(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、新型コロナウイルスの世界的な流行が問題となっており、このことが社会及び経済活動の大きな阻害要因となっている。特に、人々が密集する飲食店や各種イベント会場、交通機関などが大きな経済的打撃を受けている。
【0005】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への罹患を抑えるためには、新型コロナウイルス自体を無毒化及び死滅化する必要があるが、特許文献1において提案されている消毒液噴射装置による消毒液の噴射による新型コロナウイルスの無毒化だけでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への罹患を効果的に防ぐことができない。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、細菌やウイルスを無毒化及び死滅化させて感染症への罹患を効果的に防ぐことができる消毒・殺菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る消毒・殺菌装置(1)は、消毒液を貯留するボトル(12)と、該ボトル(12)内の前記消毒液を吸引して吐出するポンプ(13)と、該ポンプ(13)から吐出される前記消毒液を噴霧状に噴出するノズル(18)を備える消毒液噴射装置(10)と、紫外線を出射する殺菌灯(21)を備える殺菌装置(20)と、を組付一体化して構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、消毒液噴射装置から噴射される消毒液によって細菌やウイルスが消毒によって無毒化すると同時に、殺菌装置の殺菌灯から照射される紫外線によって細菌やウイルスが死滅するため、細菌やウイルスによる感染症、特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への罹患を効果的に防ぐことができる。
【0009】
ここで、前記ボトル(12)は、前記消毒液噴射装置(10)の本体(10A)に対して着脱可能であって、その底部に電気分解手段(121)を有し、これに投入された塩化ナトリウム水溶液を前記電気分解手段(121)によって電気分解して次亜塩素酸水を消毒液として生成するものであっても良い。
【0010】
上記構成によれば、ボトルを消毒液噴射装置の本体から取り外し、その内部に塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を投入した後に該ボトルを消毒液噴射装置の本体に取り付け、その状態で電気分解手段に通電すれば、塩化ナトリウム水溶液の電気分解によって消毒液である次亜塩素酸水が生成される。このため、ボトル内で次亜塩素酸水を生成しながらこれを噴射することができ、手軽に効率良く消毒を行うことができる。
【0011】
また、前記ポンプ(13)と前記ノズル(18)とを接続する流路(17)を流れる前記消毒液を加熱するためのヒータ(19)を設けても良い。
【0012】
上記構成によれば、気温の低い冬期、特に寒冷地において、加熱された消毒液を例えば人に向けて噴射する場合には、噴射される人が消毒液を冷たいと感じて不快感を覚えることがない。
【0013】
さらに、前記殺菌灯(21)は、深紫外線(UV−C)を出射するLEDランプ(22)で構成されていることが望ましい。
【0014】
上記構成によれば、細菌やウイルスに対する殺菌効果の高い波長200nm〜280nmの深紫外線(UV−C)の照射によって細菌やウイルスを効果的に死滅させることができる。
【0015】
また、前記殺菌装置(20)は、前記消毒液噴射装置(10)に着脱可能に取り付けられていても良い。
【0016】
上記構成によれば、殺菌装置が着脱可能であることで、殺菌装置として最適な構成のものを有効に利用してこれを消毒液噴射装置に取り付けることができるので、本発明に係る消毒・殺菌装置を簡単且つ安価に構成することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る消毒・殺菌装置(1)に非接触体温計(30)を着脱可能に取り付けても良い。
【0018】
