【実施例】
【0027】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。無論、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で得た伸縮性編地は、以下の方法で評価した。
【0028】
(1)伸縮性編地の通気量
伸縮性編地の通気量は次の方法により測定した。
試料の大きさ:20cm×20cm
通気量試験機:フラジール形通気度試験機((株)大栄科学精器製作所 AP−360)
測定:試験機の円筒の一端に試験片を取り付けた後、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸込みファン及び空気孔を調整し、その時の垂直形気圧計の示す圧力を測った。測定した圧力と使用した空気孔の種類とから、試験機に附属の換算表によって試験片を通過する空気量(cm
3/cm
2/s)を求め、n=5の平均値をそれぞれの通気量とした。
【0029】
(2)伸縮性編地の粗さの平均偏差
伸縮性編地の粗さの平均偏差は次の方法により測定した。
試料の大きさ:20cm×20cm
摩擦試験機:自動化摩擦試験機(カトーテック(株)KES−FB4A)
SENS(摩擦):STD
SENS(粗さ):STD
測定速度:0.1cm/s
摩擦静荷重:50g
粗さ加圧:10gf
初期張力:400g
測定:上記条件で測定を行い、得られた垂直変位Z(cm)及びその平均値:
ゼットバーを用いて、下記式:
【数1】
により、編地タテ・ヨコ方向におけるそれぞれの平均偏差SMDを求め、n=3の平均値を各々の平均偏差とした。尚、Lmaxは測定時の最大移動距離である。
【0030】
(3)伸縮性編地の各部位の伸張応力及び伸張応力比
伸縮性編地の伸張応力は次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ100mm(把持部を除く)、幅25mm
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度:300mm/min
引張り長及び測定:80%伸長まで伸張し、同じ速度で伸長後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸張、回復を3回繰り返し、3回目の80%伸長時の伸張応力値を求めた。また、80%繰り返し伸張時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力をS2(cN)とし、ヨコ方向の伸張応力をS1(cN)とした場合、下記式:
伸張応力比(−) = S2/S1
により伸張応力比を求めた。
【0031】
(4)伸縮性編地の伸張回復率
伸縮性編地の各部位の伸張応力試験法で得られた伸張回復曲線から3回目の残留伸び(%)を読み取り、下記式:
伸張回復率(%)=[(80−(残留伸び))÷80]×100
により求めた。尚、残留伸びとは、3回目の回復時において荷重が0cNになった際の伸張率のことである。
【0032】
(5)弾性糸の原糸の伸張応力測定
2種の弾性糸のパワーの強弱を決定する際の原糸物性は以下の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ100mm(把持部を除く)、幅は原糸の太さによって異なる。
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度:300mm/min
引張り長及び測定:定速にて伸張し、弾性糸が破断するまでの伸張応力値を求め、200%伸長時における荷重を求めた。本荷重の大小を2種の弾性糸において、比較し、荷重の大きいものを第1弾性糸、荷重の小さいものを第2弾性糸とした。
【0033】
(6)伸縮性編地における意匠部の10点平均粗さの(Rz
JIS)
伸縮性編地における意匠部の粗さ曲線は次の方法により測定した。
試料の大きさ:10cm×10cm
粗さ測定器:ワンショット3Dマイクロスコープ(キーエンス(株) VR−3200)
倍率:12倍
評価長さ:編地ヨコ方向3cm、編地タテ方向4cm
測定:上記条件で編地タテ・ヨコ方向の測定をそれぞれ行い、得られた粗さ曲線で最高の山頂から高い順に5番目までの山高さ(Zpi)の平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さ(Zvi)の平均の和である十点平均粗さRz
JISを下記式:
【数2】
により、編地タテ・ヨコ方向のそれぞれにて求めた。
【0034】
(7)蒸れ感
以下の実施例及び比較例で得られた編地を用いてガードルを作製し、パネラー5名にて着用を行った。その後、トレッドミル上で速度4.0km/hの速度で3分間歩行及び、膝屈伸動作を伴う椅子からの立ち上がり、座りの動作を5回、立位の状態から膝を抱え込む状態までしゃがみ込んだ後立ち上がる動作を5回行った後、アンケート調査を行った。アンケートは、着用時の動作感のアンケート調査の結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:全く蒸れ感が無い
4:蒸れ感が小さい
3:蒸れを感じる
2:やや蒸れを感じる
1:非常に蒸れを感じる
【0035】
(8)肌触り
前記の蒸れ感の評価と同様の方法で試験した。アンケートは、着用時の動作感のアンケート調査の結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:非常に肌触りが良い
4:肌触りが良い
3:肌触りが良くもなく、悪くもない
2:やや肌触りが悪い
1:肌触りが悪い
【0036】
(9)動作感
前記の蒸れ感の評価と同様の方法で試験した。アンケートは、着用時の動作感のアンケート調査の結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:非常に動きやすい
4:動きやすい
