特許第6893282号(P6893282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893282
(24)【登録日】2021年6月2日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】データ処理方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06M 3/08 20060101AFI20210614BHJP
【FI】
   G06M3/08
【請求項の数】14
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2020-514309(P2020-514309)
(86)(22)【出願日】2017年8月18日
(65)【公表番号】特表2020-521259(P2020-521259A)
(43)【公表日】2020年7月16日
(86)【国際出願番号】CN2017097983
(87)【国際公開番号】WO2018209831
(87)【国際公開日】20181122
【審査請求日】2020年1月16日
(31)【優先権主張番号】201710357275.4
(32)【優先日】2017年5月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519411490
【氏名又は名称】蘇州易信安工業技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU TEKNECT ENGINEERING CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 恒
(72)【発明者】
【氏名】朱 創宇
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−101934(JP,A)
【文献】 特開2003−128395(JP,A)
【文献】 特開2008−290818(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0266935(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104460477(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06M 1/00−3/14
G06M 7/00−15/00
G01B 21/00−21/32
G01B 11/00−11/30
G01B 7/00− 7/34
B66F 9/00−11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理方法であって、
被検出設備の目標部品の現状情報を取得するステップと、
前記目標部品に輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新し、前記目標部品に今回前記輸送対象を装着するときと前記目標部品に前回前記輸送対象を装着するときとの時間差を取得するステップと、
前記目標部品に前記輸送対象が存在しないことが前記現状情報に示される場合、前記目標部品の履歴状態情報を取得し、前記履歴状態情報の分析結果に基づいて、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップと、を含み、
前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
前記時間差が時間閾値よりも大きいことを特定し、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを含むことを特徴とする、データ処理方法。
【請求項2】
前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、
前記目標部品の移動情報を監視するステップと、
前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が第1輸送段階に入ったか否かを前記移動情報により判定するステップと、
前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が前記第1輸送段階に入ったと判定された場合、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを実行するステップと、
前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が前記第1輸送段階に入っていないと判定された場合、前記目標部品の前記移動情報を監視することを継続するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項3】
前記履歴状態情報の前記分析結果に基づいて、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
前記履歴状態情報に基づいて、隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証するステップと、
隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項4】
前記被検出設備の前記目標部品の現状情報を取得するステップは、
画像収集器において収集された前記被検出設備の前記目標部品の画像情報を取得するステップと、
前記画像情報に対する分析結果に基づいて、前記目標部品の現状情報を特定するステップと、を含み、
前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
取得された少なくとも1フレームの前記画像情報の分析結果に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項5】
前記被検出設備の前記目標部品の現状情報を取得するステップは、
前記被検出設備の前記目標部品が所定位置に位置することを特定し、障害物センサから出力される前記被検出設備の前記目標部品に対する検出信号を取得するステップと、
前記検出信号に対する分析結果に基づいて、前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証するステップと、を含み、
前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
取得された少なくとも一つの検出信号に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記目標部品の現在位置が所定位置に到達したか否かを判定するステップと、
前記目標部品の現在位置が所定位置に到達したと判定された場合、指示情報を出力し、又は、前記目標部品を逆方向に移動させるように制御するステップと、をさらに含み、
前記指示情報は、前記目標部品を逆方向に移動させるように制御する指令であることを特徴とする、請求項2に記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
前記被検出設備の現在の作業者の認証情報を特定するステップと、
前記認証情報に関連して記憶された第1輸送回数と、前記被検出設備に関連して記憶された第2輸送回数とを取得するステップと、
取得された前記第1輸送回数及び前記第2輸送回数を更新するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のデータ処理方法。
【請求項8】
前記目標部品に輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、
前記目標部品における前記輸送対象が消失するまでの前記被検出設備の輸送時間を記録し、前記被検出設備の総輸送時間を取得するステップと、
更新後の前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数と、前記総輸送時間とをサーバに送信するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載のデータ処理方法。
【請求項9】
データ処理装置であって、
被検出設備の目標部品の現状情報を収集する情報収集器と、
前記目標部品の履歴状態情報と、前記被検出設備による輸送対象の輸送回数とを記憶するメモリと、
前記現状情報を取得し、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記メモリに記憶された輸送回数を更新し、前記目標部品に今回前記輸送対象を装着するときと前記目標部品に前回前記輸送対象を装着するときとの時間差を取得し、前記目標部品に前記輸送対象が存在しないことが前記現状情報に示される場合、前記目標部品の履歴状態情報を取得し、前記履歴状態情報の分析結果に基づいて、前記メモリに記憶された輸送回数を更新するコントローラと、を含み、
前記コントローラは、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新する際に、前記時間差が時間閾値よりも大きいことを特定し、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することを特徴とする、データ処理装置。
【請求項10】
前記目標部品の移動情報を監視する移動検出器を含み、
前記コントローラは、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記移動情報に基づいて、前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が下降運転段階に入ったか否かを判定し、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラは、前記履歴状態情報に基づいて、隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証し、
隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記情報収集器は、画像収集器であり、
前記目標部品は、前記画像収集器の撮像視野内に位置するように前記被検出設備に設けられ、
前記画像収集器は、前記被検出設備の前記目標部品の画像情報をリアルタイムに収集し、
前記コントローラは、前記画像情報に対する分析結果に基づいて、前記目標部品の現状情報を特定し、前記目標部品に輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、
取得された少なくとも1フレームの画像情報の分析結果に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項13】
前記情報収集器は、障害物センサ及び位置センサであり、
前記位置センサは、前記被検出設備の前記目標部品が所定位置に位置するか否かを監視し、
前記障害物センサは、前記目標部品に第1信号を送信し、前記目標部品からフィードバックされる第2信号を受信し、前記目標部品に対する検出信号を生成し、
前記コントローラは、前記検出信号に対する分析結果に基づいて、前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証し、
前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、取得された少なくとも一つの検出信号に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項14】
データ処理システムであって、
端末と、サーバと、請求項10から1のいずれか1項に記載のデータ処理装置と、を含み、
前記データ処理装置は、取得した前記被検出設備による前記輸送対象の総輸送回数及び、異なるユーザアカウントに関連する前記被検出設備の輸送時間、待機時間及びシャットダウン時間を含む前記被検出設備の稼働時間情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記被検出設備による前記輸送対象の総輸送回数及び前記稼働時間情報に基づいて、稼働レポートを生成し、
前記端末は、前記稼働レポートを表示することを特徴とする、データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にフリート管理の技術分野に適用され、より具体的には、データ処理方法、装置及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、フォークリフトは、一般的に使用される工業用運搬車両として、主にパレット貨物の積み降ろし、積み上げ及び短距離輸送の作業に使用される。また、フォークリフトは、企業の物流システムで非常に重要な役割を果たし、マテリアルハンドリング設備の主力であり、駅、港、空港、工場、倉庫など、国民経済の各部門に広く適用されている。
【0003】
実際の適用では、フォークリフト及び作業者への監督管理を実現するために、企業は、通常、フォークリフト及び作業者の作業時間を記録し、これに基づいてフォークリフトの稼働率及び作業者の作業効率を分析するフリート管理システムを設けている。
【0004】
しかしながら、従来のデータ処理方法では、作業者がフォークリフトを使用して貨物を運搬する回数が考慮されていないため、取得された分析結果は正確ではない。これに対して、従来技術では通常、油圧の変化によってフォークリフトが貨物又はパレットを運搬する回数を算出しているが、このような方法では元のフォークリフトの油圧パイプラインを変更する必要があるため、非常に煩雑であり、かつ油圧漏れやその他の安全上の問題を引き起こしやすくなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、従来技術の油圧測定方法のプロセスが複雑であり、油圧パイプラインの不適切な改装による油圧漏れやその他の安全リスクを引き起こしやすくなるという技術的問題を解決するデータ処理方法、装置及びシステムを提供する。
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明のある態様によれば、データ処理方法であって、
被検出設備の目標部品の現状情報を取得するステップと、
前記目標部品に輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップと、
前記目標部品に前記輸送対象が存在しないことが前記現状情報に示される場合、前記目標部品の履歴状態情報を取得し、前記履歴状態情報の分析結果に基づいて、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップと、を含むデータ処理方法が提供される。
【0007】
また、本態様では、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、
前記目標部品の移動情報を監視するステップと、
前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が第1輸送段階に入ったか否かを前記移動情報により判定するステップと、
前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が前記第1輸送段階に入ったと判定された場合、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを実行するステップと、
前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が前記第1輸送段階に入っていないと判定された場合、前記目標部品の前記移動情報を監視することを継続するステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0008】
また、本態様では、前記履歴状態情報の前記分析結果に基づいて、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
前記履歴状態情報に基づいて、隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証するステップと、
隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップと、を含むことが好ましい。
【0009】
また、本態様では、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、
前記目標部品に今回前記輸送対象を装着するときと前記目標部品に前回前記輸送対象を装着するときとの時間差を取得するステップをさらに含み、
前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
前記時間差が時間閾値よりも大きいことを特定し、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを含むことが好ましい。
【0010】
また、本態様では、前記被検出設備の前記目標部品の現状情報を取得するステップは、
画像収集器において収集された前記被検出設備の前記目標部品の画像情報を取得するステップと、
前記画像情報に対する分析結果に基づいて、前記目標部品の現状情報を特定するステップと、を含み、
前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
取得された少なくとも1フレームの前記画像情報の分析結果に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを含むことが好ましい。
【0011】
また、本態様では、前記被検出設備の前記目標部品の現状情報を取得するステップは、
前記被検出設備の前記目標部品が所定位置に位置することを特定し、障害物センサから出力される前記被検出設備の前記目標部品に対する検出信号を取得するステップと、
前記検出信号に対する分析結果に基づいて、前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証するステップと、を含み、
前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
取得された少なくとも一つの検出信号に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップを含むことが好ましい。
【0012】
また、本態様では、前記目標部品の現在位置が所定位置に到達したか否かを判定するステップと、
前記目標部品の現在位置が所定位置に到達したと判定された場合、指示情報を出力し、又は、前記目標部品を逆方向に移動させるように制御するステップと、をさらに含み、
前記指示情報は、前記目標部品を逆方向に移動させるように制御する指令であることが好ましい。
【0013】
また、本態様では、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するステップは、
前記被検出設備の現在の作業者の認証情報を特定するステップと、
前記認証情報に関連して記憶された第1輸送回数と、前記被検出設備に関連して記憶された第2輸送回数とを取得するステップと、
取得された前記第1輸送回数及び前記第2輸送回数を更新するステップと、を含むことが好ましい。
【0014】
また、本態様では、前記目標部品に輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、
