特許第6893363号(P6893363)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6893363薄膜を用いて流体相中の粘性物質をパッケージする方法
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  • 特許6893363-薄膜を用いて流体相中の粘性物質をパッケージする方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893363
(24)【登録日】2021年6月3日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】薄膜を用いて流体相中の粘性物質をパッケージする方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 31/02 20060101AFI20210614BHJP
【FI】
   B65B31/02 C
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-530773(P2018-530773)
(86)(22)【出願日】2016年12月6日
(65)【公表番号】特表2019-500286(P2019-500286A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】IB2016057372
(87)【国際公開番号】WO2017098400
(87)【国際公開日】20170615
【審査請求日】2019年9月19日
(31)【優先権主張番号】102015000082429
(32)【優先日】2015年12月11日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518201706
【氏名又は名称】エスエーヴィー ホールディング エッセ.ピー.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッツィエーリ ジョルジオ
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−501270(JP,A)
【文献】 米国特許第06257866(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0071100(US,A1)
【文献】 特表2001−527491(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0095640(US,A1)
【文献】 国際公開第2005/021384(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0054831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融状態にある粘性物質をパッケージする方法であって、前記粘性物質は、室温または処理温度において粘性であり、前記粘性物質、室温または処理温度において非粘性であり、流体状態で前記粘性物質と相溶性である非粘性プラスチック材料のフィルムによって事前に裏打ちされているトレー型に流し込まれるタイプのものであり、方法は、
a)溶融状態にある前記粘性物質が流し込まれるのを受け入れるのに適した複数のトレー型を提供する段階であって、前記トレー型は、前記トレー型の壁の少なくとも一部を通過し、連続トレーコンベヤベルトを形成するために隣接した一連の列に配列される複数の貫通孔を有する、提供する段階と、
b)1つまたは複数のトレーの前記トレー型の内壁を、前記非粘性プラスチック材料の第1の薄く容易に形成可能なフィルムによって迅速に裏打ちする段階であって、前記トレー型の外側下部を真空源に接続することによって、前記フィルムを、前記トレー型の前記壁に完全に接着させる、裏打ちする段階と、
c)前記段階によって裏打ちされた前記トレー型に、加圧下でかつ非乱流で、溶融状態にある所定量の粘性物質を流し込む段階と、
d)自由表面の安定化を得るまで、前記連続トレーコンベヤベルトの段階的な進行中に前記粘性物質の前記自由表面の冷却を可能にする段階と、
e)前記粘性物質の前記自由表面を、前記物質と流体状態で相溶性である非粘性物質によって被覆する段階と、
f)前記非粘性材料を前記非粘性プラスチック材料の前記第1の薄く容易に形成可能なフィルムに溶着する段階と、
を含み、
前記方法は、上記段階b)において、前記トレー型の外側下部を真空源に接続する開放過渡の間に、真空度を、以下の追加段階、すなわち、
g)前記真空源への接続の上記開放過渡の開始から開始して、第1の設定真空度に達するのに必要な時間を検出する段階(V1)と、
h)前記真空源への接続の閉鎖から設定期間の経過後に、前記トレー型の前記外側下部における真空度の値を検出する段階(V2)と、
