特許第6893463号(P6893463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6893463オプション部材の取付構造、及びそれを備えた什器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893463
(24)【登録日】2021年6月3日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】オプション部材の取付構造、及びそれを備えた什器
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/16 20060101AFI20210614BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   A61J1/16 Z
   A61M5/14 532
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-209536(P2017-209536)
(22)【出願日】2017年10月30日
(65)【公開番号】特開2019-80733(P2019-80733A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2020年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】辛島 隆
(72)【発明者】
【氏名】木曽 博紀
【審査官】 村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−220718(JP,A)
【文献】 特開平07−204078(JP,A)
【文献】 特開2006−095034(JP,A)
【文献】 特開2008−048814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/16
A61M 5/14
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体の延伸方向の一部に着脱可能に装着されるオプション部材と、
前記オプション部材及び前記支持体間に介在する介装部材と、を備え、
前記介装部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記支持体に対する前記支持体の延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記支持体に着脱可能に係止されるベース部を有し、
前記オプション部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記ベース部に対する前記延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記介装部材に着脱可能に係止される係止部を有し、
前記ベース部は、前記オプション部材のうち前記支持体と向かい合う面と、前記支持体の外面との間で、前記支持体を取り囲んで配置され、
前記介装部材は、前記オプション部材よりも摩擦係数の低い材料により形成されているオプション部材の取付構造。
【請求項2】
支持体の延伸方向の一部に着脱可能に装着されるオプション部材と、
前記オプション部材及び前記支持体間に介在する介装部材と、を備え、
前記介装部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記支持体に対する前記支持体の延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記支持体に着脱可能に係止されるベース部を有し、
前記オプション部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記ベース部に対する前記延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記介装部材に着脱可能に係止される係止部を有し、
前記ベース部は、前記オプション部材のうち前記支持体と向かい合う面と、前記支持体の外面との間で、前記支持体を取り囲んで配置され、
前記オプション部材は、前記介装部材よりも剛性が高くなっているオプション部材の取付構造。
【請求項3】
前記支持体は、前記延伸軸に直交する断面形状が矩形であり、
前記介装部材の前記ベース部は、前記ベース部が前記支持体に装着された状態において、前記支持体のうち上方を向く上面と、前記上面の両側から下方に垂下する一対の側面と、に沿って配置される請求項1又は請求項2に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項4】
前記支持体は、一対の前記側面のうちの一方の前記側面に段部を有し、
前記介装部材は、前記段部に係止される係止爪を有する請求項3に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項5】
前記段部は、前記支持体の前記延伸方向に沿って連続して形成されている請求項4に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項6】
前記介装部材は、前記ベース部及び前記係止爪を接続するとともに、前記支持体から離間する方向に弾性変形可能とされた下向片を備える請求項4又は請求項5に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項7】
前記下向片は、前記支持体よりも下方に突出している請求項6に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項8】