前記目標部品における前記輸送対象が消失するまでの前記被検出設備の輸送時間を記録し、前記被検出設備の総輸送時間を取得するステップと、
更新後の前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数と、前記総輸送時間とをサーバに送信するステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0015】
また、本発明のある他の態様によれば、データ処理装置であって、
被検出設備の目標部品の現状情報を収集する情報収集器と、
前記目標部品の履歴状態情報と、前記被検出設備による輸送対象の輸送回数とを記憶するメモリと、
前記現状情報を取得し、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記メモリに記憶された輸送回数を更新し、前記目標部品に前記輸送対象が存在しないことが前記現状情報に示される場合、前記目標部品の履歴状態情報を取得し、前記履歴状態情報の分析結果に基づいて、前記メモリに記憶された輸送回数を更新するコントローラと、を含むデータ処理装置が提供される。
【0016】
また、本態様では、前記目標部品の移動情報を監視する移動検出器を含み、
前記コントローラは、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記移動情報に基づいて、前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が下降運転段階に入ったか否かを判定し、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することが好ましい。
【0017】
また、本態様では、前記コントローラは、前記履歴状態情報に基づいて、隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証し、
隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することが好ましい。
【0018】
また、本態様では、前記情報収集器は、画像収集器であり、
前記目標部品は、前記画像収集器の撮像視野内に位置するように前記被検出設備に設けられ、
前記画像収集器は、前記被検出設備の前記目標部品の画像情報をリアルタイムに収集し、
前記コントローラは、前記画像情報に対する分析結果に基づいて、前記目標部品の現状情報を特定し、前記目標部品に輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、
取得された少なくとも1フレームの画像情報の分析結果に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することが好ましい。
【0019】
また、本態様では、前記情報収集器は、障害物センサ及び位置センサであり、
前記位置センサは、前記被検出設備の前記目標部品が所定位置に位置するか否かを監視し、
前記障害物センサは、前記目標部品に第1信号を送信し、前記目標部品からフィードバックされる第2信号を受信し、前記目標部品に対する検出信号を生成し、
前記コントローラは、前記検出信号に対する分析結果に基づいて、前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証し、
前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、取得された少なくとも一つの検出信号に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新することが好ましい。
【0020】
さらに、本発明のあるその他の態様によれば、データ処理システムであって、
端末と、サーバと、請求項10から14のいずれか1項に記載のデータ処理装置と、を含み、
前記データ処理装置は、取得した前記被検出設備による前記輸送対象の総輸送回数及び、異なるユーザアカウントに関連する前記被検出設備の輸送時間、待機時間及びシャットダウン時間を含む前記被検出設備の稼働時間情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記被検出設備による前記輸送対象の総輸送回数及び前記稼働時間情報に基づいて、稼働レポートを生成し、
前記端末は、前記稼働レポートを表示するデータ処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の態様によれば、従来技術と比較して、フォークリフトによる貨物の輸送回数の統計が図られるデータ処理方法、装置及びシステムが提供される。具体的には、被検出設備(例えば、フォークリフト)の目標部品(例えば、荷役フォーク部)の現状情報を取得し、当該目標部品に輸送対象が存在することが当該現状情報に示される場合、当該目標部品における輸送対象が消失したことを監視し、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新する。そして、当該目標部品に輸送対象が存在しないことが現状情報に示される場合、当該目標部品の履歴状態情報を分析することにより、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新することが実現される。これにより、本願において被検出設備による輸送対象の輸送回数を統計するプロセスは、簡単に実現され、油圧パイプラインを変更する必要がなく、被検出設備の使用中の安全性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例又は従来技術の態様をより明確に説明するために、以下では、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明の実施例に過ぎない。当業者にとって、創造的な労働なしに、提供された図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0023】
図1】本発明の実施例に係るデータ処理方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の他の実施例に係るデータ処理方法を示すフローチャートである。
図3】本発明に係る音波センサの動作原理を示す概略図である。
図4】本発明のその他の実施例に係るデータ処理方法を示すフローチャートである。
図5】本発明のその他の実施例に係るデータ処理方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施例に係るデータ処理装置を示す構造図である。
図7】本発明に係る被検出設備における情報収集器の取り付けを示す概略図である。
図8】本発明の他の実施例に係るデータ処理装置を示す構造図である。
図9】本発明の他の実施例に係るデータ処理システムを示す構造図である。
図10】本発明に係る柱状グラフである。
図11】本発明に係る他の柱状グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明の実施例の図面を参照しながら本発明の実施例の態様を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものである。
【0025】
本発明によれば、フォークリフトによる貨物の輸送回数の統計を実現するデータ処理方法、装置及びシステムが提供される。具体的には、被検出設備(例えば、フォークリフト)の目標部品(例えば、荷役フォーク部)の現状情報を取得し、当該目標部品に輸送対象が存在することが当該現状情報に示される場合、当該目標部品における輸送対象が消失したことを監視し、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新する。そして、当該目標部品に輸送対象が存在しないことが現状情報に示される場合、当該目標部品の履歴状態情報を分析することにより、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新することが実現される。これにより、本願において被検出設備による輸送対象の輸送回数を統計するプロセスは、簡単に実現され、油圧パイプラインを変更する必要がなく、被検出設備の使用中の安全性が保証をすることができる。
【0026】
ここで、本発明に係る上記の方法、装置及びシステムにおける被検出設備は、具体的には、フォークリフト、工場内輸送車両、上昇点検車両、掃除機などであってもよく、これらに限定されない。
【0027】
本発明に係る上記の目的、特徴及び利点をより明らかに分かりやすくするために、以下では、添付の図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
【0028】
図1に示すように、図1は、本発明の実施例に係るデータ処理方法を示す概略フローチャートである。当該方法は、データ処理装置のコントローラに用いられてもよい。当該データ処理装置は、被検出設備に設けられてもよい。実際の適用では、当該方法は、以下のステップを含む。
【0029】
ステップS101では、被検出設備の目標部品の現状情報を取得する。
【0030】
本実施例では、被検出設備がフォークリフトであり、その目標部品がフォークリフトの荷役フォークであることを例として説明する。フォークリフト及びその作業者への管理を実現し、各作業者がフォークリフトを操作する作業状況を把握するために、作業者が認証情報を使用して当該被検出設備の制御システムに正常にログインした後、当該作業者による被検出設備の操作内容を監視することができる。具体的には、本実施例では、フォークリフトの荷役フォークの動きを監視することで、作業者による被検出設備の操作及び被検出設備の稼働状態を知ることができる。
【0031】
