例えばLEDは、大きな表面のうちの1つが発光面であるフラットな形状を有する。第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤは、発光面の反対側に位置する発光素子の面に配置してもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、発光素子は、第1のワイヤ及び第2のワイヤに電気的に接触しているインターポーザを含むことができる。インターポーザは、特に、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤに(直接)取り付けられ得る。インターポーザは、例えば、導電性素子と絶縁性素子との組合せを、例えばプリント回路基板として含むことができる。
【0015】
第1のワイヤ及び第2のワイヤは、交差領域内で交差する。例えば、第1の長手方向軸線及び第2の長手方向軸線は、互いに対してある角度で配置され得る。第1のワイヤは交差領域に配置された屈曲部分を含むので、第1のワイヤと第2のワイヤとの直接的な接触が回避される。例えば、屈曲部分は、第1のワイヤの他の直線構成からの逸脱によって表され得る。特に、屈曲部分は、第1のワイヤの形状の第1の長手方向軸線からの逸脱によって形成され得る。屈曲部分は、特に、丸い曲げ、U字形又はV字形の曲げ、屈曲部分の長方形の形状を与える鋭い曲げによって形成してもよい。屈曲部分は、平坦な形状又は二次元形状を有してもよく、すなわち、屈曲部分は、例えば第1の長手方向軸線の半径方向面である面内に実質的に配置される。特に、屈曲部分は、発光素子から離れてる方向に延びる。
【0016】
いくつかの実施形態では、発光素子は、ワイヤボンドによって第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤに電気的に接触してもよく、ワイヤボンドは、交差領域内に又はその近くに配置される。例えばはんだパッチによる直接的な接触も可能である。発光素子は、第1のワイヤ及び第2のワイヤへの電気的接触が特に簡素な方法で提供され得るように、交差領域に配置される。
【0017】
第1のワイヤと第2のワイヤとの間の最小距離が、交差領域に提供される。最小距離は、特に、照明装置の意図した使用中に第1のワイヤと第2のワイヤとの接触が回避されるように、予め規定される。特に、照明装置は、略平坦な形状を有してもよく、例えば照明装置を車体や車内パネル等の複雑な形状の物体に組み込むために、基板又は支持体の形状に一致する形状に変形可能であり得る。第1のワイヤ及び第2のワイヤを電気接続のための素子として使用することによって、照明装置は、例えば第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤを曲げることにより容易に変形され、様々な形状を得ることができる。第1のワイヤの屈曲部分は、照明装置が変形されたときでさえ、第1のワイヤと第2のワイヤとの間の電気的接触が回避されることを確実にし得る。さらに、屈曲部分は、ばね部として構成してもよい。特に、屈曲部分は、追加の柔軟性及び変形性を第1のワイヤに与えることができる。これは、例えば高電流を必要とする用途において、より硬い材料が第1のワイヤに使用されるか、又は第1のワイヤの大きな断面が提供されるときに特に有利になり得る。
【0018】
本発明の例示的な実施形態によれば、複数の第1のワイヤ及び/又は複数の第2のワイヤが、提供され、複数の交差領域で交差し、複数の発光素子が提供される場合に、発光素子は、交差領域に配置される。従って、照明装置は、LED等の発光素子のアレイ又はマトリクスを含み得る。交差領域に配置された各発光素子は、特に、それぞれの第1のワイヤ及び第2のワイヤの交差領域内又はその近くで、第1のワイヤのうちの1つ及び第2のワイヤのうちの1つに電気的に接触している。すなわち、各発光素子は、第1のワイヤのうちの1つ及び第2のワイヤのうちの1つの個々のペアに電気的に接触することができ、従って、各発光素子の個別のアドレス指定を可能にする。すなわち、各発光素子は、他の発光素子とは独立して作動され得る。例えば、第1のワイヤは、アレイ内の発光素子の列に対応してもよく、第2のワイヤは、アレイ内の発光素子の行に対応してもよい。アレイは規則的であり得るが、発光素子又はアレイ間の規則的な最近接距離及び/又は角度では、不規則である可能性がある。いくつかの実施形態では、発光素子は、長方形アレイ又は正方形アレイを形成することができる。
【0019】
