(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載のガラス板の加工装置では、研削ヘッドに対応するワークテーブルに供給保持されたガラス板の研削が終了する度に、研削ヘッドは、ワークテーブルから離れ、待機点に復帰して待機停止し、ワークテーブルからのガラス板の搬出とワークテーブルへの次のガラス板の受け取りとの完了で、ワークテーブルに向かって進行して次のガラス板の周縁に対する研削を開始するようになっている結果、ワークテーブルのガラス板の受け渡しの度に研削加工の中断が生じ、高い生産性が得られ難い。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い生産性を得ることができるガラス板の加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるガラス板の加工装置は、研削部におけるガラス板の搬送通路の側部に固定された研削ヘッドと、ガラス板の搬送方向に平行に直列配置されていると共に互いに独立して角度制御回転並びにガラス板の搬送方向に平行なX軸移動及びこれに直交したY軸移動される2基の研削ワークテーブルとを具備しており、この2基の研削ワークテーブルは、交互に研削ヘッドの対応位置に進退させられると共に進出において研削ヘッドによりガラス板に対して研削を行わせるべく研削ヘッドに対して平面座標移動されるようになっており、ガラス板を保持した一方の研削ワークテーブルが研削ヘッドによりガラス板に対して研削を行わせている間、他方の研削ワークテーブルが研削ヘッドの対応位置より後退して既に研削されたガラス板の搬出及び新たに研削されるべき次のガラス板の受け取りを行う動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続してガラス板に対しての研削を続けるようになっている。
【0009】
本発明によるガラス板の加工装置において、2基の研削ワークテーブルのうちの少なくとも一方の研削ワークテーブルは、研削ヘッドに対して平面極座標移動させられるようになっていてもよく、好ましい例では、2基の研削ワークテーブルは、研削ヘッドに対して平面極座標移動されるようになっている。
【0010】
また、本発明によるガラス板の加工装置は、研削ヘッドと、互いに独立して搬送方向に沿ったX軸移動を行うと共に互いに独立して角度制御回転をするように研削ヘッドを挟んで搬送方向の前後において配置された2基の研削ワークテーブルとを具備しており、2基の研削ワークテーブルは、交互に研削ヘッドの対応位置に進出して研削ヘッドに対して平面極座標移動を行うようになっており、ガラス板を保持した一方の研削ワークテーブルの研削ヘッドに対しての平面極座標移動による研削ヘッドでの研削中、他方の研削ワークテーブルが研削ヘッドの対応位置より後退して既に研削されたガラス板の搬出及び新たに研削されるべき次のガラス板の受け取りを行う動作を交互に繰り返し、研削ヘッドが連続してガラス板に対しての研削を続けるようになっている。
【0011】
本発明によるガラス板の加工装置においては、研削加工部において、2基のワークテーブルは、互いに独立してNC制御され、共通の1基の研削ヘッドに対して交互にNC制御による座標移動され、これにより研削加工が行われるようになっている。
【0012】
さらに、本発明によるガラス板の加工装置においては、2基のワークテーブルは、互いに相手に対して独立してNC制御されるようになっていてもよく、斯かる2基のワークテーブルによれば、当該2基のワークテーブルで異なる寸法、形状のガラス板の研削を行い得る。
【0013】
加えて、本発明によるガラス板の加工装置においては、2基のワークテーブルは、NC制御されて移動を行うようにし得るために、同じくNC制御されてガラス板を搬送するようにし得るガラス板搬送装置との共働によりワークテーブルに対してのガラス板の位置精度の高い渡しができ、ガラス板の研削の輪郭線軌跡に合わせた精確な渡しができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、一方のワークテーブルが研削ヘッドと座標移動してのガラス板の研削中、他方のワークテーブルは原点に停止して、ガラス板の受け渡しが行われ、一方のワークテーブル上のガラス板に対する研削が終われば、他方のワークテーブルが研削ヘッドへ進行して、研削ヘッドは連続して研削を行い、而して、研削ヘッドは、2基のワークテーブルのガラス板に対して交互に連続して研削を続け、研削を停止することが無いため、高い生産性を得ることができるガラス板の加工装置を提供し得る。
【0015】
