(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、ビルトイン式のガスコンロGCが、コンロ本体Hの上面部に、加熱調理用の加熱部としてコンロバーナ1を備え、コンロ本体Hの横幅方向中央部に、グリルG(
図4参照)を備える形態に構成されている。
本実施形態においては、コンロバーナ1として、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを備えている。
【0037】
コンロ本体Hは、上部が開口された箱状の金属製のケーシング2を主要部として構成され、コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、コンロ本体Hの上面部の後部側には、グリルGの調理排気を排気するためのグリル排気口4が形成されている。
【0038】
天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等のコンロ用調理容器CK(
図3参照)を載置するための五徳5が、3つのコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
本実施形態においては、コンロ用調理容器CKとして、取手を備えた蓋付きの調理鍋を例示する。
【0039】
図3に示すように、コンロバーナ1は、円筒状のコンロバーナ本体部1aと、そのコンロバーナ本体部1aに接続されるコンロバーナ混合管部1bとを備え、コンロバーナ本体部1aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。
コンロバーナ1の中央部には、コンロ用調理容器CKの底部温度を検出するコンロ用容器温度検出センサ1Sが設けられている。
【0040】
コンロ用容器温度検出センサ1Sは、上端部に温度検知部9aを備えた検出体9を上下動自在に且つ上方側に復帰付勢して設けて、温度検知部9aにてコンロ用調理容器CKの底部温度を検出するように構成され、また、五徳5に載置されたコンロ用調理容器CKにて検出体9が下方に移動したことを検出する検出スイッチ9bを設けて、コンロ用調理容器CKの存在を検出するように構成されている。
【0041】
図4に示すように、ケーシング2の内部には、グリルGを構成する加熱調理室としてのグリル庫6が設けられ、グリル庫6には、加熱調理用の加熱部としてのグリルバーナ7が設けられている。
グリル庫6は、前部及び後部が開口する筒状に形成され、グリル庫6の後方側には、グリルバーナ7の燃焼排ガスや被調理物からでる水蒸気等の調理排気を排気する排気路Eを形成する排気筒6Aが上方側に延びる状態で連設され、その排気路Eにて調理排気を上述のグリル排気口4に導くように構成されている。
【0042】
被調理物を収容するグリル用調理容器GKを支持する調理容器支持部Lが、グリル庫6に対して出退自在に設けられている。本実施形態においては、グリル用調理容器GKとして、蓋付きの調理容器である調理鍋(キャセロール容器など)を例示する。
調理容器支持部Lは、グリル庫6の内部に設けた固定レールに対して出退自在に案内される可動レールLaと、グリル用調理容器GKの前縁部及び後縁部を載置支持する形態に棒状部材を曲げ加工して形成される支持枠Lbとを備える形態に構成されている。
可動レールLaの先端部に、グリル庫6の前部の前部開口部6fを開閉するグリル扉8(
図1参照)を取付ける扉支持体8Aが設けられ、支持枠Lbの先端部が扉支持体8Aに係止連結されている。
【0043】
グリルバーナ7が、グリル庫6の内部に収納されたグリル用調理容器GKの上部を加熱する上部バーナ7Uと、グリル用調理容器GKの底部を加熱する下部バーナ7Sとを備える形態に構成されている。
下部バーナ7Sは、円筒状のバーナ本体部10Aと、そのバーナ本体部10Aに接続されるバーナ混合管部10Bとを備え、バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。つまり、下部バーナ7Sは、コンロバーナ1と同様に構成されている。
上部バーナ7Uは、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナであり、詳細な説明は省略するが、平板状の上バーナ本体部やその上バーナ本体部に接続される上バーナ混合管部を備え、上バーナ本体部の下面部に燃焼炎形成部が形成されている。
【0044】
図2に示すように、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの夫々に対して、点火装置としての点火プラグP、及び、着火状態検出装置として、熱電対等を用いて構成される着火センサRが装備され、コンロバーナ1についても、同様に、点火プラグP及び着火センサRが装備されている。
【0045】
図4に示すように、下部バーナ7Sの内部には、グリル用調理容器GKの底部温度を検出するグリル用容器温度検出センサ11Aが装備されている。
また、排気筒6Aには、グリル庫6の内部と連通する排気路Eの内部温度をグリル庫6の庫内温度として検出する庫内温度検出センサ11Bが設けられている。尚、庫内温度検出センサ11Bの検出情報は、庫内温度が異常高温になるとグリルバーナ7の燃焼を停止する情報等として用いられる。
【0046】
(ガス燃料の供給構成)
図2に示すように、都市ガス供給管等のガス供給源に接続される元ガス供給路12に、電磁操作式の元ガス弁13が設けられ、元ガス供給路12からは、標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b、大火力バーナ用分岐路14c及びグリルバーナ用分岐路15の4系統のガス流路が分岐されている。
【0047】
グリルバーナ用分岐路15に、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対するガス燃料の供給圧力を設定圧に調整するガバナ16が設けられ、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を下部バーナ7Sに導く下部バーナ用供給路17S、及び、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を上部バーナ7Uに導く上部バーナ用供給路17Uが、グリルバーナ用分岐路15から分岐されている。
【0048】
標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b及び大火力バーナ用分岐路14cの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのコンロ用ガス量調整弁18が備えられている。
また、下部バーナ用供給路17S及び上部バーナ用供給路17Uの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのグリル用ガス量調整弁19が備えられている。
