特許第6892923号(P6892923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)の特許一覧

特許6892923無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置
<>
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000002
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000003
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000004
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000005
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000006
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000007
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000008
  • 特許6892923-無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892923
(24)【登録日】2021年6月1日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークにおけるビーム管理をサポートするための方法および配置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/19 20180101AFI20210614BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20210614BHJP
【FI】
   H04W76/19
   H04W16/28
【請求項の数】20
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2019-536129(P2019-536129)
(86)(22)【出願日】2017年11月30日
(65)【公表番号】特表2020-504967(P2020-504967A)
(43)【公表日】2020年2月13日
(86)【国際出願番号】SE2017051198
(87)【国際公開番号】WO2018128567
(87)【国際公開日】20180712
【審査請求日】2019年9月6日
(31)【優先権主張番号】62/441,735
(32)【優先日】2017年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーバリ, ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】アンデション, ホーカン
(72)【発明者】
【氏名】フールスコグ, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】コレダル, ヨーアン
(72)【発明者】
【氏名】スケルデマン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】フレンヌ, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チアン
(72)【発明者】
【氏名】スンディン, トマス
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0353510(US,A1)
【文献】 MediaTek Inc.,"RLM and RLF in HF NR",3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #96 R2-168130,[online],2016年11月 4日,pages 1-5,[検索日 2020.11.18],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_96/Docs/R2-168130.zip
【文献】 Ericsson,"RLM and RLF in NR",3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #96 R2-168722,[online],2016年11月 5日,pages 1-3,[検索日 2020.11.18],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_96/Docs/R2-168722.zip
【文献】 Ericsson,"Reference signals and reports to support beam management",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #86 R1-167467,[online],2016年 8月12日,pages 1-2,[検索日 2020.11.18],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86/Docs/R1-167467.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(100)における通信能力を再確立するための手順を開始するための、無線デバイス(120)によって行われる方法であって、前記無線デバイス(120)および無線ネットワークノード(110)が、前記無線通信ネットワーク(100)内で動作し、
− 前記無線デバイス(120)による受信のために特にターゲットにされ、既知の周期性で送信される、第1の信号を前記無線ネットワークノード(110)から受信すること(204、702)と、
− 前記既知の周期性によって指定された一定の既知の時間が、前記第1の信号の最後の受領から経過したことに応答して、ビーム対を使用して、前記無線ネットワークノード(110)へのランダムアクセス送信を行うことによって、前記無線デバイス(120)と前記無線ネットワークノード(110)との間の通信能力を再確立するための手順を開始すること(214、707)と
を含む、方法。
【請求項2】
− 時間値を入手すること(203、701)と、
− 前記第1の信号の前記最後の受領からの時間を計測すること(205、210、703、705)と、
− 前記入手された時間値および前記計測された時間に基づいて、前記一定の既知の時間が経過したか否かを判断すること(212、706)と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
− 前記時間値に関する更新情報を入手すること(209、704)と、
− 前記時間値に関する前記更新情報に基づいて、前記一定の既知の時間が経過したか否かを判断すること(212、706)と
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記更新情報の受領により、時間の計測が再スタートする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記時間値および/または前記時間値に関する更新情報が、前記無線デバイス(120)に対するネットワーク送受信ポイント(TRP)を、前記無線通信ネットワーク(100)がスイッチしようとしていることを検出することに基づく、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記時間値および/または前記時間値に関する更新情報が、前記無線デバイス(120)との間の予想トラフィックに基づく、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の信号が、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージまたは参照信号を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
無線通信ネットワーク(100)における通信能力を再確立するための手順を開始するための、無線ネットワークノード(110)によって行われる方法であって、前記無線ネットワークノード(110)および無線デバイス(120)が、前記無線通信ネットワーク(100)内で動作し、
− 既知の周期性によって指定された一定の既知の時間が、第1の信号の最後の送信から経過する前に、前記第1の信号を前記無線デバイス(120)に送付すること(204、803)であって、前記第1の信号が、前記無線デバイス(120)による受信のために特にターゲットにされ、前記既知の周期性で送信される、送付すること(204、803)
を含む、方法。
【請求項9】
− 時間値を入手すること(201、801)と、
− 前記第1の信号の前記最後の送信からの時間を計測すること(206、211、804、807)と、
− 前記入手された時間値および前記計測された時間に基づいて、いつ前記一定の既知の時間が発生するかを判断すること(213、808)と
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
− 前記時間値に関する更新情報を入手すること(207、805)と、
− 前記時間値に関する前記更新情報を前記無線デバイス(120)に送付すること(208、806)と
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
無線通信ネットワーク(100)における通信能力を再確立するための手順を開始するための無線デバイス(120)であって、前記無線デバイス(120)および無線ネットワークノード(110)が、前記無線通信ネットワーク(100)内で動作するように設定され、
− 前記無線デバイス(120)による受信のために特にターゲットにされ、既知の周期性で送信される、第1の信号を前記無線ネットワークノード(110)から受信することと、
− 前記既知の周期性によって指定された一定の既知の時間が、前記第1の信号の最後の受領から経過したことに応答して、ビーム対を使用して、前記無線ネットワークノード(110)へのランダムアクセス送信を行うことによって、前記無線デバイス(120)と前記無線ネットワークノード(110)との間の通信能力を再確立するための手順を開始することと
を行うように設定される、無線デバイス(120)。
【請求項12】
− 時間値を入手することと、
− 前記第1の信号の前記最後の受領からの時間を計測することと、
− 前記入手された時間値および前記計測された時間に基づいて、前記一定の既知の時間が経過したか否かを判断することと
を行うように設定された、請求項11に記載の無線デバイス(120)。
【請求項13】
− 前記時間値に関する更新情報を入手することと、
− 前記時間値に関する前記更新情報に基づいて、前記一定の既知の時間が経過したか否かを判断することと
を行うように設定された、請求項12に記載の無線デバイス(120)。
【請求項14】
前記更新情報の受領により、時間の計測が再スタートする、請求項13に記載の無線デバイス(120)。
【請求項15】
前記時間値および/または前記時間値に関する更新情報が、前記無線デバイス(120)に対するネットワーク送受信ポイント(TRP)を、前記無線通信ネットワーク(100)がスイッチしようとしていることを検出することに基づく、請求項12から14のいずれか一項に記載の無線デバイス(120)。
【請求項16】
前記時間値および/または前記時間値に関する更新情報が、前記無線デバイス(120)との間の予想トラフィックに基づく、請求項12から15のいずれか一項に記載の無線デバイス(120)。
【請求項17】
前記第1の信号が、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージまたは参照信号を含む、請求項11から16のいずれか一項に記載の無線デバイス(120)。
【請求項18】
無線通信ネットワーク(100)における通信能力を再確立するための手順を開始するための無線ネットワークノード(110)であって、前記無線ネットワークノード(110)および無線デバイス(120)が、前記無線通信ネットワーク(100)内で動作するように設定され、
− 既知の周期性によって指定された一定の既知の時間が、第1の信号の最後の送信から経過する前に、前記第1の信号を無線デバイス(120)に送付することであって、前記第1の信号が、前記無線デバイス(120)による受信のために特にターゲットにされ、前記既知の周期性で送信される、送付すること
を行うように設定される、無線ネットワークノード(110)。
【請求項19】
− 時間値を入手することと、
− 前記第1の信号の前記最後の送信からの時間を計測することと、
− 前記入手された時間値および前記計測された時間に基づいて、いつ前記一定の既知の時間が発生するかを判断することと
を行うように設定された、請求項18に記載の無線ネットワークノード(110)。
【請求項20】
− 前記時間値に関する更新情報を入手することと、
− 前記時間値に関する前記更新情報を前記無線デバイス(120)に送付することと
を行うように設定された、請求項19に記載の無線ネットワークノード(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における実施形態は、例えばテレコミュニケーションネットワークといった無線通信ネットワーク内で動作するデバイスに関するビーム管理をサポートするための方法および配置に関する。特に、本明細書における実施形態は、無線デバイス、無線ネットワークノードに関し、無線通信ネットワークにおける通信能力を再確立するための手順を開始するための、無線デバイス、無線ネットワークノードにおける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
単純に無線デバイスと名付けられることがある無線通信デバイスなどの通信デバイスは、例えば、ユーザ機器(UE:User Equipment)、モバイル端末、無線端末、および/または移動局(MS:Mobile Station)としても知られている可能性がある。無線デバイスは、無線(wireless)通信システム、または無線(radio)通信システムと呼ばれることもあり、時には、セルラー無線システム、セルラーネットワーク、またはセルラー通信システムとも呼ばれる、例えばセルラー通信ネットワークといった、無線通信ネットワークにおいて無線で通信することを可能にされる。無線通信ネットワークは、時には単純にネットワークと呼ばれ、NWと略されることがある。通信は、無線通信ネットワーク内に備えられた無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)、また場合によっては、1つまたは複数のコアネットワーク(CN)を介して、例えば、2つの無線デバイス間、無線デバイスと普通の電話との間、および/または無線デバイスとサーバとの間で行われることが可能である。無線デバイスは、いくつかのさらなる例を挙げるだけでも、携帯電話、セルラー電話、ラップトップ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレット型コンピュータとさらに呼ばれることがある。無線デバイスは、いわゆる、マシンツーマシン(M2M)デバイスまたはマシン型通信(MTC)デバイス、すなわち、デバイスを直接的に使用する人間などの従来のユーザと必ずしも関連付けられないデバイスであることが可能である。MTCデバイスは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって規定されるようなものであることが可能である。
