(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記規制部材駆動部は、ボディと、前記ボディから延び出し、前記ボディに対して進退動するロッドと、前記ロッドの先端側に設けられたステーとを有し、前記ステーによって前記規制部材を支持するとともに前記磁石駆動部を支持しており、
前記ステーは、上下方向に延びる基部と、前記基部の端部から前記ボディ側に向けて前記ロッドの軸方向に沿って延びる延長部とを有し、前記基部が前記規制部材を支持し、前記延長部が前記磁石駆動部を支持する、請求項4に記載の脱酸素剤位置決め装置。
袋が内容物の充填工程位置に移送された際に、前記袋に隙間を空けて対向する磁石と、前記袋に対向する規制部材とを使用し、前記袋が前記充填工程位置に移送された後、前記磁石を前記袋に接近させて、前記袋内に収容された脱酸素剤を前記磁石によって引き寄せることで前記袋内の所定位置に位置決め保持する工程と、
次いで、前記袋内に内容物を充填する工程と、
その後、前記磁石を前記袋に対して離反させる工程と、を備え、
前記磁石を前記袋に対して離反させる際に、前記袋及び前記脱酸素剤が前記磁石に伴って移動することを前記規制部材によって規制する、脱酸素剤位置決め方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の装置は、電磁石に対する電流の供給及び遮断を切り換えることで磁力のオンオフを切り換えることが可能なため、内容物の充填後に磁力をオフにすることにより、袋が次工程へスムーズに移送されるようにその位置決め状態を解除することができる。しかしながら、電磁石は鉄心及びその周囲のコイルに加えて、コイルに電流を供給するための配線等を必要とするため、所望される磁力によっては実用に支障が生じる程度の大型化が必要となり得るとともに、構造が複雑になり得る。
【0007】
また、電磁石はその鉄心が錆び易いために、特に食品分野で利用される際の衛生面が懸念される。そのため、特許文献1の装置では例えば錆びの発生を防止するためのメンテナンス作業が必要となり、その作業負荷が過大になる虞もある。
【0008】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであり、コンパクト且つ簡素な態様で、袋内の脱酸素剤を所定位置に位置決めすることができるとともに、その後の袋の移送がスムーズに行われるように脱酸素剤の位置決め状態を袋の姿勢変化を抑制しながら解除することができ、さらには衛生面の信頼性も確保することができる脱酸素剤位置決め装置及び方法、並びに包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る脱酸素剤位置決め装置は、内容物の充填工程位置に移送された袋に対向するように配置される磁石と、前記磁石を前記袋に対して接近又は離反させる磁石駆動部とを有する位置決め機構と、前記内容物の充填工程位置に移送された袋に対向するように配置される規制部材と、を備え、前記位置決め機構は、前記袋が前記充填工程位置に移送された後、前記磁石を前記袋に接近させて、前記袋内に収容された脱酸素剤を前記磁石によって引き寄せることで前記袋内の所定位置に位置決め保持し、前記規制部材は、前記袋内への内容物充填後において前記磁石が前記磁石駆動部によって前記袋に対して離反される際に、前記袋及び前記脱酸素剤が前記磁石に伴って移動することを規制する、脱酸素剤位置決め装置である。
【0010】
本発明に係る脱酸素剤位置決め装置において、前記磁石は、ネオジム磁石を含んでいてもよい。
【0011】
本発明に係る脱酸素剤位置決め装置は、前記規制部材を前記袋に対して接近又は離反させる規制部材駆動部をさらに備えていてもよい。
【0012】
本発明に係る脱酸素剤位置決め装置においては、前記規制部材駆動部が、前記規制部材とともに前記磁石駆動部を前記袋に対して接近又は離反させるようになっていてもよい。
この場合、前記規制部材駆動部は、ボディと、前記ボディから延び出し、前記ボディに対して進退動するロッドと、前記ロッドの先端側に設けられたステーとを有し、前記ステーによって前記規制部材を支持するとともに前記磁石駆動部を支持しており、前記ステーは、上下方向に延びる基部と、前記基部の端部から前記ボディ側に向けて前記ロッドの軸方向に沿って延びる延長部とを有し、前記基部が前記規制部材を支持し、前記延長部が前記磁石駆動部を支持してもよい。
また、この際、前記延長部は、前記基部の上端部から延びており、前記延長部に支持された前記磁石駆動部は、前記規制部材駆動部よりも上方に位置していてもよい。