このように、グリルバーナ7における下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの火力は、グリル用ガス量調整弁19にて無段階的に変更されることになるが、本実施形態においては、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの火力が、「強」「中」「弱」の3段階に変更されるものとする。
【0049】
(ガスコンロの操作構成)
図1に示すように、コンロ本体Hの前側面におけるグリルGの右側の上方箇所には、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対して各別に点火及び消火や火力調節を指令するための3つのコンロ操作具20が設けられている。
また、コンロ本体Hの前側面におけるグリルGの左側の上方箇所には、グリルバーナ7に対して点火及び消火や火力調節を指令するためのグリル操作具21が設けられている。
【0050】
コンロ操作具20は、押し操作されるごとに点火指令と消火指令を交互に指令するコンロ用点消火スイッチ20A(
図6参照)を押し操作し、また、回転操作することにより、火力調節指令を指令するロータリエンコーダ(図示は省略)を操作するように構成されている。
また、グリル操作具21は、押し操作されるごとに点火指令と消火指令を交互に指令するグリル用点消火スイッチ21A(
図6参照)を押し操作し、また、回転操作することにより、火力調節指令を指令するロータリエンコーダ(図示は省略)を操作するように構成されている。
【0051】
コンロ本体Hの前側面におけるグリルGの左側の下方箇所には、コンロバーナ1やグリルバーナ7を用いた「連続調理モード」の設定を行う設定操作部22が、下端側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられている。本実施形態においては、コンロバーナ1を用いた連続調理モードは、標準火力バーナ1Aを用いて行うものとして説明する。
尚、コンロ本体Hの前側面におけるグリルGの右側の下方箇所には、コンロバーナ1やグリルバーナ7を用いた種々の自動調理を設定するコンロ用操作部22Aが設けられているが、本実施形態においては、コンロ用操作部22Aの詳細やコンロバーナ1及びグリルバーナ7を用いた種々の自動調理の詳細についての記載は省略する。
【0052】
「連続調理モード」とは、第1調理時間の間は第1加熱条件でコンロバーナ1やグリルバーナ7を作動させる第1調理運転と、第2調理時間の間は第2加熱条件でコンロバーナ1やグリルバーナ7を作動させる第2調理運転とを実行する調理メニューである。
すなわち、ガスコンロGCの運転を制御する運転制御部B(
図6参照)が、連続調理モードの調理運転の開始が指令されると、第1調理運転を実行した後、当該第1調理運転に続いて前記第2調理運転を実行するように構成されており、その詳細は後述する。
【0053】
(設定操作部の詳細)
図5に示すように、設定操作部22の上面には、「連続調理モード」の1つである「表裏両面モード」を指令する表裏調理スイッチ23、「連続調理モード」の1つである「パン生地発酵焼成モード」を指令するパンスイッチ24、時間増加操作部25U及び時間減少操作部25Dを備えた時間スイッチ25、設定された内容を決定する決定スイッチ26、設定された内容を取り消すとりけしスイッチ27、及び、調理時間表示部28が設けられ、調理時間表示部28は、時間スイッチ25の上部に相当する箇所に設けられている。
ちなみに、表裏調理スイッチ23及びパンスイッチ24は、調理メニューを指令する調理メニュー指令部として機能することになる。
【0054】
「表裏両面モード」とは、第1調理時間に対応する第1加熱条件が被調理物の表面を加熱する表面用加熱条件として設定されて、第1調理運転にて被調理物の表面を加熱調理し、第2調理時間に対応する2加熱条件が被調理物の裏面を加熱する裏面用加熱条件として設定されて、第1調理運転にて加熱調理された後に表裏反転された被調理物を第2調理運転にて加熱調理する調理メニューであり、本実施形態においては、被調理物をコンロ用調理容器CKに収容して加熱調理するように構成されている。
【0055】
「パン生地発酵焼成モード」とは、第1調理時間に対応する第1加熱条件が、一次発酵させた後のパン生地を二次発酵させるパン生地発酵用加熱条件として設定されて、第1調理運転にてパン生地を発酵(二次発酵)させ、第2調理時間に対応する第2加熱条件が、二次発酵させたパン生地を焼き上げるパン生地焼成用加熱条件として設定されて、第2調理運転にてパン生地を焼成する調理メニューであり、本実施形態においては、パン生地をグリル用調理容器GK(
図4参照)に収容して加熱調理するように構成されている。
【0056】
表裏調理スイッチ23は、押操作するごとに、さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」を順次切換えるように構成されている。
さかなの「強」「中」「弱」は、魚の表面と裏面とを焼くための調理メニューであり、メニューの「強」「中」「弱」は、ハンバーグ、ホットケーキ、お好み焼き等、表面焼きと裏面焼きとがある種々の被調理物の加熱調理の際に使用する調理メニューである。
【0057】
さかなの「強」「中」「弱」の夫々に対応して、さかなの「強」が選択されていることを示す第1表示ランプN1、さかなの「中」が選択されていることを示す第2表示ランプN2、さかなの「弱」が選択されていることを示す第3表示ランプN3が設けられている。
また、メニューの「強」「中」「弱」の夫々に対応して、メニューの「強」が選択されていることを示す第4表示ランプN4、メニューの「中」が選択されていることを示す第5表示ランプN5、メニューの「弱」が選択されていることを示す第6表示ランプN6が設けられている。
【0058】
パンスイッチ24の上部に相当する箇所に、パン生地を発酵(二次発酵)させる第1調理運転であることを表示する発酵表示ランプM1、及び、二次発酵させたパン生地を焼き上げる第2調理運転であることを表示する焼成表示ランプM2が設けられている。
【0059】
(調理時間表示部の表示制御について)
調理時間表示部28は、各種の時間を表示するものであって、その代表として、運転制御部Bが、第1調理運転中においては、当該第1調理運転の開始からの経過時間を第1調理時間から減算した第1調理運転用残時間を表示し、かつ、第2調理運転中においては、当該第2調理運転の開始からの経過時間を第2調理時間から減算した第2調理運転用残時間を表示するように構成されている。
加えて、運転制御部Bが、第1調理運転を実行しているときに、総調理時間表示指令部Sにて総調理時間表示指令が指令されると、第1調理運転用残時間と第2調理時間とを加えた総調理残時間を、第1調理運転用残時間に代えて表示するように構成されている。
