特許第6893721号(P6893721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6893721紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6893721
(24)【登録日】2021年6月4日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた物品
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/44 20060101AFI20210614BHJP
   C08F 2/48 20060101ALI20210614BHJP
   C08F 299/08 20060101ALI20210614BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20210614BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20210614BHJP
   C09D 187/00 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   C08F2/44 A
   C08F2/48
   C08F299/08
   C08L101/00
   C08L83/04
   C09D187/00
【請求項の数】4
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-195565(P2016-195565)
(22)【出願日】2016年10月3日
(65)【公開番号】特開2018-58944(P2018-58944A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221111
【氏名又は名称】モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】小野 和久
【審査官】 北田 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−089672(JP,A)
【文献】 特開平04−018423(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/146477(WO,A1)
【文献】 特開2010−189620(JP,A)
【文献】 特開2008−031307(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/001875(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0263779(US,A1)
【文献】 特開2009−084327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F
C08L
C09D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(メタ)アクリル基を有するシラン化合物で処理され、水が除去された、pH6以下の水分散性コロイダルシリカ;
(B)1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ、及び場合により水との反応性を有する官能基を有するポリシロキサン
(C)光反応開始剤;及び
(D)湿気硬化触媒;
を含み、前記(B)が水との反応性を有する官能基を有さない場合には、さらに湿気硬化性樹脂を含み;
成分(B)の量が、樹脂組成物全体100質量部に対して、50〜95質量部の範囲である、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
【請求項2】
前記(メタ)アクリル基を有するシラン化合物が、下記式:
R−Alk−Si(R
(式中、Rは、アクリル基又はメタクリル基であり、Alkは、炭素数1〜10の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基であり、Rは、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である)
で示される、請求項1記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
【請求項3】
(B)1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するポリシロキサンが、下記式:
【化3】

〔式中、
は、独立して、非置換又は置換の、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基であり、
Lは、5≦L≦10,000であり、
Xは、独立して、式(Ia):
−Q−Si(R(R3−p (Ia)
(式中、
は、C2−4アルキレン基又は酸素原子であり、
は、独立して、アクリル基又はメタクリル基であり、
は、独立して、非置換又は置換の、C1−9アルキル基、C1−9アルコキシ基又はC6−12アリール基であり、
pは、1、2又は3である)で示される基である〕
で示されるオルガノポリシロキサンである、請求項1又は2記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる、電気・電子機器のコーティング剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた物品に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線硬化型の樹脂組成物は、腐食や傷に対する各種部材の表面保護のため、コーティング剤として用いられている。紫外線硬化型の樹脂組成物は、硬化速度が高く、紫外線さえ届けば厚みをもっていても深部まで硬化が可能であり、また硬化に際して加熱を必要としないことから塗布される部材への影響も少なく、製造ラインにおいて重宝される素材である。ここで使用される紫外線硬化型の樹脂組成物として、例えば紫外線硬化型アクリル樹脂組成物が使用されている(特許文献1)。
【0003】
また、樹脂組成物に塗布性能が要求されたり、塗膜に高温特性が要求されたりする場合には、紫外線硬化型シリコーン樹脂を用いることも行われている(特許文献2)。特許文献2では、基材上で硬化した樹脂の剥離性と密着性を両立させるために、アクリル官能基を有するオルガノポリシロキサンと両末端にヒドリド基を有するオルガノポリシロキサンの架橋体が用いられている。
【0004】
一方、各種部材の表面保護用コーティング剤として用いられる樹脂組成物には、皮膜の硬度を高くし耐傷つき性を向上させる観点から、表面処理を施したコロイダルシリカを、アクリル系樹脂に用いることが知られている(特許文献3)。特許文献3では、コロイダルシリカを用いた際に起こる硬化収縮を抑制しつつ、高い硬度を有する塗膜を実現するため、特定の組成、方法によって得られる表面処理コロイダルシリカをアクリル系樹脂に配合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−282000号公報
【特許文献2】特開2000−044688号公報
