(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通報手段は、前記監視者端末に前記使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する前に前記使用者端末に事前通知を行う、ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の見守り支援システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている、生体情報の測定機能を有する見守り支援装置は、この見守り支援装置を使用するユーザがこの見守り支援装置を用いて体重などの生体情報の測定を行うことを前提にしている。この場合、ユーザが生体情報の測定を行ったり行わなかったりすると、実際にはユーザに特段の異常がないにもかかわらず、遠隔地に居住している家族に対しては都度メールが送信されてしまう。
【0005】
本発明は、ユーザが生体情報の測定を行うことを必ずしも前提としない見守り支援システムの提供を目的とする。また、生体情報を測定する場所や測定頻度がユーザそれぞれに違うことを考慮した見守り支援システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の見守り支援システムは、見守り支援装置を用いて使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する見守り支援システムであって、見守り支援装置は、使用者端末及び監視者端末を登録する登録手段と、前記使用者端末が発する電波の受信強度に基づいて前記使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信するか否かの判断条件を設定する条件設定手段と、前記使用者端末が発する電波の受信強度を測定する測定手段と、前記判断条件に基づいて前記監視者端末に前記使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する通報手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の見守り支援システムは、前記登録手段は、前記見守り支援装置が常時設置される場所をさらに登録して、前記条件設定手段は、前記見守り支援装置が常時設置される場所ごとに前記判断条件を設定する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の見守り支援システムは、前記条件設定手段は、前記電波の受信強度の実測値に基づいて前記判断条件を設定する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の見守り支援システムは、前記通報手段は、前記監視者端末に前記使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する前に前記使用者端末に事前通知を行う、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の見守り支援システムは、前記見守り支援装置は、体組成計であることを特徴とする。
【0011】
本発明の見守り支援プログラムは、コンピュータを、上記の見守り支援装置として機能させることを特徴とする。
【0012】
本発明の見守り支援方法は、見守り支援装置を用いて使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する見守り支援方法であって、見守り支援装置は、使用者端末及び監視者端末を登録し、前記使用者端末が発する電波の受信強度に基づいて前記使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信するか否かの判断条件を設定し、前記使用者端末が発する電波の受信強度を測定し、前記判断条件に基づいて前記監視者端末に前記使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、見守り支援装置(体組成計等)において、使用者が携帯している使用者端末が発する電波の受信強度を測定して、その電波の受信強度に基づいて使用者端末の通信圏外か否かを判断する。例えば、見守り支援装置(体組成計等)が使用者端末の通信圏外である状態が長く続いている場合には、使用者端末が見守り支援装置(体組成計等)の近傍に無い状態が続いている、つまり、使用者の行動に異変が生じている可能性があるとみなして、監視者端末に安否確認を促す通報メッセージを送信する。このような見守り支援システムでは、見守り支援装置(体組成計等)の使用に依存することなく、見守り支援を実現することが出来る。
【0014】
また、本発明によれば、見守り支援装置(体組成計等)が常時設置される場所の違いによって、見守り支援装置(体組成計等)が使用者端末の通信圏外と判断する条件を設定することが出来る。この条件は、例えば、通信圏外と判断する時間や発生回数である。このようにすることで、使用者ごとに異なる見守り支援装置(体組成計)の設置場所や使用頻度を考慮した見守り支援を実現することが出来る。
【0015】
本発明によれば、見守り支援装置(体組成計等)使用者端末の通信圏外と判断する条件を、実際の設置場所における電波の受信強度の実測値に基づいて設定することで、より高精度に使用者端末の通信圏外と判断するようになるため、より適切に監視者端末に安否確認を促す通報メッセージを送信することが出来る。
【0016】