なお、他の種類の被検出設備について、その目標部品は、その動作状態を特定することができる部品であってもよいが、ここでこれ以上列挙しない。
【0032】
ここで、取得された現状情報は、当該目標部品に輸送対象が存在するか否かを示すためのものであってもよい。本実施例では、当該現状情報の具体的な表現形式を限定せず、目標部品については、情報を収集する設備の種類に応じて決定することができる。異なる種類の情報収集設備については、収集された目標部品の状態情報の表現形式が通常異なる。
【0033】
オプションとして、被検出設備に設けられた画像収集器により、被検出設備の目標部品の画像情報を収集することができる。当該画像収集器は、被検出設備の頂部(例えば、車両運転室の頂部)に設けられてもよく、又は、目標部品が当該画像収集器の撮像視野内に位置することを保証するために、目標部品の移動と同期して移動可能に目標部品の移動機構に設けられてもよい。本実施例では、当該画像収集器の取り付け位置を限定していない。
【0034】
これによれば、画像収集器は、目標部品の画像情報を収集した後、有線又は無線通信を介してリアルタイムで被検出設備のコントローラに送信する。そして、コントローラは、取得した画像情報を分析し、目標部品の現状情報を特定する。
【0035】
実際の適用では、被検出設備の稼働中において、画像収集器は、常に動作状態にあるため、目標部品の画像情報をリアルタイムで収集し、コントローラに送信することが図られる。これにより、コントローラが目標部品の状態情報をリアルタイムで取得することができる。すなわち、目標部品の状態への監視が図られる。
【0036】
他の実施例として、障害物検出技術により、目標部品の状態情報を検出してもよい。被検出設備がフォークリフトであることを例として説明すると、本実施例では、障害物センサをフォークリフトのシェルフ、荷役フォーク、ガントリ又はオーバーヘッドガードなどの位置に設けてもよい。なお、実際のニーズに応じて決定することができ、障害物センサの設置位置を限定していない。
【0037】
オプションとして、障害物センサは、赤外線センサ、レーザセンサ又は超音波検出器などの測距センサであってもよい。目標部品及びそれにおける輸送対象に第1信号を送信し、フィードバックされる第2信号を受信することにより、対応の検出信号を生成し、コントローラに送信する。コントローラは、当該検出信号を分析し、分析結果に基づいて目標部品に輸送対象が存在するか否かを検証する。また、必要に応じて、目標部品の往復回数などのデータを直接算出することができる。
【0038】
ここで、実際の適用では、位置センサ(例えば、リミットセンサ又はスイッチ)によって目標部品が所定位置(すなわち、輸送対象を運搬する位置)に到達したと特定された場合、障害物センサが動作するようにトリガされてもよい。例えば、フォークリフトシャーシに障害物センサ及びガントリ移動リミットスイッチを取り付け、荷役フォークが所定位置まで下降すると、当該リミットスイッチが作動するようにトリガされる。これにより、荷役フォークが下降し続けて地面と衝突することが阻止される。
【0039】
なお、本実施例では、当該所定位置の具体的な位置について限定せず、被検出設備の型番及び稼働状況に応じて決定することができ、ここでは省略する。
【0040】
ステップS102では、目標部品に輸送対象が存在するか否かが現状情報に示されることを検証する。そして、Yesである場合、ステップS103に進み、Noである場合、ステップS104を実行する。
【0041】
上記分析を参照して、取得された現状情報の表現形式が異なれば、その目標部品に輸送対象が存在するか否かを検証する具体的なプロセスが異なってもよい。例えば、当該現状情報が画像収集器によって収集された目標部品の画像情報であれば、画像情報を分析することによって、当該目標部品に輸送対象が存在するか否かを検証することができる。現状情報が障害物センサから出力される検出信号によって取得されるものであれば、目標部品に輸送対象が装着されている場合、障害物を検出することができるため、当該実施例では、直接検出信号のレベル又は内容に基づいて当該目標部品に輸送対象が存在するか否かなどを検証することができる。ここでは省略する。
【0042】
ステップS103では、目標部品における当該輸送対象が消失したことを監視し、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新する。
【0043】
本実施例では、目標部品の移動状態及び、今回の輸送が完了したか否か、すなわち装着された輸送対象が運搬されたか否かを特定するために、画像収集器又は障害物センサなどによって目標部品及びそれにおける輸送対象を監視する。目標部品における輸送対象が消失したことが監視された場合、作業者が被検出設備を操作し、被検出設備の目標部品による1回の輸送が完了したと認定することができる。記憶されたものであって、当該作業者が輸送対象の輸送を当該被検出設備により行った輸送回数に1を加算する。
【0044】
オプションとして、同じ被検出設備については、通常複数の作業者による操作が許可されてもよい。本実施例では、作業者の認証情報により、同じ被検出設備を操作する複数の作業者への区別が図られる。このため、上記の被検出設備の輸送回数については、各作業者の認証情報に関連して記憶することができる。例えば、異なる作業者の認証情報と、被検出設備の操作による輸送対象の輸送回数との対応関係を確立し、いずれかの作業者が当該被検出設備を操作して1回の輸送を完了させた後、当該作業者の認証情報に対応する輸送回数を更新することができるが、本実施例で説明した輸送回数の更新方法に限定されない。
【0045】
ここで、作業者の認証情報には、アカウント及び/又はパスワード、パターン情報、指紋情報、瞳孔情報、顔情報などが含まれてもよい。被検出設備のコントローラ又はモバイル端末などは、当該認証情報によって、対応する作業者の権限認証を実現し、当該作業者が被検出設備を操作する権限を持っているか否かを判定することができる。
【0046】
ステップS104では、当該被検出設備の目標部品の履歴状態情報を取得する。
【0047】
上記分析を参照して、被検出設備の目標部品の状態を監視することができる。毎回取得される当該目標部品の現状情報については、取得時間などのパラメータに従って記憶することができる。このため、現在時刻において目標部品に輸送対象が存在しないと特定された場合、履歴状態情報を照会することにより、目標部品が現在時刻において、例えば、下降段階、上昇段階又は輸送対象を指定位置まで運搬した後に上昇しようとする段階などのどの段階にあるかを特定する。これにより、被検出設備が今回輸送対象を輸送したか否かを特定することができる。
【0048】
これによれば、本実施例では、記憶された隣接する時間帯における目標部品の履歴状態情報を取得することができる。当該隣接する時間帯の具体的な時間を限定せず、実際のニーズ又は目標部品の現状に応じて決定することができる。
【0049】
ステップS105では、当該履歴状態情報の分析結果に基づいて、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新する。
【0050】
本実施例では、目標部品の履歴状態情報を分析することにより、当該目標部品がそれ以前の隣接する時間帯において輸送対象を1回積み下ろしたか否かを知ることができる。すなわち、当該目標部品に輸送対象が存在し、かつ、当該輸送対象が消失したことが検出される。この場合、直接当該被検出設備による輸送対象の輸送回数に1を加算することができる。逆に、当該隣接する時間帯において当該目標部品に輸送対象が終始存在しないことが監視された場合、当該被検出設備による輸送対象の輸送回数が変わらないように維持される。
【0051】
オプションとして、輸送回数の具体的な更新方法に関しては、上記の実施例の説明を参照することができる。すなわち、作業者の認証情報に従って対応の更新を行う。また、本実施例では、異なる種類の輸送対象の輸送回数を分類して記録することができる。このため、目標部品がある種類の輸送対象に対し1回の輸送を完了させたと特定された後、当該種類の輸送対象の現在の輸送回数を取得し、輸送回数を更新することができると同時に、被検出設備が様々な輸送対象を輸送する総輸送回数などをリアルタイムで更新することもできる。本実施例では、当該輸送回数の記憶方法を限定せず、実際の管理ニーズに応じて決定することができる。
【0052】
以上のように、本実施例では、被検出設備の目標部品の現状情報をリアルタイムで取得することにより、当該目標部品に輸送対象が存在するか否か、すなわち被検出設備が現在輸送作業を行っているか否かが適時に特定される。輸送対象の輸送が行われていると特定された場合、当該輸送対象が目標部品から消失したことが監視された場合、当該被検出設備による輸送対象の輸送回数を1回増加することができる。現在時刻において目標部品が当該輸送対象を輸送していないと特定された場合、当該目標部品の履歴状態情報の分析結果に基づいて、当該目標部品が輸送対象の輸送を完了させたところであるか否かを判定することができる。ひいては被検出設備の輸送回数の更新が図られ、被検出設備による輸送対象の輸送回数の信頼性の高い統計が迅速に実現され、被検出設備の油圧パイプラインを変更する必要がなく、輸送回数の統計プロセス全体の安全性を保証することができる。
【0053】
オプションとして、上記の実施例によれば、被検出設備の作業効率を分析するために、被検出設備の実際の運転時間及び輸送対象を携帯する輸送時間を統計することができる。したがって、目標部品に輸送対象が存在すると特定された場合、被検出設備が稼働状態に入ったか否か、すなわち、被検出設備が輸送対象を輸送するために起動されたか否かを判定する。Yesである場合、計時を開始し、目標部品における輸送対象が消失したことが監視された場合、計時を停止する。二つの時間値に基づいて、被検出設備の目標部品による当該輸送対象の輸送時間を算出することができる。もちろん、目標部品における輸送対象が消失したことが監視され、その後、当該目標部品に輸送対象が存在し又は目標部品が輸送の開始点まで上昇したことが監視された後、計時を停止してもよい。これにより、二つの時間値に基づいて、被検出設備による輸送対象の1回の輸送が完了したことにかかる時間を算出し、被検出設備の稼働時間を分析し、被検出設備及び作業者の作業効率を算出する。
