特許第6892823号(P6892823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6892823補強された壁領域を有する容器を備えた容器束
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892823
(24)【登録日】2021年6月1日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】補強された壁領域を有する容器を備えた容器束
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/024 20060101AFI20210614BHJP
【FI】
   B65D21/024
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-532758(P2017-532758)
(86)(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公表番号】特表2018-501158(P2018-501158A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2015081065
(87)【国際公開番号】WO2016113095
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】102015100346.5
(32)【優先日】2015年1月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598125028
【氏名又は名称】カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ヘーゼンドンクス・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ロンメル・クリスティアン
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0308043(US,A1)
【文献】 独国特許発明第102011109956(DE,B3)
【文献】 米国特許第03388791(US,A)
【文献】 特開昭50−015697(JP,A)
【文献】 特開2000−127230(JP,A)
【文献】 特開昭64−005815(JP,A)
【文献】 実開昭60−175014(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/00−B65D 21/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々一つの容器壁(4)を有する少なくとも二つの容器(2)を備えた容器束であって、二つの容器(2)が一つの接着箇所により互いに接続されていて、容器(2)の各一つの容器壁(4)が、その接着箇所の領域内で又はその接着箇所の近隣でより大きい壁補強断面を成す壁補強部(8)を有する当該容器束において、
縦断面における壁補強部(8)から容器壁(4)への移行部が、壁補強部(8)の最大厚さ部分から周囲の壁領域(4)まで厚さが漸減する先細り壁領域として、形成されていることを特徴とする容器束。
【請求項2】
壁補強部(8)が容器の周囲全体を囲んで延在する環状体或いは冠状体として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器束。
【請求項3】
壁補強部(8)が容器の周囲に点状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器束。
【請求項4】
壁補強部(8)が、容器壁(4)に対して、少なくとも5%大きな厚さを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の容器束。
【請求項5】
壁補強部(8)が、容器壁(4)に対して、少なくとも10%大きな厚さを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の容器束。
【請求項6】
壁補強部(8)が、容器壁(4)に対して、少なくとも30%大きな厚さを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の容器束。
【請求項7】
壁補強部(8)が、容器壁(4)に対して、少なくとも50%大きな厚さを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の容器束。