また、本発明によれば、使用者の安否確認を促すメッセージを監視者端末に通報する前に、使用者端末に事前通知を行うことで、使用者が意図しない通報を未然に回避することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、
図1を参照して、本発明の見守り支援システムの概要を説明する。
図1において、体組成計10は、見守り支援装置の一例である。使用者端末20は、体組成計10を使用する使用者が日常的に携帯する携帯端末である。監視者端末30は、使用者の家族等が使用する端末で、体組成計10から、使用者の安否確認を促す通報メッセージを受信する。
【0019】
体組成計10は、使用者端末20が発する、例えば、Bluetooth(登録商標)回線やWiFiの電波を受信する(S1)。体組成計10は、この電波の受信強度(RSSI)を測定して(S2)、測定した電波の受信強度(RSSI)が一定時間を過ぎても所定値以下の状態が続く場合(異常値の検出)には、使用者端末20が体組成計10の近傍に移動した形跡がなく使用者に異常が起きた可能性があると判断して、監視者端末30に対して、使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する(S5)。
【0020】
ここで、体組成計10は、異常値を検出したときにブザーや合成音声によるアラート音を発してもよい。また、体組成計10は、監視者端末30に通報メッセージを送信する前に、使用者端末20に対して事前通知を行って、使用者が使用者端末20を操作して通報メッセージの停止措置をとらなかった場合に、監視者端末30に対して安否確認を促す通報メッセージを送信するようにしてもよい(S4)。
【0021】
なお、使用者端末20は、基地局40、インターネット50と接続しており、テザリング機能を用いることでWiFiの電波を発することが出来る。
【0022】
次に、
図2を参照して、体組成計10の内部構成例を説明する。
図2において、体組成計10は、第1無線通信部(Bluetooth回線)11、第1無線測定部110、第2無線通信部(WiFi回線)12、第2無線測定部120、第3無線通信部(モバイル回線)13、基本機能部14、登録部15、条件設定部160、電波強度判定部16、通報部17、アラート出力部18、制御部19を備える。
【0023】
第1無線通信部(Bluetooth回線)11は、Bluetooth回線を用いて使用者端末20との間でペアリングを行って通信を行う。
【0024】
第1無線測定部(Bluetooth回線)110は、使用者端末20が発するBluetooth回線のビーコン信号の受信強度(RSSI)を測定する。この測定において、ビーコン信号に含まれているMACアドレスが予め登録部に設定したMACアドレスが一致している場合に、ビーコン信号の受信強度(RSSI)を測定する。この受信強度(RSSI)の測定は既知の無線デバイスを用いて測定することが出来る。受信強度(RSSI)の測定は、条件設定部160において予め設定された監視間隔のタイミングで行われる。
【0025】
第2無線通信部(WiFi回線)12は、例えば、WiFi回線を用いて使用者端末20との間で通信を行う。
【0026】
第2無線測定部(WiFi回線)120は、使用者端末20が発するWiFi回線のビーコン信号の受信強度(RSSI)を測定する。この測定において、ビーコン信号に含まれているMACアドレスが予め登録部に設定したMACアドレスが一致している場合に、ビーコン信号の受信強度(RSSI)を測定する。この受信強度(RSSI)の測定は既知の無線デバイスを用いて測定することが出来る。受信強度(RSSI)の測定は、条件設定部160において予め設定された監視間隔のタイミングで行われる。
【0027】
第3無線通信部(モバイル回線)13は、体組成計10が監視者端末30に対して通報メッセージを送信するときの通信インタフェースである。第3無線通信部(モバイル回線)13は、例えば、3G、4G等の携帯電話回線を用いて監視者端末30との間で通信を行う。
【0028】
基本機能部14は、体組成計10の基本的な機能を備えている。図示しないデータ測定部、表示部、操作部、記憶部をそれぞれ備える。
【0029】
データ測定部は、体重、体脂肪率、BMI、基礎代謝、内蔵脂肪率、身体年齢、骨レベルなどの生体情報を測定する。測定データは使用者ごとに区別されて記憶部に記憶される。
【0030】
表示部は、体重、BMI、基礎代謝等の測定データの値を表示する。第1無線通信部(Bluetooth回線)11、第2無線通信部(WiFi回線)12、第3無線通信部(モバイル回線)13それぞれの接続状態、受信レベルや圏外表示を行う。また、ユーザ情報の表示、電池残量等の表示を行う。表示部は、例えば液晶パネルを用いることが出来る。
【0031】
操作部は、登録部15において、ユーザ情報の登録や体組成計10の使用態様を登録する際に使用する「OK」、「クリア」、「上へ」、「下へ」等のキー操作を行う。
【0032】
記憶部は、登録部15によって登録されたユーザ情報と、データ測定部によって測定されたデータを記憶する。また、体組成計10の動作を制御する各種プログラムを格納している。
【0033】
登録部15は、体組成計10の使用者に関するユーザ情報を登録する。体組成計10は、複数人が共同で使用することが出来るようになっている。登録部15は、使用者それぞれの氏名のほか、身長などの生体情報を予め登録する。体組成計10は、体重や体の電気抵抗値から体組成計10に乗った使用者を自動的に認識する。これにより、体組成計10は、体重等の測定データを自動的に使用者ごとに区別して記憶部に記録し管理することが出来るようになっている。体組成計10が測定時に使用者を自動的に切り替える機能を備えていない場合には、測定時に使用者が手動で自身を登録することが出来るユーザインタフェースを備えるようにしてもよい。これらの使用者の氏名や身長などの初期情報の登録については、ここでは説明を省略する。
