特許第6893566号(P6893566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6893566側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893566
(24)【登録日】2021年6月3日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20210614BHJP
【FI】
   A45D40/00 H
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-571283(P2019-571283)
(86)(22)【出願日】2018年6月20日
(65)【公表番号】特表2020-524582(P2020-524582A)
(43)【公表日】2020年8月20日
(86)【国際出願番号】KR2018006949
(87)【国際公開番号】WO2019009537
(87)【国際公開日】20190110
【審査請求日】2019年12月23日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0084112
(32)【優先日】2017年7月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517230666
【氏名又は名称】パムテク コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PUM−TECH KOREA CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ド フン
【審査官】 田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0067561(KR,A)
【文献】 中国実用新案第203399789(CN,U)
【文献】 特表2008−539921(JP,A)
【文献】 特表2007−521900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にスティック状化粧料が内蔵されて、前記スティック状化粧料について、引き出しまたは引き込みを行わせる容器本体と、前記容器本体を開閉する容器蓋とからなるスティック状化粧料容器において、
前記容器蓋の側面に設置される側面ボタンと、
前記容器蓋の内側に設置されて移動し、容器本体の上部が挿入され、円筒状の締結部が形成された移動部材と、
前記側面ボタンによって移動され、前記締結部が貫通される締結部貫通穴が形成された作動部材と、
前記容器蓋の内側に、固定されて設置される固定部材と、
前記移動部材を弾力支持する弾性部材とを含み、
前記固定部材には、弾力支持部が形成されて、作動部材を弾力支持し、
前記移動部材の締結部には、リングの形態の第1締結突条が形成され、
作動部材の締結部貫通穴には、前記第1締結突条と結合される第2締結突条が形成され、前記側面ボタンの押圧によって、作動部材の締結部貫通穴が容器蓋の中心部へと水平に移動するのに伴って、作動部材と移動部材との間の締結が解除され
前記固定部材の弾力支持部は、固定部材の上端から曲面の形態に曲がり下側へと延長形成された第1弾性片と、前記第1弾性片から曲面の形態に曲がり上側へと延長形成された第2弾性片とで構成され、
前記の第1弾性片と第2弾性片との間には、弾性空間が形成されることを特徴とする、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器。
【請求項2】
前記容器蓋は、容器本体の全体を包み込むようにして結合されることを特徴とする、請求項1に記載の側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器。
【請求項3】
前記固定部材には離脱制限突起が形成されて、移動部材が容器蓋から離脱されることを制限することを特徴とする、請求項1に記載の側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器。
【請求項4】
前記固定部材の離脱制限突起同士の間には、弾性スリットが形成されることを特徴とする、請求項に記載の側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器。
【請求項5】