【0003】
無線デバイスは、別の無線デバイスまたはサーバなどの別のエンティティとRANを介して音声および/またはデータを通信できるようにされた、例えば、携帯型、ポケット格納可能型(pocket−storable)、ハンドヘルド型、コンピュータ構成型(computer−comprised)、または車載型モバイルデバイスであることが可能である。
【0004】
無線通信ネットワークは、従来、セル領域に分割される地理領域をカバーし、各セル領域は、使用される技術および専門用語に応じて、時には、例えば「eNB」、「eノードB」、「ノードB」、「Bノード」、またはBTS(ベーストランシーバ基地局)と呼ばれることがある、例えば無線基地局(RBS)といった少なくとも1つの基地局、または基地局(BS)によってサーブされる。基地局は、送信電力に基づいて、また送信電力により、例えばセルサイズにも基づいて、例えば、マクロeノードB、ホームeノードB、またはピコ基地局などの、様々なクラスのものであることが可能である。セルは、典型的には、1つまたは複数のセルアイデンティティによって識別される。基地局サイトにおける基地局は、1つまたは複数のセルおよび/またはビームと関連付けられた無線カバレッジを提供する。ビームは、下記でさらに論じられる。セルおよびビームは、したがって、地理領域とそれぞれ関連付けられることが可能であり、ここで、セルおよびビームの無線カバレッジはそれぞれ、基地局サイトにおける基地局によって提供される。セルおよび/またはビームは、いくつかのセルおよび/またはビームが同じ地理領域をカバーするように重複することができる。基地局がセルおよび/またはビームを提供またはサービングするということは、無線カバレッジが提供される地理領域に位置している1つまたは複数の無線デバイスが、前記セルおよび/またはビーム内の基地局によってサーブされ得るように、基地局が無線カバレッジを提供するということを意味する。セルおよび/またはビームの中または近くで無線デバイスがサーブされると述べられるとき、これは、セルおよび/またはビームの無線カバレッジを基地局が提供することによって、無線デバイスがサーブされるということを意味する。1つの基地局が、1つまたはいくつかのセルおよび/またはビームをサーブすることができる。さらに各基地局は、1つまたはいくつかの通信技術をサポートすることができる。基地局は、無線周波数で動作するエアインターフェース上で、基地局の圏内にある無線デバイスと通信する。
【0005】
ダウンリンクという表現は、DLと略されることがあり、無線通信ネットワーク、例えば無線通信ネットワークの基地局から、無線デバイスへの送信経路に対して使用される。アップリンクという表現は、ULと略されることがあり、逆方向、すなわち無線デバイスから無線通信ネットワーク、例えば無線通信ネットワークの基地局への送信経路に対して使用される。
【0006】
いくつかのRANにおいて、いくつかの基地局は、例えばUniversal Mobile Telecommunication System (UMTS)における無線ネットワークコントローラ(RNC)といった無線ネットワークコントローラに、および/または互いに、例えば地上通信線またはマイクロ波によって接続されることが可能である。無線ネットワークコントローラは、時には、例えばGSMにおいて基地局コントローラ(BSC)とも称され、無線ネットワークコントローラに接続された複数の基地局の様々な活動を監督すること、および協調させることができる。GSMは、Global System for Mobile Communication(本来は、Groupe Special Mobile)の省略形である。
【0007】
3GPP Long Term Evolution(LTE)において、基地局は、eノードBまたはeNBと呼ばれることがあり、他の基地局に直接的に接続されることが可能であり、1つまたは複数のコアネットワークに直接的に接続されることが可能である。
【0008】
UMTSは、GSMから進化し、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)アクセス技術に基づく改良型モバイル通信サービスを提供する、第3世代または3Gと呼ばれることがある、第3世代移動体通信システムである。UMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)は本質的に、無線デバイスに対して広帯域符号分割多元接続を使用する無線アクセスネットワークである。
【0009】
汎用パケット無線システム(GPRS:General Packet Radio Service)は、2Gセルラー通信システムのグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)における、パケット指向のモバイルデータサービスである。
【0010】
拡張GPRS(EGPRS:Enhanced GPRS)、またはIMTシングルキャリア(IMT−SC:IMT Single Carrier)、またはグローバル進化型拡張データレート(Enhanced Data rates for Global Evolution)としても知られる、GSM進化型高速データレート(EDGE)は、GSMの下位互換型延長としての改良型データ送信速度を可能にするデジタル携帯電話技術である。
【0011】
高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)は、WCDMAを利用する既存の第3世代移動体通信ネットワークの性能を拡張および改善する、3GPPによって規定された、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)という、2つのモバイル電話通信プロトコルの融合体である。このようなネットワークは、WCDMA/HSPAと名付けられることがある。
【0012】
3GPPは、UTRAN、およびGSMベースの無線アクセスネットワーク技術を、例えばLTEにおいて使用されるエボルブドUTRAN(E−UTRAN)にさらに進化させることを試みてきた。
【0013】
作業は、NeXt generation(NX)、New Radio(NR)、または第5世代(5G)と呼ばれることがある、次世代広域ネットワークを開発しながら進行中である。5G無線通信ネットワークについて検討中の設計原理は、超スリム化デザインに基礎を置くことである。これは、LTEにおける参照信号など、「常時オンの信号(always on signals)」が、できる限りネットワークにおいて回避されなければならないということを意味する。この設計原理からの期待される恩恵は、例えば、ネットワークエネルギー消費量がかなり低くなること、スケーラビリティが良くなること、上位互換性の度合いが大きくなること、システムオーバヘッド信号からの干渉が小さくなり、その結果、低負荷シナリオにおけるスループットが高くなること、および無線デバイス中心の、またはいわゆるユーザ中心の、ビーム形成(beam−forming)に対するサポートを改善することも含む。
【0014】
最新式アンテナシステム(AAS)は、技術が近年著しく進歩し、来たるべき時代における急速な技術発展も予見される領域である。総合的かつ巨大な多重入出力(MIMO)送受信における、最新式アンテナシステムは、将来の無線通信ネットワークにおいて、また5G無線通信ネットワークにおいて使用される可能性がある。
【0015】
上述のものなどのビームは、従来、典型的には位相調整可能アンテナアレイまたはフェーズドアンテナアレイを用いる、いわゆるビーム形成を使用する送信と関連付けられ、同じ基礎技法が受信に対して等しく利用可能である。ビーム形成または空間フィルタリングは、指向性信号送信および/または受信のための信号処理技法として説明されることが可能である。これは、典型的には、特定の角度の信号が建設的干渉を体感する一方で、他の信号が相殺的干渉を体感するように、フェーズドアレイと単純に呼ばれることが多いフェーズドアンテナアレイにおける素子を組み合わせることによって実現される。ビーム形成は、空間的選択性を実現するために、送信エンドと受信エンドの両方において使用されることが可能である。このことにより、指向性のおかげで、無指向性の受信/送信と比較して、改善が実現する可能性がある。例えば、送信器は、位相シフト因子および振幅因子を含む素子ごとの重み(per−element weight)を除けば、フェーズドアレイのすべての素子上で同じ信号を送信することによって送信ビーム形成(transmit beamforming)を行うことができる。同様に、送信器と同じであること、および/または送信器と同じように設定されることが可能な、フェーズドアレイを有する受信器は、素子ごとの重みを適用すること、およびさらなる処理の前に結果として生じる信号を追加することによって受信ビーム形成(receive beamforming)を行うことができる。選択性および指向性は、したがって、送信および受信において同じである可能性がある。送信に関して、これは、いくつかの方向または複数の方向において信号が強くなり、他の方向において弱くなるということを意味する。受信に関して、これは、互いに対して、いくつかの方向または複数の方向からの信号が増幅し、他の方向からの信号が減衰するということを意味する。典型的に同時というわけではないが、送信および受信に対して同じアンテナが使用されること、すなわち動作されることが可能である。
【0016】
ビームおよびビーム形成は、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおいて、ならびに両方の通信エンドにおいて、または1つの通信エンドにおいてのみ、利用されることが可能である。例えば無線通信ネットワークと通信デバイスとの間の通信に関するダウンリンクにおいて、無線通信ネットワークは、送信ビーム形成を使用することができ、および/または通信デバイスは、受信ビーム形成を使用することができる。これに対応して、無線通信ネットワークと通信デバイスとの間の通信に関するアップリンクにおいて、無線通信ネットワークは、受信ビーム形成を使用することができ、および/または通信デバイスは、送信ビーム形成を使用することができる。送信ビーム形成に対する同義の名前付けは、送信ビーム形成(transmission beamforming)または送信ビーム形成(transmitting beamforming)であることが可能であり、受信ビーム形成に対する同義の名前付けは、受信ビーム形成(reception beamforming)または受信ビーム形成(receiving beamforming)であることが可能である。従来、ビームに言及するとき、送信ビームは、すなわち送信ビーム形成によって形成および/または生成された無線ビーム、を意味する。しかし上記からわかるように、受信ビーム、すなわち受信ビーム形成と関連付けられたビーム、を指すことを同様に意味することも可能である。本明細書において、「ビーム」は、典型的には、当業者によって認識されるはずであるように、他に何も指示されない場合、送信ビームを指す。
【0017】
ネットワークノードによって提供されるビームは、典型的には、同時に(セルと比較して)1台または数台の通信デバイスと通信するため、例えばサービングのため、のものであり、具体的には、これらのデバイスとの通信のためにセットアップされることが可能である。ビームは、ビームを使用して通信する、例えばビームによってサーブされる、1台または数台の通信デバイスに望ましいカバレッジを提供するために、ビーム形成によって動的に変更されることが可能である。通信デバイスによって提供されるビームは、典型的には、無線通信ネットワーク、特に無線通信ネットワークの1台または数台の無線ネットワークノード、典型的にはビームの主なターゲットである無線ネットワークノードまたは少なくとも無線ネットワークノード、との通信のためのものである。
【0018】
送信ビームは、固定されること、および/または動的に割り当てられることが可能な、1つまたは複数の識別子および/またはアイデンティティと関連付けられることが可能である。ビームのセットもしくはグループ、すなわち、例として、例えばセル内のビームといった複数のビームのすべてに対して同じであるセルアイデンティティに対応する前記複数のビームに対して同じである識別子および/もしくはアイデンティティが存在することが可能であり、ならびに/または、例えばビームのセルもしくはグループ内の個々のビームといった、個々のビームを識別する識別子および/もしくはアイデンティティが存在することが可能である。ビーム識別子および/もしくはビームアイデンティティはビームを直接的に識別することができ、例えばビーム内で送信されることが可能であり、ならびに/または、例えばこのビームを使用して送信された受信参照信号の時間および/もしくは周波数を参照することによって、ビームを間接的に識別することができる。
【0019】
ビーム形成は、受信信号強度を増加させ、増加させることによりカバレッジを改善すること、および不必要な干渉を低減させ、低減させることにより能力を改善することの両方によって、性能を改善する。ビーム形成は、無線ネットワークノードおよび/または無線デバイスの送信器と受信器の両方において利用されることが可能である。送信器において、ビーム形成は、要するに、特定の方向、または数方向に信号を送信し、他の方向には送信しないように送信器を設定することになる可能性がある。受信器において、ビーム形成は、要するに、一定の方向、または数方向からのみ信号を受信し、他の方向からは受信しないように受信器を設定することになる可能性がある。所与の通信リンクに対して、送信器および受信器においてビーム形成が利用されるとき、ビーム対は、両エンドにおいて選択されたビームとみなされることが可能である。一般に、ビーム形成利得は、使用されるビームの幅に関係し、ここで、比較的狭いビームは、広い方のビームより多くの利得をもたらす。
【0020】
ビーム形成は、2つのユニット間、典型的には無線デバイスと基地局などの無線ネットワークノードとの間の通信に対して、どのような送信および受信ビーム、ならびに例えばビームの方向を使用すべきかを判断するために、ビーム検索、ビーム改良、および/またはビーム追跡など、ビーム管理のいくつかの形式を必要とする。ビーム検索は、未知の方向にある受信器が信号を受信できるようにするために、送信器が、いくつかのビームの中で信号をスイープすることを伴うことができる。ビーム検索は、受信器が、いくつかの受信ビームの中でスキャンすることを伴うこともでき、このことにより、当初未知であった方向からの信号を受信することができる。ビーム検索は、典型的には、どの1つまたは複数の送信ビームが、受信器への送信に最も適しているかを示すために、この受信器が、メッセージを送信器に送付することも伴う。ビーム改良および/またはビーム追跡は、使用中のビームまたはビーム対が既に選択されているときに利用される。ビーム改良は、例えば、より良い利得をもたらす、より狭いビームを発見して、選択されるビームを改善するためのものである。ビーム追跡は、例えば移動により条件が変わるときに、選択された1つまたは複数のビームを更新するためのものである。ビーム改良およびビーム追跡は、典型的には、通信のために現在使用されているビームとは異なるビームを一時的に評価して、このビームが、現在のビームよりも良いとみなされる場合、このビームにスイッチすることによって行われる。