【0034】
次に、
図3を参照して、登録部15において、体組成計10を見守り支援装置として使用する場合の使用態様の登録について説明する。
図3において、使用場所151は、プルダウンメニューの中から、洗面所、脱衣所、寝室、居間などの予め用意されている体組成計10が主に使用される場所を一つ選択する。
【0035】
使用者携帯(MACアドレス)152は、使用者が普段使用している使用者端末20を一意に特定することが可能な番号を登録する。使用者携帯152は、例えば、使用者端末20のMACアドレスを設定してもよい。使用者携帯152は、使用者が使用者端末20のMACアドレスを調べて、直接入力してもよいし、体組成計10が、Bluetooth回線を用いて使用者端末20とペアリングを行う処理においてMACアドレスを取得して設定するようにしてもよい。
【0036】
また、使用者携帯(電話番号)153は、使用者端末20の電話番号を登録する。体組成計10は、使用者端末20に対してアラートの発生を事前に通知してもよい。その場合、使用者端末20の電話番号を指定することによって、ショートセッセージを用いた事前通知を行うことが出来る。
【0037】
通報先携帯(電話番号)154は、体組成計10が異常を察知して使用者の安否確認を監視者に促すにあたり、監視者が普段使用している監視者端末30を登録する。体組成計10は、監視者端末30に対して使用者の安否確認を促す通報メッセージを送信する。その場合、監視者端末30の電話番号を指定することによって、ショートセッセージを用いた通報メッセージを送信することが出来る。
【0038】
条件設定155は、クリックすると詳細な条件設定を行う画面に遷移する。また、メニュー156は、ここをクリックするとメニュー画面に遷移する。見守り支援機能157は、体組成計10を見守り支援装置としても使用する(ON)か否か(OFF)を設定するラジオボタンである。この見守り支援機能157は、メニュー画面或いは後述する条件設定画面160に設けてもよい。
【0039】
次に、
図2の条件設定画面160について説明する。条件設定画面160は、体組成計10が設置される場所(脱衣所、居間、寝室など)を指定したあと、その設置場所に応じて、使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)の値の違いによって、監視者端末30に通報メッセージを送信するための判断条件を設定する。
【0040】
図4の条件設定画面は、
図3において体組成計10の使用場所151として「脱衣所」を指定したあとに条件細設定155をクリックすると表示部141に表示される画面である。
【0041】
図4において、電波強度測定時間161は、使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)を測定する時刻を設定する。例えば、一日一回、毎時7:00などと設定する。体組成計10は、この電波強度測定時間161に設定された周期で、第1無線通信部(Bluetooth回線)11と第2無線通信部(WiFi回線)12のいずれか一方、又は両方の電波の受信強度(RSSI)を測定する。
【0042】
優先測定回線165は、第1無線通信部(Bluetooth回線)11と第2無線通信部(WiFi回線)12のいずれを優先的に測定するかを設定する。第2無線通信部(WiFi回線)12が備わっていない使用端末20を使用するときは、第1無線通信部(Bluetooth回線)11の電波の受信強度(RSSI)を優先して測定する。
【0043】
異常継続時間162は、電波強度測定時間161で指定した時刻から一定時間が経過してもなお所定のしきい値の電波強度が観測されなかった場合に、「異常」と判断して監視者端末30に通報メッセージを送信するための時間を設定する。ここで、この異常継続時間162が経過するまでの間に、使用者が体組成計10に乗って体重等の測定を行った場合には、「異常」と判断しないようにしてもよい。この設定は、例えば、ラジオボタンやアイコン等の各種ユーザインタフェースを用いて設定してもよい。前述したように、体組成計10は、予め登録された使用者であれば、体組成計10に乗って生体情報の測定が行われた時点で、使用者端末20の電波強度の観測如何によらず使用者の安否が確認出来ることになる。
【0044】
Bluetooth163、WiFi164は、使用者端末20が発するそれぞれの電波の受信強度を基に「異常」と判断するための所定のしきい値を設定する。このしきい値は、電波の受信強度(RSSI)の値を、−○○dBm〜−○○dBmと直接指定してもよいし、体組成計10が常時設置される場所と使用端末20との間の距離を半径○m〜○mと設定してもよい。これは、使用端末20(送信地点)と体組成計10(受信地点)との間の距離と、体組成計10(受信地点)における電波の受信強度(RSSI)との関係に着目して設定するものである。
【0045】
図5を参照して、体組成計10における電波の受信強度(RSSI)について説明する。一般に、電波の受信強度(RSSI)と無線機の送信電力及び無線機からの距離(d)との関係は、RSSI=送信電力−20*log(d)で表すことが出来る。この式から、距離(d)=10^(送信電力−RSSI)/20となる。この式を利用すれば、
