特許第6892952号(P6892952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6892952
(24)【登録日】2021年6月1日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】部品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20210614BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   B65G47/14 101A
   B65G47/14 102A
   B65G47/90 A
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-86642(P2020-86642)
(22)【出願日】2020年5月18日
【審査請求日】2020年9月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 洋
(72)【発明者】
【氏名】志村 洋一
(72)【発明者】
【氏名】梶本 武志
【審査官】 山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−216950(JP,A)
【文献】 米国特許第05853078(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
B65G 47/90
B65G 27/00−27/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容したワークを振動によって整列させながら搬送路に沿って搬送供給するボウルを有する振動ボウルフィーダと、この振動ボウルフィーダから整列状態で供給されるワークを搬送する搬送台とを備え、前記搬送台を振動ボウルフィーダの外周に沿って円環状に配置し、前記搬送台は、上面がワークの搬送面を構成する回転円盤と、この回転円盤を回転自在に支持する支持円盤と、この支持円盤に設置された、回転円盤の回転駆動装置とからなることを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記振動ボウルフィーダのボウルは、底部と、底部の外径側から螺旋を描くように上方へ向かう搬送路とを有し、前記搬送路の最上部に搬送路の径方向幅を有するワーク排出部を備えることを特徴とする請求項1記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記振動ボウルフィーダと、この振動ボウルフィーダの外周を囲む円環状の搬送台とが同じ台板に設置されている請求項1または2記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記支持円盤は、前記台板に設置された振動ボウルフィーダの外周を囲むように立設する複数本の支持脚の上端、かつ、振動ボウルフィーダのボウルの外径側に設けられる請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記回転駆動装置は、円環状の回転円盤の下面に配設される外周面にギヤ歯を有するリングレールギヤと、前記支持円盤に固定配置され、リングレールギヤの外周の複数個所を回転可能に支持する支持ベアリングと、前記リングレールギヤのギヤ歯と噛み合う駆動ピニオンギヤと、この駆動ピニオンギヤを駆動する駆動モータとからなる請求項1〜4のいずれか記載の部品供給装置。
【請求項6】
駆動ピニオンギヤの回転軸は、支持円盤を貫通するように設けられた貫通孔から支持円盤の下面側に引き出され、支持円盤の下面に設置された駆動モータの駆動軸に接続されている請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記駆動モータの駆動軸に、前記回転円盤の位相位置の把握に用いるエンコーダを接続している請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記支持円盤に、前記リングレールギヤに潤滑油を供給するルブリケーターが設置されている請求項5〜7のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記回転円盤上に、ワークを供給するワーク供給エリアと、その下流にピックアップするワークの位置及び姿勢を検出するビジョンセンシングエリアと、ビジョンセンシングエリアの下流にワークをピックアップするピックアップエリアと、このピックアップエリアの下流側でワーク供給エリアまでの間に、ピックアップエリアでピックアップしなかったワークを前記ボウルに戻すワーク回収エリアとを設けた請求項2〜8のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項10】