【0013】
また、本発明に係る脱酸素剤位置決め方法は、袋が内容物の充填工程位置に移送された際に、前記袋に隙間を空けて対向する磁石と、前記袋に対向する規制部材とを使用し、前記袋が前記充填工程位置に移送された後、前記磁石を前記袋に接近させて、前記袋内に収容された脱酸素剤を前記磁石によって引き寄せることで前記袋内の所定位置に位置決め保持する工程と、次いで、前記袋内に内容物を充填する工程と、その後、前記磁石を前記袋に対して離反させる工程と、を備え、前記磁石を前記袋に対して離反させる際に、前記袋及び前記脱酸素剤が前記磁石に伴って移動することを前記規制部材によって規制する、脱酸素剤位置決め方法である。
【0014】
また、本発明に係る包装機は、前記脱酸素剤位置決め装置と、前記袋に前記脱酸素剤を投入する脱酸素剤投入装置と、前記袋に内容物を充填する内容物充填装置と、を備える包装機である。
【0015】
前記袋の移送方向において、前記脱酸素剤投入装置は前記脱酸素剤位置決め装置の上流側に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンパクト且つ簡素な態様で、袋内の脱酸素剤を所定位置に位置決めすることができるとともに、その後の袋の移送がスムーズに行われるように脱酸素剤の位置決め状態を袋の姿勢変化を抑制しながら解除することができ、さらには衛生面の信頼性も確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。
【0019】
(包装機)
図1は、本発明の一実施の形態に係る包装機10の概略構成を示す斜視図である。
図1に示される包装機10は、移送装置11と、脱酸素剤投入装置12と、内容物充填装置13と、脱酸素剤位置決め装置14(
図1において、図示省略)とを備えている。
【0020】
移送装置11は袋100を保持する一対のグリッパー22を含む把持ユニット21を有し、把持ユニット21を間欠的に移動させて複数のステーションS1〜S10に袋100を順次移送し、複数のステーションS1〜S10の各々において把持ユニット21及び袋100を間欠的に停止させる。図示の移送装置11は、袋100を曲線経路に沿って移送するロータリー移送方式を採用し、袋100は把持ユニット21とともに、円形の回転テーブル20の周りに設けられた複数のステーションS1〜S10を順次巡る。
【0021】
円盤状の回転テーブル20の周縁部分に、複数の把持ユニット21(特に、複数のステーションS1〜S10と同数の把持ユニット21)が円周方向へ等間隔に取り付けられている。各把持ユニット21は、回転テーブル20の間欠的な軸回転に伴って、隣り合うステーション間を間欠的に移動し、各ステーションにおいて間欠的に停止する。なお移送装置11による袋100の移送方式は限定されず、例えば袋100を直線経路に沿って移送するリニア移送方式や、ロータリー移送方式及びリニア移送方式が組み合わされた方式を移送装置11において採用してもよい。
【0022】
図1に示す複数のステーションは、第1ステーションS1〜第10ステーションS10を含む。
【0023】
第1ステーションS1では、取り出し吸盤対32を介し、コンベアマガジン31から1枚ずつ取り出された袋100が把持ユニット21に渡され、把持ユニット21のグリッパー22によって袋100が把持される。
【0024】
本実施の形態で移送される袋100は、正面視で矩形状の袋であり、互いに対向する一対の矩形状のフィルムの周縁を直接的に又は他の部材を介して間接的に接合することで袋状に形成されている。コンベアマガジン31から把持ユニット21に渡された直後の袋100は、その一辺部が接合されておらず、外部に開放する口部101が形成された状態となっている。
【0025】
図示の例では、口部101が上方を向くようにグリッパー22によって袋100が把持され、この際、一対のグリッパー22は、袋100において口部101側から下方に延び且つ水平方向で互いに対向する袋100の一対の辺部を各別に把持する。以下の説明においては、グリッパー22が把持する袋100の辺部のことを袋100の側部と呼ぶ。なお、袋100の形状は特に限定されるものではなく、袋100は、例えば円形状や三角形状や台形状等であってもよい。
【0026】
