特許第6892905号(P6892905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892905
(24)【登録日】2021年6月1日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】固体撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20210614BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20210614BHJP
【FI】
   H01L27/146 D
   H04N5/369
   H01L27/146 A
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-164504(P2019-164504)
(22)【出願日】2019年9月10日
(65)【公開番号】特開2020-178112(P2020-178112A)
(43)【公開日】2020年10月29日
【審査請求日】2019年9月10日
(31)【優先権主張番号】16/385,463
(32)【優先日】2019年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 綺涵
【審査官】 西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−213144(JP,A)
【文献】 特開2016−201524(JP,A)
【文献】 特開2006−303468(JP,A)
【文献】 特開2012−127795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 5/369
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板内に配置された第1のセットのユニットと、
前記第1のセットのユニットの上に配置された金属グリッド構造と、を含み、
前記第1のセットのユニットは、
順次に配置されて、それぞれの光電変換素子を含む第1の画素ユニットと、第2の画素ユニットと、第3の画素ユニットと、第4の画素ユニットと、を含み、
前記金属グリッド構造は、
前記第1の画素ユニットと前記第2の画素ユニットの間に配置され、第1の幅を有する第1の部分と、
前記第2の画素ユニットと前記第3の画素ユニットの間に配置され、前記第1の幅より広い第2の幅を有する第2の部分と、
前記第3の画素ユニットと前記第4の画素ユニットの間に配置され、前記第1の幅より狭い第3の幅を有する第3の部分と、を含む固体撮像装置。
【請求項2】
基板内に配置された第1のセットのユニットと、
前記第1のセットのユニットの上に配置された金属グリッド構造と、を含み、
前記第1のセットのユニットは、
順次に配置されて、それぞれの光電変換素子を含む第1の画素ユニットと、第2の画素ユニットと、第3の画素ユニットと、第4の画素ユニットと、を含み、
前記金属グリッド構造は、
前記第1の画素ユニットと前記第2の画素ユニットの間に配置され、第1の幅を有する第1の部分と、
前記第2の画素ユニットと前記第3の画素ユニットの間に配置され、前記第1の幅より広い第2の幅を有する第2の部分と、
前記第3の画素ユニットと前記第4の画素ユニットの間に配置され、前記第1の幅より狭い第3の幅を有する第3の部分と、を含み、
前記第3の画素ユニットは、前記第2の画素ユニットと前記第4の画素ユニットの間に位置し、
前記第2の幅と前記第3の幅の和は、前記第1の幅の2倍に等しく、
前記第1の画素ユニットおよび前記第2の画素ユニットは、撮像画素ユニットであり、
前記第3の画素ユニットはPDAF画素ユニットである固体撮像装置。
【請求項3】
基板内に配置された第1のセットのユニットと、
前記第1のセットのユニットの上に配置された金属グリッド構造と、を含み、
前記第1のセットのユニットは、
順次に配置されて、それぞれの光電変換素子を含む第1の画素ユニットと、第2の画素ユニットと、第3の画素ユニットと、を含み、
前記金属グリッド構造は、
前記第1の画素ユニットと前記第2の画素ユニットの間に配置され、第1の幅を有する第1の部分と、
前記第2の画素ユニットと前記第3の画素ユニットの間に配置され、前記第1の幅より広い第2の幅を有する第2の部分と、を含み、
前記基板内に配置された第2のセットのユニットを更に含み、
前記第2のセットのユニットは、
順次に配置されて、それぞれの光電変換素子を含む第5の画素ユニットと、第6の画素ユニットと、および第7の画素ユニットと、を含み、
前記金属グリッド構造は、
前記第5の画素ユニットと前記第6の画素ユニットの間に配置され、第4の幅を有する第4の部分と、
前記第6の画素ユニットと前記第7の画素ユニットの間に配置され、前記第4の幅と等しい第5の幅を有する第5の部分と、を更に含む固体撮像装置。
【請求項4】
前記基板内に配置された第3のセットのユニットを更に含み、
前記第3のセットのユニットは、
順次に配置されて、それぞれの光電変換素子を含む第8の画素ユニットと、第9の画素ユニットと、および第10の画素ユニットと、を含み、
前記金属グリッド構造は、
前記第8の画素ユニットと前記第9の画素ユニットの間に配置され、第6の幅を有する第6の部分と、
前記第9の画素ユニットと前記第10の画素ユニットの間に配置され、前記第6の幅より広い第7の幅を有する第7の部分と、を更に含む請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第1の画素ユニット、前記第2の画素ユニット、前記第5の画素ユニット、前記第6の画素ユニット、前記第8の画素ユニット、および前記第9の画素ユニットは、撮像画素ユニットであり、
