(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の読書灯は、配置されている位置が着座者に近いため、可動時や、その設定した光軸の方向によっては、読書灯の方を向くと、強い光などによって引き起こされるグレアによって、着座者に不快感を生じさせることがある。また、着座者の近傍にいる者や、座席が配された車両内を歩行する者などに対してもグレアによる不快感を生じさせることがある。
【0006】
本発明は、使用感に優れるとともに不快感を与えにくい読書灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である読書灯は、座席又は座席近傍に設けられる読書灯であって、第1光源と、第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源を収容し、前記第1光源及び前記第2光源の光を外部に射出する射出口を備えるケースと、前記ケース内に配され、前記第1光源及び前記第2光源のうち少なくとも1つから照射された光を反射させて前記ケース外に当該反射光を射出する反射部材と、前記第1光源及び前記第2光源からの光のうち、反射することなく前記ケース外へ直接射出する光を遮る遮光部材と、を備え、前記ケースが、薄い箱状に形成され、前記座席又は座席近傍に備えられた際の前記ケースの着座者に対向する面が遮光されているとともに、前記反射光が前記射出口から当該ケースの前方乃至下方に射出され、前記着座した着座者の側方及び顔の高さ位置近傍に設けられ、前記反射光が、前記着座者の手元近傍を照射することを特徴とする。
【0008】
なお、本発明の読書灯は、乗客が読書をする場合にその手元を照らすものであるが、乗客によっては、パソコン、携帯電話、携帯ゲーム器等を使用する場合や、テーブルを用いて食事をする場合にも利用されるものであり、その用途は読書のみに限定されるものではない。
【0009】
本発明の上記態様においては、前記反射部材が、前記第1光源及び前記第2光源からの光のうち、上方に向かう光を反射して下方に向かわせることが好ましい。
【0010】
また、上記の態様においては、前記反射光が、水平方向から5度以上下方の角度となるように射出されるように前記座席又は座席近傍に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様である読書灯は、座席又は座席近傍に設けられる読書灯であって、ケース内に配され、第1光源及び第2光源のうち少なくとも1つから照射された光を反射させてケース外に当該反射光を射出する反射部材と、第1光源及び第2光源からの光のうち、反射することなくケース外へ直接射出する光を遮る遮光部材と、を備え、ケースが、薄い箱状に形成され、座席又は座席近傍に備えられた際のケースの着座者に対向する面が遮光されているとともに、反射光が射出口から当該ケースの前方乃至下方に射出され、着座した着座者の側方及び顔の高さ位置近傍に設けられ、反射光が、着座者の手元近傍を照射する。
【0012】
このような構成により、第1光源及び第2光源のうち少なくとも1つから照射された光が反射部材で反射されることによって、第1光源及び第2光源からの光(直接光)の眩しさを低減させ、目に優しい柔らかい光で着座者の手元近傍を照射することができる。そのため、使用感に優れる。また、光源からの光を反射部材で反射させて射出されるため、第1光源及び第2光源の2灯を用いても薄型に成型することができる。また、ケースの着座者に対向する面が遮光されているため、着座者の側方及び顔の高さ位置近傍に読書灯を設けても、着座者にグレアによる不快感を与えにくい。
【0013】
また、遮光部材が、反射することなくケース外に直接射出する光を遮り、ケース外に射出される光は、当該ケースの前方乃至下方に射出される反射光のみであることから、着座者のみならず、座席近傍を通りかかった者などにグレアによる不快感を与えにくい。
【0014】
上記の態様において、反射部材が、第1光源及び第2光源からの光のうち、上方に向かう光を反射して下方に向かわせる構成とすれば、座席近傍を通りかかった者(例えば、着座者より目の位置が高い者)などにグレアを感じさせる可能性がある上方に向かう光を減らすことができるため、グレアによる不快感の発生をより抑制することができる。