【特許文献3】WO2012/105297号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、紫外線硬化型の樹脂組成物は環境下に存在する酸素による硬化阻害の影響を受けやすく、表面硬化が不十分であるという問題が生じる場合がある。また、硬化物が脆い、耐スクラッチ性に劣るなどの課題もある。組成物は紫外線反応性官能基を含有する樹脂を主成分として構成されており、とりわけアクリル樹脂においては酸素による表面への硬化阻害による影響は非常に大きい。また、特許文献2のようにシリコーンを成分とした場合には、シリコーン樹脂の気体透過性の高さから内部を含む塗膜への酸素による影響は大きくなる。特に表面の硬化が阻害されることによる、コーティング表面のべたつきの問題は解決が望まれていた。
【0007】
よって本発明は、硬化被膜の強度改善に加え、酸素による表面への硬化阻害を抑制し、耐スクラッチ性を得ることができ、形成された硬化被膜が電気・電子機器用コーティング剤等として有用な、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた電気・電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(メタ)アクリルシランで処理したコロイダルシリカを紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に配合することにより、上記の課題解決が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明1は、(A)(メタ)アクリル基を有するシラン化合物で処理されたコロイダルシリカ;(B)1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するポリシロキサン;及び(C)光反応開始剤を含む、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物である。
本発明2は、前記(メタ)アクリル基を有するシラン化合物が、下記式:
R−Alk−Si(R
(式中、Rは、アクリル基又はメタクリル基であり、Alkは、炭素数1〜10の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基であり、Rは、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である)
で示される、本発明1の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物である。
本発明3は、(B)1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するポリシロキサンが、下記式:
【化1】
〔式中、
は、独立して、非置換又は置換の、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基であり、
Lは、5≦L≦10,000であり、
Xは、独立して、式(Ia):
−Q−Si(R(R3−p (Ia)
(式中、
は、C2−4アルキレン基又は酸素原子であり、
は、独立して、アクリル基又はメタクリル基であり、
は、独立して、非置換又は置換の、C1−9アルキル基、C1−9アルコキシ基又はC6−12アリール基であり、
pは、1、2又は3である)で示される基である〕
で示されるオルガノポリシロキサンである、本発明1又は2の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物である。
本発明4は、さらに、(D)湿気硬化性樹脂及び湿気硬化触媒を含む、本発明1〜3のいずれか記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物である。
本発明5は、前記本発明1〜4のいずれか記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる、電気・電子機器のコーティング剤である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物によれば、熱安定性及び腐食保護コーティングとして、特に耐スクラッチ性に優れた硬化被膜を形成することができ、電気・電子機器用コーティング材としての使用に関して有用な紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、語「アルキル基」とは、直鎖又は分岐状の、1価の飽和炭化水素基をいう。アルキル基の例としては、非限定的に、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル基等が挙げられる。また、置換基が有する炭素原子数の範囲を示すときは、例えば「C1−6アルキル基」等といい、このときは、炭素原子数の範囲が1〜6個であることを示す。
【0012】
本発明において語「アルキレン基」とは、直鎖又は分岐状の、2価の炭化水素基をいう。アルキレン基の例としては、非限定的に、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン基等が挙げられる。
【0013】
本発明において語「アルケニル基」とは、少なくとも1つのC=C二重結合を有する、直鎖又は分岐状の、1価の炭化水素基をいう。アルキレン基の例としては、非限定的に、エチニル(ビニル)、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル基等が挙げられる。
【0014】
本発明において、語「アルコキシ基」とは、酸素原子を介して結合している、直鎖又は分岐状の、1価の炭化水素基をいう。アルコキシ基の例としては、非限定的に、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ基等が挙げられる。
【0015】
本発明において語「アリール基」とは、単環、二環又は三環式芳香族環からなる、1価の環式芳香族炭化水素基を意味する。アリール基の例としては、非限定的に、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなど(これらの部分的に水素化され、かつ芳香族性を有している誘導体も含む)が挙げられる。
【0016】
本発明の組成物は、成分(A)として、(メタ)アクリル基を有するシラン化合物で表面処理された、コロイダルシリカ(以下、「機能性コロイダルシリカ」ということがある。)を含む。本明細書において「処理された」とは、処理される物質の表面に処理する物質との何らかの相互作用が生じている状態をいう。相互作用の態様としては限定されず、化学結合、静電的な相互作用、物理的吸着などが含まれるが、これらに限定されず、シラン化合物での処理について何らかの理論的束縛を生じるものではない。
【0017】
(i)コロイダルシリカ
一般にコロイダルシリカは、平均粒子径が1〜200μmの二酸化ケイ素又はその水和物のコロイドで、一定の形状を持たないものをいう。成分(A)に用いられるコロイダルシリカは、その種類に特に限定はなく、市販のものを用いることができる。また、コロイダルシリカは、公知の方法により製造することもできる。
【0018】
コロイダルシリカの平均粒子径は、特に限定されないが、1〜30nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜30nm、さらに好ましくは15〜30nmである。硬化皮膜の透明性を高めることができる点からは、平均粒子径が30nm以下であることが好ましい。また、コスト面や処理工程でのゲル化を抑制する点からは、平均粒子径が1nm以上であることが好ましい。
