(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記前側パネル及び前記後側パネルがそれぞれ、前記配列内の前記エラストマー性パネルストランドの1つ又は複数が横切って延在していない非伸縮性ゾーンを含み、前記非伸縮性ゾーンは、前記左サイドシームと前記右サイドシームとの間に配設され、かつ長手方向中心線を有し、前記長手方向中心線は、前記パンツの前記長手方向軸に対してよりも前記サイドシームのうちの一方に対して近接している、請求項1に記載のパンツ。
前記前側パネル及び前記後側パネルのうちの少なくとも一方が、前記配列内の前記エラストマー性パネルストランドの1つ又は複数が横切って延在していない左右の非伸縮性ゾーンを含み、前記左右の非伸縮性ゾーンのそれぞれは、前記左サイドシームと前記右サイドシームとの間に配設され、かつ長手方向中心線を有し、前記長手方向中心線は、前記パンツの前記長手方向軸に対してよりも前記それぞれの左サイドシーム又は右サイドシームに対して近接している、請求項1に記載のパンツ。
前記前側パネル及び前記後側パネルのそれぞれが、前記配列内の前記エラストマー性パネルストランドの1つ又は複数が横切って延在していない左右の非伸縮性ゾーンを含み、前記前側パネル及び前記後側パネルのそれぞれにおける前記左右の非伸縮性ゾーンのそれぞれは、前記左サイドシームと前記右サイドシームとの間に配設され、かつ長手方向中心線を有し、前記長手方向中心線は、前記パンツの前記長手方向軸に対してよりも前記それぞれの左サイドシーム又は右サイドシームに対して近接している、請求項1に記載のパンツ。
存在する各非伸縮性ゾーンが、上範囲(96)と底範囲(97)とを有し、前記上範囲が、前記非伸縮性ゾーンが存在する前記パネルの前記腰部縁部に最も近い、前記配列のエラストマー性パネルストランド(40)の長手方向下方に位置する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパンツ。
前記前側パネル及び前記後側パネルのうちの少なくとも一方が、その腰部縁部に近接しかつ前記左サイドシームから前記右サイドシームまで横方向に延在するウエストバンド領域(15)を有し、前記配列の下位複数の前記エラストマー性パネルストランドは、前記前側パネル及び前記後側パネルのうちの少なくとも一方を横切って、前記パネルの幅の少なくとも90パーセントにわたって連続して、前記左サイドシームの内側から前記右サイドシームの内側まで延在しており、
前記パネル内の各非伸縮性ゾーンが、上範囲(96)と底範囲(97)とを有し、前記上範囲が、前記ウエストバンド領域内の最下部のエラストマー性パネルストランドの長手方向下方に位置する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパンツ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
「〜よりも上方(above)」は、例えば
図1に示すような位置において、組み立てられたパンツの第1の特徴の位置に対する第2の特徴の位置を特徴付けるために使用される場合、第2の特徴が、第1の特徴よりも長手方向に腰縁部に近いことを意味する。逆に、同じ観点で、「〜よりも下方(below)」は、第2の特徴が、第1の特徴よりも長手方向に股部区域の最下範囲に近いことを意味する。「〜よりも上方(above)」は、例えば
図2Aに示すような位置における、開かれて広げられたパンツ構造の第1の特徴の位置に対する第2の特徴の位置を特徴付けるために使用される場合、第2の特徴が、第1の特徴よりも長手方向に腰部縁部に近いことを意味する。逆に、同じ観点で、「〜よりも下方(below)」は、第2の特徴が、長手方向に、第1の特徴よりも長手方向軸の中心点に近いことを意味する。同様に、相対的な用語「上方」、「下方」、「上部」、「底部」、及びその語形は、例えば、伸縮性腰部パネルの特徴に対する、着用者の身長に沿った長手方向に沿ったパンツの特徴の相対的な位置に関し、「上方」は、パネルの腰部縁部に相対的に長手方向に近いことを意味し、「下方」は、パネルの脚部縁部に相対的に長手方向に近いことを意味する。
【0009】
「横断方向」(CD)とは、不織布ウェブ材料、不織布材料自体、これらの積層体、又はこの材料が構成要素である物品の製造に関して、材料及び/又は物品を製造する製造ラインを通る材料の前進方向に実質的に垂直の、材料に沿った方向を指す。
【0010】
本発明の記載を通じて、付勢力が材料に加えられたときに、その材料又は複合体に実質的に損傷を与える破裂又は破損を起こすことなくその材料が元の弛緩時長さの少なくとも150%の伸長長さまで伸展することができ(すなわち少なくとも50%伸展可能)、その力が材料又は複合体から取り除かれたときに、その材料又は複合体がその伸長の少なくとも40%を回復する場合に、材料又は材料の複合体は「弾性」又は「エラストマー性」であるとみなされる。様々な例において、弾性的伸展性材料から力が取り除かれると、材料又は複合体は、その伸長の少なくとも60%、又は更には少なくとも80%を回復することができる。
【0011】
伸縮性積層体の「伸縮方向」は、積層体が最も容易に弾性伸長及び収縮を受ける方向である。予歪みを付与された状態で1つ又は複数の弾性部材が積層体に組み込まれる伸縮性積層体では、伸縮方向は、弾性部材(単数又は複数)が予歪みを付与された方向である。伸縮積層体の「伸縮に対する横方向」は、伸縮方向に対して垂直の方向である。
【0012】
「フィルム」とは、1つ又は複数のポリマーで形成される材料の皮膚様又は膜様の層で、強化ポリマー繊維及び/又は他の繊維のウェブ様構造がその大部分を占める形態を有しないものを意味する。
【0013】
「横方向」は、パンツ及びその着用者に関して、着用者の身長方向に略垂直な方向、又は着用者が立っているときの水平方向を指す。
図2Aに示すようなパンツ前駆体構造に関して、「横方向」は、腰部縁部11、12と略平行の方向を指す。
【0014】
「長手方向」は、パンツ及びその着用者に関して、その着用者の身長方向と略平行な方向、又は着用者が立っているときの垂直方向を指す。
図2Aに示すようなパンツ前駆体構造に関して、「長手方向」は、腰部縁部11、12と略垂直の方向を指す。
【0015】
「機械方向」(MD)は、不織布ウェブ材料、不織材料自体、又はこれらの積層体の製造に関して、材料又は積層体を製造する製造ラインを通る材料又は積層体の前進方向に略平行な、材料又は積層体に沿った方向を指す。
【0016】
「不織布」は、方向性を有して又は無作為に配向した繊維の製造されたシート又はウェブであり、まず、繊維が広げられてバットを形成し、次いで、これを合わせ、摩擦、凝集、接着、あるいは局所的な圧縮及び/又は圧力、熱、超音波若しくは加熱エネルギーを加えることによって作成された1つ又は複数の結合パターン及び結合インプレッション、及びこれらの組み合わせによって結合される。この用語は、織地、編地、又は糸若しくはフィラメントでステッチ結合したものを含まない。繊維は、天然及び/又は人造のものであってもよく、ステープル及び/又は連続フィラメントでもよく、あるいはその場で形成されたものでもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満〜約0.2mmを上回る範囲の直径を有し、短繊維(ステープル又はチョップドとして知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、撚り合わせていない連続フィラメントの束(トウ)、及び撚り合わせた連続フィラメントの束(織り糸)のいくつかの異なる形態で売られている。不織布は、メルトブロー、スパンボンディング、スパンメルティング、溶剤紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、溶融フィルムフィブリル化、エアレイイング、ドライレイイング、ステープルファイバーによるウェットレイイング、及び当技術分野において既知のこれらの方法の組み合わせを含むがこれらに限定されない、多くの方法により形成することができる。不織布の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表される。
【0017】
不織布ウェブ、パネル、又は吸収性コア構造体の構成要素に関する「z方向」は、一般に、機械方向及び横断方向に沿ってウェブ、パネル又は構成要素の大きな表面によって近似される面に直交又は垂直であることを意味する。
【0018】
特に言及されない限り、本明細書に表示されるパンツ構造(非限定的な例が
図2Aに示されている)の全ての寸法は、平らに広げられた構造で測定され、この構造の非弾性材料は、予歪みを付与された弾性ストランド又は他の弾性部材の存在によって誘発される収縮に対し、その完全な幅及び長さまで横方向及び長手方向に伸ばされている。
【0019】
可変特徴の一連の連続して狭くなる数又は値の範囲が記載されている場合はどこでも、その記載が、その範囲の上限と下限との任意の組み合わせを想定することを意図している。例えば、一連の範囲が「1〜10、より好ましくは3〜8」である場合、この記載は、「1〜8」及び「3〜10」をも包含することを意図している。しかし、このことは、特許請求の範囲に明示的に示されているような範囲の意味又は限界を暗に変えることを意図したものではない。
【0020】
説明
一般的なパンツ構造
図1は、ベルト型又はバルーン型の使い捨て吸収性パンツ10の一例を示す。
図2Aは、サイドシーム13から分離した前側パネル20及び後側パネル30を備えるパンツ構造を示し、得られた構造は、平らに広げられており、含まれる予歪みを付与された弾性部材によって誘発されるあらゆる収縮に抗して、種々の構成要素の完全な寸法まで伸張されている。パンツ10は、前腰縁部11と後腰縁部12によって画定される腰開口部と、それぞれの脚開口縁部14によって画定される一対の脚開口部と、を有していてもよい。パンツ10は、前側パネル20と後側パネル30とを有するベルト構造を備え、前側パネル20と後側パネル30はシーム領域13a、13bで接続してサイドシーム13を形成し、パンツ構造を完成させてもよい。サイドシーム13は、前側パネル20及び後側パネル30の側縁部に近接するシーム領域13a、13bが任意の好適な結合機構によって一緒に結合しているバットシームであってもよい。好適な結合機構としては、溶接/熱結合を挙げることができ、前側パネル20及び後側パネル30内のポリマー材料が、熱と圧力との組み合わせを印加することによって一緒に融合される。パンツ10はまた、前側パネル20及び後側パネル30の上に、これらの内側に置かれ、パンツの股部区域でこれらを橋渡す吸収性パッドアセンブリ50をも備えていてもよい。吸収性パッドアセンブリ50は、製造工程中に塗布されるホットメルト接着剤などの任意の好適な結合機構によって、前側パネル20及び後側パネル30の内側表面に結合していてもよい。
図2Aに示すように広げると、この構造は、長手方向軸200によって実質的に鏡像半部に長手方向に分けることができる。
【0021】
ベルト/パネル構造
図2A及び
図5を参照すると、パンツ10は、前側パネル20及び後側パネル30を含むベルト構造を備えていてもよい。
図2A及び
図5に示す実施例では、前側及び後側パネルの外側層22、32は、両パネルに共通する連続層から形成されるが、この連続層は、股部区域を通ってパンツの外側の周囲も覆っている。この構成はときに「ユニボディ」構造とも呼ばれる。別の可能な構成(図示せず)では、前側パネル20及び後側パネル30は、個別の分離した外側層を有し、共通の層を有せず、サイドシーム13及び吸収性パッドアセンブリによってのみ接続していてもよい。この代替的な構成はときに「マルチピース」構造と呼ばれる。
【0022】
示されている例では、前側パネル20及び後側パネル30のそれぞれの外側層22、32は、それぞれ不織布ウェブ材料の層から形成されていてもよく、股部区域を通るパンツの外側層としても機能してよい。前側パネル20及び後側パネル30は、内側層21、31をも備えていてもよい。内側層21、31もまた、それぞれ不織布ウェブ材料の層(単数又は複数)から形成されていてもよい。
【0023】
前側パネル20及び後側パネル30の内側層及び外側層21、31、22、32を形成するための構成要素として有用であり得る好適な不織布ウェブ材料としては、これらに限定されないが、スパンボンド、スパンレイド、溶融吹込、スパン溶融、溶媒スパン、電界紡糸、カード式、フィルムフィブリル化、溶融フィルムフィブリル化、エアレイド式、乾燥レイド式、湿式レイドステープルファイバー、及びポリマー繊維の一部又は全体で形成される他の不織布ウェブ材料が挙げられる。不織布ウェブ材料は、主にポリマー繊維から形成されていてもよい。いくつかの実施例では、好適な不織繊維材料としては、これらに限定されないが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又は具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び/又はこれらのブレンドなどのポリマー材料が挙げられ得る。一部の例において、繊維は、米国特許第5,266,392号に記載されているものなどのPP/PEブレンドから形成されていてもよい。不織繊維は、脂肪族ポリエステル、熱可塑性ポリサッカライド、又は他のバイオポリマーなどの成分から形成されてもよく、又はそれらの成分を、添加剤又は改質剤として含んでもよい。更に有用な不織布、繊維組成物、繊維及び不織布の形成物、並びに関連する方法は、米国特許第6,645,569号、同第6,863,933号及び同第7,112,621号、並びに一連の同時係属米国特許出願第10/338,603号及び、同第10/338,610号、及び同第13/005,237号に記載されている。
【0024】
不織布ウェブ材料の個々の繊維は、単一成分又は複数成分であってもよい。複数成分の繊維は、二成分繊維(例えば、芯鞘配置又はサイドバイサイド配置)であってもよい。多くの場合、それら個々の成分は、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィン、又はこれらのコポリマー、ポリエステル、熱可塑性多糖類、若しくは他のバイオポリマーを含む。
【0025】