上記構成によれば、例えば、飲食店に入店する人や各種イベント会場に入場する人の体温を非接触体温計によって瞬時に測定し、感染症に罹患しているために体温が平熱よりも高い人を識別して隔離するなどの適切な対策を講じることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、細菌やウイルスを無毒化及び死滅化させて感染症への罹患を効果的に防ぐことができるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明に係る消毒・殺菌装置の斜視図、
図2は同消毒・殺菌装置の正面図、
図3は同消毒・殺菌装置の側面図、
図4は同消毒・殺菌装置の分解斜視図、
図5は同消毒・殺菌装置のシステム構成を示すブロック図、
図6は同消毒・殺菌装置に用いられるポンプの一例を示す破断面図である。
【0023】
本実施の形態に係る消毒・殺菌装置1は、消毒液(本実施の形態では、次亜塩素酸水)による消毒と深紫外線(UV−C)の照射による殺菌を同時に行うためのハンディタイプのものであって、
図1〜
図3に示すように、消毒液噴射装置10と殺菌装置20とを組付一体化するとともに、消毒液噴射装置10の上面に非接触体温計30を着脱可能に取り付けて構成されている。なお、以下の説明においては、
図1に示す矢印方向をそれぞれ「前後」、「上下」及び「左右」方向とする。
【0024】
消毒液噴射装置10は、本体10Aと、該本体10Aのケース11に着脱可能に取り付けられているボトル12を備えている。ここで、本体10Aは、合成樹脂製で側面視略T字状に成形されたケース11を備えており、このケース11は、左右に2分割されたケース半体11A,11B(
図1及び
図2参照)同士を接合し、両者を複数の不図示のネジによって締結一体化することによって構成されている。そして、このケース11には、使用者が手で把持するための上下方向に長い略垂直な把手11aが形成されており、この把手11aの下端には、四角柱状の台座11bが一体に形成されている。また、ケース11の後端部からは電源コード2が導出しており、この電源コード2の端部には電源プラグ3(
図5参照)が取り付けられている。なお、電源プラグ3は、不図示の商用電源のコンセントに差し込まれる。
【0025】
ところで、消毒液噴射装置10のケース11には、
図5に示すように、モータ一体型のポンプ13が内蔵されており、このポンプ13の吸入側には、可撓性を有する吸入チューブ14が接続されている。この吸入チューブ14は、
図4に示すように、ケース11の前端下部から下方へと垂れ下がっており、その端部(下端部)は、
図1、
図2及び
図5に示すように、ボトル12内に貯留されている消毒液(本実施の形態では、次亜塩素酸水)内に浸漬されている。そして、
図5に示すように、ポンプ13の吸入側には、消毒液のポンプ13への吸入方向(
図5の矢印方向)の流れのみを許容するチェックバルブ(逆止弁)15が設けられている。また、ポンプ13の吐出側には、該ポンプ13によって昇圧された消毒液の吐出方向(
図5の矢印方向)の流れのみを許容するチェックバルブ(逆止弁)16が設けられている。
【0026】
ここで、ポンプ13の一例を
図6に基づいて以下に説明する。
【0027】
図6に示すポンプ13は、ベローズポンプであって、フランジ131に被着されたバルブターミナル132には、伸縮可能な蛇腹状のベローズ133が取り付けられており、このベローズ133の内部には不図示のポンプ室が形成されている。そして、フランジ131には、吸入口131aと吐出口131bが形成されており、これらの吸入口131aと吐出口131bは、ポンプ室に開口している。ここで、吸入口131aと吐出口131bには、それぞれチェックバルブ15,16がそれぞれ設けられている。
【0028】
また、ベローズ133の中心からはロッド134が垂下しており、このロッド134の下端には、モータ135の出力軸135aに結着された偏心カム136がベアリング137を介して回転可能に支持されている。なお、モータ135には、
図5に示すように、電源コード2(
図3参照)を介して商用電源が電気的に接続されている。
【0029】
以上のように構成されたポンプ13において、商用電源から電源コード2(
図3参照)を介してモータ135に電力(電流)が供給されると該モータ135が起動され、このモータ135の出力軸135aが所定の速度で回転する。すると、モータ135の出力軸135aと共に偏心カム136が一体に回転するため、この偏心カム136が下端に支持されたロッド134が偏心カム136の偏心運動によって上下動し、このロッド134の上下動に伴ってベローズ133が上下に伸縮動する。
