(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
〔実施形態〕
電磁継電器の構造について、
図1を参照して説明する。
図1(A)は電磁継電器の斜視図であり、
図1(B)は電磁継電器本体の斜視図であり、
図1(C)電磁継電器の模式断面図である。
【0012】
図1の電磁継電器は、電磁継電器本体11が絶縁材料から形成され1つの面が開口した箱型のカバー10に収容されている。電磁継電器本体11は、固定端子13に固定接点12が接続されている固定接点部12aと、可動バネ15に可動接点14と可動バネ端子16が接続されている可動接点部14aを有する。さらに、電磁石Mと、電磁石Mが発生する磁界により変位して可動接点部14aを変位させ、固定接点12と可動接点14とを接触または非接触とする、磁性材料により形成された接極子19を有する。固定接点部12aと可動接点部14aは、可動接点14が固定接点12に対向するように、絶縁材料から形成されたベース21に接極子19と電磁石Mとともに保持されている。
【0013】
電磁石Mは、略円柱状の鉄心17の外周に巻枠18aが設けられており、巻枠18aの外周にコイル18が巻きつけられている。また、コイル18の両端にコイル端子20が取り付けられている。電磁石Mの上面および下面がそれぞれ電磁石の極となる面17aである。
【0014】
コイル18の外側にはL字状の継鉄19aが設けられている。また、接極子19は継鉄19aに接続して取り付けられており、継鉄19aに接続する箇所近傍を支点として回動可能になっている。接極子19と継鉄19aとには不図示のヒンジバネが取り付けられており、ヒンジバネは、接極子19が電磁石Mの面17aから離れる方向に接極子19を付勢している。電磁継電器本体11の外周には、コイル端子20と、固定端子13と可動バネ端子16の端部が外部に露出するようにカバー10が配置され、電磁継電器本体11がカバー10内に絶縁性樹脂で封止され、パッケージ化されている。
【0015】
次に、電磁継電器の動作について説明する。コイル18に電流が流されていない状態では、ヒンジバネによって、接極子19が電磁石Mの面17aから離れる方向に付勢されている。このとき、接極子19は可動バネ15に当接して可動バネ15を電磁石Mから遠ざかる方向に押圧し、固定接点12と可動接点14は非接触となっている。
【0016】
外部からコイル端子20を介しコイル18に電流が流されると電磁石Mによって磁界が発生し、接極子19は電磁石Mの面17aへと引き寄せられ、継鉄19aに接続する箇所近傍を支点として回動する。このとき、接極子19は可動バネ15に当接しない状態となり、可動バネ15はその復元力によって電磁石Mに近づく方向に付勢され、固定接点12と可動接点14は接触状態となる。このようにして、固定接点12が接続された固定端子13と、可動接点14及び可動バネ15が接続された可動バネ端子16の間が導通される。
【0017】
コイル18に流される電流を停止すると、電磁石Mによる磁界が消滅し、接極子19を面17aへと引き寄せる力がなくなる。ヒンジバネの復元力によって、接極子19が面17aから遠ざかる方向に変位し、接極子19は可動バネ15に当接して可動バネ15を電磁石Mから遠ざかる方向に押圧し、固定接点12と可動接点14は非接触状態となる。このようにして、固定端子13と可動バネ端子16間は非導通となる。
【0018】
電磁継電器のオンオフの繰り返しによって、電磁継電器のカバーやベースに由来する異物が発生することがあり、可動接点や固定接点の表面に異物が付着すると接触障害を起こす可能性がある。可動接点や固定接点の表面への異物の付着は、帯電した異物が、可動接点と固定接点の間に発生する電界に起因する静電吸引力によって可動接点と固定接点の表面に引き寄せられることで発生する。
【0019】
以下に示す実施形態に係る電磁継電器は、固定接点12と可動接点14の間以外に電界を発生させる異物収集電極を有している。異物収集電極で発生させた電界により、異物を異物収集電極に引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制して、接触障害の可能性を低減することができる。以下の実施形態では、異物収集電極を中心として説明する。
【0020】
〔第1実施形態〕
第1実施形態の電磁継電器について、
図2を参照して説明する。
図2(A)は本実施形態の電磁継電器本体の斜視図、
図2(B)は要部の拡大斜視図、
図2(C)は電磁継電器の模式断面図、
図2(D)は要部の拡大断面図である。
【0021】
電磁継電器本体の構造は、
図1に示す電磁継電器と同様であるので説明を省略する。本実施形態の電磁継電器は、固定接点12と可動接点14の近傍に、一対の異物収集電極30,31が互いに対向して設けられている。異物収集電極30と異物収集電極31はそれぞれ平板形状であり、互いに接触しないように所定の間隔で平行に配置されている。一対の異物収集電極30,31の距離は均一である。異物収集電極30と異物収集電極31にはそれぞれ接続する端子部30a,31aが設けられており、端子部30a,31aは固定端子13と可動バネ端子16と同様にパッケージの外部に露出している。