第2ステーションS2では、把持ユニット21によって保持されている袋100に対し印字器33により製造日等の情報が印字される。第3ステーションS3では、開口吸盤対34によって袋100の表側壁部及び裏側壁部が吸引されて口部101が開かれる。本実施の形態で言う表側壁部とは、袋100を構成する一対のフィルムのうちの一方が形成する面部分であって、回転テーブル20の径方向において内側を向く袋100の壁部のことを意味する。また、裏側壁部とは、袋100を構成する一対のフィルムのうちの他方が形成する面部分であり、回転テーブル20の径方向において外側を向く袋100の壁部のことを意味する。開口吸盤対34は口部101が開かれた後、袋100の表側壁部及び裏側壁部を解放する。
【0027】
なお、開口吸盤対34によって口部101を開く際には、当該口部101を介して開口ガイドが袋100の内側に挿入されて袋100の開口状態が維持されてもよい。この場合、開口ガイドは、袋100の開口状態を維持しつつ、袋100とともに第3ステーションS3から第4ステーションS4又はステーションS5まで移動してもよい。この際、開口吸盤対34は開口ガイドが袋100の内側に挿入された後、袋100の表側壁部及び裏側壁部を解放してもよい。
【0028】
第4ステーションS4では、脱酸素剤投入装置12により脱酸素剤110が投入される。脱酸素剤投入装置12はホッパー12Aを有し、ここでは、ホッパー12Aの投入口が口部101を介して袋100の内側に挿入され、当該投入口を介して袋100内に脱酸素剤110が投入される。脱酸素剤110は鉄の酸化を利用するタイプの脱酸素剤であり、鉄、特に鉄粉を袋体に収容してなる。なお、脱酸素剤110は鉄の酸化を利用するタイプに限定されるものではないが、酸化する材料であって、磁石に吸着し得る材料を含むものであればよい。
【0029】
第5ステーションS5では、脱酸素剤位置決め装置14(
図2等参照)により脱酸素剤110が袋100内で位置決めされつつ、内容物充填装置13により袋100内に内容物が充填される。本実施の形態では、回転テーブル20の径方向において脱酸素剤位置決め装置14が袋100に対して外側に配置され、脱酸素剤位置決め装置14によって脱酸素剤110を袋100内において裏側壁部の側に位置決めするようになっている。
【0030】
内容物充填装置13はホッパー13Aを有し、脱酸素剤110が位置決めされた後、口部101を介してホッパー13Aの投入口を袋100の内側に挿入し、当該投入口を介して袋100内に内容物を充填する。内容物充填装置13の具体的な構成は限定されず、内容物の種類に応じた適切な装置を内容物充填装置13として用いることができる。また、袋100に投入される内容物の具体的な種類及び状態も限定されるものではない。
【0031】
第6ステーションS6では、袋100に対して特に処理は行われない。第7ステーションS7では、把持ユニット21により、袋100の両側部が互いに離れるように袋100が幅方向へ引っ張られて、口部101が閉じられる。その後、閉じられた口部101が第1熱板37により挟まれて第1の熱圧着処理が行われ、続いて第8ステーションS8では、閉じられた口部101が更に第2熱板38によって挟まれて第2の熱圧着処理が行われる。
【0032】
第9ステーションS9では、袋100のうち熱圧着された箇所が冷却板39により挟まれて冷却され、口部101が気密にシールされる。そして、袋100の内側が外側から隔絶される。その後、第9ステーションS9において、把持ユニット21から袋100が解放され、袋100は排出シュート40に沿って落下し、後段に送られる。なお第10ステーションS10では、袋100に対して特に処理は行われない。
【0033】
(脱酸素剤位置決め装置)
次に脱酸素剤位置決め装置14(以下、位置決め装置14と呼ぶ。)について説明する。
図2は、位置決め装置14の概略側面図であり、
図3は、
図2の矢印IIIの方向に見た際の位置決め装置14を示す図である。
図2においては、袋100が内容物の充填工程位置としての第5ステーションS5に移送された状態であって、位置決め装置14が脱酸素剤110を位置決めする前の状態が示されている。
【0034】
本実施の形態にかかる位置決め装置14は、内容物の充填工程位置(S5)に移送された袋100に対向するように配置される磁石51およびこの磁石51を袋100に対して接近又は離反させる磁石駆動部52を有する位置決め機構50と、充填工程位置に移送された袋100に対向するように配置され、図示の例では、充填工程位置に移送された袋100と該袋100に対して磁石駆動部52により接近される前の磁石51との間に位置するように設けられた規制部材60と、規制部材60を袋100に対して接近又は離反させる規制部材駆動部70と、を備えている。
【0035】
