(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本明細書はドライアイ状態の治療のための装置および方法を提供する。たとえば、本明細書は、眼房水が疾患のある眼の前眼房から装置の内腔を通って涙液膜の中へ流れることを可能にするために、疾患のある眼の強膜に埋め込まれるように構成された装置およびそのような装置を使用してドライアイ状態を治療するための方法を提供する。特定の構成材料の戦略的選択および/または内腔の形状およびサイズの制御により、いくつかの態様において、本明細書に提供される装置は、フィルタレスであってもよく、またはフィルタを含むように設計されてもよい。本明細書に記載されるフィルタレスドライアイ治療装置または本明細書に記載されるようなフィルタを有するドライアイ治療装置は、細菌侵入を防ぎ、ドライアイ状態を有する患者において所望の眼圧(一般には低〜正常眼圧または正常眼圧よりもわずかに高い眼圧)および所望の湿潤レベルを達成するために望まれるレベルの流出抵抗を提供するように設計され得る。前眼房からの眼房水の流れはまた、水分および潤滑を眼の表面に提供して、ドライアイ症候を緩和する。
【0021】
本明細書に提供される装置および技術を使用して、眼表面疾患(角膜表面の障害)を治療することができる。たとえば、本明細書に提供される方法および装置を使用して、任意の適切なドライアイ状態を処置することができる。たとえば、本明細書に提供される方法および装置を使用して、非限定的に、水性涙欠乏性ドライアイ、蒸発性ドライアイなどのようなドライアイ状態を処置することができる。
【0022】
図1を参照すると、例示的な装置1が、疾患のある眼20のドライアイを治療するために疾患のある眼20に埋め込まれた状態で示されている。図示される眼20の解剖学的特徴は、前眼房2、強膜6、涙液膜4、虹彩23、毛様体25および角膜21を含む。装置1は、内腔5を画定するボディ3を含む。ボディ3は第一端7および第二端9を含む。ボディ3は外面10および内腔面12を含む。
【0023】
図示するように、装置1は、眼20の強膜6に外科的に埋め込まれるように構成されている。装置1は、強膜6に埋め込まれたときに、眼20の前眼房2と涙液膜4との間に流体連絡を提供するのに十分な長さを有する。本明細書の中でさらに説明するように、いくつかの態様において、内腔5は、さらなる流れ抵抗を提供する要素(たとえばフィルタまたは多孔性要素)なしで、内腔5を通って流れる眼房水を調節するのに適切な流出抵抗を提供するようにサイズ決めされ、かつ構成され得る。そうする中で、内腔5は、所望の眼圧(IOP)を維持しながらも、眼20および涙液膜4の表面に水分および潤滑を提供するように機能する。換言するならば、眼房水は涙液膜4へと直接シャントされる。結膜ブレブは形成されない。加えて、夜間IOPを上昇させるおそれのある強膜上静脈圧(EVP)が回避される。いくつかの場合、本明細書に提供される装置は、フィルタまたは多孔性要素を含む内腔を画定することができる。
【0024】
いくつかの場合、前眼房2と涙液膜4との間に流体連絡を提供するために、装置1は約2.5mmの長さを有する。いくつかの態様において、装置1は約2.5mm〜約5.0mmまたは約3.5mm〜約6.0mmの長さを有する。少なくとも約2.5mmの長さが、虹彩23による前眼房2中の内腔開口の閉塞の危険性を減らす。強膜管内の装置1の長さは、好ましくは、強膜厚さよりも大きいであろう。理由は、挿入が、虹彩23に対して平行になるよう、強膜6に対しては垂直にならない(より正接的である)からである。
【0025】
また、
図2および3を参照すると、例示的な装置1のさらなる詳細および特徴をその中に見ることができる。
図3は、
図2に示す断面線3-3から見た装置1の縦断面図である。例示的な装置1を参照して本明細書に記載される詳細および特徴の1つまたは複数(またはすべて)は、本明細書に提供されるその他の装置態様にも適用可能であることが理解されるべきである。
【0026】
いくつかの態様において、ボディ3の主要構造は、ポリウレタン、SU-8、パリレン、チオレン、シリコーン、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレングリコール(PEG)および発泡ポルテトラフルオロエチレン(たとえば、脱核され、ラミニンでコートされたもの)を含むが、それらに限定されるわけではない材料で形成されている。いくつかの態様において、ボディ3の主要構造は、2つ以上の材料の組み合わせで形成されている。たとえば、いくつかの態様においては、PEGの層がPETの上層とPETの下層との間に挟まれている。いくつかの態様において、PEGは、内腔5を画定するために使用され得る。PEGは細菌、タンパク質および細胞の付着に抵抗するため、内腔の表面としてのPEGの使用は好都合であり得る。
【0027】
いくつかの態様において、ボディ3の外面10の一部分は、シリコーンコーティングまたは他のタイプのコーティングのようなコーティングでコートされている。いくつかの態様において、実質的に外面10全体が、シリコーンコーティングまたは他のタイプのコーティングコーティングのようなコーティングでコートされている。特定の態様において、外面10の一部分がシリコーンでコートされ、1つまたは複数の他の部分が別のタイプ(1種または複数種)のコーティングでコートされてもよい。外面10の一部または全部にシリコーンコーティングを含む態様は、厚さ約50μmまたは厚さ約40μm〜約60μmの範囲または厚さ約30μm〜約70μmの範囲または厚さ約20μm〜約80μmの範囲または厚さ約80μm超のシリコーンの層でコートされ得る。
【0028】
いくつかの態様において、ボディ3の外面10は、多孔性細胞内方成長コーティングをその少なくとも一部分上に含む。いくつかの態様において、細胞内方成長コーティングでコートされている外面10の部分は、強膜埋め込みののち眼組織(たとえば強膜6)と接触するボディ3の部分に実質的に相当する。そのような多孔性細胞内方成長コーティングは、他の眼用インプラントに関して記載されており、いくつかの例において、厚さ約0.04mmのシリコーンでできていてもよい。いくつかの態様においては、表面レーザエングレービングを使用して、細胞内方成長を可能にするための凹みをボディ表面の一部分に形成することができる。選択された成長因子をこのコーティングに吸着させて、細胞内方成長を増強し得る。ヘテロ二官能性架橋剤で外面10をコートすると、天然の細胞外マトリックスタンパク質、たとえば1型コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチンまたは他の細胞接着ペプチド(CAP)を外面10に移植することができる。これらは、上強膜から繊維芽細胞を引き寄せて、装置1のコラーゲン固定化をもたらすことができる。そのような目的に有用であるヘテロ二官能性架橋剤の一例が5-アジド-2-ニトロ安息香酸N-ヒドロキシスクシンイミドである。
【0029】
いくつかの態様において、ボディ3の1つまたは複数の部分は、結膜の過成長を抑制するように構成され得る。たとえば、第二端9(その少なくとも一部分が角膜21の外に延びる)は、結膜の過成長を抑制するように構成され得る。そのような結膜の過成長を防ぐことは、好都合にも、内腔5の開通性を促進することができる。いくつかのそのような態様においては、PEGコーティングのようなコーティングを第二端9に適用して結膜の過成長を抑制することができる。
【0030】
いくつかの態様においては、生体不活性ポリマーが内腔5のライナとして含まれる。すなわち、いくつかの態様において、内腔面12は生体不活性ポリマー材料を含む。たとえば、いくつかの態様においては、ポリエチレングリコール(PEG)、ホスホリルコリン(PC)またはポリエチレンオキシド(PEO)を含むが、それらに限定されるわけではない材料を内腔5の内腔面12に使用することができる。そのような生体不活性面はさらに、生物学的活性分子、たとえばヘパリン、スペルミン、界面活性剤、プロテアーゼもしくは他の酵素または表面固定化もしくは埋め込みに修正可能な他の生体適合性化学物質で修飾されてもよい。いくつかのそのような物質は好都合には親水性である。たとえば、いくつかの態様において、内腔面12の親水性は、装置1の細菌汚染を防ぐのに役立ち得る。
【0031】
いくつかの態様において、フィルタまたはフィルタ様多孔性部材が眼房水のために装置の流路(たとえば内腔5)中に含まれる。いくつかの態様において、細菌の侵入に抵抗するために、フィルタまたは多孔性部材は内腔5中に存在しない。いくつかの場合、本明細書に提供される装置の内腔5の表面化学を使用して細菌侵入を防ぐことができる。たとえば、高分子量PEGライニング内腔5は非常に親水性であってもよく、水和殻を引き寄せることができる。また、PEG側鎖の運動性およびそのような側鎖を含む立体安定化が細菌、細胞およびタンパク質を撃退することができる。いくつかの場合、眼房水が眼20から離れるときの眼房水の層流の剪断応力が装置1への細菌の侵入に抵抗することができる。1mLあたり10
8個の細菌を含む外部ブロスの中で装置1を灌流したときに、細菌が装置1に入らないことが、実験により実証された。涙は通常、非常に無菌性であり、炎症があるならば、IgA、リゾチーム、ラクトフェリンおよびIgG/補体を有する。いくつかの場合、涙を使用して感染を排除することができる。
【0032】
いくつかの態様において、装置1は、バルクおよび表面マイクロ加工を使用して構築される。いくつかの態様において、装置1は、3Dマイクロプリントを使用して構築される。特定の態様において、外面10は、たとえば点描、クロスハッチング、ワッフリング、粗面化、後向きの突起または突出部の配置などによってテクスチャを付される。この外面テクスチャ付けを達成するための1つの方法は、レーザエングレービングによる方法である。そのような造形は、装置1をインサイチューで安定化させることができ、また、装置1をより不透明にすることにより、装置の可視性を高め得る。外面10の造形は、装置1を医師にとってより可視性にすることができ、それにより、装置1の取り扱いおよび展開過程をより効率的かつ簡便にする。
【0033】
いくつかの態様において、装置1の幅Wは、約0.7mm〜約1.0mmまたは約0.9mm〜約1.2mmまたは約1.1mm〜約1.4mmまたは約1.3mm〜約1.6mmまたは約1.5mm〜約1.8mmの範囲または約1.8mmよりも大である。
【0034】
図示される態様において、ボディ3は、少なくとも第二端9の一部の周囲でフレア状に展開する、および/または拡張する。第二端9におけるボディ3のフレア状展開はいくつかの利点を提供する。たとえば、第二端9におけるボディ3のフレア状展開は、手術中に装置1が強膜6に押し込まれるとき挿入の終点を提供することにより、眼20の中での装置1の表面取り付けを支援する。加えて、第二端9におけるボディ3のフレア状展開は、眼20から突出する装置1の部分を支えるための構造支持を提供する。このような構造支持は、たとえばまぶたによって加えられる力から生じる傾向にあり得る突出部分の撓みに抵抗することにより、内腔5の開通性を維持するのに役立ち得る。たとえば、そのような後端に配置されたフレア/拡張部は、後方圧に対して装置を支える。いくつかの場合、第二端9におけるボディ3のフレア状展開/拡張は、露出した第二端9上の結膜の成長に対するさらなる抵抗を提供する。たとえば、フレア状部分によって提供されるさらなる表面積が、露出した第二端9上の結膜の成長を起こりにくくし得、それにより、内腔5の開通性を維持するのに役立つ。
【0035】
いくつかの場合、装置1は、埋め込みを支援し、虹彩が内腔開口を塞ぐことを防ぐために、その第一端7が前方で斜めにカットされていてもよい。
【0036】
図示される態様において、内腔5は、概して長方形の断面を有する細い隙間である。この細い隙間はいくつかの縦方向流路を含み得、それらの流路そのものは正方形、長方形、円形などおよびそれらの組み合わせであり得る。いくつかの態様において、内腔5の全幅は約0.5mmである。いくつかの態様において、内腔5の全幅は約0.4mm〜約0.6mmまたは約0.3mm〜約0.7mmまたは約0.2mm〜約0.8mmの範囲である。内腔5の高さ、有効幅、形状および長さは、約8mmHg〜約12mmHgのIOPを維持すると同時に、ドライアイ状態を処置するための量の眼房水を眼の涙液膜へと向けさせるような全抵抗を提供するように選択されることができる。
【0037】
内腔5の有効幅は、すべての装置支持リブ13(
図2に示すような)の合計幅を差し引いたのち得られる幅である。いくつかの態様においては、IOPが約8mmHg〜約12mmHgの正常範囲にとどまるような眼房水流出抵抗を有するように内腔5を設計することが望ましい。そうすることが、眼の正常な眼房水流出過程(主または線維柱帯経路)が作動状態にとどまると同時に、ドライアイ状態を処置するための量の眼房水を眼の涙液膜へと確実に向けさせるのに役立つ。多孔性媒質を通過する層流のポアズイユ式(R=8×粘度×流路長/流路数×π×流路半径の4乗)を使用して、所望のIOPを提供すると同時に、ドライアイ状態を処置するための量の眼房水を眼の涙液膜へと向けさせるのに適切な抵抗を達成するための内腔寸法の組み合わせを決定することができる。
【0038】