さらに、特に第1のワイヤと第2のワイヤとの間に絶縁材料が配置されていないとき、又は絶縁材料が挿入される前に、照明装置はまた、伸長性及び/又は圧縮性であってもよい。例えば、第1のワイヤ及び第2のワイヤを、発光素子同士の間の所与の距離又は距離の分布を得るために、伸長及び/又は圧縮してもよい。特に、照明装置は、第1のワイヤ及び第2のワイヤの所定の配置、及び発光素子同士の間の対応する所定の距離で製造され得る。第1のワイヤ及び第2のワイヤの配置、従って、アレイ内の発光素子の位置は、意図する用途で必要とされる特定の配置を得るために、伸長及び/又は圧縮することによって変えることができる。異なる量の応力を異なる方向に加えてもよく、例えば、第1のワイヤは、第2のワイヤとは異なる量だけ伸長又は圧縮してもよい。伸長及び/又は圧縮はまた、発光素子の不規則な配置を得るために、すなわち、発光素子同士の間の距離が変化するように使用してもよい。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、照明装置は、複数の第1のワイヤ及び/又は複数の第2のワイヤに電気的に接触する制御ユニットをさらに含み、制御ユニットは、複数の発光素子の一部を残りの発光素子とは独立して作動させるように構成される。例えば、各発光素子又は少なくとも発光素子のグループは、制御ユニットを用いて、残りの発光素子とは独立して作動させることができる。例えば、特定の発光素子をアドレス指定するために、第1のワイヤ及び第2のワイヤの特定の組合せに電圧を印加することができる。制御ユニットは、電圧の割当ての切替えを提供し、オプションで電圧を供給することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、制御ユニットは、例えばスイッチング周波数に基づいて、発光素子を連続的にアドレス指定するように構成してもよい。照明装置を用いて画像を取得するために、対応する第1のワイヤ及び第2のワイヤのペアに電圧を印加することにより、対応する発光素子(すなわち、ディスプレイのピクセル)を次々にアドレス指定することができる。スイッチング周波数が目の感度(例えば少なくとも100Hz)よりも高く選択される場合に、発光素子の順次のアドレス指定によって、照明装置上に(見かけ上は連続的な)画像を形成することができる。
【0022】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の長手方向軸線及び第2の長手方向軸線は、実質的に同じ面内に配置される。特に、複数の第1のワイヤ及び/又は複数の第2のワイヤが提供される場合に、複数のワイヤに対応する第1の長手方向軸線及び第2の長手方向軸線は、実質的に同じ面内に配置される。こうして、略平坦な形状の照明装置が得られる。特に、発光素子は、発光素子の面として、より簡素且つ確実な方法で、第1のワイヤ及び第2のワイヤに取り付けることができる。例えばコンタクトパッドを備えた面は、同じ面内に配置された第1のワイヤ及び第2のワイヤの部分上に配置してもよい。特に、発光素子を第1のワイヤ及び第2のワイヤの直線部分に配置することができ、ワイヤと発光素子との間の接触面を増大させ、導電性が向上し、機械的安定性が向上する。
【0023】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第2のワイヤは、第1のワイヤの屈曲部分の略中央で第1のワイヤと交差する。特に、屈曲部分は、第2のワイヤを含む面に関して対称であり得る。こうして、照明装置の変形特性がより均一になり得、特に、変形の方向に関係なく、第1のワイヤと第2のワイヤとの接触を回避することができる。
【0024】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、所定の最小距離、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤの材料、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤの断面の少なくとも1つは、第1のワイヤ及び第2のワイヤが、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤに関する所定の変形度の下での接触を回避するように選択される。例えば、照明装置は、所定の最大変形、例えば最大曲げ角度を伴う用途を意図してもよい。所定の最小距離、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤの材料、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤの断面は、所与の予め規定された最大変形の下でも、使用中のワイヤの接触及び可能性のある短絡が、これらの変形条件下でもワイヤが離間されているため回避されるように選択される。例えば、ワイヤの断面及び材料は、電気伝導の要件に関して最適化することができ、予め規定された最小距離は、より小さい交差領域及びよりコンパクトな照明装置を得るために可能な限り小さく選択することができる一方、ワイヤは、依然として不要な接触から保護される。
