【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、本発明による多層の構造および関連製造方法の様々な実施形態により達成さ
れる。
【0009】
本発明の一態様によれば、電気デバイスまたは光学デバイス用の多層の構造が、
その第1の面上の、導電性トレースおよび随意にSMD(表面実装型デバイス)などの電
子部品などの電子機器を収容することができる好ましくはフレキシブルである、基材フィ
ルムであり、前記フィルムは第1の面および第2の面を有する、好ましくはフレキシブル
である、基材フィルムと、
基材の第1の面上に成形されており、1つまたは複数の位置で基材を貫通して第2の面上
へ突出しており、所定の機能を有する、第2の面上の1つまたは複数の突出部を形成して
いる、プラスチック層と
を含む。
【0010】
1つまたは複数のプラスチック突出部は、それらが一緒に第2の面および関連表面の部
分のみを覆うように、基材の第2の面におよびそこから延出していることが好ましい。第
2の面/表面の一部が、このように、成形プラスチックから依然として自由のままである
。第1の面および関連(第1の)表面は、プラスチックにより完全にまたは部分的に覆わ
れていていてもよい。
【0011】
一実施形態では、突出部の1つまたは複数が、光透過機能、受光機能、プリズム機能、
光結合機能、光取出し機能、光取込み機能、光回析機能、光屈折機能、光指向機能、光拡
散機能、光散乱機能、光コリメート(light collimation)機能、光学機能、レンズ機能
、鏡機能、サンプリング機能、光サンプリング機能、測定機能、検出機能、取付け機能、
実装機能、位置合わせ機能、吊下げ機能、ボスベース(boss-base)特徴、コネクタ、ス
ナップコネクタまたはファスナ、およびクリップコネクタから成る群から選択される少な
くとも1つの特徴または機能の少なくとも一部を実施するように構成されている。光の代
わりにまたはそれに加えて、他のタイプ(例えば、波長)の放射を考慮して、対応する機
能が実施されてもよい。突出部が、このように、ボスベース、ファスナ、サンプルボウル
(sample bowl)、コリメータ、拡散器、レンズ、プリズム、窓、タワー灯の少なくとも
一部を構築してもよい。
【0012】
1つの補足的または代替的どちらかの実施形態では、基材は、切込み、スリット、貫通
切込み、止まり(非貫通)切込み、穴部、貫通孔、基板材料が局所的に除去されて薄くな
った部分、および随意に基板材料が除去されずに弱くなった部分から成る群から選択され
る所を通して、溶融プラスチックを案内する少なくとも1つの要素を含有する。基材は、
このように、例えば成形時に一定のまたは変化する厚さであってもよい。要素は、基材の
どちらかの面(すなわち、溶融プラスチックに直接向いている第1の面、および/または
その後プラスチックが基材を貫通して伝播することになっている第2の面)にあってもよ
い。
【0013】
あるいはまたはさらに、基材は、それの選択された部分を強化して、プラスチックが通
って浸透することを防止する特徴を含有し得ると考えられる。該特徴は、基材のさらなる
材料層および/または他の、随意により耐久性のある(例えば、硬いまたは剛性の)材料
を含み得ると考えられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、成形プラスチックの送り込み点としての機能を果たす基材の
位置は、いかなる方法でも実質的に隣接した部分と異ならない。代わりに、該送り込み位
置は、基材の第2の面上の適切な金型形状により、空間的に(単独で)構成されていても
よい。例えば、基材に対する所望の位置の陥凹部または穴部または何らかの他の適用可能
な金型特徴が、その場所での基材に対する受け金型による支持の欠如に因り、その特定の
位置で基材を貫通してプラスチックを押す可能性がある。金型形態の形状および寸法(例
えば、凸状、凹状、円形、角のある、細長い等)は、このように、構築される機能的突出
部の対応する寸法を画定し、それは基本的に、例えば射出成形が利用されて、金型表面に
当接して基材を貫通してプラスチックを押す各実施形態に適用され、また、上述の要素(
切込み、穴部等)が使用される実施形態を含む。
【0015】
