特許第6893248号(P6893248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893248
(24)【登録日】2021年6月2日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】積層製品のための傾斜ローラシステム
(51)【国際特許分類】
   A21C 3/06 20060101AFI20210614BHJP
   A21C 9/00 20060101ALI20210614BHJP
   A21C 11/00 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   A21C3/06 Z
   A21C9/00 Z
   A21C11/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-546819(P2019-546819)
(86)(22)【出願日】2017年9月25日
(65)【公表番号】特表2020-510425(P2020-510425A)
(43)【公表日】2020年4月9日
(86)【国際出願番号】IB2017055809
(87)【国際公開番号】WO2018096411
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2019年9月2日
(31)【優先権主張番号】MX/A/2017/007047
(32)【優先日】2017年6月5日
(33)【優先権主張国】MX
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505384380
【氏名又は名称】ヒート アンド コントロール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】カリディス アンドリュー アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】サラテ アンドラデ レオポルド
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス アングロ ミゲル アンヘル
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス グラナドス セルヒオ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンザーナ サウセド マリオ
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/097894(WO,A1)
【文献】 特開昭61−271939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 3/06
A21C 9/00
A21C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層製品のためのローラバンドシステムであって、該積層製品のためのローラバンドシステムは、
主支持構造体と、
入口端および出口端を備え、第1の移動性支持構造体に部分的に取り付けられている送りバンドと、
第1の速度で、かつ、第1の方向で前記積層製品を受け取り、搬送するために前記主支持構造体の上側部分上に取り付けられているコンベアバンドと、
作用面を有し、第2の移動性支持構造体に取り付けられている開始ローラバンドと、を含み、前記開始ローラバンドは、前記コンベアバンドから前記積層製品を受け取り、第2の速度で、かつ、第2の方向で前記積層製品のロール掛けを開始するように構成されており、前記第2の移動性支持構造体は、長手方向案内レールに支持され、
第3の移動性支持構造体に取り付けられており、ロール掛けが開始された製品を受け取り、それらの製品をロール掛けし、それらの製品を搬送するように構成されているローラバンドと、を含み、前記第3の移動性支持構造体は、上下方向案内レールに取り付けられ、前記第3の移動性支持構造体は、前記ローラバンドが上下方向の移動と長手方向の移動の2つの移動を有するように前記第2の支持構造体に連結され、
前記主支持構造体の下側部分上に取り付けられており、ロール掛けされた製品を受け取り、ロール掛けされた製品を荷下ろしするように構成されている荷下ろしバンドと、をさらに含む、積層製品のためのローラバンドシステムにおいて、
前記コンベアバンドは、パラボラ凸形バンドであり、
前記開始ローラバンドの前記作用面は、前記コンベアバンドの出口端に対向し、前記コンベアバンドに向かって傾斜して設けられ、