【0019】
(ii)表面処理剤
表面処理剤は、コロイダルシリカの有効成分量に対して一定量を配合することで、酸性水溶液下で加水分解によりコロイダルシリカと反応し、結合を形成する。本発明で用いられる表面処理剤は、(メタ)アクリル基を有するシラン化合物である。(メタ)アクリル基を有するシラン化合物としては、アクリル基又はメタクリル基とシリル基とを少なくとも一つずつ有するものであれば、その構造に特に制限はない。入手容易性の点からは、シリル基と(メタ)アクリル基とが炭化水素鎖を介して結合しているものが好ましい。
【0020】
前記(メタ)アクリル基を有するシラン化合物の例としては、下記式:
R−Alk−Si(R
(式中、Rは、アクリル基又はメタクリル基であり、Alkは、炭素数1〜10の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基であり、Rは、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である)
で示される化合物が挙げられる。
【0021】
Alkは、炭素数1〜10の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基であり、好ましくは炭素数1〜6の分岐鎖状又は直鎖状アルキレン基である。アルキレン基の例としては上述の基が挙げられ、対応するシラン化合物の入手容易性から、プロピレン基がより好ましい。
は、各々独立して、C1−6アルキル基又はC1−6アルコキシ基である。アルキル基及びアルコキシ基の例としては上述の基が挙げられる。対応するシラン化合物の入手容易性や、表面処理時の加水分解反応の効率等の点から、少なくとも一つはアルコキシ基であることがより好ましく、メトキシ基を少なくとも一つ有することが特に好ましい。
【0022】
上記式で示される化合物の例として、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられるが、表面処理剤としてはこれらに限定されない。入手容易性等の点からは、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0023】
表面処理剤の配合量は、コロイダルシリカの有効成分量(シリカ分)100質量部に対して5〜150質量部であることが好ましく、10〜150質量部であることがより好ましく、10〜100質量部であることがさらに好ましく、15〜100質量部であることが特に好ましい。この範囲内とすることで、コロイダルシリカの粒子径を大きく変えることなく、十分な硬度や耐摩耗性を付与することができる。
【0024】
成分(A)は、水又は有機溶媒に分散させた状態で用いることができる。機能性コロイダルシリカに使用される分散媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールなどの多価アルコール系溶剤、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどの多価アルコール誘導体、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン系溶剤、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどのモノマー類があるが、中でも経済性の面から水分散タイプが好ましく、また、加水分解反応を起こす点から水素イオン濃度(pH)6以下の水分散性コロイダルシリカが特に好ましい。
【0025】
本発明の組成物は、成分(A)に加えて、さらに反応性希釈剤を配合することができる。反応性希釈剤は、機能性コロイダルシリカの無溶剤化、低粘度化及び反応促進をさせる成分である。反応性希釈剤の例としては、(メタ)アクリレート化合物等の反応性官能基を有する化合物が挙げられる。具体的な反応性希釈剤の例としては、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。反応性希釈剤の量は、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物中に適切な量のコロイダルシリカが配合可能となるように、適宜設定することができるが、機能性コロイダルシリカ、分散媒及び反応性希釈剤の合計100質量部に対して、20〜70質量部用いることが好ましく、25〜60質量部用いることがより好ましい。
【0026】
機能性コロイダルシリカの製法は、当業者に公知の方法を用いることができる。例えば、各成分を混合し加熱撹拌し、溶媒を除去した後乾燥させることで、成分(A)を得ることができる。反応温度は室温以上〜溶媒の沸点以下の温度範囲において適宜設定することができ、反応時間も反応温度と併せて調整することができる。溶媒の除去は、共沸蒸留等の手段をとることができる。また、反応性希釈剤を加える場合には、乾燥させた予備分散体にさらに溶媒と反応希釈剤とを加え、その後溶媒を留去することで、機能性コロイダルシリカを得ることができる。
【0027】
コロイダルシリカに表面処理剤を作用させるときには、相溶性を向上させるために、極性溶媒を配合することもできる。極性溶媒としては、1−ブタノール、2−ブタノール、メタノール、エタノール、セロソルブなどがあるが、コロイダルシリカと表面処理剤との処理前後での相溶性、コロイダルシリカの粒径への影響、共沸脱水の効率などの面からイソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)又は1−メトキシ−2−プロパノールが好ましい。相溶性や処理後の溶剤留去効率の面から、使用する極性溶媒の量は、コロイダルシリカ100質量部に対して50〜500質量部が好ましく、70〜150質量部がより好ましい。
【0028】
また、表面処理剤に含まれる(メタ)アクリル基の重合を抑制し収率を向上させることができるため、コロイダルシリカと表面処理剤の加水分解反応時にラジカル重合禁止剤を共存させておくこともできる。ラジカル重合禁止剤の種類としては特に限定されず、一般にラジカル重合防止剤として用いられるものであればいずれも使用することができる。
【0029】
重合禁止剤の具体的には、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン系重合禁止剤;ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルのエステル等の1−オキシル系重合禁止剤;等が挙げられる。
これらの中でも、好ましいラジカル重合禁止剤として、キノン系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤、ジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤、1−オキシル系重合禁止剤を挙げることができる。特に好ましいラジカル重合禁止剤として、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、アルキル化ジフェニルアミン、ジブチルジチオカルバミン酸銅、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルのエステル等を挙げることができる。重合禁止剤の配合量としては表面処理時のラジカル重合反応の抑制効果及びハードコート組成物に調製したときのハードコート組成物の紫外線に対する反応性の面から0.001〜1質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
