特許第6892675号(P6892675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892675
(24)【登録日】2021年6月1日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】ラベルプリンタ、ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/18 20060101AFI20210614BHJP
   B41J 11/04 20060101ALI20210614BHJP
   B65H 20/02 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   B65C9/18
   B41J11/04
   B65H20/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-248884(P2016-248884)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-103991(P2018-103991A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成田 靖男
【審査官】 武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−108750(JP,A)
【文献】 特開2002−111962(JP,A)
【文献】 実開平4−16113(JP,U)
【文献】 実開平1−161407(JP,U)
【文献】 特開平10−59341(JP,A)
【文献】 実開昭57−73159(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3204777(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/00−11/06
B41J 11/04
B65H 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字ヘッドとプラテンローラを備える印字部を有し、前記印字ヘッドと前記プラテンローラで印字面が外側となる表巻の台紙付きラベルロールから繰り出される台紙付きラベルを挟んだ状態で当該台紙付きラベルを搬送しながら前記印字ヘッドにより印刷を行うラベルプリンタであって、
前記表巻の台紙付きラベルロールを装着するロール装着部と、
前記印字部よりもラベル搬送方向の下流側に配置され、台紙を鋭角に屈曲させた状態で前記台紙からラベルを剥離させる剥離部と、
前記剥離部よりも台紙搬送方向下流側に配置され、ラベル剥離後の台紙を搬送するための台紙用ローラと、
前記台紙用ローラを回転駆動する台紙用ローラ駆動部と、
前記台紙用ローラとの間で前記台紙を挟圧可能な弾性ローラと、
前記ラベル剥離後の台紙を巻き取る台紙巻き取り装置と、
操作部と、
を備え、
前記プラテンローラの回転軸には駆動力が付与されることなく、前記台紙用ローラの回転による前記台紙の搬送に応じて、前記プラテンローラが従動回転する構成を有し、
前記ロール装着部の回転軸と前記台紙巻き取り装置の回転軸との間の距離は、印字動作が進行するに連れて前記ロール装着部に装着される前記表巻の台紙付きラベルロールの外径が最初に存在していた領域に前記台紙巻き取り装置に巻き取られる前記ラベル剥離後の台紙の外径が存在する領域が侵入していく位置関係とされており、
前記弾性ローラは、装置本体に設けた軸を中心に回転移動することにより、前記弾性ローラの直径よりも大きな範囲で前記台紙用ローラに対して離間可能とされており、かつ、前記剥離部及び前記プラテンローラは、前記台紙用ローラ側又は前記印字ヘッド側へ移動可能とされており、
前記操作部にメンテナンス指示が入力された場合に前記プラテンローラを前記印字ヘッドから離間させ、前記操作部にメンテナンス終了指示が入力された場合に前記プラテンローラを前記印字ヘッド側へ移動させる
ことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記台紙用ローラは、その表面の一部分または全部に凹凸部を有することを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたラベルプリンタを備えたラベル貼付装置であって、
