(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記芳香剤材料が、(2E,6E)−ノナ−2,6−ジエナール、2,6,10−トリメチルウンデカ−9−エナール;1−メチル−4−(4−メチルペンタ−3−エニル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;(E)−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;2−ベンジリデンヘプタナール;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)ブタ−3−エン−2−オン;3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール、(2Z)−2−ベンジリデンヘキサナール;3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナール;3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナール;2−(3,7−ジメチルオクタ−6−エノキシ)アセトアルデヒド;3−(4−プロパン−2−イルフェニル)プロパナール;3−(4−プロパン−2−イルフェニル)ブタナール;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−1,3−ジエニル)ブタ−2−エン−1−オン;1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−エトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド;5−メチルヘプタ−2−エン−4−オン;3−(2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール;3−(3−イソプロピルフェニル)ブタナール;1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル)ペンタ−4−エン−1−オン;(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナール;1,3−ベンゾジオキソール−5−カルバルデヒド;2−(フェニルメチリデン)オクタナール;(E)−1−(2,4,4−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン;3−(4−メチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)ブタナール;2,6−ジメチルヘプタ−5−エナール;6−メチルヘプタ−5−エン−2−オン;メチルフェニル)メチリデン]ヘプタナール;5,5−ジメチル−2,3,4,4a,6,7−ヘキサヒドロ−1H−ナフタレン−2−カルバルデヒド;2−[2−(4−メチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)プロピル]シクロペンタン−1−オン;2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;ウンデカ−10−エナール;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド;4−メトキシベンズアルデヒド、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1又は2に記載の液体洗濯洗剤組成物。
前記芳香剤材料が、(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;(E)−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)ブタ−3−エン−2−オン;3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナール;3−(4−プロパン−2−イルフェニル)ブタナール;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−1,3−ジエニル)ブタ−2−エン−1−オン;1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−エトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド;3−(2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール;3−(3−イソプロピルフェニル)ブタナール;1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル)ペンタ−4−エン−1−オン;(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;1,3−ベンゾジオキソール−5−カルバルデヒド;2−(フェニルメチリデン)オクタナール;2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;ウンデカ−10−エナール;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド;4−メトキシベンズアルデヒド、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項3に記載の液体洗濯洗剤組成物。
前記アルデヒド含有芳香剤材料、ケトン含有芳香剤材料、又はこれらの混合物が、75〜450の分子量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
前記アルデヒド含有芳香剤材料、ケトン含有芳香剤材料、又はこれらの混合物が、0.25〜7のlogPを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