i)段階g)で測定された時間が設定されている許容範囲内にあり、段階h)で測定された真空度が設定最大値よりも低い場合にのみ、上記段階c)の開始に同意を与える段階(A)とによって調整することをさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
追加の段階、すなわち、
k)制御された温度で、上記段階b)および段階c)が行われる空気体積を調整する段階と、
l)上記段階b)および段階c)が行われる直前の領域の平均温度を検出する段階と、
m)前記平均温度を、前記制御され温度の周囲許容可能な温度範囲と比較する段階(T1)と、
n)前記平均温度が前記許容可能な温度範囲の最小値を下回る場合、すべての前記トレー型上で、前記流し込み操作(C)およびプラント全体の冷却換気を停止する段階(A)と、
o)前記平均温度が前記許容可能な温度範囲の最大値に近づくときに追加の冷却調整を作動させる段階と、
がさらに提供される、請求項1に記載のパッケージ方法。
【請求項3】
追加の段階、すなわち、
p)前記トレー型の内部温度を制御する段階(T2)と、
q)前記温度が設定温度範囲内にある場合にのみ、前記段階c)の開始に同意を与える段階(A)と、
がさらに提供される、請求項2に記載のパッケージ方法。
【請求項4】
前記段階g)において前記第1の設定真空度に達する時間の許容範囲が1〜3秒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項5】
前記段階h)における前記トレー型の前記外側下部の真空度が−0.15〜−0.20バールの範囲であり、前記値が、前記真空源への接続の閉鎖から1秒までの期間の後に測定される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項6】
段階k)の前記制御され温度が40℃に等しい、請求項2又は3に記載のパッケージ方法。
【請求項7】
段階m)の前記許容可能な温度の範囲が、前記制御された温度を中心に±5℃、好ましくは±2℃である、請求項6に記載のパッケージ方法。
【請求項8】
段階q)における前記設定された温度範囲が5〜50℃、好ましくは15〜40℃の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項9】
段階c)の粘性物質の流し込み操作(C)が、ステップモータによって操作されるシリンダ−ピストンアセンブリを介して得られる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項10】
前記非粘性プラスチック材料の前記第1の薄く容易に形成可能なフィルムが、段階b)の前記トレー型の裏打ちステップと、段階e)前記粘性物質の前記自由面の被覆ステップとの間に含まれる前記フィルムの長さの間、前記連続トレーコンベヤベルトと同期して進行させられ、前記長さ全体にわたる前記同期の偏差公差は±1mm未満である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項11】
前記連続トレーコンベヤベルトの駆動と、前記非粘性プラスチック材料の前記第1の薄く容易に形成可能なフィルムの駆動の両方が、ステップモータによって制御される、請求項10に記載のパッケージ方法。
【請求項12】
前記ステップモータは、規則的な加速および制動傾斜を発生させるように、モータ制御装置(I)によって制御される、請求項9または11のいずれか一項に記載のパッケージ方法。
【請求項13】
前記ステップモータは、前記連続トレーコンベヤベルトの駆動と前記非粘性プラスチック材料の前記第1の薄く容易に形成可能なフィルムの駆動との間で同期加速および制動傾斜をさらに引き起こすように、モータ制御装置(I)によって制御される、請求項12に記載のパッケージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温に冷却されると固体で粘性になる、溶融状態の物質を、非粘性プラスチック材料の薄膜内にパッケージする方法に関する。粘性物質の薄膜によるライニングは、取り扱いを容易にすることを目的としている。これは、フィルムが、粘性物質の片を把持し、操作者の手またはその取り扱いに使用される任意の他のツールから離れる問題なしにこれを解放することを可能にするためである。特に、パッケージに使用される薄膜は、粘性物質の融点温度より低い軟化温度を有することが好ましい。
【0002】
本発明の方法は、特に、溶融状態において、その後、室温を上回る温度において使用される最終支持体上に被着される、室温において粘性で固体の接着剤およびシーラント、いわゆるホットメルトのパッケージに対処する。しかしながら、本発明の方法は、そのような製品に限定されず、室温においいて固体で粘性のある他の物質、例えば、アリメンタリペーストまたは食品、洗剤および化粧品などのパッケージにも同じ利点をもって等しく適用することができる。したがって、明確にするために、以下では接着剤製品のみを特に参照するが、この定義は例として解釈されるべきであり、本発明による方法の範囲を限定するものではないことが理解される。