また、本発明によれば、1基の研削ヘッドで、2基のワークテーブルのガラス板を研削するため、2基のワークテーブルのガラス板の研削寸法にバラツキがなく、仕上りが一定する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を図に示す具体例に基づいて説明する。本発明は、これら具体例に限定されない。
【0018】
第1具体例
図1から
図4において、本例のガラス板加工装置1は、床面3Aに設置された基台3を備えており、基台3の右端R及び左端Lには、門形状の枠柱4が立設されており、一対の枠柱4には、X軸方向に沿って直状に伸びた架台6が架設されている。
【0019】
ガラス板加工装置1は、入込み部7、スクライブ及び折割部8、研削部9並びに取出し部10を具備しており、これら入込み部7、スクライブ及び折割部8、研削部9並びに取出し部10は、右端R側から左端L側に向かって配列されて設けられており、スクライブ及び折割部8は、ガラス板2を同一位置に固定したままでガラス板2へのスクライブ線の形成とスクライブ線に沿ったガラス板2の折割分離とを行うようになっている。
【0020】
入込み部7とスクライブ及び折割部8とには、スクライブ装置5が設けられており、研削部9には、2基の研削ワークテーブル11A及び11Bと1基の研削ヘッド12とが設けられており、取出し部10には、取出しコンベア13が設けられている。
【0021】
スクライブ装置5、2基の研削ワークテーブル11A及び11B並びに取出しコンベア13は、架台6に沿って、即ちX軸方向に沿ってかつ必要な間隔をもって直列配置されており、これらスクライブ装置5、2基の研削ワークテーブル11A及び11B並びに取出しコンベア13の上方には、ガラス板搬送装置14が設けられている。
【0022】
スクライブ装置5は、ガラス板2を平面支持して搬送すると共に位置決め停止させるベルトコンベアテーブル15と、ベルトコンベアテーブル15の上面と平行なXY平面座標系移動を行うスクライブヘッド35とを具備している。
【0023】
本体フレーム21の内側にX軸方向に沿って取付けられているベルトコンベアテーブル15は、幅広の無端のコンベアベルト17と、コンベアベルト17を下面から平面支持する支持台18と、コンベアベルト17をNC制御して走行させるガラス送り制御モータ19とを具備しており、コンベアベルト17の上面のX軸方向において、中央域Cを挟んで入込み部7とスクライブ及び折割部8とが配されており、ベルトコンベアテーブル15の両側域の夫々において、本体フレーム21には、X軸方向に沿ってガイドレール22が設けられており、ガイドレール22の夫々には、スライドブロック23が移動自在に保持されており、ベルトコンベアテーブル15の上方において当該ベルトコンベアテーブル15を跨いで走行フレーム24が、その両端の夫々でブラケット25を介してスライドブロック23に架設されている。
【0024】
走行フレーム24は、両側のスライドブロック23に支持されていると共にX軸方向に直動自在にガイドレール22により案内されるようになっており、ベルトコンベアテーブル15の両側の夫々には、ガイドレール22と平行にラック20が並設されている。
【0025】
ブラケット25の夫々には、ピニオンギア27を有したピニオンギア装置26が取付けられ、ピニオンギア27の夫々は、ラック20の夫々に噛み合わされている。
【0026】
走行フレーム24には、両側に貫通してシャフト28が組付けてあり、シャフト28は、その両側部において、両側のピニオンギア装置26にプリー及びベルトを介して連結されている一方、その一方の側部において、X軸サーボモータ29に連結されている。
【0027】
X軸サーボモータ29の作動によりX軸方向に移動する、即ち、X軸移動する走行フレーム24には、X軸方向に直交するY軸方向に沿って一対のガイドレール30とガイドレール30に沿ってラック31とが並設されており、ガイドレール30にY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックにT形ブラケット32が取付けられており、T形ブラケット32は、一対のガイドレール30に案内されて当該一対のガイドレール30の夫々にY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックを介してY軸方向に直動自在になっている。
【0028】
T形ブラケット32の上面に取付けられたY軸サーボモータ33の出力回転軸には、ラック31に噛み合わされたピニオンギア34が取付けられており、T形ブラケット32は、Y軸サーボモータ33の作動によるピニオンギア34の回転とピニオンギア34のラック31への噛合いとでY軸方向に移動、即ち、Y軸移動されるようになっている。