前記側面ボタンを押圧することによって、作動部材と移動部材との間の締結が解除されると、前記移動部材が、弾性部材によって弾力的に下側へと移動されるとともに、前記移動部材の内側に挿入された容器本体が、容器蓋の下側へと引き出され、また、引き戻されることを特徴とする、請求項1に記載の側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器に関し、さらに詳細には、(1)内部にスティック状化粧料が内蔵された容器本体と、(2)前記容器本体を開閉する容器蓋とで構成されており、(3)前記容器蓋の側面に側面ボタンを設置し、(4)前記容器蓋の内側に、弾性部材によって弾力的に上下移動されて締結部が形成された移動部材と、(5)前記移動部材が容器蓋から離脱されることを制限する固定部材と、(6)前記側面ボタンによって前後移動されることで移動部材の締結部と締結されるか締結解除される作動部材とを形成しているので、前記側面ボタンを押して作動部材を容器蓋の中心部に移動させると、前記の作動部材と移動部材の間の締結が解除されて、前記移動部材が弾力的に下側へと移動されることで、移動部材の内側に挿入されている容器本体を、容器蓋の下側へと突き出させて引き抜く構造なので、容器本体が容器蓋から引き出されて、引き込まれる構造が単純で生産性が向上し、使用が便利な側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、女性は、自身の外見をさらに美しく装うために多様な化粧品を使用するのであり、前記化粧品のうち、色調化粧品は、容姿を美しく変化させて肌を美しく演出させる目的で使用される。
【0003】
このような色調化粧品は、肌の色を均一にして欠点をカバーするために使用されるベースメイクアップと、唇、目、爪など部分的に立体感を高めるポイントメイクアップとに区分されるが、前記ベースメイクアップには、メイクアップベース、ファンデーション、パウダーなどがあり、ポイントメイクアップには、口紅、アイライナー、マスカラなどがある。
【0004】
女性の色調化粧に必要な多様な化粧品のうち、前記口紅は、唇を保護してさらに引き立たせるように化粧するためのものであり、従来の口紅は、多様な色感を有する化粧料組成物がスティック状に製造されて、口紅化粧品容器の内側で昇降作動されることで、引き出しまたは挿入される。
【0005】
即ち、上記のような従来の一般的な口紅化粧品容器の構成は、一般的に、(1)化粧品容器の外形を維持するケースと、(2)該ケースの内部にネジ式で設置されてケースの回転作動によってネジ山に沿って昇降作動されてスティック状化粧品が装着される口紅ホルダーと、(3)前記ケースと口紅ホルダーとの間に設置されることで、その一部が外側に露出するように設置され、前記口紅ホルダーの上下移動を案内するとともに化粧品を保護する保護管と、(4)前記ケースの上部に締結されて保護管を安全に固定する締結キャップと、(5)前記ケースを開閉するオーバーキャップなどで構成されている。
【0006】
しかし、上記従来の口紅化粧品容器におけるオーバーキャップがケースと弱く締結されている場合、前記オーバーキャップが、携帯中にケースから容易に離脱されることで紛失するという問題点があり、オーバーキャップがケースと強く締結される場合、相対的に力の弱い女性が、前記ケースからオーバーキャップを容易に分離することができずに使用が不便であるという問題点があった。
【0007】
上記のような問題点を解決するために、図1のように韓国登録実用新案第20−0459451号に口紅容器が開示されたのであり、前記従来の口紅容器は、(1)容器本体部と、(2)前記容器本体部に結合された口紅ホルダーと、(3)キャップ底面部と前記キャップ底面部から延長形成された円状管形態のキャップ側面部でもって、前記口紅ホルダーに結合された口紅を囲むように前記容器本体部に結合された容器キャップとを有する口紅容器に関し、ワンタッチ構造によって前記容器キャップが容器本体部から離脱されることを防止する構造である。
【0008】
即ち、上記従来の口紅容器のワンタッチ構造をより詳細に考察すると、容器本体部をキャップ底面部に向けて押圧する時に前記キャップ底面部に向けて移動することができるように容器キャップの内部に設置された円状管形態の直線運動作動管と、前記直線運動作動管が前記キャップ底面部に向けて移動する時、前記直線運動作動管を元の位置に復帰させるための復帰弾性力を蓄積するように前記容器キャップの内部に設置されたバネと、前記容器本体部を前記キャップ底面部に向けて押圧する動作に連動して前記バネに蓄積された復帰弾性力が前記直線運動作動管に伝達されることを遮断して前記直線運動作動管が元の位置に復帰することを阻止する復帰阻止動作と、前記バネに蓄積された復帰弾性力が前記直線運動作動管に伝達されることを許容して前記復帰阻止動作を解除する復帰阻止解除動作を交互に遂行する復帰選択部を含む。
