特許第6893228号(P6893228)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6893228改良された保管手段を備える電子喫煙アーティクル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893228
(24)【登録日】2021年6月2日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】改良された保管手段を備える電子喫煙アーティクル
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20210614BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20210614BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A24F40/44
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2019-166012(P2019-166012)
(22)【出願日】2019年9月12日
(62)【分割の表示】特願2016-501884(P2016-501884)の分割
【原出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2020-22458(P2020-22458A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2019年10月9日
(31)【優先権主張番号】13/802,950
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール・スチュアート・チャップマン
(72)【発明者】
【氏名】イエン・プー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ブライアン・ネスター
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ジェイコブ・ノバック・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】グレイディ・ランス・ドゥーリー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・フロイド・ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ピーター・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アラン・カーティス・ビリングス
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0145169(US,A1)
【文献】 特開平07−253202(JP,A)
【文献】 特開平04−179426(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/072762(WO,A1)
【文献】 特開平11−318418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00−47/00
A23D 3/02
A01M 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子喫煙アーティクルのためのカートリッジを提供することを含み、カートリッジは、その中に保存された液体エアロゾル前駆体組成物を有する貯蔵容器と、2つの対向する端部を有する連続した細長い芯および加熱器を含む噴霧器とを備え、
電子喫煙アーティクルのためのカートリッジの寿命にわたってパフあたりの放出される合計粒子状物質を増加させるのに有効な編組形態の芯を形成することを含み、
芯は、コアを包囲する編組シースを有するシース/コア芯である、
方法。
【請求項2】
編組芯は、少なくとも8つに分離した繊維または糸の編組を備える、
請求項1の方法。
【請求項3】
編組芯は、少なくともおよそ12に分離した繊維または糸の編組を備える、
請求項1の方法。
【請求項4】
編組芯は、少なくともおよそ16に分離した繊維または糸の編組を備える、
請求項1の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの分離した繊維または糸は、CガラスあるいはEガラスである、
請求項2〜4のいずれか一項の方法。
【請求項6】
コアは、以下のうちの1つまたは複数であり、すなわち、
非編組である、
編組シースと異なる材料から形成される、
撚糸から形成される、
のうちの1つまたは複数である、請求項5の方法。
【請求項7】
編組芯はエアロゾル前駆体組成物を吸い上げるように適合されている、
請求項1の方法。
【請求項8】
噴霧器を電源に接続することをさらに含む、
請求項1の方法。
【請求項9】
連続した細長い芯のほぼ中間点に加熱器を位置付けることをさらに含む、
請求項1の方法。
【請求項10】
喫煙アーティクルは、パフあたり少なくとも2.5mgの平均合計粒子状物質を生成するように構成されている、
請求項1の方法。
【請求項11】
電子喫煙アーティクルのためのカートリッジであって、
当該カートリッジが、
その中に保存された液体エアロゾル前駆体組成物を有する貯蔵容器と、
カートリッジの寿命にわたってパフあたりの放出される合計粒子状物質を増加させるのに有効な編組芯および加熱器を含む噴霧器と
を備え
芯は、コアを包囲する編組シースを有するシース/コア芯である、
電子喫煙アーティクルのためのカートリッジ。
【請求項12】
電子喫煙アーティクルは、パフあたり少なくとも2.5mgの平均合計粒子状物質を生成するように構成されている、
請求項11のカートリッジ。
【請求項13】
編組芯はエアロゾル前駆体組成物を吸い上げるように適合されている、
請求項11のカートリッジ。
【請求項14】
加熱器は、編組芯と連結し、当該芯のほぼ中間点に位置付けられる、
請求項11のカートリッジ。
【請求項15】
編組芯と物理的に接触し加熱器と電気接続して位置付けられた導電端子をさらに備える、
請求項11のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達アーティクルおよびその使用に関し、より詳細にはタバコおよび吸入式の他の材料の成分を得るための喫煙アーティクルであると考えることができるアーティクルに関する。このようなアーティクルの非常に好ましい成分はタバコから作成される、もしくはタバコに由来する、またはこれらのアーティクルを別の方法で組み込む食用のタバコとして特徴付けることができる。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙デバイスが、使用するためにタバコを燃やす必要がある喫煙製品の改良または代替として長年提案されてきた。これらの装置の多くは意図的に、巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連した感覚を提供するが、不完全燃焼およびタバコの燃焼に由来する熱分解生成物を大量に供給しないように設計されてきた。この目的を達成するために、電気エネルギーを利用して気化するもしくは揮発性材料を加熱する、またはタバコをあまり燃やすことなく巻きタバコ、葉巻、もしくはパイプ喫煙の感覚を提供しようと試みる、多くの喫煙製品、香り発生器、および医薬吸入具が提案されてきた。例えば参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号、Griffith,Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0255702号、Sebastianらによる米国特許出願公開第2014/0000638号、Collettらによる米国特許出願公開第2014/0060554号、および2012年10月8日に出願された米国特許出願第13/647,000号に記載された背景技術に説明された様々な代替喫煙アーティクル、エアロゾル送達デバイスならびに熱発生源を参照されたい。
【0003】
電気エネルギーを利用して煙またはエアロゾル形態を生成したある特定のタバコ製品、特に電子シガレット製品と呼ばれるある特定の製品は、世界中で市販されている。巻きタバコ、葉巻、またはパイプの従来のタイプの特性の多くに類似した代表的製品は、Philip Morris Incorporated製のACCORD(登録商標)、Inno Vapor LLC製のALPHA(商標)、JOYE510(商標)およびM4(商標)、White Cloud Cigarettes製のCIRRUS(商標)およびFLING(商標)、Epuffer(登録商標)International Inc.製のCOHITA(商標)、COLIBRI(商標)、ELITE CLASSIC(商標)、MAGNUM(商標)、PHANTOM(商標)およびSENSE(商標)、Electronic Cigarettes,Inc.製のDUOPRO(商標)、STORM(商標)およびVAPORKING(登録商標)、Egar Australia製のEGAR(商標)、Joyetech製のeGo−C(商標)およびeGo−T(商標)、Elusion UK Ltd製のELUSION(商標)、Eonsmoke LLC製のEONSMOKE(登録商標)、Green Smoke Inc.USA製のGREEN SMOKE(登録商標)、Greenarette LLC製のGREENARETTE(商標)、Smoke Stik(登録商標)製のHALLIGAN(商標)、HENDU(商標)、JET(商標)、MAXXQ(商標)、PINK(商標)およびPITBULL(商標)、Philip Morris International,Inc.製のHEATBAR(商標)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(商標)およびLXE(商標)、LOGIC Technology製のLOGIC(商標)およびTHE CUBAN(商標)、Luciano Smokes Inc.製のLUCI(登録商標)、Nicotex,LLC製のMETRO(登録商標)、Sottera, Inc.製のNJOY(登録商標)およびONEJOY(商標)、SS Choice LLC製のNO.7(商標)、PremiumEstore LLC製のPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(商標)、Ruyan America, Inc.製のRAPPE−MYSTICK(商標)、Red Dragon Products, LLC製のRED DRAGON(商標)、Ruyan Group (Holdings) Ltd.製のRUYAN(登録商標)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.製のSMART SMOKER(登録商標)、Coastline Products LLC製のSMOKE ASSIST(登録商標)、Smoking Everywhere, Inc.製のSMOKING EVERYWHERE(登録商標)、VMR Products LLC製のV2CIGS(商標)、VaporNine LLC製のVAPOR NINE(商標)、Vapor 4 Life,Inc.製のVAPOR4LIFE(登録商標)、E−CigaretteDirect,LLC製のVEPRO(商標)ならびにR.J.Reynolds Vapor Company製のVUSE(登録商標)という商品名で販売されている。しかし他の電動エアロゾル送達デバイス、特にいわゆる電子シガレットと特徴付けられたデバイスは、BLU(商標)、COOLER VISIONS(商標)、DIRECT E−CIG(商標)、DRAGONFLY(商標)、EMIST(商標)、EVERSMOKE(商標)、GAMUCCI(登録商標)、HYBRID FLAME(商標)、KNIGHT STICKS(商標)、ROYAL BLUES(商標)、SMOKETIP(登録商標)およびSOUTH BEACH SMOKE(商標)の商品名で市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7726320号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0060554号明細書
