(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893567
(24)【登録日】2021年6月3日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのプラント
(51)【国際特許分類】
G21F 9/28 20060101AFI20210614BHJP
G21F 9/06 20060101ALI20210614BHJP
G21F 9/00 20060101ALI20210614BHJP
G21F 9/02 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
G21F9/28 571E
G21F9/06 G
G21F9/00 Z
G21F9/28 571F
G21F9/28 571J
G21F9/28 522A
G21F9/02 541B
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-572451(P2019-572451)
(86)(22)【出願日】2018年8月28日
(65)【公表番号】特表2020-530897(P2020-530897A)
(43)【公表日】2020年10月29日
(86)【国際出願番号】RU2018000565
(87)【国際公開番号】WO2019216786
(87)【国際公開日】20191114
【審査請求日】2020年2月14日
(31)【優先権主張番号】2018117551
(32)【優先日】2018年5月11日
(33)【優先権主張国】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】518312460
【氏名又は名称】ジョイント ストック カンパニー“ロスエネルゴアトム”
(73)【特許権者】
【識別番号】517423567
【氏名又は名称】ジョイント ストック カンパニー“サイエンス アンド イノヴェーションズ”
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャーロフ アレクサンドル ニキートヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】シェフチェンコ ボリス ニコラヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ネウポコエフ ミハイル アレクゼーヴィッチ
【審査官】
中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−035897(JP,A)
【文献】
特開平11−202093(JP,A)
【文献】
特開2013−003137(JP,A)
【文献】
特表2014−502348(JP,A)
【文献】
米国特許第05262019(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01074515(EP,A1)
【文献】
国際公開第2005/050668(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/28
G21F 9/00
G21F 9/02
G21F 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラントであって、
遮断弁を備えたパイプと、
遮断弁を備え、換気モジュールへの換気チャネルにより、接続される金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのユニットを含む放射性廃棄物処理モジュールと、
汚染除去液の受け入れモジュールとの間で汚染除去液を供給及び排出するのためのパイプを備え、
前記プラントは、
少なくとも一つのポンプを備え、汚染除去液の供給及び排出のためのパイプに接続された汚染除去液準備モジュールと、
金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのユニットと、
汚染除去液の受け入れモジュールとを備え、
汚染除去液の受け入れモジュールは、洗浄と汚染除去液のpH補正のための装置を備え、
金属放射性廃棄物の電気化学除染のための前記ユニット、前記汚染除去液の受け入れモジュール、及び、前記汚染除去液準備モジュールには、pH測定エレメントが装備されており、
汚染除去液の前記受け入れモジュールは、
イオン選択フィルターを備え、汚染除去液供給および排出用のパイプに接続された汚染除去液処理容器、
遮断弁を備え、アルカリ性物質を供給するパイプ、
電離放射線パワーを監視する監視装置、
混合装置、
前記汚染除去液処理容器の下部に位置する沈殿物排出装置、
前記汚染除去液処理容器の内部に位置する汚染除去液レベル監視装置を備え、
各装置は、前記汚染除去液処理容器に接続されており、
汚染除去液準備モジュールは、
水と酸性物質の供給パイプに接続された汚染除去液準備容器、
遮断弁を備えた汚染除去液の供給と排出用のパイプ、