【0021】
ビーム検索は、送信器サイドと受信器サイトの両方において、検索すべき多くのビームが存在する場合、かなり時間が掛かる可能性があり、この間、通信は、典型的には可能ではない。ビーム改良およびビーム追跡は、通常、進行中の通信に対する妨害をほとんど引き起こさないか、全く引き起こさない進行中の活動である。
【0022】
ネットワークは、典型的には、上述のように、例えばいくつかの送信ビームの中でスイープすることによって、ビーム管理をサポートするための周期的または継続的な参照信号を送信することになる。このような送信は、ここでは、ビーム参照信号(BRS:Beam Reference Signal)または単純にRSと呼ばれる。無線デバイスは、ネットワークがBRSを周期的または継続的に送信していると仮定することができるので、ネットワークからの明示的な関与がほとんどないか、全くない無線デバイスによって、ビーム管理のいくつかの態様が次に行われることが可能である。例えば無線デバイスは、典型的には、適切なネットワークビームおよび無線デバイスビームの選択をもたらすシステム取得手順の一部としてビーム検索を行う。次に、端末は、一定の時間および/または周波数と関連付けられた送信リソースを使用する、端末の選択された無線デバイスビームを使用してランダムアクセス送信を行い、ここで、選択されたネットワークビームを使用して、ネットワークがランダムアクセス送信を受信できるということが期待される。無線デバイスは、典型的には、新しい通信経路を検索するため、および現在使用されているビームの改良および追跡を行うために、通信が進行中であるときでさえBRSを受信し続ける。
【0023】
多くの無線通信ネットワークは、いくつかの種類の無線リンク監督(radio−link supervision)を含み、ここで、通信品質が定期的にチェックされ、品質が受入れ不能な場合、または通信が失われている場合、いくつかのアクションが行われる。無線リンク監督は、例えば無線デバイスまたはネットワークノードといった受信器が、同期信号または参照信号の存在および/または品質をチェックすることを伴うことが多い。無線リンク監督は、再送信プロトコルにおける再送信の数を監視すること、および以前に送信されたリクエストメッセージに対するレスポンスを受信するための時間を監視することを伴うことも可能である。これらのチェックのいずれかが深刻な問題を示す場合、例えば無線デバイスまたはネットワークノードといった受信器は、無線リンク故障を宣言し、いくつかのアクションを開始することが多い。ネットワークノードが無線デバイスとの通信を失った場合、アクションは、この無線デバイスに関するいくつかまたはすべてのネットワークリソースを開放することを伴うことが可能である。無線デバイスがネットワークとの通信を失った場合、アクションは、ネットワークからの同期信号および参照信号を検索することを伴うことが可能であり、このような信号が発見された場合、ネットワークにアクセスすることを再び試みる。ビーム形成システムの場合、このようなアクションは、典型的には、ビーム検索を伴う。
【発明の概要】
【0024】
本明細書において示される1つまたは複数の問題を緩和または少なくとも低減させることが目的である。
【0025】
したがって、目的は、無線通信ネットワーク内のデバイスに関するビーム操作またはビーム管理に対して1つまたは複数の改善をもたらすためのものであることが可能である。
【0026】
本明細書における実施形態の1つの態様によれば、目的は、無線通信ネットワークにおける通信能力を再確立するための手順を開始するための、無線デバイスによって行われる方法によって実現される。無線デバイスおよび無線ネットワークノードは、無線通信ネットワーク内で動作する。
【0027】
無線デバイスは、無線デバイスに固有の第1の信号を無線ネットワークノードから受信する。
【0028】
第1の信号の最後の受領から一定時間が経過したことに応答して、無線デバイスは、ビーム対を使用して、無線デバイスと無線ネットワークノードとの間の通信能力を再確立するための手順を開始する。
【0029】
本明細書における実施形態の別の態様によれば、目的は、無線通信ネットワークにおける通信能力を再確立するための手順を開始するために、無線デバイスによって実現される。無線デバイスおよび無線ネットワークノードは、無線通信ネットワーク内で動作するように設定される。
【0030】
無線デバイスは、無線デバイスに固有の第1の信号を無線ネットワークノードから受信するように設定される。
【0031】
無線デバイスは、ビーム対を使用して、無線デバイスと無線ネットワークノードとの間の通信能力を再確立するための手順を開始するように設定される。無線デバイスは、第1の信号の最後の受領から一定時間が経過したことに応答して、開始するように設定される。
【0032】
本明細書における実施形態の別の態様によれば、目的は、無線通信ネットワークにおける通信能力を再確立するための手順を開始するための、無線ネットワークノードによって行われる方法によって実現される。無線ネットワークノードおよび無線デバイスは、無線通信ネットワーク内で動作する。
【0033】
無線ネットワークノードは、第1の信号の最後の送信から一定時間が経過する前に、第1の信号を無線デバイスに送付し、第1の信号は、無線デバイスに固有のものである。
【0034】
本明細書における実施形態の別の態様によれば、目的は、無線通信ネットワークにおける通信能力を再確立するための手順を開始するために、無線ネットワークノードによって実現される。無線ネットワークノードおよび無線デバイスは、無線通信ネットワーク内で動作するように設定される。
【0035】
無線ネットワークノードは、第1の信号の最後の送信から一定時間が経過する前に、第1の信号を無線デバイスに送付するように設定され、第1の信号は、無線デバイスに固有のものである。
【0036】
本明細書における実施形態の別の態様によれば、目的は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、無線デバイスによって行われる方法を少なくとも1つのプロセッサに行わせる命令を有するコンピュータプログラムによって実現される。
【0037】
本明細書における実施形態の別の態様によれば、目的は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、無線ネットワークノードによって行われる方法を少なくとも1つのプロセッサに行わせる命令を有するコンピュータプログラムによって実現される。
【0038】
本明細書における実施形態の別の態様によれば、目的は、コンピュータプログラムを有する担体によって実現され、担体は、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読ストレージ媒体のうちの1つである。
【0039】
ビーム対を使用して、無線デバイスと無線ネットワークノードとの間の通信能力を再確立するための手順を無線デバイスが開始して以来、第1の信号の最後の受領から一定時間が経過したときに、無線デバイスは、不要なオーバヘッドのない必要なビーム管理手順をトリガしている。これは、無線通信ネットワークにおける改善された性能をもたらす。
【0040】
本明細書において開示された実施形態の長所は、ビーム追跡失敗が迅速に検出されること、およびビーム追跡が回復されることを可能にするビーム追跡監督を、これらの実施形態が可能にするというものである。
【0041】
本明細書において開示された実施形態のさらなる長所は、動的にセットされることが可能な一定時間の使用が、ビーム追跡監督を、不要なオーバヘッドなく行い、現在のビーム局面に適応することを可能にするというものである。
【0042】
特定の特徴およびこれらの長所を含む、本明細書において開示された実施形態の様々な態様は、図1図8が示された以下の詳細な説明および添付の図面から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】無線通信ネットワークの実施形態を概略的に示す図である。
図2】無線通信ネットワークの実施形態の概略的に組み合わされた流れ図および信号方式の図である。
図3】無線デバイスによって行われる方法の実施形態を描写する流れ図である。
図4】無線デバイスの実施形態を示す概略ブロック図である。
図5】ネットワークノードの実施形態を示す概略ブロック図である。
図6】コンピュータ可読媒体の実施形態を示す概略図である。
図7】無線デバイスによって行われる方法の実施形態を描写する流れ図である。
図8】無線ネットワークノードによって行われる方法の実施形態を描写する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の説明の全体を通して、適用可能なとき、類似の要素、ユニット、モジュール、回路、ノード、部品、アイテム、または特徴を表すために、類似の参照数字が使用されることがある。図において、任意選択であり、したがっていくつかの実施形態においてのみ現れる特徴は、典型的には、破線で示される。
【0045】
以下において、本明細書における実施形態は、例示的な実施形態によって示される。これらの実施形態は相互に排他的なものではないということに留意されたい。1つの実施形態からの構成要素は、別の実施形態にあるものとして暗黙のうちに仮定されることがあり、他の例示的な実施形態において、これらの構成要素がどのように使用され得るかは当業者には明らかであろう。
【0046】
本明細書における実施形態に向けた展開の一部として、背景技術において示された問題が最初にさらに論じられる。
【0047】
背景技術において述べたような無線リンク監督のための従来の方法は、背景技術において説明されたような、ビーム形成およびビーム管理によって発生する可能性がある問題を検出することができないか、少なくとも非常に適切ではない。例えば無線デバイスは、固有のビームに対する、基地局などの無線通信ネットワークによって送信される同期信号または参照信号を良い品質で受信することができる可能性があるが、同時に、データまたは制御信号をこの無線デバイスに送信しようとするとき、基地局などの無線通信ネットワークが別のビームを使用しているので、通信が不可能である可能性がある。
【0048】
図1は、本明細書における実施形態に関連し、本明細書における実施形態が実装され得る無線通信ネットワーク100の例を概略的に描写する概略ブロック図である。無線通信ネットワーク100は、無線アクセスネットワーク(RAN)101部分およびコアネットワーク(CN)102部分を含むことができる。無線通信ネットワーク100は、典型的には、例えば5Gと呼ばれることもあるNew Radio(NR)といった、少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)をサポートするセルラー通信ネットワークなどのテレコミュニケーションネットワークまたはシステムである。
【0049】
無線通信ネットワーク100は、通信的に相互接続されるネットワークノードを含む。ネットワークノードは、論理的および/または物理的なものであることが可能であり、1つまたは複数の物理デバイス内に位置している。無線通信ネットワーク100は、例えば、無線ネットワークノードの例である第1のネットワークノード110および第2のネットワークノード111といった、1つまたは複数のネットワークノードを含む。無線ネットワークノードは、RAN101などのRANに典型的に含まれるネットワークノードであり、および/または無線ネットワークノードは、基地局などの無線送信ネットワークノードであるか、無線送信ネットワークノードを備え、および/または無線ネットワークノードは、1つもしくは複数の無線送信ネットワークノードを制御する制御ノードであるか、制御ノードを備える。
【0050】
無線通信ネットワーク100、または具体的には、例えば第1のネットワークノード110および第2のネットワークノード111といった、無線通信ネットワーク100の1つまたは複数のネットワークノードは、1つまたは複数の通信デバイスとの通信のために、例えば第1のネットワークノード110および/または第2のネットワークノード111といった無線通信ネットワーク100によって提供される、例えばダウンリンクビーム115aおよび/もしくはダウンリンクビーム115b、ならびに/またはダウンリンクビーム116といった、1つまたは複数のビームを使用して、無線デバイス120などの前記1つもしくは複数の通信デバイスをサーブすること、および/または制御すること、および/または管理すること、および/または前記1つもしくは複数の通信デバイスと通信すること、を行うように設定されることが可能である。前記1つまたは複数の通信デバイスは、アップリンクビームをそれぞれ提供することができ、例えば通信デバイス120は、無線通信ネットワーク100との通信のためにアップリンクビーム117を提供することができる。
【0051】
各ビームは、特定の無線アクセス技術(RAT)と関連付けられることが可能である。当業者に認識されるはずであるように、ビームは、典型的に無指向性であり、および/またはより静的な無線カバレッジを提供する従来のセルと比較して、より動的で、比較的狭く、指向性の無線カバレッジと関連付けられる。ビームは、典型的には、ビーム形成によって形成および/または生成され、例えばどの方向に受け手が位置しているかに基づいて、受け手のより多くの特性のうちの1つなど、ビームの1つまたは複数の受け手に基づいて、形成され、および/または動的に適応される。例えば、ダウンリンクビーム115aは、通信デバイス120がどこに位置しているかに基づいて提供されることが可能であり、アップリンクビーム117は、第1のネットワークノード110がどこに位置しているかに基づいて提供されることが可能である。背景技術において述べたように、ビームおよびビーム形成の提供は、典型的には、ビーム検索、ビーム改良、およびビーム追跡などのビーム管理および関連手順も伴う。前記ビームおよびビーム形成は、さらに、本明細書における他の場所で説明されるようなものであることが可能である。
【0052】
さらに無線通信ネットワーク100は、例えば中心ノード130といった1つまたは複数の中心ノード、すなわち、共通または中心であり、例えば複数の無線ネットワークノードといった複数の他のノードに通信的に接続され、これらのノードを管理および/または制御するためのものであることが可能な、1つまたは複数のネットワークノードを含むことができる。中心ノードは、例えば、コアネットワークノード、すなわちCN102のネットワークノード部分であることが可能である。
【0053】
例えばCN102といった無線通信ネットワークは、例えばインターネットといった外部ネットワーク200にさらに通信的に接続され、このことにより、例えば、外部ネットワーク200へのアクセスを前記通信デバイスに提供することが可能である。通信デバイス120は、したがって、外部ネットワーク200と、正確に言えば、例えば他の無線通信ネットワークに接続された、また外部ネットワーク200へのアクセスによって接続された、サーバおよび/または他の通信デバイスといった、1つまたは複数の他のデバイスと、無線通信ネットワーク100を介して通信することができる。
【0054】
さらに、無線通信ネットワーク100および無線通信ネットワーク100のノードとの通信のための、例えば外部ノード201といった、1つまたは複数の外部ノードが存在することが可能である。外部ノード201は、例えば外部管理ノードであることが可能である。このような外部ノードは、外部ネットワーク200に含まれることが可能であり、また外部ネットワーク200とは別のものであることが可能である。