さらにまたはあるいは、いくつかの実施形態では、所定の、潜在的に先の尖った要素(
例えば、釘型、ねじ型、または棒型の要素)および/または中空要素(例えば、ブッシュ
型要素)が、成形中に溶融プラスチックにより導入される基材への圧力に因り、基材を貫
通して浸透するように成形する前に、基材の第1の面/表面上に配置され得ると考えられ
る。したがって、要素の浸透された部分および突出したプラスチックは、次いで、所望の
機能的突出部を構築し得ると考えられる。例えば、突出部の芯要素または縁要素がそのよ
うな要素から構築され得ると考えられる。該要素は、このように、基材の所望の位置に送
り込み部を構築するのに寄与し得ると考えられる。
【0016】
1つの補足的または代替的どちらかの実施形態では、基材の第1の面および好ましくは
第1の表面は、成形プラスチック中に随意に埋め込まれているグラフィックおよび/また
は電子機器を含有し、前記電子機器は、トレース、プリンテッドトレース、接触パッド、
構成要素、集積回路(チップ)、発光素子、光検出デバイス、フォトダイオード、ダイオ
ード、OLED(有機LED)、プリンテッド電子部品、アンテナ、加速度計、ジャイロ
スコープ、容量性スイッチまたはセンサ、および光電池から成る群から選択される少なく
とも1つの特徴を含む。電子機器が、プリンテッドエレクトロニクス技術(例えば、スク
リーン印刷もしくはインクジェット、または他のさらなる方法)により印刷されてもよい
かつ/または実装されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、基材は成形の前に形成されている。基材は、好ましくは熱成
形により、所望の実質的に3次元(非平面)形状に形成されてもよい。電子機器の少なく
ともいくつかが、形成の前にかつ/または後に、基材に設けられてもよい。
【0018】
基材の第1の面およびしたがって関連する第1の表面は、したがって関連表面領域を考
慮して、プラスチック材料、好ましくはかつ通常は熱可塑性プラスチック材料により、少
なくとも部分的に外側被覆される。随意に、いくつかの外側被覆が適用可能な材料が利用
されて、1つまたは複数の成形層、例えば基材の第1の面上に左右に置かれている隣接層
、を構築してもよく、かつ/またはその上に複数の重ね合わされた層の積重ねを形成して
もよい。成形された材料の少なくとも1つが、少なくとも部分的に、第2の面上に構築さ
れる突出部を画定する。
【0019】
随意に、さらなる層または例えばフィルムが成形層の他方の面上に設けられている。し
たがって、グラフィック、ならびに/または電子部品および/もしくはトレースなどの電
子機器のための基板としての機能をさらに果たすフィルムなどのこの層は、一次基材と反
対の方向から成形層に対向している。第2のフィルムは、第1のフィルムと共に金型内に
配置されており、すなわち挿入されており、プラスチック材料がそれらの間に射出される
ことを可能にしてもよい。あるいは、第2のフィルムは、例えば接着剤、昇温、および/
または圧力ベースの結合を用いる実行可能な積層技術により、成形層上に薄片を重ね合わ
せて作られていてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、成形層および突出部の少なくとも一部を構築するのに使用さ
れる(熱可塑性)プラスチック材料は、光学的に実質的に不透明な、透明な、または半透
明な材料を含み、例えば、可視光線がごくわずかな損失でそれを通過することを可能にす
る。所望の波長での十分な透過率は、例えば約85%、約90%、または約95%以上で
あってもよい。可能性があるさらなる成形(熱可塑性)プラスチック材料は実質的に不透
明または半透明である可能性がある。いくつかの実施形態では、さらなる材料は透明であ
る可能性がある。
【0021】
さらなる補足的または代替的どちらかの実施形態では、プラスチックフィルム、金属フ
ィルム、織物フィルム、または全体的に繊維のフィルムなどの、含まれる(基材)フィル
ムの1つまたは複数が、例えば可視スペクトル内の所定の波長を考慮して、少なくとも部
分的に、光学的に実質的に不透明、または少なくとも半透明であってもよい。フィルムは
、最初に、その上のもしくはその中のグラフィックパターンおよび/もしくは色などの、