汚染除去液準備容器に接続された混合装置及び
前記汚染除去液準備容器内に設置された汚染除去液レベル監視装置を備え、
汚染除去液の供給と排出のためのパイプは、
前記汚染除去液準備モジュールから、金属放射性廃棄物の電気化学除染用ユニット及び汚染除去液の前記受け入れモジュールへ、
金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニットから汚染除去液の前記受け入れモジュールへ、
汚染除去液の前記受け入れモジュールから、金属放射性廃棄物の電気化学除染ユニットへ、
汚染除去液を移送するように設計されている
ことを特徴とする金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラント。
【請求項2】
金属放射性廃棄物の前記電気化学除染ユニットは、
下部に円錐形部分を備えた円筒形作業容器と、
前記作業容器内に設けられ、金属放射性廃棄物処理要素用のバスケットと、
前記作業容器に接続され、遮断弁を備えた、高圧給水パイプと汚染除去液の供給と排出のためのパイプ、
溶液、
DC電源、
カソード回路に従って接続された負出力、
アノード回路に従って、金属放射性廃棄物処理エレメントのための前記バスケットに接続された正出力、
前記作業容器に接続された混合装置、
前記作業容器の下部に位置する沈殿物排出ユニット、
電離放射線パワーの監視装置、
温度監視装置及び
汚染除去液レベル監視装置を備え、各装置は、前記作業容器に接続されている
請求項1に記載の金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラント。
【請求項3】
前記換気モジュールは、前記換気モジュールに設置された換気ダクト、水分離器、及び水素後燃焼装置を含む
請求項1に記載の金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラント。
【請求項4】
前記放射性廃棄物処理モジュールは、
遮断弁を備えた脱脂溶液供給パイプ、高圧水、蒸気及び空気供給パイプに接続された金属放射性廃棄物脱脂用の容器を備えた金属放射性廃棄物脱脂ユニット、
pH測定装置及び
金属放射性廃棄物脱脂用の容器に接続された沈殿物排出装置を備える
請求項1に記載の金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラント。
【請求項5】
前記放射性廃棄物処理モジュールは、
遮断弁を備えた酸性物質供給パイプ、高圧水及び空気供給パイプに接続され、金属放射性廃棄物の非金属コーティングのコンテナエッチングを行う金属放射性廃棄物の非金属コーティング用エッチングユニット、
pH測定装置及び
金属放射性廃棄物の非金属コーティングのエッチング用の容器に接続された沈殿物排出装置を備える
請求項1に記載の金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラント。
【請求項6】
前記放射性廃棄物処理モジュールは、
遮断弁を備えた高圧給水パイプにより、金属放射性廃棄物の電気化学除染ユニット、金属放射性廃棄物脱脂ユニット及び金属放射性廃棄物の非金属コーティング用エッチングユニットに接続された洗浄ユニットを備える
請求項1、4、5のいずれかに記載の金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラント。
【請求項7】
前記汚染除去液準備モジュール、前記汚染除去液の前記受け入れモジュール、金属放射性廃棄物脱脂ユニット及び金属放射性廃棄物の非金属コーティングのためのエッチングユニットは、換気ダクトにより換気モジュールに接続されている
請求項1、4、5のいずれかに記載の金属放射性廃棄物の電気化学除染のためのプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物の放射能汚染を除去するための装置、すなわち金属性放射性廃棄物の電気化学的除染のためのプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ウラン−グラファイト原子炉の上部経路のホルダーの電気化学的除染のための装置(発明番号2096845のロシア特許)が知られている。この装置は、給水管、電解液を充填した槽中に置かれDC電源に接続された陰極、DC電源に接続され処理される金属放射性廃棄物に接続された陽極を含む。
【0003】
既知の設備の欠点は、RBMK1000及び1500タイプのチャネル反応器の構造要素のみを不活性化する可能性を制限することに加えて、プロセスの自動化の欠如及び汚染除去液の特定の準備の必要性、電気化学的除染のプロセスにおける汚染除去液の追加の品質管理の必要性、使用済み汚染除去液のさらなる回収の必要性、そのリサイクルまたは廃棄、ならびに槽または装置自体の排気換気の必要性である。
【0004】