前記下向片は、上下方向の一部のみが前記支持体に接触している請求項6又は請求項7に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項9】
前記オプション部材及び前記介装部材の一方に、前記オプション部材及び前記介装部材の他方に向かって突出する凸部が形成され、
前記オプション部材及び前記介装部材の他方に、前記凸部が係合する凹部が形成されている請求項1から請求項8の何れか一項に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項10】
前記ベース部と前記係止部との前記延伸方向への相対移動を拘束する軸方向拘束部をさらに備える請求項1から請求項9の何れか一項に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れか一項に記載のオプション部材の取付構造を備える什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプション部材の取付構造、及びそれを備えた什器に関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設や介護施設等において、点滴用の輸液を収容した輸液パックが用いられている。
例えば特許文献1、2に開示されるように、輸液パックは、点滴スタンドに設けられたフックに吊り下げられて用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−10718号公報
【特許文献2】特開2013−17653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、医療従事者が複数の患者用に点滴を準備する際、フックを複数備えた点滴スタンドを用いることがある。この種の点滴スタンドは、水平方向に沿って延びる杆体に、複数のフックが設けられて構成されている。しかしながら、従来の点滴スタンドでは、フックが杆体に固定された構成が一般的である。そのため、輸液パックの数や種類等によっては、例えば輸液パックをフックに吊り下げる際や輸液パックの確認作業の際等の作業性が悪いという課題があった。
【0005】
本発明は、使い勝手を向上させることができるオプション部材の取付構造、及びそれを備えた什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造は、支持体の延伸方向の一部に着脱可能に装着されるオプション部材と、前記オプション部材及び前記支持体間に介在する介装部材と、を備え、前記介装部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記支持体に対する前記支持体の延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記支持体に着脱可能に係止されるベース部を有し、前記オプション部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記ベース部に対する前記延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記介装部材に着脱可能に係止される係止部を有し、前記ベース部は、前記オプション部材のうち前記支持体と向かい合う面と、前記支持体の外面との間で、前記支持体を取り囲んで配置され、前記介装部材は、前記オプション部材よりも摩擦係数の低い材料により形成されている
【0007】
この構成によれば、介装部材のベース部は、下方に向かって開放された形状を有している。これにより、介装部材は、支持体に対し、上方から着脱することができる。また、支持体にベース部を係止させた状態では、介装部材は支持体から脱落しにくい。さらに、介装部材のベース部は、支持体に対し、伸軸周りへの回転が拘束された状態で係止される。したがって、介装部材は、支持体に確実に支持される。
また、オプション部材の係止部は、下方に向かって開放された形状を有している。これにより、オプション部材は、介装部材のベース部に対し、上方から着脱することができる。また、介装部材に係止部を係止させた状態では、オプション部材は介装部材から脱落しにくい。さらに、オプション部材は、介装部材のベース部に対し、延伸軸周りへの回転が拘束された状態で係止される。したがって、オプション部材は、介装部材を介して支持体に確実に支持される。
このように、本態様では、オプション部材が支持体に着脱可能に装着されるため、支持体に対するオプション部材の取付位置や取付数を容易に変更することができる。そのため、使い勝手を向上させることができる。
しかも、本態様では、オプション部材が介装部材を介して支持体に着脱可能に装着されるため、オプション部材に求められる機能(例えば、剛性)や介装部材に求められる機能(例えば、摩擦係数)に応じて、オプション部材及び介装部材の材料や形状等を適宜設定できる。これにより、設計の自由度も向上させることができる。
この構成によれば、支持体の延伸方向におけるオプション部材及び介装部材の取付位置を調整する場合において、支持体に対して介装部材を摺動させながら、オプション部材及び介装部材の位置調整を行うことができる。すなわち、オプション部材及び介装部材を支持体に装着した状態で、支持体に対するオプション部材及び介装部材の位置を調整できる。さらに、支持体への介装部材の着脱、及び介装部材へのオプション部材の着脱を容易に行うことができる。