【0055】
さらに、1つまたは複数の外部ノードは、通信インターフェースを介してクラウドの外部に一定のサービスを提供するための、図に示されるようなコンピュータクラウド202などの、サーバもしくはコンピュータのクラウドシステムと呼ばれること、またはクラウドと単純に名付けられること、が可能な、いわゆるコンピュータクラウドまたはコンピューティングクラウドに対応するか、含まれることが可能である。前記サービスを提供するためのクラウドに含まれるノード等の正確な設定は、クラウドの外部には知られていない可能性がある。「クラウド」という名前は、サービスを提供する実際のデバイスまたはネットワーク要素が、典型的には、クラウドによってあいまいにされる場合など、提供されるサービスのユーザには不可視であることに対するメタファとして説明されることが多い。コンピュータクラウド202は、いつものように正確に言えば、コンピュータクラウド202の1つまたは複数のノードは、無線通信ネットワーク100または無線通信ネットワーク100の一定のノードに通信的に接続されることが可能であり、例えば、無線通信ネットワーク100の一定の機能または機能性を提供すること、または容易にすることができる1つまたは複数のサービスを提供していることが可能であり、例えば、本明細書における実施形態による1つまたは複数のアクションを行うことに関わることが可能である。コンピュータクラウド202は、外部ネットワーク200に含まれることが可能であり、また外部ネットワーク200とは別のものであることが可能である。
【0056】
当業者にははっきりわかるはずであるように、図1は概略的なものにすぎず、例示のためのものであるということ、および図に示されたすべてのものが、本明細書におけるすべての実施形態に必要とされる可能性があるわけではないということに注目が集まる。同様に、実際には無線通信ネットワーク100に対応する1つまたは複数の無線通信ネットワークは、典型的には、当業者によって理解されるように、例えば基地局、無線ネットワークノード、さらなるビーム、および/またはセル等といった、コアネットワークノードなどのいくつかのさらなるネットワークノードを含むが、これらは、簡素化のために本明細書では図示されていない。
【0057】
例えば図1図2図3図4、および図7に関連したデバイスの実施形態が例示される。
【0058】
例えば図1図2図5、および図8に関連した無線通信ネットワークおよびネットワークノードの実施形態が例示される。
【0059】
示されたアクションは、任意の適切な順序で行われること、および/または示されたアクションが可能かつ適切なときに完全または部分的に重複して行われることが可能であるということに留意されたい。点線は、すべての実施形態に存在しているわけではない特徴を示そうとするものである。
【0060】
下記のアクションのいずれかは、適切なとき、アクションを行うための下記に示されたもの以外の、デバイスおよび/もしくはシステムなどの、例えば外部の1つもしくは複数のエンティティといった、別の1つもしくは複数のエンティティを完全もしくは部分的に伴うこと、ならびに/または別の1つまたは複数のエンティティによって開始されること、および/もしくはトリガされることが可能である。このような開始は、例えばデバイスおよび/もしくは無線通信ネットワークからのリクエストに応答して、ならびに/または前記別の1つもしくは複数のエンティティにおいて実行するプログラムコードから生じるいくつかのイベントに応答して、前記別のエンティティによって例えばトリガされることが可能である。前記別の1つもしくは複数のエンティティは、いわゆるコンピュータクラウド、もしくは単純にクラウドに対応すること、もしくは含まれることが可能であり、ならびに/または前記別の1つもしくは複数のエンティティとの通信は、1つもしくは複数のクラウドサービスを用いて行われることが可能である。
【0061】
図2は、本明細書におけるいくつかの実施形態を概略的に示すための、組み合わされたシグナリング図および流れ図である。
【0062】
本明細書における実施形態は、例えば以下を含む。
【0063】
例えば無線デバイス120といったデバイス400によって行われる第1の方法。方法は、例えば無線通信ネットワーク100といった無線通信ネットワーク内のデバイスに関するビーム操作またはビーム管理、すなわち、無線デバイス120が、無線通信ネットワーク100内で動作可能なとき、および/または無線通信ネットワーク100によって、例えば無線ネットワークノード110などのネットワークノード500によって、サーブされるときのビーム操作またはビーム管理、をサポートするためのものであることが可能である。方法は、一方で、下記で説明されるものなどの、ビーム管理手順をトリガするため、スタートするため、または開始するための方法として説明されることが可能である。
【0064】
第1の方法は、以下のアクションの1つまたは複数を含む。
【0065】
例えばトリガ信号などの第1の信号を、例えば無線ネットワークノード110といった無線通信ネットワーク100のネットワークノードからなど、無線通信ネットワーク100から受信すること204。例えば、特にデバイス120、400による受領のために送付された、ならびに/またはデバイス120、400に固有の、および/もしくはデバイス120、400によって監視される、第1の信号が特にターゲットにされる。
【0066】
いくつかの実施形態において、第1の信号は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で受信されることが可能な、ダウンリンク割当メッセージまたはアップリンクグラントメッセージなどの、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)メッセージを含むか、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージであるか、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージに対応する。ダウンリンク割当メッセージは、デバイス120、400が受信しようと試みるはずの、ダウンリンクデータ送信を示すメッセージとして説明されることが可能である。アップリンクグラントメッセージは、デバイスがアップリンクデータ送信を行うはずであることを示すメッセージとして説明されることが可能である。
【0067】
上記の実施形態と組み合わされることが可能ないくつかの実施形態において、第1の信号は、存在する参照信号、ならびに/または、例えば無線通信ネットワークによって事前に決定されること、および/もしくは知られていることが可能な一定の周期性で、定期的にデバイスによって監視される参照信号、であるべき、典型的にはビーム形成されたRSといった参照信号(RS)を含むか、参照信号(RS)であるか、参照信号(RS)に対応する。例えばネットワークノード110、500といった無線通信ネットワーク100は、例えばデバイスに対する周期性を設定することによって、いつデバイス120、400がRSを監視するかを設定することができる。デバイスは、したがって、一定のサブフレームにおいて、および/または周期性に従って、など、定期的にデバイスに利用可能なものとしてRSを知ることができ、予想および/または仮定することができる。RSは、この時に、例えば同じサブフレーム内に、デバイスがDCIを検出するか否かには依存せずに利用可能であることが可能である。
【0068】
デバイス400および/または処理モジュール401および/または処理回路404および/またはI/Oモジュール405および/または受信モジュール407は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0069】
受信すること204は、下記で説明されることになるアクション702に関係する。
【0070】
前記第1の信号の、先の、好ましくは、最後の受領から一定時間が過ぎるか経過したことに応答して、例えばビーム追跡回復手順といったビーム管理手順を開始すること214。
【0071】
手順は、例えば1つまたは複数のビーム、典型的には、選択されたビーム、または選択されたビーム対を使用して、デバイス120、400と、無線通信ネットワーク100との間の通信能力を回復または再確立するための手順として説明されることが可能であり、ここで、前記1つまたは複数のビームは、例えばアップリンク通信のために、デバイス120、400によって形成または生成されたビームであることが可能であり、1つまたは複数のビームは、例えばダウンリンク通信のために、無線通信ネットワークによって形成または生成されることが可能である。前記1つまたは複数のビームは、デバイスと無線通信ネットワークとの間の通信のために既に使用中のビームであることが可能であり、またこのような通信にまだ含まれていないビームなど、この通信のための新しいビーム、ならびに/またはデバイスおよび/もしくは無線通信ネットワークに完全にもしくは部分的に知られていない可能性のある新しいビームであることが可能である。新しいビームである後者のケースにおいて、手順は、典型的には、ビーム検索に対応することが可能な、最初に新しいビームを発見すること、および/または選択することを含む。両方のケースにおいて、手順はその後、典型的には、ランダムアクセス送信を用いるなどして、デバイスが、前記1つまたは複数のビームを使用して、無線通信ネットワークにアクセスすることを含む。
【0072】
前記第1の信号の先の受領から時間が過ぎるか経過したことに加えて、手順の開始は、例えば第1の信号を送信するチャネルといった、第1の信号と関連付けられた通信チャネルの、例えば品質測定および/または品質評価といった、品質に応答するものであることが可能である。第1の信号がRSを含むとき、品質は、都合のよいことに、例えば、RSのために、および/またはRSに対して計測されたRSに関連している。手順の開始は、好ましくは、例えば無線通信ネットワークによって完全にまたは部分的に事前決定されること、および/または設定されることが可能な尺度に従って、品質が不十分であると考えられるときに行われる。例えば、品質は、閾値、典型的には、例えばブロードキャストシグナリングなど、専用または一般的なシグナリングによって、無線通信ネットワークによって固定されること、または設定可能であることが可能な閾値と比較されることが可能である。品質は、例えばRSの複数の受領に対する一定の周期の中、および/または複数のRS受領間隔もしくは周期の中で平均されることが可能であり、このことにより例えば閾値と比較される尺度とともに使用されることが可能な、例えば平均品質測定値といった平均品質を生じる。
【0073】
上述のビーム検索は、以下のうちの1つまたは複数を伴うことができる。
【0074】
いくつかのビームの中で第2の信号をスイープすることなど、デバイスが第2の信号を送信することであり、このことにより、まだ知られていない方向にある可能性のある無線通信ネットワークの1つまたは複数のネットワークノードなどの無線通信ネットワークが、第2の信号を受信すること、ならびにデバイスおよび/またはデバイスからの送信ビームについての知識を得ることを可能にする。
【0075】
デバイスにとって当初、完全にまたは部分的に未知の、および/または未知の方向にある、1つまたは複数の第3の信号を、例えば、無線通信ネットワークによって送信された、いくつかのビームを通じて、またはいくつかのビームの中でデバイスがスキャンしたことによる結果として、無線通信ネットワークからデバイスが受信することであり、このことにより、受信ビームについての知識をデバイスが得ることを可能にする。
【0076】
デバイス400および/または処理モジュール401および/または処理回路404および/または開始モジュール410は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0077】
開始すること214は、下記で説明されることになるアクション707に関係する。
【0078】
いくつかの実施形態において、第1の方法は、以下のアクションの1つまたは複数をさらに含む。
【0079】
時間値を入手すること203。時間値は、例えば、典型的には、カウントがゼロに達するまで、時間が過ぎるとともに、時間とともに線形的に低減されることによって、時間が過ぎるか経過するとともにカウントダウンするためのタイマー値、またはゼロからタイマー値に達するまでなど、時間が過ぎるとともにカウントアップされることになるタイマー値であることが可能である。別の可能性は、これは実践においてあまり重要性のあるものではない可能性があるが、このような協定世界時(UTC)または類似のものである、一定の時間計測基準による時点に対応する時間値である。
【0080】
時間値は、都合のよいことに、無線通信ネットワークによって送付され、したがって無線通信ネットワークから受信され、ならびに/または、事前に決定されること、および/もしくは事前に規定されることが可能である。時間値は、例えば規格の中で規定されることが可能である。時間値は、例えば、RRC層において、またはMAC制御要素によって、無線通信ネットワークから信号を送られる。
【0081】
デバイス400および/または処理モジュール401および/または処理回路404および/またはI/Oモジュール405および/または入手モジュール406は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0082】
入手すること203は、下記で説明されることになるアクション701に関係する。
【0083】
前記第1の信号の前記最後の受領からの時間を計測すること205、210。
【0084】
デバイス400および/または処理モジュール401および/または処理回路404および/または計測モジュール408は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0085】
計測すること205、210は、下記で説明されることになるアクション703およびアクション705に関係する。
【0086】
例えば、時間が過ぎるとともに時間値をカウントアップするかカウントダウンすることに基づいて、および/または計測時間と時間値の比較に基づいて、など、前記入手された時間値および計測時間に基づいて、前記一定時間が過ぎたか否かを判断すること212。
【0087】
デバイス400および/または処理モジュール401および/または処理回路404および/または判断モジュール409は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0088】
判断すること212は、下記で説明されることになるアクション706に関係する。
【0089】
上記において、第1の信号は、したがって、計測するためのトリガ信号として作用するものとみなされることが可能であり、入手された時間値は、計測するためのターゲットに対応するものとみなされることが可能である。上記のように時間値を入手することは、タイマーをセットすることに対応するものとみなされることが可能であり、上記のように時間を計測することは、タイマーを動作させること、または動かすこととみなされることが可能である。タイマーは、本明細書における他の場所において、ビーム追跡ウォッチドッグタイマー、または単純にウォッチドッグタイマーと呼ばれることが可能である。前記一定時間は、タイマー値であることが可能な時間値に対応することが可能である。タイマーの満了前など、前記一定時間が過ぎ、手順が開始されることになるということが判断される前に、第1の信号が受信されるか、受信され、十分な品質であるとき、時間の計測が再スタートされるはずであり、例えばタイマーが再スタートされるはずである。
