【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記の従来のゴム付き履帯は、一定時間の使用後にゴムブロックの摩耗によって交換する必要がある。例えば掘削機、アスファルト舗装機、ロードプラナー等の大型履帯機具は、履帯チェーンに数百の履帯保護構造が取り付けられる。そのため、その中の1つ又はいくつかの履帯保護構造にゴムブロックの摩損又はその他の損壊の状況が発生した場合、必ず履帯の全体に対して修理及びメンテナンスを行う必要があるが、逐一又は同時に履帯保護構造を交換することが非常に面倒で且つ時間のかかる作業であり、且つ履帯機具の修理及び交換効率に影響を及ぼし、更に、後続のエンジニアリングの作業に影響をもたらす。
【0005】
上記の問題を解決するために、従来の履帯保護構造の底板、強化部材及びゴムブロックは、履帯保護構造の全体強度を向上させるように相互分解不可な固定結合を採用するが、ゴムブロックが摩耗によって交換する必要がある場合底板及び強化部材を共に淘汰する必要があるため、従来の履帯保護構造は交換コストが高い。
【0006】
上記の問題を解決するために、ある当業者によって底板及びゴムブロックが相互分解可能な履帯保護構造が開発された。
図1を参照して、
図1は、底板111、ゴムブロック112、複数の第1のねじ113、複数のナット114及び複数の第2のねじ115を含む従来の締付式履帯保護構造110を示す。
【0007】
前記の従来の履帯保護構造の組み立ては、必ずまず第1のねじ113を底板111の第1の貫通孔1111に穿設して、第1のねじ113で履帯チェーンに(図示せず)ロックする。底板111が履帯チェーンに置かれる場合、複数の第2のねじ115は、更に、ゴムブロック112に内蔵されたナット114にロックされるように履帯チェーン及び底板111の第2の貫通孔1112を貫通して、ゴムブロック112及び底板111を互いに結合させる。
【0008】
しかしながら、このような従来の締付式履帯保護構造は、前記の固定組合せの履帯保護構造に直面する問題を解決することができるが、地面の泥砂や石屑が履帯機具の動作に伴って底板111とゴムブロック112との間のスリットに入りやすく、その上、ゴムブロック112のテクスチャが泥砂や石屑より柔らかであるため、ゴムブロック112に泥砂や石屑の摩擦による摩損又は変形などの状況を発生させ、更にゴムブロック112と底板111との間の結合の安定性に影響を及ぼす。
【0009】
なお、またある当業者は、履帯保護構造における強化部材の部分に対して改良及び研究を行った。公知の強化部材120は、
図2Aに示すように、受けフレーム121、複数の孔(図示せず)及び複数のナット122を含む。各孔が隙間をあけて受けフレーム121に設置され、ナット122が対応的に各孔に溶接して固定される。これにより、ねじ部材が通り抜けてロックさせることができるが、このような強化部材120は、構造で一方向における強度のみを有し、地面との摩擦で走行して負荷が大きな大型履帯機具に対して、強度に不足がある。
【0010】
上記の問題を解決するために、ある当業者によって他の公知の強化部材130が開発された。
図2Bに示すように、強化部材130は、受けフレーム131、複数の開口134及び複数のナット132に加え、中空の角形枠体であり、受けフレーム131に溶接して固定される。これにより、他の方向の強度を向上する強化部133を更に含む。しかしながら、強化部133が中空の枠体であり、ゴムブロックのキャスティング成形の過程中に、強化部材130の内部の空気がゴムブロック内に気泡を発生させやすく、ゴムブロックに気泡が存在するとゴムブロックの使用時にあかぎれの状況を発生しやすく、更に履帯保護構造の耐用年数が減少する。なお、強化部材120及び強化部材130の両者には、ナット122と132とのいずれも溶接で受けフレーム121及び131に固定されるため、溶接時の過失によって斜め、精度が低いなどの状況を発生しやすく、強化部材の歩留まりを低下させて組み立ての難度を増加してしまう。
【0011】
これを鑑みて、業界においてゴム付き履帯における履帯保護構造の底板、強化部材及びゴムブロックの結合手段の改善に努め、履帯保護構造の損耗及び交換率が減少するように、三者をより安定して結合させる。なお、如何に強化部材の構造配置を改善して、履板構造アセンブリの強度を向上させそして組合せ精度を向上させるか、更に如何に製造及び作業コストを低減するかは、従来の履帯機具の開発者の一貫した努力する目標となる。
【0012】
本発明は、履板と弾性部材との分解可能な結合で、内部に支持リブ又は中実部が設けられた強化部材によって、履板を交換するコストを低減して、そして履板構造アセンブリの強度を向上し、且つ弾性部材と履板との間の組合せ安定性を更に向上する履板構造アセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
参考態様によれば、クローラ式走行機具の履帯チェーンに固定される履板構造アセンブリを提供する。履板構造アセンブリは、履板と、強化部材と、弾性部材と、を備える。
履板は、クローラ式走行機具の履帯チェーンとの結合に用いられ、1つの溝底と溝底に一体に接続され且つ互いに対向する2つの溝壁とを含む溝部を有する。
強化部材は、ベースフレーム、および、支持リブを有し、一側が取り外し可能に前記溝部に接続される。
ベースフレームは、1つの凹部と、互いに対向し且つ履板の2つの溝壁に互いに当接されるように凹部に一体に接続される2つの肩部とを有し、履板の溝部に取り外し可能に接続される。