【請求項8】
壁補強部(8)の直径が、接着箇所の直径よりも少なくとも3%大きいことを特徴とする請求項1又は3に記載の容器束。
【請求項9】
壁補強部(8)の直径が、接着箇所の直径よりも少なくとも5%大きいことを特徴とする請求項1又は3に記載の容器束。
【請求項10】
壁補強部(8)の直径が、接着箇所の直径よりも少なくとも10%大きいことを特徴とする請求項1又は3に記載の容器束。
【請求項11】
壁補強部(8)の直径が、接着箇所の直径よりも少なくとも15%大きいことを特徴とする請求項1又は3に記載の容器束。
【請求項12】
壁補強部(8)の面積が、接着箇所の面積よりも少なくとも3%大きいことを特徴とする請求項1、3、8〜11のいずれか一つに記載の容器束。
【請求項13】
壁補強部(8)の横断面が、面状に或いは枠状に、円に或いは多角に構成されていることを特徴とする請求項1〜3、8〜12のいずれか一つに記載の容器束。
【請求項14】
壁補強部(8)が、円形或いは長円の底面を有する台地状部として形成されていることを特徴とする請求項1、3、8〜12のいずれか一つに記載の容器束。
【請求項15】
壁補強部(8)が容器(2)の半径方向に内側に向かって延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器束。
【請求項16】
求項1〜15の何れか一つに記載の補強された少なくとも一つの壁部分を備えた少なくとも二つの容器(2)を有する容器束を製造するための方法であって、この方法が、以下の工程、すなわち
−接着剤を塗布するための機械に容器(2)を供給しかつ準備する工程と、
−接着点を作るための接着剤が壁補強部(8)或いはそれに隣接して塗布されるように、接着剤を塗布するための装置に対して容器(2)を整向する工程と、
−形成された保持と押付により容器(2)を接合する工程を備えていることを特徴とする方法。
【請求項17】
−所定の箇所により多く材料が塗布された部分を備えた、容器(2)のためのプリフォームを準備する工程と、
−プリフォームから容器(2)を製造する工程と、
−接着剤を塗布するための機械まで容器(2)を搬送する工程とを備えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、接着箇所により互いに接合されている容器壁を有する、少なくとも二つの容器を備えた容器束と、このような容器束を製造するための方法ならびに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に類するような容器は特許文献1に開示されている。特許文献2と特許文献3は、リングとロールリング、すなわち残りの容器壁よりも大きな半径を有する、容器壁取囲む領域を備えている。接着箇所により容器束に接合されている本発明に類するような容器は、容器が接着箇所により容器の下側半分に接合されていて、てこ効果が大きいと、ばらばらにする際に破れる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012100810号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102011119968号明細書
【特許文献3】独国特許第102011109956号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に記載の:
各々一つの容器壁(4)を有する少なくとも二つの容器(2)を備えた容器束であって、二つの容器(2)が一つの接着箇所により互いに接続されていて、容器(2)の各一つの容器壁(4)が、その接着箇所の領域内で又はその接着箇所の近隣でより大きい壁補強断面を成す壁補強部(8)を有する当該容器束において、
縦断面における壁補強部(8)から容器壁(4)への移行部が、壁補強部(8)の最大厚さ部分から周囲の壁領域(4)まで厚さが漸減する先細り壁領域として、形成されていることによって解決される。
さらにこの課題は、請求項16に記載の:
求項1〜15の何れか一つに記載の補強された少なくとも一つの壁部分を備えた少なくとも二つの容器(2)を有する容器束を製造するための方法であって、この方法が、以下の工程、すなわち
−接着剤を塗布するための機械に容器(2)を供給しかつ準備する工程と、
−接着点を作るための接着剤が壁補強部(8)或いははそれに隣接して塗布されるように、接着剤を塗布するための装置に対して容器(2)を整向する工程と、
−形成された保持と押付により容器(2)を接合する工程を備えていることによって解決される。
【0005】