【0090】
いくつかの実施形態において、手順の開始は、さらに、デバイスに対するネットワーク送受信ポイント(TRP:Network Transmission and Reception Point)を無線通信ネットワークがスイッチしようとしていることをデバイスによって検出することに応答するものである。デバイスは、時間の計測を行うことによってこの検出を行うこと、および/またはこのような検出に応答して、前記一定時間が過ぎたか否かを判断することができる。言い換えると、いくつかの実施形態において、手順の開始は、前記検出に応答して可能にされるだけであり、ならびに/または前記タイマーの場合、タイマーは、前記検出に応答して有効にされ、および/もしくは使用されるだけである。
【0091】
いくつかの実施形態において、第1の方法は、以下のアクションの1つまたは複数をさらに含む。
【0092】
更新時間値などの時間値に関する、例えば更新された、情報をさらに入手すること209。いくつかの実施形態において、更新情報は、無線通信ネットワークから受信されることによって入手される。いくつかの実施形態において、更新情報は、デバイスによって選択および/または形成および/または生成されることによって入手される。
【0093】
デバイス400および/または処理モジュール401および/または処理回路404および/またはI/Oモジュール405および/または入手モジュール406は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0094】
入手すること209は、下記で説明されることになるアクション704に関係する。
【0095】
時間値に関する受信されたさらなる情報に基づいて、前記一定時間が過ぎたか否かを判断すること212。例えば、タイマーは再スタートされることが可能であり、および/または、例えば受信されたさらなる情報に基づいて、新しいタイマー値を利用すること、例えば使用することが可能である。
【0096】
デバイス400および/または処理モジュール401および/または処理回路404および/または判断モジュール409は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0097】
さらなる情報は、すぐに、または前記第1の信号の次の受領時に、例えば次の受領に応答して、使用されることなど、利用されることが可能である。いくつかの実施形態において、さらなる情報の受領は、以前に入手された時間値とは異なる値、または以前に入手された更新時間値とは異なる値であり、以前に入手された値を置き替えることができる更新時間値の受領である。
【0098】
いくつかの実施形態において、さらなる情報の受領が時間計測を再スタートさせる。
【0099】
例えばさらなる情報がすぐに利用され、さらなる情報の受領が時間計測を再スタートさせるいくつかの実施形態において、さらなる情報は、以前に入手された時間値と同じ値である更新時間値であることが可能であるが、更新時間値は、それでもなお、更新時間値が、例えば時間計測を再スタートさせ、このことにより、ビーム管理手順が次に開始されることが可能になる前の時間を増加させるので、有用である可能性があるということに留意されたい。
【0100】
判断すること212は、下記で説明されることになるアクション706に関係する。
【0101】
いくつかの実施形態において、デバイス120、400は、例えば時間計測を停止すること、ならびに/またはデバイスが前記時間計測を行うのを停止し、および/もしくは望ましい期間、開始を妨げることになる、一定のさらなる情報を選択および/もしくは形成および/もしくは生成することによって、前記望ましい期間、ビーム管理手順を開始するのを抑制する。デバイス120、400は、例えばこの目的のために、閾値に対するスケジュールされたトラフィック、および閾値が事前に決定されることが可能なトラフィックがほとんどないときといった、デバイスに関する予想トラフィックがほとんどないか全くないとき、この抑制を行うことができる。
【0102】
いくつかの実施形態において、時間値および/または更新時間値は、デバイス120、400に対するネットワーク送受信ポイント(TRP)ポイントを、無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしていること、および例えばスイッチすることになることを、デバイス120、400によって検出することに基づき、および/または検出することに基づいて、例えば応答して送付される。この場合には、すなわち、このことに応答して、デバイスは、前記ビーム管理手順が開始されるか、開始されることが可能になるまでの短縮時間を生じる更新時間値を、例えば選択および/または形成および/または生成することができる。
【0103】
例えば無線ネットワークノード110といった、無線通信ネットワークの1つまたは複数のネットワークノード500によって行われるなど、無線通信ネットワーク、例えば無線通信ネットワーク100によって行われる第2の方法。したがって、無線通信ネットワーク100を参照しながら下記で説明されるアクションは、ネットワークノード500、例えば無線ネットワークノード110、によって行われることが可能であるということを理解されたい。方法は、無線通信ネットワーク100内のデバイス400、例えば無線デバイス120に関するビーム操作またはビーム管理、すなわち、無線デバイス120が、無線通信ネットワーク100内で動作可能であるとき、および/または無線通信ネットワーク100によってサーブされるときのビーム操作またはビーム管理をサポートするためのものであることが可能である。方法は一方で、上述のものなどの、ビーム管理手順をトリガするため、スタートするため、または開始するための方法として説明されることが可能である。
【0104】
第2の方法は、以下のアクションの1つまたは複数を含む。
【0105】
時間値を入手すること201。時間値は、第1の方法に対して上述されたようなものであることが可能である。時間値は、無線通信ネットワークにおいて内部で入手されること、または外部ソースから受信されることが可能である。無線通信ネットワークは、例えば時間値を選択および/または形成および/または生成することができる。時間値は、事前に決められることが可能である。
【0106】
ネットワークノード500および/または処理モジュール501および/または処理回路504および/またはI/Oモジュール505および/または入手モジュール506は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0107】
入手すること201は、下記で説明されることになるアクション801に関係する。
【0108】
無線デバイス120、400に時間値を送付すること202。時間値は、第1の方法に対して上述されたように送付されることが可能である。
【0109】
ネットワークノード500および/または処理モジュール501および/または処理回路504および/またはI/Oモジュール505および/または送付モジュール507は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0110】
送付すること202は、下記で説明されることになるアクション802に関係する。
【0111】
デバイス120、400に第1の信号を送付すること204。第1の信号は、第1の方法に対して上述されたようなものであることが可能であり、第1の方法に対して上述されたように送付されることが可能であり、すなわち、例えば、DCIメッセージおよび/またはRSであることが可能である。第1の信号は、したがって、定期的に(再)送付されること等が可能である。
【0112】
さらに、いくつかの実施形態において、無線通信ネットワーク100は、無線通信ネットワーク100が、まだ第1の信号を再び送付していない、例えば第1の信号をまだ再送付していない、というだけで、例えばタイマーが満了しないようにするなど、前記一定時間が過ぎたとデバイス120、400が判断しないように、第1の信号を送付する。これは、例えば、前回、すなわち最後に、第1の信号が送付されてから、前記一定時間が過ぎるか経過する前に、必要なら、無線通信ネットワーク100が、第1の信号を再送付することによって行われることが可能である。第1の信号は、このような場合、判断しないようにすること以外の任意の目的で送付される必要はなくてよく、したがって、例えば、デバイスのタイマーを再スタートさせるためにだけ、送付されることが可能である。例えば、第1の信号がDCIメッセージであるとき、無線通信ネットワーク100は、送付を行うようにデバイスをスケジュールすることができるが、スケジュールは、したがって、ダミースケジューリング、例えばダミーグラントであることが可能である。
【0113】
したがって、無線通信ネットワーク100は、無線通信ネットワーク100がデバイス120、400に第1の信号を送付した最後の時間からの計測時間に基づいて、デバイス120、400に第1の信号を再び送付することができ、その結果、第1の信号は、一定時間が過ぎる前に再び送付、すなわち再送付される。一定時間は、第1の方法に対して上述されたようなものであることが可能である。無線通信ネットワーク100は、したがって、前記一定時間がいつ生じるかを判断すること、ならびに、前記一定時間が生じることにより、例えば、時間が過ぎるとともに時間値をカウントアップするかカウントダウンすることに基づいて、および/または計測時間と時間値の比較に基づいて、など、入手された時間値および計測時間に基づいて、前記一定時間が生じることが起こる前の適切な時点を判断することができる。
【0114】
ネットワークノード500および/または処理モジュール501および/または処理回路504および/またはI/Oモジュール505および/または送付モジュール507は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0115】
送付すること202は、下記で説明されることになるアクション802に関係する。
【0116】
更新時間値などの時間値に関するさらなる情報、例えば更新情報を入手すること207。さらなる情報は、第1の方法に対して上述されたようなものであることが可能である。さらなる情報は、無線通信ネットワーク100において内部で入手されること、または外部ソースから受信されることが可能である。無線通信ネットワーク100は、さらなる情報を、例えば選択および/または形成および/または生成することができる。さらなる情報は、事前に決められることが可能である。
【0117】
ネットワークノード500および/または処理モジュール501および/または処理回路504および/またはI/Oモジュール505および/または入手モジュール506は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0118】
入手すること206は、下記で説明されることになるアクション805に関係する。
【0119】
時間値に関する入手されたさらなる情報をデバイス120、400に送付すること208。
【0120】
いくつかの実施形態において、無線通信ネットワーク100は、無線通信ネットワーク100が第1の信号を再び送付していない、すなわち第1の信号を再送付していない、というだけで、例えばタイマーが満了しないようにするなど、前記一定時間が過ぎたとデバイス120、400が判断しないように、無線通信デバイス120、400における時間計測を再スタートさせるため、および/または別の時間値で使用中の時間値を置き替えるために、前記更新時間値であることが可能なさらなる情報、例えば更新情報を送付する。これを行う理由は、したがって、第1の信号を再び送付することに関して上述されたものと同じ理由であることが可能である。さらなる情報は、したがって、無線通信ネットワーク100がデバイス120、400に第1の信号を送付した最後の時間からの計測時間に基づいて送付されることも可能である。無線通信ネットワーク100は、したがって、この場合、前記一定時間がいつ生じるかを判断すること、ならびに、前記一定時間が生じることにより、時間が過ぎるとともに時間値をカウントアップするかカウントダウンすることに基づいて、および/または計測時間と時間値の比較に基づいて、など、入手された時間値および計測時間に基づいて、前記一定時間が生じることが起こる前の適切な時点を選択および/または発見できることも可能である。
【0121】
ネットワークノード500および/または処理モジュール501および/または処理回路504および/またはI/Oモジュール505および/または送付モジュール507は、このアクションを行うように動作可能であること、または設定されることが可能である。
【0122】
送付すること208は、下記で説明されることになるアクション806に関係する。
【0123】
いくつかの実施形態において、時間値および/または更新時間値は、デバイス102、400に関する予想トラフィック、すなわち、ダウンリンクおよび/またはアップリンクにおける予想トラフィックに基づき、および/または基づいて送付される。無線通信ネットワーク100は、予想トラフィックに基づいて、時間値および/または更新時間値を、例えば形成または選択し、その後、時間値および/または更新時間値をデバイスに送付することができる。予想トラフィックを判断することは、例えば、デバイス120、400との間のアップリンク送信および/またはダウンリンク送信のための、スケジュールされたデータおよび/またはバッファされたデータに基づくことが可能である。例えば、バッファされたデータの量が、事前に決められることが可能な一定値または閾値を上回る場合、例えば既に使用中のタイマー値に関連して減少する更新タイマー値といった、前記ビーム管理手順が開始されるか、開始されることが可能になるまでの短縮時間を生じる更新時間値は、デバイス120、400に送付されることが可能である。別の例において、前記ビーム管理手順が開始されるか、開始されることが可能になるまでの短縮時間を生じる更新時間値は、予想トラフィックが低減もしくは減少することに応答するなど、低減もしくは減少するとき、および/またはデバイスがあまり頻繁にスケジュールされていないときに、デバイス120、400に送付されることが可能である。これに対応して、前記ビーム管理手順が開始されるか、開始されることが可能になるまでの時間が長くなる更新時間値は、予想トラフィックが増加することに応答するなど、増加するとき、および/またはデバイスがさらに頻繁にスケジュールされるときに送付されることが可能である。例えば増加または減少といった時間値の変化の度合い、および時間値の変化が予想トラフィックの変化にどの程度関係するかは、事前に決められることが可能な一定尺度に従うことが可能である。
【0124】
いくつかの実施形態において、無線通信ネットワーク100は、例えば、デバイス120、400が前記時間計測を行うのを停止する一定の更新情報を送付することによって、および/または前記望ましい期間、開始を妨げることになる時間値を送付することによって、少なくとも望ましい期間、デバイス120、400によってビーム管理手順が開始されることになるか、不可能になるように、デバイスを制御することができる。無線通信ネットワーク100は、例えばこの目的のために、閾値に対するトラフィック、および閾値が事前に決められることが可能なトラフィックがほとんどないときといった、デバイス120、400に関する予想トラフィックがほとんどないか全くないとき、この制御を行うことができる。