【0054】
ここで、被検出設備の稼働時間とは、被検出設備が起動されてから運転を停止するまでの時間を指してもよい。当該運転時間は通常、被検出設備の輸送時間よりも長く、すなわち被検出設備の運転時間は輸送対象を携帯する輸送時間を含む。
【0055】
また、上記取得された被検出設備による輸送対象の輸送回数及び、輸送対象を1回輸送するのにかかる時間などのデータについては、コントローラ又はモバイル端末を介してサーバに送信する。サーバは、これらのデータを分析し、対応の分析レポートを取得してからモバイル端末にフィードバックして表示させることにより、管理者が直感的かつ適時に各作業者及び被検出設備の稼働状況を把握することができる。
【0056】
なお、本実施例では、上記のデータの伝送方法及び分析方法、さらには取得された分析レポートの内容などを限定せず、実際のニーズに応じて決定することができ、ここでは省略する。
【0057】
図2は、本発明の実施例による他のデータ処理方法を示すフローチャートである。当該方法では、フォークリフトが荷役フォークによって貨物を輸送する適用シーンを例として説明する。当該方法は、以下のステップを含む。
【0058】
ステップS201では、被検出設備の目標部品が所定位置に到達したことを特定し、障害物センサを動作状態に入るように制御する。
【0059】
上記の実施例の説明を参照して、目標部品の状態を検出する障害物センサの精度を向上させ、目標部品の過度の移動による地面との衝突を回避するために、目標部品に対して一定の移動範囲、すなわち輸送対象を装着するための移動範囲を設定することができる。当該移動範囲の上限位置及び下限位置に到達した場合、目標部品の移動停止、又は逆方向への目標部品の移動を制御することができる。当該下限位置は通常、輸送対象の配達位置であり、上限位置は通常、輸送対象を取得する位置である。
【0060】
さらに、障害物センサ自体の特性に基づいて、障害物、すなわち目標部品が携帯する輸送対象が通過するときのみ、出力される検出信号が変化する。障害物センサが早めにトリガされると、エネルギ消費が増加するだけで、他の有益な効果はない。
【0061】
これによれば、本実施例では、被検出設備の目標部品が所定位置に到達したか否かを検出することができる。当該所定位置は、目標部品のあらかじめ設定された移動範囲の上限位置又は下限位置であってもよい。具体的には、障害物センサの設置位置及び輸送対象の輸送目的地などの要因に応じて決定することができる。目標部品が所定位置に到達したと特定された場合、障害物センサが動作状態に入り、当該目標部品に輸送対象が存在するか否かを検出する。
【0062】
ステップS202では、当該障害物センサから出力される被検出設備の目標部品に対する検出信号を取得する。
【0063】
ここで、当該検出信号の取得プロセスについては、上記の方法の実施例の対応する部分の説明を参照することができ、ここでは、省略する。
【0064】
ステップS203では、当該検出信号の分析結果に基づいて、目標部品に輸送対象が存在するか否かを検証し、Yesである場合、ステップS204に進み、Noである場合、ステップS205を実行する。
【0065】
本実施例では、障害物が通過する際に障害物センサから出力される検出信号が変化するため、当該障害物センサの検出特性に基づいて、輸送対象を携帯する目標部品が通過したか否かが正確に判定される。
【0066】
上記の実施例の対応部分で説明したように、当該障害物センサは、赤外線センサ、レーザセンサ又は超音波検出器などの測距センサであってもよい。ここではこれらの測距センサの動作原理の説明を省略する。
【0067】
オプションとして、図3に示すように、障害物センサが音波検出器31である場合、当該音波検出器の発射ポート及び検出ポートは、目標部品の移動軌跡に対向する必要がある。目標部品32が所定位置に到達したと特定された後、第1信号が出力されるように当該音波検出器を制御することができる。この時点で目標部品に輸送対象が存在する場合、当該第1信号が当該輸送対象に向けて送信された後、輸送対象は、エコー信号である第2信号をフィードバックする。音波検出器は、当該第2信号を検出した後、対応の検出信号を出力し、当該目標部品に輸送対象が存在するか否かを示すことができる。
【0068】
音波の原理によれば、音波信号が障害物(すなわち、輸送対象)によって遮断された後、音波信号の伝送方向が変化することにより、検出ポートによって検出された音波信号の属性情報が、発射ポートによって発射された音波信号の属性情報と異なり、又は障害物による遮断が存在しない場合に検出された音波信号の属性情報と異なる。本実施例では、音波信号の属性情報の変化に基づいて、現在目標部品に輸送対象が存在するか否かを判定することができる。
【0069】
なお、上記の検出プロセスでは、障害物センサの設置位置を合理的に決定してもよい。検出プロセスにおいて目標部品又は被検出設備における他の部品を障害物とし、目標部品に輸送対象が存在するか否かについての検出精度の低下が回避される。
【0070】
また、障害物センサの構成構造及び検出方法については、本実施例において上記に列挙した方法に限定されず、上記の概念に応じて適応的に調整してもよい。ここでは、省略する。
【0071】
S204では、連続的に取得された複数の検出信号の分析結果に基づいて、目標部品における当該輸送対象が消失したか否かを判定し、Yesである場合、ステップS207に進み、Noである場合、ステップS204を継続して実行する。
【0072】
上記の分析の結果により、目標部品に輸送対象が存在すると特定された場合、当該目標部品を継続的に監視することができる。そして、作業者が輸送対象を目標部品から目標位置まで移動したと特定された後、被検出設備による輸送対象の輸送回数を1回増加する。
【0073】
目標部品の監視方法については、当該目標部品に輸送対象が存在するか否かを検出する上記検出方法と同じ検出方法を採用することができるが、これに限定されない。本実施例では、依然として障害物センサによって目標部品における輸送対象の監視を実現する。上記の分析のように、検出信号が当該目標部品に輸送対象が存在するか否かを直接示すことができるため、本実施例では、連続的に取得された検出信号を分析することにより、輸送対象がいつ目標部品から消失したかを判定することができる。
【0074】
これによれば、毎回検出信号を取得した後、検出信号を分析することにより、目標部品に輸送対象が存在するか否かを判定することができる。これにより、目標部品に輸送対象が存在する時間及び当該輸送対象が目標部品から消失した時間を取得し、被検出設備が当該輸送対象を1回輸送するのにかかる時間を算出することができる。
【0075】
もちろん、輸送対象が目標部品から消失した時間を記録する場合、輸送対象の種類、被検出設備の属性情報(例えば、被検出設備の番号、型番、現在の稼働時間など)及び現在の作業者の属性情報(例えば、ジョブ番号、作業時間など)を関連させて記録することもできる。本実施例では、輸送対象が存在及び消失した時間の記憶方法及びその関連するデータ内容について限定せず、実際の管理ニーズに応じて決定することができる。ここでは、省略する。
【0076】
ステップS205では、隣接する時間帯において目標部品に対する複数の履歴検出信号を取得する。
【0077】
上記のステップS203の説明内容を参照して、被検出設備による輸送対象の輸送回数の記録漏れを回避するために、現在時刻で目標部品に輸送対象が存在しないことが検出された場合、これ以前の輸送対象に関する情報、すなわち隣接する時間帯における複数の履歴検出信号を検出し、これ以前に目標部品に輸送対象が存在するか否かを判定することができる。
【0078】
ここで、検証される現在時刻に連続する期間の具体的な数値について限定せず、シーンの実測などの方法に応じて決定することができる。本実施例では、それを隣接する時間帯と称する。
【0079】
なお、本実施例では、他の方法によって目標部品に輸送対象が存在するか否かを判定した後、依然として当該方法によって取得される対応の情報を継続的に監視し、目標部品を継続的に監視することができる。具体的なプロセスは、本実施例において提供された障害物センサによる目標部品の監視方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0080】
また、いくつかの特定のシーンでは、この時点で一つの履歴検出信号を取得し、輸送対象が存在するか否かの判定を実現してもよい。すなわち、ステップS205で実際に取得したのは少なくとも一つの履歴検出信号である。ここでは、複数の履歴検出信号の取得及び分析についてのみ説明しているが、一つの履歴検出信号の実現プロセスは本実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0081】
ステップS206では、当該複数の履歴検出信号を分析することにより、当該隣接する時間帯において目標部品に輸送対象が存在するか否かを判定し、Yesである場合、ステップS207に進み、Noである場合、ステップS202に戻る。
【0082】
本実施例では、検出信号が目標部品に輸送対象が存在するか否かを示すことができるため、現在目標部品に輸送対象が存在しないと特定された場合、本実施例では、複数の連続する履歴検出信号を分析することによりこれ以前の隣接する時間帯において目標部品に輸送対象が存在したか否かを正確に知ることができる。存在する場合、被検出設備が1回の輸送を完了させたと認定することができる。存在しない場合、被検出設備が今回当該輸送対象を輸送していないと認定することができる。このとき、被検出設備による輸送対象の輸送回数が変わらないように維持される。