【0009】
しかし、前記従来技術は、口紅容器を外部に出没または容器本体部内部に挿入させるために容器キャップに直線運動管と、バネ及び復帰選択部が設置され、前記復帰選択部が上向き運動案内傾斜面と、案内溝、係止爪、上向き補助案内傾斜面、軸連結部、及び回転運動作動体などで構成されており構造が複雑で、これにより生産性が劣るという問題点があった。
【0010】
このような問題点を解決するために、図2のように韓国公開特許10−2017−0067561号に口紅容器の組立体が開示された。
【0011】
上記従来の口紅容器組立体は、補助蓋内側上部に主蓋が選択的に一定区間で昇降可能になるように設置され、補助蓋上部に、主蓋を弾発力によって下降するようにする操作ボタンと弾性変形操作具が設置されているので、構造が単純で、操作ボタンの簡単な押圧操作を通じて主蓋に結合された口紅収容具の下端が下側へとへと突き出し及び引き込み(出没)がなされるようにして、口紅収容具を主蓋から選択的に分離して使用することができるようにした構造である。
【0012】
しかし、前記従来技術は主蓋の係止フックと弾性変形操作具の係止突起が一方の面にだけ形成されており、主蓋と弾性変形操作具とを互いに組み付ける際に、前記係止フックと係止突起とが対向するようにしなければならず、このためには、補助蓋に形成された昇降ガイド突起が、主蓋に形成された昇降ガイド溝に挿入されるように組み付けなければならないという不便があった。
【0013】
また、上記従来技術は、操作ボタンの押圧によって弾性変形操作具の弾性変形リングの形態が変形することで、前記弾性変形操作具と主蓋との間の締結が解除される構造であるため、長時間使用する場合、前記弾性変形操作具が破損したり、弾性変形操作具が変形して、前記弾性変形操作具と主蓋の作動が円滑に行われないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであり、(1)内部にスティック状化粧料が内蔵された容器本体と、(2)前記容器本体を開閉する容器蓋とで構成され、(3)前記容器蓋の側面に側面ボタンを設置し、(4)前記容器蓋の内側に弾性部材によって弾力的に上下移動されて締結部が形成された移動部材と、(5)前記移動部材が容器蓋から離脱されることを制限する固定部材と、(6)前記ボタンによって前後移動されながら移動部材の締結部と締結されるか締結解除される作動部材とを形成しているので、前記側面ボタンを押して作動部材を容器蓋の中心部に移動させると、前記作動部材と移動部材との間の締結が解除されて、前記移動部材が弾力的に下側へと移動されることで、移動部材の内側に挿入されている容器本体を、容器蓋の下側へと突き出させて引き抜く構造であるので、容器本体が容器蓋から引き出されて、引き込まれる構造が単純で、生産性が向上し、使用が便利な、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器を提供することに目的がある。
【0015】
また、容器蓋の内側に上下移動可能に設置される移動部材の上部に、円筒の形態の締結部を突出形成し、作動部材の中央に、前記締結部が貫通される締結部貫通穴を形成し、前記締結部の外周面に第1締結突条を形成し、前記締結部貫通穴に第2締結突条を形成して、互いに結合されるようにすることで、スティック状化粧料容器を組み立てた際に、移動部材と作動部材とが、第1及び2締結突条の結合の方向と関係なく、互に組み付けられることから組立工程が簡便になり、これにより生産性が増大する、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器を提供することに目的がある。
【0016】
また、容器蓋の内側に固定されて設置される固定部材に、作動部材を前後移動可能に結合し、前記固定部材に弾力支持部を形成して、作動部材が前記弾力支持部によって弾力的に水平に移動されるようにすることで、前記作動部材は、長期間使用されても形態が変形したり破損せずに円滑に作動するようにした、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、内部にスティック状化粧料が内蔵されて前記スティック状化粧料を引き出しまたは引込させる容器本体と、前記容器本体を開閉する容器蓋からなるスティック状化粧料容器において、
前記容器蓋の側面に設置される側面ボタンと、
前記容器蓋の内側に設置されて移動し、容器本体の上部が挿入され、円筒状の締結部が形成された移動部材と、
前記側面ボタンによって移動され、前記締結部が貫通される締結部貫通穴が形成された作動部材と、