【0125】
いくつかの実施形態において、時間値および/または更新時間値は、デバイス120、400に対するネットワーク送受信ポイント(TRP)ポイントを無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしているとき、および例えばスイッチすることになるときに基づいて、および/または基づいて送付され、例えばスイッチしようとしていること、および例えばスイッチすることになることに応答して送付される。これが真実のとき、例えばデバイスに対するTRPスイッチの機会が検出されるとき、無線通信ネットワーク100は、前記ビーム管理手順が開始されるか、開始されることが可能になるまでの短縮時間を生じる更新時間値を、例えば形成または選択し、その後、デバイス120、400に更新時間値を送付することができる。
【0126】
本明細書における実施形態は、ビーム追跡監督を容易にするか、可能にさえし、および/またはビーム追跡失敗が迅速に検出され、ビーム追跡が回復されることを可能にする。本明細書における実施形態は、比較的少ないリソースがビーム追跡などのビーム管理に費やされなければならない場合にさらに信頼できる通信を容易にし、可能にする。本明細書における実施形態は、いつビーム管理が開始されることになるかに関して動的な調節を可能にし、このことにより、ビーム追跡監督などのビーム管理および/または関連監督が、不要なオーバヘッドなく行われることを可能にする。
【0127】
本明細書において開示された、いくつかの実施形態の理解を深めるために、図7が、図3の前に説明される。
【0128】
無線通信ネットワーク100における通信能力を再確立するための手順を開始するための、無線デバイスによって行われる方法120の例が、図7に描写された流れ図を参照しながら次に説明される。上述のように、無線デバイス120および無線ネットワークノード110は、無線通信ネットワーク100内で動作する
【0129】
方法は、以下のアクションの1つまたは複数を含む。これらのアクションは、任意の適切な順序で行われることが可能であるということ、およびいくつかのアクションは、組み合わされることが可能であるということを理解されたい。
【0130】
アクション701
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は時間値を入手する。前述のように、時間値は、時間が過ぎるか経過するとともにカウントダウンするための時間値であることが可能である。
【0131】
時間値は、無線デバイス120自体によって入手されることが可能であり、例えば無線デバイスは、時間値で設定されることが可能であり、または時間値は、ネットワークノード110から時間値を受信することによって、無線デバイス120によって入手されることが可能である。
【0132】
例えば時間値は、無線デバイス120に対するネットワーク送受信ポイント(TRP)を、無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしていることを検出することに基づくことが可能である。
【0133】
一方またはさらに、時間値は、無線デバイス120との間の予想トラフィックに基づくことが可能である。
【0134】
これは、前述のアクション203に関係する。
【0135】
アクション702
無線デバイス120は、無線デバイス120に固有の第1の信号を無線ネットワークノード110から受信する。このことにより、無線デバイス120は、無線ネットワークノード110との通信が可能であること、例えばビーム対が存在すること、および無線ネットワークノード110との通信能力を再確立するための手順を無線デバイス120が開始する必要がないことを知るようになる。
【0136】
前述のように、第1の信号は、DCIメッセージまたは参照信号を含むことができる。
【0137】
これは、前述のアクション204に関係する。
【0138】
アクション703
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、第1の信号の最後の受領からの時間を計測する。このことにより、無線デバイス120は、第1の信号の最後の受領から一定時間が経ったときを知ることになる。上記のアクション204において説明されたように、また下記のアクション707において説明されることになるように、無線デバイス120は、第1の信号の最後の受領から一定時間が経過した場合、無線ネットワークノード110との通信能力を再確立するための、例えばビーム対を確立または再確立するための、手順を開始するためのものである。
【0139】
これは、前述のアクション205に関係する。
【0140】
アクション704
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、時間値に関する更新情報を入手する。例えば時間値に関する更新情報は、時間値の変化に関することが可能であり、例えば時間値は、延長または短縮されることが可能である。
【0141】
時間値に関する更新情報は、無線デバイス120自体によって入手されることが可能であり、例えば無線デバイスは、時間値に関する更新情報で設定されることが可能であり、または時間値に関する更新情報は、ネットワークノード110から時間値に関する更新情報を受信することによって無線デバイス120によって入手されることが可能である。
【0142】
例えば時間値に関する更新情報は、無線デバイス120に対するネットワーク送受信ポイント(TRP)を、無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしていることを検出することに基づくことが可能である。
【0143】
一方またはさらに、時間値に関する更新情報は、無線デバイス120との間の予想トラフィックに基づくことが可能である。
【0144】
更新情報の受領は、時間計測を再スタートさせることができる。
【0145】
これは、前述のアクション209に関係する。
【0146】
アクション705
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、第1の信号の最後の受領からの時間を計測する。したがって、上記のアクション704において説明されたように、無線デバイス120が時間値に関する更新情報を入手したいくつかの実施形態において、無線デバイス120は、第1の信号の最後の受領の受信からの時間を計測し続ける。
【0147】
これは、前述のアクション210に関係する。
【0148】
アクション706
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、入手された時間値および計測時間に基づいて、一定時間が経過したか否かを判断する。
【0149】
無線デバイス120は、時間値に関する更新情報に基づいて一定時間が経過したか否かを判断することができる。
【0150】
これは、前述のアクション212に関係する。
【0151】
アクション707
第1の信号の最後の受領から一定時間が経過したことに応答して、無線デバイス120は、ビーム対を使用して、無線デバイス120と無線ネットワークノード110との間の通信能力を再確立するための手順を開始する。
【0152】
これは、前述のアクション214に関係する。
【0153】
図3は、タイマーに関する手順を概略的に示す流れ図であり、例えば無線デバイス120といった無線デバイスにおいて、本明細書におけるいくつかの実施形態がどのように実装されることが可能であるかを示すと考えられることも可能である。無線デバイスは、DCIおよび/またはUE固有RSを定期的に、例えば継続的および/または、または周期的に、受信しようと試みる。DCIもしくはUE固有RSが受信されるときはいつでも、または受信され、十分な品質であるときはいつでも、例えばウォッチドッグタイマーといったタイマーは再スタートされることが可能である。DCIもしくはRSが時間内に受信されない場合、またはRSは受信されるが不十分な品質の場合、タイマーは再スタートすることができず、したがって満了になる可能性がある。例えばウォッチドッグタイマーといったタイマーが満了になると、ビーム追跡回復が開始される可能性がある。
【0154】
本明細書におけるいくつかの実施形態によれば、ビーム追跡ウォッチドッグタイマーは、例えば無線通信ネットワーク100といった無線通信ネットワーク内で動作可能な、例えば無線デバイス120、400といった無線デバイスに導入されることが可能であり、このタイマーは、無線通信ネットワークによって特に無線デバイスに送付された信号を無線デバイスが受信してから時間がどれだけ過ぎたかを監視する。無線デバイス120、400が、DCIまたはRSを受信しようと試み、DCIまたはRSが受信されるか否かを判断することが示される、図3におけるアクション301およびアクション302を参照されたい。受信された場合、アクション303においてタイマーが再スタートされる。受信されない場合、およびウォッチドッグタイマーが満了になるとき(図3のアクション304を参照されたい)、無線デバイスは、ビーム追跡を回復するために、例えばビーム検索手順(図3のアクション305を参照されたい)を開始することができる。ビーム検索手順は、無線デバイスがランダムアクセス信号をネットワークに送信し、レスポンスを待つことを伴うことができる。無線通信ネットワークは、無線通信ネットワークが受信器に対して固有の送信を行ってから、例えば前記信号を送付してから、時間がどれだけ過ぎたかを監視することができ、ウォッチドッグタイマーが、そうでなければ満了になる前に、新たな送信を行うことができる。いくつかの実施形態において、無線デバイスに知られた周期性で周期的な参照信号が送信される。図3のアクション303に示されたように、信号の新たな送信の受信がタイマーを再スタートさせる。
【0155】
DCIベースのアプローチに対応するいくつかの実施形態において、信号は、DCIメッセージであることが可能であり、ウォッチドッグタイマーが満了になろうとするときに送付すべき有用なデータが存在しない場合、無線デバイスがビーム検索手順を開始しないように、および/またはビーム検索手順に入らないように、ネットワークによってダミー送信が行われることが可能である。ウォッチドッグタイマー値は、どのくらいの頻度で送信が、次に、すなわち将来に、必要になると予想されるかに基づいて調節されることが可能であり、またビーム追跡が失敗すると予想される可能性がどのくらいあるかに基づくことが可能である。調節は、送信器が新たなタイマー値を受信器に送付することよって、暗黙的または明示的に行われることが可能である。タイマー調節は、例えばビーム追跡の変化といった他のイベントに基づいて暗黙的に行われることも可能である。
【0156】
前記ビーム追跡ウォッチドッグタイマーは、ビーム追跡監督を可能にすることができ、ビーム追跡失敗が迅速に検出されること、およびビーム追跡が回復されることを可能にする。これは、ビーム追跡に過剰なリソースを費やすことなく、信頼できる通信を可能にする。動的なタイマー調節は、ビーム追跡監督が不要なオーバヘッドなく行われることを可能にする。
【0157】
ビーム追跡ウォッチドッグタイマーは、例えば無線デバイス120、400といった無線通信デバイス内に備えられることが可能であり、例えばMAC層の一部であることが可能である。この場合、タイマー値は、規格によってセットされること、例えばRRC層においてネットワークから信号を送られることなど高い方の層によって設定されること、またはネットワークからMAC制御要素によって信号を送られること、が可能である。タイマーは、この意味をもつように割り当てられた、例えばゼロといった特殊値および/または固有値で無効にされることが可能である。特に断りのない限り、または文脈から理解されない限り、タイマーが有効にされるということが下記で仮定されることが可能である。
【0158】
タイマーは、特に端末に送付されるダウンリンク制御情報(DCI)メッセージが受信されるたびに、スタートまたは再スタートされることが可能である(アクション303を参照されたい)。DCIは、典型的には、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で受信される。DCIの例は、無線デバイスが受信しようと試みるはずのダウンリンクデータ送信を典型的に示すダウンリンク割当て、および無線デバイスがアップリンクデータ送信を行うはずであることを典型的に示すアップリンクグラントである。
【0159】
DCIベースのアプローチと名付けられることが可能な上記のアプローチへの追加または代替として、RSベースのアプローチが使用されることが可能である。RSベースのアプローチにおいて、ネットワークノード110、500を用いる、例えば無線通信ネットワーク100といったネットワークは、以下におけるRS、すなわち無線デバイスに固有のRSによって例示されることが可能な1つまたは複数の無線デバイス固有RSを、例えば無線デバイス120、400といった各無線デバイスに送信することができ、例えば一定の既知の周期性、または最大周期性で、無線デバイスによって監視される検索空間におけるビーム形成されたDCIによってビーム形成されるはずであり、ビーム形成されたDCIと関連付けられるはずである。周期性は、無線デバイスに対して設定されることが可能である。無線デバイスは、したがって、既知の周期性によって指定されることが可能な一定の既知の時間にRSを受信することができる。したがって、無線デバイスは、無線デバイスがこのサブフレーム内でDCIを検出するのに成功するか否かに関係なく、例えばこのようにして与えられることが可能な周期性に従って、少なくともこのビーム形成されたRSが、いくつかのサブフレーム内に存在することになるということを知っていることが可能である。無線デバイスは、RSを使用して、信号対雑音比(SNR)などのチャネル品質を計測することもできる。タイマーは、例えば専用シグナリングおよび/もしくはブロードキャストシグナリングによって設定されることが可能な、または事前に決定されることが可能な固定値もしくは固有値であることが可能な、一定の閾値を、例えば測定値が上回るときなど、チャネル品質が十分に良いとき、スタートおよび/または再スタートされることが可能である。チャネル品質測定値は、例えば複数の周期または周期性に対応する、複数の送信全体で平均化されることが可能であり、平均化された測定値は、ウォッチドッグタイマーのスタートまたは再スタートに対する影響を判定するために、閾値と比較されることが可能である。したがって、RSが受信されるが、品質が不十分であるとみなされる場合、タイマーは、RSの受領にもかかわらず、依然として再スタートされることは不可能である。別のオプションは、タイマーのタイムアウトに対する、セットされることが可能な、最大でも既知の値に対して、1つの送信から次の送信への時間が選択されるというものである。
【0160】
無線デバイス固有RSは、アップリンク送信を意味することが可能な、無線デバイスのビーム追跡回復手順を無線デバイスが同時にスタートさせないように、様々な無線デバイスに対する時間内および/またはサブフレーム内で、シフトされることが可能である。これは、同じサブフレーム内の、複数の無線デバイスからのアップリンク上の過度の負荷を、無線デバイス固有RSが回避するときに有益である。
【0161】