不織布ウェブ材料は、外圧が加えられ、取り除かれたときに、良好な回復性を提供してもよい。不織布ウェブ材料は、例えば上述の種類のポリマー繊維から選択される異なる繊維のブレンドを含んでいてもよい。一部の例では、それらの繊維の少なくとも一部は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を呈し得る。上述のように、繊維は二成分繊維を含んでいてもよく、二成分繊維は、それぞれが異なる材料(通常は、第1のポリマー材料と第2のポリマー材料)を含む個々の繊維である。並列型二成分繊維を使用することは、それらの繊維にスパイラル捲縮を付与するために有益であると考えられている。
【0026】
不織布ウェブ材料の柔軟性の触覚性及び/又は視覚性を高めるために、ハイドロエンハンスメント(hydroenhancement)、水流交絡法又はハイドロエンゴージメント(hydroengorgement)としても知られるハイドロジェット衝突によって処理してもよい。このような不織布ウェブ材料及びプロセスの例は、例えば、米国特許第6,632,385号及び同第6,803,103号、並びに米国特許出願公開第2006/0057921号に記載されている。
【0027】
有用であり得る不織布ウェブの他の例としては、表記名XL−S70−26のAvgol Nonwovens LTD(Tel Aviv,Israel)製のSMSウェブ(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンドウェブ)、Pegas Nonwovens AS(Znojmo,Czech Republic)製、表記名18 XX 01 00 01 00(XX=可変の坪量)のSSS(スパンボンド−スパンボンド−スパンボンド)ウェブ、Gulsan Sentetik Dok San VE TIC AS(Gaziantep,Turkey)製の、表記名SBXXF0YYY(XX=可変の坪量、及びYYY=可変の横断方向幅)のSSSウェブ、First Quality Nonwovens Inc.(Hazelton,Pennsylvania)製、表記名SEH2503XXX(XXX=可変の横断方向幅)のHESB(ハイドロエンハンシンスドスパンボンド)ウェブ、及び二成分SSウェブ、を挙げることができる。
【0028】
層21、31、22、32のうちの1つ以上を形成するための構成要素として有用な不織布ウェブ材料は、ある結合パターンで結合していてもよい。緩い(例えば、スパンレイド)繊維のバットが、一対のカレンダー結合ローラの間を、ニップを介して通り、それによって合わさり、ある結合パターンで結合し、機械方向及び横断方向の引張強度と寸法安定性を付与して、緩い繊維のバットを、密着した使用可能な不織布ウェブ材料へと変換してもよい。結合は、熱結合、機械的な結合、接着剤による結合、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよいが、いくつかの状況では、熱結合が好まれ得る。熱結合は、繊維に熱を与え、カレンダー結合ローラ間のニップ中の結合突出部下でこれを溶融させて融合するように機能する加熱エネルギー源と共に、カレンダーローラ又は付随する装置の片方又は両方を供給することによって形成されてもよい。ローラの片方又は両方は、ローラの円筒形表面から外側に放射状に延在する成形された結合突出部のパターンを有するように機械加工され、エッチングされ、又は他の様式で形成されていてもよい。ローラが、ローラの軸と平行に好適に近接して維持される場合、その間を通る繊維のバットは、結合突出部の下のニップに集中する圧力を受け、ニップを通り、結合突出部の下を通る繊維は、変形し、少なくとも部分的に溶解されて(加熱エネルギーを加えることによって)、結合を生成する。それぞれの結合は形状を有しており、結合は、カレンダー結合ローラ上に形成された結合突出部の形状、パターン、間隔に実質的に対応するパターン及び間隔を有する。
【0029】
いくつかの実施例では、層21、31、22、32の1つ以上を形成するために使用される不織布ウェブ材料を結合するために使用される熱結合のパターンは、米国仮特許出願第62/331650号に記載される特徴を有していてもよい。
【0030】
図2A及び
図5を参照すると、前側パネル20及び後側パネル30の片方又は両方の層21、31、22、32は、1つ又は複数の弾性部材、例えば、エラスタン(例えば、Invista(Wichita,Kansas)の製品であるLYCRA HYFIT繊維)などのエラストマー材の複数の横方向に延在するストランド40を挟んでもよい。層21、31、22、32はそれぞれ、層間に堆積した接着剤によって、熱結合によって、圧縮結合によって、又はこれらの組み合わせによって、弾性ストランド40の周囲で結合されてもよい。他の実施例では、1つ又は複数の弾性部材は、エラストマー材料から形成されるフィルムのストリップ又は断片とすることができる。他の実施例では、1つ又は複数の弾性部材は、弾性スクリム材料とすることができる。しかしながら、弾性ストランドは、冷却、快適さ及び皮膚の健康という目的で、予歪みのレベルを個々に制御及び設定し、その間の均一の又は変動する長手方向の間隔を選択して設定し、ベルト積層体の高いレベルでの透湿性(通気性)を保存することによって与えられる可撓性のために、フィルム又はスクリムよりも好ましいことがある。この可撓性は、製造業者にとって、様々な着用者の解剖学的構造の様々な輪郭及びサイズに対するパンツ構造の適合性を高め、ベルト積層体に衣類に似た外観を付与するのに役立つ。(本明細書の目的のために、「ストランド」は、その最も長い寸法に対して垂直の断面を有する部材であり、その断面は、最も小さな寸法に対する最も大きな寸法のアスペクト比が、緩んでいない状態で2以下である。)
【0031】
また、弾性部材は、種々の他の材料から形成されてもよく、他の材料としては、これらに限定されないが、ゴム、スチレンエチルブチレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンブタジエンスチレン、スチレンイソプレンスチレン、ポリオレフィンエラストマー、弾性ポリウレタン、及び当該技術分野で既知の他の弾性材料、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、これらの弾性部材は、任意数のストランド(又は、フィラメント)を有する、押出ストランド弾性材とすることができる。
【0032】
弾性ストランドは、使用される場合、50〜2000の範囲のデシテックス、又はこの範囲内の任意のデシテックス値のための任意の整数値、又はこれらの整数値のいずれかによって形成される任意の範囲を有するように選択されてもよい。しかし、本明細書の目的のために、サイドシーム13の下部の上にある前側パネル20及び/又は後側パネル30の主要部分を弾性化するために含まれる弾性ストランドは、400〜1000デシテックス、より好ましくは500〜900デシテックス、更により好ましくは600〜800デシテックスを有することが好ましいであろう。一実施例では、パネルのウエストバンド領域15(パネルの腰部縁部11又は12のすぐ下の領域)は、これより大きなデシテックスを有する3〜12本の任意の数の弾性ストランドを含んでいてもよく、ウエストバンド領域15の下方にある複数のストランドは、これより小さなデシテックスを有する。より具体的な実施例では、パンツのウエストバンド領域15は、400〜1000デシテックス、より好ましくは500〜900デシテックス、更により好ましくは600〜800デシテックスを有する、3〜12本、より好ましくは4〜10本、更により好ましくは5〜10本の弾性ストランドを含んでいてもよく、ウエストバンド領域15より下方であり、サイドシーム13の下端より上方にある複数のストランドは、300〜680デシテックス、より好ましくは400〜580デシテックスを有する。ウエストバンド領域15により大きなデシテックスのエラストマーストランドを使用することで、パンツの下の領域よりもこのウエストバンド領域で相対的により大きな張力を与えることができ、着用者の身体に対してウエストバンドの周囲にしっかりと快適にとどまるパンツが得られる。
【0033】
代替的に、又は組み合わせて、ウエストバンド領域15は、ウエストバンド領域15の下方のストランドよりも近接して長手方向に離間された、3〜12本のうちの任意の数の弾性ストランドの群を含んでもよい。ストランドをより近接して離間させることは、ウエストバンド領域15などの横方向バンド領域内で収縮力を増加及び集中させるための追加の手段を提供する。
【0034】
あるいは、弾性部材は、弾性フィルムの1つ又は複数の断片又はストリップであってもよい。エラストマーフィルムの例は、従来の特許出願に十分に記載されている(例えば、米国特許出願公開第2010/0040826号を参照のこと)。このフィルムは、いくつかの副層のうちの少なくとも1つで組み合わされた、様々な樹脂を用いて作製することができ、それら副層により、そのフィルムには様々な有益性がもたらされる。弾性部材はまた、長い方の寸法が伸長方向に沿って配列している、スクリム、ストリップ、又は弾性材料のテープ片の形態であってもよい。
【0035】
ベルト構造の製造中に、弾性ストランド40などの1つ又は複数の弾性部材は、ベルト構造に組み込まれる際、所望の量だけ長さ方向に(横方向に沿って)予歪みを付与されてもよい。その後にベルトを緩めると、弾性ストランド40などの1つ又は複数の弾性部材は、その非予歪みを付与された長さまで収縮する。これにより、挟んでいる層21、22及び/又は31、32が横方向に集合し、弾性ストランド40の長さに対して略横方向に(すなわち、長手方向に)延在し、また、z方向にも延在する山と谷を有するラッフル又はギャザーを形成する。予歪みの方向は、積層体の伸縮方向に対応している。本明細書の目的のために、かつ本明細書に記載の他の特徴と組み合わせて、前側パネル20及び/又は後側パネル30におけるストランド弾性部材40は、製造中に、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更により好ましくは120%〜180%の量まで予歪みを付与され、そのような予歪みを付与された状態でパネルの内側層と外側層との間に貼付されることが好ましい場合がある。(ここで、弾性ストランド部材の予歪み量は、[((予歪みを付与された単位長さ)−(予歪みを付与されていない単位長さ))/(予歪みを付与されていない単位長さ)]x100%として表される。例えば、予歪みを付与された弾性ストランドの単位長さが、予歪みを付与されていない長さの2倍であると、予歪み量が100%となる。)本明細書に記載するデシテックス及びストランドの間隔特徴の1つ以上を組み合わせることで、この範囲内の予歪みレベルは、ベルト構造の快適さ、密に身体に沿うこと、着用者の身体を吸収性パッドアセンブリが包み込むようにベルトの長手方向の寸法にわたって滑らかに分布する適切な横方向の張力、弾性ストランド部材における予歪みから生じる材料の多くの相対的に制御されたラッフル/ギャザーの小さな山及び谷から得られる衣類のような外観のバランスがとれると考えられる。
【0036】
上述のように、ウエストバンド領域15より下方にある弾性部材とは異なるデシテックスのウエストバンド領域の弾性部材を有する更に特定の実施例では、ウエストバンド領域弾性部材は、製造中に、110%〜350%、より好ましくは150%〜290%、更により好ましくは180%〜240%の量までの予歪みを付与されてもよく、一方、ウエストバンド領域15より下方の弾性部材は、製造中に、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更により好ましくは120%〜180%の量まで予歪みを付与されてもよい。
【0037】
弾性部材の予歪みレベルが製造業者の仕様に含まれていない場合、その部材の既知の、又は容易に決定可能な伸長/ひずみ特性から、及び、ベルト構造積層体に組み込まれるときのその部材に導入される張力のレベルから、計算することができる、又は経験的に決定することができる。あるいは、予歪みの量は、弾性部材の選択したサンプルについて、接着剤堆積装置の電源を切りつつ製造ラインで製品を製造し、次いで、接着していない領域で、部材の伸長時及び緩和時の長さを測定することによって、測定することができる。
【0038】
接続部分及び/又は層21、22及び31、32のそれぞれの対の間の結合の、互いに、また、弾性ストランド40に対するパターンの設計に、ラッフル又はギャザーのサイズ(単数又は複数)及び形状(単数又は複数)が影響を受け、操作されてもよい。このサイズ(単数又は複数)と形状(単数又は複数)はまた、弾性ストランドの選択した長手方向間隔SSにも依存し、これによって操作されてもよい。
【0039】
上述のように、一実施例では、伸縮性積層体は、弾性伸長機構としての組み込まれた弾性ストランド40によって、弾性化されてもよい。弾性ストランド40は、積層前に接着剤がそれらに塗布されてもよく(例えば、ストランドコーティング法によって)、その結果、ウェブ層21、22及び/又は31、32が、互いにストランドを挟み込むために合わせられた場合、塗布された接着剤によって、ウェブ層がストランドの周囲で接着し、伸縮性積層体を形成する。弾性ストランドに塗布される接着剤は、積層体を共に保持するために使用される唯一の接着剤であってもよい。この構成は、ストランドをそれらの長手方向位置に層間で固定しながら、ストランドの間の層材料が互いに対して自由に移動することを可能とすることで、ギャザー/ラッフルを均一に形成し、優れた通気性を与えるのに役立つ。これに代えて、又はこれに加えて、積層の前に、層21、22及び/又は31、32の片方又は両方の層に接着剤を堆積させてもよく、あるパターンで堆積させてもよい。パターン化された接着剤の堆積物を不織布ウェブ基材に適用することによって伸縮性積層体の製造を可能にする方法の実施例が、米国特許第8,186,296号に記載されている。一実施例では、選択した接着パターンは、対応して設計されたローラの設計に影響を与える場合がある。塗布される接着剤のパターンは、ラッフル又はギャザーのサイズ(単数又は複数)及び形状(単数又は複数)に影響を与えるように設計されてもよい。層21、22及び/又は31、32は、接着剤が堆積している位置で、互いに接着により接合及び/又は結合し、他の位置では互いに接合又は結合しておらず、あるいは自由に動くままであってもよく、その結果、物品の着用中に、積層体が移動し、伸びるときに、これらの層が互いに対してわずかに移動し、シフトしてもよい。
【0040】