【0030】
上述のようにベローズ133が上下に伸縮動することによって所要のポンプ作用がなされる。具体的には、ベローズ133が伸長するとポンプ室の容積が増大するために消毒液が吸入口131aからポンプ室へと吸引され、逆にベローズ133が収縮するとポンプ室の容積が減少するために該ポンプ室の消毒液が吐出口131bから吐出される。なお、このとき、消毒液のボトル12側への逆流(戻り)がチェック弁15,16によって防がれるため、ポンプ13による消毒液の圧送が正常に行われる。
【0031】
ところで、
図5に示すように、ポンプ13の吐出側からは耐熱性の高い吐出パイプ17が延出しており、この吐出パイプ17の端部にはノズル18が取り付けられている。ここで、吐出パイプ17は、ポンプ13から吐出される消毒液の流路となるが、この吐出パイプ17の外周には、通電によって発熱するヒータ19が巻装されている。
【0032】
また、吐出パイプ17の端部に取り付けられたノズル18は、
図2に示すように、ケース11内の前端上部に取り付けられており、これには前方(
図2の手前側)に向かって開口する小径の噴出口18aが形成されている。
【0033】
ここで、
図5に示すように、商用電源からポンプ13への電力供給経路の途中には、ポンプ13の駆動をON/OFFするためのスイッチ4と、ポンプ13への供給電流を調整するための調整ダイヤル5が設けられている。この調整ダイヤル5は、可変抵抗器を備えており、これを回してモータ135(
図6参照)への供給電流を調整して該モータ135の回転数を変化させることによって、ノズル18からの消毒液の噴射量を調整するものであり、この調整ダイヤル5とスイッチ4は、
図3に示すように、ケース11の右側面後部に並設されている。
【0034】
また、
図5に示すように、電源プラグ3が不図示のコンセントに差し込まれた状態では、ヒータ19は、商用電源に電気的に接続されて該商用電源から電力の供給を受ける。
【0036】
ボトル12は、
図4に示すように、透明又は半透明の合成樹脂製で、上方に向かって先細状の容器として構成されており、その先端ネック部外周には雄ネジ12aが形成されている。そして、このボトル12の下端部には、対向配置された不図示の陽極端子と陰極端子を備える電気分解手段121が設けられており、この電気分解手段121は、これに内蔵された交換可能な電池122から陽極端子と陰極端子への通電によって電気分解を行う。なお、電気分解手段121には、電池122から陽極端子と陰極端子への通電をON/OFFするためのスイッチ123が設けられている。
【0037】
一方、ケース11の前端下部には、不図示の雌ネジ孔が開口しており、この雌ネジ孔にボトル12の上端外周に形成された雄ネジ12aを螺合させた状態で当該ボトル12を回すことによって、該ボトル12を
図1〜
図3に示すようにケース11の前端下部に略垂直に取り付けることができる。また、ケース11に取り付けられボトル12を逆方向に回せば、該ボトル12をケース11から簡単に取り外すことができる。
【0038】
次に、殺菌装置20について説明する。
【0039】
本実施の形態においては、殺菌装置20は、左右2つの殺菌灯21を備えている。ここで、各殺菌灯21の基本構成を
図5に示すが、該殺菌灯21は、殺菌効果の高い波長200nm〜280nmの深紫外線(UV−C)を出射するLEDランプ22を備えるものであって、本実施の形態では、その電源として交換可能な電池23が使用されている。また、電池23からLEDランプ22への電力供給経路には、電池23からLEDランプ22への電力供給をON/OFFして該LEDランプ22を点灯/消灯するためのスイッチ24が設けられている。
【0040】
殺菌灯21は、
図1〜
図4に示すように、樹脂製の細長いケース21A内にLEDランプ22(
図5参照)を収容するとともに、ケース21Aの正面に細長いスリット状の光出射口21aを形成することによって構成されており、ケース21Aの背面にスイッチ24(
図5参照)が設けられている。
【0041】
ところで、本実施の形態では、
図1〜
図3に示すように、2つの殺菌灯21を消毒液噴射装置10の前部左右に垂直に立てた状態で取り付けることによって、これらの殺菌灯21と消毒液噴射装置10とが組付一体化されて本発明に係る消毒・殺菌装置1が構成されている。
【0042】
