(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の給湯暖房熱源機では、ヒータにより湯水流通経路を加熱するにあたって、各ヒータを一括して制御するように構成されているから、例えば運転中においては低温になり難い箇所、即ち、あまり加熱を必要としない箇所であっても他の低温の箇所を基に一括して加熱されてしまう。そのため、必要以上の電力を消費する問題があった。また、湯水流通経路の主流路である熱交換器やその上下流域以外の箇所(副流路)には、漏水防止用のパッキング部材や樹脂ケースなど、長期間加熱され続けると劣化し易い部材が多く配設されているため、上記のように副流路も主流路と同等に加熱すれば、上記各部材の劣化を早める虞もある。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、湯水流通経路の凍結を加熱により防止する機能を備えた給湯暖房熱源機において、適切な凍結防止性能を発揮しつつ、省電力化およびヒータによる加熱箇所の劣化の抑制を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る給湯暖房熱源機は、
燃料ガスを燃焼させるバーナと、筐体外部からバーナの燃焼用空気を供給する給排気ファンと、バーナにより生成された燃焼排ガス中の熱を回収し湯水を加熱する
給湯熱交換器と、
給湯熱交換器へ湯水を導入する入水管路と、
給湯熱交換器から湯水を導出する出湯管路と、
給湯熱交換器、入水管路および出湯管路を含む筐体内部の湯水流通経路を所定箇所毎に加熱する複数のヒータと、筐体内に導入される外部空気の温度を検出する外気温センサと、外気温センサの検出温度が基準温度より低くなった場合にヒータを作動させて湯水流通経路を加熱するヒータ制御手段と、
暖房端末に接続する暖房熱交換器と、
給湯熱交換器で加熱された湯水を外部の湯水栓へ供給する給湯運転の実行手段と、
暖房熱交換器で加熱された湯水を外部の暖房端末へ循環供給する暖房運転の実行手段とを備えた給湯暖房熱源機であって、
ヒータは、湯水流通経路の
給湯熱交換器およびその上下所定の流域からなる主流路に配設される第1ヒータ群と、湯水流通経路の前記主流路を除いた副流路に配設される第2ヒータ群とに分けて動作制御可能に構成され、
ヒータ制御手段は、給湯運転、暖房運転、および運転待機状態のそれぞれにおいて、外気温センサの検出温度が基準温度より低くなった場合に、第1ヒータ群と第2ヒータ群とで加熱度合を異ならせてヒータを作動させ
、
暖房運転が実行されると暖房熱交換器及び給湯熱交換器に対して筐体外部の空気が給排気ファンによって導入され、
ヒータ制御手段は、暖房運転中で且つ給湯運転停止中において、外気温センサの検出温度が基準温度より低くなった場合は、第1ヒータ群における加熱度合を第2ヒータ群における加熱度合より大きく設定してヒータを作動させるものである。
ヒータ制御手段は、さらに、第1ヒータ群及び第2ヒータ群の加熱度合を運転待機状態中よりも大きく設定してヒータを作動させるようにしてもよい。
【0007】
本発明によれば、外気温センサの検出温度が基準温度より低くなった場合は、ヒータによって運転状態毎に湯水流通経路における熱交換器およびその上下流域(主流路)とそれ以外の箇所(副流路)とが異なる加熱度合で加熱されるから、運転状態毎に各所をそれぞれ最適に加熱でき、不要な電力の消費を低減することができる。しかも、上記主流路の加熱度合と副流路の加熱度合を異ならせることで、副流路に配設された部材の加熱による劣化を抑制することもできる。
【0009】
この種の給湯暖房熱源機では、例えば暖房運転が実行されると、暖房側の熱交換器の配設部に対してだけでなく、給湯側の熱交換器の配設部に対しても筐体外部の空気(外気)が給排気ファンによって導入される場合がある。このような場合、寒冷期においては、給湯側の熱交換器やその上下流端近傍の湯水流通経路の温度が運転待機時よりも低下し、凍結を招く虞がある。特に、熱交換器は、他の湯水流通経路に比べて熱交換効率が高くなるように構成されていることから、周辺に冷気が流入することでより凍結し易い。しかしながら、本発明によれば、暖房運転中で且つ給湯運転停止中に外気温センサの検出温度が基準温度より低くなった場合は、湯水流通経路の熱交換器およびその上下流域(主流路)の加熱度合がそれ以外の箇所(副流路)の加熱度合より大きく設定されるから、主流路を高温で短時間加熱するより確実に主流路の凍結を防止することができる。しかも、上記副流路の加熱度合を主流路の加熱度合より小さくすることで、不要な電力の消費を低減することもできるし、副流路に配設された部材の加熱による劣化を抑制することもできる。
