特許第6893022号(P6893022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6893022-スイッチ装置及びマルチコプター 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893022
(24)【登録日】2021年6月2日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】スイッチ装置及びマルチコプター
(51)【国際特許分類】
   B64D 25/00 20060101AFI20210614BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20210614BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20210614BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   B64D25/00
   B64C27/08
   B64C39/02
   B64D27/24
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-105139(P2017-105139)
(22)【出願日】2017年5月29日
(65)【公開番号】特開2018-199428(P2018-199428A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2020年5月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年3月23日、24日、25日にJapan Drone 2017|2ndにて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】309035604
【氏名又は名称】株式会社フカデン
(74)【代理人】
【識別番号】100161229
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 達彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 太
(72)【発明者】
【氏名】古金谷 友彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼▲瀬▼ 浩一
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0106986(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/171120(WO,A1)
【文献】 特表2003−502197(JP,A)
【文献】 特開平02−092800(JP,A)
【文献】 特開2013−189036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 25/00
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線操縦装置と、バッテリと、前記バッテリに接続されると共に前記無線操縦装置から送信された信号を受信し飛行を制御する制御装置と、前記制御装置に接続された駆動用モータと、を有するマルチコプターに使用されるスイッチ装置であって、
前記無線操縦装置とは別回路で、かつ、別周波数又は別チャンネルの無線送信機と、
前記バッテリと前記制御装置とを接続する電路の途中に電気的に接続させる、接点状態を通電又は遮断のいずれか一方に切り替えると、他方に切り替えるまでは自己保持されるようになっているラッチ機構を備えたスイッチ要素と、
前記バッテリから電力を得て前記無線送信機から送信された信号を受信する、前記制御装置からは完全に独立した別回路の受信装置と、
前記受信装置が受信した信号に従い、前記バッテリから電力を得て前記スイッチ要素の接点状態を通電又は遮断のいずれかに選択的に切り替える駆動手段と、
を備えたスイッチ装置。
【請求項2】
前記バッテリと前記制御装置とを接続する電路の途中に前記スイッチ要素を電気的に接続したときに、その時点の前記スイッチ要素の接点状態が通電であるときは、前記駆動手段によって前記スイッチ要素の接点状態を遮断の側に自動的に切り替える請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項のいずれか1項に記載のスイッチ装置を搭載したマルチコプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの駆動力によって飛行するマルチコプターに使用される非常停止用のスイッチ装置及びそのスイッチ装置を搭載したマルチコプターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラを搭載して空撮を行うマルチコプターが知られている(例えば特許文献1)。このようなマルチコプターは、人や従来の航空機が容易に立ち入ることのできない視点からの撮影を可能にした。
【0003】
しかし、マルチコプターは、誤動作等により制御不能に陥る場合があり、この場合、思いもよらない場所に墜落する恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−189036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、誤動作等により無線操縦装置では操縦ができなくなった場合に、強制的に駆動用電力を遮断するスイッチ装置及びそのスイッチ装置を搭載したマルチコプターを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るスイッチ装置は、
無線操縦装置と、バッテリと、前記バッテリに接続されると共に前記無線操縦装置から送信された信号を受信し飛行を制御する制御装置と、前記制御装置に接続された駆動用モータと、を有するマルチコプターに使用されるスイッチ装置であって、
前記無線操縦装置とは別回路で、かつ、別周波数又は別チャンネルの無線送信機と、
前記バッテリと前記制御装置とを接続する電路の途中に電気的に接続させる、接点状態を通電又は遮断のいずれか一方に切り替えると、他方に切り替えるまでは自己保持されるようになっているラッチ機構を備えたスイッチ要素と、
前記バッテリから電力を得て前記無線送信機から送信された信号を受信する、前記制御装置からは完全に独立した別回路の受信装置と、
前記受信装置が受信した信号に従い、前記バッテリから電力を得て前記スイッチ要素の接点状態を通電又は遮断のいずれかに選択的に切り替える駆動手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、強制的に駆動用電力を遮断することができるため、マルチコプターが意図しない場所へ墜落するという事態を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スイッチ装置を搭載したマルチコプターの概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明であるスイッチ装置を搭載したマルチコプターを具現化した実施形態について、図面を用いて説明するが、本発明の技術的範囲は、もちろんこれだけに限定されるものではない。また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、周知の技術に関しては、詳細な説明を省略する。
【0010】
まず、実施形態であるマルチコプター1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、スイッチ装置を搭載したマルチコプターの概略を示すブロック図である。図1に示すように、マルチコプター1は、無線操縦装置10と、バッテリ20と、制御装置30と、駆動用モータ40とスイッチ装置50を備えている。
【0011】
無線操縦装置10は、機体とは別体に設けられ、操縦者が操作すると操縦信号を無線通信にて送信するものである。バッテリ20は、マルチコプター1に必要な電力を供給する電源である。
【0012】
制御装置30は、バッテリ20と電路によって電気的に接続され、電力の供給を受けている。制御装置30は、無線操縦装置10から送信された操縦信号を受信する機能を有し、その操縦信号及びマルチコプター1に搭載された図示しない様々なセンサから得た情報とからマルチコプター1の飛行を制御するものである。
【0013】
駆動用モータ40は、複数(例えば4個)設けられ、それぞれが制御装置30と電路によって電気的に接続されている。駆動用モータ40の回転軸には、図示しない回転翼が連結されている。
【0014】
スイッチ装置50は、主に無線送信機51と、スイッチ要素52と、受信装置53と、図示しない駆動手段とで構成されている。
【0015】
無線送信機51は、無線操縦装置10とは別回路で、かつ、別チャンネルを使用したものである。無線送信機51は、操縦者がON又はOFFを選択することができるようになっており、操縦者の選択に応じた無線信号を送信するようになっている。なお、本実施形態では、別チャンネルとしたが、別周波数としてもよい。
【0016】
スイッチ要素52は、バッテリ20と制御装置30とを接続する電路の途中に電気的に接続されており、電路を通電又は遮断するものである。
【0017】
受信装置53は、無線送信機51から送信された信号を受信する。その際の電力は、バッテリ20から得ている。受信装置53は、制御装置30からは完全に独立した別回路のものとなっている。
【0018】
駆動手段は、例えばソレノイドであり、バッテリ20から電力を得て、受信装置53が受信した信号に従いスイッチ要素52の接点状態を通電又は遮断のいずれかに選択的に切り替える。
【0019】
なお、スイッチ要素52には、ラッチ機構が備えられており、接点状態を通電又は遮断のいずれか一方に切り替えると、他方に切り替えるまでは、自己保持されるようになっている。ラッチ機構としては、オルタネイト動作のように通電時も遮断時も同方向に動作させるものよりもロッカースイッチのような方式のものが望ましい。スリーピンと呼ばれる女性の髪留めのように、所定の方向に力を加えるとその方向に変形してそれを保持し、所定の方向と反対の方向に力を加えるとその方向に変形してそれを保持する板ばねを使用したラッチ機構するとより好適である。
【0020】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではないことはもちろんである。
【符号の説明】
【0021】
1 マルチコプター
10 無線操縦装置
20 バッテリ
30 制御装置
40 モータ
50 スイッチ装置
51 無線送信機 52 スイッチ要素 53 受信装置

図1