【背景技術】
【0003】
現行の技術水準
【0004】
現在、ホットメルトパッケージは、2つの主な方法カテゴリ、すなわち、水中方法および乾式方法に従って実施されている。
【0005】
第1のカテゴリでは、現在、3つの異なるタイプの方法が知られており、工業的に適用されている。代わりに、第2のカテゴリでは、単一のタイプの方法が知られており、工業的に適用されている。以下、これら従来技術の4つの方法について簡単に説明する。
【0006】
第1のタイプの水中方法では、溶融したホットメルト接着剤が押し出されて小片が得られ、これが直ちに冷却水の槽に浸漬され、離型剤と混合され、冷却すると丸みを帯びた形状に凝固する。その上に被覆される剥離剤のフィルムで裏打ちされた固化したホットメルト片がその後乾燥され、必要に応じてヒートシールされたパッケージプラスチックバッグ内にグループ化されて挿入される。
【0007】
第2のタイプの水中方法では、溶融したホットメルト接着剤が冷却水の槽に押し出され、一方で非粘性プラスチック材料の円筒状フィルムが、押し出されたホットメルト接着剤の周囲に同時に共押出しされる。そのようにして、フィルムによって裏打ちされたホットメルト接着剤の円筒体が得られ、これは共押出し後に片に切断される。2つの対向する端部で保護されていないホットメルト接着剤を示す、このように切断された片は、再び乾燥され、場合によってはヒートシールされたプラスチックパッケージバッグ内にグループ化されて挿入される。
【0008】
第3のタイプの方法では、溶融状態のホットメルト接着剤がライニング管状フィルムの内側に流し込まれ、そのように形成された集合体が冷却液中に浸漬されて、ライニング管状フィルムが溶融したホットメルト接着剤の熱によって溶解することが防止される。冷却されると、溶融材料を充填された管状フィルムは、ホットメルトの個々の片を決定するためにソーセージ様構造を形成するなどのために規則的な距離をおいて挟着され、その後、冷却され、乾燥され、最終的に、このようにして得られたケーキをその後箱内にパッケージするために挟着領域においてフィルムを切断および溶着することによって、上記個々の片に分離される(国際公開第9413451号パンフレットNational Starch)。
【0009】
第4のタイプの方法では、溶融状態のホットメルト接着剤が、型の外側底部に形成されている窪みによって型にすぐ隣接して保持されている第1のライニングフィルムによって事前に被覆されている、適切な連続トレー・コンベヤ・システムに取り付けられている穿孔された金型に流される。フィルムの金型への完全な接着、および、流し込みが制御された規則的な方法で行われ、次いで非乱流で行われることにより、溶融した粘性材料の熱は、部分的に溶融しているものの、ライニングフィルムのない金型によって放散され、型に流し込まれている溶融した接着剤材料と混合され得る。型内の蓄積された熱は、単純な換気によって散逸する。型内に流し込まれた溶融材料の上層をライニングフィルムの軟化温度未満まで冷却するのに十分な時間が経過した後、上記上層は第2のフィルムで被覆され、2つのフィルムは相互に、それらが接触している型縁部においてヒートシールされる。搬送システムの終わりに、このようにして得られたホットメルトケーキが型から解放され、室温に冷却されて、その後、箱内にパッケージされる。(欧州特許出願公開第718199号明細書)。
【0010】
上記の最後の方法は、唯一の既知の工業用乾式パッケージ方法であり、これは、多大な手作業の労力を要する入力を伴う非常に費用の掛かるパッケージ方法であることが考慮されておらず、ここでは、粘性製品が、冷却することが可能な非粘性型に流し込まれ、その後、粘性物質の各片が手動で型から取り出され、フィルムに包まれる。このタイプの物質は直接操作しなければならないため、この方法は困難を伴う。
【0011】
上記4種類の方法により得られたパッケージされた溶融材料ケーキは、部分的に異なる特性を有する。特に、第1の水中方法および第2の水中方法によって得られるケーキには、個々のホットメルト接着剤片が非粘性フィルム材料で覆われていないか、または部分的にしか覆われておらず、互いに固着しやすいため、特に、室温において粘性が高く、粘度が低い製品について、個々の第2のパッケージバッグが存在する必要がある可能性があることに起因する欠点がある。しかしながら、バッグの材料が接着剤に密接に接合されておらず、したがって、上記装置の出口フィルタを分離し、浮遊させまたは詰まらせる傾向があるため、外部バッグの存在は溶融装置に深刻な問題を引き起こす。
【0012】