【0015】
上記の態様において、反射光が、水平方向から5度以上下方の角度となるように射出されるように座席又は座席近傍に設けられる構成とすれば、着座者の手元近傍を照射することができるとともに、座席近傍を通りかかった者(着座者より目の位置が高い者)に対して、より確実に、グレアによる不快感の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る読書灯を、
図1から
図6を参照して説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る読書灯1が設けられた座席Sを示す斜視図であり、
図2は、読書灯1の斜視図であり、
図3は、読書灯1の分解図であり、
図4は、
図3とは異なる方向からみた分解図であり、
図5は、読書灯1が備える反射部材3の正面図である。
図1において、Xは座席Sが設置された車両における前後方向を示し、Yは座席Sの幅方向(左右方向)を示し、Zは座席S及び車両の上下方向を示している。
【0019】
座席Sは、例えば、鉄道車両、船舶、航空機等の客室に設置されるものであり、2台並んで配されている。座席Sは、着座者が着座する座面S2を有する座部S1と、座部S1の後端に支点を有するリクライニング装置を介して後傾角度を自在に調整し得るように設けられた背もたれ部S3と、背もたれ部S3の後方および両側方を覆うバックシェルS4と、着座者が例えば書籍などを広げるテーブルS5と、読書灯1と、を備えて構成されている。
【0020】
背もたれ部S3は、着座者が座席Sに着座してよりかかった際に、着座者の頭が配される位置にヘッドレストS7を備えている。バックシェルS4は、背もたれ部S3の両側方を覆う両側壁のうち、ヘッドレストS7の左右両側位置に、前方に張り出すように突設した2つの耳部S6を備えている。
図1に示す座席Sの向かって右側の座席において、本実施形態の読書灯1は、着座者の左側の耳部S6の内側の面に設けられている。向かって左側の座席においては右側の耳部S6に設けられる(不図示)。このように、読書灯1は、着座者の側方であって顔の高さ位置近傍に配されている。なお、本実施形態において読書灯1は、座席Sの耳部S6に設けられる構成としたが、本発明はこれに限定されることはなく、座席Sの近傍に設けられてもよく、例えば、座席Sの横に配される壁や柱などに設けられてもよい。
【0021】
読書灯1は、
図3及び
図4に示すように、2つのLED21a、21bを表面に実装する基板2と、反射部材3と、基板2を保持する基板保持部材4と、これら及び読書灯1を操作するための操作部51を収容する略長方形の薄い箱状に形成されたケース5と、を備えている。なお、LED21aが「第1光源」、LED21bが「第2光源」にそれぞれ対応する。また、読書灯1は、基板2側を背面、ケース5側を正面とし、ケース5の長さ方向が水平方向に対して略平行になるように耳部S6に取り付けられている。
【0022】
図3及び
図4に示すように、基板2は、略長方形の板状に形成されており、基板2の一方の面22には、回路パターン23が形成されている。基板2の他方の面24には、電気供給部(図示せず)と電気的に接続するコネクタ25が設けられている。LED21a、21bは、基板2の一方の面22に実装されることで、回路パターン23を介して電源供給部(図示せず)と電気的に接続可能となる。LED21a、21bは、基板2の幅方向に距離を開けて並べられ、収容されるケース5の厚み方向(基板2の厚み方向)に向けて光を出すように基板2に実装されている。また、基板2には、コネクタ25に設けられたねじ穴(図示せず)と共にねじを挿入して、コネクタ25を基板2の他方の面24に固定するためのねじ穴(図示せず)と、反射部材3を基板2に固定するための2つの係止孔26が形成されている。
【0023】
また、基板2の一方の面22は黒色に形成されている。このような構成により、反射部材3を基板2に取り付けた際に、反射部材3によって反射した光のうち、基板2で更に反射して射出口52から着座者の方向に反射してグレアを引き起こす可能性のある光を吸収することができるため、グレアによる不快感の発生を、より抑制することができる。