タイマーが満了になると、無線デバイスは、例えばビーム管理手順を開始することによって、ビーム追跡を回復しようと試みるはずである(アクション304およびアクション305を参照されたい)。第1のステップは、通信に有用な可能性のあるビームまたはビーム対を発見するために、ビーム検索を開始することであることが可能である。任意選択で、十分に良いと推定されるビームまたはビーム対を無線デバイスが既に有している場合、無線デバイスは、ビーム検索をスキップして、第2のステップにじかに進むことができる。上述のように、ビーム対は、ネットワークビームおよび無線デバイスビームなど、例えばダウンリンクビームおよびアップリンクビームといった、両エンドにおけるビームを指す。第2のステップにおいて、無線デバイスは、発見したビームまたはビーム対を使用して、ネットワークへのランダムアクセス送信を行う。
【0162】
RSは、したがって、ネットワークノード110、500を用いる、例えば無線通信ネットワーク100といったネットワークが、適切に選ばれたビームを使用する場合、例えば無線デバイス120、400といった無線デバイスによって受信されることだけが可能であり、その他の場合、ネットワークは、無線デバイスがRSを受信できずに、または不十分な品質で、このRSを送信していることになり、タイマーが満了になる可能性があり、例えばビーム追跡回復手順が開始される可能性がある。同時に、無線デバイスは、他のビームを使用する他の送信、およびビーム追跡を回復するときに発見される可能性のある他の送信を受信できる可能性がある。
【0163】
DCIベースのアプローチにおいて、ネットワークは、ウォッチドッグタイマーの不要な満了を避けるように、無線デバイスをスケジュールすることができる。したがって、ネットワークは、例えば無線デバイス120、400といった端末へのDCIの最後の送信からの時間を監視することができる。タイマーが満了間近になると、ネットワークは、端末に送付される必要があるデータが現在なくても、タイマーの満了を避けるために端末をスケジュールすること、すなわち一種のダミースケジューリング、を選ぶことができる。別のオプションは、タイマーが満了間近になるときに、例えば、より大きいタイマー値などの新しいタイマー値、または以前と同じタイマー値といった、更新されたタイマー値を無線デバイスに送付することによって、ネットワークがタイマーセッティングを更新するというものであり、このことにより、タイマーを再スタートさせ、および/またはタイマーカウントを延長する。満了間近は、無線デバイスが、意図的に送付されるものを受信すること、および意図的に送付されるものに対して作用することができるようになるということが、知られているか、少なくとも非常に可能性があるときであることが可能である。
【0164】
さらに、例えばDCIベースのアプローチにおいて、タイマーは、他のイベントに基づいて更新されることが可能である。例えば、無線デバイスに対するネットワーク送受信ポイント(TRP)をネットワークがスイッチしようとしているとき、ビーム追跡喪失のリスクが高くなる可能性がある。したがって、TRPのスイッチが行われようとしているとネットワークが判断するとき、例えば、TRPスイッチが発生することになる、または発生する可能性があるとの徴候があるとき、ネットワークは、タイマーの満了の時間を減少させるタイマー値を端末に送付することができる。別のオプションは、端末がTRPを、スイッチすることになるかスイッチするとき、例えばスイッチすることになるかスイッチすることに応答して、より短いタイマー値が、例えば暗黙的に、端末によって使用されるというものである。さらに別のオプションは、タイマーがデフォルトで無効にされること、およびTRPのスイッチが行われようとしているときにだけ有効にされることが可能であるというものである。
【0165】
タイマー値を更新することは、無線デバイスにおいて、その後、無線デバイスによって直接的に使用される更新値で既存のタイマー値を置き替えるということを生じることが可能であり、進行中のタイマーは、満了にならずに再スタートされることが可能であり、および/または他のいくつかの理由でタイマーが再スタートする次の時間に、新たなタイマー値が使用されることが可能である。
【0166】
本明細書において開示された、いくつかの実施形態の理解を深めるために、図4図6の前に図8が説明される。
【0167】
無線通信ネットワーク100における通信能力を再確立するための手順を開始するための、無線ネットワークノード110によって行われる方法の例が、図8に描写された流れ図を参照しながら、次に説明される。上述のように、無線デバイス120および無線ネットワークノード110は、無線通信ネットワーク100内で動作する。
【0168】
方法は、以下のアクションの1つまたは複数を含む。これらのアクションは、任意の適切な順序で行われることが可能であるということ、およびいくつかのアクションは組み合わされること可能であるということを理解されたい。
【0169】
アクション801
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、時間値を入手する。前述のように、時間値は、時間が過ぎるか経過するとともにカウントダウンするための時間値であることが可能である。
【0170】
前述のように、時間値は、無線デバイス120との間の予想トラフィックに基づくことが可能である。
【0171】
一方またはさらに、時間値は、無線デバイス120に対するネットワークTRPを無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしていることを検出することに基づくことが可能である。
【0172】
これは、前述のアクション201に関係する。
【0173】
アクション802
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、無線デバイス120に時間値を送付する。このことにより、無線デバイス120は、使用されることになる時間値を入手することになる。
【0174】
これは、前述のアクション202に関係する。
【0175】
アクション803
無線ネットワークノード110は、第1の信号の最後の送信から一定時間が経過する前に、第1の信号を無線デバイス120に送付し、第1の信号は、無線デバイス120に固有のものである。
【0176】
前述のように、第1の信号は、DCIメッセージまたは参照信号を含むことができる。
【0177】
これは、前述のアクション204に関係する。
【0178】
アクション804
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、第1の信号の最後の送信からの時間を計測する。このことにより、無線ネットワークノード110は、一定時間が経過する前に、第1の信号が無線デバイス120によって受信されるように、第1の信号の新たな送信をいつ送付するべきかを制御することができる。
【0179】
これは、前述のアクション206に関係する。
【0180】
アクション805
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、時間値に関する更新情報を入手する。
【0181】
前述のように、時間値に関する更新情報は、無線デバイス120との間の予想トラフィックに基づくことが可能である。
【0182】
一方またはさらに、時間値に関する更新情報は、無線デバイス120に対するネットワークTRPを無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしていることを検出することに基づくことが可能である。
【0183】
これは、前述のアクション207に関係する。
【0184】
アクション806
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、時間値に関する更新情報を無線デバイス120に送付する。
【0185】
これは、前述のアクション208に関係する。
【0186】
アクション807
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、第1の信号の最後の送信からの時間を計測する。
【0187】
これは、前述のアクション211に関係する。
【0188】
アクション808
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、入手された時間値および計測時間に基づいて、いつ一定時間が発生するかを判断する。したがって、無線ネットワークノード110は、例えば入手された時間値および計測時間に基づいて、一定時間が過ぎたか否かを判断することができる。
【0189】
これは、前述のアクション213に関係する。
【0190】
アクション809
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110は、ビーム対を使用して、無線デバイス120と無線ネットワークノード110との間の通信能力を再確立するための手順に関係するシグナリングを無線デバイス120から受信する。
【0191】
これは、ビーム対を使用して、無線デバイス120と無線ネットワークノード110との間の通信能力を再確立するための手順などのビーム管理手順を無線デバイス120が開始する、前述のアクション214に関係する。
【0192】
図4および図5は、例えば無線デバイス120であることが可能なデバイス400、および例えば第1の無線ネットワークノード110であることが可能なネットワークノード500の実施形態、ならびにこれらのそれぞれが、例えば個々のノードに関係する、例えば個々のノードによって行われるための、本明細書で説明される方法および/または1つもしくは複数のアクションを行うように、どのように設定されることが可能であるかを示すための概略ブロック図である。したがって、デバイス400およびネットワークノード500は、それぞれ、以下を備えることができる。
【0193】
手段、例えば1つもしくは複数のプロセッサを含む1つもしくは複数のハードウェアモジュール、ならびに/または前記方法および/もしくはアクションを行うための1つまたは複数のソフトウェアモジュールなどの処理モジュール401、501。
【0194】
コンピュータプログラム403、503を、収めること、または格納することなど、有することができるメモリ402、502。コンピュータプログラムは、前記方法および/またはアクションを個々のノードが行うように、個々のノードによって直接的または間接的に実行可能な「命令」または「コード」を含む。メモリは、1つまたは複数のメモリユニットを備えることができ、本明細書における実施形態の機能およびアクションに関与する、または機能およびアクションを行うための、設定および/またはアプリケーションなどのデータを格納するようにさらに配置されることが可能である。
【0195】
処理回路404、504は、例示のハードウェアモジュールのようなものであり、1つまたは複数のプロセッサを備えるか、1つまたは複数のプロセッサに対応することが可能である。いくつかの実施形態において、処理モジュールは、例えば処理回路「の形で含まれる」か、処理回路「によって実現される」など、処理回路を備えることができる。これらの実施形態において、メモリは、処理回路によって実行可能なコンピュータプログラムを有することができ、これにより、コンピュータプログラムを有するノードは、前記方法および/またはアクションを行うように動作可能であるか、設定される。
【0196】
他の外部ノードまたはデバイスとの間で情報を送付および/または受信することなど、他のユニットおよび/またはノードとの間で任意の通信を行うことに関与するように、例えば行うことよって関与するように、設定された入出力(I/O)モジュール405、505。I/Oモジュールは、適用可能なときに、例えば受信モジュールといった入手モジュール、および/または送付モジュールによって例示されることが可能である。
【0197】
各ノード400、500は、本開示の他の場所で説明された可能性があるような、他の例示ハードウェアモジュールおよび/またはソフトウェアモジュールを備えることもでき、これらのモジュールは、個々の処理回路によって、完全にまたは部分的に実行されることが可能である。
【0198】
したがって、無線通信ネットワーク100における通信能力を再確立するための手順を開始するための方法を行うために、無線デバイス120、400は、図4に描写された配置に従って設定されることが可能である。前述のように、無線デバイス120、400および無線ネットワークノード110、500は、無線通信ネットワーク100内で動作するように設定される。
【0199】
前述のように、無線デバイス120、400は、1つもしくは複数の無線デバイス、および/または例えば無線ネットワークノード110、500といった1つもしくは複数のネットワークノードと通信するように設定された入出力モジュール405を備える。入出力モジュール405は、無線受信器(図示せず)および無線送信器(図示せず)を備えることができる。
【0200】
無線デバイス120、400は、時間値を、入手するように設定された入手モジュール406を用いて入手するように設定される。入手モジュール406は、処理モジュール401によって実行されること、もしくは処理モジュール401と通信して配置されること、および/または無線デバイス120、400の処理回路404によって実行されることが可能である。
【0201】
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、時間値を入手するように設定される。
【0202】
無線デバイス120は、時間値に関する更新情報を入手するように設定されることが可能である。
【0203】
前述のように、時間値および/または時間値に関する更新情報は、無線デバイス120に対するネットワークTRPを無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしていることを検出することに基づくことが可能である。
【0204】
同様に前述のように、時間値および/または時間値に関する更新情報は、無線デバイス120との間の予想トラフィックに基づくことが可能である。
【0205】
無線デバイス120は、無線ネットワークノード110から更新情報を受信することによって更新情報を入手することができる。このような実施形態において、更新情報の受領が時間計測を再スタートさせる。したがって、無線デバイス120は、更新情報の受領時に時間計測を再スタートさせるように設定されることが可能である。
【0206】
無線デバイス120、400は、例えばネットワークノード110、500といった1つもしくは複数のネットワークノードからの、および/または1つもしくは複数の他の無線デバイスへの、例えばデータパケット、信号、または情報といった送信を、受信するように設定された受信モジュール407を用いて受信するように設定される。受信モジュール407は、処理モジュール401によって実行されること、もしくは処理モジュール401と通信して配置されること、および/または無線デバイス120、400の処理回路404によって実行されることが可能である。
【0207】
無線デバイス120は、無線デバイス120に固有の第1の信号を無線ネットワークノード110から受信するように設定される。
【0208】
前述のように、第1の信号は、DCIメッセージまたは参照信号を含むことができる。
【0209】
無線デバイス120、400は、例えば時間周期といった時間を、計測するように設定された計測モジュール408を用いて計測するように設定される。計測モジュール408は、処理モジュール401によって実行されること、もしくは処理モジュール401と通信して配置されること、および/または無線デバイス120、400の処理回路404によって実行されることが可能である。