【0009】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造は、支持体の延伸方向の一部に着脱可能に装着されるオプション部材と、前記オプション部材及び前記支持体間に介在する介装部材と、を備え、前記介装部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記支持体に対する前記支持体の延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記支持体に着脱可能に係止されるベース部を有し、前記オプション部材は、下方に向かって開放されるとともに、前記ベース部に対する前記延伸軸周りへの回転が拘束された状態で、前記介装部材に着脱可能に係止される係止部を有し、前記ベース部は、前記オプション部材のうち前記支持体と向かい合う面と、前記支持体の外面との間で、前記支持体を取り囲んで配置され、前記オプション部材は、前記介装部材よりも剛性が高くなっている。
この構成によれば、オプション部材が介装部材に比べて剛性の高い材料により形成されているため、例えばオプション部材をフックやトレー等に利用した場合は、物品を安定して支持できる。
しかも、オプション部材が介装部材を介して支持体に装着されるので、オプション部材が剛性の高い材料により形成されている場合であっても、オプション部材の支持体に対する取付位置の変更時や、支持体に対する着脱時等において、支持体が傷つくのを抑制できる。
【0010】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記支持体は、前記延伸軸に直交する断面形状が矩形であり、前記介装部材の前記ベース部は、前記ベース部が前記支持体に装着された状態において、前記支持体のうち上方を向く上面と、前記上面の両側から下方に垂下する一対の側面と、に沿って配置されてもよい。
この構成によれば、介装部材が支持体に対する支持体の延伸軸周りの回転が拘束された状態で、支持体に装着できる。さらに、このような介装部材にフック部材を係止させることで、フック部材も、支持体に対する支持体の延伸軸周りの回転が拘束された状態で、支持体に装着できる。
【0011】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記支持体は、一対の前記側面のうちの一方の前記側面に段部を有し、前記介装部材は、前記段部に係止される係止爪を有していてもよい。
この構成によれば、介装部材の係止爪が支持体の段部に係止されることで、支持体に対するオプション部材及び介装部材の上述した延伸軸周りの回転をより確実に拘束できる。
【0012】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記段部は、前記支持体の前記延伸方向に沿って連続して形成されていてもよい。
この構成によれば、介装部材の係止爪を、段部の連続方向に沿った任意の位置に係止することができる。これにより、オプション部材及び介装部材を、支持体の延伸方向の任意の位置に装着できる。
【0013】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記介装部材は、前記ベース部及び前記係止爪を接続するとともに、前記支持体から離間する方向に弾性変形可能とされた下向片を備えていてもよい。
この構成によれば、下向片を支持体から離間する方向に弾性変形させると、係止爪と段部との係合が解除され、介装部材を支持体から容易に取り外すことができる。
【0014】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記下向片は、前記支持体よりも下方に突出していてもよい。
この構成によれば、延長片に指等を引掛けることで、下向片を支持体から離間する方向に容易に弾性変形させることができる。これにより、オプション部材及び介装部材をより簡単に支持体から取り外すことができる。
【0015】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記下向片は、上下方向の一部のみが前記支持体に接触していてもよい。
この構成によれば、下向片の全体が支持体に接触する場合に比べて、下向片と支持体との接触面積が少なくなり、介装部材と支持体との間に生じる摩擦抵抗を抑えることができる。したがって、支持体の延伸方向に沿って介装部材を容易に移動させることができ、オプション部材の取付位置の調整を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記オプション部材及び前記介装部材の一方に、前記オプション部材及び前記介装部材の他方に向かって突出する凸部が形成され、前記オプション部材及び前記介装部材の他方に、前記凸部が係合する凹部が形成されてもよい。
この構成によれば、オプション部材及び介装部材の一方に形成された凸部と、他方に形成された凹部とが互いに係合することで、介装部材に対するフック部材の上述した延伸軸周りへの回転を拘束できる。
【0017】
本発明の一態様に係るオプション部材の取付構造において、前記ベース部と前記係止部との前記延伸方向への相対移動を拘束する軸方向拘束部をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、オプション部材と介装部材とが支持体の延伸方向に相対的に位置ずれするのを抑えることができる。
【0018】
本発明の一態様に係る什器は、上記態様のオプション部材の取付構造を備える。
この構成によれば、支持体に対するオプション部材の取付位置や取付数を容易に変更することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、オプション部材の取付位置や取付数を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係るオプション部材の取付構造を備えた什器の全体構成を示す正面図である。