磁石51はネオジム磁石を含むものであり、詳しくはネオジム磁石の表面にニッケルメッキ層をコーティングすることで形成されている。ニッケルメッキ層をコーティングすることで、液体や多湿の環境に使用される際の磁石51の防錆性を確保することが可能となる。磁石51の種類は特に限定されるものではなく、例えば、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石等が採用されてもよい。ただし、ネオジム磁石を使用した場合には、小型でありながらも高い磁力を確保できるため、位置決め装置14の全体サイズをコンパクトに抑えることができる点で有用である。
【0036】
磁石駆動部52は一例としてエアシリンダであり、図示省略するピストンをその内部に摺動自在に収容するボディ52Aと、ピストンに結合しボディ52Aから延び出すロッド52Bと、ロッド52Bの先端に設けられて磁石51を支持する磁石支持部52Cとを有している。磁石駆動部52は、ボディ52Aにおける作動流体(空気)の吸排によってピストンを摺動させることにより、ロッド52Bを進退動させるように構成されている。
【0037】
図2においては、ロッド52Bが縮退限界位置にあり、磁石駆動部52によって磁石51が袋100に対して接近される前の状態(以下、離間状態と呼ぶ。)が示されている。磁石駆動部52は、この離間状態からロッド52Bを進出させることによって磁石51を移動させることができる。
【0038】
図3に示されるように、磁石支持部52Cはロッド52Bの軸方向に沿って見た場合に、ロッド52Bの軸方向に直交する水平方向において長尺に延びる長方形状となっており、その袋100側を向く面に磁石51を支持している。ここで、磁石51は複数設けられ、複数の磁石51は、磁石支持部52Cの長手方向に間隔を空けて並んでいる。
【0039】
規制部材60は板材であり、その板面方向が鉛直方向に沿って延びるように配置され、移送された袋100と対向した際に、袋100の表側壁部及び裏側壁部に沿って延びるように構成されている。規制部材60はステンレスから形成されるが、その材質は特に限定されるものではない。
【0040】
規制部材60には切欠き61が形成され、
図2及び
図3を参照し、切欠き61は、磁石51を袋100に対して直接的に対向させるために形成されている。切欠き61は磁石支持部52Cの先端形状に沿うように水平方向において長尺に延びており、これにより複数の磁石51の全体が切欠き61を介して袋100に直接的に対向するようになっている。
【0041】
規制部材駆動部70は磁石駆動部52と同様にエアシリンダであり、図示省略するピストンをその内部に摺動自在に収容するボディ71と、ピストンに結合しボディ71から延び出すロッド72と、ロッド72の先端側、本例では先端に設けられて規制部材60を支持するステー73とを有している。規制部材駆動部70は、ボディ71における作動流体(空気)の吸排によってピストンを摺動させることにより、ロッド72を進退動させるように構成されている。なお、本例におけるボディ71は、回転テーブル20の径方向において袋100から外側に離間した位置に配置され、フレーム等に固定されもよい。
【0042】
図2においてはロッド72が縮退限界位置にあり、本実施の形態では、この位置において、規制部材60が袋100に対して離間した状態(以下、離間状態)となっている。規制部材駆動部70は、この離間状態からロッド72を例えば
図6に示される進出限界位置まで進出させることによって、規制部材60を袋100に接近させた状態(接近状態)まで移動させることができる。
【0043】
図6に示す規制部材60の接近状態では、規制部材60が袋100に当接するようになっている。ただし、このような態様は特に限定されるものではなく、ロッド72が進出限界位置となった際に、規制部材60が袋100に対して隙間を空けて離間していてもよい。
【0044】
また、規制部材駆動部70はステー73によって規制部材60を支持するとともに磁石駆動部52を支持している。ステー73は、上下方向に延びる基部73Aと、基部73Aの端部、本例では上端部からボディ71側に向けてロッド72の軸方向に沿って延びる延長部73Bとを有している。基部73Aは規制部材60を支持し、延長部73Bは磁石駆動部52のボディ52Aを支持しており、延長部73Bに支持された磁石駆動部52は、規制部材駆動部70よりも上方に位置している。
【0045】