図示される態様において、装置1は縫合取り付け機構11を含む。図示される態様において、縫合取り付け機構11は、ボディ3を完全に通過するスルーホールである。縫合取り付け機構11は、縫合をそれに通して受けることができ、その縫合により、ボディ3は眼20に取り付けられる。いくつかの実施形態において、そのような縫合は、装置1と眼20とのバイオインテグレーションの前に、装置1を眼20の中で安定化することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の他のタイプの縫合取り付け機構、たとえばフランジ、溝穴、突起、クランプなどが含まれる。図示される態様において、縫合取り付け機構11は長方形の穴である。いくつかの態様において、縫合取り付け機構11は円形の穴、卵形の穴または別の形の穴である。
【0039】
いくつかの態様において、縫合取り付け機構11は、10-0ヘラ針を受けるのに十分な大きさである。たとえば、いくつかの態様において、縫合取り付け機構11の寸法は約300μm×約200μmである。他の適切なサイズの縫合取り付け機構11を使用することもできる。
【0040】
いくつかの態様においては、1つまたは複数の縦方向支持リブ13が内腔5内に含まれる。支持リブ13は、内腔5の開通性を維持するのに役立つための構造剛性を加えることができる。いくつかの態様において、支持リブ13は、内腔5に沿って配置されている一連の短い不連続なリブを含む。いくつかの態様において、支持リブ13は含まれない。
【0041】
いくつかの態様において、縦方向支持リブ13は内腔5を2つ以上の部分(たとえば流路)に分けることができる。すなわち、いくつかの態様において、ボディ3の内腔5は2つ以上の流路(たとえば2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは6つよりも多い数の流路)を含む。眼房水流出は、正方形、長方形、円形などおよびそれらの組み合わせであり得るこれらの流路を通って起こり得る。
【0042】
いくつかの態様において、埋め込み後に眼組織と接触するボディ3の部分は、埋め込み後に組織と係合し、かつ埋め込まれた装置1に安定性を提供するように設計された1つまたは複数の突起を含む。1つまたは複数の突起は、製造中に装置ボディ3の一部として形成されてもよいし、または任意の適切な技術を使用して装置ボディ3に融着または接着されてもよい。
【0043】
例示的な装置1を参照して本明細書に記載された詳細および特徴の1つまたは複数(またはすべて)はまた、本明細書に提供されるその他の装置態様にも適用可能であることが理解されるべきである。そのうえ、本明細書に記載される装置詳細および特徴の1つまたは複数を、本明細書に記載される1つまたは複数の他の装置詳細および特徴と組み合わせて、ハイブリッド装置構成を創製することもでき、そのようなハイブリッド装置構成は本開示の範囲内である。
【0044】
また、
図4を参照すると、眼20に対する装置1の特定の幾何学的局面を説明することができる。装置1は、眼20の角膜輪部に埋め込まれた状態で示されている。寸法Xは、強膜面からの装置1の前側突出であり、寸法Yは、強膜面からの装置1の後側突出である。図示される実施形態においては、フレアベベル角Zが眼20の輪郭をたどるため、寸法XおよびYはほぼ同じである(たとえば、図示される実施形態において角度θは約40°〜45°である)。後側フレアおよび/または拡張もまた、眼20の輪郭をたどる。強膜面からの装置1の突出が結膜の過成長を防ぐことができる。いくつかの場合、この利点は、突出の増大がいくつかの場合における微細動の増大を助長する傾向にあり得るという事実とで均衡されるはずである。いくつかの態様において、突出寸法XおよびYは、約50μm〜約1000μmまたは約50μm〜約200μmまたは約100μm〜約300μmまたは約200μm〜約400μmまたは約300μm〜約500μmまたは約400μm〜約600μmまたは約500μm〜約700μmまたは約600μm〜約800μmまたは約700μm〜約900μmまたは約800μm〜約1,000μmの範囲である。
【0045】
図4における寸法Aは装置1の厚さである。寸法Bは装置1のフレア状部分の正面図厚さである。いくつかの態様において、面寸法AおよびBは約200μmである。寸法Bは、選択される突出寸法XおよびYの変化に応じて変化し得る。
【0046】
図5を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置100が示されている。装置100は、内腔105を画定するボディ103を含む。ボディ103は第一端107および第二端109を含む。ボディ103は外面110および内腔面120を含む。
【0047】
装置100は、装置1を参照して上述したような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。いくつかの場合、装置100は、装置1を参照して上述したように構成され、かつ使用され得る。装置100は、少なくとも横方向ウィング110aおよび110bの追加に関して装置1とは異なる。さらに、装置100の図示される態様において、装置100は、装置1に含まれるような縫合取り付け機構11を含まない。代わりに、装置100は、ウィングウィング110aおよび110b中にそれぞれ配置された縫合取り付け機構111aおよび111bを含む。縫合取り付け機構111aおよび111bそれぞれは、上記のような装置1の縫合取り付け機構11のように構成され得る。
【0048】
本明細書に提供される装置を設置する第一の方法は以下のとおりである。設置のいくらか前に、1〜5%ベタダイン溶液で眼を洗浄し、局所抗生物質および非ステロイド系抗炎症点眼薬(NSAID)を手術する眼に適用する。この点眼は、術後約一週間、一日四回、継続することができる。NSAIDは血液房水関門を安定化するのに役立つ。
【0049】
本明細書に示される装置の各態様は、表面麻酔下、おそらくは結膜下麻酔で補足されながら挿入され得る。概して、本明細書に提供される装置は、手術処置を使用して結膜下の強膜中に挿入され得る。本明細書に提供される装置の挿入の位置は、強膜中、およそ後外科的輪部であり得る。いくつかの場合、本明細書に提供される装置は、角膜輪部周りのいかなる部位にも挿入することができる。いくつかの場合、本明細書に提供される装置は、上または側頭側輪部に挿入することができる。
【0050】
いくつかの場合、挿入処置は、挿入予定部位で結膜を少し切除して、下にある強膜を露出させることによって始めることができる。いくつかの場合(以下さらに説明するような)、挿入処置は、結膜の切除なしで実施される。その場合、出血があるならば焼灼することができる。
図5に示すような装置の態様の場合、デプスガード付きダイアモンドブレードを用いて、装置が配置されたときウィング110aおよび110bの全長をカバーするのに十分な深さまで、挿入部位で溝切開を実施することができる。ウィング110aおよび110bが挿入のエンドストップを提供することができ、そのため、装置100の端部109のフレアは任意である。この溝切開は、後外科的輪部またはその近くで実施することができ、虹彩面に対して平行であり得る。
図2の装置1の態様の場合、溝切開は不要である。理由は、溝切開は、ウィング110aおよび110bがある場合だけに必要であるからである。いくつかの場合、装置1の場合、まっすぐな刺切開だけが使用され、挿入深さのためのエンドストップは装置の外端のフレア/拡張部によって提供される。いくつかの場合、装置1の場合、挿入は、無傷の結膜を通して実施することができる。
【0051】
角膜輪部の約1〜2mm後方の、露出した強膜の部位で、ダイアモンドブレードを使用して、虹彩に対してほぼ平行を維持しながら、前眼房の中への刺切開を実施することができる。このブレードは、装置の導入に適切なサイズの開口を前眼房の中に形成するための所定のサイズである。この刺切開は、やさしく、かつ相対的にすばやく、任意およびすべての眼内構造を根気よく避けながら実施される。このような平穏無事な穿開術は、多くの場合、血液房水関門を妨害しないことがわかった。いずれにしても、この関門の任意の妨害は通常、24時間未満の間であり、障害が継続することはない。
【0052】
次に、無鈎鉗子によって装置をピックアップし、保持する。刺切創の傷口を細い有鈎鉗子で開き得る。次いで、管要素の尖った先端を、装置が虹彩の上かつ虹彩に対して平行になるよう位置し、ベベルが上(すなわち前)になる状態で、刺切開の強膜管にやさしく押し通し、前眼房に入れる。装置1および装置100の態様におけるフレア/拡張部が挿入深さの明確な終点を提供する。斜めにカットされた第一端を有する装置の態様の場合、ベベルは、虹彩による内腔開口の閉塞の危険性を最小限にするために前方に向けられている。強膜突起または他の外面特徴(含まれるならば)が、強膜とのバイオインテグレーションが完了するまで、装置を安定化する。このバイオインテグレーションは、おそらくは吸着された成長因子および/または移植された細胞外マトリックスタンパク質によって増強される、その多孔性細胞内方成長面の機能である。加えて、いくつかの実施形態においては、バイオインテグレーションの前に装置を安定化するために、装置の縫合取り付け機構を使用して1つまたは複数の縫合を加えてもよい。たとえば、装置1および装置100の態様においては、幅広のヘラ針で10-0ナイロン縫合糸を使用して装置を強膜に縫合して、バイオインテグレーションが完了するまで装置にさらなる安定性を提供し得る。そして、この縫合糸は、必要ならば、あとで簡単に抜糸し得る。代替の挿入技術は、医師による装置の必要な取り扱いを限定するために、装置を挿入ホルダまたはカートリッジに事前に装填することであろう。正しいサイズの鋭利なブレードが挿入装置の前縁にあることもでき、そのようなブレードもまた、装置を埋め込むためのガイドとして働く。または、別個のブレードで穿開を実施したのち、挿入装置による制御された挿入を実施することもできる。
【0053】
装置の挿入ののち、オキュラーシールドを眼の上に配置することができる。埋め込まれた装置は強膜とバイオインテグレーションし、それにより、トンネル感染のような感染の危険性を減らす。
【0054】
図6および7を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置600が示されている。装置600は、内腔605を画定するボディ603を含む。ボディ603は第一端607および第二端609を含む。ボディ603は外面610および内腔面612を含む。
【0055】
装置600は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。また、装置600は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0056】
図示される態様において、第一端607は外面610の縦方向面に対して概して直交する。対照的に、図示される態様の第二端609は、外面610の縦方向面に対して斜めにカットされている。装置600および本明細書に提供されるその他の装置のいくつかの態様においては、両端607および609が斜めにカットされていてもよいし(たとえば第二端609のように)、両端607および609が直交であってもよいし(たとえば第一端607のように)、あるいは端部607または609のいずれか一方が斜めにカットされ、端部607または609のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0057】
図示される態様において、内腔605は、第一の縦方向リブ613aおよび第二の縦方向リブ613bを含む。図示される態様において、リブ613aおよび613bは第一端607から第二端609まで途切れずに延びるが、いくつかの態様において、リブ613aおよび613bは、複数の個々に短めのセグメントおよび/または他の配列でできていてもよい。内腔605は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0058】
図示される態様において、第二端609は、ボディ603の縦軸に対して横方向に延びる第一のフランジ部分614aおよび第二のフランジ部分614bを含む。いくつかの実施形態において、フランジ部分614aおよび614bの面が角膜の表面と接触し、眼に対する装置600の機械的安定化を提供する。図示される態様において、フランジ部分614aおよび614bのもっとも外側の横方向面は丸みを帯びている(滑らかな曲線を描く)。いくつかの態様において、フランジ部分614aおよび614bのもっとも外側の横方向面は平面であり、外面610の縦方向面に対して平行である。いくつかの態様において、フランジ部分614aおよび614bの外側横方向面は平面であり、外面610の縦方向面に対して非平行または斜めである。
【0059】
いくつかの態様において、1つまたは複数の縫合取り付け機構が装置600(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。図示される態様において、第二端609は第一の縫合取り付け構造616aおよび第二の縫合取り付け構造616bを含む。図示される態様において、縫合取り付け構造616aおよび616bは溝穴である。いくつかの態様において、代替的または追加的に、他のタイプの縫合取り付け構造が含まれてもよい。図示される態様は2つの縫合取り付け構造616aおよび616bを含むが、いくつかの態様においては、0、1つ、3つ、4つまたは4つよりも多い数の縫合取り付け構造が含まれる。