【0029】
T形ブラケット32の正面には、カッタホイール(スクライブホイール)37を有したスクライブヘッド35と押棒(プッシャー)38を有した折割装置36とが並設されており、スクライブヘッド35と折割装置36とは、X軸サーボモータ29及びY軸サーボモータ33の作動により、一体となって、ベルトコンベアテーブル15の上面上方を平面座標移動、本例ではX軸方向及びY軸方向に移動、即ち、水平面内でのXY平面座標移動されるようになっている。
【0030】
スクライブ及び折割部8においては、予め記憶されたスクライブヘッド35に対するスクライブ形成情報に基づくNC制御で、スクライブヘッド35及び折割装置36は、一体としてXY平面座標移動され、当該XY平面座標移動で、先ず、スクライブヘッド35は、そのカッタホイール37の素板ガラス板としてのガラス板2への押圧で、当該ガラス板2にスクライブ線を形成し、スクライブ線の形成後、予め記憶された折割装置36に対する折割情報に基づくNC制御で、スクライブヘッド35及び折割装置36は、一体としてXY平面座標移動され、当該XY平面座標移動で、折割装置36は、複数のプレス必要位置でのガラス板2への順次のその押棒38でのプレス押しで、スクライブ線が形成されたガラス板2の不要域をスクライブ線に沿って折割分離し、不要域が折割分離されたガラス板(切出しガラス板)2を生成するようになっており、この生成後、不要域が折割分離されたガラス板(切出しガラス板)2の上方にガラス板搬送装置14の搬送シャトル62Aが復帰され、この復帰において、搬送シャトル62Aの吸着パット67が降下され、降下された吸着パット67は、不要域が折割分離されたガラス板2を吸着持上げ、搬送シャトル62Aは、この吸着パット67で吸着持上げたガラス板2を研削部9に向って搬送するようになっている一方、コンベアベルト17は、当該コンベアベルト17上に残存するガラス板の不要域(カレット)をコンベアベルト17の下流側に設けられたカレット収容箱(図示せず)に排出すると共に供給される新たな素板ガラス板としてのガラス板2をスクラブ及び折割部8に搬送するように、ガラス送り制御モータ19の作動により走行されるようになっている。
【0031】
2基の研削ワークテーブル11A及び11Bは、ガラス板2の搬送通路においてガラス板2の搬送方向Dに沿って、換言すれば、X軸方向に沿って間隔をもって直列に配置されており、研削ヘッド12は、搬送通路の側部に固定して配置されている。
【0032】
研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々は、上面にガラス板2を水平に吸着固定する複数の吸盤39と、これら吸盤39を吸着支持するテーブル台40と、テーブル台40を回転自在に軸受保持し、テーブル台40をNC制御された平面内での、本例では水平面内での角度制御回転させる本体装置41と、本体装置41が載置されていると共に本体装置41、延いてはテーブル台40夫々を互いに独立にY軸移動させるY軸移動手段42と、両Y軸移動手段42が載置されていると共に両Y軸移動手段42、延いてはテーブル台40の夫々を一体となってX軸移動させる、二個のテーブル台40に対して共通のX軸移動手段47とを具備している。
【0033】
研削ワークテーブル11A及び11Bにおいて、X軸移動手段47によるX軸移動において往復直動されるテーブル台40は、交互に研削ヘッド12の対応位置に進行され、研削ヘッド12の対応位置に進行されたテーブル台40は、本体装置41による角度制御回転とY軸移動手段42によるY軸移動とにより、研削ヘッド12に対して平面極座標移動を行うようになっている一方、研削ヘッド12の対応位置に進行されないで研削ヘッド12から離れて位置されたテーブル台40は、角度制御回転及びY軸移動を停止して、代わりに、直前に研削ヘッド12で研削され且つ保持したガラス板2の搬出及び新たに研削すべきガラス板2の搬入を受ける。
【0034】
Y軸移動手段42の夫々は、共通のX軸移動台50の上面にY軸方向に沿って並設された2本のガイドレール43と、これら2本のガイドレール43にY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックに架設されていると共に本体装置41が載置されたY軸移動台44と、Y軸移動台44にナットを介して連結されていると共に2本のガイドレール43の間においてX軸移動台50に回転自在に設けられた送りネジ45と、送りネジ45の一端に連結された出力回転軸を有すると共にX軸移動台50に設けられたY軸制御モータ46とを具備している。
【0035】