前記荷下ろしバンドは、異なる傾斜を備え、順次に積層製品を搬送するために、少なくとも4つのセクション、すなわち、前記ローラバンドから前記積層製品を受け取る水平な傾斜を備える第1のセクション、前記積層製品を上方へ搬送する上り傾斜を備える第2のセクション、前記積層製品を水平方向に搬送する水平な傾斜を備える第3のセクション、および、下端から前記積層製品を送る下り傾斜を備える第4のセクションを含む、ことを特徴とする積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項2】
前記第1の移動性支持構造体は、該第1の移動性支持構造体が、前記主支持構造体に対して減衰運動を行うように、前記送りバンドの前記入口端近くにピボットを含む、請求項1に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項3】
前記コンベアバンドは、入口端と反対側の出口端と、複数の軌道転動ピンと、緊張転動ピンと、駆動転動ピンと、を含む、請求項1に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項4】
前記緊張転動ピンは、前記コンベアバンドを緊張させるように角度的に変位され、前記変位は、第1のサーボモータによって実行されるように構成されている、請求項3に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項5】
前記開始ローラバンドは、駆動転動ピン、および、少なくとも2つの軌道転動ピンを含み、前記作用面の傾斜は、約95°から約120°までの範囲にある、請求項1に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項6】
前記第2の移動性支持構造体の前記長手方向案内レールは、前記開始ローラバンドが前記コンベアバンドに近づき/前記コンベアバンドから遠ざかるように、前記コンベアバンドに対して前記開始ローラバンドを長手方向に移動させるために、前記主支持構造体上に設置されている、請求項1に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項7】
ロール掛けバンドは、入口端と、出口端と、複数の軌道転動ピンと、緊張転動ピンと、駆動転動ピンと、を含み、前記入口端は、前記出口端よりも高い箇所にあり、同様に、前記入口端は、前記コンベアバンドの出口端の下にあり、前記開始ローラバンドの作用面近くにある、請求項1に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項8】
前記第3の移動性支持構造体の前記上下方向案内レールは、前記ローラバンドが、前記開始ローラバンドに対して上下方向に移動するように、前記第2の移動性支持構造体上に取り付けられており、前記移動は、第3のサーボモータによって実行される、請求項7に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【請求項9】
前記荷下ろしバンドは、第3の速度で、かつ、第3の方向に移動し、前記荷下ろしバンドは、入口端と、出口端と、複数の軌道転動ピンと、1つの緊張転動ピンと、1つの駆動転動ピンと、を含む、請求項1に記載の積層製品のためのローラバンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層製品のためのローラシステムであって、該積層製品は、少なくとも1つの塊型式およびそれらの組み合わせからの異なるフィギュアを有し、後の焼きおよび揚げの少なくとも1つのために、異なる三次元ロール掛けフィギュアを得ることを最終目的とする、積層製品のためのローラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業に存在するロール掛け方法は、開放ロール掛けを達成し、積層フィギュアのためにロール掛けの程度を制御することができずに積層フィギュアのロール掛けを可能にするだけであり、その結果、積層フィギュアは、常に閉鎖された状態に維持され、同じ送り方向および積層形状を有する異なるフィギュアは、発生されない。これらの型式の方法は、ロール掛けが、上下方向に配置され、積層フィギュアをオーブン内に送るバンドである水平バンド上に載るバンドセクションによって行われる場合には、発生させることができる積層形状が大変制限される。
【0003】
同様な仕方で、MX/a/2014/016071は、積層製品のためのロール掛けシステムであって、該ロール掛けシステムは、水平なコンベアバンド、および、ロール掛け開始のためのバンドを含み、前記開始ロール掛けバンドは、水平なコンベアバンドと垂直な仕方で見られる、積層製品のためのロール掛けシステムを開示している。
【0004】