【0022】
固定接点部12aと異物収集電極30,31の間、可動接点部14aと異物収集電極30,31の間、及び、一対の異物収集電極30,31の間がそれぞれ空間的に離間して互いに絶縁されるように、端子部30a,31aがベース21に保持されている。
端子部30a,31aに電圧を印加すると、異物収集電極30と異物収集電極31の間に電界Eが発生する。電界Eにより、帯電した異物が異物収集電極30に引き寄せられるため、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制して、接触障害の可能性を低減することができる。特に、異物収集電極30と異物収集電極31の距離と、異物収集電極30と異物収集電極31に印加される電圧を調整することによって、異物収集電極30,31に、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きい電界を発生させることができる。
【0023】
例えば、電磁継電器の定格電圧V1は14V、異物収集電極30,31に印加する電圧V2を100Vとする。また、
図2(D)に示す固定接点12と可動接点14の距離をd1、一対の異物収集電極30,31の距離をd2とする。d1が0.3mm、d2が0.25mmとすると、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界E1は、E1=V1/d1=14V/0.3mm=46666.7V/mとなる。一方、異物収集電極30,31間に発生する電界E2は、E2=V2/d2=100V/0.025mm=400000V/mとなる。従って、異物収集電極30,31間には、固定接点12と可動接点14の間よりも約9倍の電界を発生させることが可能であり、これによって帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0024】
異物収集電極30と異物収集電極31が対向する場所は本実施形態では固定接点12と可動接点14の近傍であるが、異物収集電極30と異物収集電極31がカバー10の内側の領域のどこに設けられても異物を引き寄せて収集する効果を有する。本実施形態のように固定接点12と可動接点14の近傍に設けた場合、固定接点12と可動接点14の周辺に存在する異物が固定接点12と可動接点14の間に近づくことを抑制する効果が高められる。
【0025】
〔第2実施形態〕
第2実施形態の電磁継電器について、
図3を参照して説明する。
図3(A)は本実施形態の電磁継電器本体の要部拡大斜視図、
図3(B)は要部の拡大平面図、
図3(C)は異物収集電極の平面図、
図3(D)は異物収集電極の断面図である。
【0026】
本実施形態の電磁継電器は、固定接点12と可動接点14の近傍に、一対の異物収集電極32,33が互いに対向して設けられている。異物収集電極32と異物収集電極33はそれぞれ櫛歯形状であり、互いに接触せずに歯が噛み合うように所定の間隔で配置されている。一対の異物収集電極32,33の距離は均一である。異物収集電極32と異物収集電極33にそれぞれ接続する端子部32a,33aが設けられており、端子部32a,33aは固定端子13と可動バネ端子16と同様にパッケージの外部に露出している。上記を除いては、第1実施形態と同様である。
【0027】
本実施形態においては、異物収集電極32,33は互いに離間した状態で絶縁材料から形成されたベース21に埋設されて保持されており、端子部32a,33aはベース21に保持されている。固定接点部12aと異物収集電極32,33の間、可動接点部14aと異物収集電極32,33の間、及び、一対の異物収集電極32,33の間のそれぞれの絶縁が確保されている。
【0028】
端子部32a,33aに所定の電圧を印加すると、異物収集電極32と異物収集電極33の間に電界Eが発生し、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極32,33に発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極32,33が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0029】
〔第3実施形態〕
第3実施形態の電磁継電器について、
図4を参照して説明する。
図4(A)は本実施形態の電磁継電器本体の要部拡大斜視図、
図4(B)は要部の拡大平面図、
図4(C)は異物収集電極の平面図である。
【0030】