補助成分を含み、前記補助成分が、漂白剤、漂白触媒、染料、色調染料、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染抑制剤、キレート剤、酵素、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレートポリマー、セルロースポリマー、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の液体洗濯洗剤組成物全体は、事実上液体である。すなわち、たとえ液相内に分散した固体を含んでいようと、当該組成物は、固体又は顆粒状組成物ではなく、液体の性質を有する。本発明の洗濯洗剤組成物に関連して、用語「液体」は、このような分散液、ゲル、ペーストなどの形態を包含する。液体組成物は、好適に細分された形態の気体を含んでもよい。しかし、液体組成物は、錠剤又は顆粒などの全体が非液体である形態を除外する。
【0009】
用語「液体洗濯洗剤組成物」とは、家庭用洗濯機で布地を濡らし、処理することができる、例えば、衣類を洗浄することができる液体を含む任意の洗濯洗剤組成物を指す。
【0010】
液体組成物は、単位用量物品に処方され得る。本発明の単位用量物品は、少なくとも1つの区画に液体組成物を完全に封入する水溶性フィルムを含む。好適な単位用量物品については、以下でより詳細に説明する。
【0011】
液体洗濯洗剤組成物は、完全に処方された消費者製品として使用してもよく、又は1つ以上の更なる成分に添加して、完全に処方された消費者製品を形成してもよい。液体洗濯洗剤組成物は、布地を洗浄液に加える前に、布地、好ましくは布地のしみに加える「前処理」組成物であってもよい。
【0012】
本発明の組成物は、当該組成物の0.001重量%〜5重量%の、アルデヒド含有芳香剤材料、ケトン含有芳香剤材料、又はこれらの混合物を含む。好適なアルデヒド含有芳香剤材料及びケトン含有芳香剤材料については、以下でより詳細に説明する。
【0013】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。
【0014】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%未満、又は更には5重量%未満、又は更には2重量未満のアミン中和アニオン性界面活性剤を含み、当該アニオン性界面活性剤は、好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0015】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜20重量%の水を含み、20℃で65%未満の平衡相対湿度を有し得る。
【0016】
当該組成物は、その組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミン化合物を含む。好適なアミンについては、以下でより詳細に説明する。
【0017】
液体洗濯洗剤組成物は、
構造化剤を含み得る。好適な
構造化剤については、以下でより詳細に説明する。
【0018】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、補助成分を含み得る。
【0019】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、1000s
−1の剪断速度で300mPa・s〜700mPa・s、より好ましくは350mPa・s〜600mPa・sの粘度を有する。粘度を測定するための例示的な方法は、製造業者の説明書に従って、20℃で1000μmのギャップを使用してTA instruments製のレオメータDHR1を使用することである。
【0020】
アルデヒド及びケトン
本発明の組成物は、当該組成物の0.01重量%〜5重量%、又は更には0.002重量%〜4重量%、又は更には0.005重量%〜3重量%、又は更には0.1重量%〜2重量%の、アルデヒド含有芳香剤材料、ケトン含有芳香剤材料、又はこれらの混合物を含む。
【0021】
アルデヒド含有材料は、水素原子に結合しているカルボニル基を有することを特徴とする有機化合物である。
【0022】
ケトン含有材料は、2つの炭素原子に結合しているカルボニル基を有することを特徴とする有機化合物である。
【0023】
本発明のアルデヒド及びケトン含有材料は、芳香剤材料であることも必要とする。芳香剤材料は、ヒトの大部分によって知覚され得る匂いを有するものである。好ましくは、アルデヒド含有及びケトン含有芳香剤材料は、75〜450、又は更には80〜400、又は更には85〜350の分子量範囲を有する。好ましくは、アルデヒド含有及びケトン含有芳香剤材料は、0.25〜7、又は更には0.5〜6.75、又は更には0.75〜6.5のlogPを有する。好ましくは、アルデヒド含有及びケトン含有芳香剤材料は、25℃で3.3×10
−3〜1.3×10
4(2.5×10−
5〜9.5×10
1)のPa(mmHg)の蒸気圧を有する。
【0024】
アルデヒド又はケトン含有芳香剤材料は、(2E,6E)−ノナ−2,6−ジエナール、2,6,10−トリメチルウンデカ−9−エナール;1−メチル−4−(4−メチルペンタ−3−エニル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;(E)−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;2−ベンジリデンヘプタナール;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)ブタ−3−エン−2−オン;3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール、(2Z)−2−ベンジリデンヘキサナール;3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナール;3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナール;2−(3,7−ジメチルオクタ−6−エノキシ)アセトアルデヒド;3−(4−プロパン−2−イルフェニル)プロパナール;3−(4−プロパン−2−イルフェニル)ブタナール;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−1,3−ジエニル)ブタ−2−エン−1−オン;1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−エトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド;5−メチルヘプタ−2−エン−4−オン;3−(2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール;3−(3−イソプロピルフェニル)ブタナール;1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル)ペンタ−4−エン−1−オン;(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナール;1,3−ベンゾジオキソール−5−カルバルデヒド;2−(フェニルメチリデン)オクタナール;(E)−1−(2,4,4−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン;3−(4−メチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)ブタナール;2,6−ジメチルへプタ−5−エナール;6−メチルヘプタ−5−エン−2−オン;メチルフェニル)メチリデン]ヘプタナール;5,5−ジメチル−2,3,4,4a,6,7−ヘキサヒドロ−1H−ナフタレン−2−カルバルデヒド;2−[2−(4−メチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)プロピル]シクロペンタン−1−オン;2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;ウンデカ−10−エナール;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド;4−メトキシベンズアルデヒド、及びこれらの混合物を含む群から選択してよい。
【0025】
アルデヒド又はケトン含有芳香剤材料は、好ましくは、(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;(E)−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)ブタ−3−エン−2−オン;3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエナール;3−(4−プロパン−2−イルフェニル)ブタナール;(E)−1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−1,3−ジエニル)ブタ−2−エン−1−オン;1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン−1−オン;4−エトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒド;3−(2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール;3−(3−イソプロピルフェニル)ブタナール;1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル)ペンタ−4−エン−1−オン;(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサ−2−エニル)ブタ−3−エン−2−オン;1,3−ベンゾジオキソール−5−カルバルデヒド;2−(フェニルメチリデン)オクタナール;2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;ウンデカ−10−エナール;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド;4−メトキシベンズアルデヒド、及びこれらの混合物を含む群から選択してよい。
【0026】
非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、層状液晶アルキルベンゼンスルホネートである。「層状液晶」とは、本明細書では、界面活性剤分子が、溶媒の薄層によって分離されている溶融状態の界面活性剤の二層の積層体に構築されている状態である系を意味する。この構造は、流動体の観点における液体特性及び構造化の観点における固体特性の両方を有する。この構造は、そのd−スペーシング、二層の厚さの合計、及びシート間の溶媒層によって特徴付けられる。この構造の繰り返し及び周期性によって、結晶相に特徴的な急峻なx線回折ピークが得られる。
【0027】
液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の15重量%〜25重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは、層状液晶アルキルベンゼンスルホネートを含み得る。
【0028】
直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、液体洗濯洗剤組成物で分散した固体の形態で存在し得る。「固体」とは、本明細書では、粒子、結晶、層状液晶、及びこれらの混合物を意味する。
【0029】
非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アミン以外の中和物質を用いて、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が、対応する直鎖アルキルベンゼンスルホネートに中和されているものである。このような中和基の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム、又はこれらの混合物であってよい。
【0030】
非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、C
10〜C
16直鎖アルキルベンゼンスルホネート若しくはC
11〜C
14直鎖アルキルベンゼンスルホネート、又はこれらの混合物であってよい。
【0031】
例示的な直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、C
10〜C
16アルキルベンゼンスルホン酸又はC
11〜C
14アルキルベンゼンスルホン酸である。「直鎖」とは、本明細書では、アルキル基が直鎖状であることを意味する。アルキルベンゼンスルホネートは、当該技術分野において周知である。特に有用なのは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14である、直鎖線状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、カリウム、及びマグネシウムである。