前記容器蓋の内側に、固定されて設置される固定部材と、
前記移動部材を弾力支持する弾性部材とを含み、
前記固定部材には、弾力支持部が形成されて、作動部材を弾力支持し、
前記移動部材の締結部には、リングの形態の第1締結突条が形成され、作動部材の締結部貫通穴には前記第1締結突条と結合される第2締結突条が形成され、前記側面ボタンの押圧によって、作動部材の締結部貫通穴が容器蓋の中心部へと水平に移動するのに伴って、作動部材と移動部材との間の締結が解除されることを特徴とする、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器を提供する。
【0018】
また、前記容器蓋は、容器本体の全体を包み込むようにして結合されることを特徴とする。
【0019】
また、前記固定部材の弾力支持部は、固定部材の上端から曲面の形態に曲がり下側へと延長形成された第1弾性片と、前記第1弾性片から曲面の形態に曲がり上側へと延長形成された第2弾性片とで構成され、前記第1弾性片と第2弾性片との間には、弾性空間が形成されることを特徴とする。
【0020】
また、前記固定部材には離脱制限突起が形成されて、移動部材が容器蓋から離脱されることを制限することを特徴とする。
【0021】
また、前記固定部材の離脱制限突起同士の間には、弾性スリットが形成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記側面ボタンを押圧することによって、作動部材と移動部材との間の締結が解除されると、前記移動部材が弾性部材によって弾力的に下側へと移動されるとともに、前記移動部材の内側に挿入された容器本体が容器蓋の下側へと引き出され、また、引き戻されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器は、(1)内部にスティック状化粧料が内蔵された容器本体と、(2)前記容器本体を開閉する容器蓋とで構成されており、(3)前記容器蓋の側面に側面ボタンを設置し、(4)前記容器蓋の内側に、弾性部材によって弾力的に上下移動されて締結部が形成された移動部材と、(5)前記移動部材が容器蓋から離脱されることを制限する固定部材と、(6)前記ボタンによって前後移動されることで移動部材の締結部と締結されるか締結解除される作動部材とを形成しているので、前記側面ボタンを押して作動部材を容器蓋の中心部へと移動させると、前記の作動部材と移動部材との締結が解除されて、前記移動部材が弾力的に下側へと移動されることで、移動部材の内側に挿入されている容器本体を、容器蓋の下側へと突き出させて引き抜く構造なので、容器本体が容器蓋から引き出されて、引き込まれる構造が単純で生産性が向上し、使用が便利であるという効果がある。
【0024】
また、容器蓋の内側に上下移動可能に設置される移動部材の上部に、円筒の形態の締結部を突出形成し、作動部材の中央に、前記締結部が貫通される締結部貫通穴を形成し、前記締結部の外周面に第1締結突条を形成し、前記締結部貫通穴に第2締結突条を形成して、互いに結合されるようにすることで、スティック状化粧料容器を組み立てた際に移動部材と作動部材とが、第1及び2締結突条の結合方向と関係なく互いに組み付けられて、組立工程が簡便になり、これにより生産性が増大するという効果がある。
【0025】
また、容器蓋の内側に固定されて設置される固定部材に、作動部材を前後移動可能に結合し、前記固定部材に弾力支持部を形成して、作動部材が前記弾力支持部によって、弾力的に水平に移動されるようにすることで、前記作動部材が長期間使用されても、形態が変形したり破損せずに円滑に作動するようにするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来の離脱防止構造を有する口紅容器である。
図2】従来の口紅容器の組立体である。
図3】本発明に係るスティック状化粧料容器の斜視図である。
図4】本発明に係るスティック状化粧料容器の分解斜視図である。
図5】本発明に係るスティック状化粧料容器の断面図である。
図6】本発明に係るスティック状化粧料容器の側面ボタンを押圧する状態を示す断面図である。
図7】本発明に係るスティック状化粧料容器の容器本体を容器蓋から分離する状態を示す断面図である。
図8】本発明に係るスティック状化粧料容器の容器本体からスティック状化粧料を引出させる状態を示す断面図である。
