特許第6892760号(P6892760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6892760配膳システムおよび配膳システムの使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892760
(24)【登録日】2021年6月1日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】配膳システムおよび配膳システムの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20210614BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20210614BHJP
   A47B 31/00 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   A61G12/00 D
   G06Q50/22
   A47B31/00 H
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-466(P2017-466)
(22)【出願日】2017年1月5日
(65)【公開番号】特開2018-108292(P2018-108292A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2019年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591137307
【氏名又は名称】株式会社エージーピー
(73)【特許権者】
【識別番号】517005972
【氏名又は名称】志水 晃介
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】志水 晃介
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−018966(JP,A)
【文献】 特開2002−347944(JP,A)
【文献】 特開2004−067372(JP,A)
【文献】 特開2016−194875(JP,A)
【文献】 特開2003−76753(JP,A)
【文献】 特開2001−33152(JP,A)
【文献】 特開2015−204898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
A47B 31/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被配膳者の固有情報と、前記被配膳者の食事内容と、配膳者が食事が配置された配膳トレイを配膳する順番に対応した通し番号である配膳番号と、を関連付けて管理し、前記固有情報、前記食事内容および前記配膳番号が記載された食札を出力する管理システムと、
前記配膳トレイの収納部を複数有し、前記収納部の並び順に前記配膳番号が割り当てられた配膳カートと、を備える配膳システム
【請求項2】
被配膳者の固有情報と、前記被配膳者の食事内容と、配膳者が食事が配置された配膳トレイを配膳する順番に対応した通し番号である配膳番号と、を関連付けて管理し、前記固有情報、前記食事内容および前記配膳番号が記載された食札を出力する管理システムと、
前記配膳トレイの収納部を複数有し、前記収納部の並び順に前記配膳番号が割り当てられた配膳カートと、
を備える配膳システムの使用方法であって、
前記食札を出力する工程と
記食札を前記配膳トレイに配置する食札配置工程と、
前記食札の前記食事内容に応じて前記配膳トレイに食事を配置する食事配置工程と、
前記配膳トレイを、前記配膳トレイに配置された前記食札の前記配膳番号に対応する前記配膳番号が割り当てられた前記収納部に収納する収納工程と、を備える、配膳システムの使用方法
【請求項3】
前記食札配置工程と、前記食事配置工程とは、前記配膳トレイがベルトコンベア上を流れる間に順次行われる請求項2記載の配膳システムの使用方法
【請求項4】
前記食札配置工程は、同一の前記食事内容が記載された前記食札毎に前記食札を前記配膳トレイに配置する工程である請求項2または3記載の配膳システムの使用方法
【請求項5】
前記配膳カートを配膳場所まで移動する工程と、
前記配膳トレイを前記配膳番号順に取り出し、配膳する工程と、をさらに備える請求項2から4のいずれか1項記載の配膳システムの使用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配膳システムおよび配膳システムの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院などでは、入院している患者に食事を提供する際、配膳カートが使用されている。配膳カートには、患者に配膳される食事が載せられた配膳トレイが収納されている。この配膳カートは患者が入院している部屋まで移動され、配膳カートから、食事が載せられた配膳トレイが取り出される。取り出された配膳トレイは、順次患者に配膳される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
患者に提供する食事は、患者の容態によって患者毎に異なる。このため、配膳カートから取り出した配膳トレイの配膳を誤ることなく行う必要がある。従来、看護師などの配膳者が病室で患者を確認した上で、確認した患者の名前などが記載された食札が載せられた配膳トレイを配膳カートから取り出し、配膳していた。このため、食札の確認作業など配膳者への負担が大きく時間がかかるという課題があった。
【0004】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、配膳カートから被配膳者へ食事を速やかで容易に配膳することができる配膳システムおよび配膳システムの使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配膳システムは、上述した課題を解決するために、被配膳者の固有情報と、前記被配膳者の食事内容と、配膳者が食事が配置された配膳トレイを配膳する順番に対応した通し番号である配膳番号と、を関連付けて管理し、前記固有情報、前記食事内容および前記配膳番号が記載された食札を出力する管理システムと、前記配膳トレイの収納部を複数有し、前記収納部の並び順に前記配膳番号が割り当てられた配膳カートと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の配膳システムおよび配膳システムの使用方法においては、配膳カートから被配膳者へ食事を速やかで容易に配膳することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態における配膳トレイの収納方法に用いられる配膳カートおよび配膳トレイを示す説明図。