図2】上記什器の側面図である。
図3】本実施形態におけるオプション部材の取付構造を示す図であり、支持体の延伸軸に直交する断面図である。
図4】フック部材を示す側面図である。
図5】フック部材の正面図である。
図6】介装部材の側面図である。
図7】介装部材の背面図である。
図8】フックユニットを支持体に着脱する際の動作説明図である。
図9】本実施形態の第1変形例を示す断面図である。
図10】本実施形態の第2変形例に係るフックユニットの幅方向の中心における断面図である。
図11】本実施形態の第2変形例に係るフックユニットの幅方向の中心からずれた位置における断面図である。
図12】本実施形態の第2変形例に係る介装部材の背面図である。
図13】本実施形態の第2変形例に係るフック部材の正面図である。
図14】本実施形態の第3変形例に係るフックユニットの断面図である。
図15】本実施形態の第4変形例に係る点滴ラック部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明によるオプション部材の取付構造、及びそれを備えた什器を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0022】
図1は、本実施形態に係るオプション部材の取付構造を備えた什器10の全体構成を示す正面図である。図2は、什器10の側面図である。
図1図2に示すように、什器10は、床面F上に設けられる什器本体11と、点滴用の輸液パックが複数掛止可能な点滴ラック部15と、を備える。
【0023】
什器本体11は、上面が作業面とされた天板12と、天板12を支持する支持構造体13と、を備える。支持構造体13の下面には、複数のキャスター14が設けられている。すなわち、什器本体11は床面F上を移動可能に構成されている。
本実施形態において、天板12は、例えば平面視長方形状とされている。
【0024】
点滴ラック部15は、天板12の上面から上方に延びる支柱16と、支柱16に支持され、水平方向に直線状に延びる支持体17と、支持体17に着脱可能に設けられるフックユニット19と、を備える。なお、支持体17及びフックユニット19により、本実施形態のオプション部材の取付構造が構成されている。
【0025】
本実施形態において、支持体17は、天板12の短手方向に間隔をあけて2本設けられている。支柱16は、各支持体17のそれぞれに、天板12の長手方向に間隔をあけて2本設けられている。なお、支柱16は、支持体17を確実に支持できるのであれば、その本数や形状等について限定するものではない。
【0026】
図3は、支持体17の延伸軸Cに直交する断面図である。
各支持体17は、天板12の長手方向に直線状に延びる角管である。図3に示すように、各支持体17は、その延伸軸Cに直交する断面形状が上下方向を長手方向とする長方形状に形成されている。支持体17は、鉛直上方を向く上面17tと、上面17tの両側から鉛直下方に垂下する一対の側面17a,17bと、側面17a,17bの下端同士を結び、鉛直下方を向く下面17dと、を備える。
【0027】
フックユニット19は、フック部材20及び介装部材30が組み合わされて構成されている。フックユニット19は、支持体17の延伸方向の一部に着脱可能に装着される。これにより、支持体17には、延伸方向に沿って、複数のフックユニット19が装着可能となっている。
【0028】
図4は、フック部材20を示す側面図である。図5は、フック部材20の正面図である。
図3図5に示すように、各フック部材20は、介装部材30よりも剛性の高い材料(例えば金属材料)により形成されている。フック部材20は、係止プレート(係止部)21と、フック本体22と、を備える。
【0029】
係止プレート21は、下方に向かって開放されたJ字状に形成されている。係止プレート21は、上面部21tと、前面部21aと、後面部21bと、を一体に有する。
上面部21tは、フックユニット19が支持体17に装着された状態で支持体17の上面17tと平行に延びる。
【0030】
前面部21aは、上面部21tの第一端部(支持体17の延伸方向から見た側面視での第一端部)から下方に向かって延びる。前面部21aは、フックユニット19が支持体17に装着された状態で支持体17の側面17aと平行に延びる。前面部21aの下端21sは、フックユニット19が支持体17に装着された状態で下面17dとほぼ同じ高さに位置する。前面部21aは、その下部にフック本体22が接合されるフック支持部21dを有する。また、前面部21aは、フック支持部21dの上側に、下方から上方の上面部21tに向かって、幅方向が漸次大きくなる拡幅部21wを有している。すなわち、拡幅部21wの上部及び上面部21tは、フック支持部21dに比べて支持体17の延伸方向に沿った幅寸法が大きい。
【0031】
後面部21bは、上面部21tの第二端部から下方に向かって延びる。後面部21bは、支持体17の延伸方向に沿った幅寸法が上面部21tと同等に形成されている。すなわち、後面部21bの幅寸法は、フック支持部21dの幅寸法よりも大きい。後面部21bは、フックユニット19が支持体17に装着された状態で支持体17の側面17bと平行に延びる。後面部21bは、前面部21aよりも上下方向の長さが短い。後面部21bの下端21rは、フックユニット19が支持体17に装着された状態で支持体17の側面17bにおける上下方向の中間部に位置する。
【0032】