支持リブは、ベースフレームの履板とは反対側に設置され、且つ凹部と2つの肩部との間に固定される。
弾性部材は、取り外し可能に強化部材の他側に接続され、且つ、強化部材の支持リブを収納するための収納凹溝を有する。
【0014】
一態様の履板構造アセンブリによれば、強化部材は、3つの支持リブを有する。3つの支持リブは、等距離で凹部の両端および中間に配列される。支持リブは、外形が三角柱状、矩形柱状、半円柱状又は波板状であってよい。
【0015】
一態様の履板構造アセンブリによれば、履板の溝底には、少なくとも1つの第1の貫通孔、少なくとも1つの第2の貫通孔及び少なくとも1つの第1の結合部材が設けられる。第1の結合部材は、スクリューであってよい。
履板構造アセンブリは、第2の貫通孔に対応し、第1の結合部材に結合する少なくとも1つの第1のナットをさらに備える。
強化部材の凹部には、第1の貫通孔に対応する少なくとも1つの第3の貫通孔と、第2の貫通孔に対応する少なくとも1つの第4の貫通孔と、第3の貫通孔に挿入される少なくとも1つの第2の結合部材とが設けられる。弾性部材には、第3の貫通孔に対応して設けられ第2の結合部材を収納する少なくとも1つの第1の凹孔と、第4の貫通孔に対応して設けられ第1の結合部材を収納する少なくとも1つの第2の凹孔とが設けられる。
【0016】
一態様の履板構造アセンブリによれば、強化部材の肩部の弾性部材に向かう表面には、パターンが設けられる。一態様では、パターンは、ストレート凹溝状、湾曲凹溝状又は円形凹穴状であってよい。
【0017】
一態様の履板構造アセンブリによれば、第2の結合部材はナットであってよい。第2の結合部材は、凹部に溶接固定される。
一態様の履板構造アセンブリは、全体組合せの安定性を向上するように、第1の貫通孔を貫通し、第2の結合部材に結合される少なくとも1つの第1のスクリューをさらに備える。
【0018】
一態様の履板構造アセンブリによれば、第2の結合部材はスクリューであってよい。履板構造アセンブリは、少なくとも1つの第2のナットをさらに備える。第2の結合部材は、第1の貫通孔を貫通し、第2のナットに結合される。
【0019】
これによって、本
態様の履板構造アセンブリは、履板及び弾性部材を取り外し可能に結合することによって、弾性部材を交換する時に履板と共に交換する必要がなく、更に交換コストを低減させる。なお、内部に支持リブが設けられた強化部材によって、支持リブを弾性部材の底部に固定する時に効果的に支持の安定性を向上することができ、弾性部材が履帯機具の動作時の横揺れによってその弾性部材の損耗を激しくすることを避け、強化部材によって泥砂又は石屑が履板と弾性部材との間のスリットに入って弾性部材を摩損することを更に避けて、且つ弾性部材と履板との間の組合せ安定性を向上する。
【0020】
本発明によれば、履板構造アセンブリは、ねじ部材によってクローラ式走行機具の履帯チェーンに固定される。履板構造アセンブリは、履板と、強化部材と、弾性部材と、を備える。
履板は、クローラ式走行機具の履帯チェーンに結合することに用いられ、少なくとも1つの孔及び少なくとも1つの溝部を有する。
孔は、履帯チェーンを固定するためのねじ部材が通り抜けることに用いられる。
溝部は、1つの溝底及び少なくとも2つの溝壁を含み、溝壁と溝底とが一体に接続され且つ各溝壁の間が互いに対向する。
強化部材は、ベースフレーム、および、少なくとも1つの中実部を有し、取り外し可能に履板の溝部に接続される。
ベースフレームは、1つの凹部および2つの肩部を有する。
凹部には、ねじ部材が通り抜けるための少なくとも1つの開孔が形成される。
2つの肩部は、互いに対向し且つ履板の2つの溝壁に対応して当接するように、凹部に一体に接続される。
中実部は、ベースフレームの履板とは反対側に設置され、凹部と2つの肩部との間に固定され、止まりねじ穴が形成される。
止まりねじ穴は、ねじ部材を締め付けることに用いられる。
弾性部材は、一側に取り外し可能に接続され、中実部を収納するための少なくとも1つの収納凹溝を有する。
【0021】
一態様の履板構造アセンブリによれば、中実部は、ベースフレームに溶接固定される。ベースフレーム凹部の開孔及び止まりねじ穴は、中実部をベースフレームに溶接した後に、打ち抜きで製造される。滑り止めの効果を達成するために、中実部は複数のパターンを有してもよい。
【0022】
一態様の履板構造アセンブリによれば、ベースフレームは複数の凹部が形成される。中実部は、複数であり、隙間を空けてそれぞれの凹部内に設置される。各凹部は、ベースフレームによりスタンピングで製造されてなる。
【0023】
一態様の履板構造アセンブリによれば、ベースフレームには、2つの凹部が形成される凹部の数に対応して、4つの中実部を有する。止まりねじ穴は、同様に4つである。4つの中実部のうちの2つは、隙間を空けてその一方の凹部内に設置され、他の2つの中実部が隙間を空けて他方の凹部内に設置される。
【0024】
これによって、中実部及び止まりねじ穴の配置によって履板構造アセンブリの強度が大幅に向上され、それと同時に、組合せ精度を向上させることができる。更に、強化部材に中実部を設置することによって、強化部材の強度を向上させることができるだけでなく、ナットを別途に溶接する必要がなく、止まりねじ穴が直接中実部に設置されることができ、更に履板構造アセンブリの組合せ精度及び歩留まりを向上させることができる。