前記第3の画素ユニット、前記第7の画素ユニット、および前記第10の画素ユニットは、PDAF画素ユニットであり、
前記第7の幅は前記第2の幅より広く、
前記第2の幅は前記第5の幅より広い請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第1のセットのユニット、前記第2のセットのユニット、および前記第3のセットのユニットは、アレイに配列され、
前記第2のセットのユニット、前記第1のセットのユニット、および前記第3のセットのユニットは、前記アレイの中心から前記アレイのエッジに向かう方向に順次に配置され、
前記第1の画素ユニット、前記第2の画素ユニット、および前記第3の画素ユニットは、前記方向に順次に配置される請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記第2のセットのユニットは、第11の画素ユニットを更に含み、
前記第7の画素ユニットは、前記第6の画素ユニットと前記第11の画素ユニットの間に位置し、
前記第3のセットのユニットは、第12の画素ユニットを更に含み、
前記第10の画素ユニットは、前記第9の画素ユニットと前記第12の画素ユニットの間に位置し、
前記金属グリッド構造は、
前記第7の画素ユニットと前記第11の画素ユニットの間に配置され、第8の幅を有する第8の部分と、
前記第10の画素ユニットと前記第12の画素ユニットの間に配置され、前記第8の幅より狭い第9の幅を有する第9の部分と、を更に含む請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記基板内に配置された分離構造と、
前記基板の上に配置された高誘電率膜と、
前記高誘電率膜と前記金属グリッド構造の間に配置されたバッファ層と、
前記金属グリッド構造の上、および前記金属グリッド構造内に配置されたパッシベーション層と、を更に含み、
前記第1のセットのユニットは前記分離構造によって画定され、
前記パッシベーション層の厚さは、0.05μmから0.3μmの範囲である請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記金属グリッド構造の上に配置された誘電体グリッド構造と、
前記誘電体グリッド構造および前記金属グリッド構造に配置されたカラーフィルタと、
前記誘電体グリッド構造および前記カラーフィルタの上に配置された平坦化層と、
前記平坦化層の上に配置されたlow−n酸化物層と、を更に含む請求項1に記載の固体撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置に関するものであり、特に、マイクロレンズのない固体撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光子を電気信号に変換する一種の半導体装置である。イメージセンサは、一般に、電荷結合素子(CCD)と相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のイメージセンサに分類することができる。これらのイメージセンサのうち、CMOSイメージセンサは、入射光を検出してそれを電気信号に変換するフォトダイオードと、電気信号を伝送および処理する論理回路とを含む。
【0003】
近年、位相差オートフォーカス(PDAF)技術がデジタル一眼レフカメラ(DSLR)、デジタルスチルカメラ(DSC)およびスマートフォンカメラに導入されている。その原理は、一対のその上にマイクロレンズ全体が実装された半透明の緑色画素を有することである。この2つの緑色画素の差動信号は、位相差オートフォーカスの機能に役立つ。しかしながら、画素上にマイクロレンズを形成することは、画素のカラーフィルタの厚さを制限するため、画素の光電変換素子に入射する入射光の色純度を向上させることは困難である。
【0004】
従って、マイクロレンズを必要としない新規なイメージセンサ構造の開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マイクロレンズのない固体撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
固体撮像装置では、入射光は、傾斜角度で画素アレイの非中央領域に入射し、この傾斜角度は、画素アレイの中央領域に入射する入射光の法線角度より大きい。入射角は、固体撮像装置の受光面の法線と入射光との間の夾角である。従って、非中央領域における画素ユニット間のクロストークは、中央領域におけるクロストークよりも高く、これは非中央領域におけるPDAF画素ユニットの感度を低下させる。
【0007】
本開示の実施形態によれば、固体撮像装置の金属グリッド構造は、PDAF画素ユニットの画素アレイ中心Cに近い側に配置された金属グリッドを含む。本開示の実施形態は、画素アレイ中心Cに近いPDAF画素ユニット106側に配置された金属グリッドを含む金属グリッド構造110を利用する。金属グリッドは、2つの撮像画素ユニットの間に配置された金属グリッドの幅より広い幅を有し、画素ユニット間のクロストークを低減し、PDAF画素ユニットの感度を増加させる。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、固体撮像装置を提供する。固体撮像装置は、基板に配置された第1のセットのユニットを含む。第1のセットのユニットは、第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、および第3の画素ユニットを含む。第1の画素ユニット、第2の画素ユニット、および第3の画素ユニットは、順次に配置され、各々の光電変換素子を含む。固体撮像装置は、第1のセットのユニットの上に配置された金属グリッド構造も含む。金属グリッド構造は、第1の部分と第2の部分を含む。第1の部分は、第1の画素ユニットと第2の画素ユニットの間に配置され、第1の幅を有する。第2の部分は、第2の画素ユニットと第3の画素ユニットの間に配置され、第1の幅より広い第2の幅を有する。