図2】食札を示す説明図。
図3】(a)は比較としての配膳カートの収納順を示す図、(b)は本実施形態の配膳カートの収納順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る配膳システムおよび配膳システムの使用方法(配膳カートへの配膳トレイ収納方法の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
本実施形態における配膳トレイの収納方法は、病院などのように調理室から配膳場所へ配膳カートを用いて食事が移動され、配膳される際に用いられる。調理室においては、患者などの被配膳者に配膳される食事が配膳トレイに載せられた後、この配膳トレイが配膳カートに収納される。この配膳カートは、患者が入院している部屋まで移動される。看護師などの配膳者は、配膳カートから配膳トレイを取り出し、順次患者に配膳する。
【0010】
図1は、本実施形態における配膳トレイの収納方法に用いられる配膳カート1および配膳トレイ2を示す説明図である。図1においては、一の配膳トレイ2にのみ食札13を示し、他の配膳トレイ2の食札13は説明の便宜上省略した。
図2は、食札13を示す説明図である。
【0011】
配膳カート1は、配膳トレイ2を収納する収納部3を複数有する。配膳カート1には、収納部3の並び順に配膳番号11(後述)が割り当てられている。図1においては、収納部3の並び順である上から下方向に向かって、1から順に連続した配膳番号11が割り当てられている。なお、収納部3の並び順は、下から上、左から右、右から左でもよく、配膳者が配膳順に配膳トレイ2を取り出しやすいものであれば限定されない。
【0012】
配膳トレイ2には、食事12と食札13とが配置されている。
【0013】
食札13には、配膳番号11と、食事内容14と、被配膳者の固有情報15とを含む情報が記載されている。配膳番号11は、配膳カート1が配膳場所まで移動された後、配膳者により配膳される順番に対応した通し番号である。食事内容14は、例えば食事12の種類(常食、嚥下食、エネルギー制限食、脂質制限食など)や献立(魚の香草パン粉焼、和え物、カレー風味ソテー、果物など)である。被配膳者の固有情報15は、被配膳者の名前、固有番号などである。
【0014】
食札13は、少なくとも被配膳者の固有情報15、食事内容14、および配膳番号11を関連づけて管理する管理システムから出力される。管理システムは、例えば従来から病院で用いられているいわゆる栄養管理システムや、食事内容のみならず電子カルテシステムをはじめ医事システム、検査システム、介護支援システムなどを一括管理できるような管理システムである。管理システムは、コンピュータ、およびプリンタなどの出力装置を用いて、食札13を被配膳者毎に出力する。
【0015】
本実施形態における配膳トレイの収納方法は、以下の工程を有する。
【0016】
第1の工程は、食札13を準備する工程である。
第2の工程は、上述した配膳カート1を準備する工程である。
第3の工程は、食札13を配膳トレイ2に配置する食札配置工程である。
第4の工程は、食札13の食事内容14(食事12の種類)に応じて配膳トレイ2に食事12を配置する食事配置工程である。
第5の工程は、配膳トレイ2を対応する配膳番号11が割り当てられた収納部3に収納する収納工程である。
【0017】
また、第1から第5の工程の後、以下の工程を行ってもよい。
【0018】
第6の工程は、配膳カート1を配膳場所まで移動する工程である。
第7の工程は、配膳トレイ2を配膳番号11順に取り出し、配膳する工程である。
【0019】
次に、本実施形態における配膳トレイ2の収納方法の一例を具体的に説明する。
【0020】
まず、調理室において、配膳トレイ2がベルトコンベア上に設置される。食札配置工程、食事配置工程はこのベルトコンベア上を流れる間に順次行われる。管理システムなどから出力され予め準備された食札13は、配膳トレイ2に配置される。このとき、食札13は、同一の食事内容14(食事12の種類)が記載された食札13毎に配膳トレイ2に配置される。すなわち、食札13が配膳トレイ2に配置される際には、配膳番号11の順序は考慮されず、食事内容14の種類毎に配置される。次工程である食事配置工程において効率よく作業するためには、食事12の種類毎に食事12を配置することが好ましい。このため、食札13の配置順、すなわち、ベルトコンベア上を流れる食札13(配膳トレイ2)の順番も、食事内容14毎になっている。例えば、同一の配膳カート1内に収納される配膳トレイ2のうち、常食の配置が行われたのち、嚥下食の配置が行われ、最後に脂質制限食が配置される。
【0021】
次に、食札13の食事の種類に応じて、配膳トレイ2に食事12が配置される。その後、配膳トレイ2はベルトコンベアから移動され、対応する配膳番号11が割り当てられた配膳カート1の収納部3に収納される。このとき、配膳トレイ2を収納する者は、食札13の配膳番号11を確認し、対応する配膳番号11が割り当てられた収納部3に配膳トレイ2を収納する。
【0022】
なお、上述した工程は、同一の配膳カート1毎に行われるのが効率の観点から好ましい。
【0023】
次に、配膳カート1は配膳場所まで移動される。その後、配膳者により配膳トレイ2が配膳番号11の順、すなわち収納部3の並び順に取り出され、該当する被配膳者に配膳される。
【0024】
このような本実施形態における配膳トレイの収納方法は、配膳番号11を用いることにより、食事12を速やかで容易に配膳することができる。
【0025】
ここで、図3(a)は比較としての配膳カートの収納順を示す図であり、(b)は本実施形態の配膳カート1の収納順を示す図である。
【0026】
食事配置工程が効率良く実施されるためには、食事12の種類毎に配膳トレイ2に配置されることが好ましい。その一方、食事配置後、ベルトコンベア上での順序、すなわち図3(a)に示すように食事12の種類順のまま配膳カート1に配膳トレイ2を収納すると、配膳者が配膳する際に、配膳カート1から該当する被配膳者が記載された食札13を探し出し、取り出して配膳することになる。
【0027】
これに対し、本実施形態における配膳トレイの収納方法を用いた場合、図3(b)に示すように配膳番号順に配膳カート1に配膳トレイ2が収納される。このため、配膳者は、配膳番号順、すなわち、収納部3の並び順に合わせて配膳トレイ2を取り出せばよい。これにより、配膳者は、配膳カートから被配膳者へ食事12を速やかで容易に配膳することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 配膳カート
2 配膳トレイ
3 収納部
11 配膳番号
12 食事
13 食札
14 食事内容
15 固有情報
図1
図2
図3