ストランドコーティング方法及び技術を含む様々なコーティング方法及び技術は、例えば、米国特許第5,340,648号、同第5,501,756号、同第5,507,909号、同第6,077,375号、同第6,200,635号、同第6,235,137号、同第6,361,634号、同第6,561,430号、同第6,520,237号、同第6,582,518号、同第6,610,161号、同第6,613,146号、同第6,652,693号、同第6,719,846号、及び同第6,737,102号に示されている。使用される接着剤は、予歪みを付与された弾性材料を基材に接続するために好適な弾性及び可撓性を有するホットメルト型接着剤であってもよく、例えば、Bostik,Inc.(Wauwatosa,Wisconsin)から入手可能な、OMNIMELT BLOCKS 22 H2401F、又はZEROCREEPブランド、例えば、AVANCEであってもよい。
【0041】
不織布層21、22及び/又は31、32の片方又は両方の結合が熱カレンダー結合を用いて行われる場合、接合及び/又は結合パターンは、ラッフル又はギャザーのサイズ(単数又は複数)及び形状に影響を与えるように設計されてもよい。いくつかの状況では、スパンレイド不織布ウェブが、あるパターンの熱結合で、5%〜20%の結合区域に結合することが望まれ得る。本明細書に記載される目的のために、結合区域が8%〜15%であることが望まれ得る。パターン形成された熱結合は、得られる結合した不織布ウェブの機械方向及び横断方向の強度並びに寸法安定性を高める傾向があり、このことは、下流の変換及び処理操作において利益があり、ウェブから構成要素を形成する製品に引張強度と堅牢性を加える。しかし、熱結合はまた、一般に、得られる結合した不織布ウェブの剛性をも高める。このことは、製品表面の柔らかい感触を消費者が感じることに対し、製品に悪影響を与える可能性がある。例えば、ウェブを、パンツ製品のベルト構造の層として使用する場合、ウェブに付与された剛性によって、消費者は、ベルト層を固い、又は粗い感触であると悪い方向に感じてしまう場合がある。この理由のために、いくつかの状況では、結合区域を、16%未満、12%未満、又は更には10%未満に制限することが望まれ得る。更に、伸縮性積層体に使用されるウェブの結合パターンに、米国仮特許出願第62/331650号に記載される特定の追加の特徴を付与することで、引張強度の他の利点を与えつつ、ウェブが固くなるという悪影響を軽減することができる。上に引用した’650号出願に開示されているように、大部分の結合形状が不織布ウェブの機械方向よりも横断方向の方が長いパターンである不織布ウェブ材料結合パターンは、より制御された小さなラッフル又はギャザーを形成する傾向があり、ベルト積層体が、より衣服に似た外観になる。
【0042】
形成されるラッフル又はギャザーの全体的なサイズを小さくするために、かつ本明細書に記載する特徴の任意の組み合わせと併せて、サイドシーム13の底部より上方の弾性ストランド40の一部分又は全ての間の平均長手方向間隔SSが14mm以下、より好ましくは10mm以下、更により好ましくは7mm以下、更により好ましくは5mm又は更には4mm以下であることが望ましい場合がある。(ここで、隣接する弾性ストランド間の長手方向間隔は、これらの最も近い外側表面間の距離ではなく、これらの軸間の距離を指すと理解される。)実験を通して、この様式での弾性ストランド40の間隔を制限することは、制御された小さなサイズのラッフル又はギャザーの形成を促進する効果があり、これにより、伸縮性積層体において衣服に似た外観を与え、又はこれを改良することも判定された。
【0043】
吸収性パッドアセンブリ
吸収性パッドアセンブリ50は、使い捨ておむつと吸収性パンツにみられる構成要素の任意の組み合わせを含んでいてもよく、これらに限定されないが、液体不透過性バックシート、液体透過性トップシート、トップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コア構造体、及び弾性化したバリアカフを含む。このような吸収性パッドアセンブリ又は中央シャーシの構成要素及び構成の実施例及び記載は、米国特許出願公開第2013/0211355号に見出すことができ、記載されているシャーシは、含まれてもよい構成要素及び特徴を含んでいる。本明細書に記載されるように、追加の特徴及びその組み合わせも、同様に含まれてもよい。
【0044】
図2A、
図5及び
図6A〜
図6Cを参照すると、吸収性パッドアセンブリ50は、前端51、後端52、左縁部67、及び右縁部68を有している。アセンブリ50は、液体透過性トップシート60と、液体不透過性バックシート66と、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コア構造体65と、を備えていてもよい。トップシート60は、尿が着用者に面する表面から吸収性コア構造体65まで、その間を自由に通過することを可能にしつつ、吸収性コア構造体の構成要素を封じ込めるように好適に選択された不織布ウェブ材料から形成されてもよい。バックシート66は、吸収性コア構造体の構成要素を封じ込めるように、また、通常の使用条件下で、尿を封じ込め、吸収性コア構造体から、これを通り抜けて外側に面する表面に向かう経路を防止するように好適に選択されたポリマーフィルム材料を含んでいてもよく、又はこのポリマーフィルム材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。いくつかの実施例では、バックシート66はまた、強度を加え、より衣類に似た感触を付与するために、不織布ウェブ材料から形成される外側層をも含んでもよい。いくつかの実施例では、バックシートフィルムは、通気性であるように形成されてもよく、その結果、水性液体(尿)がその間を通り抜けるのを依然として防ぎつつ、水蒸気がその間を通り抜けることができ、着用者にとってパンツの快適さが向上するのに役立ち得る。好適なトップシート及びバックシート材料のための材料は、当該技術分野でよく知られている。トップシート及びバックシートの材料を、その外周で接続して結合し、任意の好適な結合機構(例えば、ホットメルト接着剤)によって、吸収性コア構造体65を封じ込めるエンベロープ構造を形成してもよい。
【0045】
吸収性パッドアセンブリ50は、一対の長手方向バリアカフ80、81を備えていてもよい。長手方向バリアカフ80、81は、アセンブリに接続するそれぞれの近接部分82、83と、アセンブリから離れて自由に延在して着用者の方に向かうそれぞれの自由縁部84、85とを有し、アセンブリが股部区域を通り、着用者の身体の周囲を湾曲する場合、この自由縁部は、バリアカフの縁部弾性部材86、87によって長手方向にピンと引っ張られる。バリアカフの縁部弾性部材86、87は、予歪みを付与された状態のままでカフ構造に組み込まれてもよく、このことにより、パンツが着用されたときに自由縁部に長手方向の張力が生じ、これらの縁部がアセンブリから離れて延在し、着用者の身体の輪郭に一致するように集合する傾向となる。バリアカフは、効果的な液体不透過性材料(例えば、フィルム材料又は通気性であるが効果的に液体不透過性の不織布ウェブ材料)から形成されてもよく、吸収性コア構造体によって吸収される前に、放出された尿をパンツ内に封じ込めておくのに役立ち得る。また、パッドアセンブリ50は長手方向縁部弾性部材69、70を備えてもよく、これらも予歪みを付与された状態でアセンブリに組み込まれていてもよく、これらによって、アセンブリの長手方向の左縁部及び右縁部67、68が、股部区域を通って着用者の脚の周囲に集まり、封じ込め機能を促進し、適合性を向上させる。長手方向縁部弾性部材69、70は、図に示されるように、バリアカフ80、81及びトップシート60の材料間に配設されてもよい。あるいは、これらは、トップシートとバックシートとの間、又はバックシートの外側に面する側の外側に配設されてもよい。
【0046】
バリアカフ及び関連する長手方向縁部構造並びに弾性部材はまた、例えば、米国特許第8,939,957号、米国特許出願公開第2016/270978号、同第2016/270971号、同第2016/270980号、同第2016/270985号、同第2016/270983号、同第2016/270979号、同第2016/270975号、同第2016/270981号、及び同第2016/270973号のいずれかに記載される材料から形成されてもよく、かつ記載のように構成されてもよい。
【0047】
長手方向縁部弾性部材69、70及びバリアカフ縁部弾性部材86、87は、好ましくは、パネル20、30の弾性ストランド40の材料と同じ又は類似の材料の弾性ストランドであってもよい。また、弾性部材69、70、86、87のいくつか又は全ては、400〜1000デシテックス、より好ましくは500〜900デシテックス、更により好ましくは600〜800デシテックスを有するように選択されてもよく、最も好ましくは、ウエストバンド領域15のパネル20、30の弾性ストランド40のデシテックスと同じデシテックスを有するように選択され得る。弾性部材69、70、86、87はまた、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更により好ましくは120%〜180%の量で予歪みを付与された状態で、及び好ましくは(ウエストバンド領域15の下方にある)弾性ストランド40の予歪み量と同じ、又はもっと多い量で、構造に組み込まれてもよく、このような予歪みを付与された状態で、吸収性パッドアセンブリ内に貼付されてもよい。長手方向縁部弾性部材69、70及び/又はバリアカフの縁部弾性部材86、87について上記のように限定された大きさ及び予歪みレベルの弾性ストランド(パネル弾性ストランド40のような)を組み込むことは、その中に偏って大きなレベルの張力を有し、パネルをその内側から長手方向に引っ張っている長手方向に向けられた弾性部材を含むことで、そうでなければ滑らかな外向きの外観のパネル20、30が視覚的に明らかかつ/又は過剰に歪むのを防ぐのに役立ち得る。
【0048】
図5及び
図6A〜
図6Cは、描かれている構成要素が互いに分離して示されている、断面の概略分解図である。しかし、示されている材料は、互いに結合し、任意の好適な機構によって(例えば、熱結合によって、又は結合されるそれぞれの構成要素の間に堆積したホットメルト接着剤によって)、パンツアセンブリを形成してもよいことが理解されよう。この例について、トップシート60とバックシート66の材料は、その外周の周囲で結合し、吸収性コア構造体65を封じ込めるエンベロープ構造を形成してもよい。同様に、バリアカフ80、81の近接部分82、83は、ホットメルト接着剤などの任意の好適な機構によって、アセンブリのトップシート又は他の部分に結合されてもよい。
【0049】
吸収性コア構造体
吸収性コア構造体65は、前縁部61と、後縁部62と、最左縁部63と、最右縁部64と、を有する。吸収性コア構造体65は、異なる液体取扱い機能及び保存機能を果たす1つ又は複数の層を有してもよい。図に示す例では、吸収性コア構造体65は、吸収性層71と捕捉層72とを有してもよい。吸収性層71は、尿などの水性液体を引き寄せて保持する傾向がある吸収性材料で形成されてもよい。いくつかの実施例では、吸収性層71は、吸収性ゲル材料(AGM)(超吸収性ポリマー(SAP)としても知られる)の粒子の分布を含んでもよい。
【0050】
吸収性コア構造体65は、基材層90を備えていてもよく、吸収性層71は、基材層90によって支持され、かつ固定された、超吸収性ポリマー粒子と任意選択的にセルロース繊維とを含んでもよい。吸収性コア構造体65の実施例を
図6A〜
図6Cに示す。吸収性コア構造体の基材層90は、超吸収性ポリマー粒子を支持することができる任意の材料であってもよい。基材層90は、ウェブ又はシート材料、例えば、発泡体、フィルム、織布及び/又は不織布材料であってもよい。基材層90と吸収性層71は同一の広がりを有していてもよく、又は基材層90が吸収性層71よりわずかに長く、広くてもよい。
【0051】
上述のように、吸収性層71は、超吸収性ポリマー粒子、及び任意選択的にセルロース繊維を含んでいてもよい。吸収性層は、超吸収性ポリマー繊維などの他の形態で超吸収性ポリマーを含んでいてもよい。超吸収性ポリマー粒子を、以下に更に詳細に記載する。超吸収性ポリマー粒子は単独で使用してもよく、他の材料と組み合わせて使用してもよい。いくつかの実施例では、吸収性層は、セルロース繊維と物理的にブレンドされた超吸収性ポリマー粒子を含む。「セルロース」は、本明細書で使用される場合、セルロースパルプ繊維及び繊維の形態の粉砕された木材パルプを含むが、これは、当該技術分野で「エアフェルト」とも呼ばれる。いくつかの実施例では、吸収性層は、70重量%を超える、又は80重量%を超える、又は90重量%を超える、又は95重量%を超える、又は更には100重量%の超吸収性ポリマー粒子を含む。いくつかの他の実施例では、吸収性層は、超吸収性ポリマー粒子と、5重量%未満のセルロース、又は2重量%未満のセルロースを含むか、又はセルロースを実質的に含まない。吸収性層がセルロースを含まない例では、吸収性層の唯一の吸収性材料は超吸収性ポリマー(粒子、繊維など)である。得られた吸収性コア構造体は、セルロース繊維を含む従来の吸収性コア構造体と比較して、乾燥状態で厚さが減らされている。厚さが減らされていることは、パンツの全体的な嵩高さを減らし、着用者にとってのパンツの適合性及び快適性を高めるのに役立つ。
【0052】
超吸収性ポリマー粒子は、例えば、熱可塑性接着性材料によって、基材層に固定されてもよい。
【0053】
「超吸収性ポリマー」(又は「SAP」)は、本明細書で使用される場合、Centrifuge Retention Capacity(CRC)試験(EDANA方法WSP 241.2−05E)を用いて測定した場合、それ自体の重量の少なくとも10倍の0.9%生理食塩水溶液を吸収することができる、架橋ポリマー材料である吸収性材料を指す。使用されるSAPは、具体的には、CRC値が20g/g超、又は24g/g超、又は20〜50g/g、又は20〜40g/g、又は24〜30g/gであってもよい。本発明で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる種々の水膨潤性ポリマーが挙げられる。
【0054】