同じく冷却水を使用する第3の方法は、前の2つの方法と比較して、間違いない利点を有するが、欠点がないわけではない。実際、上記方法を用いて得られるケーキでは、挟着作業後にフィルムの2つのフラップの間に必然的にいくらかの粘性材料が介在したままであり、パッケージ用非粘性プラスチック材料の対向するフラップの間の良好な熱溶着を妨げるため、挟着領域におけるシールが最適であるとは言えず、それゆえ、これらのケーキは、特に、低粘度製品に関連して、コールドフロー現象を促進する温度および積み重ね機械応力条件下で、輸送および貯蔵中にケーキの外側の粘性材料の潜在的な漏れの問題を被り得る。さらに、このパッケージ方法を使用して製造されるケーキは、パッケージ箱の最適な充填を可能にしない円形断面を有する円筒形状を有する。
【0013】
第4の乾式方法を用いてパッケージされた接着剤ケーキは、ケーキを包む2つのライニングフィルムが、粘性物質に密接に結合することに加えて、事実、フィルム自体が粘性物質を完全に含まないままである型の端部において溶着の不連続性を一切示すことなく、互いに完全にシールすることができるという事実に起因して、ここに報告されたすべての中で最良の品質を有する。したがって、これらのケーキでは、特に、夏季または特別な貯蔵条件で起こるように、室温が特に高いときに、室温においてコールドフロー特性を呈する、流動性の高いホットメルトの場合であっても、貯蔵および輸送中の粘性材料の漏れの可能性が完全に防止される。また、上記ケーキの平行六面体の形状は、箱の全体的な容積を充填する効率がより高くなることで、箱の中でのそれらのパッケージングをより容易にする。
【0014】
3つの水中方法で得られるケーキに関連して上述した欠点に加えて、関連する生産プラントの技術的特徴の観点から、冷却水の使用が、
環境の持続可能性の観点からの課題、
冷却水、およびまた、冷却タンクから取り出されるケーキの最終乾燥のための高エネルギー消費、
溶融装置内の有害な泡の生成および相対ノズルの機能不全をもたらす、残留水分または気泡の存在、ならびに最終的には、
衛生上の問題を引き起こす可能性がある、冷却水を含むタンク内に細菌のコロニーの容易な形成を引き起こすことも留意されるべきである。これは、完全に乾燥していない種々のホットメルト製品が食品および医療分野の製品に使用され、そのため冷却水に含まれる細菌負荷の一部が移行され得る場合に発生する可能性がある。
【0015】
一方、これらの付加的な欠点のいずれも、第4のパッケージングの乾式方法によっては示されず、代わりに、冬季には、ケーキの冷却中に空気によって放散される熱が、追加費用なしに工場の加熱を可能にするという、追加の利点がある。
【0016】
逆に、上述の様々な欠点にもかかわらず、パッケージングの水中方法は、乾式方法よりも低いプラントコストを示し、さらに、軟化温度がより低いライニングフィルムを使用することによって動作することを可能にする。これは、水を用いてフィルムを直接冷却することによって、冷却水温に等しい、それゆえ、常に上記軟化温度よりもはるかに低い設定温度にフィルムを維持することが可能であるためである。
【0017】
湿式方法のこの後者の特徴は非常に魅力的である。事実、溶融装置には攪拌装置が設けられていないことを前提として、フィルムが使用するために溶融装置内に配置されたとき、粘性材料中のフィルム自体の完全かつ均一な溶融を容易にするように、軟化温度の低いライニングフィルムを使用することへの市場の絶え間ない圧力がある。
【0018】
水中パッケージ方法と比較して、乾式方法が提供する明確な利点の文脈において、製品(すなわち、縁部が完全にシールされ積み重ね可能な形態)と方法(すなわち、冷却水を使用せず、健康上の安全性の問題がない)の両方の観点から、本発明の目的は、現在のエラー規格を超えて、ケーキの処理段階中にフィルムを穿孔する/引き裂くという負の事件の増大を引き起こすことなく、例えば、75℃以下のビカット軟化温度を有するフィルムなど、水中パッケージ方法で現在使用されているもののような、非常に低い軟化温度を有するライニングフィルムのこの方法において使用することを可能にすることを目標として、上記の乾式パッケージ方法を改善し、より信頼できるものにすることである。
【発明の概要】
【0019】
上述した目的は、室温または処理温度において非粘性であり、粘性物質と流体状態において相溶性であるプラスチック材料のフィルムによって事前に裏打ちされたトレー型に粘性物質が流し込まれるタイプの、室温または処理温度で粘性を有する物質を溶融状態でパッケージする方法によって達成され、上記方法は、請求項1に記載の特徴を有する。本発明によるパッケージ方法の他の好ましい特徴は、従属請求項に規定されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるパッケージ方法のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して純粋に非限定的な例として提供される、そのような方法の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、この方法の1つの好ましい流れ図が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