【0009】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明及び例を読むことで、より完全に理解することができる。説明を明確にするために、図面中の様々な要素は一定の縮尺で描かれていない場合がある。
図1A図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像装置の上面図を示している。
図1B-1】図1B−1は、本開示のいくつかの実施形態による、図1Aに示された固体撮像装置の一部の断面図を示している。
図1B-2】図1B−2は、本開示のいくつかの実施形態による、図1Aに示された固体撮像装置の一部の断面図を示している。
図1B-3】図1B−3は、本開示のいくつかの実施形態による、図1Aに示された固体撮像装置の一部の断面図を示している。
図1C-1】図1C−1は、本開示のいくつかの他の実施形態による、図1Aに示された固体撮像装置の一部の断面図を示している。
図1C-2】図1C−2は、本開示のいくつかの他の実施形態による、図1Aに示された固体撮像装置の一部の断面図を示している。
図1C-3】図1C−3は、本開示のいくつかの他の実施形態による、図1Aに示された固体撮像装置の一部の断面図を示している。
図2A図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像装置の上面図を示している。
図2B図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、図2Aに示された固体撮像装置の一部の断面図を示している。
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態による、画素アレイの中央領域のPDAF画素ユニットの感度とPDAF画素ユニットにある入射光の入射角度との関係のシミュレーション結果を示す角度応答曲線(angular response curves; ARC)のグラフである。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、画素アレイ中央領域のPDAF画素ユニットの感度とPDAF画素ユニットにある入射光の入射角度との関係のシミュレーション結果を示す角度応答曲線(angular response curves; ARC)のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施の形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示の第2の要素の上方、または第2の要素上への第1の要素の形成は、第1と第2の要素が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の要素が直接接触しないように、付加的な要素が第1と第2の要素間に形成された複数の実施形態を含むこともできる。また、以下の説明は、複数の例において同じ構成要素の参照数字または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、以下に論じる複数の実施形態および/または配置の関係を限定するものではない。
【0012】
いくつかの実施形態のいくつかの変形形態を以下に論じる。さまざまな図及び例示的な実施形態を通じて、同様の参照番号は同様の要素を指定するのに用いられる。追加のステップが本方法の後、本方法の前、または本方法の間に提供されることができ、且つ記載されたいくつかのステップが本方法の他の実施形態で置き換えられる、または削除されてもよいことは理解されるべきである。
【0013】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像装置100の上面図を示している。固体撮像装置100は、基板102、基板102に配置された画素アレイ109、および画素アレイ109の上に配置された金属グリッド構造110を含む。
【0014】
基板102は、アレイ領域104、およびアレイ領域104の周囲の遮光領域105を含む。画素アレイ109は、アレイ領域104内に位置している。画素アレイ109は、第1の方向D1と第1の方向D1に直交する第2の方向D2に配置された位相差オートフォーカス(PDAF)画素ユニット106および撮像画素ユニット108(破線格子(dash squares)で示されている)を含む。
【0015】
第1の方向D1は、画素アレイ109の長方形の長さ方向と平行しており、第2の方向D2は、画素アレイ109の長方形の幅方向と平行している。第1の方向D1は、画素アレイ109の中心CからエッジE1に向かって延伸する方向であり、第2の方向D2は、画素アレイ109の中心Cからエッジ部E2に向かって延伸する方向である。
【0016】
画素アレイ109は、第1の方向D1に平行な第1の中央線C1、および第2の方向D2に平行な第2の中央線C2を有する。第1の中央線C1は、画素アレイ109の中心Cで第2の中央線C2と交差する。画素アレイ109は、中央領域109Cおよび中央領域109Cの周囲の非中央領域109Oを含み、画素アレイ109の中心Cは中央領域109C内に位置している。いくつかの実施形態では、中央領域109Cは長方形または円形の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、中央領域109Cは、中心Cから画素アレイ109のエッジに向かって画素アレイ109の長さ(または幅)の15%延伸する領域を含むことができる。