【0010】
好ましくは、上記給湯暖房熱源機において、前記検出温度が基準温度より低くなった場合、第1ヒータ群と第2ヒータ群との作動タイミングを所定時間異ならせる。
【0011】
上記給湯暖房熱源機のように複数のヒータによって湯水流通経路を加熱するように構成されたものでは、全てのヒータを作動させるのに比較的多くの電力を必要とする。そのため、各ヒータを全て同じタイミングで作動させれば、その際のピーク電流が大きくなり、供給電力が一定以下に制限される環境下においては、適切に動作しない虞がある。しかしながら、本発明によれば、第1ヒータ群と第2ヒータ群とを所定時間ずれたタイミングで作動させるから、各ヒータを作動させる際のピーク電流を抑制することができる。よって、供給電力が一定以下に制限される環境下であっても、動作の安定性を担保することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、適切な凍結防止性能を発揮しつつ、熱源機全体の省電力化を図ることが可能であると共に、ヒータによる加熱箇所の劣化も抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る給湯暖房熱源機1は、上水道から供給される水を加熱してカランやシャワーなどの湯水栓P2へ供給する給湯運転用の熱源ユニット(以下、「給湯熱源ユニット」という)2と、温水ファンヒータや温水床暖房機などの暖房端末P3との間で湯を加熱循環させる暖房運転用の熱源ユニット(以下、「暖房熱源ユニット」という)3とを一体構成した複合型の熱源機であって、主に屋外に設置して使用される。また、給湯暖房熱源機1は、浴槽P4との間で風呂水を加熱循環させる追焚運転用の熱交換器(以下、「風呂熱交換器」という)4も備えている。
【0016】
給湯熱源ユニット2は、給水配管(給水管路)121から供給される水を燃焼排ガスとの熱交換により加熱する給湯熱交換器21と、ガス配管111から供給される燃料ガスと空気の混合ガスを燃焼させる給湯バーナ22とを備えている。暖房熱源ユニット3は、暖房端末P3から暖房戻り配管(給水管路)131を介して帰還する湯水を燃焼排ガスとの熱交換により加熱する暖房熱交換器31と、ガス配管111から供給される燃料ガスと空気の混合ガスを燃焼させる暖房バーナ32とを備えている。
【0017】
給湯熱交換器21および暖房熱交換器31の共通の外郭を構成する缶体11は、上下に開放する略筒状に形成されている。給湯バーナ22および暖房バーナ32の共通の外郭を構成する燃焼室12は、上方に開放する略箱状に形成されており、缶体11の下端開放部に連結されている。また、燃焼室12の下部には、給湯バーナ22および暖房バーナ32の燃焼用空気を燃焼室12内に供給するための給排気ファン15が接続されている。
【0018】
缶体11の内部空間は、給湯バーナ22で生成される燃焼排ガスを給湯熱交換器21の配設部に導く給湯側の排気流通路と、暖房バーナ32で生成される燃焼排ガスを暖房熱交換器31の配設部に導く暖房側の排気流通路との二つの経路が区画形成されており、給排気ファン15によって燃焼室12内に導入される空気は、上記両排気流通路を通って缶体11の上端開放部へ導かれる。
【0019】
缶体11の内部には、給湯熱交換器21および暖房熱交換器31にて潜熱を回収する際に、後述する給湯側潜熱熱交換部21Bおよび暖房側潜熱熱交換部31Bの表面で発生する強酸性のドレンを受けるためのドレン受け16が設けられている。ドレン受け16の底部には、上記ドレンをドレン中和器17に導くためのドレン導出管161が接続されている。図示しないが、ドレン中和器17の内部には、ドレン中和剤が装填されており、ドレン導出管161を通じてドレン中和器17に回収されたドレンは、ドレン中和剤によって中和される。ドレン中和器17には、ドレン中和器17内に回収されたドレンの中和水を強制的に外部に排出させるためのドレンポンプ37が接続されている。また、ドレン中和器17は、中和水道出管162を通じてオーバーフロー管163に繋がっており、ドレンポンプ37が正常に動作しない場合、ドレン中和器17内に滞留した中和水は、中和水道出管162からオーバーフロー管163を通じて外部に排出される。
【0020】
給湯暖房熱源機1の外郭を構成する筐体10には、給排気ファン15を作動させた際に屋外の空気(外気)を筐体10の内部に取り込むための給気口101と、燃焼室12の内部で生成された燃焼排ガスを筐体10の外部へ導出するための排気口102とが設けられている。缶体11の上端開放部は、排気口102に連通している。