【0024】
反射部材3は、LED21a及びLED21bから照射された光を反射させてケース5外に当該反射光を射出する。反射部材3は、基板2の一部を覆うように基板2に固定されるベース部31と、基板2に実装されたLED21a、21bを囲むようにベース部31から立設する壁部32と、を備え、基板2に取り付けられている。反射部材3を構成する色としては、特に限定されることはないが、反射率の高い銀色や白色であることが好ましく、銀色であることがより好ましい。
【0025】
ベース部31は、反射部材3を基板2に取り付ける役割、及び、ベース部31から立設する壁部32を支える土台としての役割を果す。ベース部31は、板状に形成されており、基板2に係止するための2つの係止凸部33(
図4においては1つのみが示されている)が形成されている。当該係止凸部33が係止孔26に嵌入することで、反射部材3が基板2に固定される。
【0026】
図5に示すように、壁部32は、LED21aの周囲の一部を囲みLED21aからの光(直接光)を反射させる第1壁部としての壁部32aと、LED21bの周囲の一部を取り囲みLED21bからの光(直接光)を反射させる第2壁部としての壁部32bと、を備えている。なお、
図5においてLED21a、21bは破線で示してある。壁部32a、32bは、それぞれが形状の異なる略楕円の円弧形状に形成され、LED21aの周囲の一部及びLED21bの周囲の一部を囲むように形成されている。壁部32aと壁部32bとは、一方の端部同士が結合して2つの円弧が繋り、全体で、略M字形状に形成されている(
図5)。反射部材3は、当該M字形状の下方の開口部34が、基板2(ケース5)の前方乃至下方を向くように形成されている(
図5)。
【0027】
このような構成により、LED21a又はLED21bからの光を、壁部32a又は壁部32b内で反射させ、さらに隣接する壁部32b又は壁部32a内、壁部32全体において反射させることが可能となる。よって、反射光を多く取り出すことができ、直接光の眩しさを低減させ、目に優しい柔らかい光で着座者の手元近傍を照射することができるため、使用感に優れたものとすることができる。また、壁部32の形状として、そのM字形状の下方の開口部34が、基板2(ケース5)の前方乃至下方を向くように形成されているため、反射を繰り返すことで、上方に向かう光を反射して下方に向かわせ、反射光の射出する角度を下方へと調整することができる。よって、着座者の手元近傍を照射することができるとともに、座席Sが配された車両内を歩く者(着座者より目の位置が高い者)、例えば他の乗客やアテンダント等にグレアによる不快感を与えにくい。
【0028】
また、壁部32の外側(円弧の外側)にのみベース部31が形成されていることにより、反射部材3を基板2に取り付けた際に、反射部材3によって反射した光のうち、着座者の方向(着座者に対向する面54aの方向)に直接反射してグレアを引き起こす可能性のある光を、基板2によって吸収することができるため、グレアによる不快感の発生を抑制することができる。
【0029】
反射部材3は、LED21aが、壁部32aの基端部の円弧における頂点近傍の基端部の内側の位置であって、壁部32aに隣接する位置に、また、LED21bが、壁部32bの円弧における頂点近傍の内側の位置であって、壁部32bに隣接する位置に配されるよう、基板2に固定されている。さらに、反射部材3は、壁部32a及び壁部32bの上端の開口が、ケース本体54の内面に覆われるようにケース5内に収容される。
【0030】
基板保持部材4は、基板2の縁部を囲むように略長方形の枠状に形成され、当該縁部を挟み込んで、ケース5から基板2及び基板2に取り付けられた反射部材3が外れないように保持する。基板保持部材4は、2辺の長辺に設けられた2つの保持部41と、1辺の短辺に設けられた1つの保持部42と、で基板2の縁部の端を挟み込み、基板2を保持する(
図3、4)。
【0031】
2辺の長辺にそれぞれ設けられた保持部41は、基板2の縁部を挟み込むように形成されている。保持部41は、基板保持部材4の長辺の幅方向において、正面寄り(ケース5寄り)の端部から枠内側に向かって突出して形成された辺状保持部41aと、当該長辺の長さ方向中央部に形成された凸状保持部41bと、を備えている。保持部41は、辺状保持部41aと凸状保持部41bとで、基板2の縁部の端を挟み込むことで、基板2を保持する。
