(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報読み取り装置1の外観を示す図であり、同図(a)は情報読み取り装置1の正面図、同図(b)は情報読み取り装置1の裏面図である。
【0014】
情報読み取り装置1は、伝票を撮影して撮影画像を記憶するとともに、その撮影画像から伝票に記載されているバーコードにより示される識別情報を取得する機能を備えた所謂ハンディターミナルである。
【0015】
なお、情報読み取り装置1は、ハンディターミナルに限定されるものではなく、タブレットPC、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、携帯電話など、他の情報端末装置であってもよい。
【0016】
図1(a)に示すように、情報読み取り装置1の正面側には、ディスプレイ2と、第1のインジケータ3、第2のインジケータ4、操作キー群5、スピーカ6が設けられている。
【0017】
ディスプレイ2は、各種の情報を画面表示するとともに、付属のスタイラスを使用した情報読み取り装置1の操作やデータ入力に使用される。第1のインジケータ3と第2のインジケータ4は、必要に応じ複数色に発光可能なLED(Light Emitting Diode)である。第1のインジケータ3は情報読み取り装置1の電源の状態に応じた色で点灯され、第2のインジケータ4は、電源以外の各種の状態に応じた色(緑色又は赤色)で点灯又は点滅される。
【0018】
操作キー群5は、電源キー5aと、センタートリガーキー5bを含む複数のキーから構成される。センタートリガーキー5bは伝票の撮影指示に使用される。なお、操作キー群5を構成する各々キー(図中では符号を省略する)には、ファンクションキーや数字キー等が含まれ、情報読み取り装置1の各種の操作に使用される。
【0019】
また、
図1(b)に示すように、情報読み取り装置1の裏面側には、伝票を撮影するためのカメラ7とLEDライト8が設けられている。なお、カメラ7はAF(Auto Focus)機能を有している。さらに、情報読み取り装置1の両側面には、センタートリガーキー5bと同様に伝票の撮影指示に使用されるサイドトリガーキー9がそれぞれ設けられている。
【0020】
図2は、情報読み取り装置1の電気的構成の概略を示すブロック図である。情報読み取り装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、CPU11に接続されたRAM(Random Access Memory)12と、主記憶装置13、記録部14、表示部15、タッチパネル16、インジケータ部17、キー入力部18、カメラ部19、放音部20、通信部21から構成されている。
【0021】
主記憶装置13は、情報読み取り装置1に内蔵されたフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリにより構成される。主記憶装置13には、制御プログラムを記憶する制御プログラム領域13aと、ユーザに設定された情報読み取り装置1の動作に関する各種の設定情報を記憶する設定情報領域13bと、撮影画像を一時記憶する画像領域13cとが確保されている。
【0022】
ここで、情報読み取り装置1は複数種の伝票に対応可能であり、設定情報領域13bには、ユーザにより予め設定された複数種類の伝票に関する情報(以下、伝票情報)が記憶されている。また、設定情報領域13bには、ユーザによって予め設定された撮影対象となる伝票を示す情報や、情報読み取り装置1の動作内容に関する情報を含む各種の設定情報も記憶されている。
【0023】
CPU11は、主記憶装置13から制御プログラムを読み出してRAM12に展開し、展開した制御プログラムに基づき情報読み取り装置1の動作を制御する。
【0024】
表示部15は、ディスプレイ2及びその駆動回路から構成される。ディスプレイ2は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro Luminescent Display)である。タッチパネル16は、ディスプレイ2の表面に一体的に設けられた感圧式や静電式のタッチパネルであり、ユーザによる操作情報をCPU11に供給する。
【0025】
インジケータ部17は、第1のインジケータ3と第2のインジケータ4を構成するLEDと、それを駆動する駆動回路から構成される。なお、インジケータ部17には、LEDライト8及びその駆動回路も含まれる。キー入力部18は、センタートリガーキー5b等の複数のキーから構成され、情報読み取り装置1を使用するユーザによる操作情報をCPU11に供給する。