図9】本発明に係るスティック状化粧料容器の容器本体を容器蓋に結合する状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明と本発明の実施によって達成される技術的課題は、次で説明する好ましい実施例によって明確になる。以下、添付の図面を参照して本発明に係る側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器の一実施例を詳細に考察すると次の通りである。
【0028】
図3は本発明に係るスティック状化粧料容器の斜視図であり、図4は本発明に係るスティック状化粧料容器の分解斜視図であり、図5は本発明に係るスティック状化粧料容器の断面図である。
【0029】
本発明の一実施例に係る側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器は、(1)内部にスティック状化粧料Sが内蔵されて、前記スティック状化粧料Sを、引き出しまたは引き込みさせる容器本体10と、(2)前記容器本体10を開閉する容器蓋20とからなるスティック状化粧料容器において、(3)前記容器蓋20の側面に設置される側面ボタン30と、(4)前記容器蓋20の内側に設置されて上下移動され、容器本体10の上部が挿入され、締結部42が形成された移動部材40と、(5)前記側面ボタン30によって、移動部材40の締結部42との間で締結または締結解除される作動部材50と、(6)前記移動部材40を弾力支持する弾性部材60とを含む。
【0030】
前記容器本体10は、回転によって、内部に内蔵されたスティック状化粧料Sを、外部に引き出すか、または容器本体10の内側に引き込ませる。
【0031】
前記容器本体10は、図4のように、化粧料皿11と、案内管12と、回転管13と、回転キャップ14と、回転連結部材15と、保護管16と、エンドキャップ17とで構成される。
【0032】
前記容器本体10の化粧料皿11は、案内管12の内側で昇降するのであり、前記化粧料皿11の上部にはスティック状化粧料Sが取り付けられ、下部の外周面には昇降突起11aが形成される。
【0033】
前記容器本体10の案内管12は、化粧料皿11の外側に設置されて、化粧料皿11の垂直移動を案内し、前記案内管12の下部には、垂直移動穴12aが形成されて前記化粧料皿11の昇降突起11aが貫通される。
【0034】
前記容器本体10の回転管13は、案内管12の下部の外側に設置され、回転しながら化粧料皿11を上部に押し上げるのであり、前記回転管13の内周面には、回転螺旋溝13aが形成されて化粧料皿11の昇降突起11aが挿入され、外周面には固定穴13bが形成されて回転連結部材15が固定結合される。
【0035】
前記容器本体10の回転キャップ14は、回転管13の外側に設置されるのであり、前記回転キャップ14の内周面には、第1固定鋸歯14aが形成される。
【0036】
前記容器本体10の回転連結部材15は、回転キャップ14の内側に設置されて回転キャップ14によって回転されるとともに回転管13を回転させる。前記回転連結部材15の外周面には、第2固定鋸歯15aが形成されて、回転キャップ14の第1固定鋸歯14aと固定結合されるのであり、前記第2固定鋸歯15aの下側には、固定部15bが形成されて、回転管13の固定穴13bに挿入される。
【0037】
前記容器本体10の保護管16は、案内管12の上部を包み込むとともに、案内管12と回転キャップ14との間に結合される。
【0038】
前記容器本体10のエンドキャップ17は、回転管13の下部の中央に結合されて、前記回転管13の下部に異物が流入しないように密閉させる。
【0039】
即ち、図5のように、前記化粧料皿11の昇降突起11aは、案内管12の垂直移動穴12aを貫通するとともに、回転管13の回転螺旋溝13aに挿入されており、前記回転管13は、回転連結部材15によって回転キャップ14と固定結合され、前記回転管13の回転によって化粧料皿11が昇降するのであり、これに伴い、スティック状化粧料Sが、外部に引き出されるか、容器本体10の内部に引き込まれる。
【0040】
前記容器蓋20は、容器本体10を開閉するにあたり、図5のように、容器本体10の全体を包み込むようにして結合される。したがって、本発明に係るスティック状化粧料容器の使用前には、前記容器本体10が容器蓋20の内側に隠れているが、使用時には、前記容器本体10について、容器蓋20の下側への突き出し及び引き戻し(出没)が行われる。
【0041】
前記容器蓋20の外周面には、図4のように、側面ボタン30が貫通されるボタン貫通穴22が形成されており、容器蓋20の上端には、仕上げカバー板24が結合される。
【0042】
前記容器蓋20の側面には側面ボタン30が設置され、内側には、移動部材40と、作動部材50と、弾性部材60と、固定部材70とが設置される。