【0060】
外面610の1つまたは複数の部分は、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。眼に対する装置600(および本明細書に提供されるその他の装置)の好都合な機械的安定性および/または移行抵抗性がそのような部分によって促進され得る。たとえば、図示される態様において、表面部分618は、外面610の他の部分に比較して高められたテクスチャ(粗さ)を含む。図示される態様において、表面部分618は、格子状の凹凸を有する面(クロスハッチング)である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプのテクスチャ付け構造が含まれてもよい。たとえば、そのようなテクスチャ付け構造は、点描、きざみ付け、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、表面部分618は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。
【0061】
図8を参照すると、装置600が、疾患のある眼20のドライアイ状態を治療するために疾患のある眼20に埋め込まれた状態で示されている。図示される眼20の解剖学的特徴は、前眼房2、強膜6、涙液膜4、虹彩23、毛様体25および角膜21を含む。装置600は、内腔605を画定するボディ603を含む。ボディ603は第一端607および第二端609を含む。ボディ603は外面610および内腔面612を含む。
【0062】
図示するように、装置600(および本明細書に提供されるその他の装置)は、眼20の強膜6に外科的に埋め込まれるように構成されている。装置600は、装置600が強膜6に埋め込まれたときに、眼20の前眼房2と涙液膜4との間に流体連絡を提供するのに十分な長さを有する。以下さらに説明するように、いくつかの態様において、内腔605は、さらなる流れ抵抗を提供する要素(たとえばフィルタまたは多孔性要素)を要することなく、内腔605を通って流れる眼房水を調節するのに適切な流出抵抗を提供するようにサイズ決めされ、かつ構成されている。そうする中で、内腔605は、所望のIOPを維持しながらも、眼20および涙液膜4の表面に水分および潤滑を提供するように機能する。いくつかの態様においては、フィルタまたはフィルタ様多孔性要素が内腔605中に含まれる。
【0063】
概して、前眼房2と涙液膜4との間に流体連絡を提供するために、いくつかの態様において、装置600は約2.5mmの長さを有する。いくつかの態様において、装置600は約2.5mm〜約5.0mmまたは約3.5mm〜約6.0mmの長さを有する。少なくとも約2.5mmの長さが、虹彩23による前眼房2中の内腔開口の閉塞の危険性を減らす。強膜管内の装置600の長さは、好ましくは、強膜厚さよりも大きいであろう。理由は、挿入が、虹彩23に対して平行になるよう、強膜6に対しては垂直にならない(より正接的である)からである。
【0064】
図9および10を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置700が示されている。装置700は、内腔705を画定するボディ703を含む。ボディ703は第一端707および第二端709を含む。ボディ703は外面710および内腔面712を含む。
【0065】
装置700は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。また、装置700は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0066】
図示される態様において、第一端707は、外面710の縦方向面に対して斜めにカットされている。図示される態様の第二端709もまた、外面710の縦方向面に対して斜めにカットされている。装置700(および本明細書に提供されるその他の装置)のいくつかの態様においては、両端707および709が斜めにカットされていてもよいし(たとえば図示するように)、両端707および709は直交であってもよいし、あるいは端部707または709のいずれか一方が斜めにカットされ、端部707または709のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0067】
図示される態様において、内腔705は、互いに離間している複数の卵形の柱状部713を含む。内腔705は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0068】
図示される態様において、第二端709は第一のフランジ部分714aおよび第二のフランジ部分714bを含む。いくつかの実施形態において、フランジ部分714aおよび714bは、角膜の表面と接触し、眼に対する装置700の機械的安定化を提供する。図示される態様において、フランジ部分714aおよび714bの外側横方向面は平面および面取り部分を含む。いくつかの態様において、フランジ部分714aおよび714bの外側横方向面は、外面710の縦方向面に対して丸みを帯びている(滑らかな曲線を描く)。
【0069】
いくつかの態様においては、1つまたは複数の縫合取り付け機構が装置700(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。図示される態様において、第二端709は縫合取り付け構造716を含む。図示される態様において、縫合取り付け構造716は溝穴である。いくつかの態様において、代替的または追加的に、他のタイプの縫合取り付け構造が含まれてもよい。図示される態様は1つの縫合取り付け構造716を含むが、いくつかの態様においては、0、2つ、3つ、4つまたは4つよりも多い数の縫合取り付け構造が含まれる。
【0070】
外面710の1つまたは複数の部分は、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。そのような部分は、眼に対する装置700(および本明細書に提供されるその他の装置)の好都合な機械的安定性および/または移行抵抗性を提供することができる。たとえば、図示される態様において、表面部分718は、外面710の他の部分に比較して高められたテクスチャ(粗さ)を含む。図示される態様において、表面部分718は点描面である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプのテクスチャ付け構造が含まれ得る。たとえば、そのようなテクスチャ付け構造は、クロスハッチング、きざみ付け、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、表面部分718は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。
【0071】
図11および12を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置800が示されている。装置800は、内腔805を画定するボディ803を含む。ボディ803は第一端807および第二端809を含む。ボディ803は外面810および内腔面812を含む。
【0072】
装置800は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。また、装置800は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0073】
図示される態様において、第一端807は斜めにカットされている。図示される態様の第二端809もまた、外面810の縦方向面に対して斜めにカットされている。装置800および本明細書に提供されるその他の装置のいくつかの態様においては、両端807および809が外面810の縦方向面に対して直交であってもよいし、あるいは端部807または809のいずれか一方が斜めにカットされ、端部807または809のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0074】
図示される態様において、内腔805は縦方向リブ813を含む。図示される態様において、リブ813は第一端807から第二端809まで途切れずに延びるが、いくつかの態様において、リブ813は、複数の個々に短めのセグメントおよび/または他の配列でできていてもよい。内腔805は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0075】
図示される態様において、第二端809は第一のフランジ部分814aおよび第二のフランジ部分814bを含む。いくつかの実施形態において、フランジ部分814aおよび814bの1つまたは複数の面が角膜の表面と接触し、眼に対する装置800の機械的安定化を提供する。図示される態様において、フランジ部分814aおよび814bの外側横方向面は平面であり、外面810の縦方向面に対して平行である。いくつかの態様において、フランジ部分814aおよび814bの外側横方向面は滑らかな曲線を描く。いくつかの態様において、フランジ部分814aおよび814bの外側横方向面は平面であり、外面810の縦方向面に対して非平行または斜めである。
【0076】
いくつかの態様において、1つまたは複数の縫合取り付け機構が装置800(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。図示される態様において、第二端809は第一の縫合取り付け構造816aおよび第二の縫合取り付け構造816bを含む。図示される態様において、縫合取り付け構造816aおよび816bは穴である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプの縫合取り付け構造が含まれてもよい。図示される態様は2つの縫合取り付け構造816aおよび816bを含むが、いくつかの態様においては、0、1つ、3つ、4つまたは4つよりも多い数の縫合取り付け構造が含まれる。
【0077】
外面810の1つまたは複数の部分は、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。眼に対する装置800(および本明細書に提供されるその他の装置)の好都合な機械的安定性および/または移行抵抗性がそのような部分によって促進され得る。たとえば、図示される態様においては、複数の突出部818が、外面810の他の部分に比較して高められたテクスチャ(より大きな粗さ)を提供する。図示される態様において、突出部818は外面810の互いに反対側の面に配置されている。突出部818は、外面810上の任意の所望の位置に配置されてもよいことが理解されるべきである。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプのテクスチャ付け構造が含まれ得る。たとえば、そのようなテクスチャ付け構造は、クロスハッチング、点描、きざみ付け、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、表面部分818は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。
【0078】
図13および14を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置900が示されている。装置900は、内腔905を画定するボディ903を含む。ボディ903は第一端907および第二端909を含む。ボディ903は外面910および内腔面912を含む。
【0079】
装置900は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。また、装置900は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0080】
図示される態様において、第一端907は斜めにカットされていない。代わりに、第一端907は、外面910の縦方向面に対して概して直交する。図示される態様の第二端909は、外面910の縦方向面に対して斜めにカットされている。装置900(および本明細書に提供されるその他の装置)のいくつかの態様においては、両端907および909が斜めにカットされていてもよいし(たとえば第二端909のように)、両端907および909が直交であってもよいし(たとえば第一端907のように)、あるいは端部907または909のいずれか一方が斜めにカットされ、端部907または909のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0081】
図示される態様において、内腔905は第一の縦方向リブ913aおよび第二の縦方向リブ913bを含む。図示される態様において、リブ913aおよび913bは第一端907から第二端909まで途切れずに延びるが、いくつかの態様において、リブ913aおよび913bは、複数の個々に短めのセグメントおよび/または他の配列でできていてもよい。内腔905は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0082】