係止プレート21は、上面部21tに形成された凹部(軸方向拘束部)28と、後面部21bに形成された凹部(軸方向拘束部)29と、をさらに備える。これら凹部28、29は、係止プレート21を厚み方向に貫通する貫通孔によって形成してもよいし、係止プレート21の内面上で開口する有底状の窪みによって形成してもよい。
【0033】
フック本体22は、係止プレート21の前面部21a(フック支持部21d)に固定されている。フック本体22は、フック支持部21dに基端部が接合され、支持体17から離間する水平方向に延びる直線部22aと、直線部22aに連続して形成された上向きのフック部22bと、を有する。
【0034】
図3に示すように、フック部材20は、支持体17との間に、介装部材30を介在させて支持体17に装着される。
【0035】
図6は、介装部材30の側面図である。図7は、介装部材30の背面図である。
図3図6図7に示すように、介装部材30は、例えば樹脂材料等、フック部材20及び支持体17を形成する材料よりも摩擦係数が小さな材料で形成されている。介装部材30は、ベース部31と、下向片35と、を一体に有する。
【0036】
ベース部31は、下方に向かって開放されたJ字状に形成されている。ベース部31は、上面部31tと、前面部31aと、後面部31bと、を一体に有する。
上面部31tは、フックユニット19が支持体17に装着された状態で支持体17の上面17tに沿って配置される。上面部31tは、支持体17の上面17tと係止プレート21の上面部21tとの間に介在する。
【0037】
前面部31aは、上面部31tの第一端部(支持体17の延伸方向から見た側面視での第一端部)から下方に向かって延びる。前面部31aは、側面17aと係止プレート21の前面部21aとの間に介在した状態で、支持体17の側面17aに沿って配置される。前面部31aの下端は、支持体17に装着した状態で側面17aにおける上下方向の中間部に位置する。前面部31aの下端部には、支持体17の側面17a側に突出する突出部31sが形成されている。前面部31aの下部は、支持体17の延伸方向に沿った幅寸法が、フック支持部21dと同等とされている。前面部31aは、その上部に、下方から上方に向かって、支持体17の延伸方向に沿う幅寸法が漸次大きくなる拡幅部31wを有している。すなわち、拡幅部31wの上部及び上面部31tは、係止プレート21の拡幅部21wの上部及び上面部21tと、同等の幅寸法を有している。
【0038】
後面部31bは、上面部31tの第二端部から下方に向かって延びる。後面部31bは、支持体17の延伸方向に沿った幅寸法が上面部31tと同等に形成されている。後面部31bは、支持体17の側面17bと係止プレート21の後面部21bとの間に介在した状態で、側面17bに沿って配置される。後面部31bは、前面部31aよりも上下方向の長さが短い。後面部31bの下端には、下向片35との間に、支持体17の延伸方向に沿った幅寸法が上方から下方に向かって漸次小さくなる縮幅部31nが連続して形成されている。縮幅部31nは、フックユニット19が支持体17に装着された状態で、係止プレート21の後面部21bの下端21rの近傍に位置する。
【0039】
ベース部31は、上面部31tに形成された凸部(軸方向拘束部)38と、後面部31bに形成された凸部(軸方向拘束部)39と、をさらに備える。凸部38は、上面部31tから上方(係止プレート21の上面部21t側)に突出し、係止プレート21の上面部21tに形成された凹部28に係合する。凸部39は、後面部31bから後方(係止プレート21の後面部21b側)に突出し、後面部21bに形成された凹部29に係合する。凸部39は、その上部に、後面部31bから後方への突出寸法が上方から下方に向かって漸次大きくなる傾斜面39sを有している。この傾斜面39sにより、ベース部31にフック部材20の係止プレート21を装着するときに、係止プレート21の後面部21bの下端21rが凸部39を上方から下方に容易に乗り越え、凹部29に凸部39を容易に係合させることができる。
【0040】
下向片35は、ベース部31の縮幅部31nから下方に連なっている。下向片35は、フック部材20の係止プレート21よりも下方に延びている。
下向片35は、上部折曲部35aと、平行延伸部35bと、下部折曲部35cと、係止爪36と、延長片37と、を有する。
【0041】
上部折曲部35aは、縮幅部31nに対して後方(支持体17の側面17bから離間する方向)に折曲している。平行延伸部35bは、上部折曲部35aから下方に延びている。平行延伸部35bは、側面17bとの間に隙間を隔てて、側面17bと平行に延びている。下部折曲部35cは、平行延伸部35bの下端に連なっている。下部折曲部35cは、平行延伸部35bに対して前方(支持体17の側面17bに近づく方向)に折曲している。これにより、図3に示すように、下向片35は、上下方向の一部である上部35pと下部35qのみが支持体17の側面17bに接触し、上部35pと下部35qとの間の部分(上下方向の残部)は、支持体17の側面17bから離間している。
【0042】
図3図6に示すように、係止爪36は、下部折曲部35cの下端に連なっている。係止爪36は、下部折曲部35cに対して前方(支持体17の側面17a側)に突出するように折曲することで形成されている。係止爪36は、支持体17の側面17bと下面17dとがなす角部によって形成される段部18に係止される。段部18は、支持体17の延伸方向に連続している。これにより、介装部材30の係止爪36は、支持体17の延伸方向の任意の位置で、段部18に係止させることができる。
【0043】
延長片37は、係止爪36の下方に連続して形成されている。延長片37は、下端部37sが、支持体17の下面17dよりも下方に突出するように延びている。延長片37は、係止爪36から下方に向かって、ベース部31の前面部31aから漸次離間するよう湾曲して形成されている。