プロトタイプとして選択された最も近い技術的解決策は、金属表面の電気化学的除染のための装置である(実用新案第127237号ロシア連邦特許)。この装置は、交換可能な電極と、汚染除去される表面と接触し、固定された導電性材料の束と、電解液分配室と、廃電解液回収室と、ガス回収室とを備える。各室には、少なくとも一つのノズルが装備され、電極は、電解質分配室に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ロシア連邦発明2096845号
【特許文献2】ロシア連邦実用新案127237号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このプラントでは、等しい電圧で電極上により高い電流密度を実現できるという事実にもかかわらず、この装置の不利な点は、準備された汚染除去液を設備に提供する必要性、電気化学的汚染除去プロセス中の汚染除去液の品質を管理する必要性、及び使用済み汚染除去液をさらに処理または処分する必要性である。
【0007】
本発明の課題は、プラントの機能を拡張し、汚染除去液の使用効率を高めることである。
【0008】
特許請求の範囲に記載された発明によって達成される技術的結果は、汚染除去液の処理速度を上げそして再使用のためのその品質を改善しながら、再使用のための適応処理汚染除去ソリューションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この技術的成果は、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのプラントが、遮断弁を備えたパイプ、換気チャネルにより換気モジュールに接続された、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニットを含む放射性廃棄物処理モジュール、及び、遮断弁を備えた汚染除去液供給及び排出用のパイプを含むという事実により達成されるということである。特許請求の範囲に記載の解決策によれば、プラントには、少なくとも1つのポンプを備えた汚染除去液供給及び排出用のパイプに接続された汚染除去液準備モジュールと、金属放射性廃棄物の電気化学除染用ユニット及び汚染除去液の受け入れモジュールが装備されている。汚染除去液の受け入れモジュールには汚染除去液の洗浄及びpH補正のための装置が装備され、金属放射性廃棄物の電気化学除染ユニット、汚染除去液の受け入れモジュール及び汚染除去液準備モジュールにはpH測定要素が装備されている。
【0010】
ここで、金属放射性廃棄物の電気化学汚染除去ユニットは、下部円錐形部分を有する円筒形の作業容器、作業容器の内側に設置され、金属放射性廃棄物の要素用のバスケットと、高圧給水パイプ、作業容器に接続され、遮断弁を備えた汚染除去液供給及び排出のためのパイプ、DC電源、陰極回路に従って接続される負出力、金属放射性廃棄物の要素用のバスケットとともに、陽極回路に従って接続される正出力、作業容器に接続する混合装置、作業容器の下部に位置し、沈殿物を放出する装置、電離放射線パワーを監視する装置、温度監視装置及び作業容器に接続される汚染除去液レベル監視装置を含むことができる。
【0011】
また、汚染除去液の受け入れモジュールは、イオン選択フィルターを備え、汚染除去液供給及び排出のためのパイプに接続された汚染除去液処理用容器、遮断弁を備えたアルカリ性物質供給パイプ、電離放射線パワーを監視するための装置、混合装置、汚染除去液処理容器の下部に位置する沈殿排出装置、及び、汚染除去液処理容器の内部に位置する汚染除去液レベル監視装置を含むとしてもよい。これらは、汚染除去液処理用容器に接続されている。
【0012】
汚染除去液準備モジュールは、水及び酸性物質を供給するパイプに接続された汚染除去液準備容器、遮断弁を備えた汚染除去液供給及び排出パイプ、汚染除去液準備容器に接続された混合装置、汚染除去液準備容器の内部に設置された汚染除去液レベル監視装置を含むとしてもよい。
【0013】
主に、換気モジュールは、換気ダクトと、その中に設置された水分離器及び水素後燃焼装置とを含む。
【0014】
放射性廃棄物処理モジュールは、容器に備えられ、脱脂液供給パイプに接続された金属放射性廃棄物を脱脂するための金属放射性廃棄物脱脂ユニット、遮断弁を備え、高圧水、蒸気及び空気を供給するパイプ、pHを測定するための装置及び金属性放射性廃棄物を脱脂するための容器に接続する沈殿物を排出する装置を含むとしてもよい。
【0015】
さらに、放射性廃棄物処理モジュールは、酸性物質供給パイプに接続され、金属性放射性廃棄物を非金属コーティングするエッチングのための、金属性放射性廃棄物の非金属コーティング用のエッチングユニット、遮断弁を備える高圧水及び空気を供給するためのパイプ、pH測定装置及び金属放射性廃棄物の非金属コーティングをエッチングするための容器に接続された沈殿を含むとしてもよい。
【0016】
また、放射性廃棄物処理モジュールは、遮断弁を備えた高圧給水パイプに接続された洗浄ユニット、金属放射性廃棄物の電気化学除染ユニット、金属放射性廃棄物脱脂ユニット及び金属放射性廃棄物の非金属コーティングのためのエッチングユニットを含むとしてもよい。
【0017】