本発明によれば、容器束は少なくとも二つの容器を備えており、これらの容器は接着箇所により互いに接合されている容器束において、容器壁は接着箇所の領域において或いは接着箇所に隣接して壁補強部を備えていることを特徴とする。壁補強部は容器束から容器を分離する際に加えられる力に大きな抵抗を対向させ、従って容器を容器束から分離する際に傷が付くことは確実に回避される。壁補強部は局部的にだけ設けられるのが好ましく、従って本発明による容器束を製造するために、全体的に材料を節約する容器が準備される。しかし代替的に、壁補強部を設けられた領域で容器壁に沿って取囲むように設けることも可能である。
【0006】
特にボトルは、壁に囲まれたボトルの円筒形の基体よりも大きい外壁直径を有する領域を備えている。
従って残った基体よりも大きな外壁直径を有するが、そうでなければ同じ壁厚を有するこのロールリングは、他の容器が当接するか或いはコンベア又は案内工具が係合する領域である。本発明の有利な構成によれば、ロールリングを備えた容器、特にボトルを備えた容器束の場合、接着点或いは接着箇所はロールリングに配置されている。ロールリングに壁補強部を取付け又は形成することは、さらに容器を容器束から分離するために必要な力を低下させる。
【0007】
本発明の意味における容器とは、各々金属、ガラス、合成樹脂び/は材料複合体、典型的には例えばPETボトル又は合成樹脂、アルミホイルび紙から成る材料複合体から成るボトル類、缶類、チューブ類、袋類である。本発明の意味における容器には、全て材料が、特にこのような、液状の又は粘着性の製品を満たすのに適している材料が含まれている。すでにグループにまとめられた容器(マルチパック)も、本発明の意味における容器に含まれている。容器束の容器は非ハニカム位置に配置されているのが好ましい。すなわち容器束の一列の容器は、容器束の隣接した列の間隙内には配置されていない。
【0008】
本発明による容器は、任意の横断面、すなわち長円断面、円形断面いは多角形断面を備えていてもよい。容器の形状は、袋状、ピラミッド状或いは直方体状であってもよいが、多くは円筒形、例えば缶のように完全な円筒形もしくは、円筒形の基体から始まって開口部に向かって先細になっていく多くのボトルの場合のように、及びボトルが点状の支持領域でだけ下端部で起立する多くのボトルの場合のように、そしてその他ボトルの壁が移行部分において、基体に向かって点状の保護領域から円筒形のボトルの壁に移行するボトルの場合のように、一部が円筒形である。容器はある高さを備えており、この高さは容器が支持面上で起立する下端部から上端部まで測定され、この上端部は垂直方向に支持面から最も遠くに隔たっておりかつたいてい容器の開口部を備えている。
【0009】
本発明による壁補強部が容器に傷が付くのを防ぐことを保証するために、容器壁が壁補強部の領域で少なくとも5%だけ厚く、好ましくは少なくとも10%だけ厚く、好都合には30%だけ厚く、特に少なくとも50%だけ厚く構成されていれば十分である。各々選定すべき壁補強部の寸法は、容器の大きさと形状ならびに壁厚に依存して当業者により選定される。容器壁が厚いほど、それだけいっそう必要な壁補強部はわずかである。
【0010】
壁補強部は本発明によれば一部に塗布される。本発明の有利な構成によれば、壁補強部の直径は、塗布すべき接着箇所の面よりも少なくとも3%大きい。壁補強部の直径は、塗布すべき接着箇所の面よりも少なくとも15%、好ましくは少なくとも15%大きいのが好ましい。材料がほとんど必要とされないので、容器壁に塗布すべき壁補強部の一部の大きさも、本発明による解決手段は経済的であることを証明している。本発明による壁補強部は、その直径が接着箇所の面よりも大きく、より大きな許容誤差が設定できるので、接着剤の塗布を容易にする。さらに、壁補強部の直径が大きいことにより、容器を容器束から分離する際の力関係が改善される。本発明の有利な構成によると、場合によっては、壁補強部の直径が大きいことにより、容器壁の補強部がわずかになることを伴うことがある。同じことが容器壁の他の好ましい構成にも言え、この構成の場合、壁補強部は壁補強部上に塗布すべき接着箇所よりも少なくとも3%だけ大きな面積を備えている。
【0011】
壁補強部の形状は、実質的にほぼ塗布すべき接着箇所の形状に左右されるのが有効である。壁補強部は円形、長円形いは多角形で構成されていてもよく、その際に、理想的には円形又は長円形の底面と上面を備えた台地状の形状を有しているのが理想的である。しかし、壁補強部は取囲む環状の壁補強部として接着箇所を取囲むか或いは一部を接着箇所で覆ってもよい。
【0012】