【0044】
図8は、フックユニット19を支持体17に着脱する際の動作説明図である。
図8に示すように、フックユニット19を支持体17に装着するには、まずフック部材20の係止プレート21の内側に、介装部材30のベース部31を取り付けておく。このとき、ベース部31の凸部38,39を、係止プレート21の凹部28,29に係合させておく。
【0045】
次いで、フックユニット19を、支持体17の上方から下方に向かって移動させることで、介装部材30のベース部31の内側に、支持体17が進入する。このとき、介装部材30の下向片35は、係止爪36が支持体17の側面17bに突き当たることで、側面17bから離間する方向に弾性変形する。
【0046】
ここで、下向片35は、フック部材20の後面部21bよりも下方に延びているので、フック部材20の後面部21bの下端21rの部分を中心として、弾性変形しやすい。さらに、介装部材30は、縮幅部31nよりも下方に位置する部分の断面積が、縮幅部31nよりも上方に位置する部分に比べて小さくなっている。そのため、下向片35は、縮幅部31nの近傍を中心として容易に弾性変形する。
【0047】
フックユニット19をさらに下方に移動させていくと、図3に示すように、係止爪36が支持体17の段部18に下方から係合し、ベース部31の上面部31tが支持体17の上面17tに突き当たる。係止爪36が段部18に係合することで、支持体17に対する介装部材30の上方移動が拘束される。フック部材20は、凹部29に介装部材30の凸部39が係合しているので、支持体17に対するフック部材20の上方移動が拘束される。また、係止爪36が段部18に係合するときには、図8に示すように弾性変形していた下向片35が前方に復元する。そのため、作業者は、その感触を手指を通して感じることができ、フック部材20の装着が完了したことを容易に認識できる。
【0048】
このようにして、フックユニット19が支持体17に装着された状態で、介装部材30のベース部31は、前面部31a、上面部31t及び後面部31bの3つの面が、支持体17の側面17a、上面17t及び側面17bに沿って配置される。したがって、ベース部31は、支持体17に対し、延伸軸C周りへの回転(図3の紙面に沿った面内での回転)が拘束された状態で係止される。
【0049】
また、フック部材20は、前面部21a、上面部21t及び後面部21bの3つの面が、介装部材30の前面部31a、上面部31t及び後面部31bに沿って配置される。さらに、係止プレート21の凹部28,29と、ベース部31の凸部38,39と、が係合している。したがって、フック部材20は、介装部材30に対し、延伸軸C周りへの回転が拘束された状態で係止される。
また、係止プレート21の凹部28,29と、ベース部31の凸部38,39とが係合することで、フック部材20と介装部材30との延伸方向への相対移動が拘束されている。
【0050】
このようにして設けられたフック部材20のフック部22bを、輸液パック100の上部に形成された孔101に挿通させることで、点滴用の輸液パック100を吊下することができる。
ここで、フック部22bは、係止プレート21との間に直線部22aが配置されている。これにより、フック部22bに吊下した輸液パック100の上部100aが、係止プレート21との間に隙間を隔てて配置される。したがって、輸液パック100をフック部22bに掛けた状態で、輸液パック100を鉛直軸周りにある程度回転させることができ、輸液パック100の表裏面に記載された情報の確認等を容易に行うことができる。
【0051】
フックユニット19を支持体17から取り外すには、介装部材30の延長片37に指を引っ掛け、延長片37を後方に押し込む。すると、下向片35が後方に弾性変形することで、係止爪36と段部18との係合が解除される。この状態で、フックユニット19を下方から上方に向かって移動させることで、フックユニット19を支持体17から取り外すことができる。
【0052】
このように、本実施形態のフックユニット19は、支持体17に着脱可能に装着されるフック部材20と、フック部材20及び支持体17間に介在する介装部材30と、を有する構成とした。
この構成によれば、介装部材30のベース部31は、下方に向かって開放された形状を有している。これにより、介装部材30は、支持体17に対し、上方から着脱することができる。また、支持体17にベース部31を係止させた状態では、介装部材30は支持体17から脱落しにくい。さらに、介装部材30のベース部31は、支持体17に対し、延伸軸C周りへの回転が拘束された状態で係止される。したがって、介装部材30は、支持体17に確実に支持される。
【0053】
本実施形態において、フック部材20の係止プレート21は、下方に向かって開放された形状を有している。これにより、フック部材20は、介装部材30のベース部31や支持体17に対し、上方から着脱することができる。また、介装部材30を介して支持体17に係止プレート21を係止させた状態では、フック部材20は支持体17から脱落しにくい。さらに、フック部材20は、介装部材30のベース部31に対し、延伸軸C周りへの回転が拘束された状態で係止される。したがって、フック部材20は、介装部材30を介して支持体17に確実に支持される。
【0054】
このように、本実施形態では、フックユニット19が支持体17に着脱可能に装着されるため、例えば輸液パック100の数や大きさ等に応じて、支持体17に対するフックユニット19の取付位置や取付数を容易に変更することができる。そのため、使い勝手を向上させることができる。