【0021】
給湯熱交換器21は、給湯バーナ22から放出される燃焼排ガス中の顕熱を回収する顕熱熱交換部(以下、「給湯側顕熱熱交換部」という)21Aと、上記燃焼排ガス中の潜熱を回収する潜熱熱交換部(以下、「給湯側潜熱熱交換部」という)21Bとを有しており、給湯側潜熱熱交換部21Bの上流端に給水配管121が接続され、給湯側潜熱熱交換部21Bの下流端および給湯側顕熱熱交換部21Aの上流端相互が連絡配管123により連結され、給湯側顕熱熱交換部21Aの下流端に給湯配管(出湯管路)122が接続される。従って、湯水栓P2が開かれると、上水道から給水配管121に導入された水が給湯側潜熱熱交換部21B、給湯側顕熱熱交換部21Aの順に流通し、給湯配管122を通って湯水栓P2に導出される。
【0022】
暖房熱交換器31は、暖房バーナ32から放出される燃焼排ガス中の顕熱を回収する顕熱熱交換部(以下、「暖房側顕熱熱交換部」という)31Aと、上記燃焼排ガス中の潜熱を回収する潜熱熱交換部(以下、「暖房側潜熱熱交換部」という)31Bとを有しており、暖房側潜熱熱交換部31Bの上流端に暖房戻り配管131が接続され、暖房側顕熱熱交換部31Aの下流端に暖房往き配管(出湯管路)132が接続されている。
【0023】
暖房側潜熱熱交換部31Bの下流端および暖房側顕熱熱交換部31Aの上流端相互は、暖房熱交換器31や暖房戻り配管131、暖房往き配管132等により構成される暖房側の湯水流通経路において湯水の温度上昇に伴う体積膨張を吸収するためのシスターン33を挟んで、連絡往き配管133および連絡戻り配管134により連結されている。即ち、暖房側潜熱熱交換部31Bの下流端は、連絡往き配管133を通じてシスターン33に接続され、暖房側顕熱熱交換部31Aの上流端は、連絡戻り配管134を通じてシスターン33に接続されている。
【0024】
シスターン33には、給水配管121の中間部から分岐して、上記暖房側の湯水流通経路に水を補充するための補水配管135が接続されている。シスターン33と補水配管135との接続部には、給水配管121からシスターン33への水の供給を遮断可能な補水電磁弁45が設けられており、補水電磁弁45を開くことで、上水道から給水配管121に導入された水が補水配管135を通ってシスターン33内に導入される。
【0025】
連絡戻り配管134には、暖房端末P3と暖房熱交換器31との間で湯水を循環させるための循環ポンプ34が設けられている。また、連絡戻り配管134は、循環ポンプ34より下流側の中間部から分岐して、低温用の暖房端末P3を接続するための熱動弁ヘッダ35に繋がっている。従って、循環ポンプ34を作動させることで、暖房戻り配管131と暖房往き配管132との間に接続される暖房端末P3に、暖房側顕熱熱交換部31Aおよび暖房側潜熱熱交換部31Bで加熱された高温の湯を循環供給することができる。また、暖房戻り配管131と熱動弁ヘッダ35との間に接続される暖房端末P3には、暖房側潜熱熱交換部31Bで加熱された低温の湯を循環供給することができる。
【0026】
風呂熱交換器4は、内外二重管構造の液々熱交換器であり、外パイプ41の上流端に風呂戻り配管141が接続され、外パイプ41の下流端に風呂往き配管142が接続されている。風呂戻り配管141には、浴槽P4と外パイプ41との間で浴槽P4内の風呂水を循環させるための風呂ポンプ36が設けられている。内パイプ42の上流端には、暖房往き配管132の中間部から分岐した加熱往き配管143が接続され、内パイプ42の下流端には、暖房戻り配管131の中間部から分岐した加熱戻り配管144が接続されている。従って、風呂ポンプ36を作動させれば、浴槽P4内の風呂水を、暖房側顕熱熱交換部31Aから内パイプ42に供給される湯によって加熱しつつ、外パイプ41との間で循環させることができる。
【0027】
風呂戻り配管141および給湯配管122相互は、給湯熱交換器21で加熱された湯を浴槽P4へ供給するための湯張り用のバイパス配管140によって接続されている。即ち、給湯配管122は、中間部から分岐して風呂戻り配管141に接続されている。従って、後述する湯張り電磁弁53を開けば、給湯熱交換器21で加熱された湯を給湯配管122からバイパス配管140へ導き、風呂戻り配管141を通じて浴槽P4に供給することができる。
【0028】