【0030】
さらに、表面処理後に系中から水や副生成物などを蒸留除去する際に、共沸用の溶剤を使用することもできる。共沸用の溶剤としては1,6−ヘキサンジオールジアクリレートやトリプロピレングリコールジアクリレート等のような低粘度のアクリレート、イソブタノール、トルエン、イソプロパノール、DMF(ジメチルホルムアミド)又は1−メトキシ−2−プロパノール等のような溶媒が挙げられる。コロイダルシリカの粒子径の制御が可能なことから、1−メトキシ−2−プロパノールを用いることが好ましい。
【0031】
さらに、コロイダルシリカの表面処理には、pHを中性へ近づけるために、コロイダルシリカ表面に存在するシラノール基と表面処理剤に存在するシリル基の縮合を促進する触媒を用いてもよい。
【0032】
本発明の組成物に含まれる成分(A)の量は、樹脂組成物全体100質量部に対して、シリカ固形分に換算したときに1〜60質量部の範囲であることが好ましく、5〜50質量部の範囲であることがより好ましい。樹脂組成物中の成分(A)の量を上記範囲とすることで、表面の硬化性がより向上するとともに、組成物の塗布作業性を維持することができる。
【0033】
成分(B):
本発明の組成物は、成分(B)として、1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するポリシロキサンを含む。成分(B)は、紫外線により硬化し硬化物を形成する主要な成分である。
【0034】
成分(B)のポリシロキサンは、1分子内に(メタ)アクリル基を少なくとも二つ有するものであれば、その分子構造に特に制限はない。直鎖状、分岐鎖状、環状等、硬化性樹脂として用いられる任意の構造のポリシロキサンを用いることができる。(メタ)アクリル基は、ポリシロキサン構造中のどの位置に存在していてもよく、分子末端、分子鎖内部のいずれの位置にあってもよい。ただし、成分(B)はメルカプト基を含まないものであることが好ましい。好ましい成分(B)としては、分子末端に一つずつ(メタ)アクリル基を有する、直鎖状のポリシロキサンが挙げられる。そのような好ましい成分(B)の例示としては、下記式(I):
【化2】

〔式中、
は、独立して、非置換又は置換の、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基であり、
Lは、5≦L≦10,000であり、
Xは、独立して、式(Ia):
−Q−Si(R(R3−p (Ia)
(式中、
は、C2−4アルキレン基又は酸素原子であり、
は、独立して、アクリル基又はメタクリル基であり、
は、独立して、非置換又は置換の、C1−9アルキル基、C1−9アルコキシ基又はC6−12アリール基であり、
pは、1、2又は3である)で示される基である〕
で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられるが、これに限定されない。
【0035】
式(I)において、Rは、独立して、C1−6アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、又はC6−12アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等)である。Rは、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、非限定的に、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボニル等が挙げられる。合成の容易さ、経済的観点からは、メチル基が好ましく、光学的観点、高屈折率の点からは、フェニル基が好ましい。紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に高い屈折率を与えるためには、フェニル基の数が基Rの全数に対して5%以上であることが好ましく、5〜50%の範囲であることがより好ましい。
【0036】
Lは、5≦L≦10,000の範囲である。他成分への相溶性の点からは、Lは好ましくは3,000以下であり、より好ましくは1,500以下である。また、他成分への相溶性の点から、Lは好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。
【0037】
式(I)で示されるオルガノポリシロキサンは、Xとしてオルガノポリシロキサン構造末端のケイ素原子に結合している式(Ia)で示される基を二つ有する。二つの式(Ia)で示される基は、同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0038】
は、2つのケイ素原子を連結する部位であり、C2−4アルキレン基又は酸素原子である。QがC2−4アルキレン基である場合は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。また、Qが結合する2つのケイ素原子は、C2−4アルキレン基中の同じ炭素原子で結合していてもよい。Qは、(メタ)アクリル基の反応性の点から、また得られる硬化物の耐久性、透明性の観点から、好ましくはエチレン基(−(CH−)又は酸素原子である。
【0039】
式(Ia)で示される基は、pが1、2又は3であり、式(Ia)で示される基には、Rとして、アクリル基又はメタクリル基が少なくとも一つ含まれる。式(Ia)で示される基が2つ又は3つの(メタ)アクリル基を有する場合には、全てアクリル基であってもよく、全てメタクリル基であってもよく、アクリル基とメタクリル基を共に有していてもよい。原料の入手容易性等の観点から、式(Ia)で示される基には、Rを1つ有すること、すなわちpが1であることが好ましい。
【0040】
式(Ia)で示される基において、Rは、独立して、非置換又は置換の、C1−9アルキル基、C1−9アルコキシ基又はC6−12アリール基である。式(Ia)で示される基1つあたりのRの数は、0、1又は2であり、pの値により変動する。式(Ia)で示される基にRが2つ含まれる場合、各々のRは同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。調製の容易さや(メタ)アクリル基の反応性を阻害しない点から、Rが少なくとも1つ存在することが好ましい。Rは、C1−4アルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
【0041】
式(I)で示される直鎖状ポリオルガノシロキサンは、粘度が1mPa・s〜100,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは1〜50,000mPa・s、さらに好ましくは1〜30,000mPa・sである。粘度は上記式(I)におけるLの値によっても調整可能である。本明細書において、粘度は、回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、No.2〜4ローターを用いて、60rpmで、23℃で測定した値とする。
【0042】