このような態様によれば、磁石駆動部52のロッド52Bのストロークを抑えつつ、磁石51が袋100に対して接近した位置と、磁石51が袋100に対して離間した位置との間の距離を大きく確保することが可能となり、磁石51が離間状態において不所望に脱酸素剤110に対し磁力を及ぼすことが抑制される。
【0046】
ここで、磁石駆動部52の進退動について説明すると、磁石駆動部52は、
図2に示すロッド52Bの縮退限界位置からロッド52Bを
図6に示される進出限界位置まで進出させることで、磁石51を袋100に接近させた状態(接近状態)まで移動させることができる。本実施の形態においては、この磁石51の接近状態までの移動が、袋100が内容物の充填工程位置に移送された後であって、規制部材60が規制部材駆動部70によって袋100に対する接近状態まで移動された後に行われるようになっている。なお、このような態様は限定されるものではなく、規制部材60が規制部材駆動部70によって袋100に接近されるのと同時に、磁石51が袋100に接近されてもよい。
【0047】
また、
図6に示す磁石51の接近状態では、磁石51の袋100側を向く面が、規制部材60の袋100側を向く面と面一となっている。ただし、このような態様も特に限定されるものではなく、接近状態における磁石51の袋100側を向く面は、規制部材60から袋100側に突出するようになっていてもよいし、規制部材60の手前で停止するようになっていてもよい。
【0048】
(動作)
次に本実施の形態に係る包装機10の動作、とりわけ脱酸素剤110の位置決め動作及び内容物の充填動作について
図1及び
図4乃至
図9を参照しつつ説明する。
【0049】
図1に示されるように、第1ステーションS1においてコンベアマガジン31から取り出された袋100は把持ユニット21に把持されて、まず、第2ステーションS2に移送され、印字器33によって印字される。その後、第3ステーションS3において、袋100は開口吸盤対34によって口部101を開かれ、この開口状態で第4ステーションS4に移送される。第4ステーションS4においては、袋100が脱酸素剤投入装置12により脱酸素剤110を投入される。この際、
図4に示されるように、脱酸素剤投入装置12のホッパー12Aの投入口が口部101を介して袋100の内側に挿入され、当該投入口を介して袋100内に脱酸素剤110が投入されることになる。
【0050】
その後、
図5に示されるように第5ステーションS5(充填工程位置)に袋100が移送されると、袋100と規制部材60とが対向するとともに、袋100と磁石51とが規制部材60を介して対向する。この際、規制部材駆動部70のロッド72は縮退限界位置にあり、規制部材60は隙間を空けて袋100と対向する離間状態になっており、磁石駆動部52も縮退限界位置であり、磁石51も隙間を空けて袋100と対向する離間状態になっている。
【0051】
次いで、本実施の形態では、まず規制部材駆動部70が
図6中の矢印αに示されるようにロッド72を進出限界位置まで進出させることで、規制部材60を袋100に対して接近状態にする。この際、本例では、規制部材60が袋100に当接して、袋100が傾くことになる。続いて、
図6中の矢印βに示されるように、磁石駆動部52がロッド52Bを進出限界位置まで進出させることで、磁石51を袋100に対する接近状態にする。ここで、磁石51が脱酸素剤110を引き寄せることにより、脱酸素剤110が袋100の裏側壁部の下側内面(所定位置の一例)に吸着されて位置決め保持されることになる。
【0052】
次いで、内容物充填装置13により袋100内に内容物が充填される。ここでは、
図7に示されるように、内容物充填装置13がホッパー13Aの投入口を口部101を介して袋100の内側に挿入し、その後、
図8に示されるように、当該投入口を介して袋100内に内容物を充填する。
【0053】
この際、本実施の形態では、袋100の非透明部分である袋100の裏側壁部に脱酸素剤110が吸着されるように脱酸素剤110が磁石51によって位置決めされ、この状態から脱酸素剤110が隠れるように内容物が充填される。これにより、脱酸素剤110が袋100の外側から不所望に視認可能となる状況を回避することができる。なお、
図6及び
図7に示されるホッパー13Aは、投入口をシャッターで開閉させる構造となっているが、このような態様は特に限定されるものではない。
【0054】
以上のように内容物の充填が完了すると、