視覚的に区別できる装飾的/美的かつ/または情報伝達的特徴を設けられていてもよい。
電子機器もまた、関連外側被覆手順によりプラスチック材料により封止されるように、該
特徴は、電子機器を有するフィルムの同じ面上に設けられていてもよい。したがって、イ
ンモールドラベリング(IML:in−mold labeling)/インモールド加
飾(IMD:in−mold decoration)技術が適用可能である。フィルム
は、その上に電子機器により発射される可視光線などの放射線に対して、少なくとも部分
的にすなわち少なくとも所々、光学的に透明または半透明であってもよい。透過率は、例
えば約85%、約90%、約95%以上であってもよい。
【0022】
多層の構造の実施形態を含む電子デバイスなどのデバイスが設けられてもよい。該デバ
イスは、流体、液体または気体の検出機能もしくはサンプリング機能などの、検出機能ま
たはサンプリング機能を実施してもよい。デバイスは光透過機能または受光機能などの放
射を有し得る。デバイスは媒体であるかまたはそれを組み込んでいてもよい。あるいは、
多層の構造は、インフラストラクチャおよび例えば建造物の様々な要素において用途を見
つけてもよい。
【0023】
1つの他の実施形態によれば、電子デバイス用の多層の構造を製造する方法が、
電子機器を収容することができる基材フィルムを得るステップであり、前記フィルムは第
1の面および第2の面を有する、得るステップと、
基材の第1の面上に、いくつかの導電性トレースおよび随意に電子部品を好ましくは印刷
して、所定の回路設計を構築するステップと、
基材を貫通して第2の面上に突出しかつ少なくとも1つ所定の機能を好ましくは有する1
つまたは複数の突出部をその場所で形成するように、基材の第1の面上にプラスチック層
を成形するステップと
を含む。
【0024】
層厚さなどの好適な特性を有するプラスチック材料により所望の部分が外側被覆される
ように、成形動作が、金型を製造することおよび/もしくは基材を金型内の所定の位置内
に配置することなどのさらなる準備的活動または関連の活動を、当然含み得る。該基材は
、プラスチックの外側被覆の前に所望の3次元(実質的に非平面の)形状を示すように形
成されてもよい。
【0025】
一実施形態では、本方法は、切込み、スリット、貫通切込み、止まり(非貫通)切込み
、穴部、貫通孔(随意に非常に小さい穴部すなわち「ピンホール」)、基板材料が局所的
に除去されて薄くなった部分、および随意に基板材料が除去されずに弱くなった部分から
成る群から選択される、特徴の位置で/そこを通って成形プラスチックが実質的に基材の
第2の面へ浸透することを可能にする少なくとも1つの特徴を含有するために、基材を用
意するステップをさらに含む。
【0026】
当業者に理解されているように、該特徴は、ドリル穿孔、彫刻、鋸引き、エッチング、
(例えば、レーザもしくは機械刃を用いた)切削により、または任意の他の実行可能な処
理方法を用いて、設けられてもよい。
【0027】
該特徴は、所望の形状すなわち実質的に円形のもしくは角のある穴部、または平坦なか
つ/もしくは狭いスリットを有していてもよく、構築されてもよい。該特徴は、実質的に
、例えば平行四辺形の(側面)横断面を有していてもよく、またはそれは、実際には狭い
スリットとして説明される可能性がある。該特徴は丸い形状を持っており、フレキシブル
なコネクタが、付加的な緩みなしで、それと接触して曲がることを可能にしてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法は、プラスチックの圧力が、基材を少なくとも部分的
に通して要素をそれの第2の面へ方向付けるように、基材の第1の面上に、例えばそれの
対応する第1の表面上に、潜在的に先の尖った要素を配置するステップを含む。以上に検
討されているように、該要素は、このように、随意に、第2の面への貫通孔またはスリッ
トの構築を少なくとも補助してもよい。
【0029】
前述の要素または特徴は、溶融プラスチックが基材の第2の面に進入しかつ所定の特質
の突出部を構築するための空間が存在するような所望の寸法および形状を有する陥凹部な
どの、適合する成形特徴と位置合わせされることが好ましい。
【0030】