ここで、成分(B)のようなシロキサン化合物の構造を説明するにおいては、シロキサン化合物の構造単位を以下のような略号によって記載することがある(以下、これらの構造単位をそれぞれ「M単位」「D単位」などということがある)。
M:−Si(CH1/2
D:Si(CH2/2
T:Si(CH)O3/2
Q:SiO4/2
ここで、各単位を表すアルファベットの右肩に何らかの記号が付されているときは、各単位のメチル基が当該記号で表される官能基で置換されていることを意味する。例えば、「TAC単位」は、メチル基がアクリル基で置換されたT単位、すなわちSi(OC(=O)CH=CH)O3/2を意味する。
【0043】
成分(B)は、単独でも、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合において、ポリシロキサンは、前記式(I)で示されるものとそれ以外のものを併用することもできる。本発明の組成物に含まれる成分(B)の量は、樹脂組成物全体100質量部に対して、40〜99質量部の範囲であることが好ましく、50〜95質量部の範囲であることがより好ましい。樹脂組成物中の成分(B)の量を上記範囲とすることで、所望の硬化物の硬度及び可撓性をより発揮することができる。
【0044】
[光反応開始剤]
本発明の組成物は、(C)光反応開始剤を含む。(C)は、光を受けて励起し、(メタ)アクリル基を含有するシロキサンに励起エネルギーを与えて紫外線照射による硬化反応を開始させるものである。
【0045】
成分(C)は、反応性の観点から、芳香族炭化水素、アセトフェノン及びその誘導体、ベンゾフェノン及びその誘導体、o−ベンゾイル安息香酸エステル、ベンゾイン及びベンゾインエーテル並びにその誘導体、キサントン及びその誘導体、ジスフィルド化合物、キノン化合物、ハロゲン化炭化水素及びアミン類、有機過酸化物が挙げられる。シリコーンとの相溶性、安定性の観点から、置換又は非置換のベンゾイル基を含有する化合物又は有機過酸化物がより好ましい。
【0046】
成分(C)としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651:BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173:BASF社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184:BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959:BASF社製)、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(IRGACURE 127:BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907:BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE 369:BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379:BASF社製);2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド(LUCIRIN TPO:BASF社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド(IRGACURE 819:BASF社製);1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE 01:BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02:BASF社製);オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(IRGACURE 754:BASF社製)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(DAROCUR MBF:BASF社製)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EDB:BASF社製)、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EHA:BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキシド(CGI 403:BASF社製)、ベンゾイルペルオキシド、クメンペルオキシド等が挙げられる。
【0047】
相溶性、光反応性の点から、アセトフェノン、プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651:BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173:BASF社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184:BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907:BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE 369:BASF社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド(LUCIRIN TPO:BASF社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド(IRGACURE 819:BASF社製)が好ましい。
【0048】
成分(C)は、単独でも、2種以上を併用してもよい。本発明の組成物に含まれる成分(C)の量は、硬化反応を十分に進行させることが可能な量であれば、特に制限はないが、硬化性及び硬化後の光学特性から、組成物全体100質量部に対して0.2質量部以上であることが好ましく、0.4質量部以上であることがより好ましく、また、組成物全体100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
【0049】
本発明の組成物には、さらに、湿気により硬化する樹脂成分を含めてもよい。そのような樹脂成分は空気中の湿気により硬化反応が進行し、硬化物表面の硬化状態をより改善することができる。
【0050】
湿気硬化型樹脂としては、エポキシ基を有する樹脂などの、水との反応性を有する官能基を有する樹脂を特に制限なく用いることができる。また、上記成分(B)が湿気硬化型樹脂を兼ねていてもよく、水との反応性を有する官能基が、成分(B)中に含まれていてもよい。
【0051】
湿気により樹脂を硬化させる際の触媒としては、当業者に公知のものを用いることができる。一般に利用可能な湿気硬化型触媒としては、例えば、テトラオクチルチタネート(オルガチックスTA−30:マツモトファインケミカル株式会社製)等のチタンアルコキシド、チタンオクチレングリコレート(オルガチックスTC−245:マツモトファインケミカル株式会社製)等のチタンのキレート錯体、ネオスタンU−220(日東化成株式会社)等のジブチルスズ化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。湿気硬化型触媒の使用量は、触媒としての機能を発揮するのに必要な量だけ添加すればよく、反応性樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部の範囲で用いることが好ましく、0.01〜5質量部の範囲で用いることがより好ましい。
