(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ガスバーナと前記ガスバーナを収容するコンロ本体部とを有するとともに、上面部に上面側開口部を備え且つ前面部に前面側開口部を備えたキャビネットに組み込まれ、前記コンロ本体部の前面側の壁部を構成する前面パネルが前記キャビネットの外部に露出して配置されるガスコンロを照射対象とする照明装置であって、
前記キャビネットの前記上面部よりも下方側且つ前記前面パネルの上方側に配置される保持部材と、
前記保持部材に保持され、少なくとも前記前面パネル側に照明光を照射する照明部と、
を有し、
前記保持部材は、前記キャビネットの前記上面部において前記上面側開口部の前側に位置する前側配置部と前記前面パネルとの間の隙間を埋めるためのスペーサを兼ねる
ガスコンロ用の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記照明装置は、ユーザによる所定動作を検知する検知部と、検知部が所定動作を検知した場合に照明部を照射状態に切り替え、所定の停止条件の成立に応じて照明部を照射停止状態に切り替える切替部を有していてもよい。
【0012】
上記照明装置は、ユーザが所定操作を行った場合に、この操作を検知して照明部を照射状態に切り替えることができるため、ユーザが所望の時期に照明部を動作させ得る構成となる。
【0013】
保持部材は、キャビネットの上面部において上面側開口部の前側に位置する前側配置部と前面パネルとの間の隙間を埋めるためのスペーサを兼ねていてもよい。
【0014】
上記照明装置は、保持部材が前側配置部(キャビネットの上面部において上面側開口部の前側に位置する部分)と前面パネルとの間の隙間を埋めるスペーサとして機能するため、この隙間の位置を利用して効率的に配置することができるとともに、隙間が存在することに起因する美観の低下やその他のデメリットを解消することもできる。
【0015】
上記照明装置は、保持部材の少なくとも一部として又は保持部材の組み付けられる部材として磁石が設けられていてもよい。コンロ本体部又はキャビネットの少なくともいずれかと保持部材とが磁石によって吸着される構成であってもよい。
【0016】
上記照明装置は、ガスコンロに対して保持部材を容易に着脱し得る構成となるため、作業者が照明装置に対する作業(メンテナンスなど)を行いやすくなる。また、磁石による吸着を利用して保持部材を固定することができるため、ガスコンロ側において螺子孔などの加工を削減又は省略することができる。
【0017】
上記照明装置は、保持部材が、前面パネルの上端部又は上端部の後方に隣接する隣接部の少なくともいずれかに支持される形で載置されるものであってもよい。そして、前面パネルの上端部又は隣接部の少なくともいずれかに対して保持部材の下面部に設けられた磁石が吸着する構成であってもよい。
【0018】
上記照明装置は、前面パネルの上端部又はこれに隣接する部分に磁石を吸着させて安定的に固定することができる。また、前面パネルの上端部又は隣接部に載置しつつ磁石による吸着によって保持部材を固定しているため、保持部材の位置をずらす操作が可能となり、微妙な位置調整(例えば、照明部の位置の調整)が行いやすくなる。
【0019】
上記照明装置は、保持部材の一部が前面パネルの前面よりも前側に配置されてもよい。そして、照明部は、保持部材において前面パネルの前面よりも前側に配置される部分に少なくとも一部が保持され、少なくとも一部が前面パネルの前面よりも前側に配置されていてもよい。
【0020】
上記照明装置は、前面パネルの前面よりも前側に照明部を配置し得る構成となり、前面パネルに照射する光の量をより大きくすることができる。
【0021】
<実施例1>
以下、実施例1について、図面を参照して説明する。
図1で示すガス調理システムSyは、ガスコンロ1とガスコンロ用の照明装置100(以下、照明装置100ともいう)とを備えたシステムとして構成されている。
【0022】
図1、
図2のように、ガスコンロ1は、ガスバーナ4,5,6、ガスバーナ4,5,6を収容するコンロ本体部1Aなどを有しており、キャビネット90に組み込まれるビルトインコンロとして構成されている。ガス調理システムSyは、
図3のような電気的構成となっており、
図4のような外観をなす。
【0023】
キャビネット90は、上面部92及び前面部94に上面側開口部92A、前面側開口部94Aをそれぞれ備えた箱型の家具であり、ガスコンロ1を収容しつつ保持する構成をなす。