【0017】
PDAF画素ユニット106および撮像画素ユニット108は、基板102に形成された光電変換素子(図1Aに図示されていない)をそれぞれ含む。PDAFは、一対のPDAF画素ユニット106に入射する放射線の位相差から物体までの距離を決定することによって物体に迅速に合焦させるために用いられる。
【0018】
金属グリッド構造110は、基板102の上に形成されている。金属グリッド構造110は、第1の方向D1に沿って延伸する水平部分と第2の方向D2に沿って延伸する垂直部分とを含む。金属グリッド構造110のこれらの部分は、画素ユニット間の境界に対応して配置される。具体的には、2つの隣接する撮像画素ユニット108間の境界に配置された金属グリッド構造110の一部は、第1の部分112として定義される。PDAF画素ユニット106とPDAF画素ユニット106に隣接する2つの撮像画素ユニット108との間の境界に配置された金属グリッド構造110の一部は、第2の部分114および第3の部分115として定義される。第2の部分114は、PDAF画素ユニット106の画素アレイの中心Cに近い側に配置され、第3の部分115は、PDAF画素ユニット106の画素アレイのエッジE1(またはE2)に近い側に配置される。
【0019】
例えば、一セットのユニットが画素アレイ109の中央領域109Cに配置される。一セットのユニットは、第1の方向D1に順次に配置された撮像画素ユニット108、撮像画素ユニット108、PDAF画素ユニット106、および撮像画素ユニット108を含む。第1の部分112は、撮像画素ユニット108と撮像画素ユニット108との間に配置される。第2の部分114は、撮像画素ユニット108とPDAF画素ユニット106との間に配置される。第3の部分115は、PDAF画素ユニット106と撮像画素ユニット108との間に配置される。
【0020】
例えば、一セットのユニットが画素アレイ109の中間領域に配置される。一セットのユニットは、第1の方向D1に順次に配置された、撮像画素ユニット108、撮像画素ユニット108、PDAF画素ユニット106、および撮像画素ユニット108を含む。第1の部分112は、撮像画素ユニット108と撮像画素ユニット108との間に配置される。第2の部分114は、撮像画素ユニット108とPDAF画素ユニット106との間に配置される。第3の部分115は、PDAF画素ユニット106と撮像画素ユニット108との間に配置される。
【0021】
例えば、一セットのユニットが画素アレイ109のエッジ領域に配置される。一セットのユニットは、第1の方向D1に順次に配置された、撮像画素ユニット108、撮像画素ユニット108、PDAF画素ユニット106、および撮像画素ユニット108を含む。第1の部分112は、撮像画素ユニット108と撮像画素ユニット108との間に配置される。第2の部分114は、撮像画素ユニット108とPDAF画素ユニット106との間に配置される。第3の部分115は、PDAF画素ユニット106と撮像画素ユニット108との間に配置される。
【0022】
例えば、一セットのユニットが画素アレイ109の角領域に配置される。一セットのユニットは、第2の方向D2に順次に配置された、撮像画素ユニット10810、PDAF画素ユニット106、および撮像画素ユニット10811を含む。第2の部分114は、撮像画素ユニット10810とPDAF画素ユニット106との間に配置される。第3の部分115は、PDAF画素ユニット106と撮像画素ユニット10811との間に配置される。
【0023】
簡潔で明確にするために、図1Aは上述の特徴のみを示しており、残りの特徴は、図1B−1、図1B−2、および図1B−3の断面図に示される。
【0024】
図1B−1、図1B−2、および図1B−3に示すように、図1B−1、図1B−2、および図1B−3は、中央領域、中間領域、エッジ領域の固体撮像装置100の一部をそれぞれ示す断面図である。一実施形態では、基板102はシリコン基板であることができる。いくつかの実施形態では、基板102は、シリコンゲルマニウム基板、ガリウム砒素基板などであることができる。いくつかの実施形態では、基板102は、ゲルマニウム基板、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板などの半導体オンインシュレータ基板であってもよい。
【0025】
固体撮像装置100は、基板102内に配置された分離構造120も含む。分離構造120は、基板102のPDAF画素ユニット106と撮像画素ユニット108を画定する。言い換えれば、分離構造120は、PDAF画素ユニット106と撮像画素ユニット108との間の境界と、隣接する2つの撮像画素ユニット108間の境界とに形成される。いくつかの実施形態では、分離構造120は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、およびそれらの組み合わせなどであるか、またはそれらを含むことができ、パターニングプロセスおよび堆積プロセスによって形成されることができる。
【0026】