X軸移動手段47は、X軸方向に沿って基台3の上面に並設された2本のガイドレール48と、これら2本のガイドレール48にX軸方向に移動自在に保持されたスライドブロックに架設されているX軸移動台50と、X軸移動台50にナットを介して連結されていると共に2本のガイドレール48の間において基台3の上面に回転自在に設けられた送りネジ52と、送りネジ52の一端に連結された出力回転軸を有すると共に設けられたX軸制御モータ53とを具備している。
【0036】
ガラス板2の搬送通路の近側位置に配置されていると共にブラケット54を介して架台6に取付けられている研削ヘッド12は、ブラケット54に上下位置調整手段55を介して取付けられたスピンドルモータ56と、スピンドルモータ56の出力回転軸に装着された研削ホイール57とを具備しており、研削ホイール57に対するガラス板2の平面極座標移動は、研削ホイール57に対しテーブル台40に保持されたガラス板2がテーブル台40の軸心Oを中心とした方向Eの角度制御回転及びY軸移動されることにより行われる。
【0037】
架台6の背面61にX軸方向に沿って設けられているガラス板搬送装置14は、スクライブ装置5のスクライブ及び折割部8の上方から取出しコンベア13の上方に至って架台6の背面61に並設された2本のガイドレール63にX軸方向に移動自在に嵌合されたスライドブロック59を介してX軸方向に直動自在に保持されて当該X軸方向において往復直動を行うようになっている2基の搬送シャトル62A及び62Bを具備しており、搬送シャトル62A及び62Bの夫々は、スライドブロック59に取付けられている可動台69と、可動台69の夫々に取付けられた走行サーボモータ65A及び65Bの夫々と、可動台69の夫々に取付けられたガラス板吸着昇降装置66とを具備しており、走行サーボモータ65A及び65Bは、ピニオンギア70が取付けられた出力回転軸を輸しており、ピニオンギア70は、背面61においてガイドレール63間にガイドレール63に対して並設されたラック64に噛み合わされている。
【0038】
走行サーボモータ65A及び65Bの夫々を独立してNC制御駆動することにより、2基の可動台69の夫々は、NC制御により、互いに独立してX軸方向において必要距離往復走行される。
【0039】
可動台69の夫々に設けられた1基のガラス板吸着昇降装置66は、ガラス板2の吸着と吸着開放を行う複数個の吸着パット67と、吸着パット67が取付られていると共に吸着パット67を上下方向に昇降させるように可動台69に取付けられた昇降装置68とを具備している。
【0040】
研削ワークテーブル11A及び11B、研削ヘッド12並びにガラス板搬送装置14において、スクライブ及び折割部8で新しい切出しガラス板2が生成されると、先ず、この切出しガラス板2を吸着持上げたガラス板吸着昇降装置66が設けられた搬送シャトル62Aは、研削部9に向って、言い換えると搬送方向Dに往動され始め、この時、研削部9において、研削ワークテーブル11Aでは、研削ヘッド12に対してのテーブル台40の平面極座標移動によるガラス板2の周縁に対する研削中となり、研削ワークテーブル11Bでは、ガラス板出入領域に復帰された搬送シャトル62Bによる研削済のガラス板2の取出しコンベア13への搬出中となり、この搬出中の状態において、切出されたガラス板2を吸着した搬送シャトル62Aは、研削作業中の研削ワークテーブル11Aの上方であって研削作業中の研削ホイール57を搬送通過して、ガラス板2の搬出終了の研削ワークテーブル11B上方へ達すると、その吸着パット67を降下させ、吸着開放して、切出されたガラス板2を研削ワークテーブル11Bに搬入載置し、研削ワークテーブル11Bへの搬入載置後、搬送シャトル62Aは、スクライブ及び折割部8への復帰動作に移り、同時に、研削ワークテーブル11Bは、受け取った切出しガラス板2をその吸盤39で吸着固定し、研削ワークテーブル11Aでのガラス板2に対する研削作業の完了後、Y軸移動されて、研削ヘッド12に向って進行し、研削ヘッド12との研削作業に入り、先に研削作業完了の研削ワークテーブル11Aは、Y軸移動され、ガラス板出入領域に復帰され、このときすでに搬送シャトル62Bが研削作業中の研削ワークテーブル11Bの上方であって、研削作業中の研削ホイール79を通過して研削ワークテーブル11Aの上方に達し、研削済のガラス板2の搬出に入り、このときすでに搬送シャトル62Aは新しい切出しガラス板2を吸着して研削ワークテーブル11Aに向って搬送中になり、而して、研削ヘッド12は、固定されたままで連続してガラス板2に対する研削を続けることになる。
【0041】