図5において、電波の受信強度(RSSI)と使用端末20との距離(半径)を指定することにより、電波の受信強度(RSSI)の値を間接的に指定することが出来る。ここで、使用端末20のBluetooth回線とWiFi回線それぞれの送信電力は既知の値なので、体組成計10からの距離(d)を半径○m〜○mと設定することによって、「異常」と判断するための電波の受信強度(RSSI)のしきい値を設定することが出来る。
【0046】
体組成計10は、
図5に示すような、使用端末20と体組成計10との間の距離を表す半径と、Bluetooth回線とWiFi回線それぞれ電波の受信強度(RSSI)との関係を示す電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170を予め備えるようにしてもよい。その場合、
図4において、Bluetooth回線とWiFi回線それぞれついて半径を指定することで、この電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170に示す範囲の受信強度(RSSI)が観測出来なかった場合に「異常」と判断することが出来る。
【0047】
図2に戻って、体組成計10の電波強度判定部16は、
図4に示した優先測定回線165に指定した無線回線の電波の受信強度(RSSI)が、電波強度測定時間161に測定を開始して、異常継続時間162に定めた時間を経過してもなお電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170に示す範囲の値を観測されなかった場合に、体組成計10が使用者端末20の通信圏外である状態が続いている、つまり、使用者が使用者端末20を持って体組成計10の近傍に移動した形跡がない状態が続いているとみなして、使用者に異常が起きた可能性があると判断して、「異常」と判断する。
【0048】
ここで、電波強度判定部16は、いったん「異常」と判断した場合に、次の電波強度測定時間161を待つことなく、所定の時間ごとに電波の受信強度(RSSI)を測定して、このような通信圏外が発生する回数や頻度をカウントして「異常」と判断してもよい。
【0049】
また、電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170は、体組成計10が常時設置される脱衣所、洗面所、寝室、居間等の場所ごとに、「異常」と判断する条件、つまり、電波の受信強度(RSSI)のしきい値の範囲を設定出来るようになっている。また、この電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170は、第1無線測定部110、第2無線測定部120における電波の受信強度(RSSI)の実測値に基づいて、「異常」と判断するしきい値の範囲を設定出来るようになっている。
【0050】
通報部17は、体組成計10が、使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)の値に基づいて「異常」を検知すると、監視端末30に対する通報メッセージを作成して第3無線通信部(モバイル回線)13から送信する。また、通報部17は、使用者端末20に対する事前通知のショートメッセージを作成して、第1無線通信部(Bluetooth回線)11または第2無線通信部(WiFi回線)12から送信する。
【0051】
アラート出力部18は、体組成計10が、使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)の値に基づいて「異常」と判断した場合には、内蔵しているタイマーが起動して、タイマーがカウントアップするとアラート音を発生して、このアラート音は、体組成計10のスピーカから音声ガイダンスを出力したり、ブザーを鳴らすようにしてもよい。なお、上述の通報部17の通報メッセージも、このタイマーがカウントアップしたときに送信されるようになっている。
【0052】
制御部19は、は、CPU等の制御デバイスであり、記憶部にインストールされているプログラムに従って動作する。制御部19は、このプログラムを実行することで、情報処理に係る汎用機能と連携して、体組成計10の使用態様の登録、使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)に基づいて「異常」と判断するための条件設定、その電波の受信強度(RSSI)の測定、その電波の受信強度(RSSI)に基づく「異常」の判断、事前通知メッセージの作成と送信、通報メッセージの作成と送信及び停止措置、アラート音の出力や停止措置等の一連の処理を行う
【0053】
次に、
図6を参照して、体組成計10の動作処理フローを説明する。いま、体組成計10は、電源がオンになっていて体重等の測定を行うことが出来る待機状態にある(S601)。なお、この体組成計10は、登録部15の登録画面150、条件設定画面160に示す使用態様、電波の受信強度(RSSI)しきい値デーブル170に基づいて「異常」と判断するための条件等が予め設定されているものとする。
【0054】
体組成計10は、条件設定画面160において設定した電波強度測定時間161になると、優先測定回線165において指定した無線回線の電波の受信強度(RSSI)の測定を開始する(S602)。ここでは、第1無線通信部(Bluetooth回線)11の電波を測定するものとして、第1無線測定部110がBluetooth回線の受信強度(RSSI)の測定を行う。
【0055】