ここで、本実施の形態では、2つの殺菌灯21は、
図4に示す2つのホルダ金具25,26を用いてボトル12の左右に着脱可能に取り付けられている。
【0043】
2つのホルダ金具25,26は、その中心部にそれぞれ形成されたリング部25a,26aをボトル12に通して嵌め込んで固定し、各リング部25a,26aから左右にそれぞれ延びるC状のホルダ部25b,26bに各殺菌灯21を側方からそれぞれ嵌め込むことによって、ボトル12の左右にワンタッチで簡単に取り付けられる。また、ボトル12に取り付けられている左右2つの殺菌灯21をそれぞれ外側方に引っ張ることによって、これらの殺菌灯21をボトル12からワンタッチで簡単に取り外すことができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、殺菌灯21の取付構造として上述のような構造を採用したが、消毒液噴射装置10と殺菌装置20を各ケース11,21Aを含めて一体化すれば、ホルダ金具25,26を用いる取付構造は不要となり、消毒・殺菌装置1は、その製品としての完成度が高められる。
【0045】
また、本実施の形態では、消毒液噴射装置10の電源として商用電源を用いたが、ケース11に内蔵されるバッテリを電源として用いれば、コードレスの消毒・殺菌装置1を実現することができ、その取扱性が一段と高められる。
【0046】
次に、非接触体温計30について説明する。
【0047】
非接触体温計30は、人体から放射される赤外線エネルギを受光してその量を温度に変換するサーモグラフィ式のものであって、短時間(1秒程度)で人の体温を測定して表示部にデジタル表示するものである。
【0048】
本実施の形態においては、非接触体温計30には偏平な矩形プレート状のものを採用している。この非接触体温計30は、電源としての電池(不図示)をケース31に内蔵しており、
図2に示すように、ケース31の前端中央部に、人体から放射される赤外線を受光するための受光窓31aが開口している。
【0049】
而して、
図4に示すように、非接触体温計30は、これの底面に貼着された不図示の面ファスナーを消毒液噴射装置10のケース11の上面に貼着された面ファスナー33に接合することによって、ケース11の上面に簡単に取り付けられる。この場合、この非接触体温計30は、そのケース31に開口する受光窓31aが正面を向く方向に取り付けられる。なお、この種の非接触体温計30は公知であるため、これについての詳細な説明は省略する。
【0050】
以上のように構成された消毒・殺菌装置1は、以下に説明する要領で使用されて細菌やウイルスの無毒化と死滅化に供される。
【0051】
先ず、当該消毒・殺菌装置1を使用する前準備として、ボトル12をケース11から取り外し、このボトル12内に塩化ナトリウム(Nacl)水溶液(食塩水)を投入する。その後、ボトル12をケース11に取り付け、スイッチ123をONする。すると、ボトル12の底部に設けられた電気分解手段121の陽極端子と陰極端子に電池122から通電されて塩化ナトリウム水溶液が電気分解され、ボトル12内には消毒液としての次亜塩素酸水が生成される。なお、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸(HClO)を主成分とする酸性の溶液であって、細菌やウイルスの無毒化に対して有効である。なお、次亜塩素酸水は、塩酸(Hcl)水溶液の電気分解によっても生成される。
【0052】
以上の準備が完了してボトル12内に消毒液である次亜塩素酸水が収容された状態で、使用者が当該消毒・殺菌装置1のケース11に形成された把手11aを片手で把持した状態でスイッチ4をONすると、ポンプ13が駆動されてボトル12に収容されている次亜塩素酸水がノズル18へと圧送され、ノズル18の噴射口18aから噴霧状の次亜塩素酸水が前方に向かって噴射される。この噴霧状の次亜塩素酸水が人などの対象物に向けて噴射されると、人体などに付着している細菌やウイルスが無毒化される。なお、消毒液である次亜塩素酸水のノズル18からの噴射距離は、本実施の形態では、約2mである。また、使用者が調整ダイヤル5を回してポンプ13のモータ135(
図6参照)の回転数を変更することによって、ポンプ13の吐出量、すなわち、ノズル18からの次亜塩素酸水の噴射量を任意に調整することができる。
【0053】