フォトダイオードなどの光電変換素子122および123は、光電変換素子122が撮像画素ユニット108に配置され、且つ光電変換素子123がPDAF画素ユニット106に配置されている基板102内に配置される。光電変換素子122は、分離構造120によって互いに分離され、且つ光電変換素子123から分離される。いくつかの実施形態では、単一の光電変換素子122が単一の撮像画素ユニット108に形成され、4つの光電変換素子123が単一のPDAF画素ユニット106に形成される。光電変換素子122および123は、入射光を検知し、光電変換素子に入射する入射光の強度に応じて強度信号を生成するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、光電変換素子122および123は、基板102の裏面に隣接して配置される。基板102の表面は、通常、固体撮像装置100に必要な各種の配線および電子回路の配線層(図示せず)がその上に形成されている。図1Aから図1B−3に示されたいくつかの実施形態では、固体撮像装置100は、裏面照射型(BSI)撮像装置である。BSI撮像装置では、光電変換素子122および123がその上に形成された基板102の裏面は、固体撮像装置100の入射受光面に近接している。配線層がその上に形成された基板102の表面は、固体撮像装置100の入射受光面から離れている。
【0028】
いくつかの他の実施形態では、固体撮像装置100は前面照射(FSI)撮像装置である。FSI撮像装置では、配線層がその上に形成された基板102の表面は、固体撮像装置の入射受光面に近接している。光電変換素子がその上に形成された基板102の裏面は、固体撮像装置の入射受光面から離れている。
【0029】
固体撮像装置100は、高誘電率(high−k)膜124およびバッファ層126も含む。high−k膜124は、基板102の上に配置され、光電変換素子122および123を覆う。バッファ層126は、high−k膜124の上に配置される。いくつかの実施形態では、high−k膜124は、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ハフニウムタンタル(HfTaO)、酸化ハフニウムチタニウム(HfTiO)、酸化ハフニウムジルコニウム(HfZrO)、五酸化タンタル(Ta)、またはそれらの組み合わせなどであるか、またはそれらを含むことができ、堆積プロセスによって形成されることができる。バッファ層126は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素であるか、またはそれらを含むことができ、堆積プロセスによって形成されることができる。
【0030】
第1の部分112、第2の部分114、および第3の部分115を含む金属グリッド構造110は、バッファ層126の上に配置される。金属グリッド構造110は、隣接する画素ユニット間の光学的分離として構成され、感度(例えば、量子効率(QE))を増加させて、画素ユニット間のクロストークを低減する。いくつかの実施形態では、金属グリッド構造110は、タングステン(W)、銅(Cu)、またはアルミニウム銅(AlCu)であるか、またはそれらを含むことができ、堆積プロセスまたは電気メッキ、およびそれに続くパターニングプロセスによって形成されることができる。
【0031】
固体撮像装置100は、バッファ層126の上面の上に配置され、金属グリッド構造110を覆うパッシベーション層128も含む。パッシベーション層128は、金属グリッド構造110の開口内に充填される。パッシベーション層128は平坦な上面を有する。いくつかの実施形態では、パッシベーション層128は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、およびそれらの組み合わせなどであるか、またはそれらを含むことができ、堆積プロセスによって形成されることができる。いくつかの他の実施形態では、パッシベーション層128は形成されない。パッシベーション層128の厚さは、0.05μmから約0.3μmのように、0μm(形成されていない)から約0.3μmの範囲であることができる。
【0032】
固体撮像装置100は、パッシベーション層128の上面の上に配置された誘電体グリッド構造130およびカラーフィルタ132と133も含む。誘電体グリッド構造130は、カラーフィルタ132および133によって充填された開口を画定する。カラーフィルタ132は、撮像画素ユニット108の上に対応して配置され、カラーフィルタ133は、PDAF画素ユニット106の上に対応して配置される。いくつかの実施形態では、誘電体グリッド構造130は、金属グリッド構造110の上に、金属グリッド構造110に合わせて配置される。上面図から見たとき、誘電体グリッド構造130は、金属グリッド構造110の形状と同一または類似の形状を有する。
【0033】
2つの隣接する撮像画素ユニット108間の境界に配置された誘電体グリッド構造130の一部は、第1の部分142として定義される。PDAF画素ユニット106とPDAF画素ユニット106に隣接する2つの撮像画素ユニット108との間の境界に配置された誘電体グリッド構造130の部分は、第2の部分144および第3の部分145として定義される。第2の部分144は、PDAF画素ユニット106のピクセルアレイ中心Cに近い側に配置され、第3の部分145は、PDAF画素ユニット106の画素アレイエッジE1(またはE2)に近いもう一つ側に配置される。
【0034】
いくつかの実施形態では、誘電体グリッド構造130は、カラーフィルタ132の屈折率よりも小さい屈折率を有する透明材料であることができる。誘電体グリッド構造130の低屈折率により、カラーフィルタ132および133内の入射光は全反射するため、誘電体グリッド構造130は、導光体となって入射光をカラーフィルタ132および133を介して光電変換素子122および123に導く。いくつかの実施形態では、誘電体グリッド構造130は、酸化ケイ素(例えば、SiO)または酸化ハフニウム(例えば、HfO)などの誘電体であるか、またはそれらを含むことができ、堆積プロセスおよびパターニングプロセスによって形成されることができる。カラーフィルタ132および133は、入射光の対応する色または波長を割り当てられ、割り当てられた色または波長以外の全ての入射光をフィルタリングするように構成される。