現在の技術状態で既に知られているローラにもかかわらず、異なる方向の積層製品のロール掛けを可能にし、主として、送られるべき積層製品のロール掛けの開放または閉鎖の制御、および、同じ積層フィギュアから異なるロール掛けフィギュアを達成するために所望の箇所でロール掛けを解放することを可能にするロール掛けシステムに対するニーズがなお存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、積層製品のためのロール掛けシステムであって、該システムは、積層製品を受け取り、搬送するための実質的に水平なコンベアバンドと、前記コンベアバンドから積層製品を受け取り、積層製品のロール掛けを開始する開始ローラバンド、とを含み、前記開始ローラバンドは、水平なコンベアバンドと垂直でない傾斜を有し、ロール掛けが開始された製品を受け取り、それらの製品をロール掛けし、それらの製品を搬送するローラバンドをさらに含み、前記ローラバンドは、前記水平なコンベアバンドの下にある傾斜平面上にあり、ロール掛けされた製品を受け取り、ロール掛けされた製品を除荷する除荷バンドをさらに含み、前記除荷バンドは、異なる傾斜を備える少なくとも4つのセクション、すなわち、実質的に水平な傾斜を備える第1のセクション、上り傾斜を備える第2のセクション、実質的に水平な傾斜を備える第3のセクション、および、下り傾斜を備える第4のセクションを有する、システムに言及する。
【0006】
例示的な実施形態は、添付の図面を参照して、説明されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の積層製品のためのローラシステムの等角図である。
図2】本発明の積層製品のためのローラシステムの長手方向断面図である。
図3】ロール掛けピンから送りバンドへの積層製品の排出の連絡を詳細に示す図である。
図4】送りバンドとコンベアバンドとのオーバーラップを詳細に示す図である。
図5】本発明の積層製品のためのローラシステムのコンベアバンド、開始ロール掛けバンド、および、ロール掛けバンドを詳細に示す図である。
図6】送りバンドが除荷バンドと直接連絡している実施形態を示す図である。
図7】除荷バンドの最終端を詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明は、無差別的に図1図7を参照して行われる。
【0009】
用語「約」の使用は、所定の追加的範囲を提供する。用語は以下のように定義される。用語によって提供される追加的範囲は、±10%である。例として、しかし、制限的でなく、約25°と41°の間と述べる場合には、正確な範囲は、22.5°と45.1°の間、或いは、なお27.5°と45.1°の間、或いは、なお22.5°と36.9°の間、或いは、27.5°と36.9°の間にある。上記の可能性のいずれも、用語「約」の使用によりカバーされる。
【0010】
本発明は、任意の塊型式および/またはそれらの組み合わせに基づく積層製品のためのローラシステム(10)に関する。前記ローラシステム(10)は、主支持構造体(20)に設置されている。
【0011】
ローラシステム(10)は、送りバンド(100)を有し、送りバンド(100)は、入口端(101)および出口端(102)を有し、前記送りバンド(100)は、第1の移動性支持構造体(110)部分的に取り付けられており、送りバンド(100)は、第1の移動性支持体構造(110)が主支持構造体(20)に対して移動するように、第1の移動性支持構造体が送りバンド(100)の入口端(101)近くにピボット(111)を有するように、出口端(102)で減衰運動を提供し、前記送りバンド(100)は、複数の軌道転動ピンと、緊張転動ピンと、駆動転動ピンと、を含み、緊張転動ピンおよび駆動転動ピンは、第1の支持構造体(110)に設置されており、これに対して、軌道転動ピンは、第1の支持構造体(100)と主支持構造体(20)との間に分布されている。前記緊張転動ピンは、第1の移動性支持構造体(110)の横方向壁上の溝セット内で上下方向に変位される。
【0012】
送りバンド(100)の出口端(102)は、コンペアバンド(200)の入口端(201)とオーバーラップされており、前記コンベアバンド(200)は、水平なパラボラ形状を有し、好ましくは、主支持構造体(20)の上側部分上で凸形となっており、前記コンベアバンド(200)は、入口端(201)の反対側の出口端(202)と、複数の軌道転動ピンと、緊張転動ピンと、駆動転動ピンと、を有し、緊張転動ピンは、コンベアバンドを緊張させるように角度的に変位され、このようにして、その正しい機能を確保し、前記変位は、好ましくは第1のサーボモータによって実行される。
【0013】