全周で容器の軸線に向かって内側に延びているリングが形成されているのが理想的である。このリングは例えばどちらかと言えば円筒状に平坦な上面を備えている。その際に、容器の外面は、材料補強部により元のままであるか或いは影響を受けていないままである。すなわち容器の外面は円筒形であるか或いは彎曲しており、さらに刻み目のような造形的模様、構造いは形状は、容易に、補強された壁領域内で外側に向かってそのまま延びることができる。
【0013】
大きな面積占める特に接着箇所において、壁補強部を例えば接着箇所の外部領域でだけ加えることが有効であるとわかる。このような構成は、同時に材料の使用が最小限である場合に、容器を容器束から分離する際に生じる力に対して十分に、すなわち接着箇所を例えば環状に取囲む容器壁の抵抗力を補強する。
【0014】
特別な適用例の場合、例えば容器を容器束から分離する際に、接着箇所の周囲において度々容器が破れる張力のピークが生じる場合に、壁補強部は接着箇所の他にも、直接隣接するように或いは一部を覆うように構成されていてもよい。
【0015】
本発明の特に好ましい構成によると、壁補強部から容器壁までの移行部は先細りになっている移行領域として構成されている。先細りになっている壁を備えたこのような移行領域は、容器を容器束から分離する際の張力のピークの発生を防止し、かつ容器の破れが阻止されるように、壁補強部がわずかな場合でも保証する。
【0016】
少なくとも二つの容器を備えた容器束を製造するための本発明による方法は、少なくとも一つの容器が一つの補強された壁部分を備えており、この方法は以下の工程すなわち、−所定の箇所に補強された材料が塗布された部分を備えた、容器用のプリフォームを準備する工程と、
−プリフォームから第一の容器を製造し、第一の容器が補強された材料塗布部分に壁補強部を備えている工程と、
−接着点を作るための接着剤が壁補強部に或いは壁補強部に隣接して塗布されるように、接着剤を塗布するための装置に対して第一の容器を整向する工程と、
−第一の容器の接着点に押付けることにより第二の容器を接合する工程とを行う。
【0017】
すでに容器のためにプリフォームを準備する際に、これらのプリフォームがより多く材料が塗布された部分を備えていることを本発明による方法は考慮に入れている。補強された材料塗布部分は、材料部分を層状に重ねることにより達せられ、付加的にプリフォーム上に層状に重ねられた材料部分は、好ましくはプリフォームいはプリフォームから生じる容器壁と同じ材料、一般的には例えばポリエチレンテレフタレート(PET)から成る。層状に重ねられた材料部分は、好ましくはプリフォームの材料厚よりも薄いが、必要であれば厚くてもよい。本発明による方法の有利な構成によれば、例えば、プリフォームの製造と一体で、例えば所定の箇所での注型或いは射出成形により、多くの材料が塗布されることにより、付加的な材料部分が所定の箇所でプリフォーム上に固定される。代替的に、材料部分はプリフォームの材料に接着接合されるか或いは溶接されることができる。次いで、プリフォームからそれ自体公知の方法で容器が製造される。さらにこの容器は容器壁を備えており、この容器壁の一部は壁補強部を備えており、しかもプリフォームが補強された材料が塗布された部分の箇所を備えている箇所に備えている。
【0018】
本発明によれば、壁補強部を有する容器壁を備えた容器は、接着剤を塗布するための手段が一般的にはノズルが、接着剤を壁補強部上にいは壁補強部に隣接して塗布するように整向される。容器の整向はそれ自体公知の容器を回転させるための手段により行われる。容器壁内の異なる材料厚を検出できるセンサは同様にして公知である。
【0019】
次いで、一般的に、容器が例えばクランプストリップにより相並んで押圧されることにより、必要な場合、両方の容器に密着する接着剤が硬化されるか或いは架橋されることにより、壁補強部上いは壁補強部の近くに接着点を備えた第一の容器は、第二の容器と接合される。
【0020】
本発明の有利な構成によると、その上に接着点が付されない第二の容器も、それにもかかわらず壁補強部を備えている。その理由は、容器が破れる力が容器上にだけには作用せず、容器上には、接着箇所として第一び第二の容器を接合する接着点が塗布されることにある。本発明のこの構成において、第二の容器の壁補強部いは壁補強部に隣接する容器壁の領域が、接着点において第一の容器上で押圧されるように、第二の容器も接合前に整向され得る。
【0021】