【特許文献5】米国特許出願第13/647000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の感覚を提供するために電気エネルギーによって発生された熱を利用し、タバコをほとんど燃焼することなくそのように利用し、燃焼熱源を必要とすることなくそのように利用し、不完全燃焼および熱分解生成物の大量の供給を必要とすることなくそのように利用する、喫煙アーティクルを提供することが望ましいはずである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、喫煙アーティクルおよび関連した構成要素および方法を提供する。一態様によれば、電力源と、セルロースアセテートを含み、製品を保持するように構成された貯蔵容器とを含む電子喫煙アーティクルが、本明細書に開示される。製品はエアロゾル前駆体組成物を含むことができる。貯蔵容器は中空内部を有する円筒体として実質的に形状されること可能である。貯蔵容器は、喫煙アーティクルの内部表面に一致するように実質的に適合された外部表面を含む。貯蔵容器は、喫煙アーティクルの1つまたは複数のさらなる構成要素を収納するように形状され、また寸法にされることが可能である。該1つまたは複数のさらなる構成要素は噴霧器であることが可能である。噴霧器は、例えば抵抗加熱要素などの加熱器を含むことができる。噴霧器は液体輸送要素をさらに含むことができる。例えば液体輸送要素は、連続した細長いアーティクルであることが可能である。アーティクルは液体を吸い上げるように適合されることが可能である。加熱器は、液体輸送要素の少なくとも一部を備えた加熱配置内にあることが可能である。例えば加熱器は液体輸送要素と接触することができ、液体輸送要素のほぼ中間点に位置付けられることが可能である。液体輸送要素は編組芯であることが可能である。編組芯はシース/コア芯であることが可能であり、シースは編むことができる。シース/コア芯のコアは撚糸であることが可能である。噴霧器は、液体輸送要素の少なくとも一部に沿って延在し、加熱器を備えた導電性配置内にある導電端子を含むことができる。貯蔵容器の中空内部は、貯蔵容器の内壁によって画定された中心空洞を含むことができる。このような内壁は、その中に形成された1つまたは複数の刻み目または突起を含むことができる。例えば内壁は、貯蔵容器の中に延在する直径方向に対向する溝を含むことができる。このような溝(または同様の配置)を噴霧器の少なくとも一部と嵌合するように適合することができる。液体輸送要素を製品と実質的に接触する喫煙アーティクルの内部に作動可能に位置付けることができる。貯蔵容器はセルロースアセテートの繊維トウから形成することができる。一部の実施形態では、セルロースアセテート繊維は約0.5dpf以上の大きさ、特に約0.5〜約20dpfの大きさを有することができる。管または円筒体形状の中空のセルロースアセテートの貯蔵容器は、約1mm〜約4mmの厚さの壁を有することができる。貯蔵容器は、約70重量%〜約99重量%のセルロースアセテート、および約2重量%〜約25重量%の結合剤を備えることができる。さらなる実施形態では、貯蔵容器は、100%のセルロースアセテートからなることが可能である。必要に応じて、さらなる繊維および材料をセルロースアセテートから構成することができる。ある特定の実施形態では、貯蔵容器は、管または中空円筒体の形の織布または不織布の繊維状マットであることが可能である。
【0007】
また本開示は電子喫煙アーティクルに特に役立つことができる芯も提供する。ある特定の実施形態では、電子喫煙アーティクルに使用するのに適切な芯は、少なくとも4つに分離した繊維または糸の編組を備えることができる。特に編組を形成する少なくとも1つの繊維または糸はCガラスまたはEガラスであることが可能である。さらなる実施形態では、芯は少なくとも8つに分離した繊維または糸の編組を備えることができる。さらに編組芯はシース/コア芯であることが可能である。具体的には編組芯はコアを包囲するシースであることが可能である。コアは非編組であることが可能である、編組シースと異なる材料から形成できる、または非編組であり、かつ編組シースと異なる材料から形成することができる。一部の実施形態では、コアは撚糸を備えることができる。
【0008】
さらなる実施形態では、本開示は、その中に保存されたエアロゾル前駆体組成物(例えば液体組成物)を有する貯蔵容器と、貯蔵容器と流体連通する編組芯とを備える電子喫煙アーティクルを提供することができる。編組芯は上に論じたような状態であることが可能である。貯蔵容器は具体的には、実質的に円筒体または管形状に形状されてもよく、中空内部を有してもよい。貯蔵容器は具体的には、セルロースアセテートを含むことができる。貯蔵容器は成形体であってもよい。また貯蔵容器は、セルロースアセテートの繊維を備えるような織布または不織布の繊維状マットであってもよい。繊維状マットを巻くことができ、あるいは別の方法で管または中空円筒形状に形成することができる。
【0009】
他の実施形態では、本開示は電子喫煙アーティクルのためのカートリッジを提供することができる。カートリッジは、エアロゾル前駆体組成物を保持するように適合された管形状の貯蔵容器の中空内部に少なくとも一部が位置付けられた噴霧器を備えることができ、貯蔵容器の管は中空シェル内に位置付けられる。特に貯蔵容器はセルロースアセテートで形成されることが可能である。噴霧器は具体的には2つの対向する端部を有する連続した細長い芯と、芯と連結しそのほぼ中間点に位置付けられた加熱器と、芯と物理的に接触し、加熱器と電気接続されて位置付けられた導電端子とを備えることができる。中空シェルは、制御構成要素(例えば電子喫煙アーティクルの制御装置または電源装置)を係合するように適合された第1の端部および反対側の口端部を備えることができる。噴霧器の加熱器は、中空シェルの口端部に形成された空洞内の貯蔵容器の管から出て延在することができる。芯は本明細書に論じたような編組芯であることが可能である。
【0010】
別の態様では、電子喫煙アーティクルの作成方法が提供される。方法は、中空内部を有するセルロースアセテートを含む円筒体を提供するステップを含む。中空内部の少なくとも一部は、喫煙アーティクルの1つまたは複数のさらなる構成要素を収納するように形状され、また寸法にされることが可能である。方法は、噴霧器をセルロースアセテートの円筒体の中空内部に挿入するステップをさらに含む。方法は、円筒体および噴霧器を中空シェルに挿入するステップ、および噴霧器を電源に接続するステップをさらに含むことができる。電源は電池であることが可能である。中空シェルは電子喫煙アーティクルのカートリッジ部であることが可能である。
【0011】
以上本開示を前述の一般的用語で説明したが、次に添付図面について説明する。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】喫煙アーティクルの実施形態による断面図である。
図2】本開示の実施形態による貯蔵容器を含む電子喫煙アーティクルの部分断面図である。
図3】本開示の実施形態による貯蔵容器および噴霧器を含む電子喫煙アーティクルの分解図である。
図4】本開示の一実施形態による貯蔵容器および噴霧器を組み合わせた斜視図である。
図5】本開示の例示的実施形態によるシース/コア芯の断面図である。
図6】本開示の実施形態による貯蔵容器、および液体によって飽和される貯蔵容器の能力を評価するために、液体組成物内に置かれた後の比較の貯蔵容器の画像である。
図7】本開示の実施形態による貯蔵容器、および液体によって飽和される貯蔵容器の能力を評価するために、液体組成物内に置かれた後の比較の貯蔵容器の画像である。
図8】エアロゾル前駆体組成物で飽和される本開示の実施形態による貯蔵容器の画像である。
図9】エアロゾル化喫煙アーティクル内で貯蔵容器の使用を通してエアロゾル前駆体組成物が減少した後の、図8による貯蔵容器の画像である。
図10】本開示の実施形態による貯蔵容器のエアロゾル形成効率を示すグラフである。
図11】本開示の実施形態による撚芯または編組芯を利用する、エアロゾル化喫煙アーティクルのパフ内に送達された全粒子状物質(TPM)の平均mgの変化を示すグラフである。
図12】8個、12個、または16個の分離した繊維ガラス糸から形成された本開示の実施形態による編組芯を含む、エアロゾル化喫煙アーティクルのパフ内に送達された全粒子状物質(TPM)の平均mgの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本開示について、その例示的実施形態を参照して以下により完全に説明する。これらの例示的実施形態は、本開示が完全かつ徹底的にされ、また本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように説明される。確かに、本開示は多くの異なる形で具現化されてもよく、本明細書に説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が明確にそうでないと指定しない限り複数の指示対象を含む。
【0014】
本開示は、材料(好ましくは材料をほとんど燃焼することなく)を加熱して吸入可能な物質を形成するために電気エネルギーを使用するアーティクルに関し、アーティクルは「携帯用」デバイスと考えられるように充分に小型である。特に本開示は、電子喫煙アーティクル内のエアロゾル前駆体組成物を保存するための貯蔵容器に関する。貯蔵容器は繊維状であることが可能であり、様々な繊維から作成することができる。例えば貯蔵容器はセルロースアセテート繊維から製造できる。貯蔵容器は実質的に管状形状であることが可能であり、喫煙アーティクルのさらなる内部構成要素を収納するように適合できる。
【0015】
本開示は、材料を(好ましくは材料をほとんど燃焼することなく)加熱して吸入可能な物質を形成するために電気エネルギーを使用する製品(およびその製造)に関し、アーティクルは「携帯用」デバイスと考えられるように充分に小型である。ある特定の実施形態では、アーティクルは特に喫煙アーティクルと特徴付けることができる。本明細書で使用される場合、用語「喫煙アーティクル」は、巻きタバコ、葉巻、またはパイプを喫煙する多くの感覚(例えば吸入および吐出形式、味覚またはフレーバーのタイプ、感覚刺激効果、身体的感触、使用形式、可視エアロゾルによって提供されるような視覚的刺激など)を、アーティクルのいかなる構成要素もほとんど燃焼することなく提供するアーティクルを意味することが意図される。本明細書で使用される場合、用語「喫煙アーティクル」は、必ずしも作動中にアーティクルがタバコの燃焼または熱分解の副産物に由来するエアロゾルと言う意味の煙を生成することを意味するのではなく、むしろアーティクルは、アーティクルまたはデバイスのある特定の構成要素の揮発または気化に由来する蒸気(煙状として説明されると考えられ得る、可視エアロゾルであると考えることができるエアロゾル内の蒸気を含む)を獲得することを意味する。非常に好ましい実施形態では、喫煙アーティクルと特徴付けられたアーティクルは、タバコおよび/またはタバコから生じる組成物を組み込む。
【0016】
さらなる実施形態では、本開示に従って製造できるアーティクルは、蒸気を生成するアーティクル、エアロゾル化アーティクル、または薬剤送達アーティクルであると特徴付けることができる。したがって、1つまたは複数の物質(例えばフレーバーおよび/または薬剤活性成分)を吸引可能な形または状態で提供するように、アーティクルを配置できる。例えば吸入可能な物質は実質的に蒸気の形(すなわちその臨界点より低い温度で気相内にある物質)であることが可能である。別法として、吸入可能な物質はエアロゾルの形(すなわち微細固体粒子の懸濁液または気体内の液滴)であることが可能である。簡潔にするために本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル」は、可視であるかどうかに関わらず、また煙状であると考えられる形であるかどうかに関わらず、人の吸入に適した形またはタイプの蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0017】
使用中に、本開示による喫煙アーティクルは、従来のタイプの喫煙アーティクル(例えば炎の点火によって利用され、引き続き燃えるタバコを吸入することによって使用される巻きタバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個々の多くの物理的行為を受けてもよい。例えば本発明の喫煙アーティクルの使用者は、従来のタイプの喫煙アーティクルと酷似した該アーティクルを保持し、該アーティクルによって発生されたエアロゾルの吸入のために該アーティクルの一端を吸い、選択された時間間隔でパフする(吹かす)ことができる。
【0018】
本開示の一態様に従って製造することができる喫煙アーティクルは、外側シェルまたは本体内に提供された多くの構成要素を含むことができる。外側シェルまたは本体の全設計は変えることができ、喫煙アーティクルの全体の大きさおよび形状を画定できる外側本体の型および構成は変えることができる。通常、巻きタバコまたは葉巻の形状に似た細長い本体を単一の一体シェルから形成することができ、または細長い本体を2つ以上の分離した片から形成することができる。例えば喫煙アーティクルは、実質的に管状形状であることが可能であり、したがって従来の巻きタバコまたは葉巻の形状に似ていることが可能な、細長いシェルまたは本体を含むことができる。一実施形態では、喫煙アーティクルのすべての構成要素は、1つの外側本体またはシェル内に含まれる。別法として、喫煙アーティクルは、接合され分離可能な2つのシェルを備えることができる。例えば喫煙アーティクルは、一端で1つまたは複数の再利用可能な構成要素(例えば再充電可能な電池および該アーティクルの作動を制御するための様々な電子機器)を含むシェルを備える制御体を有することができ、他端でそれに取外し可能に取り付けられた使い捨て可能な部分(例えば使い捨て可能なフレーバー含有カートリッジ)を含むシェルを有することができる。加えて様々な喫煙アーティクルの設計および構成要素の配置は、本開示の背景技術の項に一覧にされた代表的製品などの市販の電子喫煙アーティクルを考慮して理解することができる。