超吸収性ポリマーは、乾燥状態において流動性があるように、粒子形態であってもよい。典型的な粒子状超吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーから製造される。しかし、例えば、デンプン系の粒状超吸収性ポリマー材料を使用してもよく、同様に、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びデンプンが接合したポリアクリロニトリルのコポリマーを使用してもよい。超吸収性ポリマーは、内部及び/又は表面架橋されたポリアクリル酸塩及びポリアクリル酸ポリマーであってもよい。好適な材料は、例えば、PCT特許出願公開第07/047598号、同第07/046052号、同第2009/155265号及び同第2009/155264号に記載される。一部の実施形態では、好適な超吸収性ポリマー粒子は、国際公開第2006/083584号に更に具体的に記載されるように、現況での最新技術の製造工程によって得ることができる。超吸収性ポリマーは、好ましくは内部架橋しており、すなわち、重合は、ポリマー網目構造にフリーラジカル共重合され得る2種類以上の重合可能な基を有する化合物の存在下で行われる。有用な架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、メタクリル酸アリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタン(欧州特許第0530438号に記載されるもの)、欧州特許第0547847号、同第0559476号、同第0632068号、国際公開第93/21237号、同第03/104299号、同第03/104300号、同第03/104301号、ドイツ特許第10331450号に記載されるジアクリレート及びトリアクリレート、ドイツ特許第10331456号及び同第10355401号に記載される更なるエチレン性不飽和基を含む、アクリレート基に加えて混合アクリレート、又は例えばドイツ特許第19543368号、同第19646484号、国際公開第90/15830号、同第02/32962号に記載される架橋剤混合物、並びに国際公開第2009/155265号に記載される架橋剤が挙げられる。超吸収性ポリマー粒子は、外側で表面架橋していてもよく、又はポスト架橋していてもよい)。有用なポスト架橋剤としては、ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成することができる2つ以上の基を含む化合物が挙げられる。有用な化合物としては、例えば、アルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、欧州特許第0083022号、同第0543303号、及び同第0937736号に記載されるジグリシジル化合物又はポリグリシジル化合物、ドイツ特許第C3314019号に記載される多価アルコール、ドイツ特許第A4020780号に記載される環状カーボネート、2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば、ドイツ特許第A19807502号に記載されるようなN−(2−ヒドロキシルエチル)−2−オキサゾリドン、ドイツ特許第A19807992号に記載されるようなビス−及びポリ−2−オキサゾリドン、ドイツ特許第A19854573号に記載されるような2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体、ドイツ特許第A19854574号に記載されるようなN−アシル−2−オキサゾリドン、ドイツ特許第A10204937号に記載されるような環状尿素、ドイツ特許第A10334584号に記載されるような二環状アミドアセタール、欧州特許第1199327号に記載されるようなオキセタン及び環状尿素、並びに国際公開第03/031482号に記載されるようなモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が挙げられる。
【0055】
SAPは、例えばナトリウム対イオンを有する、例えば60%〜90%、又は約75%の中和度を有する、ポリアクリル酸/ポリアクリレートポリマーから形成されてもよい。好適なSAPはまた、例えば、米国特許第4,340,706号及び同第5,849,816号に記載されるような逆相懸濁重合、又は米国特許公開第2009/0192035号、同第2009/0258994号、及び同第2010/0068520号に記載されるような噴霧液相分散重合又は他の気相分散重合から得てもよい。一部の実施形態では、好適なSAPは、国際公開第2006/083584号の12頁23行目〜20頁27行目により具体的に記載されるような現況での最新技術の製造工程によって得ることができる。
【0056】
吸収性層71は1種類のSAPのみを含んでいてもよいが、異なる種類又は組成のSAPのブレンドをも含んでもよい。超吸収性ポリマーの流体透過性は、欧州特許出願第12174117.7号で開示されている試験にて測定されるように、尿透過率測定試験(UPM)値を用いて定量化され得る。SAPのUPMは、例えば、少なくとも10×10
−7cm
3・秒/g、又は少なくとも30×10
−7cm
3・秒/g、又は少なくとも50×10
−7cm
3・秒/g、又はそれより多く、例えば、少なくとも80又は100×10
−7cm
3・秒/gであってもよい。流動特性はまた、吸収性コアに使用されるSAPの量及び分布を変動させることで調整することができる。
【0057】
超吸収性ポリマー粒子は、球状、球状に似た形状、楕円形、又は逆相懸濁重合から得られ得る種類の不規則な形状(例えば、卵形)の粒子であってもよい。粒子は、より大きな不規則な粒子凝集体を形成するために、任意選択的に、少なくともある程度、凝集させることもできる。
【0058】
いくつかの実施例では、吸収性層71は、実質的にセルロースを含んでいなくてもよい。エアフェルト及びその他のセルロース繊維は、使い捨ておむつの吸収性コアの吸収性充填剤として使用されてきた。このような繊維は吸収特性をも有し、吸収性層にある程度の吸収能を付与するが、超吸収性ポリマー粒子の分散した粒子を保持するための構造マトリックスを与えるために含まれてもよい。そのような粒子の含有は吸収能力を強化する一方で、そのような粒子を適切に分散した状態に保つことは、使用中に粒子が吸収された液体によって膨潤する際に「ゲルブロッキング」が生じ、粒子の堆積物を液体が通過することを可能とする粒子間の通路を遮断して吸収能力を低下させることを防止するうえで重要であり得る。超吸収性ポリマー粒子のマトリックスとしてエアフェルト又は他のセルロース繊維を含むことは、ゲルブロッキングを減らすか、又は防ぐのに作用し得る。しかしながら、このことはまた、あらゆる液体を吸収する前にも吸収性層に嵩高さをも付与する。吸収性層の全体的なサイズ及び/又は厚さを減らし、それによって、着用者の快適さを向上させ、包装及び運送の体積効率のためにパンツの嵩高さを減らすために、性能の制約の中で可能な最も小さな体積のコア材料を用いて吸収性コアを構築することが望まれ得る。この目的で、好適な吸収性コア構造体の好適な材料及び構成の例が、限定するものではないが、一連の米国特許出願第12/141,122号、同第12/141,124号、同第12/141,126号、同第12/141,128号、同第12/141,130号、同第12/141,132号、同第12/141,134号、同第12/141,141号、同第12/141,143号、及び同第12/141,146号、並びに国際公開第2008/155699号に記載されている。一般に、これらの出願は、超吸収性ポリマー粒子の粒子と組み合わせたセルロース繊維のエアフェルト又は他の形態を含む必要性を最小限にするか、又はなくすための吸収性層の構成体(「実質的にセルロースを含まない」構造)を記載する。超吸収性ポリマー粒子の堆積物を作成する好適な方法は、更に、例えば、欧州特許出願公開第1621167(A2)号、同第1913914(A2)号及び同第2238953(A2)号に開示されている。
【0059】
超吸収性ポリマー粒子は、基材層に分配されて固定されてもよい。固定は、熱可塑性接着性材料を塗布することによって達成されてもよく、超吸収性ポリマー粒子と、存在する場合にはセルロースとを基材層上に保持し、固定する。いくつかの熱可塑性接着性材料もまた、超吸収性ポリマー粒子の層及び基材層に浸透し、更なる固定及び固着をもたらしてもよい。熱可塑性接着性材料は、基材層の上に超吸収性ポリマー粒子を固定するのに役立つだけではなく、任意の含まれるチャネルの完全性を維持するのにも役立ち得る(以下に更に記載する)。熱可塑性接着性材料は、かなりの量の超吸収性ポリマー粒子がチャネルに移動するのを防ぐのに役立ち得る。
【0060】
本開示で使用するのに好適な熱可塑性接着剤には、少なくとも熱可塑性ポリマーを、可塑剤、並びに粘着付与樹脂などの他の熱可塑性希釈剤、及び抗酸化剤などの添加剤と組み合わせて含む、ホットメルト接着剤が含まれる。好適なホットメルト接着材料の例は、欧州特許出願公開第1447067(A2)号に記載されている。
【0061】
図6B及び
図7を参照すると、吸収性層71は、複数の長手方向及び/又は横方向チャネル73、74を含んでいてもよい。「チャネル」は、本明細書で使用される場合、吸収性層71のz方向の厚さを通って部分的又は全体的に延在する、吸収性層71の超吸収性ポリマー粒子の堆積によって形成される谷部又は他の識別可能な細長い経路を指し、吸収性コア構造体によって占められる空間において、超吸収性ポリマー粒子の単位空間体積密度あたりの質量が比較的小さい領域によって特徴付けられるか、又は超吸収性ポリマー粒子を実質的に含まない(すなわち、吸収性コア構造体のこのような体積(長手方向チャネル又は横方向チャネル)に超吸収性ポリマー粒子が実質的に存在しない)領域によっても特徴付けられる。チャネルは、示されているように実質的にまっすぐであってもよく、又は湾曲していてもよい。チャネルは、平均幅が少なくとも3mmであってもよい(チャネルの平均幅は、長い方の境界の間の平均距離として定義される)。
【0062】
チャネルは、永久的であってもよい。永久的とは、チャネルの完全性が、乾燥状態及び濡れた状態の両方で実質的に維持される、すなわち、チャネルは、濡れに対する影響に実質的に耐性があり(例えば、水に不溶性の材料によって構造が維持される)、かつ超吸収性ポリマー粒子の膨潤によって生じる材料の機械応力、それらから生じる構造内の圧力、及び着用者の身体の移動に実質的に耐えることを意味する。永久的なチャネルは、超吸収性ポリマー粒子を基材層に固定することによって、例えば、吸収性層の上に熱可塑性接着性材料を塗布することによって形成されてもよい。本開示の吸収性層はまた、チャネルに沿って第1の基材層90及び第2の基材層91を共に永久的に結合することによって永久的なチャネルを形成し、それによって、一実施例では、超吸収性ポリマー粒子堆積物を別個に包み込んで封じ込めてもよく、よってその間にチャネルを画定するようなチャンバを形成する。接着剤を使用して、チャネルに沿って基材層90、91を共に結合させてもよいが、他の手段、例えば、超音波結合、加圧結合又は熱結合を介して、基材層を共に結合することができる。支持層を連続的に結合してもよく、又はチャネルに沿って断続的に結合してもよい。
【0063】
図6B及び
図7に示すように、吸収性層71は、内部を通る2つの長手方向チャネル73を有していてもよく、その結果、吸収性層は、少なくとも吸収性パッドアセンブリの股部区域内で、チャネルによって長手方向に3つの部分に分けられる。いくつかの実施例では、2つのチャネルは、吸収性層71の長さの少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%から、50%まで、70%まで、又は90%までに沿って、長手方向に延在していてもよい。いくつかの実施例では、長手方向チャネルは股部区域にのみ存在し、前縁部及び後縁部61、62に近接した領域には存在しなくてもよい。股部区域にのみ存在する場合、チャネルは、股部区域の長手方向寸法全体(例えば、吸収性層の長さの約50%)にわたって延在していてもよく、又は、チャネルは、股部区域の一部のみに(すなわち、吸収性層の長さの少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも30%から、40%まで、又は45%まで、又は50%未満まで)延在していてもよい。いくつかの実施例では、長手方向チャネル73は、股部区域、又はその一部と、前側領域の一部及び/又は後側領域の一部に存在してもよい(
図5に示すように)。いくつかの実施例では、チャネルは、前側領域及び股部区域に存在してもよく、すなわち、チャネルは、股部区域(又はその一部)から前側領域へと延在してもよい。いくつかの実施例では、チャネルは、後側領域及び股部区域に存在してもよく、すなわち、チャネルは、股部区域(又はその一部)から後側領域へと延在している。長手方向チャネル73は、パンツの長手方向軸200に対して互いに鏡像であってもよく、すなわち、左の長手方向領域中のチャネルは、吸収性層71の右の長手方向領域中のチャネルの鏡像であってもよい。
【0064】
長手方向チャネル73は、実質的にまっすぐであってもよく、パンツの長手方向軸200(
図2に示す)に対して実質的に平行に走っていてもよい。まっすぐなチャネルは、吸収性コア構造体中のヒンジ構造として作用してもよく、パンツが着用されるときに、チャネル73の周囲で吸収性コア構造体が横方向に曲がり、それによって、股部区域を通って横方向に沿って着用者の解剖学的構造によりよく沿わせるのに役立ち、液体漏出物が完全に吸収される前に、吸収性コア構造体が液体漏出物を受け入れて封じ込めるようによりよく適した容器形状を形成するのにも役立ち得る。長手方向に延在したチャネル73はまた、吸収性層71内の超吸収性ポリマー粒子の堆積物の長さに沿った流体輸送及び分布を向上させ、それによって、液体吸収の速度を速めるのにも役立ち得る。
【0065】
あるいは、長手方向チャネルは、湾曲していてもよく、及び/又は弓状であってもよい。長手方向に延在しているが湾曲しているチャネルはまた、吸収性コア構造体中のヒンジ構造としても作用してもよいが、これは、吸収性コア構造体が横方向に曲がり、それによって、股部区域において横方向に沿って着用者の解剖学的構造にぴったり一致するのに役立ち得る。したがって、チャネルは、改良された液体の輸送及び分布を可能にすることに加え、快適で優れた適合性を付与するのに寄与し得る。
【0066】