3:動きやすくもなく、動きづらくもない
2:やや動きにくい
1:動きづらい
【0037】
(10)補整感
前記の蒸れ感の評価と同様の方法で試験した。アンケートは、着用時の補整感のアンケート調査の結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:非常に補整力を感じる
4:やや補正力を感じる
3:補正力が十分ではないが、体感できる
2:少し補整力が不足している
1:補整力を感じない
【0038】
(11)審美性
前記の蒸れ感の評価と同様の方法で試験した。アンケートは、手に取った時及び着用時のボトムの審美性のアンケート結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:非常に綺麗に感じる
4:やや綺麗に感じる
3:どちらとも言えない
2:あまり綺麗には感じない
1:全く綺麗に感じない
【0039】
(12)快適感
前記の蒸れ感の評価と同様の方法で試験した。アンケートは、着用時の快適感のアンケート調査の結果を示したものであり、以下の評価基準で評価した。
5:非常に快適である
4:快適である
3:快適でもないが、不快でもない
2:やや不快である
1:不快である
【0040】
[実施例1]
28ゲージのジャカードラッシェル機を用いて、地糸(GB1)としてナイロン33dtexを使用し、ジャカードに使用する糸(JB2)をPTMGを主鎖とするポリウレタン弾性糸(以下ポリウレタン弾性糸Aとする)22dtex/2fを芯糸とし、非弾性糸であるナイロン56dtexを被覆糸としたカバーリング糸を使用した。2方向の伸縮性を向上するための弾性糸として、第1弾性糸(GB3)として、ポリウレタン弾性糸A235dtex/18fを、第2弾性糸(GB4)として、ジオール成分として同一の炭素上に2つのメチル基を側鎖として有するポリアルキレンエーテルジオールを含有する44dt/4fのポリウレタン弾性糸(以下ポリウレタン弾性糸Bとする)44dtex/4fを挿入糸として使用した。糸使いを以下の表1に示す。編み組織は、
図1に示す組織にて63コース/inch、84ウェル/inchの編地を作製した。編地はヨコ方向に繰り返しパターンを有しており、ヨコ方向における繰り返しパターンの1つの幅が45cmにて作製した。
以下の表2に示すように、編地の通気量は270cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、5.23、編地ヨコ方向にて6.34であった。また、80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は314cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は306cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対するタテ方向の伸張応力の比であるS2/S1は1.0であった。なお、伸張回復率は編地タテ方向にて96%、編地ヨコ方向にて88%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、編地タテ方向にて351μm、編地ヨコ方向にて332μmであった。
得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、蒸れ感や肌触りに加え、動作性や審美性が高く、非常に快適感の高いボトム衣料が得られた。尚、ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作製した。
【0041】
[実施例2]
実施例1の編地を加工時に、編地のタテ方向を実施例1より10%伸ばすように加工し、編地を作製した。糸使いを以下の表1に、編み組織を
図1に示す。
以下の表2に示すように、作製した編地の通気量は322cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、7.21、編地ヨコ方向にて18.32であった。また、80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は409cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は276cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対するタテ方向の伸張応力の比であるS2/S1は1.5であった。尚、伸張回復率は編地タテ方向にて92%、編地ヨコ方向にて91%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、編地タテ方向にて322μm、編地ヨコ方向にて412μmであった。
得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、蒸れ感や動作感、審美性に優れた快適感の高いボトム衣料が得られた。尚、ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作製した。
【0042】
[実施例3]
28ゲージのジャカードラッシェル機を用いて、地糸(GB1)としてナイロン33dtexを使用し、ジャカードに使用する糸(JB2)をポリウレタン弾性糸A22dtex/2fを芯糸とし、非弾性糸であるナイロン56dtexを被覆糸としたカバーリング糸を使用した。2方向の伸縮性を向上するための弾性糸として、第1弾性糸(GB3)として、ポリウレタン弾性糸A235dtex/18fを、第2弾性糸(GB4)として、ポリウレタン弾性糸A44dtex/4fを挿入糸として使用した。糸使いを以下の表1に、編み組織を
図1に示す。編地はヨコ方向に繰り返しパターンを有しており、ヨコ方向における繰り返しパターンの1つの幅が45cmにて作製した。