突出部の形状は、実施形態に応じて、例えば円錐、切頂円錐、立方体形状、ピラミッド
形状、錘台、角柱、ドーム、棒、かかり/鋭い突起、フック、錨爪等を含んでいてもよい
かまたは画定していてもよい。
【0031】
以上に言及されている通り、また、基材のある領域を介したプラスチックの送り込みを
防止するためにそれらを強化する特徴が設けられ得ると考えられる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法は、例えば中に導入されるかまたは中で拡大される貫
通孔の幾何学的形状および他の特性に影響を及ぼす可能性がある所定の目標角度で、プラ
スチックが基材の第1の面を打つように、プラスチックの成形を制御するステップを含む
。また、該所定の目標角度は、構築された突出部の特性に影響を及ぼす可能性がある。
【0033】
いくつかの電子部品が、基材フィルムの第1の面上に、例えばプリントおよび/または
実装により設けられ、その上に所望の回路を構築してもよく、該回路は制御目的、測定/
検出目的、サンプリング目的、UI目的、データ処理目的、格納目的等を有していてもよ
い。
【0034】
随意に、さらなる第2のフィルムが、本明細書の前段で述べられている成形プラスチッ
クの他方の面上に設けられてもよい。第2のフィルムは、プラスチック材料を間に射出す
ることにより積重ね構造が得られるように、フラップを担持している一次の第1の基材と
共に、同様に金型内に配置されてもよく、または第2のフィルムは、成形プラスチック層
上に直接製造されないとしたら、適切な積層技術を用いて後に設けられてもよい。第2の
フィルムは、その任意の面に電子機器、および例えばグラフィック(したがって、IMD
/IML技術の適用が可能である)を有していてもよい。さらに、第2のフィルムは、保
護目的、および/または所望の光透過率、外観(例えば、色)、もしくは感触などの他の
技術特徴を有していてもよい。
【0035】
実行可能な成形方法は、例えば射出成形を含む。いくつかのプラスチック材料の場合に
は、それらは、2ショット成形法または一般にマルチショット成形(multi-shot molding
)法を用いて成形されてもよい。複数の成形ユニットを備えた成形機が利用されてもよい
。あるいは、複数の機械または単一の再設定可能な機械が、いくつかの材料を連続的に供
給するために使用され得ると考えられる。
【0036】
当業者には当然のことながら、本構造またはホスティングデバイスの様々な実施形態に
関する、以前に提示された検討事項は、変更すべき所は変更して、本方法の実施形態に柔
軟に適用されてもよく、逆の場合も同じである。
【0037】
本発明の実用性は、実施形態によって決まる複数の問題に起因する。
【0038】
提案されている方法により、基材に対してプラスチックの成形面と反対側の面上の成形
プラスチックの突出部により、1つまたは複数の所望の機能が少なくとも部分的に配置さ
れている、所望の機能を備えた、高度に統合された、耐久性のある、小型の、薄い、複雑
な、手頃な価格の、かつ/または軽量の多層の構造が製造され得る。突出部の機能は実施
形態間で変化し得るが、一般に、それらは、例えば、様々な検出目的、測定目的、透過目
的、受け目的、および取付け目的もしくは位置合わせ目的に適用可能である。突出部を用
意するさらなる方法ステップが不要であり、かつ既に存在する製造機器が、殆どの場合、
高価な特別な道具に投資する必要なく利用され得るので、製造工程は効率的である。
【0039】
実際、溶融プラスチックがそれらの位置に対応して基材を貫通して突出しかつ最終的に
陥凹部を満して突出部を作り出すように、製造工程の用意が、いくつかの実施形態のみに
おいてまたは主に、金型にいくつかの陥凹部を構築することを含んでいてもよい。より多
くの異なる処理手段および工程ステップを修正するかまたは利用する必要の代わりに金型
が修正を必要とするだけなので、様々な製品および製品変形体を製造することが楽になる
。
【0040】
プラスチック流を基材を貫通して案内する/促進するために、溝部などの(非貫通)切
込みが基材に形成されても、切込みを用意するのに十分な、簡単で容易に修正可能な切削
工具の代わりにやはりより複雑な道具を使用する必要がある、厳重な寸法要件および形状