前記ラベルプリンタにより発行されたラベルを被貼付物に貼付するラベル貼付部を有することを特徴とするラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルプリンタ、ラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台紙に対して剥離可能なラベル用紙に印字を行い、台紙を剥離してラベルを発行する機能を備えたラベル印字貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般的なプリンタは、プラテンローラとサーマルヘッドとで台紙付きラベルを挟持し、プラテンローラを回転駆動することにより、プラテンローラとサーマルヘッドの間の台紙付きラベルをラベル搬送方向に搬送しながら印字を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−262541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のラベル印字貼付装置のような台紙付きラベル用紙を用いたプリンタは、例えば、プラテンローラでラベル用紙を搬送し、印字されたラベルをディスペンサで台紙から剥離させるが、安定してラベルを剥離させるために、剥離後の台紙を印字前のラベル用紙より速く搬送して引っ張り、適度な張力をもたせるように制御を行っている。しかしながら、プラテンローラによる台紙付きラベルに対する引張力が強すぎる場合、印字された文字などが搬送方向に伸びる等の印字不良を生じ、引張力が小さい場合、搬送速度が遅くなり、きれいに印字できない等の印字不良を生じる虞があり、きれいに印字するためのプラテンローラの駆動制御が比較的難しい。
また、摩擦抵抗の小さい台紙を採用した場合、プラテンローラが台紙に対して滑り、引張力が不足して印字不良を生じる虞があり、プラテンローラの駆動制御が比較的難しい。詳細には、引張力が小さい場合、安定してラベルを剥離することができず、搬送不良を生じるおそれがあり、きれいに印字させ、かつ、安定してラベルを剥離させるための用紙搬送力制御が比較的難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のラベルプリンタは、少なくとも以下の構成を具備するものである。
印字ヘッドとプラテンローラを備える印字部を有し、前記印字ヘッドと前記プラテンローラで印字面が外側となる表巻の台紙付きラベルロールから繰り出される台紙付きラベルを挟んだ状態で当該台紙付きラベルを搬送しながら前記印字ヘッドにより印刷を行うラベルプリンタであって、前記表巻の台紙付きラベルロールを装着するロール装着部と、前記印字部よりもラベル搬送方向の下流側に配置され、台紙を鋭角に屈曲させた状態で前記台紙からラベルを剥離させる剥離部と、前記剥離部よりも台紙搬送方向下流側に配置され、ラベル剥離後の台紙を搬送するための台紙用ローラと、前記台紙用ローラを回転駆動する台紙用ローラ駆動部と、前記台紙用ローラとの間で前記台紙を挟圧可能な弾性ローラと、前記ラベル剥離後の台紙を巻き取る台紙巻き取り装置と、操作部と、を備え、前記プラテンローラの回転軸には駆動力が付与されることなく、前記台紙用ローラの回転による前記台紙の搬送に応じて、前記プラテンローラが従動回転する構成を有し、前記ロール装着部の回転軸と前記台紙巻き取り装置の回転軸との間の距離は、印字動作が進行するに連れて前記ロール装着部に装着される前記表巻の台紙付きラベルロールの外径が最初に存在していた領域に前記台紙巻き取り装置に巻き取られる前記ラベル剥離後の台紙の外径が存在する領域が侵入していく位置関係とされており、前記弾性ローラは、装置本体に設けた軸を中心に回転移動することにより、前記弾性ローラの直径よりも大きな範囲で前記台紙用ローラに対して離間可能とされており、かつ、前記剥離部及び前記プラテンローラは、前記台紙用ローラ側又は前記印字ヘッド側へ移動可能とされており、前記操作部にメンテナンス指示が入力された場合に前記プラテンローラを前記印字ヘッドから離間させ、前記操作部にメンテナンス終了指示が入力された場合に前記プラテンローラを前記印字ヘッド側へ移動させることを特徴とする。
【0006】
また、本発明のラベルプリンタは、上記本発明に係るラベルプリンタを備えたラベル貼付装置であって、前記ラベルプリンタにより発行されたラベルを被貼付物に貼付するラベル貼付部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のラベルプリンタは、プラテンローラを回転駆動することなく、剥離部よりも台紙搬送方向下流側に配置され、ラベル剥離後の台紙を搬送するための台紙用ローラと、弾性ローラと、台紙用ローラを回転駆動する台紙用ローラ駆動部とにより、台紙を搬送することで、簡単な構成で、きれいに印字を行うことができ、且つ、安定してラベルを台紙から剥離することができる。
また、上記ラベルプリンタを備えたラベル貼付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るラベルプリンタを備えたラベル貼付装置の一例を示す概念図。
図2】メンテナンス時のラベルプリンタの一例を示す概念図。
図3】本発明の実施形態に係るプリンタを備えたラベル貼付装置の斜視図。
図4】メンテナンス時のラベルプリンタの一例を示す斜視図。
図5】本発明の実施形態に係るラベルプリンタの電気的な機能ブロックの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るラベルプリンタは、印字ヘッドとプラテンローラを備える印字部を有し、印字ヘッドとプラテンローラで台紙付きラベルを挟んだ状態で当該台紙付きラベルを搬送しながら前記印字ヘッドにより印刷を行う。このラベルプリンタは、印字部よりもラベル搬送方向の下流側に配置され、台紙を鋭角に屈曲させた状態で台紙からラベルを剥離させる剥離部と、剥離部よりも台紙搬送方向下流側に配置され、ラベル剥離後の台紙を搬送するための台紙用ローラと、台紙用ローラを回転駆動する台紙用ローラ駆動部とを備える。また、ラベルプリンタは、プラテンローラの回転軸には駆動力が付与されることなく、台紙用ローラの回転による前記台紙の搬送に応じて、プラテンローラが従動回転する構成を有する。
【0010】
以下、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ、及びそのラベルプリンタを備えたラベル貼付装置を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
図1は本発明の実施形態に係るラベルプリンタを備えたラベル貼付装置の一例を示す概念図である。図2はメンテナンス時のラベルプリンタの一例を示す概念図である。図3は本発明の実施形態に係るラベルプリンタを備えたラベル貼付装置の斜視図である。図4はメンテナンス時のラベルプリンタの一例を示す斜視図である。
【0012】
図1に示したように、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ100は、略直方体の本体部100B内のロール装着部100Sに、ラベルロールLRが着脱自在に装着されている。ラベルロールLRから引き出された台紙付きラベルDLは、台紙Dの剥離層上にラベルLが仮着されている。ラベルLは、表面に印字可能な印字面を備え、台紙Dの剥離剤層と対向する裏面に粘着剤が塗布された粘着部(粘着剤層)を有する。
【0013】
ラベルロールLRから引き出された台紙付きラベルDLは、ローラ94を介して、ローラ94よりも搬送方向下流側に配置された印字部8の印字ヘッド82とプラテンローラ81により挟圧された状態で搬送方向に移動しながら、印字ヘッド82によりラベルLの表面の印字面に商品情報やコード情報などが印字される。印字ヘッド82は、サーマルヘッド、インク噴射式ヘッド、ドットインパクト式ヘッド、などである。
【0014】
また、印字ヘッド82やプラテンローラ81よりも下流側に、台紙Dを鋭角に屈曲させる先端部を有する剥離部812(ディスペンサ)が設けられている。台紙Dが、この剥離部812の先端部に沿って、ラベル仮着面に対して反対の面側に屈曲させながら台紙Dを台紙搬送方向に沿ってスライドされ、非屈曲状態のラベルLが略水平に移動して、ラベルLが台紙Dから離間する。ラベルLが剥離された台紙Dは、ガイド部材71の下部に摺接した後、台紙用ローラ91と弾性ローラ92との間で挟圧された状態で、台紙用ローラ駆動部としての駆動モータ9により台紙用ローラ91が回転駆動されることにより、台紙Dが台紙搬送方向に引っ張られ搬送される。
詳細には、駆動モータ9には無端ベルト910やチェーンの動力伝達体等がローラ95、台紙用ローラ91、ローラ96を介して張架されており、駆動モータ9の回転力が無端ベルト910を介して台紙用ローラ91に伝達される。駆動モータ9の回転は、制御部により駆動制御される。
【0015】
台紙用ローラ91の回転により台紙搬送方向へ搬送された台紙Dは、台紙用ローラ91の下流側に配置されたローラ97を介して台紙巻取り装置150によりロール状に巻き取られる。メンテナンス時に、台紙巻取り装置150により形成された台紙ロールDRは本体部100Bから取り外される。
【0016】
ラベルプリンタ100により発行されたラベルLは、ラベル発行口の下流側に配置されたラベル貼付装置200のラベル貼付部210により被貼付物wの所定位置に貼付される。ラベル貼付装置200は、例えば、ベルトコンベアなどの搬送装置により搬送された被貼付物wや、包装装置によりフィルム包装された被貼付物w等にラベルを貼付してもよい。本実施形態では、ラベル貼付部210は、ラベルLを吸着保持可能な吸着部が上下方向に移動可能な機構を有するとともに、ラベルを水平面内で所定角度だけ回転させた状態で貼付可能な構造を有する。
【0017】
また、ラベルプリンタ100は、上述したように、台紙用ローラ91との間で台紙Dを挟圧可能な弾性ローラ92を有する。なお、本実施形態では、弾性ローラ92の表面は弾性体により形成されているが、台紙用ローラ91との間で台紙Dを挟圧可能であれば、材質はこの実施形態に限られるものではない。
また、図1図2に示したように、ラベルプリンタ100は、弾性ローラ92を台紙用ローラに対して離間可能な弾性ローラ移動機構920を有する。弾性ローラ移動機構920はその本体部921の一方の先端部側に設けられた弾性ローラ92と、弾性ローラ92を台紙用ローラ側へ付勢するバネなどの付勢部922を有し、本体部921の他方の端部が、プリンタの本体部100Bに対して軸923により軸支されている。