図1の例では、ガスコンロ1における上部側の一部が上面側開口部92Aに入り込んだ形となっており、天板3やガスバーナ4,5,6などが上面部92の上方側においてキャビネット90の外側に露出して配置されている。また、ガスコンロ1における前面部側の一部が前面側開口部94Aに入り込んだ形となっており、前面パネル20、点火ボタン11〜14、グリル扉7Aなどがキャビネット90の外部前側に露出して配置されている。
【0024】
以下の説明では、ガスコンロ1において、板状に構成された天板3の板面方向のうち、短手方向を前後方向とし、前後方向と直交する方向である天板3の長手方向を左右方向とする。更に、前後方向及び左右方向と直交する方向である天板3の板厚方向を上下方向として説明する。
図1では、左右方向がガスコンロ1の左右方向であり、上下方向がガスコンロ1の上下方向である。また、
図2では、左右方向がガスコンロ1の前後方向であり、上下方向がガスコンロ1の上下方向である。具体的には、
図4において、左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方を、それぞれ、ガスコンロ1の前方、後方、右方、左方とする。
【0025】
まず、ガスコンロ1について説明する。
ガスコンロ1は、
図2で示すようにシステムキッチンのカウンタトップに設けられた開口(即ち、キャビネット90の上面部92に形成された上面側開口部92A)に落とし込まれて設置されるビルトインコンロであり、
図5のような外観をなしている。
【0026】
図5のように、ガスコンロ1はコンロ本体部1Aによって外殻(ケース体)が構成されており、このコンロ本体部1Aの内部にガスバーナなどの各種部品が収容された構成をなす。コンロ本体部1Aは、箱状の筐体部2と、筐体部2の上端部に固定される天板3と、筐体部2の前端部に固定される前面パネル20とを備える。
【0027】
筐体部2は、公知の金属材料を主体として上方側が開放した箱状に構成されている。左右に一対の側壁部(
図2、
図5では、一方の側壁部2Cのみを図示)を備えるとともに、これら側壁部の後端部に連結される形で後壁部2B(
図2)が設けられる。また、筐体部2の前面部(図示略)はフレーム状又は壁状に構成されており、これら前面部、側壁部、後壁部によって筐体部2の内部空間の前後左右を囲む構成をなし、これら前面部、側壁部、後壁部の下部には底壁部2Eが連結されている。筐体部2は、これらの壁部によって上部が開口した箱状形態をなしており、筐体部2の上端部には、天板3(トッププレート)が取り付けられている。
【0028】
図1、
図2のように、天板3は、板状に構成されると共にガスバーナを露出させるための開口部(貫通孔)が複数個形成された構成をなす。天板3は、キャビネット90の上面部92に上側に配置される。前面パネル20は、コンロ本体部1Aの前面部を構成する板状の壁部であり、例えば、金属材料又は樹脂材料を主体として構成されている。本構成では、前面パネル20は、筐体部2とは別部材として構成され、筐体部2の前端部を覆うように筐体部2に対して固定されているが、前面パネル20と筐体部2とが一体的に構成されていてもよい。
【0029】
図5のように、天板3において右手前(右端寄りかつ前端寄りの位置)にはガスバーナ(右バーナ)4、左手前(左端寄りかつ前端寄りの位置)にはガスバーナ(左バーナ)5、中央奥側にはガスバーナ(奥バーナ)6が夫々設けられている。各ガスバーナ4〜6のそれぞれには、点火する為のイグナイタ27(
図3参照)が設けられている。
【0030】
筐体部2の中央付近には、グリル部8が設けられている。グリル部8は、箱状に構成されたグリル庫8A、グリル庫8Aを開閉するグリル扉8B、ガスバーナとして構成されるとともにグリル庫8A内に配置されるグリルバーナ(図示略)、グリル扉8Bの後方側においてグリル扉8Bと一体的に設けられる受け皿、受け皿の上に載置される焼き網などを備える。受け皿はグリル庫8Aの底面部に載置されており、グリル扉8Bを前方側に引き出すように操作することで、グリル扉8Bとともに受け皿及び焼き網が一体的に引き出されるようになっている。なお、グリル庫8Aにレールユニットを設けて、グリル扉8Bや受け皿などをレールユニットによって前後方向に案内する構成となっていてもよい。なお、天板3において後端寄りの位置には、グリル庫8Aと連通するグリル排気口9が設けられている。
【0031】