吸収性層に形成される長手方向に向いているチャネルは、吸収性層内の超吸収性ポリマー粒子の堆積物の長さに沿って液体(例えば、尿)を輸送し、分布し、それによって、収集及び吸収の速度を高めるのに役立ち得る。しかし、超吸収性ポリマー粒子の堆積物を含有するか、又はこれを画定する、これに対応して画定される長手方向チャネル又は他の構造は、粒子が液体を吸収し、膨張し、互いに押し合うため、高い内圧を発生させる場合がある。この圧力は、吸収性コア構造体に対して、長手方向に構造を固くする効果を有していてもよい。この内圧によって、吸収性コア構造体が着用者の脚の間を包み込むときに、吸収性層が着用者の下胴部の周囲及びその下で容易に湾曲せず、長手方向にまっすぐになる傾向が生じる。この固くなる効果は、濡れたときに物品の垂れ下がった外観又はへこんだ外観を生成するのを防ぐのに役立ち得る。一方、この固くなる効果によって、吸収性コア構造体の前端及び後端が着用者の身体から離れて前方向及び後方向に膨らみ、吸収性層の前縁部及び後縁部に近接する、容易に気づくことができ、醜く、潜在的に不快な膨らみを作り出してしまうことを発見した。この影響は、パンツ構造のいくつかの代替的な構成のうちの1つ以上によって軽減し得ることが発見された。
【0067】
図7に提案されるように、吸収性層71は、パンツの流体輸送を更に高める及び/又はパンツのフィット感を改善するために、追加の横方向チャネル74を含んでいてもよい。チャネルに関する上述の記載は、任意の横方向チャネル74にも等しく適用され得る。横方向チャネルは、
図7に提案されるように、まっすぐであってもよく、又は湾曲していてもよいが、それらの長い方の寸法は、好ましくは、長手方向よりも横方向とよりよく整列している。
【0068】
図7に提案されるように、いくつかの実施例では、吸収性層はまた、1つ又は複数の横方向チャネル74も有していてもよい。横方向チャネル74は、主に横方向に向いた長い寸法を有していてもよく、又は、パンツの長手方向軸200(
図2に示す)に対して実質的に垂直であってもよい。横方向チャネル74は、吸収性コア構造体を、その周囲に長手方向に曲げることができ、それによって、前側から後側までの脚の間の着用者の下胴部の周囲及び下を包むときに長手方向に沿って着用者の解剖学的構造にぴったり一致することができるように、横方向のヒンジ構造として作用してもよい。このことは、吸収性層71に尿が入ると起こり得るような、長手方向チャネルによって悪化し得る長手方向に固くなるのを軽減するのに役立ち得る。
【0069】
横方向チャネル74は、吸収性層71の横方向寸法の少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%の距離にわたって延在していてもよい。横方向チャネル74は、吸収性層71の横方向寸法の90%まで延在していてもよい。横方向チャネル74は、吸収性層71の横方向寸法の30%又は45%まで延在していてもよい。いくつかの実施例では、横方向チャネル74は、
図5に提案されるように、長手方向チャネル73を接続してもよい。いくつかの実施例では、横方向チャネル74は、長手方向チャネル73とは別個に分離していてもよい。
【0070】
いくつかの実施例では、
図7に提案されるように、尿の漏れ及び/又は流出のリスクを減らすために、含まれる任意の長手方向チャネル73が、吸収性コア構造体65又は吸収性層71の前縁部61及び後縁部62の片方又は両方に至る経路の全てに延在していないことが望ましい場合がある。吸収性層71は、それぞれの横方向の縁部に沿って、かつ当該縁部に隣接して、吸収性層71の最左縁部63から最右縁部64までの吸収性層の横方向寸法に延在するチャネルのない超吸収性ポリマー粒子の末端堆積部を含んでいてもよい。同様に、任意の横方向チャネル74が、吸収性コア構造体65及び/又は吸収性層71の最左縁部63及び最右縁部64にまで延在していないことが望まれ得る。吸収性層71は、それぞれの長手方向の縁部に沿って、前縁部61から後縁部62まで吸収性層71の長さだけ延在しているチャネルのない超吸収性ポリマー粒子の側部堆積部を含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施例では、チャネル73及び/又は74を画定する吸収性層71の構造と、超吸収性ポリマー粒子の堆積物を含有する対応するチャネルを含まない体積の部分は、乾燥時の第1の構成から、濡れたときの第2の構成(例えば、吸収性層の(吸収された液体の重量に対する)合計吸収能の4分の1、3分の1、半分、3分の2又はもっと多く)まで構造を変化させる特徴を与え得る。例えば、超吸収性ポリマー粒子の別個の堆積物を含有するか、又は画定し、これらの間にチャネルを画定する、チャンバ又は他の構造を形成するために使用される材料は、濡れたときに構造を変えるような構成であってもよい。一実施例では、吸収性コア構造体65は、乾燥時の第1の構成と、濡れたときの第2の構成(例えば、吸収能の半分より多くまで)を有していてもよい。このことを可能にするために使用可能な1つの機構は、超吸収性ポリマー粒子を包み込む基材層を固定し、チャネルを画定する、水溶性又は他の様式で放出可能な接着剤であってもよい。濡れると、及び/又は超吸収性ポリマー粒子の堆積物の膨潤から基材層に対して外向きの圧力がかかると、接着剤が放出され、超吸収性ポリマー粒子の膨潤した堆積物は、チャネルによって以前に画定されている体積内で膨張することができ、その後、大きさが小さくなり、又は消えてしまうことがある。このことは、吸収性層71と吸収性コア構造体65内の圧力を緩和する効果を有していてもよく、そのことは上述の長手方向に固くなる効果を低減し得る。したがって、チャネルの利点(可撓性、適合性及び液体分布の向上)は、ときにパンツが実質的に濡れる前に享受されることがあり、チャネルの欠点(剛性)は、ときにパンツが実質的に濡れた後に軽減され得る。
【0072】
このチャネル構造の変化は、単独で利用してもよく、又は限定されないが、本明細書に記載する任意の構成を含み、任意の望ましい構成の永久的なチャネル構造と組み合わせてもよい。
【0073】
吸収性層、吸収性コア構造体、及び/又はチャネルの構成はまた、米国特許出願公開第2014/0163511号、同第2014/0163503号、同第2014/0163501号、同第2014/0163500号、同第2012/0316526号、同第2012/0316528号、同第2014/0163501号、及び同第2014/0371701号、並びに同第2016/0206483号に記載されている任意の特徴を有することができる。
【0074】
いくつかの実施例では、
図5、
図6A〜
図6C及び
図7〜
図9に提案されるように、吸収性コア構造体65は、トップシートと、吸収性層71の着用者に面する側と、の間に配置された捕捉層72を含んでいてもよい。捕捉層72は、吸収性層71が尿を捕捉し、保持(吸収)できるまで尿の一時的な容器として作用する構造内の格子型の構造を与えつつ、尿の流れにおいて機械エネルギーを分散し、消散させるような構成の開放した高度に多孔性の構造を与える1つ又は複数の材料から形成されてもよい。捕捉層72は、単一層又は複数の副次層(例えば、着用者の皮膚に最も近い上側捕捉副次層と、上側捕捉層と吸収性層71との間に配置された下側捕捉副次層)からなっていてもよい。捕捉層72は、吸収性層と直接的に接触するように配置されてもよい。チャネルが吸収性層71中に存在するところでは、捕捉層72を形成する材料は、チャネル又はその一部へと延在していてもよく、又はその中を満たしていてもよい。このことは、いくつかの状況では、漏れる可能性を増やし得るような、チャネルを通る未吸収の尿の速い制限されない流れを防ぐために、好ましいであろう。いくつかの実施例では、捕捉層、又はその副次層が、チャネルを画定する基材層に結合し、それにより、捕捉層に合う表面輪郭を与えてもよい。
【0075】
捕捉層72は、例えば、粉砕したセルロース繊維、又は他の親水性の天然、半合成又は合成の繊維、又はマット、層若しくは他の本体を形成するために使用可能な他の材料から形成されるか、又はこれらを含む例えば、層、マット若しくは他の本体の形態を有していてもよい。
【0076】
一実施例では、上側捕捉副次層及び下側捕捉副次層の片方又は両方が、繊維の不織布マットを含んでいてもよく、これは親水性であってもよい。更に、特定の例によれば、上側捕捉層及び下側捕捉層の片方又は両方は、化学的に架橋したセルロース繊維を含んでいてもよいが、それは不織布材料の一部を形成していてもよく、又は形成していなくてもよい。ある例によれば、上側捕捉層は架橋したセルロース繊維なしで不織布を含んでもよく、下側捕捉層は化学的に架橋したセルロース繊維を含んでいてもよい。更に、ある例によれば、下側捕捉層は、天然又は合成のポリマー繊維などの他の繊維と混合した、化学的に架橋したセルロース繊維を含んでいてもよい。実施例の例によれば、このような他の天然又は合成のポリマー繊維は、高い表面積の繊維、熱可塑性結合繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、PET繊維、レーヨン繊維、リヨセル繊維、ユーカリ繊維、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。上側捕捉層及び下側捕捉層のための適切な不織布材料としては、これらに限定されないが、スパンボンドされ、溶融吹込され、更にスパンボンドされた層を含むSMS材料が挙げられる。特定の例では、永久的に親水性の不織布、特に、耐久的親水性コーティングされた不織布が望ましい。別の好適な例は、SMMS構造体を含む。特定の例では、不織布は多孔質である。
【0077】
密に身体に沿い、目立たなさを向上させる特徴
低プロファイルの非伸縮性ゾーン
図1及び
図2A〜
図2Eを参照すると、前側パネル20及び後側パネル30のいずれか又は両方は、1つ又は複数の非伸縮性ゾーン90、90f、90rを含んでもよい。概して、非伸縮性ゾーン90、90f、90rは、パネルの内側層及び外側層21、22、31、32の横方向のギャザー及びラッフルをもたらすために予歪みを付与された弾性部材が存在しないゾーンである。内側層及び外側層がギャザー又はラッフルを欠いている場合、これら層の組み合わされたz方向の厚さは、ラッフル/ギャザーのあるゾーンの厚さよりも薄い。結果として、非伸縮性ゾーンの層は、パンツが着用されたときに着用者の皮膚に対してより近接して位置し、それによって、パンツが外衣の下に着用されたときにかさばることのない、よりぴったり合った、より目立たない外形を有する。非伸縮性ゾーン90は、パネル上のどこに位置してもよいが、その長手方向中心線300は、中心から外れている、すなわち、長手方向中心線300は長手方向軸200と一致しないのが好ましい。図に提案されるように、よりぴったり合った目立たない外形を付与する望ましい効果は、このような非伸縮性ゾーン90、90f、90rが、(上着が着用者に対して最もぴったりとフィットする場合が多い)パンツの臀部に又は臀部に近接して位置する場合に、特に達成可能であり得る。したがって、
図2Bを参照すると、非伸縮性ゾーンは、その長手方向中心線300がパンツの長手方向軸200よりもサイドシーム13に近くなるように(例えば、距離OS1が距離OS2よりも大きくなるように)配設されてもよい。本明細書の目的のために、非伸縮性ゾーン90、90f、90rの「長手方向中心線」300は、非伸縮性ゾーンの最も左側の範囲301と最も右側の範囲302との間の横方向中点を通る長手方向線である。
【0078】
パンツの製造中、非伸縮性ゾーンは、前側パネル20及び後側パネル30を形成する伸縮性積層体に含まれるエラストマー部材の横方向収縮効果を、意図される非伸縮性ゾーンにおいて排除する、実質的に低減又は除去するのに適した任意の方法で形成され得る。本明細書に示される実施例では、予歪みを付与されたエラストマー性パネルストランド40は、パネル20、30に横方向の弾性を付与するために組み込まれる。非伸縮性ゾーン90、90f、90rは、1つの例示的なプロセスでは、ストランド40の一部が、積層体の意図された非伸縮性ゾーンを横断するそれらの長さの部分にわたって接着剤でコーティングされないように、接着ストランドコーティングプロセスを構成することによって作製されてもよい。積層体の形成に続いて、1つ又は複数の予歪みを付与されたストランドを、それらが意図された非伸縮性ゾーンを横断する場所で切断することができる。ストランドは、意図された非伸縮性ゾーン内では、積層体内の定位置にストランドを保持するために塗布される接着剤を有していないため、各切断端部は、切断位置から離れて、かつ、ストランドが接着剤によって内側層と外側層との間に貼付されている最も近い位置(すなわち、意図された非伸縮性ゾーンの縁部の近位)に向かって、意図された非伸縮性ゾーンの外に後退する又は「はじき戻る」ことになる。
図3に反映されているように、結果としてもたらされる切断端部又は「尾部」93は、非伸縮性ゾーン90、90f、90rの縁部に沿って内側層と外側層との間に存在する。非伸縮性ゾーンを作製するためのこの特定の方法は、前側パネル20及び後側パネル30を形成するために使用される伸縮性積層体の製造にコストをほとんど又は全く追加しないという点で利点を有する。
【0079】
上記の選択的ストランドコーティング及び切断に加えて、非伸縮性ゾーンを形成するための他の方法が用いられてもよい。エラストマー性パネルストランド40が含まれる場合、それらは、それらの弾性を除去するために、任意の好適な方法によって選択的に処理されてもよい。その結果、エラストマー性パネルストランド40は、積層体の形成及びパンツ製品の製造の完了後に、それらの歪みを付与された長さから(非伸縮性ゾーン(複数可)内で)実質的に収縮しないようになる。このような処理としては、例えば、ゾーン化された熱処理、ゾーン化された超音波処理、パターン化された切断、又はストランドを非活性化するのに好適な任意の他の方法、すなわち、非伸縮性ゾーン内で実質的に収縮しないようにストランドの弾性を実質的に除去し、それによって非伸縮性ゾーン内の内側層及び外側層内に実質的なラッフル又はギャザーが形成されないようにするのに好適な任意の他の方法を挙げることができる。(複数のエラストマーストランドではなく)エラストマーフィルムを使用してパネル積層体に弾性を持たせる場合、任意の好適な方法を用いて、意図された非伸縮性ゾーンからフィルムを除去若しくは排除するか、又は意図された非伸縮性ゾーン内のフィルムを非活性化することができる。
【0080】
非伸縮性ゾーン90は、任意の所望の形状を有してもよい。図示されている非限定的な例としては、矩形形状(
図2A)、台形形状(
図2B)、三角形形状(
図2C、
図2E)、及び四分円又は四分楕円の形状(