既知の従来技術の詳細な説明
【0022】
本発明は、本明細書の導入部に記載された乾式パッケージ方法、特に上記方法の最も有害なエラー状態、すなわち、トレー型の壁と溶融した粘性物質とが直接接触する結果を招く、ビカット軟化温度の低い非粘性プラスチックフィルム、このフィルムは好ましくは溶融した粘性物質のためのライニング材料として使用される、の制御されていない溶融を引き起こす条件に関する、本出願人によって行われた徹底的な研究に基づいて完成されている。
【0023】
参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、上記で引用した従来の特許欧州特許出願公開第718199号明細書に明確に開示されているように、好ましくは、その各要素が異なるワークステーションの間で連続したステップにおいて移動する3つまたは4つの隣接するトレー型からなる連続トレー・コンベヤ・ベルト上で行われる、本発明のパッケージ方法は、実質的に、コンベヤベルトの長さに沿って配置される4つの段階に分割される。
【0024】
第1の段階(I)では、その底面に微細に穿孔され、少なくとも部分的に側面に微細に穿孔された剛性金属要素からなるトレー型が、非粘性プラスチックフィルムで裏打ちされる。このようなライニング(R)は、好ましくは、フィルムが適切に加熱され、したがってトレー型上で密閉閉塞された後に、トレー型の外側下部に形成されたチャンバに真空源を接続することによって、フィルムを真空下で形成することによって実行され、上記チャンバはこのとき、トレー型に形成された微細孔と連通している。このようにして調製されたトレー型において、溶融した粘性物質はその後、負荷シリンダ−ピストンアセンブリによって供給される、ドリップ防止装置を有する広口シャッタを通して注意深く設定された量で、非乱流で流し込まれる(C)。
【0025】
第2の段階(II)において、そのように充填された型、特にその中に流し込まれた粘性物質の自由表面が、コンベヤベルトに沿って移動するときに空気を用いた適切な換気によって冷却されて、自由表面の十分な安定度が得られる。
【0026】
第3の段階(III)において、上記自由表面が、非粘性材料の第2のフィルムで被覆され、2つのフィルムがその後、型の縁部において互いに熱溶着される。
【0027】
第4の最後の段階(IV)において、非粘性材料の2つのフィルムが溶着ゾーンのすぐ外側で切断され、トレー型を取り囲む上記フィルムの材料が除去され、最後に、パッケージされたケーキがトレー型から解放されて、一連の連続的なコンベヤベルトを介してパッケージングに送られ、そこで、ケーキのさらなる冷却が、上記パッケージ作業のために許容可能な温度まで行われる。
【0028】
これらの研究に続いて、本出願人は、その中で方法の安全性にとって最も有害なエラー条件が起こり得る方法の重要な段階が、上述の第1段階(I)であることを検証することができた。この段階において、そのより高い温度に溶融した粘性物質と、非粘性物質の第1のフィルムとの接触がペースを取る。実際、この段階において、型のライニング操作(R)が、フィルムとトレー型との間の完全な接着によって、ただし、真空源に関連してトレー型の穴の位置において穴が形成されないように行われるように、同時に制御下におくべき複数のパラメータが存在する。事実、この繊細な操作が最適に行われない場合、そのように裏打ちされたトレー型上での溶融した粘性物質のその後の流し込み(C)は、そのような接触によって任意の不連続性が示され、したがって、フィルムが、下にあるトレー型によって常に冷却されず、機械的に支持されない領域において、フィルムの局部的な溶融および引き裂きを容易に引き起こし得る。
【0029】
事実、非常に低い軟化温度を有するライニングフィルムを用いると、この温度は、ほとんどの場合、溶融した粘性物質の温度よりも低いことが強調されなければならない。溶融した粘性物質がフィルムと接触すると、その結果、フィルムの部分的な溶融が常に生じる。しかし、溶融した粘性物質の流し込み(C)は非乱流で行われるため、フィルムが首尾よく熱成形されてトレー型に密着すると、2つの溶融材料の混合は起こらず、その後、固化すると、ケーキの外側には、非粘性材料の層が常に残る。
【0030】
本発明によれば、上述の目的を達成し、したがって、ビカット軟化温度が低いことを特徴とするライニング非粘性フィルムの使用を可能にするために、従来技術の乾式法がさらに実施されている。この実施態様は、一方では、第1の非粘性フィルムの熱成形操作をより漸進的にするために、トレー型の下のチャンバ内の真空形成速度の調整のための段階の挿入と、他方では、この操作が実行されている間および完了した後の両方で、非粘性プラスチック材料のフィルムによるトレー型のライニング操作を特徴付ける物理的パラメータの複数の反復制御とを含み、この動作は、そのようなパラメータが設定されている許容可能性範囲内に入ること、それゆえ、ライニング作業が正しく行われていることを検証する。