給水配管121には、給湯熱交換器21へ供給される水の流量を検出する水量センサ51と、給湯熱交換器21への水の供給量を調整可能な水量調整弁52とが上流側よりこの順序で設けられている。給水配管121における水量センサ51と水量調整弁52との間には、給湯熱交換器21へ供給される水の温度を検出する給水温センサ61が設けられている。
【0029】
給湯配管122の上流端寄りの位置、即ち、缶体11の外側近傍の位置には、給湯側潜熱熱交換部21Bから導出される湯の温度を検出する缶体温度センサ62が設けられている。給湯配管122の下流端寄りの位置には、給湯熱交換器21から湯水栓P2に導出される湯の温度を検出する給湯温センサ63が設けられている。
【0030】
連絡戻り配管134の上流端寄りの位置、即ち、循環ポンプ34の吹出口近傍の位置には、シスターン33から熱動弁ヘッダ35に導出される湯の温度を検出する低温暖房温度センサ64が設けられている。暖房往き配管132の上流端寄りの位置、即ち、缶体11の外側近傍の位置には、暖房側顕熱熱交換部31Aから導出される湯の温度を検出する高温暖房温度センサ65が設けられている。
【0031】
風呂戻り配管141における風呂ポンプ36の吸込口近傍の位置には、浴槽P4から風呂熱交換器4に帰還する風呂水の温度を検出する風呂戻り温度センサ66が設けられている。風呂往き配管142の下流端寄りの位置には、風呂熱交換器4から浴槽P4に導出される湯の温度を検出する風呂往き温度センサ67が設けられている。
【0032】
筐体10内における給気口101の近傍位置には、給気口101から筐体10内に取り込まれる空気の温度を検出する外気温センサ68が設けられている。尚、本実施の形態では、筐体10内における給気口101の近傍位置に外気温センサ68が設けられているが、外気温センサ68は、給湯運転や暖房運転、運転待機時に筐体10内に取り込まれる空気の温度を検出可能な位置であれば、例えば、給排気ファン15の吸込口付近に設けられてもよいし、給気口101と給排気ファン15との間における空気の導通経路に設けられてもよい。
【0033】
バイパス配管140には、給湯熱交換器21から風呂戻り配管141への湯の供給を遮断可能な湯張り電磁弁53と、風呂戻り配管141からバイパス配管140への風呂水の逆流を防止する風呂水逆止弁54と、バイパス配管140の湯の流量を検出する湯量センサ55とが上流側よりこの順序で設けられている。
【0034】
給湯熱交換器21や給水配管121、給湯配管122等により構成される給湯側の湯水流通経路のうち、給水配管121の上流端付近より下流側の所定位置から給湯熱交換器21を通って給湯配管122の下流端付近より上流側の所定位置に至る給湯側主流路には、凍結防止用のヒータ71〜78が設けられている。詳述すると、給湯側主経路には、給水配管121における水量調整弁52より下流位置を加熱するヒータ71、給水配管121における給湯側潜熱熱交換部21Bとの接続部近傍位置を加熱するヒータ72、連絡配管123における給湯側潜熱熱交換部21Bとの接続部近傍位置を加熱するヒータ73、連絡配管123の略中間位置を加熱するヒータ74、給湯側潜熱熱交換部21Bを加熱するヒータ75、給湯配管122における給湯側顕熱熱交換部21Aとの接続部近傍位置を加熱するヒータ76、給湯配管122における缶体温度センサ62の下流側近傍位置を加熱するヒータ77、および、給湯配管122における給湯温センサ63の上流側近傍位置を加熱するヒータ78が設けられている。
【0035】
給湯側の湯水流通経路のうち、上記ヒータ71〜78の配設部(給湯側主流路)を除いた給湯側副流路にも同様、凍結防止用のヒータ81〜82が設けられている。詳述すると、給湯側副流路には、給水配管121における水量センサ51より上流位置を加熱するヒータ81、および、給湯配管122における給湯温センサ63より下流位置を加熱するヒータ82が設けられている。
【0036】
暖房側の湯水流通経路のうち、暖房熱交換器31や暖房戻り配管131、暖房往き配管132、連絡往き配管133、連絡戻り配管134を除いた暖房側副流路にも同様、凍結防止用のヒータ83〜86が設けられている。詳述すると、暖房側副流路には、バイパス配管140における風呂戻り配管141との分岐部近傍位置を加熱するヒータ83、風呂ポンプ36を加熱するヒータ84、補水配管135におけるシスターン33との接続部近傍位置を加熱するヒータ85、および、ドレン中和器17を加熱するヒータ86が設けられている。
【0037】