【0052】
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、シランカップリング剤、重合禁止剤、酸化防止剤、耐光性安定剤である紫外線吸収剤、光安定化剤、反応抑制剤等の添加剤を配合することができる。
【0053】
シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリエトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
【0054】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられる。
【0055】
酸化防止剤は、組成物の硬化物の酸化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合体、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(70%)]−ポリプロピレン(30%)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド)、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサン−tert−ブチル−4−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記酸化防止剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0056】
光安定剤は、硬化物の光酸化劣化を防止するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。耐光性安定剤である紫外線吸収剤は、光劣化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記紫外線吸収剤は単独でも、2種以上を併用してもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系が好ましい。中でも、第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いることが、組成物の保存安定性改良のために好ましい。第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB119FL(以上いずれもBASF社製);MARK LA−57,LA−62,LA−67,LA−63(以上いずれも旭電化工業株式会社製);サノールLS−765,LS−292,LS−2626,LS−1114,LS−744(以上いずれも三共株式会社製)等の光安定剤が挙げられる。
【0057】
本発明の組成物は、塗工される際の作業性の観点から、23℃における粘度が、100〜1000000Pa・sであることが好ましく、500〜700000Pa・sであることがより好ましく、1000〜500000Pa・sであることがさらに好ましい。
【0058】
本発明の組成物は、成分(A)〜(C)及び添加剤を配合することにより、得ることができる。具体的には、例えば、クリーンルームのような空気中の異物管理をされた室内にて、減圧脱泡装置を装備した5Lの万能混合攪拌機に(A)及び(B)成分を入れ、室温(10〜30℃)、低速にて30分間で均一に混合し、その後、イエロールームのような紫外線を除去した室内にて、(C)成分、重合禁止剤等の添加剤を加え、氷水冷却下(10℃以下)、低速にて30分間、冷却減圧にて均一に混合し、脱泡した後、10μm以下の細かさの細孔を有するメンブレンフィルター等を用いて濾過することにより調製することができる。
【0059】
本発明の組成物は、紫外線を照射することによって、硬化させることができる。成分(C)の反応可能な範囲の波長領域のランプとしては、例えば、ウシオ電機株式会社製の高圧水銀ランプ(UV−7000)、メタルハライドランプ(MHL−250、MHL−450、MHL−150、MHL−70)、韓国:JM tech社製のメタルハライドランプ(JM−MTL 2KW)、三菱電機株式会社製の紫外線照射灯(OSBL360)、日本電池株式会社製の紫外線照射機(UD−20−2)、株式会社東芝の製蛍光ランプ(FL−20BLB)、Fusion社製のHバルブ、Hプラスバルブ、Dバルブ、Qバルブ、Mバルブ等が挙げられる。照射量は、100〜12000mJ/cmが好ましく、より好ましくは300〜8000mJ/cmであり、さらに好ましくは500〜6000mJ/cmである。また、本発明の組成物が湿気硬化型樹脂及び湿気硬化触媒を含んでいる場合には、周囲環境中の湿気によっても硬化させることができる。
【0060】
本発明の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物は、電気・電子機器等の各種基材のコーティング剤として用いることができる。また、貼り合わせ等の接着剤、充填剤等にも有用である。
【実施例】
【0061】
以下、合成例、実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明する。部、%は、他に断りのない限り、質量部、質量%を表す。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で調製した各組成物の紫外線による硬化は、ウシオ電機株式会社製高圧水銀灯:UVL-4001Mを用い、120w/cmにて行った。
【0062】
合成例、実施例及び比較例における各成分は、以下のとおりである。
成分(A):
〔コロイダルシリカ〕
・スノーテックスO−40(水分散コロイダルシリカ、40%シリカ分、PH:3、粒子径19nm:日産化学工業株式会社製)
・スノーテックスO(PH:3、粒子径11nm:日産化学工業株式会社製)
・スノーテックスOL(PH:3、粒子径40nm:日産化学工業株式会社製)
〔表面処理剤〕
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSL8370)
・3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社製KBM5103)
〔反応性希釈剤〕
d−1:1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
d−2:1,3−ビス(3−アクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
d−3:1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
【0063】
成分(B):
〔反応性樹脂〕
PS−1:α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピルジメチルシリル)ジメチルポリシロキサン
PS−2:α,ω−ビス(3−アクリロキシプロピルジメチルシリル)ジメチルポリシロキサン
PS−3:α,ω−ビス(3−メタクリロキシプロピルジメトキシシリル)ジメチルポリシロキサン
PS−4:α,ω−ビス(3−アクリロキシプロピルジメトキシシリル)ジメチルポリシロキサン
AC10;TAC1085:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びトリメチルクロロシランの加水分解縮合物