【0210】
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、第1の信号の最後の受領からの時間を計測するように設定される。
【0211】
無線デバイス120、400は、時間または時間周期が経過したか否かを、判断するように設定された判断モジュール409を用いて判断するように設定される。判断モジュール409は、処理モジュール401によって実行されること、もしくは処理モジュール401と通信して配置されること、および/または無線デバイス120、400の処理回路404によって実行されることが可能である。
【0212】
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、入手された時間値および計測時間に基づいて、一定時間が経過したか否かを判断するように設定される。
【0213】
いくつかの実施形態において、無線デバイス120は、時間値に関する更新情報を入手するように設定され、無線デバイス120は、時間値に関する更新情報に基づいて、一定時間が経過したか否かを判断するようにさらに設定される。
【0214】
無線デバイス120、400は、無線通信ネットワーク100における通信能力を再確立するための手順を、開始するように設定された開始モジュール410を用いて開始するように設定される。開始モジュール410は、処理モジュール401によって実行されること、もしくは処理モジュール401と通信して配置されること、および/または無線デバイス120、400の処理回路404によって実行されることが可能である。
【0215】
無線デバイス120は、ビーム対を使用して、無線デバイス120と無線ネットワークノード110との間の通信能力を再確立するための手順を開始するように設定される。無線デバイス120は、第1の信号の最後の受領から一定時間が経過したことに応答して、手順を開始するように設定される。
【0216】
さらに、無線通信ネットワーク100における通信能力を再確立するための手順を開始するための方法を行うために、無線ネットワークノード110、500は、図5に描写された配置に従って設定されることが可能である。前述のように、無線デバイス120、400および無線ネットワークノード110、500は、無線通信ネットワーク100内で動作するように設定される。
【0217】
前述のように、無線ネットワークノード110、500は、例えば無線デバイス120、400といった1つもしくは複数の無線デバイス、および/または1つもしくは複数の他のネットワークノードと通信するように設定された入出力モジュール505を備える。入出力モジュール505は、無線受信器(図示せず)および無線送信器(図示せず)を備えることができる。
【0218】
無線ネットワークノード110、500は、時間値を、入手するように設定された入手モジュール506を用いて入手するように設定される。入手モジュール506は、処理モジュール501によって実行されること、もしくは処理モジュール501と通信して配置されること、および/または無線デバイス110、500の処理回路504によって実行されることが可能である。
【0219】
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110、500は、時間値に関する更新情報を入手するように設定される。
【0220】
前述のように、時間値および/または時間値に関する更新情報は、無線デバイス120に対するネットワークTRPを無線通信ネットワーク100がスイッチしようとしていることを検出することに基づくことが可能である。
【0221】
同様に前述のように、時間値および/または時間値に関する更新情報は、無線デバイス120との間の予想トラフィックに基づくことが可能である。
【0222】
無線ネットワークノード110、500は、無線デバイス120、400への、例えばデータパケット、信号、または情報といった送信を、送付するように設定された送付モジュール507を用いて送付するように設定される。送付モジュール507は、処理モジュール501によって実行されること、もしくは処理モジュール501と通信して配置されること、および/または無線デバイス110、500の処理回路504によって実行されることが可能である。
【0223】
無線ネットワークノード110、500は、第1の信号の最後の送信から一定時間が経過する前に、第1の信号を無線デバイス120に送付するように設定され、第1の信号は、無線デバイス120に固有のものである。
【0224】
前述のように、第1の信号は、DCIメッセージまたは参照信号を含むことができる。
【0225】
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110、500は、時間値に関する更新情報を無線デバイス120に送付するように設定される。
【0226】
無線ネットワークノード110、500は、計測モジュール508を用いて、例えば時間周期といった時間を計測するように設定される。計測モジュール508は、処理モジュール501によって実行されること、もしくは処理モジュール501と通信して配置されること、および/または無線デバイス110、500の処理回路504によって実行されることが可能である。
【0227】
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110、500は、第1の信号の最後の送信からの時間を計測するように設定される。
【0228】
ネットワークノード110、500は、時間または時間周期が経過したか否かを、判断するように設定された判断モジュール509を用いて判断するように設定される。判断モジュール509は、処理モジュール501によって実行されること、もしくは処理モジュール501と通信して配置されること、および/または無線デバイス110、500の処理回路504によって実行されることが可能である。
【0229】
いくつかの実施形態において、無線ネットワークノード110、500は、入手された時間値および計測時間に基づいて、いつ一定時間が発生するかを判断するように設定される。
【0230】
図6a〜図6cは、コンピュータプログラム403、503のうちの任意の1つであることが可能であり、個々の処理回路によって実行されると、上述のような個々の方法を、処理回路を有するノードに行わせる命令を有するコンピュータプログラムに関する実施形態を示す概略図である。
【0231】
いくつかの実施形態において、コンピュータ可読媒体およびコンピュータ可読媒体上に格納されたコンピュータプログラムを備えるコンピュータプログラム製品、すなわちデータ担体が提供される。コンピュータ可読媒体によって、一時的な伝搬信号が除外されることが可能であり、コンピュータ可読媒体は、これに対応して、非一時的コンピュータ可読媒体と名付けられることが可能である。コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、図6aにあるようなメモリカードまたはメモリスティック601、図6bにあるようなCDまたはDVDなどのディスクストレージ媒体602、図6cにあるような大容量ストレージデバイス603である。大容量ストレージデバイスは、典型的には、ハードドライブまたはソリッドステートデバイス(SSD)に基づく。大容量ストレージデバイスは、例えばインターネットまたはローカルエリアネットワーク(LAN)といったコンピュータネットワーク605でアクセス可能なデータを格納するために使用されるようなものであることが可能である。
【0232】
コンピュータプログラムは、それぞれ、さらに、純粋なコンピュータプログラムとして提供されること、または1つもしくは複数のファイルに含まれることが可能である。1つまたは複数のファイルは、コンピュータ可読媒体上に格納されること、および例えば、サーバを介して大容量ストレージデバイスから、など、例えば、コンピュータネットワークでダウンロードを通じて利用できることが可能である。サーバは、例えば、ウェブサーバまたはファイルトランスファプロトコル(FTP)サーバであることが可能である。1つまたは複数のファイルは、例えば、例えば処理回路によって方法を実行するために、ノードに直接的または間接的にダウンロードするため、ならびにノード上で実行するための実行可能ファイルであることが可能であり、または上述のような個々の方法をノードに行わせる、さらなるダウンロードおよび実行の前に、1つまたは複数のファイルを実行可能にするための、中間のダウンロードおよびコンパイルのためのものであることが可能である。
【0233】
前述において言及された任意の処理モジュールは、例えば既存のハードウェア内のソフトウェアモジュールおよび/もしくはハードウェアモジュールとして、ならびに/または特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくは同様のものとして、実装されることが可能であるということに留意されたい。前述において言及された任意のハードウェアモジュールおよび/または回路は、例えば、単一のASICもしくはFPGAに含まれること、または個別にパッケージ化されようと、システムオンチップ(SoC)に組み立てられようと、いくつかの別々のハードウェア構成要素の間に分散されることが可能であるということにも留意されたい。
【0234】
本明細書で論じられるモジュールおよび回路機器は、ハードウェアモジュール、ソフトウェアモジュール、アナログおよびデジタル回路、ならびに/または1つもしくは複数のプロセッサによって実行されると、上述の方法をそれぞれ、および/または方法のアクションを、行うように第1のノードおよび第2のノードを設定すること、ならびに/または第1のノードおよび第2のノードに行わせること、を行う、例えばメモリに格納されたソフトウェアおよび/またはファームウェアによって設定された1つまたは複数のプロセッサ、の組合せを指すことができるということも当業者は正しく認識するであろう。
【0235】
本明細書における任意の識別子による識別は、暗黙的または明示的なものであることが可能である。識別は、無線通信ネットワーク100において、または無線通信ネットワークの少なくとも一部もしくはいくつかの領域において一意であることが可能である。
【0236】
反対に、何か情報がなくてもわかるはずのように、本明細書で典型的に使用されるような「ネットワーク」という用語、または単純に「NW」は、無線通信ネットワーク100を指す。
【0237】
反対に、何か情報がなくてもわかるはずのように、本明細書で典型的に使用されるようなUE、端末、またはMSという用語は、無線デバイス120を指す。
【0238】
本明細書で使用されるような「ネットワークノード」という用語は、したがって、(下記で説明される)任意のタイプの無線ネットワークノード、または少なくとも無線ネットワークノードと通信することができる任意のネットワークノードを指すことができる。このようなネットワークノードの例は、上述の任意の無線ネットワークノード、コアネットワークノード、運用保守(O&M)、オペレーションサポートシステム(OSS)、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、位置決めノード、等を含む。
【0239】
本明細書で使用されるような「無線ネットワークノード」という用語は、したがって、無線デバイスをサービングし、および/または他のネットワークノードもしくはネットワーク要素もしくは無線デバイスが信号を受信する任意の無線ノードに接続される任意のタイプのネットワークノードを指す。無線ネットワークノードの例は、ノードB、基地局(BS)、MSR BSなどのマルチスタンダード無線機(MSR)ノード、eNB、eノードB、ネットワークコントローラ、RNC、基地局コントローラ(BSC)、中継局、中継局を制御するドナーノード、ベーストランシーバ基地局(BTS)、アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、分散アンテナシステム(DAS)におけるノード、等である。
【0240】
本明細書で使用されるような「通信デバイス」または「無線デバイス」という用語は、したがって、無線通信ネットワーク100などの、無線システム、セルラーシステム、および/または移動体通信システムにおける、例えば無線ネットワークノードと通信するように配置された任意のタイプのデバイスを指すことが可能であり、したがって、無線通信デバイスであることが可能である。例は、ターゲットデバイス、デバイス間UE、マシン型通信(MTC)のためのデバイス、MTCデバイス、マシン型UEもしくはマシンツーマシン(M2M)通信ができるUE、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、iPAD、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ内蔵機器(LEE)、ラップトップ搭載型機器(LME)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドングル、等を含む。便宜上本明細書において、または他の3GPP用語を伴う例の文脈において前記用語が頻繁に使用されるが、用語は、したがって、非限定的なものであり、本明細書における教示は、本質的に任意のタイプの無線デバイスに適用されるということが正しく認識されなければならない。
【0241】
本明細書で使用されるような「ノード」という用語は、したがって、上述したものなどの、任意のタイプのネットワークノードまたは無線デバイスを指すことができる。
【0242】
本明細書で使用される専門用語は、3GPPに基づく無線通信ネットワークなど、使用される専門用語に応じて、一定のセルラー通信システム、無線通信ネットワーク、等と特に関連付けられること、および/またはこれらによって例示されることが可能であるが、このことは、したがって、本明細書における実施形態の範囲を、このような一定のシステム、ネットワーク、等に限定するものとしてみなされるべきではないということに留意されたい。
【0243】
本明細書で使用されるような「メモリ」という用語は、ハードディスク、磁気ストレージ媒体、ポータブルコンピュータディスケットもしくはディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または同様のものを指すことができる。さらにメモリは、プロセッサの内部レジスタメモリであることが可能である。
【0244】
本明細書で使用された可能性のある、第1のネットワークノード、第2のネットワークノード、第1の基地局、第2の基地局、または類似のものなどの任意の列挙する専門用語は、したがって、非限定的であることを考慮に入れているべきであり、専門用語は、したがって、一定の階層式の関係を意味しないということにも留意されたい。反対に、いずれの明示的な情報もなく、列挙によって名前付けすることは、様々な名前を達成する方式にすぎないと考えられるべきである。
【0245】
省略形 説明
DCI ダウンリンク制御情報(メッセージ)
MAC 媒体アクセス制御
NW ネットワーク
PDCCH 物理ダウンリンク制御チャネル
RRC 無線リソース制御
RS 参照信号
SNR 信号対雑音比
TRP 送受信ポイント
UE ユーザ機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8