ところで、本実施の形態においては、次亜塩素酸水は、ポンプ13から吐出パイプ17を通ってノズル18へと流れる過程でヒータ19によって加熱されるため、気温の低い冬期、特に寒冷地において、加熱された次亜塩素酸水を例えば人に向けて噴射する場合には、噴射される人が消毒液を冷たいと感じて不快感を覚えることがない。なお、消毒液である次亜塩素酸水の噴射は、人以外の消毒したい場所に対して噴射しても良いことは勿論である。
【0054】
また、上述の次亜塩素酸水の噴射と同時に、使用者が左右の殺菌灯21の各スイッチ24(
図5参照)をそれぞれONすると、左右の殺菌灯21のLEDランプ22が点灯して発光し、各殺菌灯21の出射口21aから深紫外線(UV−C)が前方に向かってそれぞれ出射する。したがって、この深紫外線(UV−C)を例えば人に向けて照射すると、人体に付着している細菌やウイルスが殺菌されて死滅化する。なお、深紫外線(UV−C)を人以外の場所に照射すると、その場所に存在する細菌やウイルスが殺菌されて死滅する。
【0055】
以上のように、本実施の形態に係る消毒・殺菌装置1によれば、消毒液噴射装置10から噴射される次亜塩素酸水によって細菌やウイルスが無毒化されると同時に、殺菌装置20の各殺菌灯21からそれぞれ照射される深紫外線(UV−C)によって細菌やウイルス殺菌されて死滅するため、細菌やウイルスによる感染症,、特に近年問題となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への罹患を効果的に防ぐことができるという効果が得られる。
【0056】
そして、本実施の形態では、ボトル12は、消毒液噴射装置10の本体10Aに対して着脱可能であって、その底部に電気分解手段121を有し、これに投入された塩化ナトリウム水溶液を電気分解手段121によって電気分解して次亜塩素酸水を消毒液として生成するようにしたため、次のような効果が得られる。すなわち、ボトル12を消毒液噴射装置10の本体10Aから取り外し、その内部に塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を投入した後に該ボトル12を消毒液噴射装置10の本体10A(ケース11)に取り付け、電気分解手段121に通電すれば、塩化ナトリウム水溶液の電気分解によって消毒液である次亜塩素酸水が生成されるため、ボトル12内で次亜塩素酸水を生成しながらこれを噴射することができ、手軽に効率良く消毒を行うことができる。
【0057】
また、本実施の形態においては、殺菌装置20を構成する左右の殺菌灯具21を消毒液噴射装置10(具体的には、ボトル12の左右)に着脱可能に取り付けるようにしたため、殺菌装置20として、既存のものを有効に利用してこれを消毒液噴射装置10に取り付けることなども可能となる。したがって、本発明に係る消毒・殺菌装置1を簡単且つ安価に構成することができるという効果も得られる。
【0058】
ところで、本実施の形態においては、消毒・殺菌装置1に非接触体温計30を着脱可能に取り付けたため、例えば、飲食店に入店する人や各種イベント会場に入場する人の体温を非接触体温計30によって瞬時に測定し、感染症に罹患しているために体温が平熱よりも高い人を識別して隔離するなどの適切な対策を講じることが可能となる。なお、体温の測定が不要な場合には、非接触体温計30を取り外すことができ、消毒・殺菌装置1をその構成を簡略化した状態で使用することができる。
【0059】
なお、以上の実施の形態では、消毒液噴射装置10によって噴射される消毒液として次亜塩素酸水を使用したが、消毒液としては、他の任意のもの、例えばアルコール消毒液(濃度70%〜95%のエタノール)などを使用することができる。
【0060】
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【解決手段】本発明に係る消毒・殺菌装置1は、消毒液を貯留するボトル12と、該ボトル12内の消毒液を吸引して吐出するポンプ13と、該ポンプ13から吐出される消毒液を噴霧状に噴出するノズル18を備える消毒液噴射装置10と、紫外線を出射する殺菌灯21を備える殺菌装置20とを組付一体化して構成される。ここで、ボトル12は、消毒液噴射装置10の本体10Aに対して着脱可能であって、その底部に電気分解手段121を有し、これに投入された塩化ナトリウム水溶液を電気分解手段121によって電気分解して次亜塩素酸水を消毒液として生成する。また、殺菌灯21は、深紫外線(UV−C)を出射するLEDランプ22で構成されている。