【0031】
許容される設定範囲と比較して検証されたパラメータの非遵守の散発的な事例では、もたらされる動作は、検査されたパラメータの重大な非遵守が明らかになったトレー型における粘性物質の流し込み段階(C)の停止である。好ましくは、制御動作は、この予防制御動作が、限られた数のトレー型上での流し込み段階の可能性のある停止をもたらすように、同時にライニング動作を受けたコンベヤベルトの単一のトレーのすべての型に対して全体的にではなく、各型に対して独立して実行される。したがって、生産性は、この予防制御動作によって最小限にしか影響されないが、他方で、結果として粘性物質がトレー型と接触することを伴う、フィルム引き裂き条件は完全に防止され、その条件は、そうでなければ、複雑な洗浄作業を行うために、プラント全体を直ちに停止することを必要とし、これはかなりの生産損失を引き起こす。
【0032】
その代わりに、すべての制御の結果が許容値と一致する通常の場合には、方法の第3の段階(III)、すなわち、第2の非粘性フィルムによる型の上面のライニングまでの、充填されたトレー型の搬送動作を伴う、トレー型の充填(C)の必要な操作が行われる。しかしながら、本発明のさらなる特徴によれば、これらの操作の両方は、フィルムと型との間の相対応力が常に、これらの2つの要素の間に微小剥離を生じさせないように、すなわち互いの間で連続的かつ緊密な接触を維持するように常に十分に低いことを保証するように、トレー型の充填および移動過渡が行われる漸進性を変更することによって行われる。事実、溶融した接着剤物質が少なくとも部分的に冷却されなくなるまでの、フィルムと金型との間のこの連続的かつ密接な接触状態の任意の変化は、フィルムの即時の溶融をもたらし、その結果、型と溶融した接着剤物質との間の直接の接触をもたらし、上記の欠点を引き起こす。
【0033】
それゆえ、以下のこの調整された措置、すなわち、
トレー型の下のチャンバ内の真空形成速度の調整、
非粘性材料のフィルムを用いたトレー型ライニング操作の正しい実行を表すパラメータの識別、
これらのパラメータの値の許容範囲の実験的検証、
各個々のトレー型におけるこれらのパラメータの制御、
許容可能な値の範囲と比較してのパラメータの非遵守が判明した単一の型トレー上での溶融した粘性材料の流し込みの停止からなる、パラメータの非遵守の場合の結果的な是正措置、および
トレー型を第2の非粘性フィルムで被覆する第3の段階の終わりまでの、トレー型の溶融した接着物質による充填およびトレー型の移動の間の、トレー型の第1のライニングフィルムと上記トレー型の内面との間の連続した密接な接触の維持
に基づいて、本発明を完成するに至った。本発明による乾式パッケージ方法のこれらの個々の革新的な態様を以下に、別個により詳細に記載する。
【0034】
真空の調整
従来技術の方法では、真空源と型の下部領域の下方に形成されている真空チャンバとの間の接続は、従来のON/OFF電気弁の直接的な作動によって行われる。これにより、上記チャンバ内の真空形成の曲線が非常に急激で制御不能になる。逆に、本発明によれば、トレー型の下部外側部分の下のチャンバ内の真空度の形成における十分な調整は、上記チャンバの、真空源との接続の開放を調整するために、集中制御(V)によってプログラムすることができる開放傾斜を有する電気弁によって駆動される調整弁を使用することによって得られる。好ましくは方法全体を制御するための中央ユニット(U)の一部である上記電気弁を開くための制御装置(V)は、電子モードによって適切に較正することができ、したがって、所望の動作漸進性を得るために、上記接続の開放過渡の間に、真空形成度の傾斜を自由に調整することを可能にする。これは、この操作の全体的な持続時間を増加させることなく、型上の非粘性フィルム材料の熱成形操作を修正してより漸進的にすることを可能にし、従来技術の方法でしばしば起こる欠点、すなわち、上記フィルムに対する急激すぎる伸張動作によって引き起こされる機械的応力およびその結果の脆化に起因する、機械的抵抗が低下したフィルム領域の形成を回避する。
【0035】
代表的なパラメータおよび関連する制御の識別
トレー型のライニング動作の正確な実行の最も代表的なものとして出願人によって識別され、したがって本発明の主な特徴に従って、各個々の型に対する前述の連続的な制御動作を受ける方法パラメータは、
熱成形ゾーン内の入口における非粘性材料の第1のフィルムの温度
熱成形ゾーン内のトレー型の温度、
真空形成に必要な時間、すなわち、真空源とのチャンバの接続の開放後に、トレー型の外側下部領域の下の真空チャンバ内の所望の真空度を得るために必要な時間、
経時的な真空の維持、すなわち、真空源との接続の閉鎖から設定された時間が経過した後の、トレー型の外側下部ゾーンの下の真空チャンバ内の真空度の値、
である。
【0036】