本実施形態の電磁継電器は、固定接点12と可動接点14の近傍に、一対の異物収集電極34,35が互いに対向して設けられている。異物収集電極34と異物収集電極35はそれぞれ鋭利な先端を有する形状の複数個の突起が並べられた鋸刃状の形状となっており、鋭利な先端同士が複数箇所で対向するように異物収集電極34,35が配置されている。異物収集電極34と異物収集電極35にそれぞれ接続する端子部34a,35aが設けられており、端子部34a,35aは固定端子13と可動バネ端子16と同様にパッケージの外部に露出している。上記を除いては、第1実施形態と同様である。
【0031】
本実施形態においては、異物収集電極34,35は互いに離間した状態でベース21に埋設されて保持されており、端子部34a,35aもベース21に保持されている。固定接点部12aと異物収集電極34,35の間、可動接点部14aと異物収集電極34,35の間、及び、一対の異物収集電極34,35の間のそれぞれの絶縁が確保されている。
【0032】
端子部34a,35aに所定の電圧を印加すると異物収集電極32の先端と異物収集電極33の先端の間に電界Eが発生し、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極34,35に発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極34,35が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0033】
〔第4実施形態〕
第4実施形態の電磁継電器について、
図5を参照して説明する。
図5(A)は本実施形態の電磁継電器のカバーの斜視図、
図5(B)は異物収集電極の平面図、
図5(C)は断面図である。
【0034】
本実施形態の電磁継電器においては、一対の異物収集電極36,37が互いに対向した状態でカバー10に埋設されている。異物収集電極36と異物収集電極37はそれぞれ線状の電極材料から形成されたものであり、屈曲部で屈曲させてミアンダ形状に加工されたものである。異物収集電極36と異物収集電極37は、互いに平行となる状態を維持するように形成されている。一対の異物収集電極36,37の間の距離は均一である。カバー10に埋設された異物収集電極36と異物収集電極37の一部はカバー10の表面に露出して端子部となる。
【0035】
異物収集電極36と異物収集電極37は、互いに離間した状態でカバー10に埋設されている。固定接点部12aと異物収集電極36,37の間、可動接点部14aと異物収集電極36,37の間、及び、一対の異物収集電極36,37の間で、それぞれ互いに絶縁されている。
【0036】
異物収集電極36と異物収集電極37に所定の電圧を印加すると、異物収集電極36と異物収集電極37の間に電界Eが発生し、電界Eはカバー10の内側表面から内側の領域に作用して、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極36,37に発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極36,37が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0037】
〔第5実施形態〕
第5実施形態の電磁継電器について、
図6及び
図7を参照して説明する。
図6(A)は本実施形態の電磁継電器本体の斜視図、
図6(B)は要部の拡大斜視図である。
図7(A)は本実施形態の異物収集電極の正面図である。図(7)Aは異物収集電極の正面図、
図7(B)は断面図である。
【0038】
本実施形態の電磁継電器は、固定接点12と可動接点14の近傍に、一対の異物収集電極38,39が互いに対向して設けられている。異物収集電極38と異物収集電極39はそれぞれ線状の電極材料を格子形状となるように加工したもので、異物収集電極38の面と異物収集電極39の面が対向するように配置されている。異物収集電極38と異物収集電極39にそれぞれ接続する端子部38a,39aが設けられており、端子部38a,39aは固定端子13と可動バネ端子16と同様にパッケージの外部に露出している。上記を除いては、第1実施形態と同様である。
【0039】
本実施形態においては、異物収集電極38,39は互いに離間した状態でベース21に保持されており、端子部38a,39aもベース21に保持されている。固定接点部12aと異物収集電極38,39の間、可動接点部14aと異物収集電極38,39の間、及び、一対の異物収集電極38,39の間で、それぞれ互いに絶縁されている。
【0040】
端子部38a,39aに所定の電圧を印加すると、異物収集電極38と異物収集電極39の間に電界Eが発生し、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極38,39に発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極38,39が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0041】