供給されたワークを一列一層に整列させながら回転円盤の上面のワーク供給エリアまで搬送するアタッチメントを前記ボウルのワーク排出部に接続したことを特徴とする請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記アタッチメントのワーク排出端に、ワークを回転円盤の上面の中央部に導くガイド板を設置している請求項10記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記アタッチメントは、回転円盤の幅の約半分の幅で、回転円盤の上方に回転円盤の搬送面に対して隙間を介して重なるように設置されている請求項10または11に記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記回転円盤の回転速度を、アタッチメントから回転円盤に供給されるワークの供給速度よりも速く設定している請求項10〜12のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記回転円盤のビジョンセンシングエリアに、ワーク供給エリアから供給されたワークの位置、姿勢を画像処理によって識別し、その中からピッキング可能なワークを検出してピックアップするワークの位置を演算する画像処理装置を備える撮像装置が設置されている請求項9〜13のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項15】
前記回転円盤のピックアップエリアに、前記撮像装置によって検出したピックアップ可能なワークをピックアップして次工程に供給するピックアップロボットが設置されている請求項14に記載の部品供給装置。
【請求項16】
前記回転円盤のワーク回収エリアに、支持円盤の外周に取り付けられ、支持円盤の外周位置から回転円盤の上面を経て回転円盤の内周までワークを導く回収フェンスと、回転円盤の内周とボウルとの間に設けられ、ワークをボウル内に導く回収ブリッジとが設置されている請求項9〜15のいずれかに記載の部品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、機械部品・電子部品・プラスチック部品・薬品・医療品・食料品・雑貨類など、多種多様なワークを自動的に整列させて搬送台に供給し、搬送台上でワークをピックアップロボットによってピックアップして自動機械などに供給する部品供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の部品供給装置として、螺旋状の搬送路を有し、収容したワークを振動によって搬送路に沿って搬送供給する振動ボウルフィーダと、この振動ボウルフィーダから供給されるワークをロボットによってピックアップする、回転式の搬送台とを備え、前記回転式の搬送台を振動ボウルフィーダに隣接して並列に設置したものが知られている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1の部品供給装置では、振動ボウルフィーダから回転式の搬送台に落下させた際に、方向や姿勢が正しくないワークや、ピックアップロボットによってピックアップできなかったワークを、回転式の搬送台から元の振動ボウルフィーダに戻すようにしている。
【0004】
また、従来の部品供給装置として、ワークを投入する昇降式のワーク供給装置を回転式の搬送台の中心に設置し、昇降式のワーク供給装置から回転式の搬送台上に投入されたワークをピックアップロボットによってピックアップして次工程に供給するようにしたものもある(特許文献2の図18)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−78962号公報
【特許文献2】特開平6−238584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1の部品供給装置は、振動ボウルフィーダと回転式の搬送台とを並列に設置するものであるから、大きな設置スペースを必要とする。
【0007】
また、特許文献2の部品供給装置は、回転式の搬送台の中心に設置した昇降式のワーク供給装置から搬送台にワークを投入するようにしているので、搬送台上においてワークの方向・姿勢を整えるのが難しく、昇降式のワーク供給装置から搬送台上に投入されるワークのなかで、ピックアップロボットでピックアップできる正しい方向・姿勢をしたワークが少なく、ワークをピックアップするサイクルタイムが長くなるという問題がある。
【0008】
そこで、この発明は、設置スペースが小さく、ワークの姿勢・方向を正しく整え易く、ピックアップロボットによるワークのピックアップ効率が高い部品供給装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、この発明に係る部品供給装置は、収容したワークを振動によって整列させながら搬送路に沿って搬送供給する振動ボウルフィーダと、この振動ボウルフィーダから整列状態で供給されるワークを搬送する搬送台とを備え、前記搬送台を振動ボウルフィーダの外周に沿って円環状に配置したことを特徴とする。