【0035】
固体撮像装置100は、平坦化層134および低屈折率(low−n)酸化物層136も含む。平坦化層134は、誘電体グリッド構造130およびカラーフィルタ132および133の上に配置される。いくつかの実施形態では、平坦化層134の屈折率は1.6より小さい。low−n酸化物層136は平坦化層134の上に配置される。いくつかの実施形態では、low−n酸化物層136は、約1.2から約1.5の範囲の屈折率を有する反射防止層である。いくつかの実施形態では、low−n酸化物層136は、酸化ケイ素(例えば、SiO)であるか、またはそれを含むことができ、堆積プロセスまたはコーティングプロセスによって形成されることができる。
【0036】
本開示の実施形態では、固体撮像装置100の上にマイクロレンズは形成されていない。言い換えれば、固体撮像装置100は、low−n酸化物層136の上に形成されるマイクロレンズを含まない。PDAF画素ユニット106および撮像画素ユニット108の上に対応して配置されたマイクロレンズは、入射光を焦点に集束させるため、カラーフィルタの厚さが制限される。マイクロレンズのない実施形態では、固体撮像装置100の上にマイクロレンズを形成する場合に比べて、カラーフィルタ132の厚さを厚くすることができる。例えば、図1B−1から図1B−3のカラーフィルタ132および133の厚さは、約0.85μmから約1.3μmの範囲であることができる。本開示の実施形態では、より厚いカラーフィルタ132および133は入射光の色純度を向上させ、固体撮像装置の性能を向上させることができる。
【0037】
しかしながら、入射光は、傾斜角度で画素アレイの非中央領域に入射し、この傾斜角度は、画素アレイの中央領域に入射する入射光の法線角度より大きい。入射角は、固体撮像装置の受光面の法線と入射光との間の夾角である。従って、非中央領域における画素ユニット間のクロストークは、中央領域におけるクロストークよりも高く、これは非中央領域におけるPDAF画素ユニットの感度を低下させる。本開示の実施形態は、金属グリッド構造110を利用し、PDAF画素ユニット106の画素アレイ中心Cに近い側に配置された金属グリッドを含む。本開示の実施形態は、画素アレイ中心Cに近いPDAF画素ユニット106側に配置された金属グリッドを含む金属グリッド構造110を利用する。当該金属グリッドは、2つの撮像画素ユニット108の間に配置された金属グリッドの幅より広い幅を有し、画素ルユニット間のクロストークを低減し、PDAF画素ユニットの感度を増加させる。これについては後で詳しく説明する。
【0038】
図1Aに再度示すように、図1Aは、金属グリッド構造110の幅のバリエーションを示すために、第1の方向D1に配置された3セットの画素ユニットが、画素アレイ109の中央領域109C、中間領域、およびエッジ領域内にそれぞれ位置していることを示しており、画素ユニットのそれぞれは、1つのPDAF画素ユニット106および多数の撮像画素ユニット108を含む。中間領域およびエッジ領域は、画素アレイ109の非中央領域109Oに位置しており、中間領域は、中央領域109Cとエッジ領域との間にある。
【0039】
図1Aから図1B−3に示すように、第1の方向D1で測定したとき、第1の部分112は、画素アレイ109の中心CからエッジE1に向かって一定の第1の幅W1をそれぞれ有する。いくつかの実施形態では、第1の幅W1は、約0.06μmから約0.2μmの範囲であることができる。例えば、画素アレイ109のエッジ領域の第1の部分112の第1の幅W1は、画素アレイ109の中間領域の第1の部分112の第1の幅W1と画素アレイ109の中央領域109Cの第1の部分112の第1の幅W1に等しい。
【0040】
第1の方向D1で測定したとき、第2の部分114は、画素アレイ109の中心CからエッジE1に向かって増加する第2の幅W2をそれぞれ有する。例えば、画素アレイ109のエッジ領域の第2の部分114の第2の幅W2は、画素アレイ109の中央領域109Cの第2の部分114の第2の幅W2より広い、画素アレイ109の中間領域の第2の部分114の第2の幅W2よりも広い。
【0041】
第1の方向D1で測定したとき、第3の部分115は、画素アレイ109の中心CからエッジE1に向かって減少する第3の幅W3をそれぞれ有する。例えば、画素アレイ109のエッジ領域の第3の部分115の第3の幅W3は、画素アレイ109の中央領域109Cの第3の部分115の第3の幅W3より狭い、画素アレイ109の中間領域の第3の部分115の第3の幅W3よりも狭い。いくつかの実施形態では、第2の幅W2および第3の幅W3は、約0.11μmから約0.65μmの範囲であることができる。
【0042】
また、中央領域109Cでは、第1の部分112の第1の幅W1は、第2の部分114の第2の幅W2および第3の部分115の第3の幅W3と等しい。従って、非中央領域109Oの第2の部分114の第2の幅W2は、非中央領域109Oの第3の部分115の第3の幅W3より広い第1の部分112の第1の幅W1よりも広い。
【0043】
また、いくつかの実施形態では、第2の幅W2と第3の幅W3の和は、第1の幅W1の2倍に等しい。第2の幅W2と第3の幅W3の和は、第1の幅W1の2倍に等しい。
【0044】
図1B−1に示すように、中央領域109Cでは、第2の部分114の半分は撮像画素ユニット108内にあり、第2の部分114のもう半分はPDAF画素ユニット106内にある。図1B−2および図1B−3に示すように、非中央領域109Oでは、第2の部分114の半分よりも大きい部分がPDAF画素ユニット106内にあり、第2の部分114の半分よりも小さい部分が撮像画素ユニット108内にある。
【0045】