図示される態様において、第二端909は第一のフランジ部分914aおよび第二のフランジ部分914bを含む。いくつかの実施形態において、フランジ部分914aおよび914bは、角膜の表面と接触し、眼に対する装置900の機械的安定化を提供する。図示される態様において、フランジ部分914aおよび914bの外側横方向面は平面であり、外面910の縦方向面に対して平行である。いくつかの態様において、フランジ部分914aおよび914bの外側横方向面は非平面である(たとえば、丸みを帯びている、面取りされている、滑らかな曲線を描く、など)。いくつかの態様において、フランジ部分914aおよび914bの外側横方向面は平面であり、外面910の縦方向面に対して非平行または斜めである。
【0083】
いくつかの態様においては、1つまたは複数の縫合取り付け機構が装置900(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。図示される態様において、第二端909は第一の縫合取り付け構造916aおよび第二の縫合取り付け構造916bを含む。図示される態様において、縫合取り付け構造916aおよび916bは溝穴である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプの縫合取り付け構造が含まれてもよい。図示される態様は2つの縫合取り付け構造916aおよび916bを含むが、いくつかの態様においては、0、1つ、3つ、4つまたは4つよりも多い数の縫合取り付け構造が含まれる。
【0084】
外面910の1つまたは複数の部分は、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。眼に対する装置900(および本明細書に提供されるその他の装置)の好都合な機械的安定性および/または移行抵抗性がそのような部分によって促進され得る。たとえば、図示される態様においては、1つまたは複数の横方向突起918が外面910の互いに反対側の面に含まれる。図示される態様において、横方向突起918は、非外傷性の先端(切頭形の先端、丸みを帯びた先端など)を有する三角形の突出部である。いくつかの態様において、そのような横方向突起918は含まれない。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプのテクスチャ付け構造が含まれてもよい。たとえば、そのようなテクスチャ付け構造は、点描、きざみ付け、クロスハッチングなどおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、表面部分918は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。
【0085】
図15〜26は、本明細書に提供される装置に組み込まれ得る様々な例示的内腔構造を示す。図示される内腔構造は、本明細書に提供される装置の内腔通路の構成に使用し得る構造の網羅的な編纂ではないことが理解されるべきである。そのうえ、図示される内腔構造の1つまたは複数の特徴を、1つまたは複数の他の図示される内腔構造の特徴と組み合わせて、本開示の範囲内である多くの異なる組み合わせを創製することができる。
【0086】
例示的な内腔構造は、さらなる流れ抵抗を提供する要素(たとえばフィルタまたは多孔性要素)を要することなく、内腔を通って流れる眼房水を調節するのに適切な流出抵抗を提供するようにサイズ決めされ、かつ構成され得る。そうする中で、内腔は、所望のIOPを維持しながらも、眼および涙液膜の表面に水分および潤滑を提供するように機能する。いくつかの態様においては、フィルタまたはフィルタ様多孔性要素が、本明細書に提供される装置に含まれる。
【0087】
図15を参照すると、例示的な装置1000は、1つまたは複数の縦方向リブ1013を含む内腔構造1005を含むことができる。図示される態様においては、8つの縦方向リブ1013が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、9つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ1013が含まれる。そのような縦方向リブ1013は、内腔1005全体を2つ以上の縦方向部分に分けるように働く。
【0088】
図16を参照すると、例示的な装置1100は、1つまたは複数の縦方向リブ部分1113を含む内腔構造1105を含むことができる。そのような縦方向リブ部分1113は、内腔1105全体を、2つ以上の縦方向部分を有するいくつかのセグメントと、縦方向リブ部分1113によって分けられないいくつかのセグメントとに分けるように働く。図示される態様においては、8つの縦方向リブ部分1113が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、9つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ部分1113が含まれる。任意の適当な数の縦方向リブ部分1113の群が含まれ得る。
【0089】
図17を参照すると、例示的な装置1200は、1つまたは複数の縦方向リブ部分1213を含む内腔構造1205を含むことができる。そのような縦方向リブ部分1213は、内腔1205全体を、2つ以上の縦方向部分を有するいくつかのセグメントと、縦方向リブ部分1213によって分けられないいくつかのセグメントとに分けるように働く。加えて、図示される態様においては、縦方向リブ部分1213の交互の群が縦方向リブ部分1213の隣接群から横方向にずれている。図示される態様においては、8つの縦方向リブ部分1213が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、9つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ部分1213が含まれる。任意の適当な数の縦方向リブ部分1213の群が含まれてもよい。
【0090】
図18を参照すると、例示的な装置1300は、1つまたは複数の縦方向リブ1313を含む内腔構造1305を含むことができる。図示される態様においては、6つの縦方向リブ1313が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ1313が含まれる。そのような縦方向リブ1313は、内腔1305全体を2つ以上の縦方向部分に分けるように働く。縦方向リブ1313は、任意の適当な幅を有するように作られてもよい。
【0091】
図19を参照すると、例示的な装置1400は、1つまたは複数の縦方向リブ部分1413を含む内腔構造1405を含むことができる。そのような縦方向リブ部分1413は、内腔1405全体を、2つ以上の縦方向部分を有するいくつかのセグメントと、縦方向リブ部分1413によって分けられないいくつかのセグメントとに分けるように働く。図示される態様においては、6つの縦方向リブ部分1413が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ部分1413が含まれる。任意の適当な数の縦方向リブ部分1413の群が含まれてもよい。縦方向リブ1313は、任意の適当な幅を有するように作られてもよい。
【0092】
図20を参照すると、例示的な装置1500は、1つまたは複数の縦方向リブ部分1513を含む内腔構造1505を含むことができる。そのような縦方向リブ部分1513は、内腔1505全体を、2つ以上の縦方向部分を有するいくつかのセグメントと、縦方向リブ部分1513によって分けられないいくつかのセグメントとに分けるように働く。加えて、図示される態様においては、縦方向リブ部分1513の交互の群が縦方向リブ部分1513の隣接群から横方向にずれている。図示される態様においては、6つの縦方向リブ部分1513が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、7つ、9つ、8つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ部分1513が含まれる。任意の適当な数の縦方向リブ部分1513の群が含まれ得る。縦方向リブ1313は、任意の適当な幅を有するように作られ得る。
【0093】
図21を参照すると、例示的な装置1600は、1つまたは複数の縦方向リブ1613を含む内腔構造1605を含むことができる。図示される態様においては、3つの縦方向リブ1613が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ1613が含まれる。そのような縦方向リブ1613は、内腔1605全体を2つ以上の縦方向部分に分けるように働く。縦方向リブ1613は、任意の適当な幅を有するように作られ得る。
【0094】
図22を参照すると、例示的な装置1700は、1つまたは複数の縦方向リブ部分1713を含む内腔構造1705を含むことができる。そのような縦方向リブ部分1713は、内腔1705全体を、2つ以上の縦方向部分を有するいくつかのセグメントと、縦方向リブ部分1713によって分けられないいくつかのセグメントとに分けるように働く。図示される態様においては、3つの縦方向リブ部分1713が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ部分1713が含まれる。任意の適当な数の縦方向リブ部分1713の群が含まれてもよい。縦方向リブ1713は、任意の適当な幅を有するように作られ得る。
【0095】
図23を参照すると、例示的な装置1800は、1つまたは複数の縦方向リブ部分1813を含む内腔構造1805を含むことができる。そのような縦方向リブ部分1813は、内腔1805全体を、2つ以上の縦方向部分を有するいくつかのセグメントと、縦方向リブ部分1813によって分けられないいくつかのセグメントとに分けるように働く。加えて、図示される態様においては、縦方向リブ部分1813の交互の群が縦方向リブ部分1813の隣接群から横方向にずれている。図示される態様においては、3つの縦方向リブ部分1813が含まれる。いくつかの態様においては、0、1つ、2つ、4つ、5つ、6つ、7つ、9つ、8つ、10、11、12または12よりも多い数の縦方向リブ部分1813が含まれる。任意の適当な数の縦方向リブ部分1813の群が含まれてもよい。縦方向リブ1313は、任意の適当な幅を有するように作られ得る。
【0096】
図21を参照すると、例示的な装置1900は、複数の円形の柱状部1913を含む内腔構造1905を含むことができる。そのような円形の柱状部1913は、内腔1905を狭めるように働くが、内腔1905を通過する流体のすべての流れを阻止するわけではない。円形の柱状部1913は、任意の適当なサイズ(たとえば直径)を有するように作られてもよい。図示される態様において、円形の柱状部1913は縦方向に整列している。
【0097】
図22を参照すると、例示的な装置2000は、複数の円形の柱状部2013を含む内腔構造2005を含むことができる。そのような円形の柱状部2013は、内腔2005を狭めるように働くが、内腔2005を通過する流体のすべての流れを阻止するわけではない。円形の柱状部2013は、任意の適当なサイズ(たとえば直径)を有するように作られ得る。図示される態様において、円形の柱状部2013は、縦方向に隣接する円形の柱状部2013から横方向にオフセットしている。
【0098】
図23を参照すると、例示的な装置2100は、複数の卵形の柱状部2113を含む内腔構造2105を含むことができる。そのような卵形の柱状部2113は、内腔2105を狭めるように働くが、内腔2105を通過する流体のすべての流れを阻止するわけではない。卵形の柱状部2113は、任意の適当なサイズ(たとえば長さおよび幅)を有するように作られ得る。図示される態様において、卵形の柱状部2113は、縦方向に隣接する卵形の柱状部2113から横方向にずれている。
【0099】
図27および28を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置2200が示されている。装置2200は、内腔2205を画定するボディ2203を含む。ボディ2203は第一端2207および第二端2209を含む。ボディ2203は外面2210および内腔面2212を含む。装置2200はまた、ボルスタ部分2204を含む。ボルスタ部分2204はボディ2203と嵌合することができる。いくつかの場合、ボディ2203の第二端2209がボルスタ部分2204の受け部2218と結合することができる。いくつかの態様においては、眼の中への埋め込みの前および後で、ボディ2203とボルスタ部分2204とがいっしょに保持され、実質的にモノリシックな装置として機能するように、ボディ2203とボルスタ部分2204との間に圧縮嵌め(締り嵌め)が存在する。
【0100】
ボルスタ部分2204およびボディ2203は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。加えて、いくつかの態様において、ボルスタ部分2204またはその一部はシリコーンでできている。いくつかの態様において、ボルスタ部分2204またはその一部はPETでできている。装置2200は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0101】