【0083】
なお、本実施例では、上記の隣接する時間帯の時間数値について限定しないが、輸送回数の繰り返し記録を回避するために、通常、当該隣接する時間帯は比較的小さくなる。本実施例では、例えば、隣接して取得された少なくとも一つの履歴検出信号など、その具体的な数値について限定しない。
【0084】
ステップS207では、被検出設備の現在の作業者の認証情報を特定する。
【0085】
実際の適用では、同じ被検出設備に対して、通常、複数の作業者がそれを操作する権限を持っている。このため、各作業者の作業状況を把握するために、例えば、作業時間、輸送回数、輸送対象の種類など、各作業者が各被検出設備を操作して作業する期間において生成される様々なデータについては、当該作業者の認証情報との対応関係を確立して記憶することにより、当該作業者の認証情報を使用して迅速かつ正確に作業者の現在の作業状況を取得することができる。
【0086】
なお、本実施例では、作業者の認証情報の具体的な内容、及び当該認証情報と上記のさまざまなデータとの関連する記憶方法などについて限定せず、実際のニーズに応じて決定することができる。ここでは、説明を省略する。
【0087】
ステップS208では、当該認証情報に関連させて記憶された被検出設備に対する輸送回数を取得し、当該輸送回数を更新する。
【0088】
本実施例では、被検出設備が目標部品により輸送対象を目標位置まで輸送したと特定された場合、当該輸送対象の輸送回数を1回増加すると同時に、当該作業者による当該輸送対象の輸送回数を1回増加することができる。具体的には、輸送回数の記憶方法に応じて決定することができる。
【0089】
オプションとして、輸送対象の輸送回数を更新する際に、当該輸送対象の今回の輸送時間と組み合わせて輸送回数を記録することにより、繰り返し記録を回避し、輸送時間によって被検出設備及び作業者の作業時間などを統計しやすくなる。ここでは、説明を省略する。
【0090】
本発明の他の実施例として、上記ステップS206では、隣接する時間帯において目標部品に輸送対象が存在したことがあると判定された場合、輸送回数を繰り返して記録することを避けるために、輸送回数を更新する前に、現在記憶されている各輸送回数の輸送時間と今回の輸送対象の輸送時間とが同じであるか否かを検出することができる。同じ輸送時間が存在する場合、今回の輸送が1回記録されたことを意味し、輸送回数はこれ以上更新されない。同じ輸送時間が存在しない場合、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新することができる。
【0091】
以上、本実施例では、障害物センサにより、被検出設備の目標部品に対する監視を実現する。当該目標部品に輸送対象が存在すると特定された場合、当該輸送対象が消失すると当該輸送対象の輸送回数を1回記録する。目標部品に現在輸送対象が存在しない場合、当該目標部品の履歴状態情報を参照して、当該目標部品の前の隣接する時間帯において存在した輸送対象が消失したか否かをさらに検証することもできる。Yesである場合も、当該輸送対象の輸送回数を1回記録し、輸送回数の記録漏れを回避する。
【0092】
図4は、本発明の実施例に係る他のデータ処理方法を示すフローチャートである。当該方法は、依然としてフォークリフトが荷役フォークによって貨物を輸送する適用シーンを例として説明することができるが、この種類の適用シーンに限定されない。本実施例では、当該データ処理方法は、以下のステップを含む。
【0093】
ステップS401では、被検出設備の目標部品が所定位置に到達したことを特定し、障害物センサを動作状態に入るように制御する。
【0094】
ステップS402では、当該障害物センサから出力される被検出設備の目標部品に対する検出信号を取得する。
【0095】
ステップS403では、目標部品に輸送対象が装着されていることが当該検出信号に示されることを特定する。
【0096】
本実施例では、目標部品に輸送対象が存在するか否かの検出プロセスに関しては、上記の図2に対応する方法の実施例における対応部分の説明を参照することができる。ここでは、説明を省略する。
【0097】
オプションとして、本実施例では、目標部品に輸送対象が装着されていることを特定し、対応の第1装着時間を記録することができる。さらに前回目標部品に輸送対象が装着される第2装着時間を取得し、第1装着時間と第2装着時間との時間差を算出することができる。これにより、当該時間差が時間閾値よりも大きいか否かを判定し、Yesである場合、今回の輸送対象の輸送が完了した後、輸送回数を1回増加することができる。
【0098】
これによれば、本実施例では、輸送対象の二回の装着の間に最短時間差、すなわち上記の時間閾値を設定することで、被検出設備の作業中における目標部品の上昇又は下降段階による輸送対象の装着の誤判定が低減される。なお、ここでは、当該時間閾値の具体的な数値について限定しない。
【0099】
ステップS404では、当該目標部品の移動情報を監視する。
【0100】
オプションとして、本願では、画像収集器によって目標部品の移動情報を監視してもよく、例えば、コントローラが当該目標部品に送信したのは下降指令である場合、このとき、当該目標部品が下降移動を行うなど、コントローラによる当該目標部品の制御指令を取得して当該目標部品の移動情報を特定してもよい。本願では目標部品の移動情報の具体的な取得方法について限定しない。
【0101】
ここで、目標部品の移動情報は、当該目標部品の現在の移動状態の情報を示してもよく、目標部品の移動方向、移動軌跡、運転速度、運転時間などの情報を含んでもよい。ここでは、当該移動情報に含まれるデータ内容について限定しない。
【0102】
ステップS405では、当該運転情報に基づいて目標部品が現在携帯する輸送対象が第1輸送段階に入ったか否かを判定し、Yesである場合、ステップS406に進み、Noである場合、ステップS404に戻る。
【0103】
フォークリフトが荷役フォークによって貨物を輸送することを例として、第1輸送段階は、下降運転段階又は上昇運転段階であってもよく、第2輸送段階は、対応の上昇運転段階又は下降運転段階であってもよい。具体的には、実際の適用シーンに応じて決定することができる。
【0104】
例えば、輸送対象をある高い場所からある低い場所の目標位置まで輸送する必要がある場合、第1輸送段階は下降運転段階を指し、第2輸送段階は上昇運転段階を指す。実際の輸送プロセスでは、荷役フォークに輸送対象を装着し、荷役フォークが下降運転段階に入り、目標位置に到達して輸送対象を積み下ろし、再び上昇運転段階に入り、輸送対象を再装着する。このように循環して、輸送対象の輸送を行う。
【0105】
ここで、輸送対象の輸送プロセスでは、一定の時間輸送した後、低い場所の輸送対象が高い場所の目標位置へ輸送される可能性がある。このとき、第1輸送段階は上昇段階となり、対応の第2輸送段階は下降運転段階となる。輸送対象の輸送プロセスは、上記のプロセスと同様であるため、説明を省略する。これにより、上記の第1輸送段階は、輸送対象を目標位置へ輸送する運転段階を示し、上昇又は下降運転段階に限定されない。
【0106】
本実施例によれば、連続的に取得された目標対象の運転情報を分析することにより、この時点で目標対象が携帯する輸送対象を目標位置へ運搬しているか否かを正確に判定することができる。Yesである場合、当該輸送対象が消失した時間を監視することができる。Noである場合、この時点で当該目標部品を通過する他の作業者や物体が存在する可能性がある。この場合、障害物センサによって障害物が出現し、また消失したことが検出されても、輸送対象の輸送回数を1回増加する必要はなく、取得された被検出設備による輸送対象の輸送回数に対する統計の精度を保証することができる。
【0107】
ステップS406では、当該目標部品における輸送対象が消失したか否かを監視し、Yesである場合、ステップS407に進み、Noである場合、ステップS404に戻る。
【0108】
ステップS407では、被検出設備の現在の作業者の認証情報を特定する。
【0109】
ステップS408では、当該認証情報に関連させて記憶された第1輸送回数と、被検出設備に関連させて記憶された第2輸送回数とを取得する。
【0110】
本実施例では、第1輸送回数は、被検出設備の現在の作業者による輸送対象の輸送回数を示すことができる。具体的には、第1輸送回数は、当該作業者の各被検出設備による、異なる輸送対象物の総輸送回数であってもよく、当該作業者の当該被検出設備による、異なる輸送対象の輸送回数、又は当該作業者の当該被検出設備による当該種類の輸送対象の輸送回数などであってもよい。本実施例では当該第1輸送回数が示す内容について限定しない。
【0111】
同様に、第2輸送回数は、異なる作業者の当該被検出設備による、異なる輸送対象の総輸送回数を示してもよく、異なる作業者の当該被検出設備による当該種類の輸送対象の輸送回数などを示してもよい。
【0112】
ステップS409では、第1輸送回数及び第2輸送回数を更新する。
【0113】
実際の適用では、更新された第1輸送回数は作業者の作業状況を反映することができ、更新された第2輸送回数は当該被検出設備の稼働状況を反映することができる。本実施例では、作業者の作業時間及び被検出設備の稼働時を参照して、作業者の作業効率及び被検出設備の作業効率などをそれぞれ分析することができる。具体的な適用については以下のシステムの実施例の説明を参照することができる。本実施例では、説明を省略する。
【0114】