【0026】
カメラ部19は、伝票等の被写体を撮影し、撮影した画像のデータをCUP11へ供給する。CUP11へ供給された画像データはライブビュー画像として表示部15のディスプレイ2に表示されたり、記録部14に記憶(保存)されたりする。
【0027】
図3は、カメラ部19の詳細を示した図である。
図3に示したように、CMOS(Complementary Meta1 0xide Semiconductor)センサ31と、それを駆動するセンサ駆動回路32と、画像処理回路33と、フォーカスレンズ34を含む光学系35と、AF(Auto Focus)駆動回路36とから構成される。
【0028】
CMOSセンサ31は、センサ駆動回路32によって所定のフレームレートで駆動され、光学系35により結像された被写体の光学像を撮像し、撮像信号を画像処理回路33へ出力する。なお、本実施形態においてCMOSセンサ31の有効画素数は500万画素(2592ドット×1944ドット)である。
【0029】
画像処理回路33は、CMOSセンサ31から送られた撮像信号に対するアナログ処理や、デジタル信号への変換処理、明るさやホワイトバランス調整等の各種の画像処理を行い、処理後の画像データをCPU11へ供給する。
【0030】
センサ駆動回路32は、CPU11の指令に基づき所定のフレームレートでCMOSセンサ31を駆動する。また、センサ駆動回路32は、CMOSセンサ31を通常モード、垂直間引きモード、水平間引きモードの3種類の異なる駆動モードで駆動可能であり、CPU11の指令に基づきいずれかの駆動モードでCMOSセンサ31を駆動する。
【0031】
ここで、通常モードは、CMOSセンサ31から全画素の画素信号を読み出すモードである。垂直間引きモードは、CMOSセンサ31から1又は複数行置きに各行の画素信号を読み出すモードである。水平間引きモードは、CMOSセンサ31から1又は複数列置きに各列の画素信号を読み出すモードである。なお、以下の説明においては、垂直間引きモードと水平間引きモードとを間引きモードと総称する。
【0032】
AF(Auto Focus)駆動回路36は、CPU11の指令に基づき光学系35を駆動し、撮影距離に応じて自動的に焦点を調整する。
【0033】
一方、記録部14は、例えば情報読み取り装置1に着脱自在な各種のメモリカード、及びメモリカードへのデータの入出力を可能とするカードインターフェイスにより構成される。記録部14には、伝票を撮影した撮影画像から伝票部分を切り出した伝票画像、つまり伝票の画像情報と、バーコードから取得した識別情報とを含む伝票データが随時記憶される。
【0034】
放音部20は、音声発生回路とアンプとスピーカ6とから構成され、必要に応じて各種の報知音を放音する。通信部21は、必要に応じて有線又は無線通信によって外部のデータ管理サーバ51との間で通信を行い、記録部14に記憶(保存)されている複数枚の伝票の伝票データを送信する。
【0035】
なお、データ管理サーバ51は、複数台の情報読み取り装置1から供給される多量の伝票データを管理するコンピュータであり、伝票データは、通信部21の通信によってデータ管理サーバ51へ供給される。なお、伝票データは、メモリカードによってもデータ管理サーバ51へ供給される。また、情報読み取り装置1とデータ管理サーバ51との間の通信は任意の通信ネットワークを介して行うこともできる。
【0036】
そして、情報読み取り装置1には、伝票を撮影して伝票画像とバーコードの識別情報と伝票データを取得し記録部14に保存するための伝票撮影モードと、記録部14に保存されている伝票データを通信部21を介して外部の情報処理装置へ出力するデータ出力モードとを含む複数の動作モードが設けられている。
【0037】
次に、
図4を用いて、情報読み取り装置1が撮影対象とする伝票について説明する。
図4は、撮影対象となる伝票101の一例であって、例えば宅配業者が使用する配送用伝票を示した図である。この伝票101は横長の長方形状であり、その下部側に、配送元である依頼主の住所や氏名等を記載する依頼主欄102と配送先の住所や氏名等を記載する配送先欄103が設けられ、その右上部に、この伝票101に割り当てられた識別情報を示すバーコード104が記載されている。
【0038】
ここで、一般的な伝票の実サイズは、A4の紙100のサイズ(縦297mm×横210mm)よりも小さく、例えば
図3に示したように(縦115mm×横230mm)である。
【0039】
一方、伝票101を撮影し伝票画像として保存する場合、その伝票画像に25.4mm(1インチ)で200ドット以上(200dpi以上)の解像度を確保すれば、電子帳簿保存法による規定を満たすことができる。