コンベアバンド(200)の出口端(202)は、開始ロール掛けバンドすなわち開始ローラバンド(300)の作用面(303)と連絡しており、開始ローラバンド(300)は、該開始ローラバンド(300)が約95°と約120°の間の傾斜を有するように、コンベアバンド(200)に向かって傾斜されている平面上に設置されている。前記開始ローラバンド(300)は、駆動ローラピン(301)、および、少なくとも2つの軌道ピン(302)を含み、前記開始ローラバンド(300)は、積層製品(1)のために異なる型式のロール掛けを実行することができるように、コンベアバンド(200)とは異なる速度および方向の少なくとも1つに自身を変位させる能力を有する。前記開始ロール掛けバンドは、第2の移動性支持構造体(300)上に取り付けられており、前記第2の移動性支持構造体(300)は、前記開始ローラバンドが前記コンベアバンド(200)に近づき/前記コンベアバンド(200)から遠ざかるように、前記コンベアバンド(200)に対して前記開始ローラバンド(300)を長手方向に移動させるために、前記主支持構造体(20)上に設置された長手方向案内レール上に支持されており、この調節は、ロール掛けされた製品(2)上に所望の孔を得ることを可能にし、この調節は、製品のロール掛けを達成することにとって極めて重要であり、好ましくは第2のサーボモータによって実行される。
【0014】
下り傾斜平面上に設置されているロール掛けバンドすなわちローラバンド(400)は、入口端(401)および出口端(402)を有し、ローラバンド(400)は、複数の軌道転動ピン、および、緊張-駆動転動ピンを含む。前記入口端(401)は、前記出口端(402)よりも高い箇所にあり、同様に、前記入口端(401)は、前記コンベアバンド(200)の出口端(102)の下にあり、前記開始ローラバンドの作用面(303)の近くにある。前記ローラバンド(400)は、上下方向案内レール上に支持されている第3の移動性支持構造体上に取り付けられており、前記上下方向案内レールは、前記ローラバンド(400)が開始ロール掛けバンド(300)に対して上下方向に移動するように、第2の移動性支持構造体(330)上に取り付けられており、この調節は、ローラバンドが、除荷バンド(500)の戻りに向かって近づく、または遠ざかることを可能にする。この調節は、ロール掛けされた製品に所望の孔を確保し、維持することを可能にし、好ましくは第3のサーボモータによって実行される。
【0015】
第2の移動性支持構造体および第3の移動性支持構造体(330)が連結されている場合には、開始ローラバンド(300)が前記コンベアバンド(200)に近づく/遠ざかるときに、その結果として、ローラバンド(400)も前記コンベアバンド(200)に近づく/遠ざかり、その結果、前記ローラバンド(400)は、2つの移動、すなわち、1つは上下方向移動、他方は長手方向移動を有する。
【0016】
除荷バンド(500)は、ロール掛けされた製品(2)を、焼き(baking)であろうが、揚げ(frying)であろうが、工程の次のステップに送るのに加えて、一旦積層製品(1)がローラバンド(400)からロール掛けされた後に、積層製品(1)を受け取る。前記除荷バンドは、入口端(501)および出口端(502)、複数の軌道転動ピン、並びに、1つの緊張-駆動転動ピンを含み、前記除荷バンド(500)は、主支持構造体(20)上に取り付けられている。
【0017】
前記除荷バンド(500)は、主支持構造体の下側部分上に設置された異なる傾斜を備える少なくとも4つのセクション、すなわち、実質的に水平な傾斜を備える第1のセクション、上り傾斜を備える第2のセクション、実質的に水平な傾斜を備える第3のセクション、および、下り傾斜を備える第4のセクションを含み、前記除荷バンド(500)は、ロール掛けされた製品を荷下ろしする
【0018】
追加の実施形態では、送りバンド(100)は、回動することができる長さと能力を有し、それによって、積層材料がロール掛けされないように、積層システム(30)からロール掛けされない積層製品を工程の次のステップに移送することを可能にする。
【0019】
前記送りバンド(100)は、その最も下側の箇所にあるときに、積層システムの出口との接触を確立するために、ピボット(111)が、上下に移動するバンド(100)の入口端(101)に近接している場合に、除荷バンド(500)の入口端と接触していることを可能にする。
【0020】
本発明のために本願で記載されている構造の代替を、当業者は予測することができる。しかしながら、本説明は、例示の目的のためのみであり、本発明を制限するものと解釈してはならない本発明の好ましい実施形態に関連されていることが理解されるべきである。本発明を構成する異なる要素の形状、材料、および、数の変更のような、本発明の精神におけるすべての自明な変更は、添付の特許請求の範囲内にあると考えなければならない。
【符号の説明】
【0021】
10 積層製品のためのローラシステム
20 主支持構造体
30 積層システム
100 送りバンド
110 第1の移動性支持構造体
200 コンベアバンド
300 開始ロール掛けバンド(開始ローラバンド)
330 第2の移動性支持構造体
400 ロール掛けバンド(ローラバンド)
500 除荷バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7