【0019】
本開示の一態様に従って製造できる喫煙アーティクルは、電力源(すなわち電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば発熱のために電源からアーティクルの他の構成要素への電流流れを制御することなどにより、電力を作動し、制御し、調節し、停止するための手段)、加熱器または発熱構成要素(例えば電気抵抗加熱要素または通常「噴霧器」と呼ばれる構成要素)、ならびにエアロゾル前駆体組成物(例えば通常「スモークジュース」、「e液体」および「eジュース」と呼ばれる含有物などの、充分な熱を加える際に通常エアロゾルを得ることができる液体)、ならびにエアロゾルの吸入のために喫煙アーティクルを吸うことができる口端部領域または先端(例えば吸ったときに発生したエアロゾルをそこから吸うことができるように、アーティクルを通る画定された空気流路)の一部の組合せを含むことができる。アーティクル内の構成要素の位置合わせは変えることができる。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物を、使用者へのエアロゾルの送達を最大にするように、使用者の口の近位にあるアーティクル(例えばある特定の状況では交換可能で使い捨て可能なカートリッジを備える)の端部の付近に配置することができる。しかし他の構成を除外しない。概して加熱構成要素を該エアロゾル前駆体組成物に充分近くに位置付けることができるので、加熱構成要素からの熱はエアロゾル前駆体(ならびに1つまたは複数のフレーバー、薬剤、または同様に使用者に送達するために提供され得るものなど)を揮発させ、使用者に送達するためのエアロゾルを形成できる。加熱部材がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、エアロゾルは消費者が吸入するために適切な物理的形で形成され、放出され、または発生される。前述の用語は交換可能であるように意味するので、release(放出する)、releasing、releases、またはreleasedの引用は、form(形成する)またはgenerate(発生する)、formingまたはgenerating、formsまたはgenerates、およびformedまたはgeneratedを含むことに留意されたい。具体的には吸入可能な物質は揮発もしくはエアロゾルまたはそれらの混合の形で放出される。加えて様々な喫煙アーティクル構成要素の選択は、本開示の背景技術の項に一覧にされた代表的製品などの市販の電子喫煙アーティクルを考慮して理解することができる。
【0020】
本開示の一態様に従って製造できる喫煙アーティクルは、抵抗加熱、制御システムの電力供給、および含有物の電力供給など、アーティクルに様々な機能を提供するのに充分な電流を提供するために、電池または他の電力源を含むことができる。電源は様々な実施形態を取り入れることができる。好ましくは、電源は加熱部材を迅速に加熱するために充分な電力を送達して、エアロゾル形成を提供し、所望の時間に使用を通してアーティクルに電力供給することができる。電源は好ましくはアーティクル内に好都合に適合する大きさであるので、アーティクルを容易に取り扱うことができ、加えて好ましい電源は望ましい喫煙体験を損なわないように充分に軽い重量であることが好ましい。
【0021】
本開示による例示的喫煙アーティクル10は図1に示されている。そこに示された表面に見られるように、喫煙アーティクル10は、機能する関係で位置合わせできる制御体80およびカートリッジ90を備えることができる。これについては、制御体80およびカートリッジ90は互いに取り付け可能であり取外し可能であってもよい。螺合係合が図1に示されているが、圧入係合、または磁気係合などのさらなる係合手段が包含されることが理解される。カートリッジは、特に本明細書に別の方法で説明されているような単一使用の連結具を含むことができる。
【0022】
特定の実施形態では、制御体80は再利用可能であると言われることがあり、カートリッジ90は使い捨て可能であると言われることがある。一部の実施形態では、制御体は限られた数のカートリッジを備えた限られた使用回数(例えば電池電力成分が喫煙アーティクルにもはや充分な電力を提供しなくなるまで)のみに対して構成されてもよく、その後制御体を含む喫煙アーティクル10全体は廃棄されてもよいと言う点において、喫煙アーティクル全体は使い捨て可能であると特徴付けられてもよい。他の実施形態では、制御体は交換可能な電池を有してもよいので、制御体は多数の電池交換を通して多くのカートリッジと共に再使用できる。同様に喫煙アーティクル10は再充電可能であってもよく、したがって典型的な電気コンセントへの接続、カーチャージャーへの接続(すなわちシガーソケットコンセント)、およびUSBケーブルなどのコンピュータへの接続を含む、あらゆるタイプの再充電技術と組み合わせてもよい。
【0023】
制御体80は、制御構成要素20、流量センサ30、および電池40を含む。これらの構成要素は特定の位置合わせで示されているが、構成要素の様々な位置合わせが本開示によって包含されることが理解される。制御体80は複数の表示器19を制御体シェル81の遠位端12にさらに含む。このような表示器19は、行われるパフ数または喫煙アーティクルからの残量を示すことができ、活性または不活性状態を表示でき、パフに応答して点灯することなどができる。表示器は様々な数を提供でき、異なる形状をとることができ、単に本体における開口(このような表示器が存在するときの放音のためなど)であることでさえも可能である。
【0024】
1つまたは複数の空気取入口17のための様々な位置は本開示によって包含される。示されたように、空気取入口17は、取入口を通って吸われた空気が流量センサ30を活性化するために、センサに充分に接触するように制御体シェル81内に位置付けられてもよい(しかし特に異なる検知手段が提供される場合、または押しボタンなどを備える手動作動が提供される場合、他の位置が包含される)。また受容体60は制御体80の近位の取付端部13に含まれ、制御体突起部82の中に延在することにより、カートリッジ90が制御体に取り付けられるときに抵抗加熱要素50との電気接続を容易にすることができる。示された実施形態では、受容体60はアーティクル10の使用中に制御体内の空気取入口からカートリッジの中への気流を促進するために中心開放通路を含む。
【0025】
カートリッジ90は、口開口部18を備えたカートリッジシェル91をその口端部11に含むことによって、喫煙アーティクル10を吸っている間にカートリッジから消費者に空気および随伴蒸気(すなわち吸引可能な形のエアロゾル前駆体組成物の成分)が通過可能になる。本開示による喫煙アーティクル10は実質的にロッド状である、または実質的に管状形状である、または実質的に円筒形状であるように画定され得る全体形状を有してもよい。図1に示されたように、喫煙アーティクル10は実質的に円形断面を有するが、他の断面形状(例えば長円形、四角形、三角形など)も本開示に包含される。喫煙アーティクルの物理的形状を説明するような言語は、制御体およびカートリッジなどの複合ユニットを備える実施形態において喫煙アーティクルの個々のユニットにも適用されてもよい。
【0026】
好ましい実施形態では、喫煙アーティクル10は、巻きタバコまたは葉巻の形状に匹敵する大きさを取ってもよい。したがって喫煙アーティクルは、約5mm〜約25mm、約5mm〜約20mm、約6mm〜約15mm、または約6mm〜約10mmの直径を有してもよい。このような寸法は特に制御体シェル81および/またはカートリッジシェル91の外径に対応してもよい。制御体は、約50mm〜約110mm、約60mm〜約100mm、または約65mm〜約95mmの長さを有することができる。カートリッジは、約20mm〜約60mm、約25mm〜約55mm、または約30mm〜約50mmの長さを有することができる。カートリッジおよび制御体を組み合わせた全長(または単一の一体シェルで形成された本開示による喫煙アーティクルの全長)は、通常の巻きタバコの長さとほぼ等しいかまたはそれ以下、例えば約70mm〜約130mm、約80mm〜約125mm、または約90mm〜約120mmであることが可能である。
【0027】
喫煙アーティクル10のカートリッジシェル91は、管状形状などの適切な構造を形成し維持するため、またその中に喫煙アーティクルの適切な構成要素を保持するために適切なあらゆる材料で形成することができる。本体は図1に示されたように単一壁で形成することができる。カートリッジシェル91は、少なくとも抵抗加熱要素によって提供される加熱温度である温度でその構造の完全性を維持する(例えば低下しない)ように加熱抵抗である材料(天然または合成)から形成することができる。一部の実施形態では、加熱抵抗高分子を使用してもよい。他の実施形態では、本体は紙から、またはステンレス鋼などの金属から形成することができる。本明細書にさらに論じられたように、紙管などの本体は、それを通って蒸気が移動するのを実質的に防止するように機能を果たす、それに関連付けられた1つまたは複数の層を有してもよい。一例では、アルミホイル層は本体の一面に積層されてもよい。またセラミック材料を使用してもよい。
【0028】
カートリッジ90は、金属線コイルの形の抵抗加熱要素50をさらに含む。抵抗加熱要素は、抵抗加熱要素を通る電流を促進するため、また適切な配線(図示せず)を取り付けるためにその対向する端部に端子51(例えば正端子および負端子)を含んで、カートリッジ90が制御体80に接続されると抵抗加熱要素が電池40と電気接続を形成する。具体的にはプラグ65をカートリッジの取付遠位端14に位置付ける。カートリッジ90が制御体80に接続されると、プラグ65は受容体60に係合して電気接続を形成するので、電流は電池40から受容体およびプラグを通って抵抗加熱要素50に制御可能に流れる。カートリッジシェル91は、カートリッジのこの端部がそこから突出するプラグで実質的に閉鎖されるように、取付遠位端を連続して横切ることができる。図1に示されたように、プラグ65は受容体60内の中心開放通路と位置合わせする中心開放通路を含むことにより、空気が制御体80からカートリッジ90の中に流れることが可能になる。
【0029】
概して使用時に消費者がカートリッジの口端部11を吸うと、流量センサ30は流れの変化を検出し、制御構成要素20を作動させて抵抗加熱要素50を通る電流を促進する。したがって気流が制御体80を通って、流量センサ30が気流をほぼ即座に検出する手法で移動することが有益である。
【0030】
制御アルゴリズムは、画定された温度を循環し、したがって維持するために抵抗加熱要素50に電力を必要としてもよい。したがって、消費者によるパフなしに画定された時間が経過した後、喫煙アーティクル10を自動的に非活性化し、喫煙アーティクルを通る電力を中止するように制御アルゴリズムをプログラミングすることができる。さらに喫煙アーティクルは、フィードバックを制御構成要素に提供するために温度センサを含むことができる。このようなセンサは、例えば抵抗加熱要素50に直接接触することができる。抵抗加熱要素を通して抵抗を評価し、このような抵抗を要素の温度に関連付けるために論理制御構成要素に依頼するような、代替温度検知手段を同様に使用してもよい。他の実施形態では、流量センサ30は、容量検知などの代替検知手段を提供するために適切な構成要素によって置換されてもよい。なおさらに、1つまたは複数の制御ボタンを含むことができることにより、消費者による手動作動がアーティクル10の電源をオンオフする、加熱要素50をオンして吸入用蒸気またはエアロゾルを発生するなどの様々な機能を引き出すことが可能になる。
【0031】
流量センサ30が制御体80内に位置付けられる際は、空気取入口17を制御体上に有するのに役立つことができる。必要に応じて制御体80内の流量センサ30は、カートリッジおよび制御体が係合された後、カートリッジ内部と流体連結するように、封止された流路を提供することができる。このような流体連結は制御体内の構成要素の残余に関して封止されるが、制御体に取り付けられる際にカートリッジ90に開く。さらに他の実施形態では、流量センサ30を制御体80の代わりにカートリッジ90内に配置することができる。
【0032】