図5のように、筐体部2の前面の右寄りには2つの点火ボタン11、14が、左寄りにはもう2つの点火ボタン12、13が設けられている。点火ボタン11は、ガスバーナ4の点火及び消火を操作するために対応付けられた操作ボタンであり、点火ボタン12は、ガスバーナ5の点火及び消火を操作するために対応付けられた操作ボタンであり、点火ボタン13は、ガスバーナ6の点火及び消火を操作するために対応付けられた点火ボタンである。点火ボタン14は、グリル部8のガスバーナ(グリルバーナ)の点火及び消火を操作するための操作ボタンである。各点火ボタン11〜14は、前面パネル20の前面よりも前方へ突出して設けられ、筐体部2の内部に設けられた制御回路70(
図3)と接続されており、使用者が押し込み操作すると、制御回路70による制御により、その操作されたボタンに対応するガスバーナの点火又は消火が行われるようになっている。
【0032】
レバー16A,16B,16C,16Dはそれぞれ、対応するガスバーナ4〜6又はグリル部8のグリルバーナにおける火力を調整するための火力調整レバーである。点火ボタン12,13の下側には、ガスコンロ1に電力を供給するための電池を収容する電池ボックス18が設けられている。点火ボタン11,14の下側には、
図4の実線で示す収納位置と、
図4の二点鎖線で示す前側傾倒位置との間で変位するように開閉可能とされた開閉パネル19が回動可能に配置され、この開閉パネル19と一体的に、各種設定操作を行うための操作部30が設けられている。
【0033】
図3を参照し、ガスコンロ1の電気的構成について説明する。
ガスコンロ1はコントローラとしての制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、不揮発性メモリ74、タイマ75等を備える。CPU71はガスコンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72はガスコンロ1の各種制御プログラムなどを記憶する。RAM73は、ガスコンロ1の各種情報などを記憶する。
【0034】
制御回路70には、電源回路81、スイッチ入力回路82、操作部回路83、点火ボタン操作回路84、イグナイタ回路85、電磁弁回路86、駆動回路91等が各々接続されている。
【0035】
電源回路81は、公知の電源回路として構成されており、電池ボックス18内に収容される2つの乾電池15からの電力供給に基づいて各種回路に印加する電源電圧を生成する機能を有する。また、電源回路81に付随する回路として、電池15の出力電圧を検出する検出回路も設けられ、この回路は電池15の出力電圧を監視する機能を有する。スイッチ入力回路82は電源スイッチ10の押下を検出する。
【0036】
操作部回路83は、操作部30に対する外部からの各種操作を検出し、制御回路70に入力する。点火ボタン操作回路84は点火ボタン11〜14の押下を検出し、押下された点火ボタンを特定し得る信号を制御回路70に入力する。イグナイタ回路85は、制御回路70からの指令を受け、各種バーナ4〜6及びグリルバーナのそれぞれに設けられたイグナイタ27を駆動する。電磁弁回路86は、制御回路70からの指令を受け、各種バーナ4〜6及びグリルバーナのそれぞれのガス供給管(図示略)に設けられた安全弁及び火力調整弁等の各種電磁弁28を制御する。なお、
図3では、各ガスバーナ4〜6及び図示しないグリルバーナに設けられたイグナイタを符号27で簡略的に示しているが、実際は、複数のイグナイタ27が各ガスバーナに対応付けて個別に設けられ、イグナイタ回路85が点火操作に応じたイグナイタを個別に制御し得るようになっている。また、
図3では、各ガスバーナへガスを供給するための各ガス供給路に設けられた電磁弁を符号28で簡略的に示しているが、実際は、複数の電磁弁28が各ガス供給路に対応付けて個別に設けられ、電磁弁回路86が各電磁弁を個別に制御し得るようになっている。
【0037】
ガスコンロ1には、
図3で示す回路以外にも、音声合成回路やスピーカなどからなる音声装置、発光制御回路や発光部などからなる発光装置、ブザー回路などを設けることができ、
図3ではこれらの回路の図示を省略している。
【0038】
次に照明装置100について説明する。
図4のように、照明装置100は、ガスコンロ1とともにガス調理システムSyを構成する。照明装置100は、ガスコンロ1に対して着脱可能とされており、ガスコンロ1の前面部の少なくとも一部に照明光を照射し得る装置として構成されている。
【0039】
図5のように、照明装置100の取付対象となるガスコンロ1は、天板3の前端部3A(前側の縁部)が左右方向に延びる形で直線状に構成され、前面パネル20の上端部20Aが左右方向に延びる形で直線状に構成されている。そして、この前端部3Aと上端部20Aとによって左右方向に延びる溝部25が構成されている。前面パネル20は、前後方向を板厚方向とする板状の前壁部21と、この前壁部21と一体的に構成されるとともに前壁部21の上端から略直角に折れ曲がる形で平面状且つ板状に構成された後方延出部22とを備え、前壁部21の上端と後方延出部22とが上端部20Aを構成する。後方延出部22は磁性体によって構成され、