容器上に塗布される接着剤から成る接着点から二つの容器の間に接着箇所を作ることは、両方の容器を相並べて押し当てるか或いは押付けることにより行われ、接着点の接着剤は両容器を接着箇所で接合する。本発明の意味における接着剤とは、あらゆる物質、すなわち二つの容器間の接着接合を作るのに適している全ての材料或いは化合物、特に流体状態いは粘性状態で加えられた場合に、自己融着接着点を形成するような物質、材料いは化合物であるが、エネルギ入射により、例えば圧力、放射線、或いは温度を加えることにより、は化学硬化もしくは架橋結合を用いて接着箇所を形成するような物質、材料いは化合物でもある。代表的な接着剤は、低粘度状態で処理されかつ放射線により硬化されるUV硬化型接着剤いは塗布後に冷却しかつ材料特有の温度を下回ると接着強度を失う熱接着剤であり、従って熱接着剤は接着箇所を直接作るのみに適している。発明の意味における接着剤とは、例えば、接着箇所が二つの容器間で製作可能であるように接着剤により被覆されている少なくとも一つの担持材料から成るような多層材料でもある。これらの多層材料は、両面で付着するか或いは接着して形成されているパッドとして構成されているのが典型的である。
【0022】
一つの接着点により構成されている容器は、点状に或いは線状にもしくは複数の点び/は複数の線から成る模様の状態で塗布されている接着剤も備えている。その接着強度により容器を手で容器束から分離することが可能である接着剤が選ばれるのが好ましい。特にUV硬化型接着剤は適している。その理由は、接着剤が接着箇所で作り出す接着強度が接着剤の組成と硬化の強さにより上手く調節されることができることにある
【0023】
本発明による容器束は接着箇所により互いに接合されている。接着箇所は容器束を互いに直接接合するのが好ましい。接着箇所は、容器束の容器の専用の或いは唯一の接合部であるのがさらに好ましい。しかし、有利な構成によれば、容器束はその上端部で輸送安全部、特にベルト状の輸送安全部を備えている。本発明のさらに好ましい構成によれば、輸送安全部は伸ばされて携帯用ループにされることができる。接着点と接着点から生じる接着箇所は、接着剤を節約するために、できるだけ小さく構成されているのが好ましい。
【0024】
接着剤の塗布は、それ自体公知の方法でノズルにより行われ、これらのノズルは、ほぼ液状の接着剤を容器上に直接一つ或いは複数の接着点を形成するために塗布又は吹きかける。接着剤を塗布した後、例えば複数の容器に当接するクランプストリップの効果により容器は接合され、従って、接着点が第一の容器上に塗布されている箇所に、接着点無しで第二の容器が当接することにより接着箇所が生じる。同様にして、第二の容器は、第一の容器が当接する箇所に接着点を有することができ、従って、一つの接着箇所は二つの接着点から形成されていてもよい。
【0025】
各々一つの容器壁を備えた、少なくとも一つの第一び第二の容器を有する容器束を製造するための本発明による装置において、前記装置が、一つの第一び一つの第二の容器を搬送するための手段と、一つの第一の容器を整向するための手段と、第一の容器上に接着点を付すための手段と、第一び第二の容器を接合して容器束形成するための手段とを備えており、第一の容器を整向するための手段が、接着点を付すための手段が、第一の容器の容器壁を備えた壁補強部に作用するかいは第一の容器の容器壁を備えた壁補強部に隣接して作用するという条件付きで、第一の容器を整向することを特徴とする。
【0026】
本発明の対象は、好ましくは整向するための手段を備えた装置でもあり、これらの手段は、二つの容器を接合前に、第二の容器の壁補強部が第一及び第二の容器を接合する際に、第一の容器の接着点と或いは第一の容器の接着点に隣接して接合されるという条件付きで整向する。
【0027】
発明の詳細は実施例を基に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1点状の壁補強部を備えた容器の縮尺に従っていない図を縦方向断面で示す。
図2】ロールリングにおける円形壁補強部を備えた容器の描写を縦方向断面で示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は0.15mmの壁厚を有する各々一つの容器壁を備えたPET(ポリエチレンテレフタレート)から成る二つの円筒形の容器、すなわちボトル2a,2bを示す。ボトル2上に接着箇所を作るために塗布されるべき壁部分6には、(ここでは分かり易く示すために釣合がとれておらず描写された)壁補強部8を塗布することにより、0.15mmの壁厚が0.2mmまで補強された。容器の壁厚に関して30%だけこのように補強することにより、塗布されるべき接着箇所により、容器束を形成するために第二のボトル2bと接合されるPETボトル2aが、容器束から分離される際に損傷を与えられないことが阻止されるべきである。壁補強部8はボトル2a,2bのほぼ半分の高さに付けられている。
【0030】