貯蔵容器は、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化帯に輸送するために輸送要素を利用してもよい。本明細書で使用される場合、用語「貯蔵容器」は、液体、流体、またはエアロゾルなどの生成物を保持する、保管する、または維持するための受容体またはチャンバを指す。このような一例は図1に示されている。そこに示されたように、カートリッジ90は、この実施形態では、カートリッジシェル91の内部を取り囲む管の形状に形成された不織布の層を備える貯留層201を含む。エアロゾル前駆体組成物は貯留層201内に維持される。例えば液体構成要素は、貯留層201によって吸着して保持されることが可能である。貯留層201は輸送要素301(この実施形態では芯)と流体連結する。輸送要素301は貯留層201内に保存されたエアロゾル前駆体組成物を毛細管現象によりカートリッジ90のエアロゾル化帯400に輸送する。示されたように輸送要素301は、この実施形態では金属線コイルの形である抵抗加熱要素50と直接接触する。
【0033】
使用時に使用者がアーティクル10を吸うと、抵抗加熱要素50は活性化され(例えばパフセンサなどにより)、エアロゾル前駆体構成要素のための構成要素はエアロゾル化帯400内で気化する。アーティクル10の口端部11を吸うと、外気が空気取入口17に入り、受容体60内の中心開口およびプラグ65内の中心開口を通過する。カートリッジ90内では、吸われた空気が空気通路管220内の空気通路230を通過し、エアロゾル化帯400内に形成された蒸気と組み合わされてエアロゾルを形成する。エアロゾルはエアロゾル化帯から素早く離れ、空気通路管250内の空気通路260を通過し、アーティクル10の口端部11内の口開口部18から出る。必要に応じて空気通路管250がないことも可能であり、開放空洞は、エアロゾル前駆体組成物が抵抗加熱要素50によって気化される際にエアロゾルを形成するためにその場所に存在してもよい。
【0034】
図1に示された実施形態では、喫煙アーティクル10を使い捨て可能なアーティクルと特徴付けることができる。したがってこのような実施形態では、貯蔵容器201は、消費者が喫煙アーティクルを2回以上使用できるように、充分な量のエアロゾル前駆体組成物およびさらにあらゆる吸引可能な物質を含むことが望ましい可能性がある。例えば喫煙アーティクルは、喫煙アーティクルが複数の従来の巻きタバコ、例えば2本以上、5本以上、10本以上、または20本以上の従来の巻きタバコから得られる数の(約2秒間の)パフと実質的に等しい数のパフを提供することができるように、充分なエアロゾル化可能なかつ/または吸引可能な物質を含むことができる。より具体的には、図1の実施形態による使い捨て可能な単一ユニットのアーティクルは、約20回以上、約50回以上、または約100回以上のパフを提供できる。
【0035】
図1は本開示による喫煙アーティクルを示すが、本開示の範囲は、そこに示された構成要素の特定の組合せおよび/または配置に限定されるとみなされるべきではない。むしろ本開示は、電子喫煙アーティクルの形成に有益な構成要素の様々な組合せを包含できる。例えばSebastianらによる米国特許出願公開第2014/0000638号、およびGriffith,Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0255702号に開示された喫煙アーティクルを参照し、それらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。上記に加えて、その中で使用するための代表的な加熱要素および物質が、Countsらによる米国特許第5,060,671号、Deeviらによる米国特許第5,093,894号、Deeviらによる米国特許第5,224,498号、Sprinkel Jr.らによる米国特許第5,228,460号、Deeviらによる米国特許第5,322,075号、Deeviらによる米国特許第5,353,813号、Deeviらによる米国特許第5,468,936号、Dasによる米国特許第5,498,850号、Dasによる米国特許第5,659,656号、Deeviらによる米国特許第5,498,855号、Hajaligolによる米国特許第5,530,225号、Hajaligolによる米国特許第5,665,262号、Dasらによる米国特許第5,573,692号、およびFleischhauerらによる米国特許第5,591,368号に説明されており、これらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0036】
本発明による喫煙アーティクルの様々な構成要素を、当技術分野に説明され市販されている構成要素から選択できる。本開示に従って使用できる電池の例は、米国特許出願公開第2010/0028766号に説明されており、この開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0037】
パフ行為の機能を提供できる例示的機構には、米国イリノイ州FreeportのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部によって製造されたModel 163PC01D36シリコンセンサが含まれる。本開示による加熱回路で利用し得る需要作動型電気スイッチのさらなる例には、Gerthらによる米国特許第4,735,217号に説明されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本喫煙アーティクルに役立つことができるマイクロコントローラを含む、電流調整回路および他の制御構成要素のさらなる説明は、すべてBrooksらによる米国特許第4,922,901号、第4,947,874号、および第4,947,875号、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号、およびNguyenらによる米国特許第7,040,314号に提供され、これらのすべては参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
エアロゾル前駆体組成物または蒸気前駆体組成物は、1つまたは複数の異なる組成物を備えることができる。例えばエアロゾル前駆体は多価アルコール(例えばグリセリン、プロピレングリコール、またはそれらの混合物)を含むことができる。さらなるエアロゾル前駆体組成物の代表的なタイプは、Sensabaugh,Jr.らによる米国特許第4,793,365号、Jakobらによる米国特許第5,101,839号、Biggsらによる国際特許出願PCT WO第98/57556号、およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instread of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に説明されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
エアロゾル前駆体組成物はさらに水などの液状物質を含むことができる。例えば前駆体組成物はグリセリンおよび水の混合物、プロピレングリコールおよび水の混合物、もしくはプロピレングリコールおよびグリセリンの混合物、またはプロピレングリコール、グリセリンおよび水の混合物を組み込むことができる。また例示的エアロゾル前駆体組成物には、関連した喫煙カートリッジタイプCla、C2a、C3a、C4a、Clb、C2b、C3b、およびC4bを使用して利用できる、商標E−CIGを有する電子葉巻として、および中国北京のRuyan SBT Technology and Development Co.,Ltd.製のRuyan Atomizing Electronic Pipe and Ruyan Atomizing Electronic Cigaretteとして、米国ジョージア州AcworthのAtlanta Imports Inc.を通して入手可能なデバイス内に組み込まれた材料のタイプが含まれる。本開示に従って使用できるエアロゾル前駆体組成物の例示的製剤は、Zhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号に説明されており、この開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0040】
開示された喫煙アーティクル内に使用されるエアロゾル前駆体組成物は、1つまたは複数のフレーバー、薬剤、または他の吸引可能な材料をさらに備えることができる。例えば液体ニコチンを使用することができる。このような追加の材料はエアロゾル前駆体組成物または蒸気前駆体組成物の1つまたは複数の成分を備えることができる。したがってエアロゾル前駆体組成物または蒸気前駆体組成物を吸引可能な物質を備えるように説明することができる。このような吸引可能な物質は、フレーバー、薬剤、および本明細書で論じられたような他の材料を含むことができる。特に本発明による喫煙アーティクルを使用して送達される吸引可能な物質は、タバコ成分またはタバコ由来の材料を備えることができる。別法として、フレーバー、薬剤、または他の吸引可能な物質は、他のエアロゾル前駆体組成物から分離して、例えば貯蔵容器内に提供できる。したがってフレーバー、薬剤、または他の吸引可能な物質の画定された分割量は、抵抗加熱要素に個別にまたは同時に送達されて、エアロゾル前駆体組成物または蒸気前駆体組成物のさらなる成分と共に使用者が吸引するために、フレーバー、薬剤、または他の吸引可能な物質を気流の中に放出してもよい。
【0041】
多種多様のタイプのフレーバー剤、または喫煙アーティクルの主流エアロゾルの感覚もしくは感覚刺激の特徴もしくは性質を変える材料を利用できる。タバコ以外の源から提供できるこのようなフレーバー剤は、天然または人工であることが可能であり、濃縮物またはフレーバーパッケージとして利用できる。特に注目されるのは、エアロゾルが発生する喫煙アーティクルの領域に加えられ、またはその領域内に組み込まれるフレーバー剤である。やはりこのような溶剤も抵抗加熱要素に直接供給することができ、またはすでに上述されたように基材上に提供してもよい。例示的フレーバー剤には、バニリン、エチルバニリン、クリーム、紅茶、コーヒー、果物(例えばリンゴ、サクランボ、イチゴ、桃、ならびにライムおよびレモンを含む柑橘風味)、カエデ、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、白檀、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草、および巻きタバコ、葉巻、およびパイプ用タバコのフレーバーに従来使用されたタイプおよび特徴のフレーバーおよびフレーバーパッケージが含まれる。高果糖のコーンシロップなどのシロップも利用できる。またフレーバー剤は酸性または塩基性(例えばレブリン酸、コハク酸、乳酸、およびピルビン酸などの有機酸)も含むことができる。フレーバー剤は、必要に応じてエアロゾル生成物質と組み合わせることができる。使用できる例示的植物由来の組成物は、Dubeらによる米国特許出願公開第2012/0152265号、およびDubeらによる米国特許出願公開第2012/0192880号に開示され、これらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0042】
有機酸は特にエアロゾル前駆体に組み込まれて、望ましい変更をエアロゾル前駆体と組み合わせてもよいフレーバー、感覚、またはニコチンなどの薬剤の官能特性に提供してもよい。例えばレブリン酸、コハク酸、乳酸、およびピルビン酸などの有機酸は、ニコチンを有する等モル量(全有機酸量に基づく)までニコチンを有するエアロゾル前駆体内に含まれてもよい。有機酸のあらゆる組合せを使用することができる。例えばエアロゾル前駆体は、ニコチン1モル当たり約0.1〜約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1〜約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1〜約0.5モルの乳酸、またはそれらの組合せを、存在する有機酸の総量がエアロゾル前駆体に存在するニコチンの総量に等モル量である濃度まで含むことができる。
【0043】
タバコに由来する医薬品グレードニコチンを含む、タバコ抽出成分を含むエアロゾル前駆体物質の実施形態では、タバコ抽出成分は、例えばN’−ニトロソノルニコチン(NNN)、(4−メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)、N’−ニトロソアナタビン(NAT)、およびN’−ニトロソアナバシン(NAB)を含むタバコ−特異的ニトロソアミン(TSNA)、ならびにベンズ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、クリセン、ジベンズ[a,h]アントラセン、およびインデノ[1,2,3−cd]ピレンを含む多環芳香族炭化水素(PAH)などを含むホフマン検体と総称される実質的に化合物を含まないように特徴付けることが好都合である。ある特定の実施形態では、エアロゾル前駆体物質は、TSNAおよびPAHを含む、いかなるホフマン検体も完全に含まないように特徴付けることができる。エアロゾル前駆体物質の実施形態は、約5ppm未満、約3ppm未満、約1ppm未満、もしくは約0.1ppm未満の範囲内、またはあらゆる検出可能な限度より低い範囲であってもTSNAレベル(または他のホフマン検体レベル)を有してもよい。ある特定の抽出過程または処理過程を使用してホフマン検体濃度の低減を達成することができる。例えばすべてが参照により本明細書に組み込まれる、Bhattacharyyaらによる米国特許出願公開第2007/0186940号、Reesらによる米国特許出願公開第2011/0041859号、およびJonssonらによる米国特許出願公開第2011/0159160号、ならびにByrdらにより2011年5月19日に出願された米国特許出願第13/111,330号に説明されたように、例えばタバコ抽出物をインプリントポリマーまたは非インプリントポリマーと接触させることができる。タバコ抽出物はアミン官能性を有するイオン交換物質で処理されてもよく、アミン官能性はある特定のアルデヒドおよび他の化合物を取り除くことができる。例えば参照により本明細書にそれらの全体が組み込まれる、Horsewellらによる米国特許第4,033,361号およびFiglarらによる米国特許第6,779,529号を参照されたい。