〔第6実施形態〕
第6実施形態の電磁継電器について、
図8を参照して説明する。
図8(A)は本実施形態の電磁継電器本体の斜視図、
図8(B)は正面図、
図8(C)は要部の拡大正面図、
図8(D)は要部の拡大斜視図である。
【0042】
本実施形態の電磁継電器は、固定接点12と可動接点14の周辺に、ベースに異物収集に用いる凹部42が2つ設けられている。各凹部42から固定接点12と可動接点14の側に延びるように、二対の異物収集電極40,41が互いに対向して設けられている。本実施形態では2つの凹部と二対の異物収集電極を有する構成を示しているが、1つの凹部42と一対の異物収集電極を有する構成であってもよい。異物収集電極40と異物収集電極41はそれぞれ屈曲部を有する平板形状であり、ベース21の近傍では異物収集電極40,41は近接した平行な配置であり、この平行な部分より固定接点12と可動接点14の側において、異物収集電極40,41は屈曲し、固定接点12と可動接点14に近づくにつれて異物収集電極40,41は互いとの距離が徐々に大きくなる配置となっている。また、異物収集電極40,41の表面または近傍の、例えば凹部42の内壁表面に粘着性物質43が設けられている。異物収集電極40と異物収集電極41にそれぞれ接続する端子部40a,41aが設けられており、端子部40a,41aはパッケージの外部に露出している。上記を除いては、第1実施形態と同様である。
【0043】
異物収集電極40と異物収集電極41及びこれらにそれぞれ接続する端子部40a,41aは、固定接点部12aと異物収集電極40,41の間、可動接点部14aと異物収集電極40,41の間、及び、一対の異物収集電極40,41の間で、それぞれ互いに離間して絶縁されるように、ベース21に保持されている。
【0044】
端子部40a,41aに所定の電圧を印加すると、異物収集電極40と異物収集電極41の間に電界Eが発生し、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制できる。ここで、異物収集電極40,41は、固定接点12と可動接点14から離れるにつれて異物収集電極40,41は互いとの距離が徐々に小さくなり、ベース21の近傍で最も近接している。即ち、異物収集電極40,41による電界は、固定接点12と可動接点14の側からベース21に近づくにつれて大きくなり、ベース21の近傍で最も大きくなる。一対の異物収集電極40,41の間隔が不均一である部分を有することにより、電界の大きさに勾配がもたらされる。これにより異物をより電界が大きい側へ誘導することができる。本実施形態では、異物収集電極40,41による電界が最も大きい箇所であるベース21の近傍に凹部42が形成されているので、異物を凹部42へと誘導して収集しやすくなっている。さらに凹部42の内壁表面に、粘着性物質43が設けられているので、凹部42に誘導された異物を粘着性物質43で粘着して収集することができる。これにより異物収集電極40,41が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0045】
凹部の設けられる場所はベース21に限らず、その他の絶縁性部材であるカバーの内面等に設けてもよい。
【0046】
〔第7実施形態〕
第7実施形態の電磁継電器について、
図9を参照して説明する。
図9(A)は本実施形態の電磁継電器のカバーの斜視図、
図9(B)は異物収集電極の平面図である。
【0047】
本実施形態の電磁継電器は、プリント基板44に一対の異物収集電極45,46が互いに対向した状態でパターニング形成され、プリント基板44がカバー10の内側表面に設けられているものである。プリント基板44上の異物収集電極45,46は櫛歯形状であり、互いに接触せずに歯が噛み合うように所定の間隔で配置されている。プリント基板44上の異物収集電極45,46の端部が端子部となる。上記を除いては、第1実施形態と同様の構成である。
【0048】
異物収集電極45と異物収集電極46は所定の間隔で離間して形成されており、固定接点部12aと異物収集電極45,46の間、可動接点部14aと異物収集電極45,46の間、及び、一対の異物収集電極45,46の間で、それぞれ互いに絶縁されている。
【0049】
異物収集電極45と異物収集電極46に電圧を印加すると、異物収集電極45と異物収集電極46の間に電界Eが発生し、電界Eはカバー10の内側表面から内側の領域に作用して、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極45,46が発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極45,46が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0050】
