【実施例】
【0027】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
【0028】
[実施例1]
各々濃度約100μg/mLのギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸の、濃度0.03mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1mL、濃度2mol/LのpH7リン酸緩衝液0.1mL、濃度0.1mol/Lの臭化テトラヘキシルアンモニウムのトルエン溶液1mL、及び、臭化ペンタフルオロベンジル0.25mmolをガラス容器に入れ、100℃で加熱撹拌した。相分離している水溶液を除去した後、濃度2mol/Lの過塩素酸水溶液1mLを加え、振盪した。相分離しているトルエン溶液を取り出し、ガスクロマトグラフィーで測定した。
【0029】
(ガスクロマトグラフィー条件)
装置本体:6890(アジレント・テクノロジー社製)
注入口:スプリット/スプリットレス注入口(アジレント・テクノロジー社製)
温度250℃、スプリットモード、スプリット比1/20、注入量1μL
カラム:DB−WAX(アジレント・テクノロジー社製)
内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm、流量2mL/分(一定)
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)(アジレント・テクノロジー社製)
温度250℃
オーブン:初期温度50℃(1分保持)、昇温20℃/分、終期温度250℃(1分保持)
キャリアガス:ヘリウム。
【0030】
[実施例2]
実施例1における過塩素酸の代りに硫酸を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0031】
[実施例3]
実施例1における過塩素酸の代りに1,2‐エタンジスルホン酸を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0032】
[実施例4]
各々濃度約100μg/mLのギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸の、濃度0.03mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1mL、濃度2mol/LのpH7リン酸緩衝液0.1mL、濃度0.2mol/Lの臭化テトラヘキシルアンモニウムのトルエン溶液0.5mL、及び、臭化ペンタフルオロベンジル0.25mmolをガラス容器に入れ、100℃で加熱撹拌した。ノルマルヘキサン0.5mLを加え、振盪した。相分離しているトルエン及びノルマルヘキサン混合溶液を取り出し、ガスクロマトグラフィーで測定した。ガスクロマトグラフィーの測定条件は実施例1と同様である。
【0033】
[実施例5]
各々濃度約100μg/mLのギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸の、濃度0.03mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1mL、濃度2mol/LのpH7リン酸緩衝液0.1mL、濃度0.2mol/Lの臭化テトラヘキシルアンモニウムのトルエン溶液0.5mL、及び、臭化ペンタフルオロベンジル0.25mmolをガラス容器に入れ、加熱撹拌した。ノルマルヘキサン0.5mLを加え、振盪した。相分離している水溶液を除去した後、水1mLを加え、振盪した。相分離しているトルエン及びノルマルヘキサン混合溶液を取り出し、ガスクロマトグラフィーで測定した。ガスクロマトグラフィーの測定条件は実施例1と同様である。
【0034】
[実施例6]
実施例5における水の代りに濃度2mol/Lの過塩素酸水溶液を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行った。
【0035】
[実施例7]
実施例6における過塩素酸の代りに硫酸を用いた以外は、実施例6と同様の操作を行った。
【0036】
[実施例8]
実施例6における過塩素酸の代りに1,2−エタンジスルホン酸を用いた以外は、実施例6と同様の操作を行った。
【0037】
[実施例9]
実施例5における水の代りに硫酸銀飽和水溶液を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行った。
【0038】
[比較例1]
各々濃度約100μg/mLのギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸の、濃度0.03mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1mL、濃度2mol/LのpH7リン酸緩衝液0.1mL、濃度0.1mol/Lの臭化テトラヘキシルアンモニウムのトルエン溶液1mL、及び、臭化ペンタフルオロベンジル0.25mmolをガラス容器に入れ、100℃で加熱撹拌した。相分離しているトルエン溶液を取り出し、ガスクロマトグラフィーで測定した。ガスクロマトグラフィーの測定条件は実施例1と同様である。
【0039】
[比較例2]
実施例1における濃度2mol/Lの過塩素酸水溶液の代りに水を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0040】
[比較例3]
実施例1における濃度2mol/Lの過塩素酸水溶液の代りに飽和硫酸銀水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0041】
実施例1で得られたガスクロマトグラムを
図1に、比較例1で得られたガスクロマトグラムを
図2に示す。
【0042】
ガスクロマトグラム上、比較例1の臭化テトラヘキシルアンモニウム由来である臭化アルキル及びトリアルキルアミンの合計ピーク面積を100とし、実施例1〜9並びに比較例2及び3の同化合物の合計ピーク面積を表1に示す。
【0043】
ガスクロマトグラム上、比較例1のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸の誘導体化物(カルボン酸ペンタフルオロベンジル)それぞれのピーク面積を100とし、実施例1〜9、比較例2、3の同化合物のピーク面積を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
図1及び2に示されるように、実施例1は比較例1に比べ、臭化テトラヘキシルアンモニウム由来である臭化アルキル及びトリアルキルアミンのピークが非常に小さくなっていることが分る。一方、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸の誘導体化物(カルボン酸ペンタフルオロベンジル)のピークは、実施例1は比較例1に比べ、小さくなっていないことが分る。
【0047】
表1に示されるように、実施例1〜9の臭化テトラヘキシルアンモニウム由来である臭化アルキル及びトリアルキルアミンの合計ピーク面積が、比較例1のそれに比べ70%以上減少していることが分る。比較例2及び3は比較例1に比べ、合計ピーク面積がそれぞれ15、66%減少しているが、その割合は実施例1〜9に比べ少ないことが分る。
【0048】
表2に示されるように、実施例1〜9、比較例2、3のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸の誘導体化物(カルボン酸ペンタフルオロベンジル)のピーク面積は、比較例1のそれ(100)に比べ71〜101であり、第四級アンモニウム塩除去によるカルボン酸(アルキル)の検出への影響が僅かであることが分る。