【0043】
前記側面ボタン30は、容器蓋20のボタン貫通穴22を貫通するように設置され、使用者の押圧によって前後に移動される。
【0044】
前記側面ボタン30には、押圧面32が形成されて容器蓋20の外側に露出し、前記押圧面32の対向側には、結合突起34が形成されて作動部材50と結合される。
【0045】
前記移動部材40は、容器蓋20の内側に、上下移動可能に設置される。
【0046】
前記移動部材40は、下側が開放された形態であり、図5のように、容器本体10と容器蓋20とが結合した際、前記移動部材40の内側に、容器本体10が挿入される。
【0047】
前記移動部材40には、作動部材50との締結または締結解除がなされる締結部42が、上側に突出形成される。
【0048】
前記締結部42は円筒状であり、前記締結部42の外周面には、リングの形態の第1締結突条42aが外側に突出形成される。
【0049】
前記移動部材40の下部の外周面には、弾性部材60が着座される第1段部49が形成される。
【0050】
前記作動部材50は、移動部材40の上部側に設置されて、前記側面ボタン30によって前後に移動される際に、移動部材40の締結部42との締結または締結解除がなされる。
【0051】
前記作動部材50の中央には、締結部貫通穴52が形成されて、前記移動部材40の締結部42が貫通されており、前記締結部貫通穴52における外側の部分には、図5のように、第2締結突条52aが、内側へと突出形成されて、移動部材40の第1締結突条42aとアンダーカット結合される。
【0052】
前記作動部材50の第2締結突条52aは、図4のように弾力密着部56と隣接した締結部貫通穴52の外側に、一定区間にわたって形成されうるのであり、また、前記作動部材50の第2締結突条52aは、締結部貫通穴52の外側部分に、リングの形態で形成されることもありうる。
【0053】
前記作動部材50の一側には、側面ボタン30の結合突起34が挿入される結合凹部54が形成され、他側には、固定部材70の弾力支持部72に密着される弾力密着部56が形成される。
【0054】
前記作動部材50の側面には、図4のように、各々第1水平案内突起58aが形成される。
【0055】
前記固定部材70は、容器蓋20の内側に固定されて設置される。前記固定部材70は、移動部材40が、一定区間以上移動されることを制限するとともに、作動部材50の水平移動を案内するようになる。
【0056】
前記固定部材70の上部には、弾力支持部72が形成されて、作動部材50を水平に弾力支持するが、前記弾力支持部72には、作動部材50の弾力密着部56が密着される。
【0057】
前記固定部材70の弾力支持部72は、図5のように、固定部材70の上端から曲面の形態に曲がり下側へと延長形成された第1弾性片72aと、前記第1弾性片72aから曲面の形態に曲がり上側へと延長形成された第2弾性片72bとで構成されており、前記第1弾性片72aと第2弾性片72bとの間には、弾性空間72cが形成される。
【0058】
即ち、使用者によって側面ボタン30が押されると、前記側面ボタン30と結合された作動部材50も、ともに押されることとなり、この際に、前記作動部材50の弾力密着部56が、弾力支持部72の第2弾性片72bを後方に押して、前記第2弾性片72bが弾性空間72cへと撓(たわ)み込むこととなるのであり、前記側面ボタン30の押圧が解除されると、前記第2弾性片72bが、元の形態に復元される際に、作動部材50の弾力密着部56を前方に押して、前記作動部材50と結合された側面ボタン30も、ともに前方に押し出すこととなる。
【0059】
前記固定部材70の下部の内周面には、離脱制限突起74が形成されて、移動部材40が容器蓋20から離脱されることを制限するようになる。
【0060】
図4のように、前記固定部材70の離脱制限突起74同士の間には、弾性スリット76が形成されるのであり、前記弾性スリット76は、移動部材40と固定部材70とを互いに組み付ける際に、前記移動部材40が固定部材70の下側に容易に挿入されるようにするためのものである。
【0061】
前記固定部材70の上部の外周面には、作動部材50が結合される作動部材挿入穴78が形成される。
【0062】
前記固定部材70の作動部材挿入穴78の内側には、第2水平案内突起78aが形成されるのであり、前記第2水平案内突起78aの上面に、作動部材50の第1水平案内突起58aが着座されて、前記作動部材50が、固定部材70の内側にて水平に移動することができるようになる。
【0063】