〔第8実施形態〕
第8実施形態の電磁継電器について、
図10を参照して説明する。
図10(A)は本実施形態の異物収集電極形成前のカバーの斜視図、
図10(B)は異物収取電極形成後のカバーの斜視図である。
【0051】
本実施形態の電磁継電器は、カバー10の内側表面に形成された溝10aに、櫛歯形状の異物収集電極47,48が入れられた構成である。異物収集電極47,48の端部が端子部となる。上記を除いては、第1実施形態と同様の構成である
異物収集電極47と異物収集電極48は、所定の間隔で離間して形成されている。固定接点部12aと異物収集電極47,48の間、可動接点部14aと異物収集電極47,48の間、及び、一対の異物収集電極47,48の間は、それぞれ互いに絶縁されている。
【0052】
異物収集電極47と異物収集電極48に電圧を印加すると、異物収集電極47と異物収集電極48の間に電界Eが発生し、電界Eはカバー10の内側表面から内側の領域に作用して、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極47,48が発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極47,48が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0053】
〔第9実施形態〕
第9実施形態の電磁継電器について、
図11を参照して説明する。
図11(A)は本実施形態の電磁継電器のカバーの斜視図、
図11(B)は電磁継電器本体の斜視図である。
【0054】
本実施形態の電磁継電器においては、カバー10の内側表面に櫛歯形状の異物収集電極49,50がメッキにより形成されている。また、異物収集電極の端子部49a,50aがベース21に保持されている。端子部49a,50aが設けられた電磁継電器本体に、内側表面に異物収集電極49,50が形成されたカバー10を被せると異物収集電極49,50の端部49t,50tと、端子部49a,50aの端部49at,50atが接続される。これにより、上記の実施形態と同様に異物収集電極49,50の端子部49a,50aが固定端子13と可動バネ端子16と同様にパッケージの外部に露出する。上記を除いては、第1実施形態と同様の構成である。
【0055】
異物収集電極49と異物収集電極50は、所定の間隔で離間して形成されている。固定接点部12aと異物収集電極47,48の間、可動接点部14aと異物収集電極49,50の間、及び、一対の異物収集電極49,50の間は、それぞれ互いに絶縁されている。
【0056】
異物収集電極49と異物収集電極50に電圧を印加すると、異物収集電極49と異物収集電極50の間に電界Eが発生し、電界Eはカバー10の内側表面から内側の領域に作用して、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極49,50に発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極49,50が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0057】
〔第10実施形態〕
第10実施形態の電磁継電器について、
図12を参照して説明する。
図12は本実施形態の電磁継電器の斜視図である。
【0058】
本実施形態の電磁継電器においては、カバー10の外側表面に、櫛歯形状の異物収集電極51,52が設けられている。異物収集電極51,52の端部は、固定端子13等と同様にパッケージの下方にまで伸びている。上記を除いては、第1実施形態と同様の構成である。
【0059】
異物収集電極51と異物収集電極52は、互いに離間してカバー10の外側表面に設けられている。固定接点部12aと異物収集電極51,52の間、可動接点部14aと異物収集電極51,52の間、及び、一対の異物収集電極51,52の間は、それぞれ互いに絶縁されている。
【0060】
異物収集電極51と異物収集電極52に電圧を印加すると、異物収集電極51と異物収集電極52の間に電界Eが発生する。異物収集電極51と異物収集電極52はカバー10の外側表面に設けられているが、カバー10が十分薄い場合には、電界Eはカバー10の内側の領域に作用して、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制することができる。異物収集電極51,52に発生する電界が、固定接点12と可動接点14の間に発生する電界よりも大きいことが好ましく、これにより異物収集電極51,52が帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点12と可動接点14の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0061】