【0032】
液体洗濯洗剤組成物は、アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含み得る。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%未満、又は更には5重量%未満、又は更には3重量%未満のアミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。
【0033】
液体洗濯洗剤組成物は、非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びアミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは、アルカリ土類金属非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートと、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%未満、又は更には5重量%未満、又は更には3重量%未満のアミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは、モノエタノールアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネート、又はこれらの混合物とを含み得る。
【0034】
アルコール
液相は、当該組成物の5重量%〜40重量%、又は更には5重量%〜20重量%、又は更には5重量%〜15重量%のアルコールを含み、当該アルコールは、20〜400の分子量を有し、かつアルコールeRH試験を介して測定したときに20℃で50%〜80%、又は更には52%〜75%のeRHを有する。
【0035】
アルコールeRH試験は、脱イオン水中80%アルコールの溶液を調製する工程と、続いて、室温(20℃+/−1℃)で、較正したRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)にこれを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0036】
「アルコール」とは、本明細書では、全てまとめたとき、それぞれが20〜400の分子量を有し、かつeRH試験を介して測定したときに20℃で50%〜80%の、化合物又は混合物の全体eRHを有する、単一化合物又は化合物の混合物のいずれかを意味する。理論に束縛されるものではないが、アルコールは、少なくとも1つのOH単位、好ましくはポリオール及びジオール、より好ましくはジオールを含む任意の化合物である。好ましいジオールとしては、グリコールが挙げられる。
【0037】
アルコールは、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマルジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0038】
アルコールは、エチレングリコール、1,2プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマルジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0039】
より好ましくは、アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0040】
アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0041】
アミン
洗剤組成物は、当該組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミン化合物、又は更には当該組成物の0.1重量%〜5重量%、又は更には0.1重量%〜4重量%のヒドロキシル含有アミン化合物を含む。「ヒドロキシル含有アミン化合物」とは、本明細書では、アルコール(OH)基及びアミン基を含む化合物を意味する。ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノアミノヘキサノール、2−[(2−メトキシエチル)メチルアミノ]−エタノール、プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノブタノールアミン、イソブタノールアミン、モノペンタノールアミン、1−アミノ−3−(2−メトキシエトキシ)−2−プロパノール、2−メチル−4−(メチルアミノ)−2−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、ヘプタミノール、イソエタリン、ノルエピネフリン、スフィンゴシン、フェニルプロパノールアミン、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0042】
ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0043】
好ましくは、ヒドロキシル含有アミン化合物は、500未満、又は更には250未満の分子量を有する。
【0044】
洗剤組成物は、他のアミン含有化合物を含み得る。
【0045】
他の非アミン中和アニオン性界面活性剤
液体洗濯洗剤組成物は、他の非アミン中和アニオン性界面活性剤、好ましくは、非アミン中和アルキルサルフェート、より好ましくは、非アミン中和エトキシ化アルキルサルフェートを含み得る。非アミン中和アニオン性界面活性剤は、非アミン中和アルキルサルフェート、非アミン中和エトキシ化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。好ましくは、非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、層状液晶アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤である。非アミン中和アニオン性界面活性剤は、層状液晶アルキルサルフェート、層状液晶エトキシ化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。