図4のように、照明装置100は後方延出部22の上面上に載置される形で設置される。
【0040】
図4のように、照明装置100は、照明部120と、この照明部120を保持する保持部材としてのフィラー部110と、フィラー部110を装着するための複数の磁石150とを有しており、照明部120及び磁石150がフィラー部110に一体的に組み付けられた構成となっている。
【0041】
フィラー部110は、公知の樹脂材料などによって長手状且つ板状に構成されており、
図2のようにキャビネット90の上面部92よりも下方側であって且つコンロ本体部1Aの前面側の壁部を構成する前面パネル20の上方側に配置されている。具体的には、
図1、
図7のように、前面パネル20の上端部20Aが、キャビネット90の前面側開口部94Aの上縁部95との間で横方向に延びる隙間部98を構成する。フィラー部110は、隙間部98内の空間を埋める状態で配置され、正面視したときに前面パネル20の上端部20Aと前面側開口部94Aの上縁部95との間から視認されるものとなっている。なお、
図1、
図2では、上端部20Aと上縁部95とによって構成される部分を隙間部98として示し、隙間部98の領域を符号Dで示す。
【0042】
図1、
図2で示す例では、キャビネット90の上面部92において上面側開口部92Aの前側に位置するように前側配置部96が設けられている。前側配置部96は、キャビネット90において上面部92に設けられた上面側開口部92Aよりも前側の部分且つ前面部94に設けられた前面側開口部94Aよりも上側の部分である。
図1、
図2の例では、前面パネル20の上端部20Aと上述した前側配置部96とが上下に間隔をあけて配置され、これらによって隙間部98(前側配置部96の下面部と前面パネル20の上端部とによって構成される部分)が設けられている。即ち、フィラー部110が存在しない場合には、前面パネル20と前側配置部96との間に隙間が生じるようになっている。フィラー部110(保持部材)は、この前側配置部96と前面パネル20との間の隙間を埋めるためのスペーサとして機能する。
【0043】
図1、
図4、
図6のように、フィラー部110は、左右方向において、グリル部8よりも照明部120側の位置且つ両照明部120よりもグリル部8側の位置に、筐体部2や前面パネル20を構成する主体材料(鉄やアルミニウムなどの金属材料)よりも相対的に熱伝導率が小さい伝熱抑制部材180を設けてもよい。そして、左右方向において伝熱抑制部材180の両側に、伝熱抑制部材180よりも熱伝導率が大きい第2部材182を配置し、伝熱抑制部材180と第2部材182とが一体化された形態で長手状のフィラー部110を構成してもよい。そして、
図4のような設置時に、伝熱抑制部材180が左右方向において両照明部120とグリル部8との間の位置に配置されるようになっていてもよい。このように構成した場合、グリル部8側で生じた熱が、フィラー部110を介して照明部120に伝達されることを伝熱抑制部材180によって抑えることができる。
【0044】
また、
図6のように、フィラー部110において、空気を通すための通気孔118が形成されていてもよい。通気孔118は、フィラー部110の第1の面と第2の面との間を連通するように構成することができ、
図6の例では、各照明部112に近い位置に2つの通気孔118が形成され、いずれの通気孔118も、フィラー部110の上面部に一端側の開口部118Aが設けられ、フィラー部110の後面部に他端側の開口部118Bが設けられている。そして、これら開口部118A,118Bの間が空間として連通し、これらの間で空気が流れ得る構成となっている。
図6の例では、左右方向において各照明部120が設けられた領域と孔内の空間とが重なるように各通気孔118が形成されている。
【0045】
磁石150は、例えば永久磁石として構成され、フィラー部110(保持部材)の下面部に対して接着剤や接着シートなどの接着媒体、或いはねじ等の連結部材によって固定されている。
図6の例では、例えば、長手状且つ板状に構成されたフィラー部110の厚さ方向一方面(下面)に対して板状に構成された複数の磁石150が固定されており、フィラー部110と磁石150とが一体化している。そして、
図1、
図2、
図4のように、コンロ本体部1Aの一部をなす平面状の部分(具体的には、