【0010】
前記振動ボウルフィーダのボウルが、ワークを収容する底部と、この底部の外径側から螺旋を描くように上方へ向かう搬送路とを有し、前記搬送路の最上部に搬送路の径方向幅を有するワーク排出部を備える。
【0011】
前記振動ボウルフィーダと、この振動ボウルフィーダの外周を囲む円環状の搬送台とが同じ台板に設置されている。
【0012】
前記搬送台は、上面がワークの搬送面を構成する回転円盤と、この回転円盤を回転自在に支持する支持円盤と、この支持円盤に設置された、回転円盤の回転駆動装置とからなる。
【0013】
前記支持円盤は、前記台板に設置された振動ボウルフィーダの外周を囲むように立設する複数本の支持脚の上端、かつ、振動ボウルフィーダのボウルの外径側に設置されている。
【0014】
前記回転駆動装置は、円環状の回転円盤の下面に配設される外周面にギヤ歯を有するリングレールギヤと、前記支持円盤に固定配置され、リングレールギヤの外周の複数個所を回転可能に支持する支持ベアリングと、前記リングレールギヤのギヤ歯と噛み合う駆動ピニオンギヤと、この駆動ピニオンギヤを駆動する駆動モータとからなる。
【0015】
駆動ピニオンギヤの回転軸は、支持円盤を貫通するように設けられた貫通孔から支持円盤の下面側に引き出され、支持円盤の下面に設置された駆動モータの駆動軸に接続されている。
【0016】
前記駆動モータの駆動軸には、前記回転円盤の位相位置の把握に用いるエンコーダが接続されている。
【0017】
前記支持円盤には、前記リングレールギヤに潤滑油を供給するルブリケーターが設置されている。
【0018】
前記回転円盤上には、ワークを供給するワーク供給エリアと、その下流にピックアップするワークの位置及び姿勢を検出するビジョンセンシングエリアと、ビジョンセンシングエリアの下流にワークをピックアップするピックアップエリアと、このピックアップエリアの下流側でワーク供給エリアまでの間に、ピックアップエリアでピックアップしなかったワークを前記振動ボウルフィーダのボウルに戻すワーク回収エリアとが設けられる。
【0019】
前記ボウルのワーク排出部には、ワークを一列一層に整列させながら回転円盤の上面のワーク供給エリアまで搬送するアタッチメントが接続されている。
【0020】
前記アタッチメントのワーク排出端には、ワークを回転円盤の上面の中央部に導くガイド板を設置している。
【0021】
前記アタッチメントは、回転円盤の幅の約半分の幅を有し、回転円盤の上方に回転円盤の搬送面に対して隙間を介して重なるように設置されている。
【0022】
前記回転円盤の回転速度は、アタッチメントから回転円盤に供給されるワークの供給速度よりも速く設定されている。
【0023】
前記回転円盤のビジョンセンシングエリアには、ワーク供給エリアから供給されたワークの位置、姿勢を画像処理によって識別し、その中からピッキング可能なワークを検出してピックアップするワークの位置を演算する画像処理装置を備えた撮像装置が設置されている。
【0024】
前記回転円盤のピックアップエリアには、前記撮像装置によって検出したピックアップ可能なワークをピックアップして次工程に供給するピックアップロボットが設置されている。
【0025】
前記回転円盤のワーク回収エリアには、支持円盤の外周に取り付けられ、支持円盤の外周位置から回転円盤の上面を経て回転円盤の内周までワークを導く回収フェンスと、回転円盤の内周とボウルとの間に設けられ、ワークをボウル内に導く回収ブリッジとが設置されている。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、この発明の部品供給装置は、収容したワークを振動によって整列させながら搬送路に沿って搬送する振動ボウルフィーダによって、ワークが前記振動ボウルフィーダの外周に配置された円環状の搬送台に供給されるので、搬送台に供給されるワークの姿勢・方向を正しく整え易く、ピックアップロボットによるワークのピックアップ効率を高く維持することができる。
【0027】
そして、ピックアップロボットによってワークをピックアップする搬送台が、振動ボウルフィーダの外周に円環状に設けられるので、設置スペースが小さく、しかもピックアップする搬送面の長さを、振動ボウルフィーダの外周に沿って十分な長さを担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この発明に係る部品供給装置の一実施形態を示す平面図である。
図2】同上の部品供給装置を斜め上方から見た斜視図である。
図3】同上の部品供給装置の回転円盤を取り除いた状態を斜め上方から見た斜視図である。
図4】同上の部品供給装置の回転円盤と支持台を取り除いた状態を斜め上方から見た斜視図である。