前記弾性部材60は、移動部材40を垂直に弾力支持する。前記弾性部材60の一方の端部は、移動部材40の第1段部49に密着され、他方の端部は、固定部材70の内周面に形成された第2段部79に密着される。
【0064】
上記で考察したように、本発明に係る側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器は、上記のような構成の相互作用を通じて、容器蓋20からの容器本体10の突き出し及び引き戻し(出没)を行わせることとなる。
【0065】
即ち、使用者が側面ボタン30を押圧するのに伴い、作動部材50が容器蓋20の中心部へと移動されて行くこととなり、この際に、前記作動部材50と移動部材40との間の締結が解除されて、前記移動部材40が弾性部材60によって弾力的に下側へと移動することとなるのであり、これと同時に前記移動部材40の内側に挿入された容器本体10が、容器蓋20の下側への突き出し及び引き戻し(出没)が行われることとなる。
【0066】
上記のように構成された、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器の組立方法を、添付の図面を参照して説明すると、次の通りである。
【0067】
本発明の一実施例に係る側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器を組み立てるために、まず、図4図5のように、容器本体10を組み立てる。
【0068】
前記容器本体10の組立過程を詳細に考察すると、化粧料皿11の上側にスティック状化粧料Sを取り付け、前記化粧料皿11を案内管12の内側に結合するのであり、前記化粧料皿11の昇降突起11aを、案内管12の垂直移動穴12aに貫通させる。
【0069】
次に、回転管13の上部に、回転連結部材15を固定させて結合するが、前記回転管13の固定穴13bに、回転連結部材15の固定部15bが挿入されるようにする。
【0070】
次に、前記回転管13を案内管12の下側に結合するのであり、前記案内管12の垂直移動穴12aの外側に突出された昇降突起11aが、回転管13の回転螺旋溝13aに挿入されるようにする。
【0071】
次に、前記案内管12の上側に保護管16を結合し、前記回転管13及び回転連結部材15の外側に回転キャップ14を結合するのであり、前記回転キャップ14の第1固定鋸歯14aと、回転連結部材15の第2固定鋸歯15aとが噛み合って固定されるようにする。
【0072】
次に、前記回転管13の下部の中央に、エンドキャップ17を結合する。
【0073】
その後、前記容器本体10を開閉する容器蓋20を組み付ける。
【0074】
前記容器蓋20の組立過程を詳細に考察すると、固定部材70の作動部材挿入穴78に作動部材50を水平に組み付けるのであり、前記作動部材50の第1水平案内突起58aが、固定部材70の第2水平案内突起78aの上面に着座されるようにし、作動部材50の弾力密着部56が、固定部材70の弾力支持部72に密着されるようにする。
【0075】
次に、前記固定部材70の下側に、弾性部材60が外側に被せられた移動部材40を挿入するのであり、この際、固定部材70の弾性スリット76が外側へと広がりながら前記の移動部材40及び弾性部材60が挿入される。
【0076】
前記移動部材40を固定部材70の内側の端まで挿入すると、前記移動部材40の締結部42が、作動部材50の締結部貫通穴52を貫通することで、前記移動部材40の第1締結突条42aと、作動部材50の第2締結突条52aとがアンダーカット結合される。
【0077】
次に、上記のように組み立てられた固定部材70を容器蓋20の内側に結合した後、前記容器蓋20のボタン貫通穴22に、側面ボタン30を設置することで、前記側面ボタン30の結合突起34が、作動部材50の結合凹部54に挿入されるようにする。
【0078】
次に、前記容器蓋20の上端に、仕上げカバー板24を結合する。
【0079】
最後に、上記のように組み立てられた容器蓋20の内側に、容器本体10を結合することで、本発明の一実施例に係る、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器の組立を完了する。
【0080】
上記のように組み立てられた、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器の使用方法を、添付の図面を参照して説明すると次の通りである。
【0081】