【0044】
ある特定の実施形態では、エアロゾル前駆体を、電子喫煙アーティクル内でエアロゾル形成のために過熱中に表面積を増加するように適合させることができる。エアロゾル前駆体は発泡性物質を備えることができ、発泡性物質を加熱中に低下させ、二酸化炭素(または他のガス状物質)を充分に放出することにより、エアロゾル前駆体の少なくとも一部を形成する、または微細液滴を生成するように適合させることができる。このような発泡性を含むことにより、エアロゾル前駆体からエアロゾルを形成するために必要な熱量を低減するのに役立つことができる。
【0045】
エアロゾル前駆体組成物は、その中で利用される材料の様々な量に基づいて様々な形態を取ってもよい。例えば有益なエアロゾル前駆体組成物は、約98重量%まで、約95重量%まで、または約90重量%までのポリオールを含んでもよい。この総量は2個以上の異なるポリオール間のあらゆる組合せで分離することができる。例えば第1のポリオールは約50重量%〜約90重量%、約60重量%〜約90重量%、または約75重量%〜約90重量%のエアロゾル前駆体を含むことができ、第2のポリオールは約2重量%〜約45重量%、約2重量%〜約25重量%、または約2重量%〜約10重量%のエアロゾル前駆体を含むことができる。また有益なエアロゾル前駆体は、約25重量%まで、約20重量%まで、または約15重量%までの水、特に約2重量%〜約25重量%、約5重量%〜約20重量%、または約7重量%〜約15重量%の水を含むことができる。フレーバーなど(これらはニコチンなどの薬剤を含むことができる)は、約10重量%まで、約8重量%まで、または約5重量%までのエアロゾル前駆体を含むことができる。
【0046】
非限定的な例として、本発明によるエアロゾル前駆体は、グリセロール、プロピレングリコール、水、ニコチン、および1つまたは複数のフレーバーを含むことができる。具体的には、グリセロールは約70重量%〜約90重量%、約70重量%〜約85重量%、または約75重量%〜約85重量%の量が存在可能であり、プロピレングリコールは約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約8重量%、または約2重量%〜約6重量%の量が存在可能であり、水は約10重量%〜約20重量%、約10重量%〜約18重量%、または約12重量%〜約16重量%の量が存在可能であり、ニコチンは約0.1重量%〜約5重量%、約0.5重量%〜約4重量%、または約1重量%〜約3重量%の量が存在可能であり、フレーバーは約5重量%まで、約3重量%まで、または約1重量%までの量が存在可能であり、総量はエアロゾル前駆体の総重量に基づく。エアロゾル前駆体のある特定の非制限的な例は、約75重量%〜約80重量%のグリセロール、約13重量%〜約15重量%の水、約4重量%〜約6重量%のプロピレングリコール、約2重量%〜約3重量%のニコチン、約0.1重量%〜約0.5重量%のフレーバーを含む。ニコチンは例えばタバコ抽出物から由来することが可能である。
【0047】
喫煙アーティクル内で使用されるエアロゾル前駆体組成物は、アーティクルが受容可能なセンサおよび官能特性、ならびに望ましい性能特徴を示すような量である。例えば多くの点でタバコの煙の外観に似ている可視主流エアロゾルの発生を提供するために、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなどの充分なエアロゾル前駆体成分組成を利用することが、非常に好ましい。通常喫煙アーティクルに組み込まれるエアロゾル発生物質の量は、約1.5g以下、約1g以下、または約0.5g以下の範囲である。エアロゾル前駆体組成物の量は、喫煙アーティクルと共に使用される1カートリッジ当たりに望ましいパフの数などの要因に依存することができる。エアロゾル前駆体組成物は、かなりの程度の受容できない異味、薄膜の食感、またはタバコ刻みフィラーを燃焼することにより主流煙を生成する、従来のタイプの巻きタバコの感覚経験と大きく異なる感覚経験全体を導かないことが望ましい。特定のエアロゾル生成物質および貯蔵物質、使用される構成要素の量、ならびに使用されるタバコ物質のタイプの選択は、喫煙アーティクルによって生成される主流エアロゾルの化学成分全体を制御するために変えることができる。
【0048】
なおさらなる構成要素を本開示の喫煙アーティクルに利用できる。例えば、Sprinkel, Jr.による米国特許第5,261,424号は、吸い込みをし、次いで加熱をもたらすことに関連した使用者の唇の動作を検出するためにデバイスの口端部に関連付けることができる圧電センサを開示し、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号は、吸口を通って降下する圧力に応答して加熱負荷アレイに入るエネルギーの流を制御するためのパフセンサを開示し、Harrisらによる米国特許第5,967,148号は、挿入された構成要素の赤外線透過率内で不均一性を検出する識別子、および構成要素が受容体に挿入されると検出ルーチンを実行する制御装置を含む、喫煙デバイス内の受容体を開示し、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号は、複数の異なる相を備える画定された実行可能な動力サイクルを説明し、Watkinsらによる米国特許第5,934,289号は光電子構成要素を開示し、Countsらによる米国特許第5,954,979号は喫煙デバイスを通る吸引抵抗を変える手段を開示し、Blakeらによる米国特許第6,803,545号は喫煙デバイスを使用するための特定の電池構成を開示し、Griffenらによる米国特許第7,293,565号は喫煙デバイスと共に使用するための様々な充電システムを開示し、Fernandoらによる米国特許出願公開第2009/0320863号は、充電を促進し喫煙デバイスのコンピュータ制御を可能にするために喫煙デバイスに対してコンピュータ・インターフェース手段を開示し、Fernandoらによる米国特許出願公開第2010/0163063号は喫煙デバイスのための識別システムを開示し、Flickによる国際特許WO第2010/003480号は、エアロゾル生成システム内のパフを示す流体流れ検知システムを開示し、前述の開示のすべては参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。電子エアロゾル送達アーティクルおよび本アーティクルに使用できる材料または構成要素の開示に関連した構成要素のさらなる例には、Gerthらによる米国特許第4,735,217号、Morganらによる米国特許第5,249,586号、Higginsらによる米国特許第5,666,977号、Adamsらによる米国特許第6,053,176号、Whiteによる米国特許第6,164,287号、Vogesによる米国特許第6,196,218号、Felterらによる米国特許第6,810,883号、Nicholsによる米国特許第6,854,461号、Honによる米国特許第7,832,410号、Kobayashiによる米国特許第7,513,253号、Hamanoによる米国特許第7,896,006号、Shayanによる米国特許第6,772,756号、Honによる米国特許出願公開第2009/0095311号、第2006/0196518号、第2009/0126745号、および第2009/0188490号、Thorensらによる米国特許出願公開第2009/0272379号、Monseesらによる米国特許出願公開第2009/0260641号および第2009/0260642号、Oglesbyらによる米国特許出願公開第2008/0149118号および第2010/0024834号、Wangによる米国特許出願公開第2010/0307518号、Wormらによる米国特許出願公開第2013/0037041号、ならびにHonによる国際特許WO第2010/091593号が含まれる。前述の文書によって開示された様々な物質は様々な実施形態における本デバイスに組み込まれてもよく、前述の開示のすべては参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0049】
本開示によるアーティクルは以下に詳しく論じるように様々な実施形態を取ってもよいが、消費者によるアーティクルの使用は同様の範囲内になる。特にアーティクルは単一ユニットとして、または使用するために消費者によって組み合わせられ、次いで消費者によりその後分解される複数の構成要素として提供されることが可能である。概して本開示による喫煙アーティクルは、第2のユニットと係合可能であり、係脱可能である第1のユニットを備えることができ、第1のユニットは抵抗加熱要素を備え、第2のユニットは電源を備える。一部の実施形態では、第2のユニットは、電流を電源から作動または調整する1つまたは複数の制御構成要素をさらに備えることができる。第1のユニットは第2のユニットを係合する遠位端、およびその近位端に開口を備える吸口(または単に口端部)を含む反対側の近位端を備えることができる。第1のユニットは、第1のユニットの吸口への気流路開口を備えることができ、気流路は抵抗加熱要素から形成されたエアロゾルの経路を吸口の中に提供することができる。好ましい実施形態では、第1のユニットは使い捨て可能である。同様に第2のユニットは再利用可能である。
【0050】
使用中、消費者は抵抗加熱要素の加熱を開始し、抵抗加熱要素によって生成される熱はエアロゾル前駆体組成物を、恣意的にさらに吸引可能な物質をエアロゾル化する。このような加熱は少なくとも一部のエアロゾル前駆体組成物をエアロゾルの形(それと共に含まれるあらゆるさらなる吸引可能な物質を含むことができる)で放出し、このようなエアロゾルは、カートリッジの口端部と流体連通するカートリッジ内部の空間内に提供される。消費者がカートリッジの口端部を吸引すると、空気はカートリッジを通って引き込まれ、引き込まれた物質がカートリッジの口端部(および存在するあらゆる恣意的な吸口)から出て消費者の口の中に入る際に、吸い込まれた空気とエアロゾルの組合せが消費者によって吸引される。加熱を開始するために、消費者は押しボタン、容量センサ、または抵抗加熱要素に電池または他のエネルギー源(コンデンサなど)から電気エネルギーを受領させる同様の構成要素を作動させてもよい。電気エネルギーは所定の長さの時間供給されてもよく、または手動で制御されてもよい。好ましくは電気エネルギーの流れは、実質的にアーティクルのパフの間に進まない(しかしエネルギーの流れは大気温度より高い基本温度、例えば活性加熱温度への急速加熱を促進する温度を維持するために進んでもよい)。さらなる実施形態では、加熱は、本明細書に別法で説明されたように様々なセンサの使用を通して消費者が行うパフによって開始されてもよい。一旦パフが中断されると、加熱は止まるか、または低減される。充分な量の吸引可能な物質(例えば通常の喫煙経験と等しい充分な量)を放出するように消費者が充分な回数のパフをすると、カートリッジを制御筐体から取り外して廃棄することができる。カートリッジが使い切った(すなわちエアロゾル前駆体組成物が消費者によって実質的に取り外された)表示を提供することができる。一部の実施形態では、単一カートリッジは単一の喫煙経験より多くを提供することができ、したがって1箱に完全に充填された従来の巻きタバコと同量またはそれ以上さえも想定して、充分な中身のエアロゾル前駆体組成物を提供することができる。
【0051】
アーティクルの使用の前述の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示を考慮すれば当業者には明らかにできる、わずかな修正を通して説明された様々な実施形態に適用することができる。しかし上記の使用説明はアーティクルの使用を限定することを意図するものではなく、本開示の開示に必要なすべての要件に準拠するために提供されている。
【0052】