図8に示されるように、磁石駆動部52がロッド52Bを縮退限界位置に向けて移動することにより、磁石51が離間状態に復帰され、位置決め状態が解除される。ここで、本実施の形態では規制部材60が進出限界位置において磁石51と袋100との間に介在することで、袋100及び脱酸素剤110が磁石51に伴って移動することが規制される。これにより、袋100の姿勢変化が抑制され且つ磁石51の離間によってグリッパー22から袋100が離脱することも抑制されるため、袋100を次工程へスムーズに移送させることが可能となる。
【0055】
袋100が移動された後は、
図9に示されるように、規制部材駆動部70がロッド72を縮退限界位置まで移動させることで、規制部材60を袋100に対して離間状態にする。そして、袋100が順次移送される度に、上述のような位置決め装置14及び内容物充填装置13による位置決め動作及び充填動作が繰り返し行われる。
【0056】
本実施の形態では、永久磁石である磁石51を利用することにより、配線等を削減したコンパクト且つ簡素な態様で袋100内の脱酸素剤110を上述のように位置決めすることが可能となり、また、位置決め状態の解除のために磁石51が磁石駆動部52によって袋100に対して離反される際に、袋100及び脱酸素剤110が磁石51に伴って移動することを規制部材60によって規制することが可能となる。これにより、位置決め状態の解除時の袋100の姿勢変化が抑制されることで、袋100を次工程へスムーズに移送させることができる。また、このように袋100の姿勢変化が抑制されることによれば、袋100から内容物が飛散することも抑制されるため、内容物が磁石51に付着する状況も抑制でき、衛生面の信頼性も確保される。
【0057】
したがって、本実施の形態によれば、コンパクト且つ簡素な態様で、袋100内の脱酸素剤110を所定位置に位置決めすることができるとともに、その後の袋100の移送がスムーズに行われるように脱酸素剤110の位置決め状態を袋100の姿勢変化を抑制しながら解除することができる。さらには衛生面の信頼性をも確保することができる。
【0058】
特に本実施の形態では、磁石51がネオジム磁石を含むため、コンパクトでありながらも高い磁力を確保でき、これにより位置決め装置14の全体サイズを抑制することができる。また、磁石51はネオジム磁石の表面にニッケルメッキ層をコーティングすることで形成されていることで、防錆性が確保され、衛生面の信頼性を向上させることが可能となる。
【0059】
また、本実施の形態では規制部材60が規制部材駆動部70によって袋100に対して接近又は離反される。この場合、充填工程位置に移送された袋100と規制部材60とが接触しないように、移送されてくる袋100から規制部材60を引き離すことができる。これにより袋100に傷が生じることが抑制されるため、不所望な歩留まりの低下を抑制することができる。
【0060】
また、離間状態から接近状態に移行された規制部材60は袋100に当接(接触)するが、これによれば、位置決めの際に袋100内の脱酸素剤110が磁石51から遠い側の袋100の表側壁部寄りに位置している場合であっても、脱酸素剤110が磁石51に近い側の袋100の裏側壁部寄りに倒れ込んで近づき得る。そのため、その後の磁石51による位置決めにおいて、磁石51が脱酸素剤110を引き寄せ易くなり、確実な位置決めを実施できるようになる。
【0061】
また、規制部材60には切欠き61が形成され、磁石51は切欠き61を通して袋100に対向する。これにより、磁石51の磁力が袋100内の脱酸素剤110に直接的に作用するため、脱酸素剤110を位置決め保持し易くなる。その結果、位置決め装置14のコンパクト化を図ることができる。なお、磁石51の保護等が望まれる場合には、切欠き61を形成しなくてもよい。
【0062】
また、本実施の形態に係る包装機10では、袋100の移送方向において脱酸素剤投入装置12が位置決め装置14の上流側に配置されている。これによれば、脱酸素剤投入装置12が位置決め装置14と同じ位置で脱酸素剤110を投入した後に脱酸素剤110を位置決めして内容物を充填する場合よりも、内容物を封入した袋100の生産効率を上げることができる。
【0063】
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、上述の実施の形態には各種の変更が加えられてもよい。
【0064】
例えば上述の実施の形態では、規制部材60が移動可能である構成を説明したが、規制部材60は移動可能となっていなくてもよい。この場合の規制部材60の位置は、袋100が充填工程位置に移送される際に接触(干渉)する位置であってもよいし、袋100と接触しないように袋100に対して隙間を空ける位置であってもよい。