図2D)を有する前側及び後側非伸縮性ゾーン90f、90rが挙げられる。追加の例は、円形、半円形、長円形、半長円形、楕円形、及び半楕円形であり得る。平均身体比率の成人女性によって着用される、本明細書に記載され、描写されているタイプのパンツでは、着用者の臀部(着用者の大転子の長手方向レベルの最も近く)の周りを覆うことになるパンツパネル構造の周囲は、ほとんどの場合、通常の着用中に最大範囲まで横方向に伸張する(及び最小範囲で横方向に収縮する)ことが必要とされる、脚開口部縁部の上方のパンツの長手方向領域である。対照的に、腰部縁部11、12に近接するウエストバンド領域15は、多くの場合、通常の着用中に少ない程度に横方向に伸張する(及び最大範囲で横方向に収縮する)ことが必要とされる、脚開口部縁部の上方のパンツの長手方向領域である。結果として、非伸縮性ゾーン90が含まれる場合、それらは、ウエストバンド領域15により近い上部領域において相対的に狭い幅を有し、意図される着用者の大転子のレベルにより長手方向に近い中間領域及び/又は下部領域において相対的に広い幅を有することが望ましい場合がある。この構成は、
図2B、
図2C、
図2D、及び
図2Eに反映されており、ウエストバンド領域15に近接して相対的により高い全体的な横方向弾性収縮性を保持し、寛骨区域に近接した長手方向により低い領域において相対的に低い全体的な横方向弾性収縮性を保持する(横方向弾性収縮性に影響を及ぼす他の要因が類似又は同等である場合、すなわち、ウエストバンド領域の下方及び脚開口部縁部の上方の弾性部材のデシテックス、間隔、及び予歪みレベルが均一な場合)。
図2A、
図2D、及び
図3を参照すると、本明細書の目的のために、ストランドによって伸縮性が付与されるパネル内の非伸縮性ゾーンの外周及び形状は、(a)その上範囲96において、非伸縮性ゾーンの上方の第1の切断されていない活性弾性ストランドによって、(b)その底範囲97において、ゾーンの下方の第1の切断されていない活性弾性ストランドによって、又は、ゾーンの下方にストランドがない場合には、脚部縁部14によって、(c)各側部91において、弾性ストランドの活性部分が開始する配列において弾性ストランドのそれぞれの連続点を接続する仮想経路によって、画定され、境界が定められる。したがって、ストランドが、伸縮性ゾーン内で接着剤でストランドコーティングされ、かつ非伸縮性ゾーン内で選択的にコーティングされない(次いで切断される)パネルに関し、非伸縮性ゾーンの外周及び形状は、各側部91において、ストランドをその予歪み状態で定位置に保持するために接着剤が存在する配列において弾性ストランドのそれぞれの連続点を接続する仮想経路によって、画定される。例えば、
図2Dを参照すると、仮想経路95は、パネル20内のストランド40の接着ストランドコーティングが始まる点を接続するため、経路95は、描写された非伸縮性ゾーン90fの右側91を画定し、その境界を定める。(ストランドの切断された尾部93は、経路95の左に描かれている。)弾性フィルムによって伸縮性が付与されるパネル内の非伸縮性ゾーンの外周及び形状は、横方向に活性な弾性フィルムが存在しない積層体内の窓によって画定され、境界が定められる。
【0081】
同様の理由から、前側パネル20及び後側パネル30のウエストバンド領域15の横方向弾性は、ウエストバンド領域15内に含まれた弾性部材から得られる弾性収縮性の最大レベルを保持するために、非伸縮性ゾーン(複数可)によって実質的に損なわれないことが更に望ましい場合がある。パネルのウエストバンド領域15は、3〜12本、より好ましくは4〜10本、更により好ましくは5〜10本のエラストマーストランドを含んでもよく、そのようなストランドは、それらの長さの少なくとも90パーセントに沿って活性であること、すなわち、切断又は他の非活性化手段によって非活性化されないことが望ましい場合がある。したがって、任意の含まれる非伸縮性ゾーン(複数可)の最上部範囲は、ウエストバンド領域15内の最下部弾性ストランドの活性部分の下方に位置することが望ましい場合がある。
【0082】
所望であれば、エラストマー性パネルストランド40の長手方向間隔、デシテックス、及び/又は予歪みレベルを変化させて、1つ又は複数の非伸縮性ゾーン90を含むことにより生じるパネルの弾性収縮性の損失を補償してもよい。例えば、弾性パネルストランド40は、より大きな収縮力を有し、それによって内側層及び外側層の材料(複数可)のより多くの横方向ギャザーを生じさせるために、含まれる非伸縮性ゾーン90が最も幅広である長手方向位置(複数可)の実質的に近くに又は近接して、非伸縮性ゾーンの幅が最も広いかかる位置から長手方向により遠い他のエラストマー性パネルストランドよりもより近い長手方向間隔、より大きなデシテックス、又はより大きな予歪みレベルのうちの1つ又は複数を有してもよい。
【0083】
再び
図5を参照すると、上述のように、パネル20、30が、長手方向に離間配置された横方向に延在する弾性ストランドの配列によって弾性化される場合、上記の方法で前側パネル20及び後側パネル30の一方又は両方に非伸縮性ゾーン90f、90rを形成すると、非伸縮性ゾーン90f、90rの側縁部の周りにいくつかの弾性ストランドの尾部93が存在することになり得る。外側層22、32を形成するために使用される不織布ウェブ材料(複数可)の組成及び坪量によっては、尾部93は、外側層を通して視認可能となる場合がある。いくつかの状況では、これは美的理由から望ましくないとみなされ得る。
【0084】
このような尾部93の外観を覆い隠す又は視覚的に目立たなくする任意の好適な方法を採用することができる。一実施例では、非伸縮性領域(複数可)内の外側層22、32の着用者に面する側(複数可)に、好適なデザインを刻印してもよい。代替的に、又は組み合わせて、非伸縮性領域(複数可)内の内側層21、31の外側に面する側(複数可)に、好適なデザインを刻印してもよい。
【0085】
他の実施例では、外側層22、32を形成するために使用される不織布ウェブ材料(複数可)には、それらの表面全体にわたって、又は少なくとも非伸縮性ゾーン(複数可)90内の区域内に、
図4に提案されるようなパターン(開口94のパターン)が付与されてもよい。開口のパターンは、尾部93の外観を視覚的に目立たなくするように設計又は選択されてもよく、例えば、材料にレース様の外観を付与するために、審美的装飾効果を目的として設計又は選択されてもよい。パンツのベルト構造のための伸縮性積層体を形成するために使用される外側層に開口を含ませる好適な例は、米国特許第9,532,908号に開示されており、開口のパターンの更なる例、及び不織布ウェブ材料中に開口パターンを形成するための方法は、米国特許出願公開第2016/0136014号に開示されている。これらの参考文献の完全な開示は、参照により本明細書に組み込まれる。外側層(複数可)に開口のパターンを付与することは、尾部の外観を視覚的に目立たなくし、装飾効果を提供する機能を果たすことに加えて、外側層(複数可)の知覚される又は実際の通気性を向上させ、有益な効果をもたらすことができる。
【0086】
このような開口を含めることと組み合わせて、それぞれの内側層及び外側層は、例えば、不織布ウェブ材料が構成される繊維又はポリマー樹脂の印刷、彩色、若しくは着色によって、又は任意の他の好適な手段を介して、視覚的に対比する色を付与されてもよい。本明細書で、材料の2つのそれぞれの層の色又は色合いの間の「視覚的なコントラスト」とは、後述の視覚的コントラスト法により決定されるδE
*の値が2.0以上であることを意味する。強化された視覚的コントラストにおいて、δE
*の値が3.5以上であるのが好ましいことがある。パネルの内側層の部分が、外側層の開口を通してパンツの外側から可視であり得る場合、パネルの内側層及び外側層に視覚的に対比する色を付与することを用いて、開口及びそのパターンの視覚的影響を増大させてもよい。
【0087】
コアチャネル
上述のように、吸収性層71は、1つ又は複数のチャネル73、74を有するように形成されてもよい。本明細書の目的のために、吸収性層は、吸収性コア構造体の前縁部61からの吸収性コア構造体の全長Lの20%以下に配置される少なくとも1つの横方向チャネル74を有することが望まれ得る。(本明細書の目的のために、吸収性コア構造体65の長さLは、吸収性層71と捕捉層72(存在する場合)を合わせた、最も前側にある前縁部61から、最も後側にある後縁部62までを測定する。)このような横方向チャネルは、ヒンジとして作用し、ベルト(前側パネル及び後側パネル)の構造によって発せられる力に応じて、吸収性コア構造体の前側部分が着用者の方により容易に曲がることができる屈曲部の横方向の線を与え、それによって、着用者の解剖学的特徴によりよくぴったり一致し、密な適合性が向上し、漏れる可能性を減らし、パンツの外観の目立たなさを改善する。同様の理由のために、吸収性層が、吸収性コア構造体の後縁部62からの全長Lの20%以下にて配設される第2の横方向チャネル74を有することが望まれ得る。
【0088】
また、捕捉層72は、吸収性コア構造体65の可撓性を更に高めるために、その中に1つ又は複数のチャネルを有していてもよい(具体的に図示していない)。捕捉層72は、平面視で吸収性層71内に存在するチャネルと整列する/上側に隣接する1つ又は複数のチャネルを有していてもよく、そのことで、吸収性コア構造体の、整列され、上側に隣接する/下側に隣接するチャネルによって画定される、吸収性層71及び捕捉層72の両方に存在する薄い領域が一緒に作用して、吸収性コア構造体65全体に可撓性の「ヒンジ」領域を与える。あるいは、吸収性層71内のチャネルと、捕捉層72内のチャネルは、平面視で位置をずらして配置されてもよく、そのことで吸収性コア構造体65の全体の可撓性がチャネルによって向上するが、吸収性層71及び捕捉層72内の整列し、上に隣接する/下に隣接するチャネルによって作られるヒンジ領域は明確には画定されない。
【0089】
他の例では、捕捉層72は、吸収性層71について上に記載し、図面に示した配置で、1つ又は複数のチャネルを有して形成されてもよいが、一方で吸収性層71にはチャネルが形成されない。この構成は、吸収性層71が捕捉層72より、比較的薄い(z方向に)、及び/又は既に固有により可撓性である構造において、望まれ得る。
【0090】
テーパー形状の吸収性コア構造体吸収性材料の輪郭を形成する分布
図5及び
図6Cから分かるように、吸収性コア構造体65の1つ又は複数の層は、そのz方向の厚さが末端及び側縁部に向かって小さくなるように、テーパー形状であってもよい。この特徴は、単独で、又はチャネルを含むことと組み合わせて、ベルト(前側パネル及び後側パネル)の構造によって発せられる力に応じて、このような部分が着用者の方により容易に曲がることができるようにもし、それによって、着用者の解剖学的特徴によりよくぴったり一致し、密な適合性が向上し、漏れる可能性を減らし、パンツの外観の目立たなさを改善する。更に、テーパー形状から得られる吸収性コア構造体65の比較的薄い横方向及び/又は長手方向縁部によって、着用している間に、縁部が、パンツの外側輪郭に十分に画定されて目に見える欠陥又は膨らみを作り出す可能性を減らし、そのため、外衣の下のパンツの目立たなさを改善する。吸収性コア構造体65の1つ又は複数の層は、少なくともその後方部分(複数可)において縁部に近づくにつれて厚さが小さくなる方にテーパー形状であるだけではなく、
図2Aに反映されるように後方部分及び前方部分の両方において、及びいくつかの実施例では、後方部分及び前方部分の両方において、並びに
図6Cから理解されるように、更には各長手方向縁部63、64に向かって、テーパー形状であることが望ましくあり得る。吸収性コア構造体の縁部を目立たないようにすることに加え、テーパー形状にすることによって、多くの種類の外衣が、例えば腰及び臀部領域の周囲で、着用者にとって密に/しっかりと適合していないか、又は配置されていない、着用者の股部区域の前側領域であるパンツの長手方向中心点のわずかに前側の更に隣接した領域、かつ尿が放出されるところに吸収性材料が集中するように吸収性材料の輪郭を形成する分布が可能になり、捕捉及び吸収を更に向上させる。
【0091】
テーパー形状は、吸収性コア構造体の局所的な領域で変動する吸収性コア構造体の1つ又は複数の層の坪量(単数又は複数)に反映されてもよい。一実施例では、
図5を参照すると、吸収性コア構造体65の長さLは、前側から後側まで、5つの等しい部分長さSL1、SL2、SL3、SL4、及びSL5に分けることができる。前縁部及び後縁部61、62に向かって厚さがテーパー形状に小さくなること、及び吸収性コア材料の輪郭を形成する分布は、以下の1つ又は複数の関係を反映し得る。パンツの長手方向の中心点の前側の吸収性材料の濃度を反映して、第1及び第2の部分長さSL1及びSL2における全ての材料の平均坪量の合計は、第4及び第5の部分長さSL4及びSL5における全ての材料の平均坪量の合計よりも大きくなり得る。更に、パンツの長手方向中心点の前側の吸収性材料の濃度を反映して、第2の部分長さSL2における全ての材料の平均坪量は、他の部分長さSL1、SL3、SL4、SL5のいずれかの全ての材料の平均坪量よりも大きくなり得る。前側でのテーパー形状を反映して、部分長さSL1における全ての材料の平均坪量は、部分長さSL2における全ての材料の平均坪量よりも少なくなり得る。後側でのテーパー形状を反映して、部分長さSL5における全ての材料の平均坪量は、部分長さSL4における全ての材料の平均坪量よりも少なくなり得る。
【0092】
吸収性コア構造体の長手方向縁部にテーパー形状が含まれている場合には、
図6Cを参照すると、一実施例では、吸収性コア構造体65の幅Wは、側面から側面まで(最左縁部63から最右縁部64まで)、3つの等しい部分幅SW1、SW2、SW3に分けることができる。最左縁部63及び最右縁部64に向かって厚さがテーパー形状に小さくなること、及び吸収性コア材料の輪郭を形成する分布は、以下の1つ又は複数の関係に反映され得る。吸収性コア構造体の中央部分における吸収性材料の濃度を反映して、第2の部分的な幅SW2における全ての材料の平均坪量は、第1及び第3の部分幅SW1及びSW3における全ての材料のそれぞれの平均坪量より大きくなり得る。この関係はまた、吸収性コア構造体65の長手方向縁部に向かって厚さが小さくなるテーパー形状に反映されてもよい。
【0093】
この組み合わせで存在するこれらの関係を、
図6に概略的に図示する。最も坪量が大きい材料の領域は、最も暗い網掛けで示されている(領域SL2−SW2)。網掛けは、坪量が減ると色が明るくなり、最も小さな坪量の領域は網掛けなしで示されている(領域SL5−SW1及びSL5−SW3)。
【0094】