以下の表2に示すように、作成した編地の通気量は197cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、5.15、編地ヨコ方向にて5.72であった。また、80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は323cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は385cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対するタテ方向の伸張応力の比であるS2/S1は0.8であった。なお、伸張回復率は編地タテ方向にて92%、編地ヨコ方向にて89%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、編地タテ方向にて404μm、編地ヨコ方向にて395μmであった。
得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、蒸れ感や肌触り、審美性の優れた快適性の高いボトム衣料が得られた。なお、ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作成した。
【0043】
[実施例4]
28ゲージのジャカードラッシェル機を用いて、地糸(GB1)としてナイロン33dtexを使用し、ジャカードに使用する糸(JB2)をポリウレタン弾性糸A22dtex/2fを芯糸とし、非弾性糸であるナイロン56dtexを被覆糸としたカバーリング糸を使用した。2方向の伸縮性を向上するための弾性糸として、第1弾性糸(GB3)として、ポリウレタン弾性糸A235dtex/18fを、第2弾性糸(GB4)として、ポリウレタン弾性糸B44dtex/4fを挿入糸として使用した。編み組織は、非弾性糸による鎖編(GB1)において、5コースごとウェル間を移動する組織に変化させ、第1弾性糸(GB3)も本鎖編に同行させる組織とした。なお、第2弾性糸(GB4)及びジャカード組織も同様に5コースごとウェル間を移動する組織に変化させる組織として編地を作製した。編地はヨコ方向に繰り返しパターンを有しており、ヨコ方向における繰り返しパターンの1つの幅が45cmにて作製した。糸使いを以下の表1に、編み組織を
図2に示す。
以下の表2に示すように、作成した編地の通気量は350cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、6.81、編地ヨコ方向にて13.02であった。また、80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は279cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は307cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対するタテ方向の伸張応力の比であるS2/S1は0.9であった。なお、伸張回復率は編地タテ方向にて90%、編地ヨコ方向にて87%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、編地タテ方向にて371μm、編地ヨコ方向にて319μmであった。得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、蒸れ感や審美性に優れた快適性の高いボトム衣料が得られた。なお、ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作製した。
【0044】
[実施例5]
28ゲージのジャカードラッシェル機を用いて、地糸(GB1)としてナイロン33dtexを使用し、ジャカードに使用する糸(JB2)をポリウレタン弾性糸A22dtex/2fを芯糸とし、非弾性糸であるナイロン56dtexを被覆糸としたカバーリング糸を使用した。2方向の伸縮性を向上するための弾性糸として、第1弾性糸(GB3)として、ポリウレタン弾性糸A310dtex/36fを、第2弾性糸(GB4)として、ポリウレタン弾性糸B44dtex/4fを挿入糸として使用した。糸使いを以下の表1に、編み組織を
図1に示す。編地はヨコ方向に繰り返しパターンを有しており、ヨコ方向における繰り返しパターンの1つの幅が45cmにて作製した。
以下の表2に示すように、作成した編地の通気量は351cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、8.98、編地ヨコ方向にて9.21であった。また、80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は472cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は305cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対するタテ方向の伸張応力の比であるS2/S1は1.5であった。なお、伸張回復率は編地タテ方向にて89%、編地ヨコ方向にて88%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、編地タテ方向にて451μm、編地ヨコ方向にて423μmであった。
得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、蒸れ感や審美性に優れた快適性の高いボトム衣料が得られた。なお、ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作製した。
【0045】
[実施例6]