オプションとして、取得された検出信号を分析することにより、目標部品に輸送対象が装着されていないと特定された場合、当該目標部品の履歴状態情報を分析する際に、本実施例で説明された目標部品の運転情報の分析を参照して、目標対象が第1輸送段階に入り、目標位置に到達した後に当該目標部品に装着された輸送対象が消失したか否かを判定することができる。Yesである場合、輸送対象の輸送回数を更新し、そうでない場合、当該輸送対象の輸送回数が変わらないように維持される。ただし、当該オプションの実施例で説明されたこの実現プロセスに限定されない。
【0115】
以上、本実施例では、被検出設備に輸送対象が装着されていると判定された後、目標部品の現在の移動状態をさらに判定し、目標部品が輸送対象を装着して第1輸送段階で運転していると特定されたことを前提として、当該輸送対象が消失したことを検出した場合にのみ、当該輸送対象の輸送回数を更新する。これにより、輸送対象の輸送回数に対する統計の精度が大幅に向上し、ひいては被検出設備及び作業者の作業効率に対する分析の信頼性が向上する。
【0116】
図5は、本発明の実施例に係る他のデータ処理方法を示すフローチャートである。当該方法は、主に画像収集器によって、被検出設備の目標部品に対する監視を実現することができる。当該方法は、以下のステップを含む。
【0117】
ステップS501では、画像収集器において収集された被検出設備の目標部品の画像情報を取得する。
【0118】
本実施例では、画像収集器による目標部品の画像収集に関して、上記の図1に対応する実施例の対応部分の説明を参照することができ、ここでは、省略する。
【0119】
ステップS502では、当該画像情報に対する分析結果に基づいて、目標部品の現状情報及び移動情報を特定する。
【0120】
本実施例では、画像情報分析プロセスで使用される画像処理アルゴリズムの内容について限定せず、画像ノイズ除去、画像鮮鋭化、画像エッジ検出、画像分割などを含んでもよい。
【0121】
ここで、現状情報は、目標部品に輸送対象が装着されているか否かを示すことができる。移動情報は、上昇運転段階、下降運転段階など、当該目標部品が現在どの運転段階にあるかを示すことができる。具体的には、上記の方法の実施例の対応部分の説明を参照することができる。
【0122】
ステップS503では、当該目標部品に輸送対象が装着されていることが現状情報に示される場合、連続的に取得されたマルチフレームの画像情報を分析する。
【0123】
本実施例では、連続的に取得されたマルチフレーム画像情報において固定ブラケットに対する目標部品の位置を分析して、当該目標部品の運転状態を特定することができるが、これに限定されない。
【0124】
もちろん、いくつかの特定のシーンでは、取得された1フレームの画像情報を分析し、分析結果に基づいて目標部品の運転状態に対する判定を実現することができる。具体的な実現プロセスは、本実施例と同様であるため、本実施例では、説明を省略する。したがって、当該目標部品に輸送対象が装着されていることが現状情報に示される場合、少なくとも1フレームの画像を取得し、当該少なくとも1フレームの画像を分析することができる。
【0125】
ステップS504では、分析結果に基づいて、当該目標部品が第1輸送段階に入ったか否かを検証し、Yesである場合、ステップS505に進み、Noである場合、ステップS503に戻って取得された画像情報を継続的に分析する。
【0126】
ここで、第1輸送段階の説明に関しては、上記の実施例の対応部分の説明を参照することができる。ここでは、説明を省略する。
【0127】
ステップS505では、目標部品に装着されている輸送対象が消失したことを監視し、被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新する。
【0128】
本実施例では、依然として収集された画像情報を分析することにより、目標部品に装着された輸送対象がいつ消失したかを正確に判定し、目標部品に装着された輸送対象が消失したと特定された場合、被検出設備が1回の輸送を完了させたことを意味するため、輸送対象の輸送回数を1回増加することができる。
【0129】
ここで、輸送対象の輸送回数の更新方法に関しては、上記の実施例の対応部分の説明を参照することができ、ここでは、説明を省略する。
【0130】
以上、本実施例では、画像収集器によって目標部品のリアルタイム監視が実現される。目標部品に輸送対象が装着されていると特定された後、リアルタイムで収集された目標部品の画像情報を分析することにより目標部品が第1輸送段階に入ったと特定された後、それに装着された輸送対象が消失すると、被検出設備による輸送対象の輸送回数を1回更新する。被検出設備の油圧パイプラインを変更する必要がなく、被検出設備の使用中の安全性を保証することができる。
【0131】
図6に示すように、図6は、本願の実施例に係るデータ処理装置を示す構造ブロック図である。当該装置は、以下を含む。
【0132】
情報収集器61は、被検出設備の目標部品の現状情報を収集するためのものである。
【0133】
オプションとして、当該情報収集器61は、具体的には、画像収集器、障害物センサ及び位置センサなどを含んでもよい。そして、目標部品の状態情報を収集する方法に応じて決定することができる。
【0134】
本実施例では、上記の実施例の対応部分で説明されたように、図7に示す被検出設備の概略図を参照して、目標部品を画像収集器の撮像視野内に位置させる必要がある。当該目標部品が被検出設備の一部であるため、本実施例では、画像収集器を、例えばシェルフ71や車両運転室の頂部に取り付け、又はオーバーヘッドガード72に取り付けるなど、被検出設備の頂部に設けて、荷役フォークが当該画像収集器の撮像視野内に位置するように保証することができるが、これに限定されない。
【0135】
本実施例では、画像収集器は、具体的には、前記被検出設備の目標部品の画像情報をリアルタイムで収集するためのものであってもよい。
【0136】
コントローラ63は、具体的には、前記画像情報に対する分析結果に基づいて、前記目標部品の現状情報を特定する。前記目標部品に輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、取得された少なくとも1フレームの分析結果に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による輸送対象の輸送回数を更新するためのものであってもよい。
【0137】
本願の他の実施例として、情報収集器61が障害物センサ及び位置センサを含む場合、実際の適用では、当該位置センサは、被検出設備の目標部品が所定位置に位置するか否かを監視するためのものであってもよい。当該障害物センサは、前記目標部品に第1信号を送信し、前記目標部品からフィードバックされる第2信号を受信し、前記目標部品に対する検出信号を生成するためのものであってもよい。
【0138】
コントローラ63は、具体的には、前記検出信号に対する分析結果に基づいて、前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証する。前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、取得された少なくとも一つの検出信号に基づいて、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを判定し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新するためのものであってもよい。
【0139】
当該実施例では、依然として図7に示す車両を例とする。上記障害物センサは、シェルフ71又はオーバーヘッドガード72に取り付けられてもよく、荷役フォーク73などに設けられてもよい。位置センサについては、荷役フォーク73が低く下降しすぎて地面に衝突し、作業効率に影響することを回避するために、ガントリ74に取り付けることができる。なお、異なる被検出設備については、上記画像収集器、障害物センサ及び位置センサの設置位置がそれに応じて変更することができる。具体的には、被検出設備の作業構造に応じて決定することができる。ここでは、説明を省略する。
【0140】
オプションとして、当該装置は、コントローラ63が目標部品の現在位置が所定位置に到達したと判定したときに、指示情報を出力して目標部品を逆方向に移動させるように制御する指令を出力するように作業者に促すための警報器をさらに含んでもよい。もちろん、コントローラ63は、目標部品の現在位置が所定位置に到達したと判定した場合、作業者による指令の入力を待たずに、目標部品を直接逆方向に移動させてもよい。これにより、作業効率が向上する。
【0141】
ここでは、警報器は、インジケータライト、ディスプレイ、ブザー又は音声モジュールなどであってもよい。異なる構造の警報器については、指示情報を出力する方法が異なってもよい。本実施例では、これについて限定しない。
【0142】
メモリ62は、前記目標部品の履歴状態情報と、前記被検出設備による輸送対象の輸送回数とを記憶するためのものである。
【0143】
コントローラ63は、前記現状情報を取得し、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記メモリに記憶された輸送回数を更新する。前記目標部品に前記輸送対象が存在しないことが前記現状情報に示される場合、前記目標部品の履歴状態情報を取得し、前記履歴状態情報の分析結果に基づいて、前記メモリに記憶された輸送回数を更新するためのものである。
【0144】
ここで、コントローラ63は、具体的には、目標部品の履歴状態情報を取得した後、前記履歴状態情報に基づいて、隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在するか否かを検証し、隣接する時間帯において前記目標部品に前記輸送対象が存在すると検証された場合、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新してもよい。