ボルスタ部分2204は、装置2200が眼に埋め込まれるときに、装置2200のための安定な足場を提供する。いくつかの場合、ボルスタ部分2204の少なくとも一部が眼の表面と接触し、それにより、眼に対して装置2200を機械的に安定化する。いくつかの場合、ボルスタ部分2204は、眼に対する装置2200の傾きを防ぐ、または抑制するように働くことができる。また、眼に対する装置2200(および本明細書に提供されるその他の装置)の傾きを防ぐ、または抑制する他の装置設計特徴および装置使用技術が考えられる。たとえば、傾きを防ぐ、または抑制するために、突起、テクスチャ付きの面、突出部および他の機械的局面のような設計特徴の包含を含めることができる。さらに、いくつかの場合、傾きを防ぐ、または抑制するために、装置200(および本明細書に提供されるその他の装置)の挿入角度を選択および/または最適化することもできる。
【0102】
図示される態様においてボルスタ部分2204は長方形であるが、いくつかの態様においては、他の形のボルスタ部分が使用される。そのような形は、円形、楕円形、正方形、平行四辺形などを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。ボルスタ部分2219はボディ2203に対して角度2219で向けられることができる。いくつかの態様において、角度2219は約45°である。いくつかの態様において、角度2219は、約40°〜約50°または約35°〜約45°または約45°〜約55°または約30°〜約60°または約20°〜約70°または約10°〜約80°または約0°〜約90°の範囲内であるか、または約90°よりも大きい。
【0103】
図示される態様において、第一端2207は斜めにカットされている。いくつかの態様において、第一端2207は外面2210の縦方向面に対して概して直交する。図示される態様の第二端2209は、外面2210の縦方向面に対して斜めにカットされていない。装置2200および本明細書に提供されるその他の装置のいくつかの態様においては、両端2207および2209が斜めにカットされていてもよいし(たとえば第一端2207のように)、両端2207および2209が直交であってもよいし(たとえば第二端2209のように)、あるいは端部2207または2209のいずれか一方が斜めにカットされ、端部2207または2209のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0104】
図示される態様において、第二端2209はボルスタ部分2204を超えて延びる。いくつかの態様において、第二端2209は、ボルスタ部分2204に対して面一である、またはわずかに凹んでいる。
【0105】
図示される態様において、内腔2205は縦方向リブ2213を含む。図示される態様において、リブ2213は第一端2207から第二端2209まで途切れずに延びるが、いくつかの態様において、リブ2213は、複数の個々に短めのセグメントおよび/または他の配列でできていてもよい。内腔2205は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0106】
図示される態様において、第二端2209は第一のフランジ部分2214aおよび第二のフランジ部分2214bを含む。いくつかの実施形態において、フランジ部分2214aおよび2214bは、角膜の表面と接触し、眼に対する装置2200の機械的安定化を提供する。加えて、この装置2200の2ピース構造物において、フランジ部分2214aおよび2214bはボルスタ部分2204の凹み内に係合して、それらの間に頑丈な機械的接続を提供する。図示される態様において、フランジ部分2214aおよび2214bはボルスタ部分2204から突出している。いくつかの態様において、フランジ部分2214aおよび2214bは、ボルスタ部分2204に対して面一である、またはわずかに凹んでいる。
【0107】
いくつかの態様において、1つまたは複数の縫合取り付け機構が装置2200(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。図示される態様において、ボルスタ部分2204は第一の縫合取り付け構造2216aおよび第二の縫合取り付け構造2216bを含む。図示される態様において、縫合取り付け構造2216aおよび2216bは穴である。いくつかの態様において、代替的または追加的に、他のタイプの縫合取り付け構造が含まれ得る。図示される態様は2つの縫合取り付け構造2216aおよび2216bを含むが、いくつかの態様においては、0、1つ、3つ、4つまたは4つよりも多い数の縫合取り付け構造が含まれる。
【0108】
外面2210の1つまたは複数の部分は、眼に対する装置2200(および本明細書に提供されるその他の装置)の機械的安定性および/または移行抵抗性を改善するために、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。いくつかの態様において、外面2210の構造は、点描、きざみ付け、クロスハッチング、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、いくつかのそのような構造は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。
【0109】
図29および30を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置2300が示されている。装置2300は、内腔2305を画定するボディ2303を含む。ボディ2303は第一端2307および第二端2309を含む。ボディ2303は外面2310および内腔面2312を有する。装置2300はまた、ボルスタ部分2304を含む。ボルスタ部分2304はボディ2303と嵌合することができる。いくつかの場合、ボディ2303は、フランジ部分2314aおよび2314bがボルスタ部分2304と接触する状態に配置されるように、ボルスタ部分2304の受け部2318と結合することができる。いくつかの態様においては、眼の中への埋め込みの前および後で、ボディ2303とボルスタ部分2304とがいっしょに保持され、実質的にモノリシックな装置として機能するように、ボディ2303とボルスタ部分2304との間に圧縮嵌め(締り嵌め)が存在する。
【0110】
ボルスタ部分2304およびボディ2303は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。加えて、いくつかの態様において、ボルスタ部分2304またはその一部はシリコーンでできている。いくつかの態様において、ボルスタ部分2304またはその一部はPETでできている。装置2300は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0111】
ボルスタ部分2304は、装置2300が眼に埋め込まれるときに、装置2300のための安定な足場を提供する。いくつかの場合、ボルスタ部分2304の少なくとも一部が眼の表面と接触し、それにより、眼に対して装置2300を機械的に安定化する。いくつかの場合、ボルスタ部分2304は、眼に対する装置2300の傾きを防ぐ、または抑制するように働くことができる。
【0112】
図示される態様においてボルスタ部分2304は卵形であるが、いくつかの態様においては、他の形のボルスタ部分が使用される。そのような形は、円形、楕円形、正方形、平行四辺形などを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。ボルスタ部分2319はボディ2303に対して角度2319で向けられることができる。いくつかの態様において、角度2319は約45°である。いくつかの態様において、角度2319は、約40°〜約50°または約35°〜約45°または約45°〜約55°または約30°〜約60°または約20°〜約70°または約10°〜約80°または約0°〜約90°の範囲内であるか、または約90°よりも大きい。
【0113】
図示される態様において、第一端2307は斜めにカットされていない。代わりに、第一端2307は、外面2310の縦方向面に対して概して直交する。図示される態様の第二端2309もまた、外面2310の縦方向面に対して斜めにカットされてない。装置2300および本明細書に提供されるその他の装置のいくつかの態様において、両端2307および2309が斜めにカットされていてもよいし、両端2307および2309が直交であってもよいし、あるいは端部2307または2309のいずれか一方が斜めにカットされ、端部2307または2309のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0114】
図示される態様において、第二端2309はボルスタ部分2304を超えて延びる。いくつかの態様において、第二端2309は、ボルスタ部分2304に対して面一である、またはわずかに凹んでいる。
【0115】
図示される態様において、内腔2305は縦方向リブ2313を含む。図示される態様において、リブ2313は第一端2307から第二端2309まで途切れずに延びるが、いくつかの態様において、リブ2313は、複数の個々に短めのセグメントおよび/または他の配列でできていてもよい。内腔2305は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0116】
図示される態様において、第二端2309は第一のフランジ部分2314aおよび第二のフランジ部分2314bを含む。この装置2300の2ピース構造物において、フランジ部分2314aおよび2314bはボルスタ部分2304と係合して、それらの間に頑丈な機械的接続を提供する。図示される態様において、フランジ部分2314aおよび2314bはボルスタ部分2304から突出している。いくつかの態様において、フランジ部分2314aおよび2314bは、ボルスタ部分2304に対して面一である、またはわずかに凹んでいる。
【0117】
いくつかの態様において、1つまたは複数の縫合取り付け機構が装置2300(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。図示される態様において、ボルスタ部分2304は任意のそのような縫合取り付け構造を含まない。いくつかの態様において、ボルスタ部分2304がシリコーンでできているときに、ボルスタ部分2304を針によって穿刺して、縫合糸をボルスタ部分2304に通すことができる(特定の縫合取り付け機構が存在しないとしても)。図示される態様は縫合取り付け構造を含まないが、いくつかの態様においては、1つ、2つ、3つ、4つまたは4つよりも多くの縫合取り付け構造が含まれる。
【0118】
外面2310の1つまたは複数の部分は、眼に対する装置2300(および本明細書に提供されるその他の装置)の機械的安定性および/または移行抵抗性を改善するために、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。いくつかの態様において、外面2310の構造は、点描、きざみ付け、クロスハッチング、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、いくつかのそのような構造は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。
【0119】
図31を参照すると、例示的な装置2400が、疾患のある眼20のドライアイを治療するために疾患のある眼20に埋め込まれた状態で示されている。図示される眼20の解剖学的特徴は、前眼房2、強膜6、涙液膜4、虹彩23、毛様体25および角膜21を含む。
【0120】
装置2400は、内腔2405を画定するボディ2403を含む。ボディ2403は第一端2407および第二端2409を含む。ボディ2403は外面2410および内腔面2412を含む。
【0121】
図示される態様において、装置2400はまた、ボディ2403に取り付けられている縦方向延長部材2420を含む。アンカ部材2422が延長部材2420の反対側端に取り付けられている。アンカ部材2422は、非限定的に、突起、フック、スクリュー、クランプなどのような構造であり得る。アンカ部材2422は、角膜21または強膜6に埋め込まれることもできるし、それに取り付けられることもできる。いくつかの場合、延長部材2420およびアンカ部材2422は、眼20に対して装置2400を機械的に安定化させるように働く。
【0122】
いくつかの態様において、延長部材2420はワイヤ部材または別のタイプの細長い部材である。いくつかの態様において、延長部材2420およびアンカ部材2422は、ニチノールまたはステンレス鋼のような金属材料でできている。代替的または追加的に、いくつかの態様において、延長部材2420およびアンカ部材2422はポリマー材料でできている。
【0123】
図32を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置2500が示されている。装置2500は、内腔2505を画定するボディ2503を含む。ボディ2503は第一端2507および第二端2509を含む。ボディ2503は外面2510および内腔面2512を含む。
【0124】