RMS−083:メタクリロキシメチルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー
UMS−992:メタクリロキシメチルシロキサン−ホモポリマー
UMS−182:アクリロキシメチルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー
【0064】
成分(C):光反応開始剤
(C)−1:Irgacure819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド;BASF社製)
(C)−2:Darocure1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン;BASF社製)
【0065】
湿気硬化型触媒
・オルガチックスTA−30(マツモトファインケミカル社製;テトラオクチルチタネート)
・ネオスタンU−220(日東化成株式会社製;ジブチルスズ)
【0066】
<合成例:機能性コロイダルシリカ溶液の調製>
[合成例1]
イソプロパノール(IPA)220部、スノーテックスO−40(水分散コロイダルシリカ、40%シリカ分、PH:3、粒子径19nm:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン65部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水、IPAを減圧留去、乾燥させて予備分散物1を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、反応性希釈剤として両末端2官能性の{1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン}147.2部(0.38mol)を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.1%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−1)を得た。
【0067】
[合成例2]
合成例1と同様の操作にて、イソプロパノール(IPA)の代わりに1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン65部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物2を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、両末端2官能性の{1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン}147.2部(0.38mol)を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.0%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−2)を得た。
【0068】
[合成例3]
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン61.3部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物3を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、両末端2官能性の{1,3−ビス(3−アクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン}147.2部(0.41mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.3%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−3)を得た。
【0069】
[合成例4]
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン61.3部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物4を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.4%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−4)を得た。
【0070】
[合成例5]
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール440部、スノーテックスO(コロイダルシリカ、PH:3、粒子径11nm:日産化学工業株式会社製)1500部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン156.8部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.4部を混合し、80〜85℃で8時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物5を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.5%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−5)を得た。
【0071】
[合成例6]
合成例2と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール440部、スノーテックスOL(コロイダルシリカ、PH:3、粒子径40nm:日産化学工業株式会社製)1500部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.4部を混合し、80〜85℃で6時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、乾燥させて予備分散物6を得た。さらに冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.2%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−6)を得た。
【0072】
[合成例7]
合成例5と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール440部、スノーテックスO(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)1500部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン156.8部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.4部を混合し、80〜85℃、8時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、ヘキサメチルジシラザン42.3部(0.26mol)を加え、室温で2時間攪拌し、その後、70℃で1時間攪拌した。水100gを加えて冷却後、さらに1−メトキシ−2−プロパノール500部を加え、水を減圧留去、乾燥させ、セライトを加えて混合し、冷却後にろ過を行い、予備分散物7を得た。その後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.4%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−7)を得た。