【0025】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第2のワイヤは屈曲部分を含む。上述したように、第1のワイヤの屈曲部分は、照明装置の変形特性を与えるためにばね部として構成され得、第2のワイヤに屈曲部分を設けることによって、照明装置の変形特性をさらに最適化し得る。特に、複数の交差部が設けられ、第2のワイヤ又は各第2のワイヤは、照明装置のより均一な変形特性を得るために、2つの交差領域間の略中央に少なくとも1つの屈曲部分を含む。
【0026】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、発光素子は、第1の長手方向軸線に沿って延びる第1のワイヤの接触部分に電気的に接触しており、及び/又は発光素子は、第2の長手方向軸線に沿って延びる第2のワイヤの接触部分に電気的に接触している。特に、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤの接触部分は、対応する長手方向軸線に沿って延びる直線部分として構成される。接触部分を設けることにより、ワイヤと発光素子との間の接触面が増大され、導電性が向上し、機械的安定性が向上する。
【0027】
いくつかの実施形態では、発光素子は、はんだ、特にはんだペースト、及び/又は導電性接着剤等の接触材料によって、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤに電気的に接触することができる。接触材料によって、照明装置の簡素で信頼できる製造が可能になる。特に、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤ上に接触部分が設けられる場合に、様々な接触材料が利用され得る。接触材料は、ある程度の剛性又は柔軟性を与えるように選択することができる。特に、タイプSAC305に基づくはんだは、本発明による照明装置の変形中に、有利な機械的特性及び信頼性を示した。接触材料は、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤをコンタクトパッド(例えば、インターポーザに配置された又はLEDダイに直接配置されたコンタクトパッド)を介して発光素子と接続することができる。
【0028】
コンタクトパッドを含む少なくとも1つの発光素子を伴う本発明の別の例示的な実施形態によれば、コンタクトパッドは、第1のワイヤと第2のワイヤとの間の所定の最小距離で互いに対して配置される。例えば、第1のワイヤと第2のワイヤとの間の所定の最小距離は面内で与えられてもよく、第1の長手方向軸線及び第2の長手方向軸線は実質的に面内に配置される。発光素子は、交差領域に配置され得、コンタクトパッドは、交差領域において第1のワイヤ及び第2のワイヤと直接位置合わせされ得る。特に、コンタクトパッドの距離は、第1のワイヤ及び第2のワイヤの接触部分の距離に対応する。
【0029】
さらに又は代替として、コンタクトパッドは、第1の長手方向軸線と第2の長手方向軸線との間の角度に対応する角度で配置される細長い形状を有し得る。コンタクトパッドの細長い形状及び角度の整列は、発光素子のコンタクトパッドと第1のワイヤ及び第2のワイヤとの間の接触面積を増大させることができる。
【0030】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の長手方向軸線及び第2の長手方向軸線は、交差領域において互いに略直交するように配置される。従って、特に、発光素子の特に簡素な配置を提供することができる。
【0031】
上述したように、第1のワイヤの屈曲部分は、原則として第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤが追加の電気絶縁を必要としないように、第1のワイヤと第2のワイヤとの間の接触を回避するのに役立ち得る。しかしながら、本発明の別の例示的な実施形態によれば、発光素子、第1のワイヤ、及び/又は第2のワイヤは、絶縁材料で少なくとも部分的に覆われている。絶縁材料は、照明装置の機械的特性を改善するため、及び照明装置をその環境(例えば、湿度)から保護するために提供され得る。絶縁材料は、照明装置の光学的特性も改善し得る。例えば、発光素子、第1のワイヤ、及び/又は第2のワイヤは、絶縁材料でオーバーモールド及び/又はカプセル化され得る。絶縁材料は、例えば、柔軟性の高い材料であってもよい。絶縁材料はさらに、所望の光学的特性に応じて、透明、不透明、又は反射性であってよい。適切な絶縁材料の例はシリコーンである。さらに、加えて又は代替として、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤには、絶縁コーティング(例えば、絶縁材料を含むワイヤジャケット)を設けてもよい。