【0060】
運転制御部Bは、第1調理用残時間、第2調理用残時間、総調理残時間の他にも、種々の時間を調理時間表示部28に表示させることになるが、その詳細は後述する。
また、本実施形態においては、総調理時間表示指令部Sが、表裏調理スイッチ23及びパンスイッチ24を兼用して構成されている。つまり、運転制御部Bが、表裏調理スイッチ23及びパンスイッチ24を第1調理運転中に押し操作することにより、総調理時間表示指令が指令されたと判別するように構成されている。
【0061】
調理時間表示部28に隣接する箇所に、調理時間表示部28に表示されている時間が、第1調理運転用残時間であるか、第2調理運転用残時間であるか、総調理残時間であるかを示す種別を表示する時間種別表示部Tが設けられている。
そして、運転制御部が、表裏調理スイッチ23にて選択(指令)された調理メニューやパンスイッチ24にて指令された「パン生地発酵焼成モード」を実行する際に、調理時間表示部28に表示する時間の種別に合わせて時間種別表示部Tを作動させるように構成されている。
【0062】
時間種別表示部Tとして、表裏調理スイッチ23にて選択(指令)された調理メニューに対応する第1時間種別表示部T1と、パンスイッチ24にて指令された「パン生地発酵焼成モード」に対応する第2時間種別表示部T2とが設けられている。
【0063】
第1時間種別表示部T1が、調理時間表示部28と時間スイッチ25との間に、表ランプ29aと裏ランプ29bとを設ける形態に構成されている。
そして、運転制御部Bが、調理時間表示部28に表示されている時間が第1調理運転用残時間であるときには、表ランプ29aを点灯させかつ裏ランプ29bを消灯させ、調理時間表示部28に表示されている時間が第2調理運転用残時間であるときには、表ランプ29aを消灯させかつ裏ランプ29bを点灯させ、調理時間表示部28に表示されている時間が総調理残時間であるときには、表ランプ29a及び裏ランプ29bを点灯させるように構成されている。
【0064】
第2時間種別表示部T2が、発酵表示ランプM1及び焼成表示ランプM2にて構成されている。
つまり、運転制御部Bが、調理時間表示部28に表示されている時間が第1調理運転用残時間であるときには、発酵表示ランプM1を点灯させかつ焼成表示ランプM2を消灯させ、調理時間表示部28に表示されている時間が第2調理運転用残時間であるときには、発酵表示ランプM1を消灯させかつ焼成表示ランプM2を点灯させ、調理時間表示部28に表示されている時間が総調理残時間であるときには、発酵表示ランプM1及び焼成表示ランプM2を点灯させるように構成されている。
【0065】
(ガスコンロの制御構成)
図6に示すように、ガスコンロGCの運転制御部Bが、コンロ用点消火スイッチ20Aによる点火指令や消火指令によって、コンロバーナ1に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行い、また、グリル用点消火スイッチ21Aによる点火指令や消火指令によって、グリルバーナ7に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行うように構成されている。
【0066】
また、運転制御部Bが、設定操作部22の設定情報に基づいて、上述の通り、「連続調理モード」の調理メニューを実行することになり、その際に、コンロバーナ1やグリルバーナ7に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を実行するように構成されている。
尚、図示は省略するが、各種情報を音声で報知する音声報知部が設けられ、運転制御部Bが、音声報知部を作動させて、各種情報を報知する報知処理を行うように構成されている。
【0067】
すなわち、運転制御部Bは、表裏調理スイッチ23にて調理メニューが指令されたのち、コンロ用点消火スイッチ20Aにより点火指令が指令されると、元ガス弁13、コンロ用ガス量調整弁18を操作して、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)に燃料ガスを供給する状態とし、加えて、点火プラグPを作動させかつ着火センサRにて着火を検出する点火処理を実行することになる。
尚、調理メニューの加熱調理を中断する等の目的により、コンロ用点消火スイッチ20Aにより消火指令が指令されると、元ガス弁13、コンロ用ガス量調整弁18を閉状態に操作して、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を消火する消火処理を実行することになる。
【0068】
標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)の燃焼状態において、コンロ用ガス量調整弁18を操作して、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)の火力を、調理メニューごとに設定された火力に変更調節する火力調節処理を実行することになる。
また、調理メニューを実行しているときに、加熱調理を開始してからの経過時間が第1調理時間と第2調理時間とを加えた総調理時間に達すると、消火条件が満たされたとして、上述した消火処理を実行して、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を自動的に消火することになる。
【0069】
また、運転制御部Bは、パンスイッチ24にて「パン生地発酵焼成モード」が指令されたのち、グリル用点消火スイッチ21Aにより点火指令が指令されると、元ガス弁13、グリル用ガス量調整弁19を操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに燃料ガスを供給する状態とし、加えて、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uに対する点火プラグPを作動させかつ着火センサRにて着火を検出する点火処理を実行することになる。
尚、「パン生地発酵焼成モード」の加熱調理を中断する等の目的により、グリル用点消火スイッチ21Aにより消火指令が指令されると、元ガス弁13、グリル用ガス量調整弁19を閉状態に操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uを消火する消火処理を実行することになる。
【0070】
下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの燃焼状態において、下部バーナ7Sに対するグリル用ガス量調整弁19及び上部バーナ7Uに対するグリル用ガス量調整弁19を操作して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uの火力を、「パン生地発酵焼成モード」に対して設定された火力に変更調節する火力調節処理を実行することになる。