図5で示す前面パネル20の後方延出部22)に対して磁石150の下面が接触し、後方延出部22とフィラー部110(保持部材)とが磁石150によって吸着する形で取り付けられる。本構成では、後方延出部22が前面パネル20の上端部20Aの一部として構成されている。つまり、フィラー部110は、前面パネル20の上端部20Aに磁石150を介して吸着される構成となっている。
【0046】
照明部120は、フィラー部110(保持部材)に保持され、少なくともフィラー部110の下方側(具体的には前面パネル20側)に照明光を照射する構成をなしている。照明部120は、LEDなどの公知の発光手段によって構成されており、例えば、フィラー部110の下面に固定される形でフィラー部110と一体化されている。
図6の例では、複数の照明部120が、左右方向において互いに離間した位置関係で間隔をあけて配置され、それぞれがフィラー部110の下面における前端寄りの位置に固定されている。これら照明部120は、フィラー部110に対して直接取り付けられていてもよく、他部材を介して間接的に取り付けられてもよい。
【0047】
このように構成された照明装置100は、
図2、
図4のように、フィラー部110(保持部材)が前面パネル20の上端部20Aに支持される形で載置されるとともに、フィラー部110(保持部材)の下面部に設けられた磁石150と上端部20Aとが吸着する構成をなし、且つフィラー部110(保持部材)の下面部の一部が前面パネル20の前面よりも前側に位置するように設置される。そして、
図2、
図7のように、フィラー部110(保持部材)の下面部において前面パネル20の前面よりも前側に配置される部分に、照明部120が設けられる。照明部120は、このような位置から下方側に向けてある程度の広がりをもって照明光を照射するため、この照明光によって前面パネル20付近が照らされることになる。
【0048】
図6のように、照明装置100は、少なくとも一部がフィラー部110の内部に配置される電池収納部160を有する。電池収納部160は、
図6のように全部がフィラー部110内に埋め込まれていてもよく、一部がフィラー部110の外側に配置されていてもよい。電池収納部160に収納された電池168は、ガスコンロ1の電源となる電池15とは異なる電池であり、照明部120は、電池収納部160に収納された電池168から供給される電力に基づいて光を照射する構成となっている。
【0049】
図3、
図6で示すように、照明装置100は、外部からのオン操作及びオフ操作を受ける切替操作部170と、切替操作部170に対するオン操作に応じて照明部120をオン状態に切り替え、切替操作部170に対するオフ操作に応じて照明部120を切り替える制御部140とを有している。そして、これら切替操作部170及び制御部140が、フィラー部110に取り付けられている。切替操作部170は、ユーザによる所定動作を検知する検知部として機能するものであり、例えば、人の操作によってスイッチの状態を切り替えることが可能であり、オン操作されたときにオン状態が保持され、オフ操作されたときにオフ状態が保持されるスイッチなどを用いることができる。具体的には、DIPスイッチ、タクタイルスイッチ、ロッカースイッチ、トグルスイッチ、サムロータリスイッチなど、公知の様々なスイッチを使用することができる。制御部140は、切替部として機能し、検知部が所定動作を検知した場合に照明部120を照射状態に切り替え、所定の停止条件の成立に応じて照明部120を照射停止状態に切り替える。具体的には、例えば、切替操作部170に対してオン操作がなされ、切替操作部170がオン状態で維持されているときに、制御部140は、照明部120に照明光を照射する動作を行わせ、切替操作部170に対してオフ操作がなされ、切替操作部170がオフ状態で維持されているときには、制御部140は、照明部120の照明動作を停止させる。
【0050】
次に、本構成の効果を例示する。
図1等で示す照明装置100は、フィラー部110(保持部材)に保持される照明部120によって前面パネル20側に照明光を照射することができるため、ユーザが前面パネル20付近を操作する際の視認性を高めることができる。また、フィラー部110(保持部材)がキャビネット90の上面部92よりも下方側且つ前面パネル20の上方側に配置され、このフィラー部110(保持部材)に保持される形で照明部120が設けられるため、美観を損ないにくく他部品の配置に比較的影響が少ない位置にフィラー部110(保持部材)及び照明部120を効率的に配置することができる。
【0051】