〔第11実施形態〕
第11実施形態の電磁継電器について、
図13を参照して説明する。
図13は第11実施形態の電磁継電器本体の側面図である。
【0062】
電磁継電器本体61は、固定端子63に固定接点62が接続されている固定接点部62aと、可動バネ65に可動接点64と可動バネ端子66が接続されている可動接点部64aを有する。さらに、電磁石67と、電磁石67が発生する磁界により変位して可動接点部64aを変位させ、固定接点62と可動接点64とを接触または非接触とする、磁性材料により形成された接極子69を有する。固定接点部62aと可動接点部64aは、可動接点64が固定接点62に対向するように、絶縁材料から形成されたベース71に接極子69と電磁石67とともに保持されている。接極子69にはカード70が接続されており、カード70の下端部が可動接点部64aを押圧できる位置に配置されている。
【0063】
電磁石67は、鉄心の外周に巻枠が設けられ、その外周にコイルが巻きつけられて構成されている。電磁石67の上面および下面がそれぞれ電磁石の面67aである。
【0064】
接極子69は継鉄69aに取り付けられており、継鉄69aに接続する箇所近傍を支点として回動可能な状態となっている。接極子69と継鉄69aの近傍にはヒンジバネが取り付けられており、ヒンジバネは、接極子69が面67aから離れる方向に接極子69を付勢している。電磁継電器本体61の外周にカバー10が配置されている。
【0065】
次に、電磁継電器の動作について説明する。電磁石67のコイルに電流が流されていない状態では、ヒンジバネによって、接極子69が電磁石67の面67aから離れる方向に付勢されている。このとき、接極子69に接続されたカード70は可動バネ65に当接しておらず、可動バネ65の復元力により固定接点部62aから遠ざかる方向に付勢され、固定接点62と可動接点64は非接触となっている。
【0066】
電磁石67のコイルに電流が流されると電磁石67によって磁界が発生し、接極子69は面67aの方向へと引き寄せられ、継鉄69aに接続する箇所近傍を支点として回動する。このとき、接極子69に接続されたカード70は可動バネ65に当接して固定接点部62aに近づく方向に押圧し、固定接点62と可動接点64は接触状態となる。このようにして、固定端子63と可動バネ端子66間が導通される。
【0067】
電磁石67のコイルに流される電流を停止すると、電磁石67による磁界が消滅し、接極子69を引き寄せる力がなくなる。ヒンジバネの復元力によって、接極子69が面67aから遠ざかる方向に変位し、接極子69に接続されたカード70は可動バネ65に当接しない状態となり、可動バネ65の復元力によって固定接点部62aから遠ざかる方向に付勢され、固定接点62と可動接点64は非接触状態となる。このようにして、固定端子63と可動バネ端子66間は非導通となる。上記のように電磁継電器は動作する。
【0068】
図14は、本実施形態の電磁継電器の固定接点部と可動接点部の側面図である。また、
図15(A)及び
図15(B)は本実施形態の電磁継電器の固定接点部と可動接点部の斜視図である。
【0069】
本実施形態の電磁継電器においては、一対の異物収集電極80,81がそれぞれ配置されている。異物収集電極80と異物収集電極81はそれぞれ平板形状である。
【0070】
異物収集電極80は接続部80aにより固定接点部62aに接続して固定されており、可動接点部64aに対向して配置されている。また、異物収集電極81は接続部81aにより可動接点部64aに接続して固定されており、固定接点部62aに対向して配置されている。異物収集電極80,81は、電磁継電器の駆動時においても固定接点部62aあるいは可動接点部64aに接しないように、固定接点部62aあるいは可動接点部64aに対して十分なマージンを持って配置されている。
図14及び
図15では、固定接点部62aの下側に異物収集電極81が形成されており、可動接点部64aの上側に異物収集電極80が形成されている構成であるが、
図13に示すように、固定接点部62aと可動接点部64aの間に、異物収集電極80,81が形成されている構成であってもよい。
【0071】
固定接点部62aに電圧が印加されると、互いに対向している異物収集電極80と可動接点部64aの間に電界が発生する。また、可動接点部64aに電圧が印加されると、互いに対向している異物収集電極81と固定接点部62aの間に電界が発生する。このようにして形成された電界は、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点62と可動接点64の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制して、接触障害の可能性を低減することができる。
【0072】