【0032】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、照明装置は、交差領域において第1のワイヤと第2のワイヤとの間に配置された間隔要素をさらに含む。間隔要素は、特に絶縁特性を有する。いくつかの実施形態では、間隔要素は、第1のワイヤから第2のワイヤまで延びてもよく、及び/又は間隔要素に追加の柔軟性を与えるばね部を含んでもよく、それによって照明装置の変形、特に交差領域における第1及び第2のワイヤの変形が間隔要素によって妨げられないようにする。間隔要素は、間隔要素を第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤに取り付けるための取付け要素を含むことができる。特に、ポジティブフィット(positive fit)に基づく取付け手段、例えば、第1及び/又は第2のワイヤへのクリップオン・フィッティング(Clip-on fitting)を提供してもよい。他の実施形態では、交差領域において第1のワイヤと第2のワイヤとの間にシート材料を挿入してもよい。シート材料は、ポリイミドのような絶縁材料を含み得る。場合によっては、交差領域において第1のワイヤと第2のワイヤとの間にシート材料(のみ)を挿入して、ワイヤの電気的接触を回避することができる。あるいはまた、シート材料は、第1のワイヤの少なくとも一部、特に複数の交差領域を覆うことができる。シート材料は、第1のワイヤの接触部分に対応する開口部を含むことができる。開口部は、切断、特にレーザー切断又はレーザーアブレーションによって形成してもよい。シート材料は、特に、容易な曲げを可能にする厚さを有する。例えば、シート材料は、20μm〜300μmの厚さを有する。
【0033】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、照明装置は、少なくとも1つのキャビティを有するフレーム要素をさらに含み、少なくとも1つのキャビティは、少なくとも1つの発光素子を取り囲むように配置される。少なくとも1つのキャビティを含むフレーム要素は、例えば、各発光素子の照明パターンを成形する導光素子として構成してもよい。いくつかの実施形態では、照明装置は、間隔を空けて配置された(より小さな)発光素子に基づくことができ、照明装置のより費用効果の高い製造を可能にする。フレーム要素は、各発光素子の照明を広げて、実質的に連続的なディスプレイを提供するように構成され得る。フレーム要素は、例えば、所望の照明パターンを提供するために耐熱性及び/又は反射性要素を含んでもよい。さらに、フレーム要素は、発光素子を環境から保護することができる。
【0034】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1のワイヤの接触部分及び/又は第2のワイヤの接触部分に対応するキャビティを有する接触材料ステンシルを使用して、接触材料を塗布し、電気的接触を確立する。上述したように、特に第1の長手方向軸線及び第2の長手方向軸線が実質的に同じ面内に配置される場合に、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、はんだペースト及び/又は導電性接着剤等の接触材料の簡素な塗布のために接触材料ステンシルの使用を可能にする略平坦な形状を形成し得る。従って、照明装置を製造する方法は、特に簡素な方法で行うことができる。既に上述したように、交差領域において第1のワイヤと第2のワイヤとの間にシート材料を挿入することができ、シート材料は、第1のワイヤの接触部分に対応する開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、レーザー切断又はアブレーション等の切断によって形成され得るシート材料の開口部は、接触材料ステンシルとしても機能し得る。はんだペースト等の接触材料は、シート材料の開口部を介して塗布してもよい。