様々な実施形態では、本開示は特に喫煙アーティクルのさらなる要素、特にカートリッジと容易に組み合わせることができる貯蔵容器を提供することができる。例えば図2は、電子喫煙アーティクル内に含むことができるカートリッジ500の断面図を提供する。カートリッジ500は一実施形態による貯蔵容器501を含む。カートリッジ500は実質的に管状形状であることが可能であり、本明細書に説明されたように貯蔵容器壁502を形成することができる。示されたように、貯蔵容器501はカートリッジ壁502と同心円である実質的に概ね中空管の形状であることが可能である。貯蔵容器501は実質的に棒状である、または実質的に管状形状である、または実質的に円筒形状であることが可能である。したがって貯蔵容器501は、貯蔵容器501をカートリッジ500内に嵌合するように適合できるような直径を有することができる。貯蔵容器501は、同心円または重ね合わせることできる複数の組み合わされた層から形成ることができる。例えば貯蔵容器501は、中空管を形成するために巻かれた、連続したシートの材料であることが可能である。また貯蔵容器は不織布材料のマットであってもよい。他の実施形態では、貯蔵容器501は実質的に単一構成要素であることが可能である。例えば貯蔵容器501は、その長さおよび厚さに亘る実質的に連続した構成である、実質的に中空管の形の単一要素であるように形状または鋳造することができる。貯蔵容器501は剛体または半剛体であることが可能である。貯蔵容器501は、第1の端部503および反対側の第2の端部504を含むことができる。貯蔵容器501は、カートリッジ壁502の内部表面506に一致するように、実質的に形状および適合することができる外部表面505を含む。必要に応じて本開示による喫煙アーティクルの1つまたは複数の追加構成要素を、貯蔵容器501の内部または周囲に収納することができる。貯蔵容器501は図2の喫煙アーティクルのカートリッジ500の部分の中に示されているが、貯蔵容器501は、その中に保存されたエアロゾル前駆体組成物の貯蔵および送達を妨げないように、喫煙アーティクルのあらゆる部分の中に位置付けることができることが当業者には理解されよう。
【0053】
ある特定の実施形態では、本開示による貯蔵容器を、その中空内部の少なくとも一部が喫煙アーティクルの1つまたは複数のさらなる構成要素を収容するように形状され、また寸法にされるような形に提供することができる。一部の実施形態では、用語「形状し寸法にする」は、内部が実質的に平滑および連続した以外の形状を有することになる、1つまたは複数の刻み目または突起を中空内部の壁が含むことを示すことができる。他の実施形態では、貯蔵容器の中空特性が充分であることにより、空洞または突起を形成する必要なしに喫煙アーティクルのさらなる構成要素を収納することができる。
【0054】
本開示のアーティクルは、貯蔵容器を予め形成でき、喫煙アーティクルのさらなる構成要素を嵌合する構成で収納するように形状し寸法にする壁を備える中空内部を有することができる点において特に有益である可能性がある。これは特に喫煙アーティクルの組立てを容易にすることができ、貯蔵容器の容量を最大にできる一方でエアロゾルの形成のために充分な空間を提供する。本開示によるカートリッジの一実施形態は図3に示されており、図3はカートリッジ500の分解図を提供する。そこに示されたように、カートリッジ壁502は本明細書に説明されたように貯蔵容器501を閉囲するように適合できる。貯蔵容器501の外部表面505をカートリッジ壁502の内部表面506に一致するように適合できる。
【0055】
また貯蔵容器501は、貯蔵容器の中心空洞507を画定する内面508も有する。示された実施形態では、貯蔵容器501の内面508は、中心空洞から貯蔵容器の中に内方に延在する2つの直径方向に対向する溝(515、516)を含む。示されたように、溝は、実質的に第1の端部503からその第2の端部504に貯蔵容器501の全長に延在する。他の実施形態では、溝がなくてもよく、貯蔵容器の内面は、噴霧器の一部が貯蔵容器と流体接続するように、中心空洞を備えて噴霧器を位置付けることができるという点で、噴霧器を収納するように形状され、また寸法にされるとさらに特徴付けられてもよい。
【0056】
図3の実施形態では、噴霧器は特に加熱器、液体輸送要素、および導電端子を備える。図3に示されたように、液体輸送要素は連続した細長い芯509であり、加熱器は芯と連結され、芯のほぼ中間点に位置付けられた抵抗加熱コイル510である。抵抗加熱コイルを超えて延在する芯の一部を芯の遠位アームと呼ぶことができる。噴霧器520の導電端子511は、抵抗加熱コイル510に遠位の芯509と接触して位置付けられる。導電端子は特に、抵抗加熱コイルに遠位の芯の1つまたは複数の部分で芯に接触すると特徴付けることができる。示されたように、導電端子511は芯509の端部を超えて延在する。このような延在は必ずしも必要ではない。貯蔵容器501がその中空内部を備える性質を考慮すると、喫煙アーティクルの組立中に噴霧器を貯蔵容器の内部に容易に位置付けることができる。同様に中空内部を噴霧器と嵌合するように形状し、また寸法にすることができるので、その組み合わせを容易に組み立てることができ、噴霧器は貯蔵容器とぴたりと嵌合することができる一方で、同時に芯を貯蔵容器と流体接続して置くことができる。
【0057】
上の構成はさらに図4に示されており、図4はそれと組み合わされた噴霧器520を有する一実施形態による貯蔵容器501の斜視図を提供する。貯蔵容器501は、繊維状の材料がないことが可能であり、エアロゾル前駆体組成物などの製品を保存し、保持し、または維持できる中心空洞507を含む。噴霧器520は、芯509の遠位アームが直径方向に対向する溝(515、516)と嵌合し、係合するという点で貯蔵容器501と組み合わされる。溝は貯蔵容器内に予め形成されてもよく、溝は、繊維状の貯蔵容器が噴霧器の芯によって局部的に圧迫されるように、貯蔵容器の内壁を備えた噴霧器の芯の係合によって形成されてもよい。様々な喫煙アーティクル構成要素を収納するために、貯蔵容器501の中心空洞507の内面508を適合することにより、喫煙アーティクル内の利用可能な開放空間は、貯蔵容器501を先の開放空間の中に延在することによって最大限にすることができる。結果として貯蔵容器501の外径寸法および容量は、電子喫煙アーティクルに通常利用される従来の織布または不織布繊維と比較して増加させることができる。容量が増加したことにより、貯蔵容器501はエアロゾル前駆体組成物の増加した量を維持することができ、これにより次いでエンドユーザによる喫煙アーティクルの使用および楽しみがより長くなる。
【0058】
図4に示されたように、抵抗加熱要素を備える噴霧器520の一部は貯蔵容器501の第2の端部504を超えて延在する。カートリッジと組み立てられると、貯蔵容器501の第2の端部504をカートリッジの口端部(図1の要素11参照)の近位に位置付けることができる。望ましくは、カートリッジの口端部は開放空洞を含むことができ、エアロゾル前駆体組成物が抵抗加熱要素によって気化される際に空洞内でエアロゾルを形成することができる。他の実施形態では、噴霧器が貯蔵容器の端部を超えて延在する必要はなく、抵抗加熱要素が貯蔵容器の中心空洞内にあるように、噴霧器を貯蔵容器に対して位置決めすることができる。
【0059】
貯蔵容器は、剛体または半剛体の中空管に形状できる一方で、例えばエアロゾル前駆体組成物などの液体製品を保存する機能を維持することができる、あらゆる物質から製造することができる。ある特定の実施形態では、貯蔵容器部材は、吸収性、吸着性、あるいはエアロゾル前駆体組成物を維持する機能を提供するように多孔質であることが可能である。したがってエアロゾル前駆体組成物は、貯蔵容器部材上に被覆される、貯蔵容器部材によって吸着される、または貯蔵容器部材内に吸収されると特徴付けられることが可能である。貯蔵容器を、1つまたは複数の輸送要素(例えば芯)と実質的に接触するように喫煙アーティクル内に位置付けることができる。より具体的には、貯蔵容器を、エアロゾル前駆体組成物を(例えば吸収または吸着などによって)維持し、抵抗加熱要素を輸送するための前駆体組成物から芯を離すことができるために適したあらゆる部材から製造することができる。
【0060】
貯蔵容器部材は、実質的な管状形状などの適切な形態を形成し維持し、かつ喫煙アーティクルの適切な構成要素をその中に収納するために適切である。貯蔵容器部材は、その構造的完全性を少なくとも抵抗加熱要素によって提供される加熱温度に近位の位置で受領される温度で維持するように、例えば低下しないように耐熱性であることが可能である。貯蔵容器の大きさおよび強度は、対応する電子喫煙アーティクルの特徴および要件によって変化してもよい。一部の実施形態では、貯蔵容器を高速な自動製造過程に適切な部材から製造することができる。ある特定の実施形態では、貯蔵容器は織布または不織布の多孔マットを備えることができ、織布または不織布の多孔マットを巻いてもよく、あるいは管または中空円筒形状に形成してもよい。他の実施形態では、貯蔵容器は鋳造された管または中空円筒体であることが可能である。
【0061】
一実施形態によれば、貯蔵容器を、中空のアセテート管を形成するために処理できるセルロースアセテートトウから製造することができる。セルロースアセテートトウは、当業者に公知の様々な処理に従って調合できる。例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、Yabuneによる米国特許第4,439,605号、Nielsenらによる米国特許第5,167,764号、およびOzakiによる米国特許第6,803,458号に説明された処理を参照されたい。通常、セルロースアセテートは、木材パルプ由来の精製セルロースをアセテートおよび硫酸に存在する無水酢酸と反応させることにより、セルロースから抽出される。次いで得られる製品は硫酸塩および充分な数のアセテート基を取り除くために制御された部分加水分解を通して達成されて、最終的に剛体または半剛体の中空管を形成できるセルロースアセテートのために求められる特性を生成する。次いでセルロースアセテートを押し出し、回転し、トウに配置できる。セルロースアセテート繊維を開く、襞を作る、または連続フィラメントにすることができる。
【0062】
さらなる実施形態では、セルロースアセテートは、巻きタバコのためのタバコ煙フィルタを提供するために利用できるタイプのあらゆるアセテート材料であることが可能である。従来の巻きタバコフィルタ材料は、セルロースアセテートトウ、ギャザーセルロースアセテートウェブ、またはギャザーセルロースアセテートェブなどを使用できる。セルロースアセテートの代替として使用できる材料の例には、ポリプロピレントウ、ギャザー紙、または再構成されたタバコの房などが含まれる。適切なフィルタロッド、ひいては適切な中空管の貯蔵容器を提供できる1つのフィルタ材料は、1フィラメント当たり3デニール、および総計40,000デニールを有するセルロースアセテートトウである。別の例として、1フィラメント当たり3デニール、および総計35,000デニールを有するセルロースアセテートトウを使用できる。別の例として、1フィラメント当たり8デニール、および総計40,000デニールを有するセルロースアセテートトウを使用できる。さらなる例には、Neurathによる米国特許第3,424,172号、Cohenらによる米国特許第4,811,745号、Hillらによる米国特許第4,925,602号、Takegawaらによる米国特許第5,225,277号、およびArzonicoらによる米国特許第5,271,419号に説明されたフィルタ材料のタイプが含まれ、それぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
セルロースアセテート繊維は、セルロース、ビスコース、綿、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、活性炭、ガラス繊維、金属繊維、および木繊維などの他の材料と混合することができる。紡糸口金から出るセルロースアセテートトウの繊維を一緒に束にして、ベール梱包に集め、続いて本明細書に説明されたように管に処理できる「原反のトウ(raw tow)」を形成することができる。本開示による貯蔵容器内での使用に適することが可能な繊維材料の追加例は、Sebastianらによる米国特許出願公開第2013/0025610号に説明されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