しかも、本実施形態では、フック部材20が介装部材30を介して支持体17に着脱可能に装着されるため、フック部材20に求められる機能や介装部材30に求められる機能に応じて、フック部材20及び介装部材30の材料や形状等を適宜設定できる。これにより、設計の自由度も向上させることができる。
【0055】
本実施形態では、介装部材30はフック部材20よりも摩擦係数の低い材料から形成されている。
この構成によれば、支持体17の延伸方向におけるフックユニット19の取付位置を調整する場合において、支持体17に対して介装部材30を摺動させながら、フックユニット19の位置調整を行うことができる。すなわち、フックユニット19を支持体17に装着した状態で、支持体17に対するフックユニット19の位置を調整できるので、位置調整作業の容易化を図ることができる。さらに、支持体17への介装部材30の着脱、及び介装部材30へのフック部材20の着脱を容易に行うことができる。
【0056】
本実施形態では、フック部材20が介装部材30に比べて剛性の高い材料により形成されているため、例えばフック部材20に輸液パック100を安定して吊り下げることができる。
しかも、フック部材20が介装部材30を介して支持体17に装着されるので、フックユニット19の支持体17に対する取付位置の変更時や、支持体17に対する着脱時等において、支持体17が傷つくのを抑制できる。
【0057】
本実施形態では、フックユニット19が支持体17に装着された状態において、介装部材30のベース部31が、支持体17の上面17t及び側面17a,17bに沿って配置される構成とした。
この構成によれば、介装部材30が支持体17に対する延伸軸C周りの回転が拘束された状態で、支持体17に装着できる。さらに、このような介装部材30にフック部材20を係止させることで、フック部材20も、支持体17に対する延伸軸C周りの回転が拘束された状態で、支持体17に装着できる。
【0058】
本実施形態では、介装部材30に凸部38,39が形成され、凸部38,39が係合する凹部28,29がフック部材20に形成されている構成とした。
この構成によれば、介装部材30に形成された凸部38,39と、フック部材20に形成された凹部28,29とが互いに係合することで、介装部材30に対するフック部材20の延伸軸C周りへの回転を拘束できる。
【0059】
本実施形態では、支持体17の段部18に係止される係止爪36が介装部材30に形成された構成とした。
この構成によれば、介装部材30の係止爪36が支持体17の段部18に係止されることで、支持体17に対するフックユニット19の延伸軸C周りの回転をより確実に拘束できる。
【0060】
本実施形態では、段部18が支持体17の延伸方向に沿って連続して形成されている構成とした。
この構成によれば、介装部材30の係止爪36を、段部18の連続方向に沿った任意の位置に係止することができる。これにより、フックユニット19を、支持体17の延伸方向の任意の位置に装着できる。
【0061】
本実施形態では、介装部材30がベース部31及び係止爪36を接続するとともに、支持体17から離間する方向に弾性変形可能とされた下向片35を備える構成とした。
この構成によれば、下向片35の下端部を、支持体17から離間する方向に弾性変形させると、係止爪36と段部18との係合が解除され、介装部材30を支持体17から容易に取り外すことができる。
【0062】
本実施形態では、下向片35が、支持体17よりも下方に突出する延長片37を有する構成とした。
この構成によれば、延長片37に指等を引掛けることで、下向片35を支持体17から離間する方向に容易に弾性変形させることができる。これにより、フックユニット19をより簡単に支持体17から取り外すことができる。
【0063】
本実施形態では、下向片35が、上下方向の一部のみで支持体17に接触する構成とした。
この構成によれば、下向片35の全体が支持体17に接触する場合に比べて、下向片35と支持体17との接触面積が少なくなり、介装部材30と支持体17との間に生じる摩擦抵抗を抑えることができる。したがって、支持体17の延伸方向に沿って介装部材30を容易に移動させることができ、フックユニット19の取付位置の調整を容易に行うことができる。
【0064】
本実施形態では、ベース部31と係止プレート21との、支持体17の延伸方向への相対移動を拘束する軸方向拘束部として、凹部28,29及び凸部38,39をさらに備える。
この構成によれば、フック部材20と介装部材30とが支持体17の延伸方向に相対的に位置ずれするのを抑えることができる。
【0065】
本実施形態の什器10は、上述したフックユニット19を有しているため、支持体17に対するフックユニット19の取付位置や取付数を容易に変更することが可能となる。
【0066】
(第1変形例)
次に、上記実施形態において、フック部22bと係止プレート21との間に直線部22aを備えるようにしたが、これに限らない。
図9は、本実施形態の第1変形例を示す断面図である。
例えば図9に示すように、フック部22fを、係止プレート21の前面部21aの下端から連続して形成するようにしてもよい。
【0067】
(第2変形例)
上記実施形態では下向片35に形成した係止爪36を、支持体17の側面17bと下面17dとがなす角部によって形成される段部18に係止させるようにしたが、これに限らない。
図10は、本実施形態の第2変形例に係るフックユニット19の幅方向(支持体17の延伸方向)の中心における断面図である。図11は、本実施形態の第2変形例に係るフックユニット19の幅方向の中心からずれた位置における断面図である。
図10図11に示すように、介装部材30Dは、支持体17Dの側面17bに形成されたスリット又は孔40によって形成される段部18Dに、係止爪36Dを係合させるようにしてもよい。