また、「パン生地発酵焼成モード」を実行しているときに、加熱調理を開始してからの経過時間が第1調理時間と第2調理時間とを加えた総調理時間に達すると、消火条件が満たされたとして、上述した消火処理を実行して、下部バーナ7S及び上部バーナ7Uを自動的に消火することになる。
【0071】
(表裏両面モードの詳細)
表裏調理スイッチ23にて選択(指令)される〔さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」〕は、第1調理時間と第2調理時間とを加えた総調理時間が、異なる時間に設定されている。
例えば、さかなの「強」が19分、さかなの「中」が16分、さかなの「弱」が14分に設定され、メニューの「強」が16分、メニューの「中」が11分、メニューの「弱」が8分に設定されている。
尚、さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」が表裏調理スイッチ23にて選択(指令)されると、選択された調理メニューの総調理時間が、時間表示部28に表示される。
【0072】
また、第1調理時間が、予熱時間(例えば、1分)と実調理時間とからなる。
そして、運転制御部Bが、総調理時間と、総調理時間から予熱時間を減算した残時間を実調理時間と第2調理時間とに分配する分配比率とに基づいて、実調理時間と第2調理時間とを設定して、第1調理時間と第2調理時間とを求めるように構成されている。
【0073】
例えば、分配比率が6:4に設定されて、さかなの「強」の場合には、総調理時間(19分)から予熱時間(1分)を減算した残時間(18分)に対して、6/10を乗算した10.8を四捨五入した11分が、実調理時間として求められ、残時間(18分)に対して、4/10を乗算して求めた7.2を四捨五入した7分が、第2調理時間として設定される。
つまり、総調理時間から予熱時間を減算した残時間を分配比率にて分配して、実調理時間と第2調理時間とを設定する際に、必要に応じて四捨五入を行いながら、第1調理時間と第2調理時間とを分単位で設定するように構成されている。
【0074】
そして、第1調理時間が、予熱時間(1分)と実調理時間(11分)とを加えた12分に設定され、また、分配により設定した第2調理時間(7分)が、第2調理時間として設定される。
【0075】
また、例えば、メニューの「強」の場合には、総調理時間(16分)から予熱時間(1分)を減算した残時間(15分)に対して、6/10を乗算した9分が、実調理時間として設定され、残時間(15分)に対して、4/10を乗算して求めた6分が、第2調理時間として設定される。
尚、総調理時間から初期基準時間を減算した残時間を分配比率にて分配する際には、必要に応じて四捨五入を行いながら、第1調理時間と第2調理時間とを分単位で設定するように構成されている。
【0076】
そして、第1調理時間が、予熱時間(1分)と実調理時間(9分)とを加えた10分に設定され、また、分配により設定した第2調理時間(6分)が、第2調理時間として設定される。
【0077】
また、〔さかなの「強」「中」「弱」〕についての第1調理運転における第1加熱条件が、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態と低火力で燃焼させる状態とを交互に切換えながら、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度を、表用目標温度(例えば、240℃)に加熱する条件に設定され、第2調理運転における第2加熱条件が、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態と低火力で燃焼させる状態とを交互に切換えながら、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出される底部温度を、裏用目標温度(例えば、220℃)に加熱する条件に設定されている。
【0078】
つまり、第1加熱条件が、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度(例えば、240℃)以上になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度(例えば、235℃)以下になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態に切換えることにより、コンロ用調理容器CKの底部温度を表用目標温度(例えば、240℃)に加熱する条件に設定されている。
【0079】
同様に、第2加熱条件が、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度(例えば、220℃)以上になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度(例えば、215℃)以下になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態に切換えることにより、コンロ用調理容器CKの底部温度を裏用目標温度(例えば、220℃)に加熱する条件に設定されている。
【0080】
また、〔メニューの「強」「中」「弱」〕における第1調理運転における第1加熱条件が、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度を、表用目標温度(例えば、180℃)に加熱する条件に設定され、第2調理運転における第2加熱条件が、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出される底部温度を、裏用目標温度(例えば、160℃)に加熱する条件に設定されている。
【0081】
つまり、第1加熱条件が、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度(例えば、180℃)以上になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度(例えば、175℃)以下になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態に切換えることにより、コンロ用調理容器CKの底部温度を表用目標温度(例えば、180℃)に加熱する条件に設定されている。
【0082】
同様に、第2加熱条件が、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度(例えば、160℃)以上になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度(例えば、155℃)以下になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態に切換えることにより、コンロ用調理容器CKの底部温度を裏用目標温度(例えば、160℃)に加熱する条件に設定されている。