【0145】
オプションとして、目標部品に輸送対象が存在すると特定された場合、コントローラ63は、前記目標部品に今回前記輸送対象を装着するときと、前記目標部品に前回前記輸送対象を装着するときとの時間差を取得して、当該時間差が時間閾値よりも大きいことを特定する。そして、コントローラ63は、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新してもよい。
【0146】
作業者及び被検出設備の稼働状況を算出する必要がある場合、作業者の総輸送回数及び当該被検出設備の総輸送回数を統計してもよい。したがって、コントローラ63は、輸送対象の輸送回数を更新するプロセスにおいて、前記被検出設備の現在の作業者の認証情報を特定した後、前記認証情報に関連させて記憶された第1輸送回数と、前記被検出設備に関連させて記憶された第2輸送回数とを取得し、取得した前記第1輸送回数及び前記第2輸送回数を更新してもよい。
【0147】
オプションとして、図8を参照して、当該装置は、以下を含んでもよい。
【0148】
タイマ64は、被検出設備の輸送時間及び運転時間を記録するためのものである。
【0149】
本実施例では、コントローラ63は、被検出設備の目標部品に輸送対象が存在すると特定された場合、当該タイマ64をトリガして、当該輸送対象が目標部品から消失したことが検出されるまでを計時し、取得した計時時間に基づいて当該被検出設備の輸送時間を更新し、被検出設備の総輸送時間を取得する。これにより、上記取得した被検出設備の総輸送回数と組み合わせて当該被検出設備の輸送効率を算出する。
【0150】
もちろん、本実施例では、この方法において各種類の輸送対象の輸送時間を統計して、各種類の輸送対象の輸送効率を算出したり、同じ種類の被検出設備による同じ種類の輸送対象の輸送効率を統計したりしてもよい。実際のニーズに応じて統計する必要があるパラメータを決定することができるが、ここでは、説明を省略する。
【0151】
これによれば、図8に示すように、当該データ処理装置は、以下をさらに含む。
【0152】
通信モジュール65は、更新後の前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数と、前記総輸送時間とをサーバに送信するためのものである。
【0153】
実際の適用では、通信モジュール65は、取得された輸送回数及び総輸送時間をサーバに直接送信してもよく、端末を介してサーバなどに転送してもよいが、これらに限定されない。
【0154】
ここでは、データ処理装置、端末及びサーバ間の通信方法の相違によって、当該通信モジュール65の構成構造はそれに応じて変更することができる。本実施例では当該通信モジュール65の構成構造について限定せず、無線通信モジュール又は有線通信モジュールであってもよい。
【0155】
また、図8に示すように、当該装置は、以下をさらに含む。
【0156】
移動検出器66は、前記目標部品の移動情報を監視するためのものである。
【0157】
前記コントローラ63は、前記目標部品に前記輸送対象が存在することが前記現状情報に示される場合、前記移動情報に基づいて、前記目標部品が現在携帯する前記輸送対象が下降運転段階に入ったか否かを判定する。そして、コントローラ63は、前記目標部品における前記輸送対象が消失したことを監視し、前記被検出設備による前記輸送対象の輸送回数を更新してもよい。
【0158】
これにより、本実施では、被検出設備による輸送対象の輸送回数を統計する場合、被検出設備の目標部品の移動軌跡が組み合わされ、取得された輸送回数の信頼性が向上する。
【0159】
以上、本実施例では、被検出設備による輸送対象の輸送回数が取得されるように、被検出設備の目標部品の状態を直接検出することにより、目標部品が輸送対象を輸送しているか否かを確実に判定することができる。処理プロセス全体において被検出設備の元の油圧パイプラインを変更する必要はなく、簡単で便利であり、被検出設備の使用中の安全性を保証することができる。
【0160】
図9は、本願の実施例に係るデータ処理システムを示す構造図である。当該システムは、端末91と、サーバ92と、データ処理装置93と、を含むことができる。
【0161】
データ処理装置93の構成構造及びその機能については、上記の各装置の実施例で説明された構造及び機能を参照することができるが、ここでは、説明を省略する。また、本実施例では、図9に示すように、データ処理装置93は通常、被検出設備に設けられる。
【0162】
また、当該データ処理装置93は、通信モジュールを介して、取得した前記被検出設備による前記輸送対象の総輸送回数及び、異なるユーザアカウントに関連する前記被検出設備の輸送時間、待機時間及びシャットダウン時間を含む前記被検出設備の稼働時間情報を前記サーバに送信してもよい。
【0163】
サーバ92は、前記被検出設備による前記輸送対象の総輸送回数及び前記稼働時間情報に基づいて、稼働レポートを生成する。
【0164】
端末91は、当該稼働レポートを表示する。
【0165】
ここで、当該端末91は、携帯電話、コンピュータ又は産業用コンピュータなどの設備であってもよい。本実施例の実際の適用では、作業者は当該端末によって、被検出設備の制御及び点検などの操作を実現することができる。もちろん、被検出設備によって取得されたデータは、当該端末を介してサーバに送信して保存することもできるが、本実施例では、これについて限定しない。
【0166】
本実施例では、サーバは、データ処理装置から送信された様々なデータを取得した後、実際のニーズに応じて統計することができる。例えば、マネージャが各被検出設備実施例輸送状況を直感的かつ迅速に取得可能に、複数の被検出設備による輸送対象の総輸送回数を統計し、図10に示すような柱状グラフを作成して比較することができる。同様に、複数の作業者の被検出設備による輸送対象の総輸送回数を統計し、図11に示すような柱状グラフを使用して出力することもできるが、図10及び図11に示す出力方法及び内容に限定されず、ここでは、説明を省略する。
【0167】
また、本実施例では、サーバの統計によって得られた結果について、対応の作業レポートを生成することができる。本実施例では、当該作業レポートの内容及び記録方法について限定せず、実際の統計ニーズに応じて決定することができる。
【0168】
ここで、サーバは、輸送対象の作業レポートを取得した後、それを対応の作業者の端末に送信することができる。当該作業者の作業レポートに対する確認指令を検出した後、マネージャがその作業状況及び現在操作中の設備の稼働状況をリアルタイムで正確に理解可能に、端末に当該作業者を直接表示してもよい。
【0169】
なお、本実施例では、サーバ、端末及びデータ処理装置の三者間の通信関係について限定しない。上記のように、データ処理装置によって取得されたデータは、端末を介してサーバに送信されてもよく、サーバに直接送信されてもよい。同様に、サーバからフィードバックされた統計情報は、端末を介して、又は直接データ処理装置のディスプレイにフィードバックされて出力されてもよく、端末に直接送信されて表示されてもよい。具体的には、実際のニーズに応じて決定することができる。
【0170】
以上、本実施例では、データ処理装置を使用して被検出設備の目標部品を監視し、目標部品に輸送対象が存在し、当該輸送対象がまた消失したと特定された場合、当該被検出設備による輸送対象の輸送回数を1回更新する。そして、当該目標部品に輸送対象が存在しないことが現在検出された場合、当該目標部品の履歴状態情報の分析結果に基づいて、当該被検出設備による輸送対象の輸送回数の更新を実現する。これにより、当該被検出設備による輸送対象の総輸送回数を取得し、当該被検出設備の稼働時間や輸送時間などの情報とともにサーバに送信する。そして、サーバはこれに基づいて被検出設備の作業効率を算出し、これに基づいて当該被検出設備の作業者の作業効率などを算出してもよい。これにより、管理者が統計結果を参照し、各被検出設備及び各作業者の作業配置などを実現しやすくなる。
【0171】
最後に、上記の実施例では、第1、第2などといった関係用語は一つの操作又はモジュールを別の操作又はモジュールから区別するためにのみ使用され、これらのモジュール又は操作の間にいかなるそのような実際の関係又は順序が存在することを必ずしも必要とし又は暗示するわけではない。
【0172】
本明細書において各実施例は漸進的に説明されており、各実施例で重点的に説明されたのはいずれも他の実施例と異なる箇所である。各実施例間の同一及び類似の部分については、相互に参照すればよい。各実施例に開示される装置及びシステムについては、当該装置が実施例に開示される方法に対応し、システムが当該装置を含むので、説明は比較的簡単であり、関連する箇所については、方法部分の説明を参照すればよい。
【0173】
開示された実施例の上記の説明については、当業者が本発明を実施し、又は使用することを可能にする。これらの実施例に対する様々な修正は当業者にとって明らかである。本文で定義される一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施例で実現することができる。したがって、本発明は、本文に示されるこれらの実施例に限定されず、本文に開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲に該当するものとする。
【0174】
本願は、2017年5月19日に中国専利局に提出された、出願番号が201710357275.4であり、発明の名称が「データ処理方法、装置及びシステム」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、先願の内容をすべて組み込んでいる。
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