装置2500は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。また、装置2500は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0125】
図示される態様において、第一端2507は斜めにカットされている。いくつかの態様において、第一端2507は外面2510の縦方向面に対して概して直交する。図示される態様の第二端2509は、外面2510の縦方向面に対して斜めにカットされていない。装置2500および本明細書に提供されるその他の装置のいくつかの態様において、両端2507および2509が斜めにカットされていてもよいし(たとえば第一端2507のように)、両端2507および2509が直交であってもよいし(たとえば第二端2509のように)、あるいは端部2507または2509のいずれか一方が斜めにカットされ、端部2507または2509のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0126】
図示される態様において、内腔2505は第一端2507から第二端2509まで途切れずに開通している。いくつかの態様において、内腔2505は、本明細書に提供されるその他の内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得る。
【0127】
図示される態様において、第二端2509は第一のフランジ部分2514aおよび第二のフランジ部分2514bを含む。いくつかの実施形態において、フランジ部分2514aおよび2514bは、角膜の表面と接触し、眼に対する装置2500の機械的安定化を提供する。図示される態様において、フランジ部分2514aおよび2514bの外側横方向面は丸みを帯びている(滑らかな曲線を描く)。いくつかの態様において、フランジ部分2514aおよび2514bの外側横方向面は平面であり、外面2510の縦方向面に対して平行である。いくつかの態様において、フランジ部分2514aおよび2514bの外側横方向面は平面であり、外面2510の縦方向面に対して非平行または斜めである。
【0128】
いくつかの態様においては、1つまたは複数の縫合取り付け機構が装置2500(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。図示される態様において、第二端2509は第一の縫合取り付け構造2516aおよび第二の縫合取り付け構造2516bを含む。図示される態様において、縫合取り付け構造2516aおよび2516bは溝である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプの縫合取り付け構造が含まれ得る。図示される態様は2つの縫合取り付け構造2516aおよび2516bを含むが、いくつかの態様においては、0、1つ、3つ、4つまたは4つよりも多い数の縫合取り付け構造が含まれる。
【0129】
外面2510の1つまたは複数の部分は、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。眼に対する装置2500(および本明細書に提供されるその他の装置)の好都合な機械的安定性および/または移行抵抗性がそのような部分によって促進されることができる。たとえば、図示される態様において、表面部分2518は、外面2510の他の部分に比較して高められたテクスチャ(粗さ)を含む。図示される態様において、表面部分2518は点描面である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプのテクスチャ付け構造が含まれ得る。たとえば、そのようなテクスチャ付け構造は、クロスハッチング、きざみ付け、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、表面部分2518は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。
【0130】
図33を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置2600が示されている。装置2600は、内腔2605を画定するボディ2603を含む。ボディ2603は第一端2607および第二端2609を含む。ボディ2603は外面2610および内腔面2612を含む。
【0131】
装置2600は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。また、装置2600は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。
【0132】
図示される態様において、装置2600は、概して
図32の装置2500のような配置で構成されている。装置2600は、第二端2609がフランジ部分2614aおよび2614bを距離2620だけ超えて延びるという点で装置2500とは異なる。いくつかの態様において、距離2620は約300μmである。いくつかの態様において、距離2620は約200μm〜約400μmまたは約100μm〜約500μmまたは約0μm〜約600μmの範囲である。
【0133】
図34を参照すると、例示的な装置2700および2800をドライアイ状態に罹患している眼20に埋め込むことができる。
【0134】
本明細書に提供される装置を設置する第二の方法は以下のとおりである。設置のいくらか前に、1〜5%ベタダイン溶液で眼を洗浄し、局所抗生物質および非ステロイド系抗炎症点眼薬(NSAID)を手術する眼に適用する。この点眼は、術後約一週間、一日四回、継続することができる。NSAIDは血液房水関門を安定化するのに役立ち得る。本明細書に示される装置のすべての態様は、表面麻酔下、おそらくは結膜下麻酔で補足されながら挿入され得る。
【0135】
この挿入処置は、挿入予定部位で結膜を切除することなく実施することができる。角膜輪部の約1〜2mm後方で、ダイアモンドブレードを使用して、虹彩に対してほぼ平行を維持しながら、前眼房の中への刺切開を実施することができる。ブレードは、装置の導入に適切なサイズの開口を前眼房の中に形成するための所定のサイズであり得る。この刺切開は、やさしく、かつ相対的にすばやく、任意およびすべての眼内構造を根気よく避けながら実施されることができる。
【0136】
次に、無鈎鉗子によって装置をピックアップし、保持することができる。刺切創の傷口を細い有鈎鉗子で開き得る。次いで、管要素の尖った先端を、装置が虹彩の上かつ虹彩に対して平行になるよう位置し、ベベルが上(すなわち前)になる状態で、刺切開の強膜管にやさしく押し通し、前眼房に入れる。そのように構成された態様における横方向フランジが挿入深さの明確な終点を提供する。斜めにカットされた第一端を有する装置の態様の場合、ベベルは、虹彩による内腔開口の閉塞の危険性を最小限にするために前方に向けられている。強膜の突起または他の外面特徴(含まれるならば)が、強膜とのバイオインテグレーションが完了するまで、装置を安定化することができる。このバイオインテグレーションは、おそらくは吸着された成長因子および/または移植された細胞外マトリックスタンパク質によって増強される、その多孔性細胞内方成長面の機能である。いくつかの実施形態においては、バイオインテグレーションの前に装置を安定化するために、装置の縫合取り付け機構を使用して1つまたは複数の縫合を加えてもよい。たとえば、10-0ナイロン縫合糸を幅広のヘラ針で使用して装置を強膜に縫合して、バイオインテグレーションが完了するまで装置にさらなる安定性を提供し得る。そして、この縫合糸は、必要ならば、あとで簡単に抜糸し得る。代替の挿入技術は、医師による装置の必要な取り扱いを限定するために、装置を挿入ホルダまたはカートリッジに事前に装填することであろう。正しいサイズの鋭利なブレードが挿入装置の前縁にあることもでき、そのようなブレードもまた、装置を埋め込むためのガイドとして働く。または、別個のブレードで穿開を実施したのち、挿入装置による制御された挿入を実施することができる。
【0137】
装置の挿入ののち、オキュラーシールドを眼の上に配置することができる。埋め込まれた装置は強膜とバイオインテグレーションし、それにより、トンネル感染のような感染の危険性を減らす。
【0138】
図35を参照すると、装置2700および2800が約二週間、埋め込まれた後の眼20が示されている。装置2700および2800の端部は、結膜組織と過成長していない。したがって、装置2700および2800の内腔は開通しており、ドライアイに水分を与えるように機能し、それにより、ドライアイを安全かつ効果的に治療することができる。
【0139】
図36を参照すると、装置2700および2800が約一ヶ月間、埋め込まれた後の眼20が示されている。装置2700および2800の端部はまだ、結膜組織と過成長していない。したがって、装置2700および2800の内腔は開通しており、ドライアイに水分を与えるように機能し、それにより、ドライアイを安全かつ効果的に治療することができる。加えて、写真は、以前の組織の刺激(赤み)が鎮静したことを示す。したがって、この例において、装置2700および2800は患者とうまく一体化している。
【0140】
装置の内腔の開通性を維持するための結膜組織過成長の防止は、非限定的に、材料選択、コーティング、眼の表面からの装置の突出の物理的距離および形状寸法ならびに眼に対する突出端の角度のような数多くの様々な設計要因によって実施されることがわかった。たとえば、動物実験から、以下の表1に示す、時間と突出距離(眼の表面から装置の端部までの距離)との関係が観察された。
【0142】
図37および38を参照すると、本明細書に提供される技術にしたがって緑内障を治療するための別の例示的な装置が2ピース装置2900である。2ピース装置2900はカラー2910およびカートリッジ2940を含む。カラー2910は、カラー2910とカートリッジ2940とが解放可能に結合可能であるよう、カートリッジ2940をスライド式に受けるように構成されている。
【0143】
通常の使用中、カラー2910とカートリッジ2940とは結合される(
図38に示すように)。この結合形態において、2ピース装置2900を、疾患のある眼の強膜に埋め込むと、眼房液が疾患のある眼の前眼房から2ピース装置2900を通って涙液膜の中に流れることを可能にすることができる(
図39に示すように)。涙液膜の中への眼房液のこの流出が、眼の表面に水分および潤滑を提供することに加え、疾患のある眼の眼圧を下げることにより、緑内障を治療することができる。そのような機能は、本明細書に記載される他の装置態様の機能と合致している。
【0144】
眼圧を下げる能力とともに、2ピース装置2900は、カラー2910とカートリッジ2940とが解放可能に結合可能であるという事実に関するさらなる機能的利点を提供する。たとえば、本明細書にさらに記載されるように、カラー2910が、疾患のある眼の強膜に埋め込まれたまま残るときに、使用済みカートリッジ2940を、埋め込まれたカラー2910との係合から取り出し、新たなカートリッジ2940を、埋め込まれたカラー2910の中に再設置することができる。いくつかの場合、新たなカートリッジ2940を設置するためのそのような手順は、新たな1ピース装置全体を設置するための手順ほど大がかりではない。したがって、2ピース装置2900は、いくつかの場合、カラー2910とカートリッジ2940とが解放可能に結合可能であるという事実に関する機能的利点を提供することができる。
【0145】
カラー2910およびカートリッジ2940は、装置1および本明細書に提供される他の装置を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築され得る。加えて、いくつかの態様において、カラー2910および/またはカートリッジ2940またはその一部はシリコーンでできている。いくつかの態様において、カラー2910および/またはカートリッジ2940またはその一部はPETでできている。2ピース装置2900は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、かつ使用され得る。いくつかの場合、埋め込まれる装置の表面生体適合性および/または固定化を促進するために、2ピース装置2900の内面および/または外面は、ポリマーコーティングまたは生物学的活性分子のような材料でコートされ得る。
【0146】
カラー2910はボディ2912を含む。図示される態様において、ボディ2912は突起2912aおよび2912bを含む。ボディ2912の1つまたは複数の部分は、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成され得る。眼に対する2ピース装置2900(および本明細書に提供されるその他の装置)の好都合な機械的安定性および/または移行抵抗性がそのような部分によって促進されることができる。たとえば、図示される態様においては、1つまたは複数の横方向突起2912aおよび2912bがボディ2912の互いに反対側の面に含まれる。図示される態様において、横方向突起2912aおよび2912bは、鋭利な先端を有する三角形の突出部である。他のタイプの形を横方向突起2912aおよび2912bのために使用してもよい。いくつかの態様において、横方向突起2912aおよび2912bは、非外傷性であるように構成されている(たとえば、切頭形の先端、丸みを帯びた先端など)。いくつかの態様においては、ボディ2912の1つまたは複数の特定の表面上に複数の突起が使用される。いくつかの態様において、そのような横方向突起2912aおよび2912bは含まれない。突起2912aおよび2912bは、製造中にボディ2912の一部として形成されてもよいし、または任意の適切な技術を使用してボディ2912に融着もしくは接着されてもよい。