図示しないが、給排気ファン15のファンモータ、給湯バーナ22および暖房バーナ32への燃料ガスの供給量を調整する弁装置、給湯バーナ22および暖房バーナ32の各炎孔近傍にて火花放電する点火電極、給湯バーナ22および暖房バーナ32の点火を検出する炎検知センサ、循環ポンプ34、風呂ポンプ36、ドレンポンプ37、補水電磁弁45、水量センサ51、水量調整弁52、湯張り電磁弁53、湯量センサ55、給水温センサ61、缶体温度センサ62、給湯温センサ63、低温暖房温度センサ64、高温暖房温度センサ65、風呂戻り温度センサ66、風呂往き温度センサ67、外気温センサ68、給湯熱交換器21の周辺部に設けられた第1ヒータ群71〜78、およびそれ以外の箇所に設けられた第2ヒータ群81〜86は何れも、筐体10内に組み込まれた制御回路C1に電気配線を通じて接続されている。
【0038】
制御回路C1には、給湯熱交換器21で加熱された湯を湯水栓P2へ供給する給湯運転、暖房熱交換器31で加熱された湯を暖房端末P3へ循環供給する暖房運転、風呂熱交換器4で加熱された湯を浴槽P4へ循環供給する風呂追焚運転、給湯熱交換器21で加熱された湯を浴槽P4へ供給する湯張り運転など、給湯暖房熱源機1の主動作を制御する給湯暖房制御プログラムが組み込まれている。
【0039】
また、制御回路C1には、外気温センサ68の検出温度(外気温)Thに応じて第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を異なる動作条件で作動させて、湯水流通経路の所定の部位を加熱するヒータ制御プログラムが組み込まれている。
【0040】
さらに、制御回路C1の記憶回路には、外気温Th毎の第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86による加熱対象部の加熱度合(ここでは、ヒータの30分間の制御周期における作動時間S1および作動停止時間S2)を示す複数の加熱設定テーブルが記憶されている。本実施の形態では、
図2に示す暖房運転時の加熱設定テーブルA、給湯運転時の加熱設定テーブルB、および、運転待機時の加熱設定テーブルCが記憶されている。
【0041】
上記給湯暖房熱源機1の第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86による湯水流通経路の加熱動作を、
図3のフローチャートに従って説明する。尚、以下の加熱動作が実行されるにあたって、図示しない操作端末にて運転スイッチのオン操作がなされると、制御回路C1に組み込まれた給湯暖房制御プログラムやヒータ制御プログラムなどの主制御プログラムが起動し、給湯運転や暖房運転等が実行可能な状態、即ち、運転待機状態となる。
【0042】
運転スイッチのオン操作がなされると、外気温Thが予め設定された下限基準温度T1(例えば、3℃)より低いか否かを判定する(ST1)。その結果、外気温Thが下限基準温度T1以上であれば(ST1のステップでNo)、給湯側および暖房側の何れの湯水流通経路においても凍結が生じないものとして、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を作動停止状態で維持する。
【0043】
尚、図示しないが、その後、暖房端末P3にて暖房スイッチのオン操作がなされた場合は、給排気ファン15を所定回転数にて作動させると共に、循環ポンプ34を作動させ、さらに暖房バーナ32を所定燃焼量にて点火燃焼させる。これにより、暖房熱交換器31で加熱された湯が暖房端末P3に循環供給される。また、湯水栓P2が開かれ、水量センサ51によって所定流量以上の通水が検出された場合は、給排気ファン15を所定回転数にて作動させると共に、給湯バーナ22を所定燃焼量にて点火燃焼させる。これにより、給湯熱交換器21で加熱された湯が湯水栓P2に供給される。
【0044】
一方、運転スイッチのオン操作がなされた際に、外気温Thが下限基準温度T1未満である場合は(ST1のステップでYes)、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を共に作動させる(ST2)。また、このとき、給湯運転も暖房運転も行なわれていない運転待機状態であれば(ST3のステップでNo、ST4のステップでNo)、運転待機時の加熱設定テーブルCで設定された作動時間S1および作動停止時間S2に基づき、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86をオンオフ制御する(ST5)。
【0045】