【0083】
ちなみに、上述の説明の通り、本実施形態においては、表裏調理スイッチ23が、さかなの「強」「中」「弱」やメニューの「強」「中」「弱」を選択することにより、第1調理時間と第2調理時間とを加えた総調理時間を変更設定する総調理時間設定部Wとして機能することになり、そして、運転制御部Bが、総調理時間と予め設定された分配比率とに基づいて、第1調理時間と前記第2調理時間とを設定することになる。
つまり、さかなの「強」「中」「弱」やメニューの「強」「中」「弱」の夫々に対して、長さを変えて複数の総調理時間が予め設定され、総調理時間設定部Wとして機能する表裏調理スイッチ23が、予め設定された複数の総調理時間を選択する形態で総調理時間を変更設定するように構成されている。
【0084】
(表裏両面モードにおける制御作動)
次に、
図7のフローチャートに基づいて、運転制御部Bの表裏両面モードにおける制御作動を説明する。
さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」のいずれかが表裏調理スイッチ23にて選択された状態で、コンロ用点消火スイッチ20Aにより点火指令が指令された判別すると(#1)、調理タイマーの計時を開始し(#2)、その後、初期加熱用の高火力にて標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を加熱作動させる初期加熱処理を開始する(#3)。
【0085】
その後、コンロ用容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度調以上であるか否かを判定し(#4)、底部温度が表用目標温度以上でないときには、初期加熱処理(#3)を継続し、そして、底部温度が表用目標温度以上になると、低火力にて標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)加熱作動させる低火力加熱処理を実行する(#5)。
ちなみに、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用標温度調以上になるまで加熱作動させる初期加熱処理を行う時間が、上述の予熱時間に相当することになり、この予熱時間は、同じコンロ用調理容器CKを使用すること等により、略一定の時間となる。
【0086】
#5の消火処理を実行した後には、調理タイマーの計測時間に基づいて、第1調理時間が経過したか否かを判定する(#6)。
#6にて、第1調理時間が経過していないと判別したときには、次に、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)が高火力で燃焼中であるか否かを判別し(#7)、高火力でない場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度以下であるか否かを判定する(#8)。
コンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度以下である場合には、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる高火力加熱処理を開始する(#9)。
ちなみに、高火力加熱処理における高火力と初期加熱処理における高火力とは、同じ火力でも良いが、初期加熱処理における高火力を、高火力加熱処理における高火力よりも高い(大きな)火力にしてもよく、また、低い(小さな)火力にしてもよい。
【0087】
#9の高火力加熱処理を開始したのち、及び、#7にて、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)が高火力であると判定した場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度以上であるか否かを判別し(#10)、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度以上である場合には、低火力にて標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)加熱作動させる低火力加熱処理を実行する(#11)。
【0088】
#8にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度以下でないと判別した場合、及び、#10にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度以上でないと判別した場合には、#6の処理に移行することになり、同様に、#11の低加熱処理を実行した際にも、#6の処理に移行することになる。
【0089】
#6にて、第1調理時間が経過していると判別した場合には、低火力にて標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を加熱作動させる低火力加熱処理を実行し(#12)、次に、被調理物を表裏反転させることを促す裏返し報知の処理を実行する(#13)。
ちなみに、
図7のフローチャートにおいては記載を省略するが、第1調理運転用残時間が30秒以下になると、その時点で、被調理物を裏返す準備を促す準備報知の処理が実行されて、被調理物を表裏反転させることを円滑に行えるように構成されている。
【0090】
調理者は、被調理物を表裏反転させると、その時点で、表裏調理スイッチ23を押し操作することになる。
従って、裏返し報知の処理(#13)を実行した後は、表裏調理スイッチ23の操作が有ったか否かを判定し(#14)、表裏調理スイッチ23の操作が無いときには、裏返し報知の処理(#13)からの経過時間が3分に達したか否かを判定する(#15)。
そして、3分が経過するまでの間に、表裏調理スイッチ23の操作がないときには、異常であるとして、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を消火する消火処理(#16)を実行して、表裏両面モードの制御作動を終了する。
【0091】
#14にて、表裏調理スイッチ23の操作が有ったと判定したときには、次に、第2調理時間が経過したか否かを判別する(#17)。
#17にて、第2調理時間が経過していないと判別したときには、次に、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)が高火力で燃焼中であるか否かを判別し(#19)、高火力でない場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度以下であるか否かを判定する(#20)。
【0092】