さらに、汚染除去液準備モジュール、汚染除去液の受け入れモジュール、金属放射性廃棄物脱脂ユニット及び金属放射性廃棄物の非金属コーティング用エッチングユニットは、換気ダクトによって換気モジュールに接続してもよい。
【0018】
汚染除去液の供給と排出用のパイプは、汚染除去液を、汚染除去液準備モジュールから金属放射性廃棄物の電気化学除染用ユニット及び汚染除去液の受け入れモジュールに、金属放射性廃棄物の電気化学除染用ユニットから汚染除去液の受け入れモジュールに、汚染除去液の受け入れモジュールから、金属放射性廃棄物の電気化学的除染ユニットに、移送するように設計してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、本発明を説明する図面によって説明される。
【
図1】
図1は、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のプラントの空気圧−水圧図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
クレームされた技術的解決策は、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのプラントであり、以下に説明する特定の設計によって説明される。しかし、以下に示す例だけが可能というわけではない。本明細書は、クレームされた技術的成果の本質的な特徴のセットを達成する可能性を明確に示す。
【0021】
金属放射性廃棄物の電気化学的除染プラントは、換気ダクト2により換気モジュール3と接続された金属放射性廃棄物の電気化学的除染ユニットを含む放射性廃棄物処理モジュール1を含む。金属放射性廃棄物の電気化学的除染プラントは、さらに、バルブ、タップ、ゲートバルブ、ダンパーバルブである遮断弁が装備されたパイプを含む。さらに、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニットは、遮断弁を備えた汚染除去液供給及び排出用のパイプ4によって、汚染除去液を受け入れるためのモジュール5に、接続されている。
【0022】
金属放射性廃棄物の電気化学除染プラントには、汚染除去液の供給と排出用のパイプ4によって金属放射性廃棄物の電気化学除染用ユニットと汚染除去液の受け入れモジュール5に接続された汚染除去液準備モジュール6も装備されている。汚染除去液供給及び排出用のパイプ4にはポンプ7が装備されている。汚染除去液の受け入れのためのモジュール5には、イオン選択フィルター8の形で作られた汚染除去液洗浄装置及びアルカリ性物質供給パイプ9を含むpH調整装置が装備されている。
【0023】
加えて、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニット、汚染除去液の受け入れのためのモジュール5、及び汚染除去液準備モジュール6は、pH測定要素(図示せず)を備えている。
【0024】
金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニットは、上述したように、下部円錐部11を備えた円筒形作業容器10、作業容器内に設置された金属放射性廃棄物処理要素(図示せず)用のバスケット(図示せず)、遮断弁を備えた高圧給水パイプ12、作業容器10に接続された汚染除去液供給及び排出用のパイプ4を含んでいる。
【0025】
電気化学的不活性化の目的のために、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニットにはDC電源13が備えられ、その負出力は、カソード回路に従って接続され、正出力は、アノード回路に従って金属放射性廃棄物処理要素用のバスケットに接続される。さらに、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニットは、それに接続された円筒形作業容器10に圧縮空気を供給する作業容器10の混合装置14、及び、作業容器の下部に位置する沈殿物排出装置15を含む。汚染除去液の状態を監視するために、金属放射性廃棄物の電気化学除染ユニットには、電離放射線パワー監視装置(図には示されていない)、温度監視装置(図には示されていない)及び汚染除去液レベル監視装置(図には示されていません)が備えられ、これらの装置は、作業容器10に接続される。
【0026】
本実施形態において、汚染除去液受け入れのためのモジュール5は、イオン選択フィルター8を備えた汚染除去液の供給及び排出のためのパイプ4に接続された汚染除去液処理容器16、遮断弁部を備えたアルカリ性物質供給パイプ9、電離放射線パワー監視装置(図示せず)、それに接続された汚染除去液処理容器16に圧縮空気を供給する混合装置17、汚染除去液処理容器16の下部に設けられた沈殿物排出装置18、汚染除去液処理容器16の内部に設けられた汚染除去液レベル監視装置(図示せず)を含み、これは、汚染除去液処理容器16に接続されている。
【0027】