本実施形態においては、固定接点62と可動接点64が接していない時に、異物収集電極80と可動接点部64aの間、及び、異物収集電極81と固定接点部62aの間に電界が発生する。固定接点62と可動接点64が接している時には、固定接点部62aと可動接点部64aは同電位となるので、上記の電界は発生しない。
【0073】
上記の構成において、異物収集電極80と可動接点部64aの距離が固定接点62と可動接点64の距離より小さい、あるいは、異物収集電極81と固定接点部62aの距離が固定接点62と可動接点64の距離より小さい構成とすることで、異物収集電極80,81によって固定接点62と可動接点64の間に発生する電界より大きな電界を発生させることができる。例えば固定接点62と可動接点64の距離を0.3mm、異物収集電極81と固定接点部62aの距離、あるいは異物収集電極80と可動接点部64aの距離を0.1mmとすると、これらに印加される電圧が例えば5Vで共通であるので、発生する電界の大きさは距離の2乗に比例する。従って、異物収集電極81と固定接点部62aの間、あるいは異物収集電極80と可動接点部64aの間に発生する電界は、固定接点62と可動接点64の電界の9倍の大きさとなり、異物収集電極によって帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点62と可動接点64の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0074】
〔第12実施形態〕
図16は本実施形態の電磁継電器の固定接点部と可動接点部の側面図である。
図17は本実施形態の電磁継電器の固定接点部と可動接点部の斜視図である。
【0075】
本実施形態の電磁継電器では、一対の異物収集電極82,83がそれぞれ配置されている。異物収集電極82と異物収集電極83はそれぞれ平板形状である。
【0076】
異物収集電極82は端子部82aに接続されており、可動接点部64aに対向して配置されている。また、異物収集電極83は端子部83aに接続されており、固定接点部62aに対向して配置されている。異物収集電極82,83は、電磁継電器の駆動時においても対向する固定接点部62aあるいは可動接点部64aに接しないように、十分なマージンを持って配置されている。
【0077】
端子部82aより電圧が印加されると、互いに対向する異物収集電極82と可動接点部64aの間に電界が発生する。また、端子部83aより電圧が印加されると、互いに対向する異物収集電極83と固定接点部62aの間に電界が発生する。このようにして形成された電界は、帯電した異物を異物収集電極82あるいは異物収集電極83に引き寄せて収集し、異物が固定接点62と可動接点64の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制して、接触障害の可能性を低減することができる。
【0078】
本実施形態においては、異物収集電極82は固定接点部62aや固定端子63に接続されておらず、異物収集電極83は可動接点部64aや可動バネ端子66に接続されていないので、異物収集電極82,83は、固定接点62と可動接点64が接触と非接触のどちらの場合でも、異物を収集する電界を発生させることができる。
【0079】
上記の構成において、(1)異物収集電極82と可動接点部64aの距離を固定接点62と可動接点64の距離より小さくする、(2)異物収集電極83と固定接点部62aの距離を固定接点62と可動接点64の距離より小さくする、あるいは、(3)異物収集電極82,83と可動接点部64aあるいは固定接点部62aとの電圧差を可動接点64と固定接点62の電圧差より大きくすることで、異物収集電極82,83によって、固定接点62と可動接点64の間に発生する電界より大きな電界を発生させることができ、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点62と可動接点64の表面に近づくことを抑制する効果を高めることができる。
【0080】
〔第13実施形態〕
図18は本実施形態の電磁継電器の固定接点部と可動接点部の斜視図である。
【0081】
本実施形態の電磁継電器においては、一対の異物収集電極84,85がそれぞれ固定端子63(固定接点部)と可動バネ65(可動接点部)に対向して配置されている。異物収集電極85は、可動バネ65の可動範囲に干渉しない範囲で、固定接点部62aの固定端子63の外周に設けられている。また、異物収集電極84は、可動バネ65の可動範囲には干渉しない範囲で、可動接点部64aの可動バネ65の外周に設けられている。異物収集電極84,85はともに断面が略コの字形状となっており、可動バネ65の可動範囲に干渉する部分に異物収集電極84,85が形成されていない。
【0082】
異物収集電極84,85は、第11実施形態のように固定接点部62aあるいは可動接点部64aに接続され、固定接点部62aあるいは可動接点部64aから電圧を印加される構成としてもよい。また、第12実施形態にように、異物収集電極84,85の端子部を有して外部から電圧を印加する構成としてもよい。