【0040】
例えば、
図4に示したように、A4サイズの紙100の画像を200dpiで保存する場合、その画素数サイズは、縦2,338ドット、横1,654ドット、総画素数が3,867,052画素となる。したがって、伝票101の実サイズが
図4に示したサイズであれば、伝票画像の画素数サイズは、縦906ドット、横1810ドット、総画素数が1,639,860画素である。係ることから、総画素数が400万画素以上の画像が記録できれば、伝票101等の一般的な伝票に対応することができる。
【0041】
そして、主記憶装置13の設定情報領域13bには、伝票101を200dpiの伝票画像として保存するために使用される伝票画像の縦方向と横方向の最小画素数、つまり基準の画素数サイズと、バーコード104の伝票101内での位置に関する情報が、伝票の実サイズ(縦寸法と横寸法)とともに伝票情報として記憶されている。
【0042】
なお、上記基準サイズは、伝票101の撮影画像の画素数サイズを最大画素数(500万画素)としたときの画素数である。また、バーコード104の位置に関する情報は、伝票101内でのバーコード104の記載領域を例えば伝票101の右上を基準として示すものである。
【0043】
次に、
図5及び
図6を用いて、ユーザである撮影者が情報読み取り装置1を使用して伝票101を撮影し、バーコード104の識別情報を読み取る際の動作について説明する。
図5及び
図6は、電源投入に伴いCPU11が主記憶装置13(制御プログラム領域13a)に記憶されている制御プログラムに従い実行する伝票撮影モードでの処理を示したフローチャートである。
【0044】
伝票撮影モードにおいてCPU11は、直ちに撮影対象として予め指定されている伝票の伝票情報を主記憶装置13(設定情報領域)から読み出す(ステップS1)。次にCPU11は、CMOSセンサ31の駆動モードを通常モードに設定し、ライブビュー表示を開始する(ステップS2)。すなわち所定のフレームレート(例えば50fps)で全画素の画像データを取得し、取得した画像データに基づく画像(以下、ライブビュー画像)のディスプレイ2での表示を開始する。
【0045】
なお、本実施形態では、撮影時に情報読み取り装置1を横向き状態で使用する仕様であり、後述する
図7に示すようにライブビュー画像Gはディスプレイ2の画面中央領域2aに表示される。なお、ディスプレイ2の他の画面領域2b,2cにはライブビュー画像G以外の他の情報(図示せず)が表示される。
【0046】
次に、CPU11は、逐次取り込んだフレーム毎(数フレーム毎でもよい。)のライブビュー画像Gから伝票101に印刷又は貼付されたバーコード104を認識する(ステップS3)。なお、バーコード104の認識は、ライブビュー画像Gからバーコード104のモジュールである一定の長さの複数本の黒バー及び白バーが水平方向又は垂直方向に並ぶ領域を二値化処理やパターン検出等の公知の画像処理技術を用いて検出することにより行われる。
【0047】
そして、CPU11は、バーコード104が認識できるまで新たなフレームのライブビュー画像Gに対して認識処理を繰り返し実行する(ステップS4:NO)。
【0048】
その間、バーコード104が認識できると(ステップS4:YES)、CPU11は、ライブビュー画像Gで認識したバーコード104に対応するバーコード領域104gを特定し(
図7(a)参照)、そのバーコード領域104gの読み取り方向の大きさ(以下、読み取り方向サイズという。)を取得する(ステップS5)。
【0049】
ここでバーコード領域104gは、バーコード104の種類に対応する特定の縦横比を有する領域であり、バーコード104に外接する領域である。読み取り方向Aはバーコード104の各モジュール(黒バー及び白バー)の並び方向である。ステップS5の処理に際してCPU11は、
図7(a)に示したようにバーコード104が画像内で横向きである場合にはバーコード領域104gの横方向の画素数を、逆にバーコード104が画像内で縦向きである場合には(図示せず)バーコード領域104gの縦方向の画素数を、それぞれ読み取り方向サイズとして取得する。
【0050】
そして、CPU11は、読み取り方向サイズが閾値以上でなければ(ステップS6:NO)、ステップS3の処理へ戻り、それ以降の処理を繰り返す。その後、
図7(b)に示したように撮影者によってライブビュー画像Gにおけるバーコード104の大きさが調整され、バーコード領域104gの読み取り方向サイズが閾値以上になると(ステップS6:YES)、その時点で、ユーザに対してバーコード104の読み取り開始を報知する(ステップS7)。具体的には、第2のインジケータ4を赤色に点灯することによって、バーコード104の読み取り開始を報知する。なお、