セルロースアセテートを処理し、従来のフィルタトウ処理手段を使用して管に形成することができる。例えば蒸気接着処理を使用して、中空アセテート管を生成することができる。セルロースアセテートの管を形成するための例示的処理は、Beardらによる米国特許出願公開第2012/0255569号に見出すことができる。さらなる実施形態では、セルロースアセテートは従来のフィルタトウ処理ユニットを使用して処理できる。例えばフィルタトウは、バッセルジェット方法またはネジ付きロール方法を使用して被覆することができる。例示的トウ処理ユニットは、米国ノースカロライナ州Winston−SalemのArjay Equipment Corp.から供給されたE−60として市販されている。他の例示的トウ処理ユニットは、Hauni−Werke Korber&Co.KG.からAF−2、AF−3、およびAF−4として、またInternational Tobacco MachineryからCandor−ITM Tow Processorとして市販されている。当業者には公知の他のタイプの市販のトウ処理機器も利用できる。ギャザー紙、不織布ポリプロピレンウェブ、または細断ウェブのギャザーストランドなどの、中空管貯蔵容器を形成するための代替材料は、Pryorらによる米国特許第4,807,809号、およびRakerによる米国特許第5,025,814号に説明されたタイプの材料、機器および技法を使用して提供することができる。加えて、フィルタ材料供給ユニットおよびフィルタ作成ユニットを作動するための代表的手法および方法は、Bynreによる米国特許第4,281,671号、Green,Jr.らによる米国特許第4,850,301号、Green,Jr.らによる米国特許第4,862,905号、Siemsらによる米国特許第5,060,664号、Riversによる米国特許第5,387,285号、およびLanier,Jr.らによる米国特許第7,074,170号に説明されている。
【0065】
本明細書に説明されたように中空アセテート管は、驚異的な効率の液体保存量のため特に役立つことができる。一実施形態によれば、セルロースアセテートトウは、1フィラメント当たり約0.5デニール(dpf)以上、約1dpf以上、または約2dpf以上の線形質量密度を有することができる。他の実施形態では、セルロースアセテートトウは、約0.5dpf〜約20dpf、約0.75dpf〜約15dpf、約1dpf〜約10dpf、または約2dpf〜約6dpfの線形質量密度を有することができる。本開示に従って使用されるセルロースアセテートはステープルファイバを含むことができる。ステープルファイバは、約0.1インチ〜約6インチ、約0.2インチ〜約5インチ、または約0.25インチ〜約3インチの平均長さを有することができる。
【0066】
セルロースアセテートを含む貯蔵容器は、様々な組成物で様々な手法で形成することができる。特定の実施形態では、貯蔵容器はセルロースアセテート繊維を含むことができる。必要に応じて貯蔵容器は結合剤を含むことができる。また異なる材料で形成された充填材(例えばセルロース)および繊維も使用することができる。貯蔵容器は、約70重量%〜約99重量%のセルロースアセテート繊維を含むことができ、本明細書に記載された重量は乾燥重量ベースで測定される。より具体的には、貯蔵容器は、約75重量%〜約98重量%、約80重量%〜約97.5重量%、または約90重量%〜約97重量%のセルロースアセテート繊維を含むことができる。貯蔵容器は、約1重量%〜約30重量%の結合剤を含むことができる。より具体的には、貯蔵容器は、約2重量%〜約25重量%、約2.5重量%〜約20重量%、または約3重量%〜約10重量%の結合剤を含むことができる。特定の実施形態では、本開示による貯蔵容器は、約95重量%〜約97重量%のセルロースアセテート繊維、および約3重量%〜約5重量%の結合剤を含むことができる。他の特定の実施形態では、本開示による貯蔵容器は、約80重量%〜約85重量%のセルロースアセテート繊維、および約15重量%〜約20重量%の結合剤を含むことができる。結合剤は、開示された貯蔵容器を形成する際に使用される繊維に凝集効果を付与する材料であると理解される。例えば結合剤は、繊維が互いに、またはさらに織布または不織布の貯蔵容器内に含まれる繊維状物質を接着するように、セルロースアセテート繊維を部分的に可溶化する材料であることが可能である。使用できる例示的結合剤は、ポリ酢酸ビニル(PVA)の結合剤、でんぷん、およびトリアセチンを含む。巻きタバコフィルタ製造業の当業者は、トリアセチンをこのようなフィルタのための可塑剤であると認識できる。したがって、本開示による有益な結合剤の群と、可塑剤としてさらに当技術分野に認識され得る材料との間に重複があり得ることが理解される。したがって結合剤として本明細書で使用され説明された凝集剤は、可塑剤として他の分野に認識され得る材料を包含してもよい。さらにセルロースアセテートのための可塑剤として巻きタバコフィルタの分野で認識されている材料は、本明細書における用語結合剤の使用によって包含されてもよい。
【0067】
セルロースアセテート繊維は様々な断面形状、例えば円形、細長い形、または多葉形を有することができる。特定の実施形態では、三葉形またはY字形の断面形状を有するセルロースアセテートを使用できる。
【0068】
一部の実施形態では、本開示による不織布の多孔マット貯蔵容器を湿式処理または乾式処理によって形成することができる。湿式処理を使用する際は、より短い長さ、例えば約0.25インチ〜約2インチの範囲を有するセルロースアセテート繊維を使用することが有益である可能性がある。乾式処理を使用する際は、より長い長さ、例えば約2.5インチ〜約3インチの範囲を有するセルロースアセテート繊維を使用することが有益である可能性がある。どちらの場合でも、セルロースアセテート繊維を含んで得られるマットは、約1mm〜約4mm、約1.25mm〜約3.5mm、または約1.5mm〜約3mmの厚さであることが可能である。セルロースアセテートのマットは、1メートル四方あたり約70g(gsm)〜約240gsm、約80gsm〜約220gsm、または約90gsm〜約200gsmの基本重量を有することができる。セルロースアセテートのマットは所望の幅にすることができる。様々な実施形態では、幅は約10mm〜約25mm、約15mm〜約24mm、または約20mm〜約23mmにできる。セルロースアセテートのマットは、本明細書に説明されたように喫煙アーティクルに挿入するのに適した外径を有し、本開示によりその中に噴霧器を挿入できるために適切な内径を有する、管に巻くのに適切な長さに切断することができる。巻かれたマットの端部は、突合せ継手を形成することができ、または重ね合わせてもよい。さらなる実施形態では、セルロースアセテート組成物は、実質的に管状に形成された形状に鋳造できる。形状された中空アセテート管は、上に論じた直径方向に対向する溝などの、その内壁に形成された1つまたは複数の形状を有することができる。
【0069】
一部の実施形態では、形成されたマットの繊維を絡ませることができる。例えば水流交絡およびニードルパンチをそれぞれ個別にまたは組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、ニードルパンチは、1インチ四方当たり少なくとも250のニードルパンチ(NPPSI)、少なくとも500NPPSI、少なくとも1,000NPPSI、または少なくとも1,500NPPSIを使用できる。特に約250〜約2,500、約500〜約2,000、または約750〜約1,500NPPSIを使用できる。
【0070】
一実施形態によれば、貯蔵容器は異なるタイプの繊維の混合物を含むことができる。このような混合物を形成するために適切な繊維は、これに限定されないが、セルロースアセテート、木材パルプ、木材、シルク、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)ポリアミド(例えばナイロン)、ポリオレフィン、およびポリビニルアルコールなどを含む。
【0071】
親水性繊維、特にセルロースアセテートはエアロゾル前駆体組成物、特にグリセリンなどの多価アルコールで主に形成される組成物のための貯蔵容器を形成する際に特に有益であることが可能であることが、本開示によりわかった。このような貯蔵容器は、エアロゾル前駆体組成物の改良された保存および放出を提供できる。例えばこのような貯蔵容器は、エアロゾル前駆体組成物をより速やかに充填させることができ、喫煙アーティクルを使用中に芯などにより吸い上げられると、エアロゾル前駆体組成物をより一致して放出させ、貯蔵容器内に充填しなければならないエアロゾル前駆体組成物の全量を低減させることができる。
【0072】
本開示により芯に使用されるフィラメントは、エアロゾル前駆体組成物の1つまたは複数の構成要素をフィラメントの長さに沿って移動するために、充分な吸上げ作用を提供するあらゆる材料で形成することができる。非限定的な例には、綿、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、ガラス繊維、およびそれらの組合せなどの天然ならびに合成繊維が含まれる。芯に使用できる他の例示的材料には、金属、セラミック、炭化フィラメント(例えば材料の非炭素成分を除去するために焼成を受けた炭素質材料で形成された材料)を含む。
【0073】
フィラメントは(または芯は概して)フィラメントの毛細管現象を変える、すなわちフィラメントの吸上げ作用を高める(または必要に応じて低める)材料で被覆できる。また繊維材料の選択を利用して吸上げ作用を増加または低減でき、したがってエアロゾル前駆体組成物の特定の構成要素の吸上げ率を制御できる。また吸上げ作用は、芯に使用される繊維の寸法、および芯の長さおよび芯の直径を含む芯の寸法全体の選択によってカスタマイズすることもできる。
【0074】
芯の形成に使用されるフィラメントは、特定の断面形状を有することができ、かつ/または繊維の毛細管現象を変えるように溝を彫ることができる。フィラメントは実質的に円形断面を有することができ、繊維の断面形状を変えることにより繊維の1デニール当たりの表面積を増加させることができ、したがってフィラメントに沿った吸上げを向上させることができる。例えばフィラメントは、4DGファイバ(Fiber Innovation Technologyから入手可能)および翼状繊維(Alasso Industriesから入手可能)などの吸い上げを促進することが意図された長手方向溝を備えて形成することができる。「X」字形または「Y」字形断面を備えて形成されたフィラメントも同様に、望ましい吸上げ特性を提供できる。
【0075】
他の実施形態では、芯に利用されるフィラメントの少なくとも一部は、半径方向の吸上げを向上させるように設計することができる。繊維ガラスなどの連続したフィラメント繊維は、主にフィラメントの軸に沿った吸上げ、すなわち軸方向の吸上げを向上させる傾向がある。適切な設計を通して、フィラメントは半径方向の吸上げ、すなわちフィラメントの軸から外方への吸上げを向上させることができる。例えば半径方向の吸上げは、フィブリル化された繊維表面を有するフィラメントの使用を通して促進することができる。このような設計は、それによってより多くの前駆体組成物が加熱器の特定の領域内のエアロゾル化に利用可能になるので、加熱器の近位にあるまたは加熱器と接触したフィラメントの領域内に有益であることが可能である。同様の粒子またはビーズを焼結することができる、または別法で同様の効果をもつ連続した芯の構造を提供するために相互連結することができる。
【0076】
芯を形成する際に使用されるフィラメントを単一で提供でき、または束ねる(網および編組を含む)ことができる。フィラメントは単一繊維であることが可能であり、またはフィラメントはより大きい質量を提供する組み合わされた繊維の群を形成することができる。また芯に使用されるフィラメントの多孔性は、毛細管現象を変えるために制御することができ、孔の平均の大きさおよび全多孔性を制御すること、フィラメントの形状を制御すること、芯の形状全体を制御すること、および表面特徴を制御することを含むことができる。また分離したフィラメントは異なる長さを有することができる。フィラメントの性質を変えることは、蒸気形成をカスタマイズするために役立つことができる。例えばより大きい吸上げ機能をもつフィラメントを使用して、大量に気化されるべきエアロゾル前駆体組成物の構成要素を輸送でき、吸上げ機能を低減されたフィラメントを使用して、より少ない量で気化されることが望ましいエアロゾル前駆体組成物の構成要素を輸送できる。
【0077】
また芯の個々のフィラメントを形成するために使用される材料のタイプをカスタマイズして、組成物の特定のタイプを輸送することができる。例えば1つまたは複数の芯は、疎水性液体を優先的に吸上げるように、疎水性材料を利用するフィラメントから形成することができる。さらに1つまたは複数の芯は、疎水性液体を優先的に吸上げるように、疎水性材料を利用するフィラメントから形成することができる。さらに1つまたは複数の芯は、著しい極性でもなくまたは著しい無極性でもない液体を優先的に吸上げるように、天然材料などの親水性でもなく疎水性でもない材料から形成されるフィラメントを含むことができる。
【0078】
特定の実施形態では、液体輸送構成要素として有益な芯は編組芯である。編組芯は少なくとも3個の分離した繊維または糸から形成することができる。さらに編組芯は少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、または少なくとも16個の分離した繊維または糸から形成することができる。分離した繊維または糸は、それぞれ組成物が同一であってもよい。別法として分離した繊維または糸は、2つ以上の異なる組成物(例えば綿糸と編み組まれた繊維ガラス糸)から形成された繊維または糸を含んでもよい。したがって編組芯は、複数の合成繊維または糸、複数の天然繊維または糸、少なくとも1つの合成繊維または糸と少なくとも1つの天然繊維または糸の組合せから形成することができる。ある特定の実施形態では、Eガラスを使用できる。好ましい実施形態では、Cガラスを使用できる。Cガラスの使用は、他の材料、特に他の繊維ガラス材料に比べて肺液内の材料が高い溶解度であるために、特定の使用であると決定された。