通常時には、図1に示したように、弾性ローラ92と台紙用ローラ91とにより台紙Dを挟圧した状態となっている。
例えば、ラベルロールLRや台紙ロールDRの交換などのメンテナンス時に、図2図4に示したように、弾性ローラ移動機構920の本体部921が軸923を回転中心として回転移動させることで、弾性ローラ92と台紙用ローラ91とが離間した状態となり、台紙ロールDRやラベルロールLRを容易に交換することができる。
【0018】
また、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ100は、プラテンローラ81を印字ヘッド82に対して離間可能なプラテンローラ移動機構810を有する。プラテンローラ移動機構810はプラテンローラ保持部811を有する。詳細には、プラテンローラ保持部811は、その先端部側に剥離部812とプラテンローラ81を有する。また、モータなどの駆動機構(不図示)により、プラテンローラ保持部811が略水平方向に移動自在に構成されている。
具体的には、通常時には、プラテンローラ81と印字ヘッド82により台紙付きラベルを挟圧する位置にプラテンローラ保持部811が位置する(図1参照)。
メンテナンス時には、図2図4に示したように、プラテンローラ保持部811が台紙用ローラ91側へ移動して、印字ヘッド82に対してプラテンローラ81に対して離間し、図2に示したように、台紙ロールDRの下方に配置されたローラ94とガイド部材71の間にプラテンローラ81が位置するようにプラテンローラ保持部811が移動する。
例えば、メンテナンス指示が操作部から入力された場合に、不図示のモータの駆動により、プラテンローラ保持部811が印字ヘッド82から離間する方向に移動し所定位置で停止する。
すなわち、プラテンローラ81と印字ヘッド82とが離間した状態となり、台紙ロールDRやラベルロールLRを容易に交換することができる。
また、交換後、メンテナンス終了指示が操作部から入力された場合に、不図示のモータの駆動により、プラテンローラ保持部811が印字ヘッド側へ移動し所定位置で停止する。
【0019】
また、図5に示したように、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ100は、制御部1(CPU)と、記憶部としてのROM2及びRAM3と、補助記憶部4と、操作部5と、表示部6と、通信部7と、印字部8と、台紙用ローラ駆動部としての駆動モータ9と、位置センサ10と、などを有する。上記各構成要素は、バスなどの通信線12などにより電気的に接続されている。尚、制御部1は、ラベル貼付装置のラベル貼付部に関するラベル貼付動作を制御するが説明を省略する。
【0020】
制御部1(CPU)はラベルプリンタ100の各構成要素を統括的に制御する。
ROM2は、プリンタやラベル貼付装置に関する制御プログラム、設定値などを記憶する。RAM3は制御プログラムを実行するためのワークエリアを有する。
【0021】
補助記憶部4は、例えば、着脱自在なフラッシュメモリなどの記憶装置である。
操作部5は、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどであり、操作者により操作され、所定の操作入力に応じた信号を制御部1に出力する。
表示部6は、制御部1の制御により所定の表示を行う。本実施形態では、表示部6はタッチパネル式の表示装置を採用している。
【0022】
通信部7は、制御部1の制御により、有線式または無線式の通信路を介して、ホストコンピュータなどのコンピュータ(不図示)とデータ通信を行うことが可能である。
【0023】
印字部8は、上述したように、印字ヘッド82などを有し、制御部1の制御により商品情報などをラベルに印字する。
【0024】
台紙用ローラ駆動部としての駆動モータ9は、制御部1の制御により、台紙用ローラ91を、無端ベルト910を介して回転駆動させる。
【0025】
位置センサ10は、印字ヘッド付近に配置され、台紙上に仮着されたラベルを検出し、検出したタイミングや位置などを示す信号を制御部1に出力する。制御部1は、位置センサ10からの検出信号に基づいて、駆動モータ9を介して台紙用ローラの回転制御、印字部8の印字ヘッド82による印字制御を行う。
【0026】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ100は、印字ヘッド82とプラテンローラ81を備える印字部8を有し、印字ヘッド82とプラテンローラ81で台紙付きラベルDLを挟んだ状態で当該台紙付きラベルDLを搬送しながら印字ヘッド82により印刷を行う。本実施形態では、台紙付きラベルDLは、一方面に印刷面、他方面に粘着面が設けられた複数のラベルLが台紙D上に配置されている。ラベルロールLRはこの台紙付きラベルDLを巻回されて形成されている。