【0068】
図12は、本実施形態の第2変形例に係る介装部材30Dの背面図である。
図10図12に示すように、係止爪36Dは、介装部材30Dのうち、支持体17Dの側面17bに沿って下方に延びる下向片35Dの下端部に形成されている。係止爪36Dが、支持体17Dへの段部18Dに係合することで、支持体17Dに対する介装部材30Dの延伸軸C周りの回動が拘束されている。
【0069】
介装部材30Dには、下向片35Dの上端部から斜め上方に延びる延長片37Dが形成されている。延長片37Dは、指等により前後方向に操作可能に構成されている。すなわち、延長片37Dを前方に引き込むことで、下向片35Dが上面部31tを起点にして後方に弾性変形する。これにより、係止爪36Dが段部18Dから抜け、介装部材30Dの支持体17Dへの係合が解除される。
【0070】
図11図12に示すように、介装部材30Dのうち、下向片35Dの幅方向両側に位置する部分には、支持体17Dの側面17bに沿ってそれぞれ下方に延びる側片41が形成されている。各側片41には、後方に突出する凸部39Dが形成されている。
【0071】
図13は、本実施形態の第2変形例に係るフック部材20Dの正面図である。
図11図13に示すように、フック部材20Dの係止プレート21Dは、上面部21tの幅方向両端部から、それぞれ下向片35Dに沿って下方に延びる後部片21pを有している。後部片21pには、介装部材30Dの凸部39Dが係合する凹部29Dが形成されている。
フック部材20Dは、係止プレート21Dの上面部21tに形成された凹部28に、介装部材30Dの凸部38を係合させ、後部片21pに形成された凹部29Dに、凸部39Dを係合させて、介装部材30Dに装着される。これにより、フック部材20Dは、介装部材30Dを介し、支持体17Dに対する延伸軸C周りの回動が拘束された状態で、支持体17Dに装着される。
【0072】
(第3変形例)
支持体17は、断面矩形状に限らない。
図14は、本実施形態の第3変形例に係るフックユニット19の断面図である。
例えば、図14に示すように、支持体17Bを、上下方向を長軸方向とする楕円形(あるいは長円形)としてもよい。このような支持体17Bに対し、下方に開放された介装部材30B及びフック部材(オプション部材)20Bの係止プレート(係止部)21Bを、上方から装着することで、フック部材20B及び介装部材30Bは、支持体17Bの延伸軸C周りへの回転が拘束される。
【0073】
(第4変形例)
支持体17は、水平方向に沿って直線状に延びるようにしたが、これに限らない。
図15は、本実施形態のさらに第4変形例に係る点滴ラック部15の平面図である。
例えば、図15に示すように、支持体17Cを円環状とし、フック部材20を、支持体17Cが連続する延伸方向(周方向)の一部に着脱可能に装着するようにしてもよい。
【0074】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば上記実施形態では、介装部材30に凸部38,39が形成され、フック部材20に凹部28,29が形成されるようにしたが、これに限らない。介装部材30側に凹部を形成し、フック部材20側に凸部を形成するようにしてもよい。
【0075】
上記実施形態では、介装部材30に下向片35を備えるようにしたが、フック部材20を支持体17に装着した後に、支持体17から取り外すことを想定しないのであれば、下向片35を省略してもよい。
【0076】
段部18を支持体17の延伸方向に延伸させず、支持体17の延伸方向に沿って間欠的に設けてもよい。これにより、間欠的に設けられた段部の位置にのみ、フック部材20を設けることもできる。
【0077】
上記実施形態及び変形例では、フック部材20,20Bに、点滴用の輸液パック100を吊下するようにしたが、フック部材20,20Bに吊下する物品については、何ら限定するものではない。
加えて、オプション部材としては、フック部材20,20Bに限らず、例えば、物品を載置できるトレーや、物品を収容できる各種形状の容器等であってもよい。
【0078】
さらに、什器10の什器本体11は、その構成や用途は、いかなるものとしてもよい。例えば、什器本体11を床面F上で走行移動可能なカート装置等としてもよい。
また、支持体17は、移動可能な什器本体11に限らず、床面F上に移動不能に設けられる棚やパーティション等の什器本体や、室内の壁面に設けるようにしても良い。
【0079】
上述した実施形態では、介装部材30がフック部材20,20Bよりも摩擦係数の低い材料により形成された場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、フック部材よりも摩擦抵抗の高い材料により介装部材を形成してもよい。この場合には、支持体に対する介装部材の延伸方向での位置ずれを抑制できる。その他、介装部材の材料は、介装部材に要求される機能に応じて適宜変更が可能である。
【0080】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 什器
17,17B,17C,17D 支持体
17a 側面
17b 側面
17t 上面
18,18D 段部
20,20B フック部材(オプション部材)
21 係止プレート(係止部)
28 凹部(軸方向拘束部)
29,29D 凹部(軸方向拘束部)
30,30B,30D 介装部材
31 ベース部
35,35D 下向片
36,36D 係止爪
38 凸部
39 凸部
C 延伸軸
F 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15