壁補強部8は円形の面として形成されており、その直径は塗布すべき接着点よりも10%だけ大きく、この接着点から容器束を組立てた後に接着箇所が形成され、この接着箇所を用いてボトル2a,2bは互いに接合されている。それにより、壁補強部8の面積は接着箇所の面積よりも明らかに3%分よりも大きい。壁補強部8は平坦な縁部領域を備えた円形のレンズの様式に従って塗布されている。このようにして、ボトル2aをボトル2bから分離する際にボトルが傷つく恐れがある張力のピークは回避される。
【0031】
ボトル2a,2bを備えた他のボトルを容器束に組立てられるように、ボトル2a,2bにつき、各々二つの壁補強部8が、ボトル2a,2bの互いに向かい合った側で塗布されている。壁補強部8は材料を節約する点状の面として塗布されるので、本発明による所望の効果を達成するために、接着点が壁補強部8上へ塗布されるように、接着点を塗布する前にボトル2a,2bを整向することが必要である。接着箇所が一つの壁補強部における互いに接合している両方のボトルのどちらにも当接すべきである場合に、組立てるべきボトル2a,2bは、組立てる前に、点状に塗布された壁補強部が当接するように整向されている。
【0032】
図2は容器壁4を備えたボトル2を示しており、このボトルの下端部にはロールリング10が形成されている。ロールリング10は円筒形のボトル2の周囲を取囲むように構成されておりかつボトル2の別の円筒形の壁部分6よりも大きな外径を備えているが、容器壁4はロールリング10の領域には大きな壁厚を備えていない。容器壁4は一貫して0.15mmの材料厚を備えており、使用される材料はPETである。ロールリング10には、接着箇所を作るための接着点が付加えらるべきである。ボトル2の下端部に作用する特に大きなてこの力により、ロールリング10は付加的に塗布される材料により、同様にPETにより壁補強部8を備えており、この壁補強部は容器壁4よりも40%だけ大きな壁厚を備えている。図2に示された壁補強部8は取囲むように取付られている。
それにより、確かに点状に塗布された材料補強部よりも多くの材料使用されるべきであるが、図2によれば、ボトル2はどの所望の位置でも事前に整向することなく接着箇所を作るための接着点を備えており、これによりボトル2の操作は容易になる。
【0033】
容器束を製造するための本発明により使用される容器2は、例えばPET或いは他の合成樹脂から製造されているプリフォームが作られることにより製造される。プリフォームが例えば注型法により液状の合成樹脂から作られ場合、凹部或いは窪みを備えており、それにより、PETを内に装入する際に、容器壁4が容器壁4の他の部分の壁厚と比べて大きな壁厚を有する部分が生じる。補強された壁厚のこの部分は、要するに壁補強部8として点状に又は状に、例えば取囲むように、ほぼ環状に形成されていてもよい。壁補強部8の寸法は、塗布されるべき接着点に依存して算定され、壁補強部は塗布されるべき接着点よりも、大きな直径を、典型的には約10%だけ大きな直径を、ここでは接着箇所よりも10%だけ大きな直径を有している。
先細になっている縁部領域が壁補強部8に形成され、縁部領域が壁補強部8の最大厚さ部分を起点として周囲の容器壁4の壁厚まで減少するように、凹部の形状は設計されているのが好ましい。
【0034】
代替え的に付加的な材料が型の窪み或いは凹部に装入され、次いでそこに容器壁部4の材料が塗布されるこできる。付加的材料び容器壁部4の材料は、互いに接着接合されるか或いは溶解され、従って容器壁部4は少なくとも一つの壁補強部8を備えている。この代替え的方法は、先に説明した方法よりも手間がかかるが、例えば壁補強部8の材料が容器壁4の材料と同じでない場合は個々のケースに合わせてもよい。
【0035】
次いでプリフォームは容器2に成形され、これらの容器は所定の箇所に一つ或いは複数の壁補強部8を備えている。容器2が例えば回転により、例えばノズルにより液状の接着剤接着点として容器2の壁補強部8上に塗布されるように、接着剤を塗布するための手段に向けて整向されることにより、本発明による容器束はさらに製造される。容器束を作るために、第二の容器2が第一の容器2に接合され、例えばクランプストリップにより押し当てられ、従って第二の容器2の容器壁4は第一の容器2の接着点に当接し、従って接着剤が硬化するかいは架橋する際に接着箇所が生じ、この接着箇所は両方の容器2を容器束に接合する。硬化或いは架橋は、使用される接着剤のタイプに応じて一つ或いは複数の処置により行われ、これらの処置は冷却、乾燥、加熱いは例えば放射線の作用をも含んでいる。
【0036】
本発明の有利な構成によれば、第二の容器2は接着箇所に壁補強部8を備えている。
【符号の説明】
【0037】
ボトル/容器
4 容器壁
6 壁部分
8 壁補強部
10 ロールリング
図1
図2