汚染除去液準備モジュール6は、遮断弁を備えた給水パイプ20に接続された汚染除去液準備容器19、遮断弁を備えた酸性物質供給パイプ21、汚染除去液の供給及び排出のためのパイプ4、汚染除去液準備容器19に接続され、接続された汚染除去液準備容器19に圧縮空気を供給する汚染除去液準備容器19の混合装置22、及び汚染除去液準備容器19の内部に設置された汚染除去液レベル監視装置(図示せず)を含む。
【0028】
換気モジュール3は、換気ダクト2、水分離器23及び水素後燃焼装置24を含み、換気ダクト2、水分離器23及び水素後燃焼装置24は、換気モジュール3に設置されている。
【0029】
放射性廃棄物処理モジュール1は、遮断弁を備えた脱脂液供給パイプ(図示せず)に接続された金属放射性廃棄物脱脂用容器25、遮断弁を備えた高圧給水パイプ12、遮断弁を備えた蒸気供給パイプ26、遮断弁を備えた空気供給パイプ27、pH測定装置(図示せず)及び沈殿物排出装置28を備える金属放射性廃棄物脱脂ユニットを含む。これらは、金属放射性廃棄物脱脂用の容器25に接続されている。
【0030】
また、放射性廃棄物処理モジュール1は、遮断弁を備えた酸性物質供給パイプ(図示せず)に接続され、容器29に含まれ、金属放射性廃棄物の非金属コーティングのエッチングのための金属放射性廃棄物の非金属コーティングユニット、遮断弁を備えた高圧給水パイプ12、遮断弁を備えた空気供給パイプ30、pH測定装置(図示せず)及び沈殿物排出装置31を備える。これらは、金属放射性廃棄物の非金属コーティングのエッチング用の容器29に接続される。
【0031】
放射性廃棄物処理モジュール1は、遮断弁を備えた高圧給水パイプ12により金属放射性廃棄物の電気化学除染用ユニットに接続された洗浄ユニット、金属放射性廃棄物脱脂ユニット、金属放射性廃棄物の金属コーティングのためのエッチングユニットを含む。
【0032】
汚染除去液準備モジュール6、汚染除去液受け入れのためのモジュール5、金属放射性廃棄物脱脂ユニット及び金属放射性廃棄物の非金属コーティング用のエッチングユニットは、換気ダクト2によって換気モジュール3に接続されている。
【0033】
汚染除去液の供給及び排出用のパイプ4は、汚染除去液を、汚染除去液準備モジュール7から金属放射性廃棄物の電気化学汚染除去ユニット及び汚染除去液受け取りのための用モジュール5に、移送するように設計されている。さらに、汚染除去液の供給及び排出用のパイプ4は、汚染除去液を金属放射性廃棄物の電気化学除染用ユニットから汚染除去液の受け入れ及び戻し用のモジュール5に移送するように設計されている。
【0034】
金属放射性廃棄物の電気化学除染プラントは、次のように機能する。
【0035】
計算された量の水は、給水パイプ20を介してモジュール6の汚染除去液準備容器19に供給される。次に、酸性物質(例えば硝酸)がパイプ21を介して供給される一方、これらの物質の供給レベルは、汚染除去液レベル監視装置によって監視される。この後、溶液は、混合装置22によって供給される圧縮空気と混合(泡立て)され、同時に測定要素を使用して、結果として生じる溶液のpHレベルを監視する。汚染除去液準備容器19からのバブリングと同時に、空気は換気モジュール3の換気ダクト2によって除去される。準備された汚染除去液は、モジュール1の金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのユニットの作業容器10へ、汚染除去液の供給及び排出のためのパイプ4を介して、ポンプ7によって供給される。金属放射性廃棄物の要素は、作業容器10のバスケットに予め設置されている。
【0036】
要素に非金属堆積物(汚染物)の金属放射性廃棄物が存在する場合、指定された要素は、以下に説明する化学脱脂及びエッチングに事前にさらされます。
【0037】
汚染除去液レベル監視装置によって監視される計算レベルまで汚染除去液を作業容器10に充填した後、陰極回路に従って負の出力が接続され、そして陽極出力に従って、金属放射性廃棄物処理要素のためのバスケットに正の出力が接続されるスキームに従ってDC電源13を使用して電流が供給される。作業容器10に汚染除去液を充填すると同時に、溶液は、混合装置14により供給される圧縮空気(泡)により混合される。汚染除去プロセス中、溶液pHレベル、温度及び電離放射線のパワーは 測定要素を使用して監視される。水素及び水蒸気を含む空気は、モジュール3の換気チャネル2によって、水分離器37及び水素後燃焼装置38を介して除去される。
【0038】
汚染除去プロセスが完了した後、汚染除去液は、汚染除去液の供給及び排出のためのパイプ4を介してポンプ7によってイオン選択フィルター8を介してモジュール5の汚染除去液処理容器16に完全に排出される。
【0039】
同時に、汚染除去液の供給と排出のためにパイプ4に設置されたイオン選択フィルター8は、無機選択的吸着剤相に沈殿させることにより、Cz137、Co60放射性核種(技術起源の同位体)から容器10から流れる汚染された使用済み汚染除去液(電解質)を洗浄するように設計されている。
【0040】