#20にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度以下であると判定した場合には、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる高火力加熱処理を開始する(#21)。
ちなみに、第1調理時間の高火力加熱処理における高火力と第2調理時間の高火力加熱処理における高火力とは、同じ火力でも良いが、第2調理時間の高火力を、第1調理時間の高火力よりも低い(小さな)火力にしてもよい。
【0093】
#21の高火力加熱処理を開始したのち、及び、#19にて、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)が高火力であると判定した場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度以上であるか否かを判別し(#22)、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度以上である場合には、低火力にて標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)加熱作動させる低火力加熱処理を実行する(#23)。
ちなみに、第1調理時間の低火力加熱処理における低火力と第2調理時間の低火力加熱処理における低火力とは、同じ火力でも良いが、第2調理時間の低火力を、第1調理時間の低火力よりも低い(小さな)火力にしてもよい。
【0094】
#20にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度以下でないと判別した場合、及び、#22にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度以上でないと判別した場合には、#17の処理に移行することになり、同様に、#23の低加熱処理を実行した際にも、#17の処理に移行することになる。
【0095】
#17にて、第2調理時間が経過していると判別した場合には、表裏両面モードが終了したことを報知する終了報知の処理を実行し(#18)、その後、#16の消火処理を実行して、表裏両面モードの制御作動を終了する。
【0096】
(表裏両面モードの時間管理の詳細)
表裏両面モードおける総調理時間は、上述の如く、表裏両面モードを開始する前に、表裏調理スイッチ23の操作により変更設定されることになるが、第1調理運転中の実行中においても、総調理時間を変更設定できるように構成されている。
すなわち、運転制御部Bが、第1調理運転の実行中において、表裏調理スイッチ23が押し続けられることにより、調理時間表示部28に総調理時間を表示しているときに、時間スイッチ25(時間変更設定部Uの一例)にて総調理残時間が増減変更されると、当該増減時間を上述の分配比率にて分配して第1調理時間用補正時間及び第2調理時間用補正時間を求めて、第1調理運転用残時間を第1調理時間用補正時間にて修正し、かつ、第2調理時間を第2調理時間用補正時間にて修正するように構成されている。
【0097】
例えば、総調理残時間が5分増加されると、分配比率(例えば、6:4)に基づいて、第1調理時間用補正時間として3分、第2調理時間用補正時間として2分が求められ、第1調理時間用補正時間としての3分が第1調理運転用残時間に加算され、第2調理時間用補正時間としての2分が第2調理時間に加算されることになる。
【0098】
また、本実施形態においては、運転制御部Bが、第1調理運転の実行中において、調理時間表示部28に表示されている第1調理運転用残時間が時間スイッチ25にて増減変更されると、その変更された時間にて第1調理運転用残時間を増減する第1調理運転用残時間の更新処理を行うように構成されている。
【0099】
また、運転制御部Bが、第2調理運転の実行中において、調理時間表示部28に表示されている第2調理運転用残時間が時間スイッチ25にて増減変更されると、その変更された時間にて第2調理運転用残時間を増減する第2調理運転用残時間の更新処理を実行するように構成されている。
【0100】
(表裏両面モードの時間管理の制御作動)
次に、
図8のフローチャートに基づいて、運転制御部Bの表裏両面モードにおける時間管理の制御作動を説明する。
先ず、表裏両面モードおける総調理時間を表裏調理スイッチ23の操作により変更設定する総調理時間設定の処理(#31)を、コンロ用点消火スイッチ20Aにより点火指令が指令されるまで実行し、コンロ用点消火スイッチ20Aにより点火指令が指令されたことを判別すると(#32)、調理タイマーの計時を開始し(#33)、その後、第1調理運転用残時間を表示する処理を実行する(#34)。
【0101】
#34の処理にて第1調理運転用残時間を表示するにあたり、基本的には、第1調理運転用残時間を分単位で表示することになるが、第1調理運転用残時間が30秒以内になると、第1調理運転用残時間を秒単位で表示するように構成されている。
【0102】
次に、時間スイッチ25が操作されたか否かを判別し(#35)、時間スイッチ25が操作された場合には、その操作により増減された時間に基づいて第1調理運転用残時間を更新する第1調理運転用残時間の更新処理を実行する(#36)。
【0103】
#36の第1調理運転用残時間の更新処理を実行した後、又は、#35の処理にて、時間スイッチ25が操作されていないと判別したときには、次に、表裏調理スイッチ23が押操作されているか(ON操作されているか)否かを判別し(#37)、表裏調理スイッチ23がON操作されていると判別したときには、総調理残時間を表示する処理を実行する(#38)。
【0104】
そして、総調理残時間を表示しているときに、時間スイッチ25が操作された否かを判別し(#39)、時間スイッチ25が操作された場合には、その操作された時間に基づいて総調理残時間を更新する処理を実行する(#40)。
【0105】
#40の総調理残時間の更新処理を実行した後、又は、#39の処理にて、時間スイッチ25が操作されていないと判別したときには、次に、表裏調理スイッチ23の押操作が解除されたか(OFF操作されたか)否かを判別し(#41)、表裏調理スイッチ23がOFF操作されていないときには、#38の処理に移行することになる。
【0106】
#37の処理にて、表裏調理スイッチ23がON操作されていないと判別したとき、又は、#41の処理にて、表裏調理スイッチ23がOFF操作されたと判別したときには、次に、第1調理時間が終了したか否かを判別し(#42)、第1調理時間が終了していないと判別したときには、#34の処理に移行することになる。
【0107】
#42の処理にて、第1調理時間が終了していると判別したときには、次に、第2調理運転用残時間を表示する処理を実行し(#43)、続いて、第2調理運転を開始してから3分経過するまでに表裏調理スイッチ23が操作されたか否かを判別し(#44)、第2調理運転を開始してから3分が経過しても表裏調理スイッチ23が操作されていないときには、調理時間表示部28にて各種の時間を表示しながら調理時間を管理する処理を終了する。