本明細書の目的のために、吸収性コア構造体の部分長さ又は部分幅における「全ての材料の平均坪量」は、問題となっている物品のサンプルにおいて、吸収性コア構造体の層を本明細書に記載されるように特定し、吸収性コア構造体の全長と幅を測定し、望ましい測定に従って、5つの等しい部分長さ、又は3つの等しい部分幅に物理的に分け、それぞれの部分長さ及び/又は部分幅の部分をそれぞれ計量し、それぞれのこのような重さを関連する表面積で割り、それぞれのこのような局所的な領域について平均坪量を計算することによって決定されてもよい。(平面図において)長方形の形状を有する吸収性コア構造体は、一般に、そうではないものと比べて、より容易に、かつ効率的に製造される。しかし、本明細書に示す長方形形状ではない吸収性コア構造体について、その長さLと幅Wは、それぞれ、最も長い部分での長さと、最も幅広い部分での幅である。
【0095】
上述の吸収性コア構造体65において、材料の坪量のテーパー形状の局所的な変化は、吸収性層71及び捕捉層72のいずれか又は両方に含まれていてもよく、吸収性コア構造体の長さL及び幅WにわたってSAP粒子の分布にも含まれていてもよく、吸収性コア構造体の長さL及び幅Wにわたって吸収性コア構造体に含まれるセルロース又はポリマー繊維の分布にも含まれていてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0096】
更に、全体的な吸収性コア構造体65は、吸収性層71よりも長さ及び/又は幅の寸法が小さな捕捉層72を用いることによって、縁部に向かってテーパー形状であるか、又は厚さが徐々に薄くなっていてもよい。
図7及び
図9を参照すると、例えば、捕捉層72の長さは、吸収性層71の長さより短くてもよい。それぞれの前縁部が整列している、吸収性層71よりも上方の配置の位置によって、捕捉層の後縁部は、吸収性層の後縁部より短く配設され、その結果、吸収性コア構造体65の全体的な厚さは、後縁部に近接する後側部分で減少される。あるいは、捕捉層の前縁部及び後縁部は両方とも、吸収性層のそれぞれの前縁部及び後縁部よりも短く配設されてもよい。吸収性層71及び捕捉層の片方又は両方もまた、前側又は後側で丸みを帯びた角を有してもよい。
図7に示すように、捕捉層は、丸みを帯びた後縁部の輪郭を有している。このことが、パンツの着用中での外側の輪郭における潜在的な突起部から鋭い角を減らすか、又はなくすのに役立ち得る。
【0097】
弾性部材の配置、間隔、及び予歪みの変化
上に説明したように、弾性フィルムではなく、長手方向に間隔をあけた、横方向に延在する弾性ストランドの使用が、ベルト構造を弾性化するのに好ましいであろう。他の利点の中で、間隔のあいたストランドは、ベルト構造に対して優れた通気性を与える。更に、身体に沿う目立たないパンツを製造するという目的に対し、弾性部材の配置及び間隔の更なる態様が望まれ得る。
【0098】
現在市販されているいくつかの使い捨て吸収性パンツは、ベルト構造に弾性を持たせるために、エラストマーストランドを含んでいる。しかし、それらの吸収性パンツは、多くの場合、吸収性パッドアセンブリ、吸収性コア構造体、又はこれらの構成要素を、一方の長手方向縁部から他方の長手方向縁部へと横方向に横切るストランドを有していない。いくつかの製品では、横方向の弾性ストランドは、吸収性パッドアセンブリ及び/又はその構成要素の前端部/前縁部及び/又は後端部/後縁部よりも下方に長手方向に置かれたベルト構造の部分には含まれていない。いくつかの製品では、横方向の弾性ストランドは、吸収性パッドアセンブリの構成要素の前端部/前縁部及び/若しくは後端部/後縁部よりも下方に長手方向に置かれたベルト構造の部分に存在しているが、アセンブリを横切っておらず、又はアセンブリの長手方向縁部に近接して切断されており、又は吸収性パッドアセンブリを横切るその長さの部分に沿って不活性化されている(弾性が除去されているか、操作不可能にされている)。このような構成は他の有用な目的及び機能を有している場合があるが、吸収性パッドアセンブリの前側部分及び/又は後側部分が外向きに(着用者から離れて)膨れ上がることを可能としてしまう傾向がある。多くの着用者は、この膨らみを望ましくないものであると考えており、又は外衣に対応する膨らみを作り出し、失禁パンツを着用していることが視覚的に明らかになってしまうため、受け入れられない場合さえある。
【0099】
図2A及び
図5を参照すると、このような膨らみの数と目立つこととを実質的に減らすために、ベルト構造に含まれる横方向に延在する予歪みを付与された弾性ストランド40が、パンツの前側及び後側の腰部領域に存在するその部分にわたって吸収性パッドアセンブリ50を横方向に横切り、このような部分にわたって活性であることが望まれ得る。前側パネル20において、弾性ストランド40が、吸収性パッドアセンブリの長さPLの前側部分を横切る、すなわち、長さPLの少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%である前側を覆う長さFCLを横切ることが望まれ得る。後側パネル30において、弾性ストランド40が、吸収性パッドアセンブリの長さPLの後側部分を横切る、すなわち、長さPLの少なくとも30%、より好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは少なくとも40%である後側を覆う長さRCLを横切ることが望まれ得る。本明細書の目的のために、また、
図2Aに反映されているように、覆われた長さFCL又はRCLは、
図2に提案されるサイドシーム13で分離されているパンツを用いて、吸収性パッドアセンブリ50の前端51又は後端52から、吸収性パッドアセンブリ50を横方向に横切る最下部の弾性ストランド40の最も下の範囲まで、それぞれ測定される。予歪みを付与された弾性ストランドがこのように配置されている場合、弾性ストランドは、吸収性パッドアセンブリの前側部分及び後側部分を、特にその長手方向縁部に沿って、着用者の方向かわせる傾向があり、それによって、吸収性パッドアセンブリの外側への膨らみが最小限になる。
【0100】
ストランドは、少なくともベルト構造の一部と、サイドシーム13の下端よりも上方に配設される前側パネル20及び後側パネル30で、典型的な場合よりもっと相対的に近接して長手方向に配置されていることが望まれ得る。したがって、少なくとも前側パネル20及び/又は後側パネル30のこれらの部分において、隣接する横方向弾性ストランドの1つ又は複数の群の平均長手方向間隔SSが10mm以下であり、より好ましくは7mm以下であり、更により好ましくは5mm以下であることが望まれ得る。(既に示したように、隣接する弾性ストランド間の長手方向間隔は、これらの最も近い外側表面の間の距離ではなく、これらの軸間の距離を指すと理解される。)既に述べたように、ベルト構造に、より衣類に似た外観を付与することに加えて、ベルト構造のこれらの部分において弾性ストランドの長手方向間隔がこのように比較的近いことは、吸収性パッドアセンブリの前側及び後側の端部/縁部に対してある程度収縮するが十分に分布した圧力を与えるのに役立ち、着用者の身体の方に近づけ、それによって、ベルト構造のこれらの領域における塊及び膨らみを最小限にする傾向がある。
【0101】
更に、現在市販されているいくつかの使い捨て吸収性パンツは、ベルト構造に弾性を持たせるために、横方向に延在するエラストマーストランドを含んでいるが、サイドシーム13よりも下方の領域には、後側パネル内に配設された横方向エラストマーストランドを有していない。いくつかの製品は、脚開口部に近接する臀部の外側領域の周囲に制御されない、かなりの面積の弾性化していない外側層を形成する不織布材料を有しており、これらの領域によって、着用者が望ましくないと考え得る脚開口部の周囲の緩い見た目、及び感触を付与し得る。他の製品は、材料を脚部の帯状部として集めさせる、脚開口部の周囲の材料に沿って配設された弾性部材を含んでいてもよいが、それでも、脚開口縁部よりも上方のかなりの領域が制御されないまま残り、一部の着用者は望ましくないと考えるであろう、たるんだ見た目を生じさせてしまう。更に、輪郭を形成する脚帯状部の弾性部材を含むことで、製造工程に複雑さが増し、費用が増える。
【0102】
図2Aに提案されるように、後側パネル30のサイドシーム13よりも下方(すなわち、後側シーム区域13bよりも下方)にいくつかの横方向に延在する弾性ストランド40を含むことで、脚開口部の周囲及び臀部の外側区域周囲の材料を制御し、それによって、更に密により身体に沿うように合わせた外観が得られるというかなり有益な効果が得られることが発見されている。更に、このような更なる横方向に延在する弾性ストランド40を、サイドシーム13よりも下方のパネル材料に含むことは、一般に、輪郭を形成する脚部の帯状弾性部材を含むよりも、製造工程がより単純であり、安価である。
【0103】
したがって、複数の横方向に延在する弾性ストランド40が、サイドシーム13の下部より下方の領域で、後側パネル30に少なくとも含まれることが望まれ得る。
図2Aを参照すると、サイドシーム13よりも下方の後脚縁部の適切な制御のために、サイドシームの下部より下方にあり、長さREPが、パンツ構造の全長OLの少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、更により好ましくは少なくとも15%、更により好ましくは少なくとも20%である、後側パネルの弾性が付与された部分が、横方向に延在する弾性ストランド40を含んでいてもよい。同様の理由のため、1つ又は複数の横方向に延在する弾性ストランド40が、サイドシーム13の下部より下方の領域で、前側パネル20に含まれていてもよい。
【0104】
しかし、サイドシームより下方にあるこのような横方向に延在する弾性ストランドが、サイドシームより上方にある横方向弾性ストランドとは異なる長手方向間隔及び予歪み量のいずれか、又はこれらの組み合わせを有することが望まれ得る。具体的には、
図2Aに提案されるように、サイドシーム13よりも下方に配設される弾性ストランド40の平均長手方向間隔が、サイドシーム13よりも上方に配設される弾性ストランド40の平均長手方向間隔よりも大きいことが望まれる場合がある。したがって、サイドシーム13よりも下方にある後側パネル30に配設される弾性ストランドの全て又は一部が、5mm以上、7mm以上、又は10mm以上の平均長手方向間隔SSを有していてもよい。あるいは、又はこのような間隔と組み合わせて、サイドシーム13よりも下方に配設される弾性ストランド40に付与される予歪みの平均量は、サイドシーム13よりも上方に配設される弾性ストランド40に付与される予歪みの平均量より小さいことが望まれ得る。これらの変動は、サイドシーム13よりも下方にある後側パネル30の材料が、長手方向軸200の方に横方向内側に過剰に引っ張られないようにし、着用者の臀部の外側領域を望ましくない範囲まで覆ってしまうのを減らすのに役立ち得る。これらの目的に適したパネル20、30の弾性ストランドの更なる構成は、米国仮特許出願第62/332,496号に開示されている。
【0105】
長手方向弾性部材の位置
図2A、
図6A及び
図10を参照すると、更に、後側パネル30の横方向弾性部材40に対する、長手方向を向く左及び右のパッドアセンブリ縁部弾性部材69、70の特定の配置が、有益な効果を与え得ることを発見した。
【0106】
適切に配置されると、並びに吸収性パッドアセンブリ50の長手方向の左縁部67及び右縁部68に近接する予歪みを付与された長手方向弾性部材69、70の活性部分が、後側パネル30内に位置する交差ゾーン100内の予歪みを付与された横方向弾性ストランド40の活性部分と交差するいくつかの状況では、それぞれの予歪みを付与された弾性部材の張力が合わさることで後側パネル30内に力F(
図10)が生成され、この力が、パネル材料と、吸収性パッドアセンブリ50のその下にある材料とを、着用者の臀裂へと引っ張る傾向がある。この効果は更に、後側部分におけるパンツの密で身体に沿う目立たなさを付与するのに寄与する。しかし、この効果を可能にするために、長手方向弾性部材69、70は、後側シーム領域13bよりもパンツの長手方向軸200に近い位置に配置されるべきである。すなわち、
図2Aに反映されているように、距離ESCは、距離ESSより短い、すなわち、横方向にパンツの中央に向かって短い。(ESC及びESSは、横方向で測定される。)
【0107】
吸収能の特徴
上述の特徴の種々の組み合わせによって、「中程度」及び「重度」の失禁の需要を有する使用者によって必要とされる吸収能を有しつつ、着用時に改良された身体に沿う目立たない輪郭を有するパンツ構造を提供することができる。したがって、パンツの吸収性コア構造体は、「中程度」の需要の製品には少なくとも3グラムの超吸収性ポリマー材料を含み、又は「重度」の需要の製品には少なくとも5グラムの超吸収性ポリマー材料を含んでもよく、これらは吸収性層に含まれる。パンツの吸収性コア構造体はまだ、少なくとも1グラムのセルロース及び/又はポリマー繊維を含んでいてもよく、これらは、吸収性層、捕捉層、又はこれらの組み合わせに含まれていてもよい。
【0108】
以下の実施例は、本明細書の記載の範囲内に含まれると想定される。
1.使い捨て吸収性パンツ(10)であって、長手方向軸(200)を有し、かつ、
前側パネル及び後側パネル(20、30)であって、それぞれが腰部縁部(11、12)と一対の脚部縁部(14)とを有し、かつ、伸縮性積層材料を含み、伸縮性積層材料は、内側層(21、31)と外側層(22、32)とを含み、内側層及び外側層のそれぞれは、不織布ウェブ材料から形成されており、内側層と外側層との間には、長手方向に離間配置され、横方向に延在し、かつ横方向に予歪みを付与された複数のエラストマー性パネルストランド(40)の配列が配設されており、
前側パネル及び後側パネルが、それぞれ上端及び下端を有する左及び右のサイドシーム(13)に沿って互いに接合されている、前側パネル及び後側パネル(20、30)と、
吸収性パッドアセンブリ(50)であって、
前端部(51)で終端する前側部分及び後端部(52)で終端する後側部分であって、前側部分は、前端部がサイドシームの下端よりも上方に配設されるように、前側接合位置において前側パネルに接合されおり、後側部分は、後側部分がサイドシームの下端よりも上方に配設されるように、後側接合位置において後側パネルに接合されている、前側部分及び後側部分と、
液体透過性トップシート(60)、液体不透過性バックシート(66)、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コア構造体(65)と、
左縁部(67)及び右縁部(68)と、を含む、吸収性パッドアセンブリ(50)と、を含み、