精度要件を有する貫通孔などの、基板材料中のより複雑な形状を構築することと対照的に
、該手順は依然としていくらか都合が良い(簡単であり、急速である)ままである。
【0041】
形成する前に貫通孔が基材において回避され得る場合、また、加圧成形などの非常に効
率的で正確な形成方法がそれらの最大の可能性まで利用され得る。さもなければ、圧力は
穴部を通って容易に逃げる可能性がある。
【0042】
一般に、得られる多層の構造は、ホストデバイスあるいは一般に、インテリジェントガ
ーメント(intelligent garment)(例えば、シャツ、ジャケット、もしくはズボン、ま
たは例えば圧縮ガーメント(compression garment))、ウェアラブル電子機器(例えば
、リストップデバイス、ヘッドウェア、またはフットウェア)の他の部品、乗り物、個人
用通信装置(例えば、スマートフォン、ファブレット、またはタブレット)、測定装置、
または他の電子機器/デバイスなどの要素内に、所望のデバイスあるいはモジュールを構
築するのに使用されてもよい。得られる構造の統合レベルは高く、その厚さなどの所望の
寸法は小さい可能性がある。
【0043】
使用されるフィルムは、その上にグラフィックおよび他の視覚的かつ/または触覚的に
検出可能な特徴を含有していてもよく、そして該フィルムは、電子機器のホストとなり(
hosting)、保護することに加えて、美的効果および/または情報伝達的効果を有してい
てもよい。フィルムは、少なくとも所々、半透明または不透明であってもよい。それらは
所望の色であってもよく、または所望の色の部分を含んでいてもよい。したがって、得ら
れる多層の構造は、テキスト、写真、符号、パターン等のグラフィックを随意に決定する
1つまたは複数の色/着色層を含んでいてもよい。これらの層は、例えばある色の専用フ
ィルムにより実施されてもよいか、あるいは既存のフィルム、成形層、および/または他
の表面上に被覆(例えば、プリントすることにより)として設けられてもよい。
【0044】
フィルムは、関連製品の外面および/または内面の少なくとも部分を構築するように構
成されている。
【0045】
パターンまたは着色などの視覚的特徴は、特徴が分離したままであり、したがって少な
くともフィルムの厚さにより環境影響から保護されているように、例えば第1のフィルム
および/または成形プラスチックに対向している第2のフィルムの面上に、内層を介して
設けられてもよい。したがって、例えば塗面特徴に容易に損傷を与え得ると考えられる様
々な衝撃、摩擦、化学薬品等が、通常はそれらに到達しない。フィルムは、容易に製造さ
れるかまたは処理され、成形材料などの内在する特徴を露出するためにかつ/またはフィ
ルムを貫通する溶融プラスチックの浸透を促進するために、穴部または切欠きなどの必要
な特性を備えた所望の形状に随意に切削されてもよい。
【0046】
成形熱可塑性プラスチック材料は、成形工程の観点から電子機器を固定することを含む
様々な目的のために最適化され得る。さらに、該材料は、例えば湿気、熱、寒冷、汚れ、
衝撃等の環境条件から電子機器を保護するように構成されていてもよい。材料は、例えば
、光線透過率、浸透性および/または弾性の観点から所望の特性をさらに有していてもよ
い。埋込み電子機器が発光部品もしくは受光部品または他の放射線放射部品もしくは放射
線受射部品を含む場合、材料は、それを通る光透過を可能にするのに十分な透過率を有す
る可能性がある。
【0047】
表現「いくつかの(a number of)」は、本明細書において、1から始まる
任意の正の整数を指してもよい。
【0048】
表現「複数の(a plurality of)」は、それぞれ、2から始まる任意の
正の整数を指してもよい。
【0049】
用語「第1の」および「第2の」は、本明細書において、1つの要素を他の要素と区別
するために用いられており、特に明記されない限り、それらに特に優先順位を付けるかま
たはそれらを順序付けるものではない。
【0050】
特段の明確な指示がない限り、用語「フィルム」および「フォイル」は、本明細書にお
いて略交換可能に用いられている。
【0051】
本発明の様々な実施形態が添付の独立請求項において開示されている。
【0052】
次に、本発明は、添付図面を参照して極めて詳細に記載される。