【0079】
特に編組芯をシース/コア糸の構成要素として提供してもよい。特に第1の芯材料はコア糸を形成でき、第2の芯材料はシース糸を形成するためにコアを包囲することができる。シースおよびコアは、物理的構造および、それから糸を形成する材料の少なくとも1つが異なることが可能である。好ましい例では、撚糸はコアを含むことができ、編組糸はシースを形成することができる。
【0080】
本開示の一部の実施形態によるシース/コア芯の例は、図5の断面図に示されている。図5ではシース/コア芯202は、シース構成要素203およびコア構成要素204から形成することができる。シース203は、本明細書に別法で説明されているように、編組繊維または糸から形成される。コア204は非編組糸から形成される。一部の実施形態では、シース/コア芯の断面の相対寸法は変化することができる。コアはシースと直接接触してもよく、またはシースとコアとの間に空間が提供されてもよい。
【0081】
電子喫煙アーティクルの作成方法が提供される。方法は、セルロースアセテートを含み、中空内部を有する円筒体を提供するステップを含む。中空内部の少なくとも一部を、喫煙アーティクルの1つまたは複数のさらなる構成要素を収納するように形状し寸法にすることが可能である。方法は噴霧器をセルロースアセテート円筒体の中空内部に挿入するステップをさらに含むことができる。噴霧器は液体輸送要素、加熱器、および電気接点を備えることができる。方法は、円筒体および噴霧器を中空シェルに挿入するステップ、および噴霧器を電源に接続するステップをさらに含むことができる。電源は電池であることが可能である。液体輸送要素の一部を貯蔵容器に取り付ける、または貯蔵容器内に埋め込んで、エアロゾル前駆体組成物を貯蔵容器から外に輸送することができる流体接続を形成することができる。噴霧器は2つの対向する端部を有する連続した細長い芯を備えることができる。芯は特に編組芯であることが可能であり、Cガラスを備えることができる。噴霧器は芯と連結し、そのほぼ中間点に位置付けられた加熱器をさらに備えることができる。また噴霧器は芯と物理的に接触し、加熱器と電気接続して位置付けられた導電端子も備えることができる。一実施形態によれば、加熱器は抵抗加熱要素であることが可能である。一部の実施形態では、噴霧器をセルロースアセテート円筒体に挿入するステップは、噴霧器の一部がセルロースアセテート円筒体の端部を超えて延在することを含むことができる。
【0082】
実験
本開示された主題は、以下の例によってより完全に示され、以下の例は本開示された主題を示し完全な開示を提供するために説明されており、これらはその限定と解釈されるべきではない。
【0083】
例1 セルロースアセテート貯蔵容器の準備
乾式セルロースアセテート(CA)基材を、本開示による貯蔵容器として使用するために適合性の評価のために、長さ2.5インチのステープルに刻まれた従来の巻きタバコフィルタトウ(Eastman Estronアセテートトウ、3.0dpf、総計40,000デニール、Y断面)から構築した。シートをニードルパンチ処理において機械的に絡ませた。シートに追加の繊維または結合剤は加えなかった。他のCA繊維およびトウの大きさ、ならびに様々な繊維断面およびカーディング/ニードリングと互換性のあるステープルの長さも使用できる。1インチ四方当たり500のニードルパンチ(NPPSI)、1000NPPSI、および1500NPPSIのニードリングは、すべて使用可能なシートを生成した。完成した基材シートは約70gsm〜約240gsmで生成され、これらは厚さが約1mm〜約4mmであった。好ましい実施形態は、厚さ約2mmで基本重量が150gsmであり1000NPPSIを有した。より軽い基本重量の基材は、製品からより多量のエアロゾルを生成し、他の要因はすべて等しかった。カートリッジの設計および組立処理の必要物をある程度収納するために、これらのシートのパラメータを選択した。これらのパラメータは、より大きいまたはより小さい液体充填および/または物理的カートリッジの大きさに合致するように調整できる。
【0084】
また凝集シートを生成するためにステープル繊維を絡める方法として水流交絡を試験した。ステッチ結合、超音波、または熱結合などの他の方法も使用できる。またトリアセチンもしくは他の可塑剤、または噴射結合剤を使用してもよい。また繊維の混合物を使用して、液体親和性、吸上げ、強度、伸張、剛性に関してシートの特性を調節できる。
【0085】
Celanese and Eastman Chemicalによって製造された非捲縮CA糸から湿式CA基材を構築した。Eastman糸を4.0dpfおよび総計150デニールで、従来の巻きタバコトウ仕上げの標準(円形)断面に特定した。湿式処理で使用するために、糸を0.25インチおよび0.5インチの長さに切断した。0.5インチの切断が増加したシートの完全性に起因して試験で良好であった。またより長いステープルの長さもこれを向上させることができる。また他のフィラメントデニール、総計デニール、または断面も使用できる。
【0086】
数個のシート組成物を試験した。すべての組成物は、全乾燥重量の約75%〜約92%のCA繊維の大部分を使用した。シートを全乾燥重量の約8%〜約25%強化するために、追加の繊維(単一または混合)を追加した。これらにはBuckeye Technologies製のHP−11木材パルプ、Fiber Innovation Technologies製のDPL−2607、PET(ポリエチレンテレフタレート)複合繊維、およびKuraray Co.,Ltd.製のKuralon VPB 105−2x4、PVOH(ポリビニルアルコール)繊維が含まれた。製造に選択された最終材料はCA92%、木材パルプ4%、およびPVOH4%の組成物を有した。
【0087】
完成した基材シートは約70gsm〜約160gsm、厚さ約0.7mm〜約3mmに製造された。例示的材料は約115gsmおよび厚さ約1.5mmであった。カートリッジの設計および組立処理の必要物をある程度収納するために、これらのシートのパラメータを選択した。これらのパラメータは、より大きいまたはより小さい液体充填および/または物理的カートリッジの大きさに合致するように調整できる。基材シートは中空管の貯蔵容器の中に形成するために有益であった。
【0088】
実質的に同じ効果のために木材パルプの代わりに、または木材パルプに加えて、レーヨンまたは綿を含む他のセルロース系繊維を使用できる。シートを結合する他の方法は、ラテックスなどの噴射結合、またはトリアセチンもしくは他の可塑剤を含む溶剤結合を含むことができる。
【0089】
湿式処理の利点は、シートの「直角度」を変えるために繊維の配向を調節できることである。これは機械方向の伸張を低減する働きをし、これは次いで切込み幅の均一性を向上させることができる。
【0090】
例2 エアロゾル前駆体組成物の改良された取込みおよび放出
公知のエアロゾル化デバイス内の貯蔵容器は、通常ポリエステル(PET)繊維の不織布マットから形成される。これは比較的安価であり広く入手可能な材料であるという利点を有するが、材料の疎水性は、特にエアロゾル前駆体組成物が主に親水性材料から形成されるときに不利益をもたらす可能性がある。例えばPET不織布シートは液体前駆体組成物の移動をほとんどまたは全く促進せず、液体前駆体組成物が貯蔵容器全体を通って完全に移動するのに約数時間かかる可能性がある。
【0091】
貯蔵容器としてセルロースアセテート(CA)系基材を評価するために実験が行われた。湿式不織布のセルロースアセテートの貯蔵容器(CA100%、平均繊維長2.5インチ、重量150gsm)を同じ寸法のPETの貯蔵容器と比較した。図6は、グリセリンを含む液体基材上に乾燥貯蔵容器を置いた1分後の2つの貯蔵容器を示す。図7は設置2分後の貯蔵容器を示す。1分でCA管が液体の充分な量を吸収したが、PETはほとんどまたは全く吸収しなかった。2分でCA管は飽和したが、PET管は依然としてほとんどまたは全く吸収しなかった。液体のこのより高い親和性は製品に様々な方法で影響を与える。製造のために、この親和性によりカートリッジを急速に充填でき、基材は液体をより容易に均一に吸収する。製品使用のために、この親和性によりカートリッジ内の液体が芯により容易に移動できて、カートリッジ内の液体の使用がより効率的になる。
【0092】
また喫煙アーティクルのためにカートリッジ内で貯蔵容器として使用されるときに、充填時間を評価するためにCA基材をPET基材に対して試験した。カートリッジ内の基材の頂部で液体を加えるときのPET基材の充填時間は30分を超えた。CA基材については同じ条件下の充填時間は2分未満だった。
【0093】
PET系基材を用いて、芯と接触しない基材の領域は依然として水で飽和されているが、芯と接触した基材は激減していることが、製品寿命が尽きたときに見られることが多かった。エアロゾルに有効に変換できるより多くの液体をカートリッジ内に入れなければならないので、これは非能率的なシステムである。図8および図9の画像は、使用前(図8)および使用後(図9)のCA基材を示す。図は、CA貯蔵容器が喫煙アーティクル内で使用されるときに、加えられるエアロゾル前駆体組成物が貯蔵容器全体を通して均一に激減することを示す。これは有利なことに、より小さい貯蔵容器およびより少ない量のエアロゾル前駆体組成物のどちらを使用しても、CA貯蔵容器を組み込んだ喫煙アーティクルの所望の数のパフを実現できる。図10に示されたように、エアロゾルの形成は、(エアロゾル前駆体組成物で飽和された)貯蔵容器の大きさが低減するにつれて効率的に増加し、エアロゾル前駆体組成物はエアロゾル化のために貯蔵容器から効率的に均一に移動されることを示す。
【0094】
例3 液体輸送要素の改良された取込みおよび放出
多くの公知のエアロゾル化喫煙アーティクルで確認される主な不備の1つは、アーティクルの寿命期間に亘ってエアロゾル送達が変化することである。ほとんどのアーティクルは、最初の性能(例えば1〜20パフ)と寿命が尽きたときの性能(例えば180〜200パフ)を比較すると、エアロゾル送達が25%から60%に減少する。理想的には性能は、製品の寿命期間に亘って一致することである。喫煙アーティクル内の液体輸送要素(すなわち芯)の性質に基づいて改善する性能を評価するために試験を行った。
【0095】
直径約0.054インチおよび線形質量約2.15mg/mmを有する、繊維ガラスの撚糸(9ミクロンのEガラス)から比較芯を形成した。撚糸は、特に短い長さに切断したときはあまり凝縮構造を示さなかった。撚糸は容易に圧縮され、これは抵抗線加熱器との接触を良好に維持するために不都合であると考えられた。切断すると、捻り処理において付与される張力または捻れが解放されるので、撚糸の端部が解ける傾向があった。これは流体輸送に対する芯の有効性を低減すると予期された。
【0096】
これらの物理的不備に対処するために、編組ガラス繊維の芯を、直径0.052インチ、線形質量2.47mg/mmの9ミクロンのEガラスとほぼ同じ仕様に開発した。この編組芯は元の撚糸と同様に機能した。どちらの設計でも、1パフあたりの合計粒子状物質(TMP)の平均mgは最初のパフから寿命が尽きたときのパフまでに約25%だけ低減した。これは図11に示されている。
【0097】
さらなる試験では、捻りコアの周囲に編組芯シースを形成した。芯の直径および質量も低減した。直径0.043インチ〜0.047インチ、線形質量1.65mg/mm〜1.85mg/mmの3つのシース/コア芯を形成した。シース/コア芯の編組の外側は、それぞれ8個のボビン、12個のボビン、および16個のボビンを使用して形成し、したがって8個、12個、または16個の編組を備えると特徴付けられた。3つのシース/コア芯は、それぞれ著しく高いTPM収率をもたらした。図12を参照されたい。またシース/コア芯は、2つの場合において約20%だけ低減する製品の寿命期間に亘ってTPMの変化がより小さいことを示した。元の撚芯に比べると、編組設計のすべてが、ほとんど解けずに、または擦れずに切断されたときに、より大きい物理的完全性を示した。また編組設計もより堅く、潜在的に線加熱器と編組との間の接触を向上させた。
【0098】
本開示の多くの修正形態および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面で提示された教示の利点を有する、本開示に関連する当業者には想起されよう。したがって、本開示は本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、また修正形態および他の実施形態は添付の特許請求の範囲に含まれることを意図することを理解されたい。本明細書では特定の用語が用いられるが、それらは一般的なおよび記述的な意味でのみ用いられ、限定の目的で用いられるものではない。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12