前側パネル及び後側パネルのうちの少なくとも一方が、配列内のエラストマー性パネルストランドの1つ又は複数が横切って延在していない非伸縮性ゾーン(90、90f、90r)を含み、非伸縮性ゾーンは、左サイドシームと右サイドシームとの間に配設され、かつ長手方向中心線(300)を有し、長手方向中心線は、パンツの長手方向軸に対してよりもサイドシームのうちの一方に対して近接している、使い捨て吸収性パンツ(10)。
【0109】
2.前側パネル及び後側パネルがそれぞれ、配列内のエラストマー性パネルストランドの1つ又は複数が横切って延在していない非伸縮性ゾーンを含み、非伸縮性ゾーンは、左サイドシームと右サイドシームとの間に配設され、かつ長手方向中心線を有し、長手方向中心線は、パンツの長手方向軸に対してよりもサイドシームのうちの一方に対して近接している、実施例1に記載のパンツ。
【0110】
3.前側パネル及び後側パネルのうちの少なくとも一方が、配列内のエラストマー性パネルストランドの1つ又は複数が横切って延在していない左右の非伸縮性ゾーンを含み、左右の非伸縮性ゾーンのそれぞれは、左サイドシームと右サイドシームとの間に配設され、かつ長手方向中心線を有し、長手方向中心線は、パンツの長手方向軸に対してよりもそれぞれの左サイドシーム又は右サイドシームに対して近接している、実施例1に記載のパンツ。
【0111】
4.前側パネル及び後側パネルのそれぞれが、配列内のエラストマー性パネルストランドの1つ又は複数が横切って延在していない左右の非伸縮性ゾーンを含み、前側パネル及び後側パネルのそれぞれにおける左右の非伸縮性ゾーンのそれぞれは、左サイドシームと右サイドシームとの間に配設され、かつ長手方向中心線を有し、長手方向中心線は、パンツの長手方向軸に対してよりもそれぞれの左サイドシーム又は右サイドシームに対して近接している、実施例1に記載のパンツ。
【0112】
5.存在する各非伸縮性ゾーンが、上範囲(96)と底範囲(97)とを有し、上範囲が、非伸縮性ゾーンが存在するパネルの腰部縁部に最も近い、配列のエラストマー性パネルストランド(40)の長手方向下方に位置する、実施例1〜4のいずれかに記載のパンツ。
【0113】
6.前側パネル及び後側パネルのうちの少なくとも一方が、その腰部縁部に近接しかつ左サイドシームから右サイドシームまで横方向に延在するウエストバンド領域(15)を有し、配列の下位複数のエラストマー性パネルストランド(40)は、前側パネル及び後側パネルのうちの少なくとも一方を横切って、パネルの幅の少なくとも90パーセントにわたって連続して、左シームの内側から右シームの内側まで延在しており、
パネル内の各非伸縮性ゾーンが、上範囲(96)と底範囲(97)とを有し、上範囲が、ウエストバンド領域の最下部のエラストマー性パネルストランドの長手方向下方に位置する、実施例1〜5のいずれかに記載のパンツ。
【0114】
7.各非伸縮性ゾーンが、上範囲(96)と底範囲(97)とを有し、底範囲は、非伸縮性ゾーンが存在するパネルの最も近い脚縁部に最も近い配列のエラストマー性パネルストランドの長手方向上方に位置する、実施例1〜6のいずれかに記載のパンツ。
【0115】
8.存在する非伸縮性ゾーンのうちの1つ又は複数に印刷デザインを有する、実施例1〜7のいずれかに記載のパンツ。
【0116】
9.非伸縮性ゾーンが存在するパネルの外側層が、非伸縮性ゾーン内に、内部を貫通する開口のパターンを有する、実施例1〜8のいずれかに記載のパンツ。
【0117】
10.パネルの外側層に第1の色が付与され、パネルの内側層に第2の色が付与され、第1の色と第2の色とが視覚的に対比をなしている、実施例9に記載のパンツ。
【0118】
11.存在する各非伸縮性ゾーンが、最上位範囲(96)を有し、かつ、最上位範囲の下方の長手方向の位置において最も幅広である、実施例1〜10のいずれかに記載のパンツ。
【0119】
12.左のパッドアセンブリ弾性部材と右のパッドアセンブリ弾性部材のそれぞれが、パンツの左又は右のサイドシーム(13)のそれぞれよりも、パンツの長手方向軸(200)に近い位置に配置される、左縁部(67)に沿って左縁部(67)から10mm以内に配置される、少なくとも1つの長手方向に延在する予歪みを付与された左のパッドアセンブリ弾性部材(69)と、右縁部(68)に沿って右縁部(68)から10mm以内に配置される、少なくとも1つの長手方向に延在する予歪みを付与された右のパッドアセンブリ弾性部材(70)と、
吸収性パッドアセンブリの別の構成要素と接続する、それぞれ左及び右のバリアカフ近位部(82、83)と左及び右のバリアカフ自由縁部(84、85)とを有する、左及び右の長手方向バリアカフ(80、81)であって、バリアカフはそれぞれ、バリアカフ自由縁部がトップシートから離れて延在し得るように構成され、バリアカフはそれぞれ、それぞれの自由縁部から10mm以内に配置された、少なくとも1つの長手方向に延在する長手方向に予歪みを付与されたバリアカフ弾性部材(86、87)を更に含む、左及び右の長手方向バリアカフ(80、81)と、を更に含み、
前側パネル(20)における下位複数の予歪みを付与された弾性パネルストランド(40)が、吸収性パッドアセンブリの前側部分に横たわってその外側に向かって横切り、後側パネル(30)における下位複数の予歪みを付与された弾性パネルストランド(40)が、吸収性パッドアセンブリの後側部分に横たわってその外側に向かって横切る、実施例1〜11のいずれかに記載のパンツ。
【0120】
13.左及び右のパッドアセンブリ弾性部材(69、70)のそれぞれの活性部分が、後側パネル(30)における交差ゾーン(100)内で、下位複数の予歪みを与えられた弾性パネルストランド(40)の1つ又は複数と交差している、実施例12に記載のパンツ。
【0121】
14.吸収性コア構造体(65)が、その前側縁部(61)及び後側縁部(62)の片方又は両方に向かってテーパー形状であるか、又は厚さが徐々に薄くなっている、実施例12又は13のいずれかに記載のパンツ。
【0122】
15.吸収性コア構造体(65)が、その長手方向側縁部(63、64)に向かってテーパー形状であるか、又は厚さが徐々に薄くなっている、実施例12〜14のいずれかに記載のパンツ。
【0123】
16.吸収性コア構造体(65)が、超吸収性ポリマーの粒子を含む吸収性層(71)を含む、実施例12〜15のいずれかに記載のパンツ。
【0124】
17.吸収性コア構造体(65)が、セルロース及び/又はポリマー繊維を含む捕捉層(72)を含む、実施例16に記載のパンツ。
【0125】
18.吸収性コア構造体(65)が、
前側縁部(61)と後側縁部(62)とを含み、前側縁部と後側縁部は吸収性コア長さLを規定し、
吸収性コア長さLが、それぞれ、前側縁部(61)から後側縁部(62)にかけて測定した、その第1、第2、第3、第4、第5の等しい部分長さ(SL1〜SL5)を有し、
吸収剤コアの第1、第2、第3、第4、第5の等しい部分長さは、それぞれ、吸収性コア構造体材料の平均坪量を有し、
第4及び第5の部分長さにおける吸収性コア構造体材料の平均坪量の合計が、第1及び第2の部分長さにおける吸収性コア構造体材料の平均坪量の合計より少ない、実施例12〜17のいずれかに記載のパンツ。
【0126】
19.サイドシーム(13)の底部より上方に配設された、後側パネル(30)及び/又は前側パネル(20)内の複数のエラストマー性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、10mm以下、より好ましくは7mm以下、更により好ましくは5mm以下、更により好ましくは4mm以下の平均長手方向間隔SSを有する、実施例12〜18のいずれかに記載のパンツ。
【0127】
20.サイドシーム(13)の底部より上方に配設された、後側パネル(30)及び/又は前側パネル(20)内の複数のエラストマー性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、400〜1000デシテックス、より好ましくは500〜900デシテックス、更により好ましくは600〜800デシテックスの平均サイズを有する、実施例12〜19のいずれかに記載のパンツ。
【0128】
21.サイドシーム(13)の底部より上方に配設された、後側パネル(30)及び/又は前側パネル(20)内の複数のエラストマー性パネルストランド(40)の全て又は大部分が、50%〜290%、より好ましくは90%〜230%、更により好ましくは120%〜180%の平均予歪みレベルを有する、実施例12〜20のいずれかに記載のパンツ。
【0129】
22.吸収性コア構造体が、矩形形状を有する、実施例12〜21のいずれかに記載のパンツ。
【0130】
23.後側パネル(30)が、サイドシーム(13)の下端より上方に配設された横方向に延在するエラストマー性パネルストランド(40)の第1の群と、サイドシーム(13)の下端より下方に配設された横方向に延在するエラストマー性パネルストランド(40)の第2の群と、を含む、実施例12〜22のいずれかに記載のパンツ。
【0131】
24.エラストマー性パネルストランドの第1の群が、エラストマー性パネルストランドの第2の群の第2の平均長手方向間隔(SS)よりも小さい第1の平均長手方向間隔(SS)を有する、実施例23に記載のパンツ。
【0132】
25.エラストマー性パネルストランドの第1の群が、エラストマー性パネルストランドの第2の群の第2の予歪み平均レベルよりも大きい第1の予歪み平均レベルを有する、実施例23に記載のパンツ。
【0133】
26.吸収性層(71)を長手方向に通って延在する1つ又は複数のチャネル(73)を含む、実施例16又はそれに従属する任意の他の実施例に記載のパンツ。
【0134】
27.吸収性層(71)を横方向に通って延在する1つ又は複数のチャネル(74)を含む、実施例16又はそれに従属する任意の他の実施例に記載のパンツ。
【0135】
28.吸収性コア構造体(65)が、少なくとも3グラムの超吸収性ポリマーの粒子を含む、実施例12〜27のいずれかに記載のパンツ。
【0136】
29.吸収性コア構造体(65)が、少なくとも1グラムのセルロース繊維及び/又はポリマー繊維を含む、実施例12〜28のいずれかに記載のパンツ。
【0137】
視覚的コントラスト
色差の測定は、CIE L
*a
*b
*表色系(CIELAB)に基づく。1200dpiで24ビットカラーの最小値を走査することが可能で、カラーマネジメントの手動制御機能を有する、フラットベッドスキャナ(好適なスキャナは、Epson America Inc.(Long Beach CA)製のEpson Perfection V750 Proである)を使用して画像を取得する。スキャナを、カラーマネジメントソフトウェア(好適なパッケージは、X−Rite(Grand Rapids、MI)から入手可能なMonacoEZColorである)を使用してANSI方式IT8.7/2−1993に準拠したカラー反射ターゲットに対して校正し、スキャナプロファイルを構築する。校正したスキャナプロファイルを、CIE L
*a
*b
*におけるサンプリングをサポートするイメージングプログラム(好適なプログラムは、Adobe Systems Inc.(San Jose,CA)から入手可能なPhotoshop S4である)内で開き、結合及び非結合区域を測定する。
【0138】
較正前の30分間、スキャナの電源をオンにする。スキャナガラス上に、IT8ターゲットを、表を下にして置き、スキャナの蓋を閉じる。MonacoEZColorソフトウェアを開き、スキャナに付属するTwainソフトウェアを使用して取得画像を選択する。Twainソフトウェア内で、アンシャープマスク設定及びそのソフトウェアに含まれ得る全ての自動色補正又はカラーマネジメントオプションの選択を解除する。自動カラーマネジメントを無効にすることができない場合、そのスキャナは、この用途には不適である。200dpi、24ビットカラーでプレビュースキャンを取得する。スキャンした画像がまっすぐであり、第1の外側表面が上向きであることを確認する。ターゲットの縁部に画像をトリミングし、ターゲットの周りの全ての余白を除いて、最終的な画像を取得する。MonacoEZColorソフトウェアは、この画像を使用して、含まれる基準ファイルと比較し、Photoshopと互換性のある校正したカラープロファイルを生成及びエクスポートする。プロファイルが作成された後、スキャン解像度(dpi)は変更可能であるが、他の全ての設定は、サンプルの撮像中、一定に保つ必要がある。
【0139】
各層75mm×75mm平方のそれぞれの試料を準備する。約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で、試験前に約2時間に試料を予調整する。
【0140】
スキャナの蓋を開け、第1の外側表面をガラスに対向させて、スキャナガラス上に第1の試料を配置する。白色の背景で(この試験方法では、白は、L
*>94、−2<a
*<2、及び−2<b
*<2を有する色と定義される)試料を覆い、蓋を閉じる。第1の試料のスキャンを取得し、600dpi、24ビットカラーでPhotoshopにインポートする。画像に、校正したスキャナプロファイルを割り当て、モードをLab Colorに変更する(Photoshopの「Lab Color」は、CIE L
*a
*b
*規格に対応する)。「スポイト」色選択ツールを選択する。ツールの試料サイズを設定して、2mm×2mm平方の試料領域内でできるだけ多くのピクセルを含ませるが、それは開口を含まない。スポイトツールを使用して、試料画像における10の異なる2mm×2mm平方領域(開口を有しない)のL
*a
*b
*値を測定して記録する。10の個々のL
*a
*b
*値を平均し、それぞれL
1、a
1及びb
1として記録する。
【0141】
第2の試料で上のパラグラフにおける工程を繰り返して、L
2、a
2及びb
2として平均値を記録する。以下の式を使用して、結合区域と非結合区域との間の色差(δE
*)を計算し記録する。
【0142】
【数1】
そして、0.01の単位まで記録する。サンプルセット毎に、合計3つの実質的に同一の各層を測定する。3つのδE
*値を平均し、0.1の単位まで記録する。
【0143】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。
【0144】
本明細書に引用される全ての文書は、任意の相互参照又は関連する特許若しくは出願を含め、明確に除外しているか、又は特に限定されている場合を除き、矛盾のない範囲まで、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0145】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。