【0046】
液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の10重量%〜30重量%、又は更には15重量%〜25重量%の、非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、好ましくは、層状液晶非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0047】
非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、液体洗濯洗剤組成物内に分散した固体の形態で存在し得る。「固体」とは、本明細書では、粒子、結晶、層状液晶、及びこれらの混合物を意味する。
【0048】
非アミン中和非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アミン以外の中和物質を用いて、界面活性剤酸が、対応する塩に中和されているものである。このような中和基の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸ナトリウムアニオン性界面活性剤、アルキル硫酸カリウムアニオン性界面活性剤、アルキル硫酸マグネシウムアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物であってよい。
【0049】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、エトキシ化されていてもよく、エトキシ化されていなくてもよく、又はこれらの混合物であってもよい。
【0050】
非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、好ましくは平均エトキシ化度が1〜5、より好ましくは1〜3である、エトキシ化非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤であってよい。エトキシ化非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、1若しくは3の平均エトキシ化度を有し得るか又はこれらの混合物であってよく、好ましくは、エトキシ化非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、1の平均エトキシ化度を有する。
【0051】
非アミン中和アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、C
10〜18アルキルサルフェート、好ましくはC
10〜18エトキシ化アルキルサルフェート、最も好ましくは1〜5の平均エトキシ化度を有するC
10〜18エトキシ化アルキルサルフェートであってよい。
【0052】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、エトキシ化されていてもよく、エトキシ化されていなくてもよく、又はこれらの混合物であってもよい。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、主にC
12アルキルサルフェートを含む、C
10〜C
20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)であってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
18二級(2,3)アルキルサルフェートであってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
18アルキルエトキシサルフェート(AE
xS)(xは1〜30である)であってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、全ての上記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の混合物であってよい。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤についての好適なカチオンの非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
非イオン性界面活性剤
液体洗濯洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0054】
非イオン性界面活性剤は、天然又は合成的に誘導された非イオン性界面活性剤であってよい。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、天然又は合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含む。好ましい合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤、又はオキソ合成プロセスから誘導されたもの、すなわち、いわゆるオキソ合成非イオン性界面活性剤。上記の組成物は、当該組成物の0重量%〜30重量%、又は更には0.1重量%〜25重量%の脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0055】
エトキシ化非イオン性界面活性剤は、例えば、一級及び二級アルコールエトキシレート、特にアルコール1モル当たり平均1〜50モル、又は更には20モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
8〜C
20脂肪族アルコール、より特にアルコール1モル当たり平均1〜10モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
10〜C
15一級及び二級脂肪族アルコールであってよい。
【0056】
エトキシ化アルコール非イオン性界面活性剤は、例えば、3〜8モルのエチレンオキシドと、1モルの、9〜15個の炭素原子を有する一級アルコールとの縮合生成物であり得る。
【0057】
非イオン性界面活性剤は、式R(EO)
n(式中、Rは、4〜30個の炭素原子のアルキル鎖を表し、(EO)は、エチレンオキシドモノマーの1単位を示し、nは、0.5〜20の平均値を有する)の脂肪族アルコールエトキシレートを含み得る。
【0058】