照明装置100は、ユーザによる所定動作を検知する検知部(例えば切替操作部170)と、検知部が所定動作を検知した場合に照明部120を照射状態に切り替え、所定の停止条件の成立に応じて照明部120を照射停止状態に切り替える切替部(例えば制御部140)とを有する。
【0052】
この照明装置100は、ユーザが所定操作を行った場合に、この操作を検知して照明部120を照射状態に切り替えることができるため、ユーザが所望の時期に照明部120を動作させ得る構成となる。
【0053】
フィラー部110(保持部材)は、キャビネット90の上面部92において上面側開口部92Aの前側に位置する前側配置部96と前面パネル20との間の隙間を埋めるためのスペーサを兼ねる。
【0054】
この照明装置100は、フィラー部110(保持部材)が前側配置部96と前面パネル20との間の隙間を埋めるスペーサとして機能するため、この隙間の位置を利用して効率的に配置することができるとともに、隙間が存在することに起因する美観の低下やその他のデメリットを解消することもできる。
【0055】
照明装置100は、フィラー部110(保持部材)の少なくとも一部として又はフィラー部110の組み付けられる部材として磁石150が設けられる。そして、コンロ本体部1Aとフィラー部110とが磁石150によって吸着される構成となっている。
【0056】
この照明装置100は、ガスコンロ1に対してフィラー部110(保持部材)を容易に着脱し得る構成となるため、作業者が照明装置100に対する作業(メンテナンスなど)を行いやすくなる。また、磁石150による吸着を利用してフィラー部110を固定することができるため、ガスコンロ1側において螺子孔などの加工を削減又は省略することができる。
【0057】
フィラー部110(保持部材)は、前面パネル20の上端部又は上端部の後方に隣接する隣接部の少なくともいずれかに支持される形で載置される。そして、前面パネル20の上端部又は隣接部の少なくともいずれかに対してフィラー部110の下面部に設けられた磁石150が吸着する構成となっている。
【0058】
この照明装置100は、前面パネル20の上端部又はこれに隣接する部分に磁石150を吸着させて安定的に固定することができる。また、前面パネル20の上端部又は隣接部に載置しつつ磁石150による吸着によってフィラー部110(保持部材)を固定しているため、フィラー部110の位置をずらす操作が可能となり、微妙な位置調整(例えば、照明部120の位置の調整)が行いやすくなる。
【0059】
照明装置100は、フィラー部110(保持部材)の一部が前面パネル20の前面よりも前側に配置される。そして、照明部120は、フィラー部110において前面パネル20の前面よりも前側に配置される部分に少なくとも一部が保持され、少なくとも一部が前面パネル20の前面よりも前側に配置される。
【0060】
この照明装置100は、前面パネル20の前面よりも前側に照明部120を配置し得る構成となり、前面パネル20に照射する光の量をより大きくすることができる。
【0061】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0062】
実施例1では、保持部材としてフィラー部110を例示し、照明部120がフィラー部110に保持された構成を例示したが、この例に限定されない。実施例1の構成又は実施例1の構成を変更したいずれの例においても、保持部材は、キャビネットの上面部よりも下方側且つ前面パネルの上方側に配置される部材であり、且つ照明部を保持し得る部材であれば、例えばフィラー部ではなく、他の保持部材によって保持される構成であってもよい。この場合の保持部材の取付位置は、キャビネットであってもよく、ガスコンロであってもよい。
【0063】
実施例1では、フィラー部110は、前面パネル20の上端部20Aとキャビネット90における前面側開口部94Aの上縁部95とによって構成される隙間部98内の空間を埋める状態で配置されていたが、正面視したときにフィラー部が視認できる位置であれば、前面パネルの上端部と前面側開口部の上縁部とによって構成される隙間部の後方側の空間を埋める状態でフィラー部が配置されていてもよい。この場合も、フィラー部に直接又は他部材を介して間接的に照明部が取り付けられていればよい。
【0064】
実施例1では、保持部材に相当するフィラー部110が前面パネル20の上端部20Aに支持される形で配置されていたが、この例に限定されない。例えば、前面パネルの上端部がそれほど後方側に延出しておらず、その上端部の後方に他の隣接部(例えば、筐体部2の一部のフレームなど)が隣接するように固定された構成の場合、例えば、上端部の後方に隣接する隣接部に支持される形で保持部材が載置されていてもよい。例えば、前面パネルの上端部の後方に隣接する隣接部に対して磁石によって吸着されるように保持部材及び照明装置が構成であってもよい。