体組成計10は、電波強度判定部16によって、第1無線測定部110が測定したBluetooth回線の受信強度(RSSI)が異常継続時間162を経過してもなお電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170に示す範囲の値を観測しなかった場合には、例えば、体組成計10が使用者端末20の通信圏外である状態が長く続いている、つまり、使用者が使用端末20を持って体組成計10の近くに足を運んだ形跡がないとみなして、使用者に「異常」が生じた疑いがあると判断する(S603)。
【0056】
なお、異常継続時間162の時間内に電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170に示す範囲の値が観測された場合には「異常」と判断しないで待機状態に戻る(S605)。また、体組成計10は、異常継続時間162の時間内に、使用者が体組成計10に乗って体重等の測定を行ったことを検知した場合も「異常」と判断しないようにしてもよい。この場合、体組成計10に乗った場合に「異常」と判断しないようにする設定は、前述したように、ラジオボタンやアイコン等の各種ユーザインタフェースを用いて設定出来るようになっている。
【0057】
体組成計10は、使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)の値に基づいて「異常」と判断した場合には、監視者端末30に通報を行うが、その通報に先立って使用端末20に対して事前通知を行う(S604)。これは、例えば、体組成計10から遠く離れた場所に使用者端末20が置きっ放しにされていて、体組成計10において使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)が低い状態が長く続くような場合も想定されることから、通報メッセージが送信される前に使用者端末20に対して注意メッセージを送信するものである。
【0058】
使用者がこの注意メッセージを見て、体組成計10の通報メッセージの送信を停止する措置を行った場合には、体組成計10は、通報メッセージを送信しないで待機状態に戻る(S607)。もし、使用者が通報メッセージの送信を停止する措置を行わなかった場合(S608)には、体組成計10は、監視端末30に対して通報メッセージを送信する(S609)。
【0059】
図7を参照して、通報メッセージの一例について説明する。体組成計10は、使用者端末20が発する電波の受信強度(RSSI)の値に基づいて「異常」を検知すると、通報部18によって事前通知のショートメッセージを作成する(S701)。このショートメッセージには、体組成計10が「異常」を検知して、あと3分10秒後にアラート音を出力することと、監視者端末30に対して通報メッセージを送信する旨のコメントが記載されている。
【0060】
体組成計10は、この事前通知のショートメッセージを使用者端末20に送信する(S702)。使用者端末20は、このショートメッセージを受信すると、アラート音を出力するように予め設定しておいてもよい。体組成計10は、使用者によってアラート音と通報メッセージの停止措置が行われると、アラート音を出力せず通報メッセージも送信しない。この停止措置は、体組成計10に「アラート音停止」や「通報停止」のボタン操作を行うようにしてもよい。また、使用者が体組成計10に乗ったときに、この停止措置が行われるようにしてもよい。
【0061】
体組成計10は、この停止措置が行われなかった場合には、監視者端末30に対して通報メッセージを送信する(S703)。この通報メッセージには、体組成計10において「異常」が検知されたこと、使用者端末20が寝室に24時間以上放置されている疑いがあること、監視者に使用者の安否確認を促す旨のコメントが記載されている。ここで、体組成計10の設置場所が「寝室」であること、放置時間が「24時間以上」であることは、登録画面150、条件設定画面160により予め登録した使用態様や「異常」と判断するための異常継続時間の設定情報を用いることが出来る。
【0062】
体組成計10は、前述したように複数の人が共同で使用することが出来る。
図3の登録画面150、
図4の条件設定画面160、電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170の各パラメータの設定値は、使用者ごとに個別に設定することが可能である。また、通報メッセージの通報先を一か所ではなく複数の通報先を指定したり、通報メッセージの再送有無を指定することも出来る。また、事前通知の有無やアラートの停止措置の方法等についても使用者ごとに個別に設定することが可能である。
【0063】
また、登録画面150、条件設定画面160、電波の受信強度(RSSI)しきい値テーブル170の各パラメータの設定値は、使用者端末20やパソコン等の外部装置から体組成計10に対してデータを転送するようにしてもよい。その場合、使用者端末20やパソコンに専用アプリ等のプログラムが起動すると、パラメータの設定に係る入力フォームとガイダンスが画面に表示されるようにして、ガイダンスに従って設定値の入力と体組成計10ヘの転送が実行される。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップなどの各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、順序を変更して実現することが出来る。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。