上記の組成物は、他の非イオン性界面活性剤、好ましくは、天然又は合成非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0059】
構造化剤
本発明の組成物は、当該組成物の2重量%未満の構造化剤を含み得る。構造化剤が存在する場合、好ましくは、当該組成物は、0.05重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の構造化剤を含む。構造化剤は、非ポリマー構造化剤又はポリマー構造化剤から選択され得る。構造化剤は、非ポリマー構造化剤、好ましくは、結晶化可能なグリセリドであり得る。構造化剤は、ポリマー構造化剤、好ましくは、繊維系ポリマー構造化剤、より好ましくは、セルロース繊維系構造化剤であり得る。構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、セルロース繊維系構造化剤、TiO
2、シリカ、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0060】
好適な構造化剤は、好ましくは、十分な降伏応力又は低剪断粘度を付与して、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは独立に、すなわち、当該効果以外によって液体洗濯洗剤組成物を安定化させる成分である。好ましくは、構造化剤は、液体洗濯洗剤組成物に21℃、20sec−1にて1〜1500cpsの高剪断粘度、及び5000cpsを超える低剪断粘度(21℃、0.05sec−1にて)を付与する。粘度は、直径40mmの平板鋼製スピンドル及びギャップサイズ500μmを用いて、TA instruments製のAR 550レオメータを使用して測定される。20s
−1における高剪断粘度及び0.5s
−1における低剪断粘度は、21℃で3分間の対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1から得ることができる。
【0061】
上記の組成物は、非ポリマー結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤を含み得る。このような非ポリマー結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般に、結晶化可能なグリセリドを含み、これは、最終的な液体洗濯洗剤組成物への分散を支援するために予め乳化しておいてもよい。このような予め乳化された外部構造剤系の非限定的な例は、(a)結晶化可能なグリセリド;(b)アニオン性界面活性剤;及び(c)水、並びに任意に非アミノ官能性有機溶媒を含む。これら各構成成分については、以下に詳細に論じる。
【0062】
構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、好ましくは、硬化ヒマシ油、すなわち「HCO」を含むポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤であってよい。HCOは、本明細書で使用するとき、最も一般的には、非ポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤プレミックスにおいて結晶化することができる限り、任意の硬化ヒマシ油又はその誘導体であってよい。ヒマシ油としては、ヒドロキシル基を組み込むC
10〜C
22アルキル又はアルケニル部分を含む、グリセリド、特にトリグリセリドを挙げることができる。HCOを生成するために、ヒマシ油を水素化して、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合を変換する。その結果、リシノレイル部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリルに変換される。本明細書におけるHCOは、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン、及びこれらの混合物から選択され得る。HCOは、固形、溶融物、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な出発形態で加工することができる。HCOは、典型的には、外部構造化系中に2重量%〜10重量%、3重量%〜8重量%、又は4重量%〜6重量%の濃度で存在する。完成した洗濯洗剤製品に送達される硬化ヒマシ油の対応する百分率は、1.0%未満、典型的には0.1%〜0.8%であってよい。HCOは、洗濯洗剤組成物の0.01重量%〜1重量%、又は更には0.05重量%〜0.8重量%の濃度で存在し得る。
【0063】
本発明で使用するHCOとしては、市販されているものが挙げられる。本発明で使用する市販のHCOの非限定的な例としては、Rheox,Inc.製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。有用なHCOの更なる例は、米国特許第5,340,390号に見出すことができる。
【0064】
硬化ヒマシ油の使用が好ましいが、任意の結晶化可能なグリセリドを本発明の範囲内で使用することができる。好ましい結晶化可能なグリセリドは、40℃〜100℃の融点を有する。
【0065】
構造化剤は、繊維系構造化剤を含み得る。構造化剤は、典型的には高いアスペクト比(長さの断面寸法に対する比)を有する、ナノサイズのセルロースフィブリルから構成される材料であるミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含み得る。典型的な横方向寸法は、1〜100又は5〜20ナノメートルであり、長手方向寸法は、ナノメートル〜数マイクロメートルの広範囲にわたる。構造化の改善のために、ミクロフィブリル化セルロースは、好ましくは、50〜200,000、より好ましくは、100〜10,000の平均アスペクト比(l/d)を有する。ミクロフィブリル化セルロースは、細菌セルロース、柑橘類繊維、及び植物(例えば、テンサイ、チコリー根、ジャガイモ、ニンジンなど)を含む任意の好適な供給源に由来し得る。
【0066】
構造化剤は、二酸化チタン、二酸化スズ、修飾TiO
2の任意の形態、TiO
2又は酸化第二スズ、オキシ塩化ビスマス又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたTiO
2、シリカでコーティングされたTiO
2又は金属酸化物でコーティングされたTiO
2、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。修飾TiO
2は、炭素修飾TiO
2、金属ドープTiO
2、又はこれらの混合物を含み得る。金属ドープTiO
2は、白金ドープTiO
2、ロジウムドープTiO
2から選択され得る。
【0067】
構造化剤は、シリカを含み得る。当業者は、使用するのに好適なシリカ物質を理解している。シリカは、ヒュームドシリカを含み得る。
【0068】
水及び平衡相対湿度
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜15重量%の水を含む。液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜12重量%、又は更には0.5重量%〜10重量%の水を含み得る。
【0069】
液体洗濯洗剤組成物は、20℃で65%未満の平衡相対湿度を有し得る。
【0070】
当該組成物のeRHを測定するのに好ましい方法は、組成物eRH試験を介するものである。組成物eRH試験は、室温(20℃+/−1℃)で、較正されたRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)に当該組成物のサンプルを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0071】
補助成分
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の20重量%〜40重量%の補助成分を含む。補助成分は、漂白剤、漂白触媒、染料、色調染料、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染抑制剤、キレート剤、酵素、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレートポリマー、セルロースポリマー、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0072】
水溶性パウチ
液体洗濯洗剤組成物は、水溶性単位用量物品中に存在していてよい。このような実施形態では、水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって包囲された少なくとも1つの内部区画を含むような形状の少なくとも1枚の水溶性フィルムを含む。少なくとも1つの区画は、液体洗濯洗剤組成物を含む。水溶性フィルムは、保管中に液体洗濯洗剤組成物が区画から漏れ出さないように封止される。しかし、水溶性単位用量物品を水に添加すると、水溶性フィルムが溶解して、内部区画の内容物が洗浄液中へと放出される。
【0073】
区画は、組成物を保持する、単位用量物品内の閉じた内部空間を意味すると理解されるべきである。好ましくは、単位用量物品は水溶性フィルムを含む。単位用量物品は、水溶性フィルムが組成物を完全に取り囲み、それによって組成物が存在する区画が画定されるように製造される。単位用量物品は、2枚のフィルムを含んでよい。第1のフィルムは、組成物が添加される開放された区画を含むような形状であってよい。次いで、区画の開口部を閉じるような配向で第1のフィルムを第2のフィルムで覆う。次いで、封止領域に沿って第1及び第2のフィルムを互いに封止する。フィルムについては、以下により詳細に説明する。
【0074】
単位用量物品は、2つ以上の区画、更には少なくとも2つの区画、又は更には少なくとも3つの区画を含んでよい。区画は、重ね合わせ配向、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置してよい。あるいは、区画は、並列配向、すなわち、一方が他方に隣接するように位置してもよい。更に、区画は、「タイヤとリム」の配置で配向してもよく、すなわち、第1の区画が第2の区画に隣接して位置するが、第1の区画が第2の区画を少なくとも部分的に取り囲むが、第2の区画を完全には封入しない。あるいは、1つの区画が別の区画内に完全に封入されていてもよい。
【0075】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、好ましくは20〜150マイクロメートル、好ましくは35〜125マイクロメートル、更により好ましくは50〜110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚さを有する。
【0076】
好ましくは、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有する。
【0077】
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのフィルム材料を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した、電磁攪拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物)及び5cmの電磁式攪拌器上にて、30℃で30分間激しく攪拌する。次いで、この混合物を、上に定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散度の割合を計算することができる。
【0078】
好ましいフィルム材料は、好ましくは、ポリマー材料である。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるとおり、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0079】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有していてよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。
【0080】
ポリマー混合物をパウチ材料として使用してもよい。
【0081】
好ましいフィルムは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を呈するものである。好ましくは、このようなフィルムは、24℃、更により好ましくは10℃で良好な溶解を呈する。良好な溶解とは、上記のとおり、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を呈することを意味する。