【0073】
[合成例8]
合成例7と同様の操作にて、1−メトキシ−2−プロパノール220部、スノーテックスO−40(コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製)750部、表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン61.3部、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.2部を混合し、80〜85℃で3時間加熱攪拌し、表面処理を行った。冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部を数回加え、メタノール及び水を減圧留去、冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール250部、ヘキサメチルジシラザン20部(0.124mol)を加え、室温で2時間攪拌し、その後、70℃で1時間攪拌した。水100gを加えて冷却後、1−メトキシ−2−プロパノール500部を加え、水を減圧留去、乾燥させ、セライトを加えて混合し、冷却後にろ過を行い、予備分散物8を得た。その後、1−メトキシ−2−プロパノール500部、4官能性の1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.2部(0.2mol)、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部を加えた後、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することにより、150℃、1時間の条件による不揮発分が1.3%である、コロイダルシリカ70%の機能性コロイダルシリカ溶液(FSS−8)を得た。
【0074】
合成例1〜8で用いた各成分の種類、量及び得られた機能性コロイダルシリカ溶液のシリカ分量、平均粒径を以下の表1にまとめる。
【0075】
【表1】
【0076】
<実施例:紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物の調製>
実施例1−1:
表2に示す各成分を、5Lの万能混合攪拌機(ダルトン社製)に入れ、室温(23℃)にて30分間で均一に混合した。均一に混合した後、氷水冷却下(8℃)にて30分間、冷却減圧にて均一に混合した。得られた組成物を10μmのメンブレンフィルターにて異物等を除去した後、組成物を得た。
【0077】
実施例1−2〜8−2、比較例1及び2について、以下の表2に示す配合で、実施例1−1と同様にして、組成物を調製した。
【0078】
【表2】
【0079】
<物性の評価>
実施例及び比較例で得られた各々の紫外線硬化性樹脂組成物を、金型に塗布して塗膜を形成し、ウシオ電機株式会社製高圧水銀灯:UVL−4001Mを用い、120w/cmにて所定の紫外線照射により厚さ2mmの試料を作製した。得られた塗膜について以下の条件により物性を測定、評価した。
〔外観〕
塗膜の透明度を目視にて観察、評価した。
〔表面の硬化状態〕
硬化させた塗膜の表面を目視及び指触観察して評価した。ウシオ電機株式会社製高圧水銀灯:UVL−4001Mを用い、120w/cmにて所定の紫外線照射により厚さ2mmの試料を硬化させる際の表面の硬化状態を観察した。表面が液状になっているか、タックが生じているかを観察した。
〔硬さ〕
・A硬度:JIS K 6253 Eに準拠し、DUROMETER HARDNESS TYPE A(ASKER製)にて23℃における硬化物のA硬度を測定した。

・E硬度:JIS K 6253 Eに準拠し、DUROMETER HARDNESS TYPE E(ASKER製)にて23℃における硬化物のE硬度を測定した。
・マイクロ硬度計:マイクロ硬度計(高分子計器株式会社製、製品名:M250)により硬度を測定した。
〔伸び〕JIS K 6301に準拠し、ショッパー引張試験機(東洋精機製作所製)にて23℃における試料の伸びを測定した。
〔引張強度〕JIS K 6301に準拠し、ショッパー引張試験機(東洋精機製作所製)にて23℃における試料の伸びを測定した。
〔粘度〕
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、No.4ローターを使用し、30rpmで、23℃における粘度を測定した。また、50℃の環境下に3日間置いた後の粘度を同様にして測定した。表中の単位はPa・sである。
〔密着性〕
硬化被膜を形成したフィルム表面にJIS K 5600−5−6に準拠して格子状のクロスカットを形成し、25mm幅のセロハンテープ剥離試験をおこなった。密着性評価は、残存マス目数/全マス目数で示した。
〔カール〕
ポリオルガノシロキサン組成物を、トリアセチルセルロースフィルム(80μm)上に100μmの厚さで塗布し、前記紫外線照射装置を用いて、2000mJ/cmの照射量で紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。100mmX100mm角のサンプルを調製し、23℃、50%RHの条件下で16時間放置、その後サンプルの4隅の浮き上がり状態を測定、平均値を評価した。
〔耐スクラッチ性〕
ポリオルガノシロキサン組成物を、トリアセチルセルロースフィルム(80μm)上に100μmの厚さで塗布し、前記紫外線照射装置を用いて、2000mJ/cmの照射量で紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。次いで、形成された硬化被膜に対して、JIS K5600−5−4に準じて鉛筆硬度試験を行い、耐スクラッチ性を評価した。鉛筆硬度試験では、2B及び4Bの鉛筆を用い、750g荷重で線を引き、硬化被膜のその後の状態を目視し、硬化被膜のめくれがない場合に、「OK」と評価した。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
実施例の組成物は紫外線硬化の際に酸素による硬化阻害が小さく、硬化しきるか又は若干タック感が残る程度の硬化状態で皮膜が得られたが、コロイダルシリカ溶液を含まない比較例では、表面が液状のままで未硬化であった。また、硬さにおいても実施例の組成物は十分な硬さを有していた。さらに、コロイダルシリカ溶液を含まないだけで同様の組成である実施例1−1と比較例1とを比べると、密着性に大きな差が現れた。
【0084】
<湿気硬化>
湿気硬化触媒を配合している実施例の組成物について、23℃、50%RHの条件にて7日間養生することにより硬化させ、上記方法と同様にして、硬さ、伸び及び引張強度を測定した。結果を以下の表に示す。
【0085】
【表6】
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物によれば、熱安定性及び/又は腐食保護コーティングとして、特に耐スクラッチ性に優れた硬化被膜を形成し、電気・電子機器用コーティング材等として有用な組成物が得られる。このため、コーティングを必要とする電気・電子機器分野において本発明は有用である。