図7は、ライブビュー画像Gの変化の一例を示す図である
【0051】
引き続き、CPU11は、バーコード104の読み取り方向が横方向であれば(ステップS8:横)、CMOSセンサ31の駆動モードを垂直間引きモードに変更し(ステップS9)、バーコード104の読み取り方向が縦方向であれば(ステップS8:縦)、CMOSセンサ31の駆動モードを水平間引きモードに変更する(ステップS10)。これにより、これ以降のライブビュー画像Gは、CMOSセンサ31から1又は複数行置きに読み出された各行の画素信号からなる画像データ、又はCMOSセンサ31から1又は複数列置きに読み出された各列の画素信号からなる画像データに基づく画像(以下、画素間引き画像)となる。
図7に例示したようにバーコード104の読み取り方向Aが横方向である場合には、画素の間引き方向Bが縦(垂直)方向であり、縦方向に画素間引きされた画素間引き画像がライブビュー画像Gとなる。
【0052】
しかる後、CPU11は、バーコード領域104gを対象としてバーコードの読み取り処理を行ってバーコード104の識別情報を取得する(ステップS11)。そして、CPU11は、バーコードの読み取り処理が完了した時点で、ユーザに対してバーコード104の読み取り完了を報知する(ステップS12)。
【0053】
具体的には、第2のインジケータ4を緑色で所定回数点滅することによって、バーコード104の読み取り完了を報知する。なお、バーコード104の読み取り完了は、第2のインジケータ4ではなく、例えばディスプレイ2の各画面領域2a,2b,2cのいずれかに読み取り完了を示すマークや、ステップS11の処理で取得した識別情報(バーコード104がJAN(Japan Article Number)−13であれば12桁の数字である。)を表示することにより行ってもよい。
【0054】
以後、CPU11は、CMOSセンサ31の駆動モードを通常モードに変更し(ステップS13)、
図6に示した以下の処理を行う。
【0055】
すなわち、CPU11は、逐次取り込んだフレーム毎(数フレーム毎でもよい。)のライブビュー画像Gから伝票101に該当する領域(以下、伝票領域)Gaを認識する(ステップS14)。なお、伝票領域Gaについては
図8(a)、
図8(b)を参照。
図8は、ライブビュー画像Gの一例を示す図である。
【0056】
伝票領域Gaの認識は、例えばライブビュー画像Gに対してエッジ検出や直線認識を行い、認識した複数の直線に沿って区画される複数の矩形領域を検出し、その中で面積が最大の矩形領域を伝票領域Gaとして特定することにより行う。
【0057】
さらに、CPU11は、伝票領域Gaが認識できたか否か、即ち伝票領域Gaの認識が成功したか否かを判別する(ステップS15)。CPU11は、伝票領域Gaが認識できるまで、新たなフレームのライブビュー画像Gに対して認識処理を繰り返し実行する(ステップS15:NO)。
【0058】
一方、伝票領域Gaが認識できると(ステップS15:YES)、CPU11は、伝票領域Gaのサイズ(縦方向と横方向の画素数)を取得し、それが伝票情報により示される基準の画素数サイズ(以下、基準サイズ)以上であって、縦方向と横方向との双方の画素数が基準の画素数以上であるか否かを確認する(ステップS16)。つまりこの時点で撮影が行われた場合、伝票領域Gaを規定以上の解像度で記録することができるか否かを確認する。そして、CPU11は、その結果に応じて以下の処理を行う。
【0059】
まず、伝票領域Gaのサイズが基準サイズ以上でない場合(ステップS16:NO)、CPU11は、その時点でガイド枠111を赤色で表示していなければ(ステップS17:NO)、ガイド枠111を赤色でライブビュー画像Gに重畳して表示する(ステップS18)。
図8は、その際のライブビュー画像Gの一例を示す図である。
【0060】
次に、CPU11は、ライブビュー画像Gにおける伝票101のサイズ調整作業、具体的には画角や撮影距離の調整を促す音声ガイダンスを放音部20に出力させる(ステップS19)。音声ガイダンスは、例えば「伝票をもっと大きく写して下さい。」といったメッセージである。その後、CPU11はステップS14の処理に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0061】