【0035】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、照明装置は、特に、照明装置の簡素な製造を可能にする平坦な形状又は二次元形状から変形されて、照明装置の支持体の形状に一致する。例えば、第1のワイヤ及び/又は第2のワイヤは、ワイヤの材料及び断面が変形を許容し得るため変形する可能性があるが、発光素子は、より剛性が高く、特に、より変形の少ないインターポーザを備えることができる。特に、第1のワイヤ及びオプションで第2のワイヤの屈曲部分は、かなりの量の総変形を与えることができる。さらに、照明装置は、特に、発光素子同士の間の距離を変更するために伸長及び/又は圧縮してもよい。異なる量の応力を異なる方向に加え、伸長及び/又は圧縮を使用して、発光素子の不規則な配置を得ることもできる。特に、照明装置の伸長及び/又は圧縮は、絶縁材料が、第1のワイヤと第2のワイヤとの間に配置される前に、例えば絶縁材料をオーバーモールドする前に実行される。
【0036】
支持体の構成は、照明装置の意図した用途によって規定してもよい。いくつかの実施形態では、照明装置は、自動車の照明、特にコミュニケーション・ライト、表示灯、信号灯、及び/又は室内灯として使用される。支持体は、例えば、車体の一部又は車の内部パネルであってもよい。照明装置における第1のワイヤ及び第2のワイヤの配置は、支持体の形状に適用及び一致され得る高度に変形可能な照明装置を提供し得る。
【0037】
上述した本発明の特徴及び例示的な実施形態は、本発明による異なる態様に等しく関係し得る。特に、第1の態様による照明装置に関する特徴の開示により、第2の態様による方法及び第3の態様による使用に関する対応する特徴も開示される。
【0038】
この部分(region)における本発明の実施形態の提示は、単に例示的であり、非限定的であることを理解されたい。
【0039】
本発明の他の特徴は、添付図面と併せて考慮される以下の詳細な説明から明らかになろう。しかしながら、図面は、単に例示の目的で設計されたものであり、本発明の制限の規定として設計されたものではなく、添付の特許請求の範囲を参照すべきことを理解されたい。さらに、図面は一定の縮尺で描かれておらず、それら図面は本明細書に記載される構造及び手順を概念的に示すことのみを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
次に、本発明の例を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1a】交差領域を含む第1のワイヤ及び第2のワイヤの配置の概略図を斜視図で示す。
図1b】交差領域を含む第1のワイヤ及び第2のワイヤの配置の概略図を側面図で示す。
図2a】照明装置の第1の実施形態の概略図を斜視図で示す。
図2b】照明装置の第1の実施形態の概略図を斜視図で示す。
図2c】照明装置の第1の実施形態の概略図を斜視図で示す。
図2d】照明装置の第1の実施形態の概略図を側面図で示す。
図3】照明装置の第2の実施形態の概略図を斜視図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1aは、第1の長手方向軸線4を有する第1のワイヤ2及び第2の長手方向軸線8を有する第2のワイヤ6の配置の概略図を示す。第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6は、交差領域10内で交差する。
【0042】
第1のワイヤ2は、交差領域10に配置された屈曲部分12を含む。屈曲部分12は、第1の長手方向軸線4の半径方向面に配置されたU字形状の屈曲部として構成される。第1の長手方向軸線4及び第2の長手方向軸線8は、交差領域10において互いに略直交して配置される。さらに、第1の長手方向軸線4及び第2の長手方向軸線8は、実質的に同じ面内に配置される。第1のワイヤ2には屈曲部分12が設けられているため、第1のワイヤ2と第2のワイヤ6との接触が回避される。
【0043】
これは、図1bにより明確に確認することができ、この図1bは、図1aからの交差領域10を含む第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6の配置の概略図を側面図で示している。所定の最小距離14が、交差領域10において第1のワイヤ2と第2のワイヤ6との間に提供される。第2のワイヤ6は、第1のワイヤ2の屈曲部分12の略中央で第1のワイヤ2と交差する。最小距離14は、例えば照明装置が車体等の支持体の形状に一致するように変形されるときに、照明装置の意図した使用中に第1のワイヤ2と第2のワイヤ6の接触が回避されるように予め規定される。第1のワイヤ2の屈曲部分12は、第1のワイヤ2と第2のワイヤ6との間の電気的接触が変形中に回避されることを保証し、さらに、照明装置の変形特性を改善するためのばね部として構成される。第2のワイヤ6はまた、図1aに確認されるように、照明装置の変形特性をさらに改善するために、屈曲部分16を含む。