【0082】
好ましいフィルムは、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310として供給されているものである。
【0083】
フィルムは、不透明、半透明又は透明であってよい。フィルムは、印刷された領域を含んでよい。
【0084】
印刷領域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得ることができる。好ましくは、印刷領域は、フレキソ印刷を介して得られ、この場合、フィルムは印刷された後、開口区画の形状に成形される。
【0085】
フィルムは、例えば苦味剤などの嫌悪剤を含んでよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、オクタ酢酸スクロース、塩酸キニーネ、安息香酸デナトニウム、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してよい。好適な濃度としては、1〜5000ppm、又は更には100〜2500ppm、又は更には250〜2000rpmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
製造方法
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、当該技術分野において既知の任意の好適な製造技術を使用して製造され得る。当業者であれば、本発明に係る組成物を製造するのに適切な方法及び機器を理解するであろう。
【0087】
HCOプレミックスは、HCOを融解させ、小体積の温液体洗濯洗剤組成物(酵素も香料材料も含まない)に添加することによって形成され得る。次いで、HCOプレミックスを他の成分に添加して、液体洗濯洗剤組成物を形成する。
【0088】
使用方法
本発明の組成物又は単位用量物品は、洗濯物が既に存在しているか、又は洗濯物が加えられる洗浄液に添加してよい。上記の組成物又は物品は、洗濯機の稼働中に使用してよく、ドラムに直接添加しても、引き出し式ディスペンサー(dispenser drawer)に添加してもよい。洗濯機は、自動洗濯機であっても、半自動洗濯機であってもよい。布地柔軟剤又はしみ除去剤などの他の洗濯洗剤組成物と組み合わせて使用してもよい。洗浄液に添加する前に、前処理組成物として、しみに使用してもよい。
【実施例】
【0089】
以下の組成物を調製した:組成物Aは、本発明に係る組成物であり、組成物Bは、現在販売されているものを代表する比較組成物である。
【0090】
【表1】
【0091】
上記組成物に、以下の香料を添加した。
【0092】
香料Aは、12.75重量%のアルデヒドの香料A及び6.45重量%のケトンの香料Aを含んでいた。
【0093】
香料Bは、11.1重量%のアルデヒドの香料B及び14.5重量%のケトンの香料Bを含んでいた。
【0094】
香料Cは、0.6重量%のアルデヒドの香料C及び1.7重量%のケトンの香料Cを含んでいた。
【0095】
様々な組成物及び香料の組み合わせの色安定性を経時的に試験した。試験サンプルを50℃で2週間エージングすることによって、液体洗濯洗剤組成物の色安定性を試験した。未処理のサンプル及びエージングしたサンプルの色を、HunterLabによるColorQuest XE分光光度計を用いて測定し、L
*、a
*−、及びb
*−値を得た。未処理及び2週間で分光光度測定を実施した。サンプルの写真を同じ間隔で撮影した。
【0096】
測定される製品の温度は、18℃〜25℃であった。一定温度の室内でエージングしたサンプルは、測定前に一晩放置して平衡化させた。VWR、又は同規格で他の供給元によって製造された、容量2.5〜4mL、外寸:12.5×12.5×45mm及び内寸:10×10×45mmの光路10mmの使い捨てポリスチレン(PS)マクロキュベットを使用した。キュベットは、2つの異なる側面を有している:不透明又はその上に矢印を有する透明。光が透明側を通過する必要があるので、キュベットを矢印に合わせて光ビームの光路に配置しなければならない。製品を小さなキュベットに慎重に(気泡を避けるため)充填した。サンプルは、一貫した結果を得るために測定ポートを完全に覆わなければならない。色を測定する前に、液体中の気泡を除去することが必須である。遠心分離を用いて気泡を除去した:製品をEppendorf 5702又は等価な機器において2500rpmで5分間遠心分離した。遠心分離する体積は、使用中の管に依存していた。最小体積15mLが必要である。最大充填レベルは、遠心管の3/4を超えてはならない。処方中に乳白剤、シリコーン及び/又は香料マイクロカプセルが存在する場合、試験は反射モードで実施する必要がある。調製、安定化及び測定は、機器の説明書に従って実施した。
【0097】
サンプルの透過又は反射した色を、HunterLabによって製造されたColorQuest XE分光光度計を用いて測定した。機器は、サンプル上に光を発射するために白線が引かれた拡散積分球を使用する。サンプルのスペクトルを機器によって収集し、ソフトウェアでスペクトルデータをCIE L
*、a
*、b
*、及びΔE
*2000(式中、L*はサンプルの明度であり、a
*はサンプルの赤色度又は緑色度であり、b*はサンプルの黄色度又は青色度である)の値に変換する。ΔE
*2000は、標準サンプル、又は消費者に関連するデータに基づいて知覚可能若しくは許容可能な色差についての許容差を与えるL
*、a
*、b
*色度標準の色差である。機器の性能は、HunterLabによって供給されている較正タイルを用いて、色度計の通常の標準化によって確認する。
【0098】
異なる香料組成を有する組成物A及びBについて、未処理及び50℃で2週間エージングした後の色の安定性を測定した。エージング後の結果を未処理サンプルの色測定値と比較し、色の差を記録した。結果は、表2で見ることができる。
【0099】
【表2】
【0100】
表2から分かるとおり、試験した全ての香料組成物について、本発明に係る組成物Aは、同じ香料を含む組成物Bよりも、未処理サンプルに比べて低いレベルの変色を示した。
【0101】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。