本発明の方法の好ましい実施形態の実験的試行中に特定された、前記パラメータのそれぞれに関する、関連する制御モードおよび好ましい許容可能な値の範囲を以下に記載する。しかしながら、許容可能な値のこれらの範囲は、当業者には明らかであるように、本発明の値の限定ではなく例示的なものとして理解されるべきであり、これらの値は、例えば、トレー型のサイズ、処理される材料のタイプ、ライニングフィルムのタイプ、プラントロケーションの気象条件などに応じて大幅にさえ変化する場合があることは明らかである。
【0037】
熱成形前のフィルム温度の確認−T1
第1の制御は、型のライニング領域の直前の領域および溶融した粘性物質の流し込み領域の平均温度で実施される。良好な近似で、そのような温度は、ライニング領域に入る非粘性プラスチック材料の第1のフィルムが調整される温度に対応する。
【0038】
この領域の局所的な温度変動を最小限に抑えるために、上記温度変動が、第1のフィルムの熱成形条件において局部的な異常を容易に引き起こし得ることが分かっているため、本発明によれば、空気体積全体を通じて空気温度を全体的に一定の均一な値に維持することを目的として、それゆえ、フィルムが必ず同じ温度で予熱ステーションに到着し、その後必ず同じ温度(無論より高くてもよい)で後続の加熱ステーションから出ることを確実にするために、プラントのこのゾーンの空気体積が、バルクヘッドおよび制御された加熱を使用することによって空気体積を適切に閉じ込めることによって、制御された温度、または、その狭い範囲に調整されることが可能にされる。好ましくは、この一定温度値は、外部温度の季節変動に関係なく、年間を通じて変化しないように維持される。なぜなら、これが、外部の湿度および温度の変化する条件にかかわらず、機械のすべての可変パラメータ、特にフィルムの予熱および加熱温度の一定の設定、ならびに真空の調整を維持することを可能にするためである。この温度は、プラントの地域の季節的平均条件にしたがって、毎年最低の総エネルギー消費量を得るために選択される。この温度の例示的な値は40℃であり、その最大許容変動は±5℃、好ましくは±2℃である。
【0039】
検出された平均温度が許容可能と定義された最小値よりも低い場合、第1の制御装置(T1)は、すべての型に対する溶融した粘性物質の流し込み(C)を停止する信号を流し込み作動ブロック(A)に送信し、
同時に、作動ブロック(A)は、プラント全体の冷却換気をオフにする。この状況は、生産開始時または長期間の作業停止後に特有である。
【0040】
対照的に、制御装置(T1)によって検出された平均温度が許容範囲の最大値に近い場合、作動ブロック(A)は、プラントの追加の冷却換気を作動する。
【0041】
トレー型の温度制御−T2
トレー型の内部温度の検出は、型の熱成形および充填のためのステーションにおいて高温計を用いて行われる。このようにして検出された温度は、好ましくは最低温度値を上回るべきであり、この温度値の下では、トレー型壁に接触させるときに、低温の表面との急激な接触によって引き起こされる熱ショックに起因して、厚さも10μm未満であるフィルムの即時収縮のために、フィルムが適切に熱成形されない。この温度最小値は、材料のタイプおよび非粘性材料のフィルムの厚さに依存して変化する。指標として、型のこの最低温度は5〜15℃の範囲内である。
【0042】
しかしながら、トレー型上で測定される温度はさらには、最大値を超えてはならず、その最大値を超えると、非粘性材料のフィルムは、トレー型の温度が高いために、最終的に、フィルムは過度に長期間にわたってその軟化温度以上に維持されると考えると、熱成形操作中の過度の薄化、裂け目または不安定性を被ることがある。ここでも、この最大値は、材料のタイプおよび非粘性材料のフィルムの厚さに依存して変化する。指標として、型のこの最高温度は40〜50℃の範囲内である。
【0043】
導入部ですでに述べたように、制御ユニット(T2)が、トレー型の内部温度が処理される特定の材料の設定温度範囲外であることを検出すると、フィルム熱成形作業は通常通り行われるが、型の次の充填プロセスは、異常温度が検出された型でのみ、作動ブロック(A)によって停止される。
【0044】
真空成形時間の制御−V1
真空成形時間は、第1の制御装置(V1)によって、トレー型の下方のチャンバの真空源との接続の開放から、所望の真空度に達するまで計算される。この時間値は、設定された範囲内に含まれなければならない。事実、真空成形時間が短すぎる場合、これは、トレー型の穴の一部が詰まっていることを意味し、したがって、真空の形成は型の一部のみで行われる。逆に、真空成形時間が長すぎる場合、これは、フィルムがトレー型の1つ以上の穴で穿孔されていることを意味する。
【0045】
両方の場合において、異常な真空形成時間値が見出されたすべてのトレー型において、作動ブロック(A)は型充填段階(C)を停止させる。
【0046】
トレー型の下の真空チャンバ内の真空を正確に形成するための好適な許容時間範囲は1〜3秒である。