【0032】
また、短辺に設けられた保持部42は、基板保持部材4の長辺を直交するように掛け渡される梁部42aと、短辺の長さ方向中央部に形成された凸状保持部42bと、を備える。保持部42は、梁部42aと凸状保持部42bとで、基板2の縁部の端を挟み込むことで、基板2を保持する。
【0033】
ケース5は、薄い箱状に形成され、基板保持部材4に保持された基板2及び反射部材3を収容する。ケース5は、読書灯1を操作する操作部51と、反射部材3で反射させた反射光をケース外に射出する射出口52と、LED21a、21bからの光のうち、反射することなくケース5外へ直接射出する光を遮る遮光部材53と、これらを有しケース5の外形を構成するケース本体54と、を備えている。
【0034】
操作部51は、LED21aの点灯及び消灯を開始する起動ボタン51aと、LED21bの点灯及び消灯を切り替える切り替えボタン51bと、を備え、ケース本体54の正面に配されている。このような構成により、LEDを1灯点灯させる場合と、2灯点灯させる場合とを切り替えることができる。従って、着座者の所望する明るさを選ぶことができ、その切り替えを着座したままで行えるため、使用感に優れる。
【0035】
射出口52は、ケース5に収容された反射部材3のM字形状の下方乃至前方の開口部34の位置に対応して配され、反射光をケース5外に射出する。射出口52は、ケース本体54の側面のうち、前方側に配された側面54bにおける下方側から、底面54c(座面S2と対向する面)における前方側にわたって形成されている。
【0036】
また、反射光は、水平方向から下方に5度以上の角度で射出されるように座席S又は座席近傍に設けられることが好ましい。このような構成により、座席Sが配された車両内を歩く者、例えば他の乗客やアテンダント等にグレアによる不快感を、より与えにくい。
【0037】
ケース本体54は、射出口52が形成された場所以外は、ケース5外に光が漏れないように遮光されている。つまり、着座者に対向する面54aである正面も遮光されている。このように、ケース5の着座者に対向する面54aが遮光されているため、本実施形態の読書灯1は、着座者の側方及び顔の高さ位置近傍に設けても、着座者にグレアによる不快感を与えにくい。
【0038】
また、ケース本体54は、その内面が白色に形成されている。このような構成により、反射部材3により反射した光や、LED21a、21bからの光がさらにケース本体54の内面において反射し、反射光をより多く取り出すことができる。また、白色にすることで、読書灯1の美観が向上する。
【0039】
遮光部材53は、LED21a、21bからの光(直接光)のうち、反射することなくケース5外へ直接射出する光を遮る部材である。遮光部材53は、ケース本体54内であって、射出口52の縁からやや内側の位置(着座者に対向する面54aの裏面の内側寄り)に設けられ、ケース本体54に接続する基端側の板状の長方形の部位53−1と、当該部位53−1の中心付近から基板2側に延びる板状の長方形の部位53−2と、により形成されている。当該遮光部材53は、一方の面53aが射出口52側、他方の面53bがLED21a、21b側を向くような位置に配されている。しかし、遮光部材53は、LED21a、21bからの光(直接光)のうち、反射することなくケース5外へ直接射出する光を遮る構成であれば特に形状、設けられる位置等について限定されることはなく、ケース5や射出口52の形状等によって適宜変化させればよい。
【0040】
また、遮光部材53の射出口52側を向いて配された一方の面53aが反射部材3と同様の銀色に形成され、他方の面53bが白色に形成されている。このような構成により、反射光をより多く取り出すことができる。
【0041】