なお、上記とは逆にその時点でガイド枠111を赤色で表示していれば(ステップS17:YES)、CPU11はステップS18、ステップS19の処理を省略して直ちにステップS14の処理に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0062】
一方、伝票領域Gaのサイズが基準サイズ以上である場合(ステップS16:YES)、CPU11は、その時点でガイド枠111を緑色で表示していなければ(ステップS17:NO)、ガイド枠111を緑色でライブビュー画像Gに重畳して表示する(ステップS20)。
【0063】
さらに、CPU11は、放音部20に所定の報知音を発生させることによって、伝票画像に規定の解像度が確保可能となった旨を撮影者に報知する(ステップS21)。なお、所定の報知音は、例えば「ピッピッ」といったブザー音である。しかる後、CPU11は撮影者による撮影指示の有無を確認し、撮影指示がなければ(ステップS22:NO)、ステップS14の処理に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0064】
なお、上記とは逆にガイド枠111を緑色で表示していれば(ステップS19:YES)、CPU11は、ステップS20、ステップS21の処理を省略して直ちに撮影者による撮影指示の有無を確認し、撮影指示がなければ(ステップS22:NO)、ステップS14の処理に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0065】
また、CPU11は、ステップS14以降の処理を繰り返す間、ライブビュー画像Gにおいて伝票領域Gaが認識できなくなると(ステップS15:NO)、その時点でガイド枠111を赤色又は緑色で表示していれば(ステップS25:YES)、ガイド枠111の表示をいったん中止した後(ステップS26)、ステップS14の処理に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0066】
そして、CPU11は、伝票領域Gaのサイズが基準以上である間(ガイド枠111が緑色である間)に撮影者から撮影指示があると(ステップS22:YES)、以下の処理を行う。
【0067】
すなわち、CPU11は、カメラ部19におけるAF制御を行うとともに(ステップS23)、伝票画像の記録に向けた撮影処理を行って撮影画像を取得する(ステップS24)。しかる後、CPU11は、その撮影画像を、
図5のステップS11において取得した識別情報をファイル名として記録部14に保存する(ステップS25)。つまりバーコードのコード情報と撮影画像とを関連付けて記録部14に保存する。これにより、CPU11は伝票撮影モードでの一連の処理を終了する。
【0068】
以上説明したように本実施形態においては、伝票101の撮影に際し、ライブビュー画像Gにおけるバーコード領域104gの読み取り方向サイズが閾値以上になると、自動的にバーコード104の読み取りが行われる。そのため、ユーザは、伝票101の撮影に向けた一連の作業中にバーコード104の読み取り作業を行うことができ、バーコード104の読み取り作業と伝票101の撮影作業とをスムーズに行うことができる。
【0069】
しかも、バーコード104の読み取り期間には、CMOSセンサ31の駆動モードを通常モードから間引きモード(垂直間引きモード又は水平間引きモード)に切り替える。つまりバーコード104の読み取り精度を維持したままライブビュー画像Gとして表示する画像の総画素数を削減し、ライブビュー画像Gの表示に係るCPU11の処理負荷を低減する。これにより、CPU11の画像処理能力に関係なく、処理負荷の大きなバーコード104の読み取り期間においても、他の期間と同様のフレームレートを確保することができる。以上のことから本実施形態によればバーコードの読み取りと帳簿書類等の撮影を並行して実施する際の作業性を向上させることができる。
【0070】
さらに、本実施形態においては、ライブビュー画像Gにおけるバーコード領域104gの読み取り方向サイズが閾値以上になった時点でバーコード104の読み取り開始を報知し、また、その読み取り処理が完了した時点で、それを報知する。これらにより撮影作業中のユーザにバーコード104の読み取り期間を明示することができる。その結果、ライブビュー画像G内の伝票101の位置や撮影距離が著しく変化してバーコード104の読み取りに支障が生じる事態を確実になくすことができる。
【0071】
なお、バーコード104の読み取り期間は極めて短時間であるため、本発明の実施に際しては、バーコード104の読み取り開始及び読み取り終了の報知を割愛してもよいが、ユーザの使い勝手の点から実施することが望ましい。