【0044】
特に、所定の最小距離14、第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6の材料、並びに第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6の断面は、第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6が照明装置(従って、第1のワイヤ2及び/又は第2のワイヤ6)上の所定の変形応力下での接触を回避するように選択される。
【0045】
図2a〜図2cは、図1a及び図1bに示される第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6の配置に基づく、照明装置20の第1の実施形態の概略図を斜視図で示す。図2dは、照明装置20の第1の実施形態の対応する側面図を示す。
【0046】
発光素子22が、第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6に電気的に接触している。発光素子22は、コンタクトパッド28a、28bを有するインターポーザ26に配置されたLEDダイ24を含む。コンタクトパッド28aは第1のワイヤ2にはんだ付けされ、コンタクトパッド28bは対応する接触部分32a、32bで第2のワイヤ6にはんだ付けされる。はんだパッチ30が、接触部分32a、32bに形成される。
【0047】
第1のワイヤ2の接触部分32aは、第1の長手方向軸線4に沿って延び、第2のワイヤ6の接触部分32bは、第2の長手方向軸線8に沿って延びる。コンタクトパッド32a、32bは、第1のワイヤ2と第2のワイヤ6との間の所定の最小距離で互いに対して配置される。さらに、コンタクトパッド32a、32bは、細長い(長方形)形状を有しており、特に図2dから分かるように、第1の長手方向軸線4と第2の長手方向軸線8との間の直交配置に対応して、互いに直交して配置される。こうして、第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6とコンタクトパッド32a、32bとの接触面積、従って第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6と発光素子22との接触面積が拡大され、導電性及び機械的安定性が向上する。
【0048】
図3は、照明装置20の第2の実施形態の概略図を斜視図で示す。複数の第1のワイヤ2及び複数の第2のワイヤ6が、設けられ、複数の交差領域10で交差する。複数の発光素子22が設けられており、発光素子22は交差領域10に配置される。従って、発光素子22はアレイを形成する。第2のワイヤ6は、2つの交差領域10の間の略中央に屈曲部分16を含む。第1のワイヤ2は、アレイの発光素子22の列に対応し、第2のワイヤ6は、アレイの発光素子22の行に対応する。従って、各発光素子22は、第1のワイヤ2のうちの1つ及び第2のワイヤ6のうちの1つの個々のペアに電気的に接触しており、各発光素子22の個別のアドレス指定を可能にする。発光素子22のアレイは、規則的な長方形のアレイであり、特に自動車の照明に役立つ。例えば、アレイが、他の道路利用者に画像を提供するための電子表示モジュールとして機能し得るので、照明装置20は、コミュニケーション・ライトとして使用することができる。この実施形態では、アレイは4行5列を有しており、ディスプレイの20個のピクセルを形成する20個の個別にアドレス指定可能な発光素子22をもたらす。当然、他の構成のアレイ、特により多い行及び列が可能である。
【0049】
照明装置20は容易に変形可能であり、第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6の望ましくない接触は、交差領域10における第1のワイヤ2及び第2のワイヤ6の前述した配置によって、特に第1のワイヤ2の屈曲部分12によって回避される。従って、照明装置20は、車体等の支持体の形状に一致するように変形させることができる。
【0050】
さらに、発光素子22、第1のワイヤ2、及び/又は第2のワイヤ6は、シリコーン(図示せず)等の絶縁材料によって少なくとも部分的に覆ってもよい。さらに、少なくとも1つのキャビティを有するフレーム要素を設けてもよく、少なくとも1つのキャビティは、照明装置20(図示せず)の光学的特性を改善するために少なくとも1つの発光素子22を取り囲むように配置される。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3