【0065】
実施例1では、コンロ本体部1Aに磁石150が吸着する構成であったが、例えば、保持部材に固定された磁石がキャビネットに吸着する形で照明装置が取り付けられるようになっていてもよい。
【0066】
磁石150は、フィラー部110(保持部材)に組み付けられる部材として構成されていたが、フィラー部(保持部材)の少なくとも一部として磁石が設けられていてもよい。
【0067】
実施例1では、伝熱抑制部材180がフィラー部110の一部として構成されていたが、伝熱抑制部材がフィラー部に取り付けられる別部材として構成されていてもよい。
【0068】
実施例1では、通気孔118を例示したが、フィラー部に形成される通気孔の位置や形状は様々に変更できる。
【0069】
実施例1で示したフィラー部110に加え、フィラー部110に取り付けられる別部材として
図6の二点鎖線で示すような放熱部材190を設けてもよい。放熱部材190は、フィラー部110よりも熱伝導率が大きい材料(放熱性の高い金属材料など)によって構成することができ、例えば、
図6(A)の二点鎖線で示すような位置に板状の放熱部材190をフィラー部110に密着させて取り付けてもよく、
図6(B)の二点鎖線で示すような位置に放熱部材190を取り付けてもよい。
【0070】
実施例1では、照明部120に電力を供給する電源としての電池168を、フィラー部110に配置した構成を例示したが、この例に限定されない。実施例1の構成又は実施例1の構成を変更したいずれの例においても、電池168及び電池収納部160は、様々な場所に配置することができる。例えば、キャビネットやサイドモールなどに着脱可能に取り付けるようにしてもよい。
【0071】
実施例1では、照明部120に電力を供給する電源として、ガスコンロ1とは独立した電池168(乾電池など)を例示したが、この例に限定されない。実施例1の構成又は実施例1の構成を変更したいずれの例においても、例えば、照明部120がガスコンロからの電力によって動作するように構成されていてもよい。或いは、二次電池や太陽電池などを電源として照明部120が動作するようになっていてもよい。
【0072】
上記照明装置100は、操作部30が後方側に退避した退避位置(
図4の実線位置)と退避位置よりも前方側に移動した前方位置と(
図4の二点鎖線の位置)に変位する構成となっており、照明部120は、前方位置にあるときの操作部30よりも上方に位置するようになっているため、操作部30が前方位置にあるときに当該操作部30に対して照明光の少なくとも一部を照射するようになっていてもよい。例えば、操作部30が前方位置に移動する動作を所定動作として検知する検知部を設け、切替部に相当する制御部140は、操作部30が前方位置に移動する動作を検知部が検知した場合に照明部120を照射状態に切り替えるように機能してもよい。この構成では、ユーザが操作部30を前方位置に移動させた場合に、その移動動作を検知し、照明部120を照射状態に切り替えることができる。従って、ユーザは、操作部30を前方位置に移動させるという簡易な操作を行えば、その操作部30を、照明光が照射された視認性の高い状態とすることができる。このように構成する場合、操作部30が後方位置に移動されたことを検知し得るように検知部を構成とし、制御部140は、操作部30が後方位置に移動された場合に照明部120の動作を停止させるようにしてもよい。
【0073】
上述したいずれの例においても、制御部140は、照明部120による照明光の照射開始から一定時間経過した場合に照明部120の動作(照明光照射動作)を停止させるように機能してもよい。
【0074】
実施例1では、キャビネットの上面部よりも下方側且つ前面パネルの上方側に保持部材が配置される構成の一例として、
図7のように、前面側開口部94Aの上縁部95と前面パネル20の上端部20Aとの間にフィラー部110が載置される構成を例示したが、この例に限定されない。実施例1の構成又は実施例1の構成を変更したいずれの例においても、例えば、
図7に示す上縁部95又は上縁部95の後方側部分に対し、キャビネットに貼り付けられる形態等により保持部材が保持されていてもよい。また、上縁部95の後方側の部分の下面が上縁部95よりも上位置にあるような構成では、この位置に保持部材を貼り付けてもよい。この場合、保持部材は、一部が前面側開口部94Aよりも上位置に配置されていてもよい。