具体的には、例えば外気温Thが3℃である場合は、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を共に5分間作動させて25分間停止させる動作を繰り返す。外気温Thが0℃である場合は、第1ヒータ群71〜78を10分間作動させて20分間停止させる動作、第2ヒータ群81〜86を5分間作動させて25分間停止させる動作をそれぞれ繰り返す。外気温Thが−5℃である場合は、第1ヒータ群71〜78を常時作動させると共に、第2ヒータ群81〜86を15分間作動させて15分間停止させる動作を繰り返す(
図2の「テーブルC」参照)。
【0046】
上記第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86のオンオフ制御は、外気温Thが予め設定された上限基準温度T2(例えば、7℃)以上になるまで行なう(ST6)。その後、外気温Thが上限基準温度T2以上になれば(ST6のステップでYes)、給湯側および暖房側の何れの湯水流通経路においても凍結の虞がないものとして、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86の作動を共に停止させ、ST1のステップに戻る(ST7)。尚、図示しないが、上記ST3からST6のステップを実行している間に、運転スイッチのオフ操作がなされた場合も同様、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86の作動を共に停止させ、ST1のステップに戻る。
【0047】
上記ST3からST6のステップを実行している間に、或いは、ST2のステップにて第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を作動させた時点で、暖房運転が実行された場合は(ST3のステップでYes)、暖房運転時の加熱設定テーブルAで設定された作動時間S1および作動停止時間S2に基づき、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86をオンオフ制御する(ST8)。
【0048】
具体的には、例えば外気温Thが3℃である場合は、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を共に10分間作動させて20分間停止させる動作を繰り返す。外気温Thが0℃である場合は、第1ヒータ群71〜78を15分間作動させて15分間停止させる動作、第2ヒータ群81〜86を10分間作動させて20分間停止させる動作をそれぞれ繰り返す。外気温Thが−5℃である場合は、第1ヒータ群71〜78を常時作動させると共に、第2ヒータ群81〜86を20分間作動させて10分間停止させる動作を繰り返す。外気温Thが−8℃である場合は、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を共に常時作動させる(
図2の「テーブルA」参照)。尚、暖房運転と共に給湯運転も行なわれている場合は、外気温Thにかかわらず、第1ヒータ群71〜78を常時停止させ、第2ヒータ群81〜86は上記のようにテーブルAの設定に基づいてオンオフ制御を行なう。
【0049】
上記ST3からST6のステップを実行している間に、或いは、ST2のステップにて第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を共に作動させた時点で、暖房運転は行なわれておらず、給湯運転のみ実行された場合は(ST3のステップでNo、ST4のステップでYes)、給湯運転時の加熱設定テーブルBで設定された作動時間S1および作動停止時間S2に基づき、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86をオンオフ制御する(ST9)。
【0050】
具体的には、例えば外気温Thが−2℃以上であれば、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を共に常時停止させる。外気温Thが−3℃である場合は、第1ヒータ群71〜78は常時停止させた状態で、第2ヒータ群81〜86を20分間作動させて10分間停止させる動作を繰り返す。外気温Thが−5℃である場合は、第1ヒータ群71〜78は常時停止させた状態で、第2ヒータ群81〜86を常時作動させる(
図2の「テーブルB」参照)。
【0051】