図5】同上の部品供給装置にアタッチメントを取り付けた状態を示す平面図である。
図6図6の部品供給装置にピックアップロボットと撮像装置を設置した状態を斜め上方から見た斜視図である。
図7図6の部品供給装置のワークの搬送状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
図1図7は、この発明に係る部品供給装置の実施形態を示している。
この実施形態に係る部品供給装置は、収容したワークWを振動によって搬送路に沿って搬送供給する振動ボウルフィーダ1と、この振動ボウルフィーダ1の外周を囲む円環状の搬送台3とからなる。
【0031】
前記振動ボウルフィーダ1は、内周面に搬送路4を有するボウル2と、ボウル2に収容したワークWを搬送路4に沿って、搬送路4の最上部に位置するワーク排出部5まで順次搬送されるようにボウル2を振動させる振動機6とからなる。
【0032】
前記ボウル2は、ワークWを収容する底部7と、この底部7の外径側から螺旋を描くように上方へ向かう搬送路4とを有し、この搬送路4の最上部に、搬送路4の径方向幅を有する前記ワーク排出部5を備えている。
【0033】
前記ボウル2の底部に投入されたワークWは、図7に示すように、ボウル2の振動によって内周面の搬送路4を下方から上方に向かって整列しながら順次で繰り出され、最上部のワーク排出部5から排出される。図7には、ワークWの搬送方向を破線の矢印で示している。
【0034】
前記振動ボウルフィーダ1と搬送台3は、同じ台板8上に設置されている。
【0035】
前記搬送台3は、上面がワークWの円環状の搬送面を構成する回転円盤9と、この回転円盤9を回転自在に支持する支持円盤10と、この支持円盤10に設置された、回転円盤9を旋回駆動させる回転駆動装置12とからなる。図1図2図5及び図7には、回転円盤9の回転方向を太線の矢印で示している。
【0036】
前記支持円盤10は、前記台板8に設置された振動ボウルフィーダ1の外周を囲むように立設する複数本の支持脚11の上端に、振動ボウルフィーダ1のボウル2の外径側に空間を空けて囲むように円環状に設けられている。
【0037】
この支持円盤10の外周部には、回転円盤9の上面よりも高いガイドフェンス29が設置されている。
【0038】
前記回転円盤9の回転駆動装置12は、円環状の回転円盤9の下面に配設される外周面にギヤ歯を有するリングレールギヤ13と、前記支持円盤10上に配置され、リングレールギヤ13の外周の複数個所を回転可能に支持する支持ベアリング14と、前記リングレールギヤ13のギヤ歯と噛み合う駆動ピニオンギヤ15と、この駆動ピニオンギヤ15を駆動する駆動モータ16とからなる。
【0039】
駆動ピニオンギヤ15の回転軸は、支持円盤10を貫通するように設けられた貫通孔17から支持円盤10の下面側に引き出され、支持円盤10の下面に設置された駆動モータ16の駆動軸に接続されている。
【0040】
また、駆動モータ16の駆動軸には、前記回転円盤9の位相位置の把握に用いるエンコーダ18が接続されている。
【0041】
前記支持円盤10には、前記リングレールギヤ13に潤滑油を供給するルブリケーター19が設置されている。
【0042】
前記支持円盤10は、支持脚11によって高さ調節が可能であり、支持円盤10に設置された回転円盤9の上面と、前記ボウル2のワーク排出部5とをほぼ同じ高さ位置に調節している。
【0043】
前記回転円盤9の上面の搬送面には、図7に示すように、周方向に、ワークWが供給されるワーク供給エリア20と、このワーク供給エリア20の下流にワークWの方向・姿勢などを検出するビジョンセンシングエリア21と、このビジョンセンシングエリア21の下流にワークWをピックアップするピックアップエリア22と、このピックアップエリア22の下流側でワーク供給エリア20までの間に、ピックアップエリア22でピックアップしなかったワークWをボウル2に戻すワーク回収エリア23とが配置される。
【0044】
図7に示すように、ボウル2に投入されたワークWは、螺旋状に設けられた搬送路4上を振動によりボウル2の最上部のワーク排出部5まで整列状態で搬送される。
【0045】
前記ボウル2の最上部のワーク排出部5には、順次繰り出されるワークWを一列一層に整列させながら、ワークWの方向・姿勢を整えて回転円盤9のワーク供給エリア20に、ワークWを供給するアタッチメント26が接続されている。このアタッチメント26は、溶接、または、ボルトにてボウル2に取り付けられている。
【0046】
このアタッチメント26の出口部分には、ワークWを回転円盤9の搬送面の中央部に導くガイド板27を設置している。このガイド板27は、ブラケット28によって支持円盤10の外周部に取り付けられている。
【0047】