【0072】
ここで、本実施形態においては、バーコード104の読み取り期間に、CMOSセンサ31の駆動モードを通常モードから間引きモード(垂直間引きモード又は水平間引きモード)に切り替える構成について説明したが、以下のようにしてもよい。すなわちCMOSセンサ31の駆動モードとして、CMOSセンサ31からバーコード104に対応しない所定の領域を除く領域の画素を選択的に読み出す特定のモードを用意し、バーコード104の読み取り期間に、CMOSセンサ31をその特定のモードで駆動するよいにしてもよい。
【0073】
その場合であっても、バーコード104の読み取り作業と伝票101の撮影作業とをスムーズに行うことができると同時に、CPU11の画像処理能力に関係なく、処理負荷の大きなバーコード104の読み取り期間においても、他の期間と同様のフレームレートを確保することができる。つまり本実施形態と同様、バーコードの読み取りと帳簿書類等の撮影を並行して実施する際の作業性を向上させることができる。
【0074】
また、本発明における撮影対象は伝票101に限定されるものではなく、その他の帳簿書類であっても構わない。また、本発明はハンディターミナル等に限定されるものではなく、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistant)等、他の情報端末装置においても実施することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態、及びその変形例について説明したが、これらは本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
バーコードを備えた対象物の撮影待機中に撮像素子により撮像された画像を表示手段に逐次表示させる表示制御手段と、
前記画像からバーコードを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によるバーコードの読み取り期間における前記撮像素子の駆動モードを、バーコードの読み取り方向とは異なる方向に画素を間引いて読み出す特定の駆動モードに制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする情報読み取り装置。
(付記2)
前記画像内におけるバーコードのサイズを検出する検出手段を更に備え、
前記読み取り手段は、前記検出手段により検出されたサイズが閾値以上となったことに対応し、前記画像からバーコードを読み取ることを特徴とする付記1記載の情報読み取り装置。
(付記3)
前記検出手段により検出されたサイズが閾値以上となった旨を報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする付記1又は2記載の情報読み取り装置。
(付記4)
前記読み取り手段によるバーコードの読み取り完了を報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする付記1又は2,3記載の情報読み取り装置。
(付記5)
バーコードを備えた対象物の撮影待機中に撮像素子により撮像された画像を表示手段に逐次表示させるステップと、
前記画像からバーコードを読み取るステップと、
前記バーコードの読み取り期間における前記撮像素子の駆動モードを、バーコードの読み取り方向とは異なる方向に画素を間引いて読み出す特定の駆動モードに制御するステップと
を含むことを特徴とする情報読み取り方法。
(付記6)
コンピュータに、
バーコードを備えた対象物の撮影待機中に撮像素子により撮像された画像を表示手段に逐次表示させる処理と、
前記画像からバーコードを読み取る処理と、
前記バーコードの読み取り期間における前記撮像素子の駆動モードを、バーコードの読み取り方向とは異なる方向に画素を間引いて読み出す特定の駆動モードに制御する処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。
(付記7)
バーコードを備えた対象物の撮影待機中に撮像素子により撮像された画像を表示手段に逐次表示させる表示制御手段と、
前記画像からバーコードを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によるバーコードの読み取り期間における前記撮像素子の駆動モードを、バーコードに対応しない所定の領域を除く領域の画素を選択的に読み出す特定の駆動モードに制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする情報読み取り装置。