フィルター8の吸収能力が使い果たされるまでの稼働時間と、組織化された長期保管場所への輸送のための輸送及び技術的稼働は、特定の施設への技術及びデザインの開発中に決定される。本体の設計能力に合わせたフィルター8の空洞への無機選択吸着剤の充填は、使用場所で行われる。プロジェクトの吸着剤には、放射性核種Cz137及びCo60に対する選択的能力がある。
【0041】
容器10から汚染除去液を排出した後、金属放射性廃棄物の処理(不活性化)要素は、高圧給水パイプ12を使用して流体力学的処理にかけられるが、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのプラントに高圧給水パイプ12がない場合、この処理は、容器10の外部で行うことができる。作業容器10内に残っている沈殿物は、作業容器10の円錐部11に配置された沈殿物排出装置15を使用して排出される。
【0042】
汚染除去液の受け入れモジュール5は、硝酸を含む汚染された使用済み汚染除去液を水酸化ナトリウムとカルシウムで中和するように設計されている。溶液のpHと電離放射線パワーは、モジュール5の汚染除去液処理容器16の測定要素を使用して監視される。混合装置17により供給される圧縮空気による溶液の同時混合(バブリング)により、得られた測定値に基づいて、水酸化ナトリウムと水酸化カルシウムがアルカリ性物質供給パイプ9を使用して容器16に供給される。次に、溶液のpH及び電離放射線のパワーが繰り返し監視される。得られたデータに基づいて、使用済み汚染除去液を再処理するか、電気化学除染ユニットの作業容器10に供給される精製汚染除去液の準備ができているかについての決定がなされる。
【0043】
容器16は、遮断弁18を開いた後にスラッジに沈殿させることにより、腐食グループの放射性核種の残留物から洗浄される。容器16内の使用済み汚染除去液の洗浄中、空気は、換気モジュール3の換気ダクト2により除去される。
【0044】
汚染除去液レベル監視装置を使用してレベルが監視される容器16内の精製された汚染除去液が不足している場合、以前に準備された汚染除去液は、汚染除去液の受け入れのためのモジュール5の容器16内の汚染除去液の供給及び排出のためのパイプ4を介して、ポンプ7により汚染除去液が供給されることにより、モジュール6の汚染除去液準備容器19から補充される。
【0045】
準備された計算量の浄化された汚染除去液は、汚染除去液の受け入れのためのモジュール5の容器16から、モジュール1の金属放射性廃棄物の電気化学汚染除去ユニットの作業容器10への汚染除去液供給及び排出用パイプ25を介してポンプ7を使用して供給される。同時に、その除染を繰り返す必要がある場合、または金属放射性廃棄物の新しい処理済み処理済み要素が存在する場合、金属放射性廃棄物の同じ処理済み要素が作業容器10のバスケットに導入され、除染手順は上記のように繰り返されます。
【0046】
上述のように、要素上に非金属堆積物(汚染物)の金属放射性廃棄物が存在する場合(汚染)、電気化学除染の前に、化学脱脂及びエッチングが実行される。
【0047】
脱脂のために、金属放射性廃棄物の処理された要素は、放射性廃棄物処理モジュール1の金属放射性廃棄物脱脂ユニットの容器25に導入される。次に、高アルカリ脱脂溶液、特にソーダ灰、そして、加熱蒸気は、脱脂液供給パイプ(図示せず)及び蒸気供給パイプ26を介して容器25に供給される。同時に、圧縮空気が容器25に供給され、上記物質を混合する。これにより、空気供給パイプ27による金属放射性廃棄物の処理された要素の表面の効果的な脱脂が保証される。脱脂プロセスの後、金属放射性廃棄物の処理された要素の表面は、高圧給水パイプ12を使用して、流体力学的処理にさらされる。一方、この処理は、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのプラントに高圧給水パイプ12が存在しない場合、容器25の外側で実行することができる。脱脂中、空気は、換気モジュール3の換気ダクト2によって容器25から除去される。
【0048】
流体力学的処理の後、主に非金属堆積物(汚染物)からなる堆積物は、装置28によって容器25から除去される。
【0049】
流体力学的処理の後、金属放射性廃棄物の要素は、放射性廃棄物処理モジュール1の金属放射性廃棄物の非金属コーティングのためのエッチングユニットの容器29に導入される。次に、酸性物質、主に硫酸または塩酸またはリン酸が、酸性物質供給パイプを介して容器29に供給される。同時に、酸性物質を混合するために加圧空気が容器29に供給され、これにより、空気供給パイプ30による要素の表面の効果的なエッチングが保証される。エッチングプロセスの後、金属放射性廃棄物の処理された要素の表面は、高圧給水パイプ12を使用して流体力学的処理を受ける。一方、この処理は、金属放射性廃棄物の電気化学的除染のためのプラントに高圧給水パイプ12がなくても、容器29の外部で実行できる。エッチング中、空気は、換気モジュール3の換気ダクト2によって容器29から除去される。
【0050】
流体力学的処理の後、主に非金属堆積物(汚染物)からなる堆積物は、装置31によって容器29から除去される。