留意すべきことは、第2の部分114は、PDAF画素ユニット106で、増加する幅W2を有するため、第2の部分114は、入射光が、隣接する画素ユニット間を通過するのを有利にブロックし、これは、画素ユニット間のクロストークを低減し、PDAF画素ユニットの感度を増加させることである。
【0046】
更に図1Aに示すように、第2の方向D2で測定されたとき、第1の部分112は、画素アレイ109の中心CからエッジE2に向かって一定の第4の幅W4をそれぞれ有する。第2の方向D2で測定したとき、第2の部分114は、画素アレイ109の中心CからエッジE2に向かって増加する第5の幅W5をそれぞれ有する。第2の方向D2で測定したとき、第3の部分115は、画素アレイ109の中心CからエッジE2に向かって減少する第6の幅W6をそれぞれ有する。また、第1の部分112の第4の幅W4は、第2の部分114の第5の幅W5および第3の部分115の第6の幅W6と等しい。
【0047】
図1Aから図1B−2に示される実施形態によれば、画素アレイの非中央領域では、アレイ中心に近いPDAF画素ユニットの第1の側に配置された金属グリッド構造の第2の部分は、2つの撮像画素ユニット間に配置された金属グリッド構造の第1の部分の幅より広い幅を有し、入射光の色純度とピクセルアレイユニット間のクロストークとの間の良好なバランスを提供する。
【0048】
図1C−1から図1C−3は、本開示のいくつかの他の実施形態による、中央領域、中間領域およびエッジ領域の固体撮像装置100の一部をそれぞれ示す断面図である。図1C−1から図1C−3における同一または類似の要素、または層は、同一の意味を有するため、図1B−1から図1B−3における同一または類似の要素または層と同様の参照番号によって示され、それらの説明は簡潔化のために繰り返されない。図1C−1から図1C−3と図1B−1から図1C−3に示される実施形態との違いは、図1B−1から図1C−3に示された実施形態では、図1C−1から図1C−3に示されたようなパッシベーション層128が形成されていないことである。
【0049】
更に、金属グリッド構造110は、誘電体グリッド構造130と接触している。金属グリッド構造110および誘電体グリッド構造130は、カラーフィルタ132および133によって充填された開口を共に画定する。従って、カラーフィルタ132および133の厚さは、更に増加されることができる。例えば、図1C−1から図1C−3のカラーフィルタ132および133の厚さは、約0.85μmから約1.3μmの範囲であることができる。従って、入射光の色純度が向上され、固体撮像装置の性能を向上させる。
【0050】
図2Aおよび図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像装置200の上面図および断面図を示している。図2Aおよび図2Bと同一または類似の要素、または層は、図1Aから図1B−3と同一の意味を有するため、同様の参照番号によって示され、それらの説明は簡潔化のために繰り返されない。
【0051】
図2Aは、金属グリッド構造110の幅のバリエーションを示すために、第1の方向D1に配置された3セットの画素ユニットが、画素アレイ109の中央領域109C、中間領域、およびエッジ領域内にそれぞれ位置していることを示しており、画素ユニットのそれぞれは、1つのPDAF画素ユニット106および多数の撮像画素ユニット108を含む。中間領域およびエッジ領域は、画素アレイ109の非中央領域109Oに位置しており、中間領域は、中央領域109Cとエッジ領域との間にある。図2Bは、固体撮像装置100のエッジ領域の一部を示す断面図である。
【0052】
図2Aおよび図2Bに示すように、第1の方向D1で測定したとき、第1の部分112は、画素アレイ109の中心CからエッジE1に向かって一定の第1の幅W1をそれぞれ有する。いくつかの実施形態では、第1の幅W1は、約0.06μmから約0.2μmの範囲であることができる。例えば、画素アレイ109のエッジ領域の第1の部分112の第1の幅W1は、画素アレイ109の中間領域の第1の部分112の第1の幅W1と画素アレイ109の中央領域109Cの第1の部分112の第1の幅W1に等しい。
【0053】
第1の方向D1で測定したとき、第2の部分114は、画素アレイ109の中心CからエッジE1に向かって一定の第2の幅W2をそれぞれ有する。例えば、画素アレイ109のエッジ領域の第2の部分114の第2の幅W2は、画素アレイ109の中間領域の第2の部分114の第2の幅W2と、画素アレイ109の中央領域109Cの第2の部分114の第2の幅W2と等しい。
【0054】
第1の方向D1で測定したとき、第3の部分115は、画素アレイ109の中心CからエッジE1に向かって一定の第3の幅W3をそれぞれ有する。例えば、画素アレイ109のエッジ領域の第3の部分115の第3の幅W3は、画素アレイ109の中間領域の第3の部分115の第3の幅W3と、画素アレイ109の中央領域109Cの第3の部分115の第3の幅W3と等しい。いくつかの実施形態では、第2の幅W2および第3の幅W3は、約0.11μmから約0.65μmの範囲であることができる。
【0055】
更に、中央領域109Cまたは非中央領域109Oの両方において、第2の部分114の第2の幅W2は、第3の部分115の第3の幅W3と等しく、第1の部分112の第1の幅W1より広い。
【0056】
図2Bに示すように、第2の部分114Eの半分より大きい部分がPDAF画素ユニット1063内にあり、第2の部分114Eの半分よりも小さい部分が撮像画素ユニット1088内にある。
【0057】
留意すべきことは、第2の部分114は、PDAF画素ユニット106で、増加する幅W2を有するため、第2の部分114は、入射光が、隣接する画素ユニット間を通過するのを有利にブロックし、これは、画素ユニット間のクロストークを低減し、PDAF画素ユニットの感度を増加させることである。