図6は、本発明に係るスティック状化粧料容器における側面ボタンを押圧する様子を示す断面図であり、図7は、本発明に係るスティック状化粧料容器における容器本体を容器蓋から分離する様子を示す断面図であり、図8は、本発明に係るスティック状化粧料容器における容器本体からスティック状化粧料を引き出す様子を示す断面図であり、図9は、本発明に係るスティック状化粧料容器における容器本体を容器蓋に結合する様子を示す断面図である。
【0082】
本発明の一実施例に係る側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器を使用するためには、まず図6のように、容器蓋20の外側に形成された側面ボタン30を押して、前記容器蓋20からの、容器本体10の突き出し及び引き戻し(出没)を行わせる。
【0083】
前記側面ボタン30を押圧するならば、前記側面ボタン30と結合された作動部材50も、ともに押されることとなり、この際、前記作動部材50の弾力密着部56が、弾力支持部72の第2弾性片72bを後方に押して、前記第2弾性片72bが、弾性空間72cへと撓(たわ)み込むこととなるのであり、これにより、前記作動部材50が、容器蓋20の中心部へと移動することとなる。
【0084】
この時、前記作動部材50の第2締結突条52aと、移動部材40の第1締結突条42aとの間の締結が解除されることで、前記移動部材40が、弾性部材60の弾性によって弾力的に下側へと移動することとなるのであり、これと同時に、前記移動部材40の内側に挿入された容器本体10が、容器蓋20の下側へと突き出され、また、引き戻される(出没される)。
【0085】
その後、前記側面ボタン30の押圧が解除されると、前記第2弾性片72bが、元の形態に復元されるとともに、作動部材50の弾力密着部56を前方に押すことで、前記作動部材50が前方へと移動されるのであり、これにより、前記作動部材50と結合された側面ボタン30が、元の位置に戻る。
【0086】
その後、図7のように、前記容器本体10を容器蓋20から分離する。
【0087】
その後、前記容器本体10に内蔵されたスティック状化粧料Sを引き出して、化粧を行うこととなる。図8のように、片手で保護管16をつかんで、もう一方の手で回転キャップ14を回転させると、回転キャップ14とともに、回転連結部材15、及び回転管13が回転されるのに対し、保護管16と案内管12とは固定されており、この際、前記化粧料皿11の昇降突起11aが回転管13の回転螺旋溝13aによって押し上げられるとともに、固定された案内管12の垂直移動穴12aに沿って上側に移動されて、前記化粧料皿11に取り付けられたスティック状化粧料Sが、保護管16の上側に引き出される。
【0088】
化粧が終わった後には、容器本体10の回転キャップ14を反対方向に回転させて、化粧料皿11に取り付けられたスティック状化粧料Sが、保護管16の内側に引込まれるようにする。
【0089】
最後に、前記容器本体10を容器蓋20の内側に結合させるが、図9のように、容器本体10を容器蓋20に押し込むと、前記容器本体10の上端が、移動部材40を上側に押し上げることとなり、前記容器本体10を容器蓋20に、最後まで押し込むと、前記移動部材40の締結部42が、作動部材50の締結部貫通穴52を貫通するので、この際に、前記移動部材40の第1締結突条42aと、作動部材50の第2締結突条52aとがアンダーカット結合されて、容器本体10と容器蓋20とが締結される。
【0090】
これにより、本発明の一実施例に係る、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器の使用を完了する。
【0091】
以上、本発明で説明したことは、側面ボタンが備えられたスティック状化粧料容器を実施するための一つの実施例に過ぎず、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。添付の請求の範囲で請求するように、本発明の要旨を逸脱せずに、当該発明が属する分野にて通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変更実施が可能であるという範囲まで、本発明の範囲に属するものと、みなされなければならないであろう。
【符号の説明】
【0092】
10 容器本体
11 化粧料皿
12 案内管
13 回転管
14 回転キャップ
15 回転連結部材
16 保護管
17 エンドキャップ
20 容器蓋
24 仕上げカバー板
30 側面ボタン
40 移動部材
42 締結部
50 作動部材
52 締結部貫通穴
56 弾力密着部
60 弾性部材
70 固定部材
72 弾力支持部
74 離脱制限突起
S スティック状化粧料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9