次に、本実施形態に係る読書灯1の動作及び作用について説明する。着座者が読書灯1の起動ボタン51aを押すと、LED21aが点灯する。次に、着座者がLED21aの1灯のみの点灯では輝度が足りないと判断した場合には、着座者は切り替えボタン51bを押してLED21bを点灯させる。これにより、2灯のLEDが点灯することで照度が上がる。これにより、着座者は読書灯1の明るさを所望の照度に調整することができる。次に、着座者が読書灯1の明るさが明るく、照度を下げたい場合には、切り替えボタン51bを押して、LED21bを消灯する。さらに、着座者が、読書灯1の使用を終了したい場合には、起動ボタン51aを押すことにより、LED21aは消灯し、読書灯1は起動を終了する。
【0042】
次に、読書灯1を起動している際の、光の軌道について説明する。なお、LED21a、21bのうちどちらか1灯が点灯している場合も、照度を除けば2灯が点灯している場合と同様であるため、2灯が点灯している場合について説明する。LED21aが点灯すると、LED21aからの光の一部は、反射部材3の壁部32a内において反射し、更には隣に配された壁部32b、壁部32全体及びケース本体54の内面において反射する。当該反射光は、反射部材3の形状に従って反射を繰り返しながら下方に向かうよう調整され、当該反射光は射出口52からケース5の前方乃至下方に射出される。また、LED21bが点灯すると、LED21bからの光の一部は、反射部材3の壁部32b内において反射し、更には隣に配された壁部32a、壁部32全体及びケース本体54において反射する。LED21aの反射光と同様に、LED21bの反射光も、反射部材3の形状に従って反射を繰り返しながら下方に向かうよう調整され、射出口52からケース5の前方乃至下方に射出される。
【0043】
また、LED21a及びLED21bからの光の他の一部は、反射することなく直接射出口52の方に向かうが、遮光部材53により反射されて、再度、反射部材3やケース5内に戻され、壁部32全体、ケース本体54及び遮光部材53において反射し、射出口52から射出する。
【0044】
上述した本実施形態に係る読書灯1は、座席S又は座席近傍に設けられる読書灯1であって、LED21a及びLED21bのうち少なくとも1つから照射された光を反射させてケース5外に当該反射光を射出する反射部材3と、LED21a及びLED21bからの光のうち、反射することなくケース5外へ直接射出する光を遮る遮光部材53と、を備え、ケース5が、薄い箱状に形成され、座席S又は座席近傍に備えられた際のケース5の着座者に対向する面54aが遮光されているとともに、反射光が射出口52から当該ケース5の前方乃至下方に射出され、着座した着座者の側方及び顔の高さ位置近傍に設けられ、反射光が、着座者の手元近傍を照射する。
【0045】
このような構成により、LED21a及びLED21bのうち少なくとも1つから照射された光が当該反射部材3で反射されることによって、LED21a及びLED21bからの直接光の眩しさを低減させ、目に優しい柔らかい光で着座者の手元近傍を照射することができる。そのため、使用感に優れる。また、ケース5の着座者に対向する面54aが遮光されているため、着座者の側方及び顔の高さ位置近傍に読書灯を設けても、着座者にグレアによる不快感を与えにくい。
【0046】
また、本実施形態に係る読書灯1は、遮光部材53が、反射することなくケース5外に直接射出する光を遮り、ケース5外に射出される光は、当該ケース5の前方乃至下方に射出される反射光のみであることから、着座者のみならず、座席近傍を通りかかった者などにグレアによる不快感を与えにくい。
【0047】
また、本実施形態に係る読書灯1は、反射部材3が、LED21aの周囲の一部を囲みLED21aからの光を反射させる壁部32aと、LED21bの周囲の一部を取り囲みLED21bからの光を反射させる壁部32bと、を備え、壁部32a内で反射させた反射光、及び、壁部32b内で反射させた反射光のうち少なくとも1つをケース5外に射出する構成であるため、それぞれの光源の光から反射光を多く取り出すことができる。よって、直接光の眩しさを低減させ、目に優しい柔らかい光で着座者の手元近傍を照射することができるため、より使用感に優れたものとすることができる。
【0048】