【0058】
同様に、第2の方向D2で測定されたとき、第1の部分112は、画素アレイ109の中心CからエッジE2に向かって一定の第4の幅W4をそれぞれ有する。第2の方向D2で測定したとき、第2の部分114は、画素アレイ109の中心CからエッジE2に向かって一定の第5の幅W5をそれぞれ有する。第2の方向D2で測定したとき、第3の部分115は、画素アレイ109の中心CからエッジE2に向かって一定の第6の幅W6をそれぞれ有する。図2Aに示された実施形態では、第5の幅W5は、第6の幅W6と等しく、第4の幅W4より広い。
【0059】
図2Aおよび図2Bに示される実施形態によれば、画素アレイの非中央領域では、PDAF画素ユニットのアレイ中心に近い側に配置された金属グリッド構造の第2の部分は、2つの撮像画素ユニット間に配置された金属グリッド構造の第1の部分の幅より広い幅を有し、入射光の色純度と画素アレイユニット間のクロストークとの間の良好なバランスを提供する。
【0060】
更に、いくつかの実施形態では、図2Bに示されるように、誘電体グリッド構造130の幅は金属グリッド構造110の幅と異なることができる。例えば、誘電体グリッド構造130の第2の部分144は、金属グリッド構造110の第2の部分114より狭くてもよい。誘電体グリッド構造130の第3の部分145は、金属グリッド構造110の第3の部分115より狭くてもよい。
【0061】
更に、本開示の実施形態は、マイクロレンズが形成されていないPDAF画素ユニットの感度特性を調整する方法も提供する。
【0062】
図3および図4は、角度応答曲線(ARC)のグラフ300および400であり、本開示のいくつかの実施形態による、画素アレイ109の中央領域109CのPDAF画素ユニット106の感度と、PDAF画素ユニット106に入射する入射光の入射角度との関係のシミュレーション結果を示している。「A」で終わる曲線(例えば301A)は、右側に近い光電変換素子123によって収集したPDAF画素ユニット106の感度特性を示しており、「B」で終わる曲線(例えば301B)は、左側に近い光電変換素子123によって収集したPDAF画素ユニット106の感度特性を示している。
【0063】
図3に示すように、曲線301A〜303Bは、図2Bに示されるようなPDAF画素ユニット106の感度特性を示しており、曲線303A−B、302A−B、および301A−Bは、第2の部分114の第2の幅W2が広い、中間、および狭いことをそれぞれ表している。
【0064】
グラフ300は、より高い第2の幅W2を有する第2の部分114がより高い感度勾配となることを示している。従って、マイクロレンズがない場合、金属グリッド構造の第2の部分の幅を調整することによって、PDAF画素ユニット106の感度特性を調整することができる。
【0065】
図4に示すように、曲線401Aおよび402Aは、図1B−1に示すようなPDAF画素ユニット106の感度特性を示し、曲線401Aは、パッシベーション層128の厚さTが0μmである(即ち、形成されていない)ことを表しており、曲線402Aは、パッシベーション層128の厚さTが0.4μmであることを表している。グラフ400は、より高い厚さTを有するパッシベーション層128がより高い感度勾配となることを示している。従って、マイクロレンズがない場合、パッシベーション層の厚さを調節することによって、PDAF画素ユニット106の感度特性を調節することができる。
【0066】
本開示の実施形態によれば、固体撮像装置は、固体撮像装置の上に形成されたマイクロレンズを含まない。従って、カラーフィルタの厚さを増加することができ、入射光の色純度が向上されて、固体撮像装置の性能を向上させることができる。
【0067】
更に、画素アレイの非中央領域では、PDAF画素ユニットのアレイ中心に近い側に配置された金属グリッド構造の第2の部分は、2つの撮像画素ユニット間に配置された金属グリッド構造の第1の部分の幅より広い幅を有する。従って、入射光の色純度と画素アレイユニット間のクロストークとの間の良好なバランスが提供される。
【0068】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0069】
100、200 固体撮像装置
102 基板
104 アレイ領域
105 遮光領域
106、106、106、106、106 位相差オートフォーカス(PDAF)画素ユニット
108、108、108、108、108、108、108、108、108、108、10810、10811 撮像画素ユニット
109 画素アレイ
109C 中央領域
109O 非中央領域
110 金属グリッド構造
112、112、112、112、142、142、142 第1の部分
114、114、114、114、144、144、144 第2の部分
115、115、115、115、145、145、145 第3の部分
120 分離構造
122、123 光電変換素子
124 高誘電率(high−k)膜
126 バッファ層
128 パッシベーション層
130 誘電体グリッド構造
132、133 カラーフィルタ
134 平坦化層
136 低屈折率(low−n)酸化物層
300、400 グラフ
301A、301B、302A、302B、303A、303B、401A、402A 曲線
C 中心
C1 第1の中央線
C2 第2の中央線
D1 第1の方向
D2 第2の方向
E1、E2 エッジ
T 厚さ
W1、W1、W1第1の幅
W2、W2、W2第2の幅
W3、W3、W3第3の幅
W4、W4第4の幅
W5、W5第5の幅
W6、W6第6の幅
図1A
図1B-1】
図1B-2】
図1B-3】
図1C-1】
図1C-2】
図1C-3】
図2A
図2B
図3
図4