その後、外気温Thが上限基準温度T2以上になれば(ST6のステップでYes)、上記したように、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86の作動を共に停止させ、ST1のステップに戻る(ST7)。
【0052】
このように、上記給湯暖房熱源機1によれば、暖房運転中に外気温センサ68の検出温度Thが下限基準温度T1より低くなった場合は、湯水流通経路における給湯側主流路が運転待機中よりも、また給湯側副流路よりも長時間加熱される。従って、たとえ給排気ファン15によって給湯熱交換器21の配設部に低温の外気が導入されても、給湯側主流路の凍結を防止することができる。しかも、上記給湯側副流路の加熱時間が給湯側主流路の加熱時間より短く設定されているから、給湯側副流路に配設された水量センサ51のケーシングや水量調整弁52のパッキング部材、暖房側副流路に配設された風呂ポンプ36のケーシング、ドレン中和器17のケーシングなどの加熱による劣化を抑制することもできる。また、その分、不要な電力の消費を低減することもできる。
【0053】
さらに、上記給湯暖房熱源機1では、一つの温度センサ(外気温センサ68)の検出温度に基づいて第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86のそれぞれの動作を制御することができるから、熱源機全体の構成を簡素化することも可能であるし、特に、給排気ファン15によって筐体10内に取り込まれる空気と屋外の空気との温度差が比較的小さい屋外設置式の給湯暖房熱源機に有用である。
【0054】
尚、上記実施の形態では、暖房運転中に外気温センサ68の検出温度Thが下限基準温度T1より低くなった場合は、湯水流通経路における給湯側主流路を運転待機中よりも、また給湯側副流路よりも長時間加熱するように構成されたものを説明したが、外気温Th毎の加熱対象部の加熱度合を示す加熱設定テーブルとして、ヒータの発熱量を第1ヒータ群71〜78と第2ヒータ群81〜86とで別個に有し、暖房運転中に外気温センサ68の検出温度Thが下限基準温度T1より低くなった場合は、給湯側主流路に設けられた第1ヒータ群71〜78の発熱量を運転待機中よりも、また給湯側副流路に設けられた第2ヒータ群81〜86の発熱量よりも大きく設定するように構成されたものとしてもよい。このものにおいても、上記実施の形態に係る給湯暖房熱源機1と同様の作用効果を奏する。
【0055】
また、上記実施の形態では、外気温Thが下限基準温度T1未満になれば、第1ヒータ群71〜78および第2ヒータ群81〜86を同時に作動させるように構成されたものを説明したが、
図4に示すように、外気温Thが下限基準温度T1未満になった場合、第1ヒータ群71〜78を作動させてから所定時間後(例えば、5分後)に第2ヒータ群81〜86を作動させるように構成されたものとしてもよいし、反対に、第2ヒータ群81〜86を作動させてから所定時間後に第1ヒータ群71〜78を作動させるように構成されたものとしてもよい。
【0056】
このように、第1ヒータ群71〜78と第2ヒータ群81〜86とで作動開始のタイミングを異ならせることで、各ヒータを作動させる際のピーク電流を抑制することができるから、給湯暖房熱源機1への供給電力が一定以下に制限される環境下であっても、動作の安定性を担保することができる。
【0057】
また、上記実施の形態では、屋外の空気を給気口101から直接筐体10内に取り込み、排気口102を通じて屋外へ排出するように構成された屋外設置式の給湯暖房熱源機であって、筐体10の内部空間が給気口101および排気口102を介して直接屋外と連通しているものを説明したが、本発明は、屋内に設置して使用される屋内設置式の給湯暖房熱源機であって、屋内の空気を給気口101から筐体10内に取り込み、排気口102に接続された排気管を通じて屋外に排出するように構成されたものにも適用できる。また、屋内設置式の給湯暖房熱源機であって、屋外の空気を給気口101に接続された給気管を通じて筐体10内に取り込み、排気口102に接続された排気管を通じて屋外に排出するように構成されたものにも適用できる。
【0058】
上記実施の形態では、給湯機能および暖房機能に加え、追焚機能や湯張り機能を備えたものを説明したが、本発明は、追焚機能や湯張り機能を備えていない給湯暖房熱源機にも適用できる。また、上記実施の形態では、浴槽P4内の風呂水を風呂熱交換器4との間で加熱循環させるように構成されたものを説明したが、本発明は、暖房端末P3と同様、暖房熱源ユニット3との間で浴槽P4内の風呂水を加熱循環させるように構成された給湯暖房熱源機にも適用できる。