アタッチメント26は、回転円盤9の搬送面の約半分の幅を有し、回転円盤9の搬送面の上方に回転円盤9の搬送面に対して隙間を介して重なるように設けられ、ボウル2の搬送路4の最上部のワーク排出部5から回転円盤9の搬送面のワーク供給エリア20まで、回転円盤9の約2分の1周の長さを有する。
【0048】
アタッチメント26は、ボウル2の搬送路4の最上部のワーク排出部5から繰り出されるワークWを、搬送中に一列一層に整列させながら、ワークWの表裏を反転させたり、方向・姿勢を整えたりする機構を備え、余剰ワークWを排除する機構を備えることもできる。図7では、表向きワークWaを二重丸で示し、裏向きワークWbを一重丸で示している。
【0049】
アタッチメント26から回転円盤9に供給されたワークWは、ガイド板27により回転円盤9の搬送面のほぼ中央部に導かれて供給される。
【0050】
回転円盤9は、アタッチメント26から搬送されるワークWの送り速度より若干速い速度で回転させている。これにより、ボウル2からアタッチメント26を経て回転円盤9にワークWが乗り移った瞬間に、ワークW同士の間に少々の隙間が空くようにしている。このボウル2からの搬送速度と回転円盤9の搬送速度の速度差によってワークW同士の重なりを防ぎ、より多くのワークWをピックアップロボット25でピックアップし易くなっている。
【0051】
ワークWが供給されるワーク供給エリア20の下流側に位置する前記回転円盤9のビジョンセンシングエリア21には、図6に示すように、ワーク供給エリア20に送り込まれたワークWの位置、姿勢を画像処理によって識別し、その中からピッキング可能なワークWaを検出し、エンコーダ18の信号によってピックアップする位置を演算する画像処理装置を備える撮像装置24が設置されている。
【0052】
このビジョンセンシングエリア21の下流側のピックアップエリア22には、撮像装置24によって検出したピックアップ可能なワークWaをピックアップしてワークWaを次工程に供給する、円形コンベアトラッキング技術を備えるピックアップロボット25が設置されている。図7では、ピックアップロボット25によって二重丸で示した表向きワークWaをピックアップするようにしている。
【0053】
この円形コンベアトラッキング技術を備えるピックアップロボット25によって、回転円盤9の回転を止めることなくワークWをピックアップ処理することができるので、常にピックアップ可能なワークWを回転円盤9上に供給することにより、ピックアップのサイクルタイムが一定となり、安定したピックアップが可能となる。なお、ピックアップできなかったワークWは、約半周下流に設けられたワーク回収エリア23からボウル2内に戻される。この時、表裏逆方向のワークWbはワーク回収エリア23において表裏方向を変換して戻すこともできる。
【0054】
ワーク回収エリア23には、支持円盤10の外周に取り付けられ、支持円盤10の外周位置から回転円盤9の上面を経て回転円盤9の内周までワークWを導く回収フェンス30と、回転円盤9の内周と振動ボウルフィーダ1のボウル2との間に設けられた回収ブリッジ31とからなる。
【0055】
なお、振動ボウルフィーダ1の運転に通信機能を有した制御装置を用いることにより、回転円盤9上からボウル2内に戻されるワークWの数量を把握し、振動ボウルフィーダ1から回転円盤9上に供給されるワークWの量を自動調整することができるので、ピックアップロボット25でのピックアップ速度に応じた制御も可能となる。
【0056】
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0057】
1 振動ボウルフィーダ
2 ボウル
3 搬送台
4 搬送路
5 ワーク排出部
6 振動機
7 底部
8 台板
9 回転円盤
10 支持円盤
11 支持脚
12 回転駆動装置
13 リングレールギヤ
14 支持ベアリング
15 駆動ピニオンギヤ
16 駆動モータ
17 貫通孔
18 エンコーダ
19 ルブリケーター
20 ワーク供給エリア
21 ビジョンセンシングエリア
22 ピックアップエリア
23 ワーク回収エリア
24 撮像装置
25 ピックアップロボット
26 アタッチメント
27 ガイド板
28 ブラケット
29 ガイドフェンス
30 回収フェンス
31 回収ブリッジ
【要約】      (修正有)
【課題】設置スペースが小さく、ワークの姿勢・方向を正しく整え易く、ピックアップロボットによるワークのピックアップ効率が高い部品供給装置を提供する。
【解決手段】収容したワークWを振動によって整列させながら搬送路4に沿って搬送供給する振動ボウルフィーダ1と、この振動ボウルフィーダ1から整列状態で供給されるワークWを搬送する搬送台3とを備え、搬送台3を振動ボウルフィーダ1の外周に沿って円環状に配置することにより、設置スペースを小さくし、しかもピックアップする搬送面の長さを、振動ボウルフィーダ1の外周に沿って十分な長さを担保するようにした。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7