研削部9におけるガラス板2の搬送通路の側部に固定された研削ヘッド12と、ガラス板2の搬送方向Dに平行に直列配置されていると共に互いに独立して角度制御回転並びにガラス板の搬送方向Dに平行なX軸移動及びこれに直交したY軸移動される2基の研削ワークテーブル11A及び11Bとを具備しており、2基の研削ワークテーブル11A及び11Bが交互に研削ヘッド12の対応位置に進退されると共に進出において研削ヘッド12によりガラス板2に対して研削を行わせるべく研削ヘッド12に対して平面座標移動、本例では平面極座標移動されるようになっており、ガラス板2を保持した例えば研削ワークテーブル11Aが研削ヘッド12によりガラス板2に対して研削を行わせている間、研削ワークテーブル11Bが研削ヘッド12の対応位置より後退して既に研削されたガラス板2の搬出及び新たに研削されるべき次のガラス板2の受け取りを行う動作を交互に繰り返し、研削ヘッド12が連続してガラス板2に対しての研削を続けるようになっている本例のガラス板2の加工装置1では、研削ヘッド12が2基のワークテーブル11A及び11Bのガラス板2に対して交互に連続して研削を続け、研削を停止することが無いため、高い生産性を得ることができる。
【0042】
第2具体例
図5から
図7において本発明の第2具体例のガラス板加工装置80では、ガラス板搬送装置14が架台6の背面61に代えて架台6の前面60に設けられていることを除いて、スクライブ装置5、ガラス板搬送装置14、取出しコンベア13は、その構造動作において第1具体例のガラス板加工装置1と同一のため、説明を省き、研削部9は、2基の研削ワークテーブル11A及び11Bと1基の研削ヘッド12とを具備していることは、第1具体例のガラス板加工装置1と同一であるが、研削ワークテーブル11A及び11B並びに研削ヘッド12は、その配置位置及び動作において第1具体例のガラス板加工装置1と相違する。
【0043】
研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々は、第1具体例のガラス板加工装置1の研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々と同じく、上面にガラス板2を水平に吸着固定する複数の吸盤39と、これら吸盤39を吸着支持させるテーブル台40と、テーブル台40を回転自在に保持すると共にテーブル台40をNC制御された水平面内での角度制御回転させる本体装置41とを具備している。
【0044】
研削ワークテーブル11A及び11B並びに研削ヘッド12は、ガラス板2の搬送通路75下または搬送通路75下の中央ライン76上において、搬送方向Dに沿って間隔をもって直列して配置されている。研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々は、固定して設けられた研削ヘッド12を挟んで搬送方向Dの前後にかつ研削ヘッド12と間隔を置いて配置されている。
【0045】
ガラス板加工装置80は、研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々を互いに独立してX軸方向においてX軸移動させて交互に研削ヘッド12への対応位置に進出又は後退させるX軸移動手段77A及び77Bを具備しており、研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々は、X軸移動手段77A及び77Bの夫々によるX軸方向の進退直動によって、交互に研削ヘッド12の対応位置に配され、研削ヘッド12の対応位置でのテーブル台40の方向Eの角度制御回転とX軸移動手段77A又は77BのX軸移動とにより、研削ヘッド12に対しての平面極座標移動を行う一方、ガラス板2の搬出搬入位置に後退するようになっている。即ち、研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々は、交互にガラス板2を吸着して研削ヘッド12に進行して、研削ヘッド12と協働してガラス板2に対する極座標制御研削を行う一方、研削ヘッド12から後退してガラス板2の搬出搬入を受けるようになっている。
【0046】
研削ヘッド12は、回転によりガラス板2を研削する研削ホイール79と、研削ホイール79を回転させる出力回転軸を有したスピンドルモータ56とを具備しており、第1具体例と異なり、倒立させた姿勢、即ち研削ホイール79を上に、スピンドルモータ56を下に位置して、基台3に固定的に立設、即ち、基台3に取付けられたブラケット91と、ブラケット91に設けられた上下位置調整手段92とを介して基台3に固定的に立設されている。
【0047】