【0083】
異物収集電極84は可動接点部64aと対向しており、異物収集電極84と可動接点部64aの間に電界が発生する。また、異物収集電極85は固定接点部62aと対向しており、異物収集電極85と固定接点部62aの間に電界が発生する。このようにして形成された電界は、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点62と可動接点64の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制して、接触障害の可能性を低減することができる。
【0084】
特に、異物収集電極85は、可動バネ65の可動範囲に干渉しない範囲で固定接点部62aの固定端子63の外周に設けられており、異物収集電極85と固定接点部62aの間に発生する電界の発生範囲を広くすることができる。また、異物収集電極84は、可動バネ65の可動範囲には干渉しない範囲で、固定接点部62aの固定端子63の外周に設けられており、異物収集電極84と可動接点部64aに間に発生する電界をより大きくすることができる。
【0085】
〔第14実施形態〕
図19は本実施形態の電磁継電器の固定接点部の斜視図である。
【0086】
本実施形態の電磁継電器においては、固定端子63の固定接点62の近傍に、固定端子63の長手方向に沿ったスリット90が形成されており、スリット90の縁部にスロープ91が形成されている。スロープ91は、固定端子63の厚さの範囲内で形成された傾斜面である。上記を除いて、第11〜13実施形態と同様である。例えば第13実施形態と同様の異物収集電極84,85を有するものとして以下に説明する。
【0087】
固定端子63の上部に異物が存在した場合、対向する固定接点部62a(固定端子63)と異物収集電極との間に発生する電界によって異物を収集しようとすると、異物を固定端子63の側部から回り込ませなければならない。しかし、本実施形態では、固定端子63にスリット90とスロープ91を設けていることで、スリット90を通して異物を異物収集電極側に収集することができ、異物の収集を安定して行うことができるようになる。スリットは、可動バネに設けても同様に異物を収集しやすくなる効果を得ることができる。
【0088】
異物収集電極84は可動接点部64aと対向しており、異物収集電極84と可動接点部64aの間に電界が発生する。また、異物収集電極85は固定接点部62aと対向しており、異物収集電極85と固定接点部62aの間に電界が発生する。このようにして形成された電界は、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点62と可動接点64の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制して、接触障害の可能性を低減することができる。
【0089】
〔第15実施形態〕
図20(A)は本実施形態の電磁継電器の固定接点部と可動接点部の分解斜視図、
図20(B)は
図20(A)をX方向から見た側面図である。
【0090】
本実施形態の電磁継電器においては、固定接点62が設けられた固定端子87aに固定端子87aにコの字状に切り込みを入れて、切り込み部分を可動接点部側に折り曲げてなる異物収集電極87が設けられている。また、可動接点64と可動バネ端子86bが接続された可動バネ86aにコの字状に切り込みを入れて切り込み部分を固定接点部側に折り曲げてなる異物収集電極86が設けられている。固定接点62と可動接点64が対向するように可動接点部64aと固定接点部62aを配置したとき、
図20(B)に示すように、異物収集電極86と異物収集電極87は所定の間隔で離間して対向する状態となっている。
【0091】
上記の構成の固定接点部と可動接点部を有する電磁継電器では、異物収集電極86と異物収集電極87が対向しており、異物収集電極86と異物収集電極87の間に電界が発生する。このようにして形成された電界は、帯電した異物を引き寄せて収集し、異物が固定接点62と可動接点64の表面に近づくことを抑制し、接点への異物の付着を抑制して、接触障害の可能性を低減することができる。
【0092】
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、例えば1組の固定接点と可動接点を有する電磁継電器について説明したが、これに限らず、2組の固定接点と可動接点を有する電磁継電器にも適用可能である。上記の各実施形態において、異物収集電極の表面に絶縁膜が形成されていてもよい。これにより、固定接点部と異物収集電極の間、可動接点部と異物収集電極の間、及び、一対の異物収集電極の間での絶縁を確保しやすくなる。また、上記の各実施形態において、異物収集電極は、板状電極のほか、メッシュ状電極など、必要に応じて選択することができる。