【0147】
図示される態様において、ボディ2912の表面部分2918は、ボディ2912の他の表面部分に比較して高められたテクスチャ(粗さ)を含む。図示される態様において、表面部分2918はクロスハッチング面である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプのテクスチャ付け構造が含まれ得る。たとえば、そのようなテクスチャ付け構造は、点描、きざみ付け、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、表面部分2918は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって形成される。いくつかの態様において、そのようなテクスチャはボディ2912のすべての外面に配置されることができる。特定に態様において、テクスチャはボディ2912のいくつかの外面に配置され、他の外面には配置されなくてもよい。いくつかの態様において、そのようなテクスチャは、ボディ2912のどの外面にも含まれない。
【0148】
ボディ2912は内腔2914を画定する。内腔2914は、ボディ2912の中をボディ2912の基端から末端まで全体に延びることができる。いくつかの態様において、内腔2914は、カートリッジ2940とのプレス嵌め結合のためのサイズである。すなわち、いくつかの態様においては、内腔2914のサイズとカートリッジ2940のサイズとの間の寸法的干渉がそれらの間の機械的結合を容易にする。代替的または追加的に、いくつかの態様においては、ボディ2914とカートリッジ2940との間で他の機械的結合技術を使用することができる。そのような技術は、接着剤の使用、スナップ嵌め、溶接技術の使用、ねじ切り、クランピングなどおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。
【0149】
いくつかの態様においては、PEGを使用して内腔2914を画定することができる。PEGは細菌、タンパク質および細胞の付着に抵抗するため、内腔2914の面としてのPEGの使用は好都合であり得る。いくつかの態様において、低分子量PEGを使用することができる。いくつかの場合、PEGは光重合PEGである。いくつかの場合、PEGは光重合PEGではない。
【0150】
カートリッジ2940と内腔2914との間の所望の結合形態を容易にするために、いくつかの態様において、カートリッジ2940の外寸はカートリッジ2940の縦方向長さに沿って一貫しない。たとえば、いくつかの態様において、カートリッジ2940の末端部分は、カートリッジ2940の基端部分よりも小さい外寸を有する。そのようにして、カートリッジ2940が内腔2914に挿入されるときに、カートリッジ2940の末端部分は内腔2914の中に滑り込み、一方、カートリッジ2940の基端部分は、それらの間の寸法的干渉により、内腔2914と結合する。
【0151】
カートリッジ2940は、内腔2945を画定するボディ2943を含む。ボディ2943は第一端2947および第二端2949を含む。ボディ2943は外面2210および内腔面2212を含む。装置2200はまた、ボルスタ部分2204を含む。ボルスタ部分2204はボディ2203と嵌合することができる。いくつかの場合、ボディ2203の第二端2209は、ボルスタ部分2204の受け部2218と結合することができる。
【0152】
図示される態様において、内腔2945は縦方向リブ2953を含む。図示される態様において、リブ2953は第一端2947から第二端2949まで途切れずに延びるが、いくつかの態様において、リブ2953は、複数の個々に短めのセグメントおよび/または他の配列でできていてもよい。内腔2945は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0153】
図示される態様において、カラー2910およびカートリッジ2940の断面形状は長方形であるが、いくつかの態様においては、他の断面形状が使用される。そのような断面形状は、円形、楕円形、正方形、平行四辺形などを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。
【0154】
図示される態様において、第一端2947は斜めにカットされていない。代わりに、第一端2947は、ボディ2943の縦方向外面に対して概して直交する。図示される態様の第二端2949は、ボディ2943の縦方向外面に対して斜めにカットされている。2ピース装置2900および本明細書に提供されるその他の装置のいくつかの態様においては、両端2947および2949が斜めにカットされていてもよいし、両端2947および2949が直交であってもよいし、または端部2947および2949のいずれか一方が斜めにカットされ、端部2947および2949のもう一方が直交であってもよいことが理解されるべきである。
【0155】
図示される態様において、第二端2949はカラー2910を超えて延びる(
図38の結合形態において)。たとえば、いくつかの態様において、第二端2949はカラー2910を約200μmだけ超えて延びる。いくつかの態様において、第二端2949はカラー2910を約50μm〜約1000μmまたは約50μm〜約200μmまたは約100μm〜約300μmまたは約200μm〜約400μmまたは約300μm〜約500μmまたは約400μm〜約600μmまたは約500μm〜約700μmまたは約600μm〜約800μmまたは約700μm〜約900μmまたは約800μm〜約1,000μmの範囲の距離だけ超えて延びる。いくつかの態様において、結合形態にあるときに、第二端2949は、カラー2910に対して面一である、またはわずかに凹んでいる。
【0156】
いくつかの態様においては、任意で1つまたは複数の縫合取り付け機構が2ピース装置2900(および本明細書に提供されるその他の装置)上に含まれる。たとえば、いくつかの態様において、縫合取り付け機構はカラー2910上に含まれてもよい。図示される態様において、縫合取り付け機構は、穴、溝穴、フランジなどおよびそれらの組み合わせであり得る。
【0157】
図39を参照すると、2ピース装置2900が、疾患のある眼20の緑内障を治療するために疾患のある眼20に埋め込まれた状態で示されている。図示される眼20の解剖学的特徴は、前眼房2、強膜6、涙液膜4、虹彩23、毛様体25および角膜21を含む。2ピース装置2900はカラー2910およびカートリッジ2940を含む。カートリッジ2940は第一端2947および第二端2949を含む。
【0158】
図示するように、2ピース装置2900は、眼20の強膜6に外科的に埋め込まれるように構成されている。2ピース装置2900は、強膜6に埋め込まれたときに、眼20の前眼房2と涙液膜4との間に流体連絡を提供するのに十分な長さを有する。本明細書の中でさらに説明するように、いくつかの態様において、内腔2945は、さらなる流れ抵抗を提供する要素(たとえばフィルタまたは多孔性要素)なしで、内腔2945を通って流れる眼房水を調節するのに適切な流出抵抗を提供するようにサイズ決めされ、かつ構成され得る。そうする中で、内腔2945は、緑内障に罹患した眼20を治療するための所望のIOPを維持しながらも、眼20および涙液膜4の表面に水分および潤滑を提供するように機能する。換言するならば、眼房水は涙液膜4へと直接そらされる。結膜ブレブは形成しない。加えて、夜間IOPを上昇させるおそれのあるEVPは発生しない。むしろEVPは影響を受けない。いくつかの場合、内腔2945はフィルタまたは多孔性要素を含む。
【0159】
いくつかの場合、カラー2910は、カラー2910の基端が眼20の外面と概して面一になるように埋め込まれることができる。カラー2910は、眼20の外面と概して面一になったときに、カラー2910の末端が強膜6を超え、ちょうど前眼房2に入るような長さで構成され得る。
【0160】
いくつかの場合、前眼房2と涙液膜4との間に流体連絡を提供するために(内腔2945を介して)、2ピース装置2900は約2.5mmの全長を有する。いくつかの態様において、2ピース装置2900は約2.5mm〜約5.0mmまたは約3.5mm〜約6.0mmの全長を有する。少なくとも約2.5mmの長さが、虹彩23による前眼房2中の内腔開口の閉塞の危険性を減らす。強膜管内の2ピース装置2900の長さは、好ましくは、強膜厚さよりも大きいであろう。理由は、挿入が、虹彩23に対して平行になるよう、強膜6に対しては垂直にならない(より正接的である)からである。
【0161】
図37および38を参照して説明したように、2ピース装置2900は、カラー2910が強膜6に埋め込まれたままであるときに、カートリッジ2940をカラー2910から取り出すことができるように構成されている。その後、新たなカートリッジ2940を容易にカラー2910の中に設置することができる。そのような特徴は様々な状況で好都合であり得る。1つの例示的な状況においては、一定の期間をかけて、使用済みカートリッジ2940の内腔2945がたとえば生体材料によって部分的または完全に閉塞され得る。したがって、使用済みカートリッジ2940を取り出し、新たなカートリッジ2940を設置することが望ましく、または必要になり得る。そのような場合、臨床医は、使用済みカートリッジ2940を取り出し(カラー2910をその埋め込み位置に残しながら)、次いで新たなカートリッジ2940をカラー2910との結合形態へと設置することができる。
【0162】
別の例示的な状況において、2ピース装置2900は、患者のニーズにしたがって異なる流れ抵抗のカートリッジ2940の使用を容易にすることにより、時間とともに患者のニーズに適合可能であるように構成される。たとえば、患者が、患者の緑内障を治療するために、より多い、またはより少ない眼房水流を必要とするならば、医師は、異なる抵抗レベルを規定することができる。異なる抵抗レベルのカートリッジ2940が患者によって必要とされるときには、2ピース装置2900によって受け入れられる好都合な技術を使用して、古いカートリッジ2940を取り出し、新たなカートリッジ2940を設置することができる(カラー2910をその埋め込み位置に残しながら)。
【0163】
図40および41を参照すると、いくつかの場合、展開ツール3000を使用して、本明細書に提供される緑内障治療装置(たとえば図示される例示的な装置3100)の埋め込みを支援することができる。緑内障治療装置3100の小さなサイズが、埋め込み過程中に必要であるような緑内障治療装置3100の取り扱いおよび操作をそうでなければ臨床医にとって困難にするため、展開ツール3000の使用は好都合であり得る。
【0164】
展開ツール3000は、つかみ部分3010と、軸部3020と、装置3100と解放可能に係合するように構成されている末端3030とを含む。図示される態様において、末端3030は、装置3100の基端と解放可能に係合するように構成されている溝穴3032を含む。たとえば、いくつかの態様においては、溝穴3032と装置3100の基端との間に軽い締り嵌めが提供されてもよい。いくつかの態様においては、末端3030と装置3100との間に他の解放可能な係合技術を使用することができる。たとえば、いくつかの態様において、末端3030は、装置3100が患者の眼に埋め込まれたのち臨床医が引き込むことができる引き込み可能なタブを含むことができる。また、他の解放可能な係合技術が考えられる。
【0165】
いくつかの場合、エンドユーザ臨床医は、展開ツール3000および装置3100を、無菌パッケージ中、結合形態で受け取り得る。埋め込み処置を実行するために、臨床医は、展開ツール300と装置3100との結合された組み合わせを無菌パッケージから取り出し、展開ツールを使用して、本明細書に記載された埋め込み技術にしたがって装置3100を埋め込む。装置3100が望みどおり患者の眼に埋め込まれると、臨床医は、埋め込まれた装置3100から展開ツール3000を切り離すことができる。
【0166】
図42および43を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置3200が示されている。装置3200は、内腔3205および縦軸3201を画定するボディ3203を含む。ボディ3203は末端部分3220、中間ボディ部分3240および基端部分3260を含む。ボディ3203は末端縁3222および基端縁3262を含む。ボディ3203は外面3210および内腔面3212を有する。
【0167】
ボディ3203は、末端縁3222と基端縁3262との間を縦に延びる最大縦方向長さLを有する。ボディ3203は、軸3201に対して直交に延びる横方向幅(たとえば、
図42にWd、WmおよびWpによって定義される)を有する。ボディ3203は厚さTを有する。
【0168】