本ガラス板加工装置80は、研削ホイール79にクーラント水をスプレーするスプレー装置90を更に具備しており、研削ホイール79は、研削ワークテーブル11A及び11Bと対面する研削作業位置でスプレー装置90からクーラント水のスプレーを受けるようになっており、スプレー装置90は、研削ホイール79が研削ワークテーブル11AとX軸方向において対面して研削ワークテーブル11Aに保持されたガラス板2に対しての研削ホイール79の位置が作業中のときは、この位置にスプレー給水を行い、研削ワークテーブル11B側の研削ホイール79の位置へのスプレー給水を停止する一方、研削ホイール79が研削ワークテーブル11BとX軸方向において対面して研削ワークテーブル11Bに保持されたガラス板2に対しての研削ホイール79の位置が作業中のときは、この位置にスプレー給水を行い、研削ワークテーブル11A側の研削ホイール79の位置へのスプレー給水を停止するようになっている。
【0048】
研削ワークテーブル11A及び11Bの夫々のX軸移動手段77A及び77Bの夫々は、基台3にX軸方向に沿って並設された一対のガイドレール83と、これらガイドレール83のスライドブロック84へ架設したX軸移動台85と、X軸移動台85にナットを介して連結されていると共にガイドレール83間において基台3に取付けられた送りネジ86と、送りネジ86に連結されたX軸制御モータ89A又は89Bとを備える。
【0049】
研削ワークテーブル11Aは、X軸制御モータ89Aの作動によってX軸移動される一方、研削ワークテーブル11Bは、X軸制御モータ89Bの作動によってX軸移動されるようになっている。
【0050】
ガラス板加工装置80における研削ワークテーブル11A及び11B、研削ヘッド12並びにガラス板搬送装置14では、スクライブ及び折割部8で新たな切出しガラス板2が生成されると、先ず、搬送シャトル62Aの吸着パット67がこの新たな切出しガラス板2を吸着持上げしたままで、搬送シャトル62Aが研削部9に向って往動を開始し、この時、研削部9においては、研削ワークテーブル11Aは、ガラス板2を吸着していると共に研削ヘッド12との平面極座標移動によるガラス板2の周縁の研削中にあり、研削ワークテーブル11Bは、ガラス板出入領域に復帰された搬送シャトル62Bによる研削済のガラス板2の取出しコンベア13への搬出中にある。
【0051】
この搬出中の状態において、切出されたガラス板2を吸着した搬送シャトル62Aは、研削作業中の研削ワークテーブル11Aの上方であって研削作業中の研削ホイール79の上方を搬送通過して、ガラス板2の搬出終了の研削ワークテーブル11Bの上方へ達し、ガラス板2の吸着の吸着パット67を降下させ、吸着開放して、切出されたガラス板2を研削ワークテーブル11Bに搬入載置し、研削ワークテーブル11Bへの搬入載置後、搬出シャトル62Aは、スクライブ及び折割部8への復帰動作に移り、同時に、研削ワークテーブル11Bは、受け取った切出しガラス板2をその吸盤39で吸着固定すると共にX軸方向に移動されて研削ヘッド12に向って進行され、研削ヘッド12との研削作業に入り、先に研削作業中の研削ワークテーブル11Aは、X軸移動され、ガラス板出入領域に復帰され、このときすでに搬送シャトル62Bが研削作業中の研削ワークテーブル11Bの上方であって研削作業中の研削ホイール79の上方を通過して研削ワークテーブル11Aの上方に達し、研削済のガラス板2の搬出に入り、このときすでに搬送シャトル62Aは新しい切出しガラス板2を吸着して研削ワークテーブル11Aに向って搬送中になり、而して、研削ホイール79は、搬送方向Dの上流側及び下流側の研削作業部において、交互に研削ワークテーブル11A及び11Bによって供給してくるガラス板2を連続して研削するようになっている。
【0052】
研削ヘッド12と、互いに独立して搬送方向Dに沿ったX軸移動を行うと共に互いに独立して角度制御回転をするように研削ヘッド12を挟んで搬送方向の前後において配置された2基の研削ワークテーブル11A及び11Bとを具備しており、2基の研削ワークテーブル11A及び11Bが交互に研削ヘッド12の対応位置に進出して研削ヘッド12に対して平面座標移動、本例では平面極座標移動を行うようになっており、ガラス板2を保持した例えば研削ワークテーブル11Aの研削ヘッド12に対しての平面極座標移動による研削ヘッド12での研削中、研削ワークテーブル11Bが研削ヘッド12の対応位置より後退して既に研削されたガラス板2の搬出及び新たに研削されるべき次のガラス板2の受け取りを行う動作を交互に繰り返し、研削ヘッド12が連続してガラス板2に対しての研削を続けるようになっている本例のガラス板の加工装置80でも、研削ヘッド12が2基のワークテーブル11A及び11Bのガラス板2に対して交互に連続して研削を続け、研削を停止することが無いため、高い生産性を得ることができる。