【0047】
追加の制御モードによれば、個々のトレー型は個別に電子的に追跡可能な方法で番号を付され、作動ブロック(A)は不正確な真空成形時間値が見つかったトレー型の番号を記憶し、その後、その特定の型のエラーが本質的にランダムであるか反復的であるかを経時的に制御する。この第2の事例では、型故障信号が送られて、その交換/保守段階が作動される。
【0048】
真空維持の制御−V2
真空度の第2の制御(V2)は、真空源との型の外側下部の下のチャンバの接続の閉鎖の直後に提供され、これは、そのような真空度の降下が速すぎるか否かを制御するためのものであり、したがって、ライニングフィルム上の穴または引き裂きの存在を明らかにする。
【0049】
このような制御は、単純に、真空源との接続の実際の閉鎖から設定時間後の真空度の値を測定し、この値が設定された閾値以上であることを検証することによって行われる。例示的な許容値は、例えば、1秒までの待ち時間、および、−0.20バール〜−0.30バールの接続閉鎖時における真空度の最大値と比較して、待ち時間の終わりに測定される−0.15〜−0.20バールの真空度降下の値であってもよい。
【0050】
作動ブロック(A)は、個々の用途ごとに決定される閾値よりも真空の降下度が大きい場合に、異常が発見されたトレー型において、溶融した粘性物質によるトレー型の充填段階を停止する。
【0051】
第1のフィルムとトレー型との間の連続的で緊密な接触の維持
最後に、本発明のパッケージ方法の最後の特徴は、ライニング段階の終了から開始して、方法の第3の段階(III)、すなわち、すなわちトレー型に含まれる溶融した粘性物質の自由表面の、非粘性材料の第2のフィルムによる被覆の完了まで、非粘性材料の第1のフィルムとトレー型の内壁との間の上述の連続的で密接な接触を保証することを目的とする。この目的は、既知の方法に対する2つの変更によって達成される。トレー型内の粘性物質の流し込みシャッタに動力を与えるシリンダ−ピストンアセンブリの制御において第1の変更が実施された。このようなアセンブリは、事実、トレー型に被着される第1のフィルムに対する流れの第1の衝撃の影響を最小限に抑え、流し込み期間全体を通して非乱流状態を維持するように、流れの始動および停止傾斜を円滑に調整することを可能にするステップモータによって制御される。この目的は、すでに上記で予見したように、流し込み作業(C)中のライニングフィルムとトレー型の表面との間の任意の可能な相対変位を回避することである。事実、変位は小さなものであっても、溶融した接着剤の流し込み中にフィルムの即時の溶融を引き起こす。
【0052】
代わりに、フィルムとトレー型との間の連続した緊密な接触を維持する同じ目的を有する第2の変形例は、それぞれ、トレー型のコンベヤベルトを駆動するチェーンの制御、および、非粘性材料の第1のフィルムを駆動するチェーンの制御に関する。本発明によれば、これらの駆動チェーンの両方は、事実、特に、円滑で同期した、すべての1回の作業ステップの間の、始動および停止過渡を有するように調整されたステップモータによって操作される。実際には、上記2つの駆動チェーンの間のあらゆる可能な位置ずれを極力意して避けることが必要である。これは、これによって、トレー型の内面から第1のフィルムが剥がれる可能性があるためであり、これは、始動および停止過渡の両方の間、および、2つのシステムが協働する長さ全体にわたって、すなわち、第1のフィルムによる型のライニングステーションから2つの溶着されたフィルムの切断ステーションに至るまで起こり得る。2つのチェーン間の許容可能な同期化は、2つのチェーンの結合長の始めと終わりとの間に±1mmの最大偏差をもたらす。
【0053】
同様に好ましくは中央ユニット(U)の内部に配置されたモータ制御装置(I)は、必要な漸進性に応じて、溶融した接着物質の流し込み操作(C)の始動および停止過渡と、第1のフィルムおよびトレー型の段階的に調整される変位の両方を調整し、上記第1のフィルムの駆動システムとトレー型との間の前述の精密な同期を維持する。
【0054】
結論
この新規で固有の特徴の組み合わせによって、本発明の乾式パッケージ方法は意図された目的に完全に到達した。事実、方法条件を最適化し、可能性のある非遵守状況を検出するための重要なパラメータを監視することにより、上述の制御によって検出されないエラー状態のレベルを一定にし、ゼロに近づけながら、水中パッケージ方法で使用されるフィルムに非常に匹敵する非常に低い軟化温度を有するライニングフィルムを使用することが可能である。
【0055】
しかし、本発明は、上述した特定の構成によって限定されるものと見なされるものではなく、これらは、本発明の例示的な実施形態のみを表すものであり、排他的に添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明の範囲自体から逸脱することなく、すべて当業者の手が届く、異なる変形形態が可能であることが理解される。
図1