装置3200は、装置1を参照して本明細書に記載されたような材料および技術のいずれかを使用して構築されることができる。また、装置3200は、装置1を参照して本明細書に記載されたやり方のいずれかで構成され、使用されることができる。厚さTは、非限定的に、約0.5mm〜約3.0mmまたは約0.8mm〜約2.5mmまたは約1.0mm〜約2.0mmまたは約1.2mm〜約1.8mmであることができる。
【0169】
図示される態様において、内腔3205はリブを含まない。いくつかの態様において、内腔3205は1つまたは複数のリブを含む。そのようなリブは、末端縁3222と基端縁3262との間を途切れずに延びてもよいし、いくつかの態様において、そのようなリブは、複数の個々に短めのセグメントおよび/または他の配列でできていてもよい。内腔3205は、本明細書に提供される内腔構造物(たとえば
図15〜26など)のいずれかおよびそれらの組み合わせで構成され得ることが理解されるべきである。
【0170】
図示される態様において、末端部分3220は、半径(曲率半径)3224を有する丸みを帯びた末端縁3222、第一の横方向縁3226および第二の横方向縁3228を含む。丸みを帯びた末端縁3222は、第一の横方向縁3226と第二の横方向縁3228との間を弧に沿って延びる。いくつかの場合、丸みを帯びた末端縁3222は、丸みのない末端前縁と比べて力の要らない挿入術を容易にすることができる。
【0171】
図示される態様において、半径3224は軸3201を中心とし、ボディ3203が軸3201を中心に対称であるようになっているが、すべての態様においてそのような中心および軸対称が求められるわけではない。いくつかの態様において、半径3224は約0.2mm〜約0.8mmである。いくつかの態様において、非限定的に、半径3224は、約0.2mm〜約0.6mmまたは約0.3mm〜約0.6mmまたは約0.4mm〜約0.6mmまたは約0.2mm〜約1.0mmまたは約0.2mm〜約0.9mmまたは約0.2mm〜約0.7mmまたは約0.2mm〜約0.5mmである。
【0172】
図示される態様において、末端部分3220は横方向にフレア状である。すなわち、第一の横方向縁3226および第二の横方向縁3228それぞれは軸3201に対して非平行であることができる。図示される態様において、第一の横方向縁3226および第二の横方向縁3228は、軸3201に対して等しい非平行角3230を画定するが、いくつかの態様において、第一の横方向縁3226および第二の横方向縁3228は、軸3201に対して異なる非平行角を画定する。いくつかの態様において、第一の横方向縁3226および/または第二の横方向縁3228は、軸3201に対して約5°〜約30°の角度3230を画定する。いくつかの態様において、非限定的に、角度3230は、約0°〜約80°または約0°〜約60°または約0°〜約45°または約10°〜約35°または約10°〜約25°または約10°〜約20°である。
【0173】
横方向にフレア状の末端部分の横方向幅Wdは、末端部分3220に沿って基端部分3260に向かって増大する。いくつかの態様において、非限定的に、横方向にフレア状の末端部分の横方向幅Wdは、合計で約0.2mm〜約1.2mmまたは約0.3mm〜約1.0mmまたは約0.4mm〜約0.9mmまたは約0.5mm〜約0.8mmまたは約0.5mm〜約0.7mmだけ増大する。
【0174】
中間ボディ部分3240は基端部分3260と末端部分3220との間に延びる。中間ボディ部分3240は横方向幅Wmを有する。図示される態様において、横方向幅Wmは、各基端部分3260および末端部分3220のいくつかの部分よりも横方向に狭い。いくつかの態様において、最大横方向幅Wmは、最大横方向幅Wdよりも少なくとも約0.3mmだけ小さい。いくつかの態様において、非限定的に、最大横方向幅Wmは、最大横方向幅Wdよりも少なくとも約0.1mmまたは約0.2mmまたは約0.4mmまたは約0.5mmまたは約0.6mmまたは約0.8mmまたは約1.0mmまたは約1.2mmだけ小さい。
【0175】
いくつかの態様において、最大横方向幅Wmは基端部分3260の最大横方向幅Wpよりも少なくとも約0.5mmだけ小さい。いくつかの態様において、非限定的に、最大横方向幅Wmは、最大横方向幅Wpよりも少なくとも約0.1mmまたは約0.2mmまたは約0.3mmまたは約0.4mmまたは約0.6mmまたは約0.7mmまたは約0.8mmまたは約0.9mmまたは約1.0mmまたは約1.2mmまたは約1.4mmだけ小さい。
【0176】
図示される態様において、中間ボディ部分3240は複数の横方向突出部3242を含む。そのような横方向突出部3242は、組織への装置3200の固着強度を改善し、それにより、装置3200の移行抵抗性を促進するのに役立つことができる。図示される態様のようないくつかの態様において、横方向突出部3242の少なくともいくつかの縁は、縦軸3201に対して非直交である角度で横方向に延びる。いくつかの態様において、非限定的に、横方向突出部3242の縁は、縦軸3201に対して約0°〜約80°または約10°〜約80°または約30°〜約80°または約40°〜約70°または約50°〜約70°または約40°〜約60°の角度で横方向に延びることができる。
【0177】
外面3210の1つまたは複数の部分は、眼組織(たとえば角膜または強膜)との高められた摩擦のために構成されることができる。眼に対する装置3200(および本明細書に提供されるその他の装置)の好都合な機械的安定性および/または移行抵抗性がそのような部分によって促進されることができる。たとえば、図示される態様において、表面部分3218は、外面3210の他の部分に比較して高められたテクスチャ(粗さ)を含む。図示される態様において、表面部分3218は、格子状の凹凸(クロスハッチ状の彫刻)を有する面である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプのテクスチャ付け構造が含まれることができる。たとえば、そのようなテクスチャ付け構造は、エッチング、点描、きざみ付け、1つまたは複数の突起の包含などおよびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。いくつかの態様において、表面部分3218は、非限定的に、レーザ加工、化学エッチング、プラズマエッチング、3Dプリント、フォトエッチングなどのような技術によって創製される。
【0178】
図示される態様において、基端部分3260は、半径(曲率半径)3264を有する丸みを帯びた基端縁3262、第一の横方向縁3266および第二の横方向縁3268を含む。丸みを帯びた基端縁3262は、第一の横方向縁3266と第二の横方向縁3268との間を弧に沿って延びる。いくつかの場合、丸みを帯びた基端縁3262は、丸みのない末端前縁と比べて眼表面からの装置3200の均一な突出を容易にすることができる。
【0179】
図示される態様において、半径3264は軸3201を中心とし、ボディ3203が軸3201を中心に対称であるようになっているが、すべての態様においてそのような中心および軸対称が求められるわけではない。いくつかの態様において、半径3264は約5.0mm〜約10.0mmである。いくつかの態様において、非限定的に、半径3264は、約3.0mm〜約12.0mmまたは約4.0mm〜約11.0mmまたは約6.0mm〜約9.0mmまたは約7.0mm〜約8.0mmである。
【0180】
基端部分3260もまた、丸みを帯びた末端縁3270aおよび3270bを含む。丸みを帯びた末端縁3270aおよび3270bは、装置3200が眼に埋め込まれたとき、眼の外面に当接することができる。いくつかの態様において、丸みを帯びた末端縁3270aおよび3270bは約5.0mm〜約10.0mmの半径を有する。いくつかの態様において、非限定的に、丸みを帯びた末端縁3270aおよび3270bは、約3.0mm〜約12.0mmまたは約4.0mm〜約11.0mmまたは約6.0mm〜約9.0mmまたは約7.0mm〜約8.0mmの半径を有する。
【0181】
いくつかの態様において、ボディ3203の最大横方向幅(図示される態様においてはWp)との比較におけるボディ3203の最大縦方向長さLは約1:1〜約3:1の比率である。いくつかの態様において、非限定的に、ボディ3203の最大横方向幅との比較におけるボディ3203の最大縦方向長さLは、約1:1〜約2.5:1または約1:1〜約2:1または約1.3:1〜約1.8:1または約1.6:1〜約2.2:1の比率である。
【0182】
図44および45を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置3300が示されている。装置3300は、内腔3305および縦軸3301を画定するボディ3303を含む。ボディ3303は末端部分3320、中間ボディ部分3340および基端部分3360を含む。ボディ3303は末端縁3322および基端縁3362を含む。ボディ3303は外面3310および内腔面3312を有する。
【0183】
装置3300は本質的に装置3200と類似して構成されている。装置3300と装置3200との間の1つの違いは、装置3300が、酸素プラズマエッチング加工によって粗面化されている表面部分3318を含むことである。図示される態様において、粗面化表面部分3318は中間ボディ部分3340だけにある。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、ボディ3303の他の部分が、酸素プラズマエッチング加工からの粗面化表面部分3318を有してもよい。
【0184】
図46および47を参照すると、本明細書に提供されるいくつかの態様の別の例示的な装置3400が示されている。装置3400は、内腔3405および縦軸3401を画定するボディ3403を含む。ボディ3403は末端部分3420、中間ボディ部分3440および基端部分3460を含む。ボディ3403は末端縁3422および基端縁3462を含む。ボディ3403は外面3410、内腔面3412および酸素プラズマエッチング加工によって粗面化されている表面部分3418を有する。
【0185】
装置3400は本質的に装置3200と類似して構成されている。装置3400と装置3200との間の1つの違いは、装置3400が、基端部分3460に画定されている縫合取り付け構造3466aおよび3466bを含むことである。縫合取り付け構造3466aおよび3466bは、図示される態様においてはV溝である。いくつかの態様においては、代替的または追加的に、他のタイプの縫合取り付け構造が含まれることができる(たとえば溝穴、アイレット、切欠きなど)。図示される態様は2つの縫合取り付け構造3466aおよび3466bを含むが、いくつかの態様においては、0、1つ、3つ、4つまたは4つよりも多い数の縫合取り付け構造が含まれる。
【0186】
本明細書に記載された1つまたは複数の装置からの1つまたは複数の特徴を、本明細書に記載された1つまたは複数の他の装置からの1つまたは複数の特徴と組み合わせることができるということが理解されるべきである。すべてのそのような組み合わせおよび置換が本開示の範囲内である。
【0187】
本明細書は多くの具体的な実施形態の詳細を含むが、それらは、任意の発明または特許請求され得るものの範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の態様に特異的であり得る特徴の説明と解釈されるべきである。また、別々の態様に関して本明細書に記載される特定の特徴が組み合わされて1つの態様として具現化されることもできる。逆に、1つの態様に関して記載される様々な特徴が、別々に、または任意の適当な部分的組み合わせで、複数の態様として具現化されることもできる。そのうえ、特徴は、本明細書の中では特定の組み合わせにおいて作用するものとして記載され、はじめにそのようなものとして特許請求され得るが、特許請求される組み合わせからの1つまたは複数の特徴が、いくつかの場合、その組み合わせから切り離されることができ、特許請求される組み合わせは、部分的組み合わせまたは部分的組み合わせの変形に関し得る。
【0188】
同様に、図面には操作が特定の順序で示されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような操作が示される特定の順番または順序で実行されること、または図示される操作がすべて実行されることを要するものと理解されるべきではない。特定の状況において、マルチタスキングおよび並列処理が好都合であり得る。そのうえ、本明細書に記載された態様における様々なシステムモジュールおよびコンポーネントの分離は、すべての態様においてそのような分離を要するものと理解されるべきではなく、記載されたプログラムコンポーネントおよびシステムが概して、1つの製品へと統合されることもできるし、複数の製品としてパッケージングされることもできることが理解されるべきである。
【0189】
主題の特定の態様が記載された。他の態様が以下の特許請求の範囲内である。たとえば、特許請求の範囲に記載される動作は、異なる順序で実行されるとしても、所望の結果を達成することができる。一例として、添付図面に描かれる過程は、所望の結果を達成するために、図示された特定の順番または順序を必ずしも必要としない。特定の実施形態において、マルチタスキングおよび並列処理が好都合であり得る。