28ゲージのジャカードラッシェル機を用いて、地糸(GB1)としてナイロン33dtexを使用し、ジャカードに使用する糸(JB2)をポリウレタン弾性糸A22dtex/2fを芯糸とし、非弾性糸であるナイロン56dtexを被覆糸としたカバーリング糸を使用した。2方向の伸縮性を向上するための弾性糸として、第1弾性糸(GB3)として、ポリウレタン弾性糸A235dtex/18fを、第2弾性糸(GB4)として、ポリウレタン弾性糸B44dtex/4fを挿入糸として使用した。
糸使いを以下の表1に示す。編み組織は、
図3における組織にて、第2弾性糸におけるウェル間の移動量を1ウェルとし、編地を作製した。編地はヨコ方向に繰り返しパターンを有しており、ヨコ方向における繰り返しパターンの1つの幅が45cmにて作製した。
以下の表2に示すように、作成した編地の通気量は227cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、5.65、編地ヨコ方向にて5.91であった。また、80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は351cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は361cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対するタテ方向の伸張応力の比であるS2/S1は1.1であった。なお、伸張回復率は編地タテ方向にて94%、編地ヨコ方向にて87%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、編地タテ方向にて352μm、編地ヨコ方向にて387μmであった。
得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、蒸れ感や審美性に優れた快適性の高いボトム衣料が得られた。なお、ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作製した。
【0046】
[比較例1]
20ゲージのラッシェル編機を用いて、地糸としてナイロン44dtexを使用し、挿入糸として、非弾性糸であるナイロン56dtex/48fを使用し、弾性糸として60番手の錦糸とポリウレタンであるポリウレタン弾性糸A235dtex/18fによるコアスパンヤーン糸を作成、使用し、
図4に示す組織にて編地を作製した。糸使いは以下の表1に示す。
以下の表2に示すように、得られた編地の通気量は327cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、11.07、編地ヨコ方向にて20.00であった。80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は227cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は3686cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対する伸張応力の比であるS2/S1は0.1であった。尚、伸張回復率は編地タテ方向にて87%、編地ヨコ方向にて44%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、柄がないため測定不可であった。
得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、蒸れ感に優れるものの、肌触りや動作感及び審美性が低く、快適感の低いボトム衣料が得られた。本原因として、メッシュ孔が大きいため肌面にてざらつきを感じること、伸び比率が悪く、動作時に製品のタテ方向の伸長応力が高いため、皮膚伸展に追随できず、ツッパリ感等が生じたこと、審美性が低いことが考えられる。ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作製した。
【0047】
[比較例2]
28ゲージのラッシェル編機を用いて、地糸としてナイロン56dtexを使用し、挿入糸としてポリウレタン弾性糸A44dtex/4fを第一弾性糸(GB3)、及びポリウレタン弾性糸A235dtex/18fを第二弾性糸(GB4)として使用した。編み組織は、
図5に示すように非弾性糸(GB1)(GB2)が1イン1アウトのハーフセットに糸通しされ、各々対称のラッピングを行って3ウェルの間にわたり編目を形成し、6コースで1リピートのメッシュ編地を編成し、第1弾性糸(GB3)は3コース、6コース毎に3ウェル間を横切り、部分緯糸として挿入され、第1弾性糸(GB3)よりも太い第2弾性糸(GB4)は同一ウェル上をジグザグ状に挿入されて編成した。なお、第1弾性糸(GB3)及び第2弾性糸(GB4)はフルセットに糸通しされ、168コース/50ウェルの編地を作製することで、メッシュ調弾性経編地を得た。糸使いを以下の表1に示す。
以下の表2に示すように、得られた編地の通気量は124cm
3/cm
2/sであり、SMDは編地タテ方向にて、8.02、編地ヨコ方向にて14.27であった。80%繰り返し伸長時3回目の80%における編地のタテ方向の伸張応力S2は619cNであり、ヨコ方向の伸張応力S1は679cNであった。このため、ヨコ方向の伸張応力に対する伸張応力の比であるS2/S1は0.9であった。なお、伸張回復率は編地タテ方向にて93%、編地ヨコ方向にて89%であった。意匠部表面の十点平均粗さRz
JISにおいては、編地タテ方向にて783μm、編地ヨコ方向にて769μmであった。
得られた編地を用いて、ガードルを縫製し、着用テストを行った。以下の表3に示すように、快適感の低いボトム衣料が得られた。本原因として、優れた伸張特性を得るため、組織が密になり、蒸れ感が悪いこと、メッシュ特有のざらつきを不快に感じたことが考えられる。ガードル作製時は、編地のヨコ方向を製品のタテ方向(身長方向)に用いて製品を作製した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】