また、本実施形態に係る読書灯1は、反射部材3が、LED21a及びLED21bからの光のうち、上方に向かう光を反射して下方に向かわせる構成であるため、座席近傍を通りかかった者(着座者より目の位置が高い者)、例えばアテンダント等にグレアを感じさせる上方に向かう光を減らすことができるため、より確実に、グレアによる不快感の発生を抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る読書灯1は、反射光が、水平方向から5度以上下方の角度となるように射出されるように座席S又は座席近傍に設ける構成となっている。そのため、着座者の手元近傍を照射することができるとともに、座席近傍を通りかかった者(着座者より目の位置が高い者)に対して、より確実に、グレアによる不快感の発生を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る読書灯1は、基板2に実装されたLED21a、21bからの光を、反射部材3及びケース本体54の内面によって反射させて、反射光を用いることで、約90度方向を変えて射出する構成としている。このような構成により、LED21を2灯(LED21a、21b)用いながらも、薄い箱状のケース5に収容することが可能となり、読書灯1の厚みを薄くし、省スペース化を図ることを可能とした。よって、着座者の側方及び顔の高さ位置近傍に設けても、着座者の邪魔とならない。
【0051】
以上、説明した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、当該実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の読書灯の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0052】
例えば、反射部材3は、LED21a及びLED21bのうち少なくとも1つから照射された光を反射又は屈折させてケース5外に当該反射光を射出する構成のものであれば上記実施形態において説明した形状のものに限定されることはない。
図6は、屈折部材及び他の反射部材の例を示した図である。
図6(a)は屈折部材3Aとして2つのレンズを並べたものである。また、
図6(b)は、反射部材3Bとして反射部材と遮光部材とを一体にして形成したものである。
【0053】
また、上述した読書灯1においては、基板2の一方の面22は黒色に形成されている構成としたが、これに限定されることはなく、他の色とする構成としてもよい。
【0054】
また、上述した読書灯1においては、ケース本体54は、その内面が白色に形成されている構成としたが、これに限定されることはなく他の色とする構成としてもよい。
【0055】
また、上述した読書灯1においては、遮光部材53の射出口52側を向いて配された一方の面53aが反射部材3と同様の銀色に形成され、他方の面53bが白色に形成されている構成としたが、これに限定されることはなく、一方の面53aを白色とする構成としてもよく、他方の面53bを銀色とする構成としてもよい。また、それぞれ他の色でもよい。
【0056】
また、上述した読書灯1について、着座者の右側の耳部S6に取り付けられる構造とする場合には、上述した読書灯1は鏡面対称の構造となる。
【0057】
また、上述した読書灯1においては、切り替えボタン51bによって、点灯するLEDの数を1灯又は2灯と切り替えるものであったが、これに限定されることはなく、例えば、LED21aを昼白色とし、LED21bを電球色とすることで、切り替えボタン51bにより灯りの色を変えるような構成としてもよい。また、LED21aとLED21bとで、照射範囲を切り替える構成としてもよい。例えば、着座者の手元近傍のうち少し高めの範囲を照射する文庫本用スポットライトモードと、着座者の手元近傍のうちテーブルS5をスポット照射するお弁当用スポットライトモードなどに切り替える構成としてもよい。
【0058】
また、上述した読書灯1においては、起動ボタン51aによってLED21aの点灯を開始し、切り替えボタン51bによって、LED21bの点灯と消灯を切り替える構成としたが、これに限定されることはなく、起動ボタン51aによりLED21bの点灯を開始させ、切り替えボタン51bによりLED21aの点灯と消灯を切り替える構成としてもよい。更に、1つのボタンで構成され、当該ボタンを1回押す毎に、1灯点灯、2灯点灯、消灯と、順次切り替わるようにしてもよい。