尚、#43の処理にて、第2調理運転用残時間を表示するにあたり、#44の処理にて表裏調理スイッチ23が操作されたと判別されるまでの間は、第2調理運転時間を減算することなく表示し、#44の処理にて表裏調理スイッチ23が操作されたと判別した後は、第2調理運転時間を時間経過に伴って減算した第2調理運転用残時間を表示することになる。
【0108】
#44にて、第2調理運転を開始してから3分が経過するまでに表裏調理スイッチ23が押操作されたと判別したときには、続いて、時間スイッチ25が操作されたか否かを判別し(#45)、時間スイッチ25が操作された場合には、その操作により増減された時間に基づいて第2調理運転用残時間を更新する第2調理運転用残時間の更新処理を実行する(#46)。
【0109】
#46の処理を実行した後、又は、#45の処理にて時間スイッチ25が操作されていないと判別したときには、第2調理時間が終了した否かを判別し(#47)、第2調理時間が終了していない場合には、#43の処理に移行し、また、第2調理時間が終了している場合には、調理時間表示部28にて各種の時間を表示しながら調理時間を管理する処理を終了する。
【0110】
(パン生地発酵焼成モードの詳細)
パンスイッチ24が最初に押し操作されると、発酵表示ランプM1が点灯し、かつ、調理時間表示部28に、パン生地を発酵(二次発酵)させる第1調理時間の基準値(例えば、40分)が表示される。
この状態において、時間スイッチ25の操作により、第1調理時間を変更し、その後、決定スイッチ26の押し操作すると、第1調理時間が決定する。
【0111】
次に、再度パンスイッチ24を押し操作すると、焼成表示ランプM2が点灯し、かつ、調理時間表示部28に、パン生地を焼成させる第2調理時間の基準値(例えば、13分)が表示される。
この状態において、時間スイッチ25の操作により、第2調理時間を変更し、その後、決定スイッチ26の押し操作すると、第2調理時間が決定する。
【0112】
第1調理時間及び第2調理時間を決定した後、グリル操作具21の操作により点火指令を指令すると、〔パン生地発酵焼成モード〕が開始されることになる。
そして、第1調理時間の実行中には、第1調理運転用残時間が表示され、また、第2調理時間の実行中においては、第2調理運転用残時間が表示される。
また、第1調理時間が終了して第2調理運転を開始する際には、「焼成を開始します」とのコメントが、音声式報知部(図示せず)にて報知され、第2調理時間が終了すると、「パンが焼き上がりました」とのコメントが、報知されるように構成されている。
【0113】
さらに、第1調理時間の実行中に、パンスイッチ24を押操作することを続けると、押操作を続けている間は、発酵表示ランプM1及び焼成表示ランプM2が点灯し、かつ、調理時間表示部28に、総調理残時間が表示される。
例えば、第1調理時間を40分、第2調理時間を13分に設定した状態で調理運転を開始し、その後、10分経過してからパンスイッチ24を押し操作すると、第1調理時間の40分から10分を減算した30分と、第2調理時間の13分とを加えた43分が、総調理残時間として表示されることになる。
【0114】
第1調理時間に対応する第1加熱条件、つまり、パン生地発酵用加熱条件として、本実施形態では、調理開始時には、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)になるまで、グリルバーナ7を初期加熱力にて加熱作動させ、その後は、グリル用調理容器GKの底部温度が設定下限温度(例えば、35℃)になるごとに設定目標温度(例えば、38℃)になるまでグリルバーナ7を設定継続加熱力にて加熱作動させる条件が設定されている(
図10参照)。
【0115】
つまり、グリルバーナ7を初期加熱力にて加熱作動させて、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)になると、グリルバーナ7を消火状態にする。その後は、グリル用調理容器GKの底部温度が設定下限温度(例えば、35℃)になると、グリルバーナ7を設定継続加熱力にて加熱作動させ、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)になると、グリルバーナ7を消火状態にすることを繰り返すことになる。
【0116】
そして、本実施形態では、初期加熱力として、グリルバーナ7の下部バーナ7Sの火力を「弱」、上部バーナ7Uの火力を「強」にする火力が設定され、また、設定継続加熱力として、グリルバーナ7の下部バーナ7Sの火力及び上部バーナ7Uの火力を「弱」にする火力が設定されている。
【0117】
第2調理時間に対応する第2加熱条件、つまり、パン生地焼成用加熱条件とし、本実施形態は、下部バーナ7Sの火力及び上部バーナ7Uの火力を「強」にする状態で、第2調理時間のうちの焼成余熱時間(例えば、2分)を除いた時間(以下、焼成時間と呼称)に亘って、グリルバーナ7を燃焼させ、その後、グリルバーナ7の燃焼を停止させた状態で、焼成余熱時間(例えば、2分)の間だけグリル庫6が保有する熱量にて余熱する条件に定められている(
図10参照)。
【0118】
(パン生地発酵焼成モードの制御作動の詳細)
次に、運転制御部Bによる〔パン生地発酵焼成モード(「発酵(二次)→焼成」)〕の制御作動を、
図9のフローチャートに基づいて説明する。
第1調理時間及び第2調理時間が設定された後、グリル用点消火スイッチ21Aにて点火指令が指令されると(#51)、調理タイマーの計時を開始し(#52)、次に、初期加熱条件にてグリルバーナ7を加熱作動させる初期加熱処理を実行する(#53)。
その後、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)以上であるか否かを判定し(#54)、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)以上になるまで、#53の初期加熱処理を継続する。
【0119】
#54にて、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)以上であると判定すると、グリルバーナ7を消火する消火処理を実行し(#55)、次に、第1調理時間が終了したか否かを判定する(#56)。
第1調理時間が終了していないと判別したときには、続いて、グリルバーナ7が燃焼中であるか否かを判別し(#57)、燃焼中でない場合には、グリル用調理容器GKの底部温度が設定下限温度(例えば、35℃)以下であるか否かを判定する(#58)。
【0120】
そして、底部温度Tsが設定下限温度(例えば、35℃)以下である場合には、続いて、グリルバーナ7を設定継続加熱力にて加熱作動させる加熱処理を実行する(#59)。
【0121】