また、ラベルプリンタ100は、印字部8よりもラベル搬送方向の下流側に配置され、台紙Dを鋭角に屈曲させた状態で台紙DからラベルLを剥離させる剥離部812と、剥離部812よりも台紙搬送方向下流側に配置され、ラベル剥離後の台紙を搬送するための台紙用ローラ91と、台紙用ローラ91を回転駆動する駆動モータ9などの台紙用ローラ駆動部を備える。
また、本実施形態では、ラベルプリンタ100は、プラテンローラ81の回転軸には駆動力が付与されることなく、台紙用ローラ91の回転による台紙Dの搬送に応じて、プラテンローラ81が従動回転する構造を有する。
また、本実施形態では、台紙付きラベルDLは、ラベル発行時、台紙Dのみが剥離部812の先端部に沿って、ラベル仮着面(非粘着層側の面)に対して反対の面側に鋭角に屈曲しながら台紙搬送方向に搬送され、非屈曲状態のラベルLが台紙Dから離間する。
すなわち、駆動モータ9などの台紙用ローラ駆動部により、台紙用ローラ91を回転駆動することで、プラテンローラの複雑な駆動制御を行うことなく、簡単な構造で、ラベルにきれいに印字を行うことができるラベルプリンタを提供することができる。
【0027】
また、ラベルプリンタ100は、簡単な構造で、台紙用ローラ91が規定の引張力で台紙Dを引張り搬送することができ、印字ヘッド82によりラベルにきれいに印字を行うことができ、且つ、安定してラベルを台紙から剥離することができる。
また、簡単な構造で、台紙用ローラ91が規定の搬送量で台紙Dを引張り搬送することができ、台紙からラベルを均一に剥離させることができる。
【0028】
また、本実施形態では、台紙用ローラ91は、その表面の一部分または全部に凹凸部を有する。すなわち、台紙用ローラ91の表面と台紙Dとの間の摩擦抵抗が大きく、台紙用ローラ91の回転により台紙Dを確実に台紙搬送方向に搬送させることができる。つまり、本実施形態のラベルプリンタ100では、プラテンローラに駆動力がない構成のため、台紙Dとの間で高い摩擦力を生じることができる台紙用ローラ91を設けたので、台紙Dを正確な搬送量で確実に搬送することができ、きれいに印字を行うことができる。
なお、この台紙用ローラ91は、凹凸部を設けるのに代えて、または凹凸部を有することに加えて、摩擦力の高い材質、例えばゴムなどの弾性材料で形成されていてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、ラベルプリンタ100は、台紙用ローラ91との間で台紙Dを挟圧可能な弾性ローラ92を有する。また、ラベルプリンタ100は、弾性ローラ92を台紙用ローラに対して離間可能な弾性ローラ移動機構920を有する。すなわち、メンテナンス時に、弾性ローラ移動機構920の本体部921が軸923を回転中心として回転移動することで、弾性ローラ92と台紙用ローラ91とが離間した状態となり、台紙ロールDRやラベルロールLRを容易に交換することができる。
【0030】
また、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ100は、プラテンローラ81を印字ヘッド82に対して離間可能なプラテンローラ移動機構を有する。詳細には、プラテンローラ保持部811は、その先端部側に剥離部812とプラテンローラ81を有し、モータなどの駆動機構(不図示)により、プラテンローラ保持部811が略水平方向に移動自在に構成されている。すなわち、メンテナンス時に、不図示のモータの駆動により、プラテンローラ保持部811が印字ヘッド82から離間する方向に移動し所定位置で停止し、プラテンローラ81と印字ヘッド82とが離間した状態となり、台紙ロールDRやラベルロールLRを容易に交換することができる。
【0031】
また、一般的なラベルプリンタでは、ラベルの糊等がプラテンローラに付着しやすく、プラテンローラの劣化の要因や故障の原因となりやすいが、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ100は、プラテンローラ81に駆動部がない構成であり、プラテンローラ81を着脱しやすい構成となっており、プラテンローラ81の清掃等が容易であり、プラテンローラの劣化や故障を低減することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置200は、ラベルプリンタ100により発行されたラベルLを被貼付物wに貼付するラベル貼付部210を有する。すなわち、きれいに印字されたラベルを被貼付物に貼付することができるラベル貼付装置200を提供することができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
1…制御部(CPU)
2…ROM(記憶部)
3…RAM(記憶部)
8…印字部
9…駆動モータ(台紙用ローラ駆動部)
81…プラテンローラ
82…印字ヘッド
91…台紙用ローラ
92…弾性ローラ
100…ラベルプリンタ
200…ラベル貼付装置
210…ラベル貼付部
810…プラテンローラ移動機構
811…プラテンローラ保持部
812…剥離部
920…弾性ローラ移動機構
図1
図2
図3
図4
図5