#59の加熱処理実行したのち、及び、#57にてグリルバーナ7が燃焼中であると判定した場合には、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)以上であるか否かを判別し(#60)、底部温度Tsが設定目標温度(例えば、38℃)以上である場合には、グリルバーナ7を消火させる消火処理を実行する(#61)。
【0122】
#58にて、グリル用調理容器GKの底部温度が設定下限温度(例えば、35℃)以下でないと判別した場合、及び、#60にて、グリル用調理容器GKの底部温度が設定目標温度(例えば、38℃)以上でないと判別した場合には、#56の処理に移行することになり、同様に、#61の消火処理を実行した場合にも、#56の処理に移行することになる。
【0123】
#56にて、第1調理時間が終了した判別した場合には、「焼成を開始します」とのコメントを報知する処理を実行し(#62)、その後、下部バーナ7Sの火力及び上部バーナ7Uの火力を「強」にする状態で燃焼させる焼成用加熱処理を実行する(#63)。
次に、焼成時間が経過したか否かを判別し(#64)、焼成時間が経過していない場合には、#63の焼成用加熱処理を継続する。
【0124】
#64の処理にて、焼成時間が経過したと判別したときには、グリルバーナ7を消火する消火処理を実行し(#65)、次に、焼成余熱時間(例えば、2分)が経過したか否かを判定し(#66)、焼成余熱時間(例えば、2分)が経過したと判定したときには、「パンが焼き上がりました」とのコメントを報知する処理(#67)を実行した後に、パン生地発酵焼成モード(「発酵(二次)→焼成」)の制御作動を終了する。
【0125】
ちなみに、パン生地発酵焼成モードの時間管理の制御作動は、上記した内容、及び、上述した表裏両面モードの時間管理の制御作動を参照すれば充分に理解できるので、本実施形態では、詳細な説明を省略する。
【0126】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」の調理メニューを、コンロ用調理容器CKを用いて行う場合を例示したが、これらの調理メニューを、グリル用調理容器GKを用いて、グリルGにて行うようにしてもよい。
【0127】
(2)上記実施形態では、さかなの「強」「中」「弱」の調理メニューを、コンロ用調理容器CKを用いて行う場合を例示したが、この調理メニューは、網状体に魚を載置した状態で、コンロバーナ1又はグリルバーナ7にて加熱する形態で実施してもよい。
【0128】
(3)上記実施形態では、総調理時間表示指令部Sを、表裏調理スイッチ23及びパンスイッチ24を兼用して構成する場合を例示したが、総調理時間表示指令部Sを、専用の操作スイッチを設ける形態で構成してもよい。
【0129】
(4)上記実施形態では、時間種別表示部Tを、調理時間表示部28の外部に設けるようにしたが、調理時間表示部28が液晶表示式に構成される場合等においては、時間種別表示部Tを、調理時間表示部28の内部にて表示する形態で構成してもよい。
【0130】
(5)上記実施形態では、パン生地発酵焼成モードにおいて、第1調理時間及び第2調理時間を、時間スイッチ25を用いて変更設定する形態を例示したが、異なる時間を設定した第1調理時間及び第2調理時間の組を予め複数個設定しておき、それらの組を選択することにより、第1調理時間及び第2調理時間を変更設定する形態で実施してもよい。
【0131】
(6)上記実施形態では、パン生地発酵焼成モードの初期加熱条件や継続加熱条件における加熱形態として、上部バーナ7Uと下部バーナ7Sとの両者が燃焼される場合を例示したが、例えば、上部バーナ7Uの燃焼を停止して、下部バーナ7Sのみを燃焼させる下方側加熱形態にする等、初期加熱条件や継続加熱条件における加熱形態は種々変更できる。
【0132】
(7)上記実施形態では、表裏両面モードにおいて、第1調理運転から第2調理運転に切換えた直後においては、第2調理運転用残時間を減少させることを停止しておき、被調理物の裏返しを終了したことが、表裏調理スイッチ23の操作により指令されると、第2調理運転用残時間を減少させることを開始するように構成したが、例えば、第1調理運転から第2調理運転に切換えた後において、第2調理運転用残時間を減少させることを継続する形態で実施してもよい。
【0133】
(8)上記実施形態では、連続調理モードとして、「表裏両面モード」と「パン生地発酵焼成モード」とを備えさせる場合を例示したが、「表裏両面モード」と「パン生地発酵焼成モード」とのいずれか一つを連続調理モードとして備えさせる形態で実施してもよい。
【0134】
(9)上記実施形態では、「表裏両面モード」として、さかなの「強」「中」「弱」とメニューの「強」「中」「弱」とを備えさせる場合を例示したが、さかなの「強」「中」「弱」とメニューの「強」「中」「弱」とのいずれか一つを備える形態で実施してもよい。
【0135】
(10)上記実施形態では、表裏両面モードにおける第1調理運転の予熱時間を、設定値(例えば、1分)に定める場合を例示したが、例えば、第1調理運転を開始してからのコンロ用調理容器CKの底部温度の上昇勾配に基づいて予熱時間を推定して、その推定した予熱時間を用いて、実調理時間と第2調理時間を定めるようにする等、予熱時間を第1調理運転中に求める形態で実施してもよい。
この場合、予熱時間が求められるまでの間は、第1調理運転用残時間に代えて、総調理時間を時間表示部28に表示させることができる。
【0136】
(11)上記実施形態では、表裏両面モードにおける第1加熱条件と第2加熱条件とを異なる条件としたが、第1加熱条件と第2加熱条件とを同じ条件に設定する形態で実施してもよい。
【0137】
(12)上記実施形態では、コンロ用容器温度検出センサ1Sやグリル用容器温度検出センサ11Aとして、接触式の温度センサを設ける場合を例示したが、非接触式の温度センサを設ける形態で実施してもよい。
【0138】
(13)上記実施形態では、パン生地発酵焼成モードにおける第1加熱条件としてのパン生地発酵用加熱条件が、グリルバーナ7を点火状態と消火状態とを繰り返す状態で燃焼させる条件に定められている場合を例示したが、グリルバーナ7の下部バーナ7Sや上部バーナ7Uを、燃焼量が大きな大バーナと燃焼量が十分に小さな小バーナとを備えるように構成して、小さな加熱量が必要な場合には、燃焼量が十分に小さな小バーナを燃焼させるようにする等、グリルバーナ7の最小燃焼量が十分に小さい場合には、パン生地発酵用加熱条件を、グリルバーナ7を連続的に燃焼させる条件に定めるようにしてもよい。
【0139】
(14)上記実施形態では、加熱調理器として、グリルGを備えるガスコンロGC例示したが、加熱調理器としては、グリルGを備えないガスコンロGC、ガスコンロGCに組み込まれていない専用のガス燃焼式のグリルG、電磁誘導加熱式のコンロ等、種々の形態のものが適用できる。
【0140】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。